特許第6136078号(P6136078)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6136078
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年5月31日
(54)【発明の名称】基板接続用コネクタ装置
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/631 20060101AFI20170522BHJP
   H01R 12/71 20110101ALI20170522BHJP
【FI】
   H01R13/631
   H01R12/71
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-23291(P2015-23291)
(22)【出願日】2015年2月9日
(65)【公開番号】特開2016-146292(P2016-146292A)
(43)【公開日】2016年8月12日
【審査請求日】2016年6月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000102500
【氏名又は名称】SMK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076255
【弁理士】
【氏名又は名称】古澤 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100177895
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 一範
(72)【発明者】
【氏名】石田 能康
(72)【発明者】
【氏名】宇留鷲 修一
(72)【発明者】
【氏名】大澤 文雄
【審査官】 前田 仁
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−056618(JP,A)
【文献】 特開平04−039994(JP,A)
【文献】 実用新案登録第2600600(JP,Y2)
【文献】 特許第5460037(JP,B2)
【文献】 特開2014−212049(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/631
H01R 12/71
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
側面部に導電金属性の複数のプラグ側信号端子が配設された突条状のプラグ部を有するプラグと、前記各プラグ部が挿入されるプラグ挿入溝の互いに対向する内側面部に導電金属性の複数のソケット側信号端子が配設されたソケットと、前記プラグが接続されるプラグ側基板と、前記ソケットが接続されるソケット側基板とを備えた基板接続用コネクタ装置において、
前記プラグは、絶縁樹脂製のプラグ本体を備え、このプラグ本体は、平行に伸びた2本のプラグ部と、このプラグ部の間の端部を繋いだ側壁部とで矩形枠状を成し、前記プラグ本体に複数のプラグ側信号端子を組み込み、このプラグ側信号端子から連続させて導出した基板接続用端部を前記プラグ側基板に接続し、
前記ソケットは、絶縁性樹脂のソケット本体を備え、このソケット本体は、平板状の底板部と、この底板部より立ち上げた長手方向に前記プラグの挿抜範囲外まで伸びた2本の側壁部と短手方向に伸びた2本の側壁部とによって箱型形状のハウジングとし、前記底板部に中央凸部を設け、前記側壁部と中央凸部との間にプラグ挿入溝を形成し、このプラグ挿入溝の内側面部に前記複数のソケット側信号端子を組み込み形成し、このソケット側信号端子から連続させて前記底板部の下面から導出した基板接続用端部を前記ソケット側基板に接続し、
前記ソケットの箱型形状ハウジングの前記プラグの挿抜範囲外における短手方向の2つの側壁部の外側部分に側壁部と連続させて、前記プラグ挿入溝部分のハウジング高さよりも高さを持たせたガイド用凸部を設け、
前記プラグ側基板には、プラグとソケットの嵌合時に前記ガイド用凸部と対向する前記プラグの挿抜範囲外の位置に前記ガイド用凸部が嵌まり込むためのガイド用切欠き部を設けたことを特徴とする基板接続用コネクタ装置。
【請求項2】
前記ガイド用凸部に、ガイド用凸部のハウジングの色彩と異なる色彩の補強用金具を被せるようにしたことを特徴とする請求項記載の基板接続用コネクタ装置。
【請求項3】
前記ガイド用凸部は、直方体形状に突出させたことを特徴とする請求項1又は2記載の基板接続用コネクタ装置。
【請求項4】
