【実施例】
【0015】
図1〜
図3に最初の実施例を示す。半導体ウェハー、レチクル、ディスプレイの基板、等をFOUP等の容器に収容し、ストッカ2で保管する。以下、これらの容器を物品と呼ぶ。ストッカ2は引出棚ユニット4と、搬送スペース6と、棚8,10とを備え、引出棚ユニット4はストッカ2から引き出し、またストッカ2内に戻すことができる。引出棚ユニット4はストッカ2内では棚10の一部であり、棚8は搬送スペース6を挟んで、棚10と対向している。なお棚8は設けなくても良い。また搬送スペース6は、後述の搬送装置50が走行し、棚8,10との間で物品を移載し搬送するスペースである。さらに搬送スペース6に面して作業者の出入口を設け、搬送スペース6へ作業者が出入りできるようにしても良い。12はファンフィルタユニットで、ストッカ2内にクリーンエアのダウンフローを形成する。またストッカ2の内で、引出棚ユニット4を除く部分をストッカ本体と呼ぶ。
【0016】
引出棚ユニット4の構成を説明する。棚8,10と引出棚ユニット4とには、それぞれ棚受14が複数個設けられ物品を載置する。なお棚受14毎のスペースを間口という。引出棚ユニット4には、取手16と例えばロック自在なキャスター車輪18とが取り付けられ、クリーンルームの床面3上を移動自在である。また引出棚ユニット4での、例えば最下部の棚受14よりも下方に、例えば4個のガイドローラ20が設けられ、棚10側に設けたガイド22でガイドローラ20をガイドし、棚10内の所定位置へガイドする。さらに引出棚ユニット4にヒンジ要素24を、ストッカ2側にヒンジ要素26を設け、これらに
図3のピン62を組み合わせてヒンジ36とする。これにより、引出棚ユニット4は
図2のヒンジ36を中心に回動自在となる。物品は重量物で、引出棚ユニット4が移動中に倒れると、人手で支えることは難しい。そこでワイヤ、ベルト、ロープ等の、可撓性がある転倒防止部材28により、クリーンルームの天井と引出棚ユニット4とを接続し、引出棚ユニット4の転倒を防止する。
【0017】
図2に、引出棚ユニット4をストッカ2から引き出した状態を示し、40はストッカ2の支柱、42は引出棚ユニット4の支柱で、支柱40,40の間に、狭いスペースをおいて、支柱42,42が挟まれるように配置されている。
図2の左右方向をストッカ2の左右方向、
図2の上下方向をストッカ2の奥行き方向とすると、左右一対のガイドローラ20,20をガイド22,22によりガイドし、棚10内での引出棚ユニット4の左右方向位置を規制する。さらに例えば一対の位置決めピン32,32に、同様に例えば一対の嵌合部材30,30を嵌合させて、引出棚ユニット4の奥行き方向位置を位置決めする。なおガイドローラ20と嵌合部材30を棚10側に、ガイド22と位置決めピン32とを引出棚ユニット4側に設けても良く、これらの部材の棚10と引出棚ユニット4への割り当ては任意である。またこれらの部材は、例えば引出棚ユニット4での最下部の棚受よりも、下方のスペースに配置する。
【0018】
搬送スペース6は搬送装置50の走行スペースである。搬送装置50は台車52を備えて車輪54により走行し、マスト56に沿って、アーム58が昇降し、その先端にスカラアーム等の移載装置60が設置されている。マスト56を備えない搬送装置を用い、搬送スペース6を高さ方向に沿って複数レベルに区切り、各レベル毎に搬送装置を移動させても良い。なお44はストッカ2の外板、46は引出棚ユニット4の外板で、引出棚ユニット4を棚10内に戻すと、外板44,46が隙間なく組み合わされるようにされている。
【0019】
図3にヒンジ36を示し、例えば支柱42にヒンジ要素24が、支柱40にヒンジ要素26が取り付けられ、これらを上下に重ねて、孔61にピン62を挿通すると、ヒンジ36となる。ヒンジ36は、
図1に示すように、例えば上下一対設ける。ピン62は上部にヘッド63を備え、下部に出没自在で出方向に付勢されている突起64が設けられ、ピン62がヒンジ36から脱落することを防止する。
【0020】
ストッカ2は以下の作用を有する。
・ 引出棚ユニット4は棚受14を備え、棚10の一部として物品を保管できる。
・ 引出棚ユニット4をキャスター車輪18を用いて引き出し、また棚10内に戻すことができる。