前記ガイド用凸部及びガイド用切欠き部の形成位置は、前記プラグ側基板の前記ガイド用切欠き部から前記プラグの一部がはみ出ない位置関係となるように形成したことを特徴とする請求項1、2又は3記載の基板接続用コネクタ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板と基板、基板とフレキシブルプリント基板(FPC)とを接続するための基板接続用コネクタ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、基板と基板との接続、或いは、基板とフレキシブルプリント基板(FPC)との接続には、側面部に複数のプラグ側信号端子が配設された突条状のプラグ部を有するプラグと、各プラグ部が挿入されるプラグ挿入溝の互いに対向する内側面部に複数のソケット側信号端子が配設されたソケットとを備えた基板接続用コネクタが使用されている。
【0003】
この基板接続用コネクタには、ソケットの両端部にそれぞれ凹穴状のガイド穴を有する雌側案内部を備えるとともに、プラグの両端部にガイド穴に嵌合される雄側被案内体を備え、雄側被案内体をガイド穴に案内させつつ嵌め込むことにより、各プラグ部が各プラグ挿入溝の所望の位置で嵌合され、両信号端子が互いに接触するようになっている(例えば、特許文献1を参照)。
【0004】
このような基板接続用コネクタでは、雌側案内部に雄側被案内体を円滑に嵌め込む為、ガイド穴と雄側被案内体との嵌め合い公差には一定の余裕が設けられており、また、雌側案内部の上面開口縁部にテーパ状の誘導部が形成されるとともに、雄側被案内体の下面周縁部にテーパ状の誘導部が形成され、ソケットとプラグを接続する際、両誘導部が互いに突き合わされ、その状態から互いに摺動することにより被案内体が雌側案内部に誘導され、ソケットとプラグとの長手方向及び短手方向の位置ずれを吸収できるようにしている。
【特許文献1】特開2010−97724号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
基板接続用コネクタの大きさは、例えば、縦2.3mm×横4mm程度であり、これは基板やFPCの大きさに比較して非常に小さいため、プラグとソケットを嵌合させる場合の位置合わせが非常に難しいという問題があった。また、プラグとソケットの嵌合部が基板、FPC等によって隠れてしまって目視で確認できないことから、嵌合作業がブラインド作業となって嵌合に手間取ってしまい、プラグ又はソケットを破損してしまう問題が生じていた。
【0006】
このような問題を解決するために、プラグの端部を基板若しくはFPCの端面より飛び出させて位置を視認可能に構成することで位置合わせの精度を向上させることが可能となるが、基板若しくはFPCの端面より飛び出させた個所をソケット側に抉るように嵌合することが多くなるため、当該プラグ端部を破損するおそれがあった。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、プラグとソケットの位置合わせが容易に行える基板接続用コネクタ装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の請求項1は、側面部に導電金属性の複数のプラグ側信号端子が配設された突条状のプラグ部を有するプラグと、前記各プラグ部が挿入されるプラグ挿入溝の互いに対向する内側面部に導電金属性の複数のソケット側信号端子が配設されたソケットと、前記プラグが接続されるプラグ側基板と、前記ソケットが接続されるソケット側基板とを備えた基板接続用コネクタ装置において、
前記プラグは、絶縁樹脂製のプラグ本体を備え、このプラグ本体は、平行に伸びた2本のプラグ部と、このプラグ部の間の端部を繋いだ側壁部とで矩形枠状を成し、前記プラグ本体に複数のプラグ側信号端子を組み込み、このプラグ側信号端子から連続させて導出した基板接続用端部を前記プラグ側基板に接続し、
前記ソケットは、絶縁性樹脂のソケット本体を備え、このソケット本体は、平板状の底板部と、この底板部より立ち上げた長手方向に前記プラグの挿抜範囲外まで伸びた2本の側壁部と短手方向に伸びた2本の側壁部とによって箱型形状のハウジングとし、前記底板部に中央凸部を設け、前記側壁部と中央凸部との間にプラグ挿入溝を形成し、このプラグ挿入溝の内側面部に前記複数のソケット側信号端子を組み込み形成し、このソケット側信号端子から連続させて前記底板部の下面から導出した基板接続用端部を前記ソケット側基板に接続し、
前記ソケットの箱型形状ハウジングの前記プラグの挿抜範囲外における短手方向の2つの側壁部の外側部分に側壁部と連続させて、前記プラグ挿入溝部分のハウジング高さよりも高さを持たせたガイド用凸部を設け、