・ 引き出した引出棚ユニット4を、ヒンジ36により棚10の支柱40に連結すると、
図2の白抜き矢印のように90°回転させて、搬送スペース6への通路を造ることができる。またヒンジ36により、引出棚ユニット4の可動範囲を制限できる。
・ 引出棚ユニット4を棚10内へ戻す際には、ガイドローラ20とガイド22とにより、引出棚ユニット4の左右方向位置を規制し、位置決めピン32と嵌合部材30とにより奥行き方向位置を位置決めできる。これによって、引出棚ユニット4に対し、搬送装置50が物品を移載自在となる。
・ 転倒防止部材28により、引出棚ユニット4が移動中に転倒することを防止できる。
なお位置決めピン32と嵌合部材30との嵌合が外れないようにロックする部材、あるいは引出棚ユニット4を棚10に固定する部材等を追加すると、奥行き方向に沿っての引出棚ユニット4の位置を、より確実に固定できる。
【0021】
図4,
図5にヒンジの変形例を示し、特に指摘する点以外は、
図1〜
図3の実施例と同様である。ストッカ2の支柱40にヒンジ片65が、引出棚ユニット4の支柱42にヒンジ片68が取り付けられている。ヒンジ片65は嵌合孔66を備え、ヒンジ片68はヒンジ軸69を備え、嵌合孔66の先端(最も奧の部分)にヒンジ軸69が嵌合する。嵌合孔66はU字状で先端で向きが変わり、入口にガイド66a,66bを備えている。ヒンジ軸69を嵌合孔66の先端まで押し込むと、ヒンジ軸69を中心に引出棚ユニット4を回転させることができる。
【0022】
図6〜
図8に
参考例のストッカ70を示し、
図1〜
図3の実施例と同じ符号は同じものを表し、特に指摘する点以外は同様で、奥行き方向、左右方向等の意味は同じである。72は新たな引出棚ユニットで、高さ方向と左右方向とに沿って、それぞれ複数の棚受14が設けられ、74はフレームである。また
図7に示すように、引出棚ユニット72は、例えば最下段の棚受よりも下方の位置に、ボルトを用いたジャッキ78を例えば4個と、位置決めピン92を例えば2個備えている。そして棚10側に設けた嵌合部材93に位置決めピン92を嵌合させて、位置決めする。なお棚10側に位置決めピン92を、引出棚ユニット72側に嵌合部材93を設けても良く、ピンの嵌合に限らず、引出棚ユニット72を位置決めできる部材を引出棚ユニット72と棚10とに設ければよい。フレーム74等に、左右方向の位置と高さ方向の位置を変えて、ナットプレート76を例えば4個設ける。
【0023】
80はスライド台車で、フレーム82を備え、ロック自在なキャスター車輪90によりクリーンルーム内を移動自在である。フレーム82に、ストッカ70の奥行き方向のガイド84が一対設けられ、スライドユニット86のパイプ88をガイドして、スライドユニット86をストッカ70の奥行き方向にスライドさせる。
【0024】
引出棚ユニット72をストッカ70から引き出す場合、ジャッキ78により引出棚ユニット72を上昇させて、位置決めピン92を嵌合部材93から外し、ナットプレート76にスライドユニット86側からボルトを締結し、スライドユニット86に固定する。この状態が
図6の実線の状態で、ここからパイプ88をガイド84に沿ってスライドさせると、
図6の鎖線の状態となり、重量物の引出棚ユニット72がスライド台車80の長手方向中心に位置して、スライド台車80が安定する。なおスライド台車80をさらに安定にするには、例えば
図6の位置で、スライド台車80の右端にカウンターウェイトを設けると良い。そして
図6の位置からスライド台車80を移動させると、搬送スペース6への通路を開けて、例えば物品を棚8,10から持ち出すことができる。また物品を持ち出せないまでも、搬送スペース6に作業者が出入り自在にして、ジャッキ78を操作できる、あるいは外板46の一部に開閉自在な窓を設けて、ジャッキ78を操作できるようにする。なおジャッキ78を、引出棚ユニット72ではなく、スライド台車80に設けて、フレーム82を昇降させても良い。
【0025】
引出棚ユニット72を棚10内に戻す場合、上記の逆の手順を実行し、スライドユニット86を
図6の左側へシフトさせ、ジャッキ78を操作して、引出棚ユニット72を下降させると共に、位置決めピン92と嵌合部材93とで引出棚ユニット72を位置決めする。