前記プラグ側基板には、プラグとソケットの嵌合時に前記ガイド用凸部と対向する前記プラグの挿抜範囲外の位置に前記ガイド用凸部が嵌まり込むためのガイド用切欠き部を設けたことを特徴とする基板接続用コネクタ装置である。
【0010】
本発明の請求項は、請求項1又は2に加えて、前記ガイド用凸部に、ガイド用凸部のハウジングの色彩と異なる色彩の補強用金具を被せるようにしたことを特徴とする基板接続用コネクタ装置である。
【0011】
本発明の請求項は、請求項1乃至3に加えて、前記ガイド用凸部は、直方体形状に突出させたことを特徴とする基板接続用コネクタ装置である。
【0012】
本発明の請求項は、請求項1乃至4に加えて、前記ガイド用凸部及びガイド用切欠き部の形成位置は、前記プラグ側基板の前記ガイド用切欠き部から前記プラグの一部がはみ出ない位置関係となるように形成したことを特徴とする基板接続用コネクタ装置である。
【発明の効果】
【0013】
請求項1記載の発明によれば、
側面部に導電金属性の複数のプラグ側信号端子が配設された突条状のプラグ部を有するプラグと、前記各プラグ部が挿入されるプラグ挿入溝の互いに対向する内側面部に導電金属性の複数のソケット側信号端子が配設されたソケットと、前記プラグが接続されるプラグ側基板と、前記ソケットが接続されるソケット側基板とを備えた基板接続用コネクタ装置において、
前記プラグは、絶縁樹脂製のプラグ本体を備え、このプラグ本体は、平行に伸びた2本のプラグ部と、このプラグ部の間の端部を繋いだ側壁部とで矩形枠状を成し、前記プラグ本体に複数のプラグ側信号端子を組み込み、このプラグ側信号端子から連続させて導出した基板接続用端部を前記プラグ側基板に接続し、
前記ソケットは、絶縁性樹脂のソケット本体を備え、このソケット本体は、平板状の底板部と、この底板部より立ち上げた長手方向に前記プラグの挿抜範囲外まで伸びた2本の側壁部と短手方向に伸びた2本の側壁部とによって箱型形状のハウジングとし、前記底板部に中央凸部を設け、前記側壁部と中央凸部との間にプラグ挿入溝を形成し、このプラグ挿入溝の内側面部に前記複数のソケット側信号端子を組み込み形成し、このソケット側信号端子から連続させて前記底板部の下面から導出した基板接続用端部を前記ソケット側基板に接続し、
前記ソケットの箱型形状ハウジングの前記プラグの挿抜範囲外における短手方向の2つの側壁部の外側部分に側壁部と連続させて、前記プラグ挿入溝部分のハウジング高さよりも高さを持たせたガイド用凸部を設け、
前記プラグ側基板には、プラグとソケットの嵌合時に前記ガイド用凸部と対向する前記プラグの挿抜範囲外の位置に前記ガイド用凸部が嵌まり込むためのガイド用切欠き部を設けたので、
プラグとソケットの嵌合時に、前記ガイド用凸部の位置に前記ガイド用切欠き部が対向するように目視で位置合わせが可能となるため、従来のブラインド作業時に起こっていたプラグ又はソケットの破損を防止することができる。
また、プラグの挿抜範囲外の部分にガイド用凸部を設けるようにすることで、プラグの端部がガイド用切欠き部からはみ出すことを防止してプラグ端部の破損を防いでいる。さらに、位置決めの基準となるガイド用凸部が2つあることで位置決めをより精度高く行うことが可能となる。
【0015】
請求項記載の発明によれば、前記ガイド用凸部に、ガイド用凸部のハウジングの色彩と異なる色彩の補強用金具を被せるようにしたので、補強用金具によってガイド用凸部の強度を増して破損を防止するとともに、ハウジングの色彩と異なる色彩の補強用金具とすることで位置決めの際の視認性を向上させることが可能となる。
【0016】
請求項記載の発明によれば、前記ガイド用凸部は、直方体形状に突出させたので、対向するガイド用切欠き部に直角部分が形成されて位置合わせの基準がより明確となる。
【0017】
請求項記載の発明によれば、前記ガイド用凸部及びガイド用切欠き部の形成位置は、前記プラグ側基板の前記ガイド用切欠き部から前記プラグの一部がはみ出ない位置関係となるように形成したので、基板若しくはFPCの端面より飛び出させたプラグ個所をソケット側に抉るように嵌合することがなくなり、当該プラグ端部の破損を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】プラグ11の構成を表した図面であり、(a)は斜視図、(b)は正面図である。
図2】ソケット13の構成を表した図面であり、(a)は斜視図、(b)は正面図である。
図3】プラグ11をプラグ側基板12に接続した様子を表した斜視図である。
図4】ソケット13をソケット側基板14に接続した様子を表した斜視図である。
図5】嵌合状態の基板接続用コネクタ装置10を表した図面であり、(a)は斜視図、(b)は平面図である。
図6】本発明の実施例2におけるソケット13の構成を表した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明による基板接続用コネクタ装置は、側面部に導電金属性の複数のプラグ側信号端子が配設された突条状のプラグ部を有するプラグと、前記各プラグ部が挿入されるプラグ挿入溝の互いに対向する内側面部に導電金属性の複数のソケット側信号端子が配設されたソケットと、前記プラグが接続されるプラグ側基板と、前記ソケットが接続されるソケット側基板とを備えた基板接続用コネクタ装置において、前記ソケットのハウジングの側壁部で前記プラグの挿抜範囲外の部分に、前記プラグ挿入溝部分のハウジング高さよりも高さを持たせたガイド用凸部を設け、前記プラグ側基板には、プラグとソケットの嵌合時に前記ガイド用凸部と対向する位置に前記ガイド用凸部が嵌まり込むためのガイド用切欠き部を設けたことを特徴とするものである。以下、詳細に説明を行う。
【実施例1】
【0020】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本発明による基板接続用コネクタ装置10は、プラグ11、プラグ側基板12、ソケット13、ソケット側基板14によって構成されている。なお、以下の説明において「基板」と表現しているものには、板状のプリント配線板のみならず、フレキシブルプリント基板(FPC)等も含まれているものとする。
【0021】
図1は、プラグ11の構成を表した図面であり、(a)は斜視図、(b)は正面図である。プラグ11は、図1に示すように、平行に2本、長手方向に伸びた突条状のプラグ部15、15を有する絶縁樹脂製のプラグ本体16を備え、このプラグ本体16に複数のプラグ側信号端子17がインサート成形により一体的に組み込まれている。
【0022】
前記プラグ本体16は、絶縁性合成樹脂により一体に形成され、平板状の基部18と、基部18の表面より突出した長手方向に延びる突条状のプラグ部15、15と、前記プラグ部15、15の間の端部を繋いだ短手方向側壁部19、19とを備え、基部18と両プラグ部15、15とをもってコ字状断面がコネクタ長手方向に連続した形状を成すとともに、両プラグ部15、15とその両端に配置された短手方向側壁部19、19とで矩形枠状を成している。
【0023】
前記プラグ側信号端子17は、長手方向に延びる突条状のプラグ部15の内周面から外周面に連続してプラグ部15を覆うように形成されているが、このプラグ側信号端子17の外周面側には、嵌合相手であるソケット13側と係合するための係合凹部20が複数個所に形成してある。また、プラグ側信号端子17から連続させて基部18の下面から導出した基板接続用端部21が設けられており、この基板接続用端部21部分を半田付けするなどの方法によって、プラグ11を前記プラグ側基板12に電気的に接続しつつ固定する。図3に示すのは、プラグ11をプラグ側基板12に接続した様子を表した斜視図である。また、プラグ11の短手方向側壁部19、19の上面には、矩形枠状の四隅を補強するようにして補強金具22が設けられている。
【0024】
図2に示すのは、ソケット13の構成を表した図面であり、(a)は斜視図、(b)は正面図である。この図2に示すように、ソケット13は、絶縁性樹脂からなるソケット本体23と、導電性金属材からなる複数のソケット側信号端子24とを備え、ソケット本体23に複数のソケット側信号端子24を組み込むことにより形成されている。ソケット本体23は、絶縁性合成樹脂により一体に形成され、平板状の底板部25と、この底板部25より立ち上げた長手方向に伸びた側壁部26、26と、短手方向に伸びた側壁部27、27とによって、箱型形状に形成してある。そして、底板部25の中央部に中央凸部28が設けてある。前記側壁部26、26と中央凸部28との間の凹溝状のスペースが、前記プラグ部15、15が挿入されるプラグ挿入溝29、29となる。
【0025】
前記ソケット側信号端子24は、前記中央凸部25の前記プラグ挿入溝29に面した壁面に設けた端子と、前記側壁部26の前記プラグ挿入溝29に面した壁面に設けた端子とで構成されており、このうち、前記側壁部26の壁面に設けた端子には、プラグ側の前記係合凹部20と係合するための係合凸部30が嵌合時に対応する位置に設けられている。また、ソケット側信号端子24から連続させて底板部25の下面から導出した基板接続用端部31が設けられており、この基板接続用端部31部分を半田付けするなどの方法によって、ソケット13を前記ソケット側基板14に電気的に接続しつつ固定する。図4に示すのは、ソケット13をソケット側基板14に接続した様子を表した斜視図である。
【0026】
ここで、本発明による基板接続用コネクタ装置10の特徴として、図2に示すように、短手方向に伸びた側壁部27、27から連続させて前記プラグ11の挿抜範囲外の部分に、前記側壁部26のハウジング高さ(プラグ11の挿抜範囲部分のソケット本体23のハウジング高さ)よりも高さを持たせて直方体形状に突出させたガイド用凸部32を設けている。そして、図3に示すように、プラグ側基板12には、プラグ11とソケット13の嵌合時に前記ガイド用凸部32と対向する位置に前記ガイド用凸部32が嵌まり込むためのガイド用切欠き部33を設けている。
なお、プラグ11の挿抜範囲外の部分にガイド用凸部32を設けるようにすることで、プラグ11の端部がガイド用切欠き部33からはみ出すことを防止してプラグ11端部の破損を防いでいる。
【0027】
以上のように構成された基板接続用コネクタ装置10の嵌合作業時には、ソケット側基板14に接続されたソケット13のガイド用凸部32を目視にて探す。ガイド用凸部32が見つかったら、このガイド用凸部32を位置決めの目標物として定めて、プラグ11が接続されたプラグ側基板12をプラグ11を接続した側をソケット13側に向けた状態で徐々に近づけていく。この時、プラグ側基板12のガイド用切欠き部33をガイド用凸部32に合わせるように位置合わせを行う。真上から観察しながらガイド用凸部32の直角部分とガイド用切欠き部33の直角部分を合わせるようにして正しい位置決めを行った上で、プラグ側基板12を裏から押し込んでプラグ11とソケット13を嵌合させる。図5に示すのは、嵌合状態の基板接続用コネクタ装置10を表した図面であり、(a)は斜視図、(b)は平面図である。
このようにして、ガイド用凸部32とガイド用切欠き部33を用いて目視で正しい位置決めを行うことができるため、プラグ11とソケット13の位置合わせが容易に行え、プラグ11又はソケット13を破損することがなくなる。
【実施例2】
【0028】
図6に示すのは、本発明の実施例2におけるソケット13の構成を表した斜視図である。この実施例2におけるソケット13は、実施例1におけるソケット13とほぼ同じ構成であるが、この実施例2では、ガイド用凸部32部分に、補強用金具34を設けたことを特徴とするものである。この補強用金具34は、ガイド用凸部32のハウジングの色彩と異なる色彩となる金属を採用する。これにより、補強用金具34によってガイド用凸部32部分の強度を増して破損を防止するとともに、ハウジングの色彩と異なる色彩の補強用金具34とすることで位置決めの際の視認性を向上させることが可能となる。このため嵌合作業の作業性が向上する。
【0029】
前記実施例においては、ガイド用凸部32は、ソケット13の短手方向の側壁部27、27から連続させて2つ設けるようにしていたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ソケット13の長手方向の側壁部26、26から連続させて設けるようにしてもよいし、また、2つ設ける場合のみならず、1つだけガイド用凸部32を設けるようにしてもよいし、3方の側壁部27、26、27の3か所にガイド用凸部32を設けるようにしてもよい。これらに合わせてソケット側基板12の対応する位置にガイド用切欠き部33を設けることができれば、ガイド用凸部32の個数に制限はない。
【0030】
また、前記実施例においては、ガイド用凸部32は、直方体形状に突出させて構成していたが、ガイド用凸部32の形状はこれに限定されるものではない。例えば、円筒形に突出させたガイド用凸部ということも可能である。
【0031】
また、本発明は、前記実施例において採用したプラグ11及びソケット13の形状、端子配置の構造に限定されるものではなく、基板接続用の様々なコネクタに適用可能な技術である。
【符号の説明】
【0032】
10…基板接続用コネクタ装置、11…プラグ、12…プラグ側基板、13…ソケット、14…ソケット側基板、15…プラグ部、16…プラグ本体、17…プラグ側信号端子、18…基部、19…短手方向側壁部、20…係合凹部、21…基板接続用端部、22…補強金具、23…ソケット本体、24…ソケット側信号端子、25…底板部、26…側壁部、27…側壁部、28…中央凸部、29…プラグ挿入溝、30…係合凸部、31…基板接続用端部、32…ガイド用凸部、33…ガイド用切欠き部、34…補強用金具。
図1
図2
図3
図4
図5
図6