(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記選択手段により、前記低密度画像モードから高密度画像モードに切り替えられたとき、前記画像濃度調整制御を強制的に実行する請求項1又は請求項2記載の現像剤補給装置。
電源が投入された直後に、前記選択手段により前記高密度画像モードが選択されていた場合は、前記画像濃度調整制御を強制的に実行する請求項1〜請求項3の何れか1項記載の現像剤補給装置。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、本実施形態に係る画像形成装置10の構成を示す概略図である。なお、以下のX方向・−X方向・Y方向(上方)・−Y方向(下方)・Z方向・−Z方向は、図中に示す矢印方向である。また、図中の「○」の中に「×」が記載されたものは、紙面の手前から奥へ向かう矢印を意味し、図中の「○」の中に「・」が記載されたものは、紙面の奥から手前へ向かう矢印を意味する。
【0018】
また、本実施の形態では、画像形成装置10を示しているが、当該画像形成装置10に画像読取装置や、ファクシミリ通信装置等を構造的に一体化した複合機、すなわち画像処理であってもよい。
【0019】
図1に示すように、画像形成装置10は、各構成部品が設けられる画像形成装置本体11を備えている。画像形成装置本体11の内部には、用紙等の記録媒体Pが収容される収容部12と、記録媒体Pに画像を形成する画像形成部(IOT)14と、収容部12から画像形成部14へ記録媒体Pを搬送する搬送部16と、画像形成装置10の各部の動作を制御する画像形成制御部20(MCU)と、が設けられている。また、画像形成装置本体11の上部には、画像形成部14によって画像が形成された記録媒体Pが排出される排出部18が設けられている。
【0020】
図2に示される如く、画像形成制御部20は、マイクロコンピュータ20Aを含んでおり、マイクロコンピュータ20Aは、CPU20B、RAM20C、ROM20D、入出力部20E及びこれらを接続するデータバスやコントロールバス等のバス20Fを備えている。入出力装置20Eには、濃度センサ106が接続され、基準画像(パッチ)の濃度を検出する(詳細後述)。また、入出力装置20Eには、画像モード選択スイッチ107が接続されている。画像モード選択スイッチ107は、ユーザーが操作可能なタッチパネルを含むユーザーインターフェイス部(図示省略)に、ソフトスイッチ(タッチパネル上のタッチ操作)或いはハードスイッチ(押圧操作)として設けられている。本実施の形態では、相対的に高画質モードとされる「フォトモード」と、相対的に低画質モードとされる「ノーマルモード」の何れかが選択可能である。「フォトモード」及び「ノーマルモード」については後述する。
【0021】
さらに、入出力装置20Eには、外部から画像情報を取得する通信I/F部20G、前記搬送部16や後述する画像形成ユニット22Y、22M、22C、22Kでの動作等を個々に制御するための制御系と接続する複数のI/F20Hが接続されている。すなわち、画像形成制御部20は、画像形成に関する様々な制御を一環して管理する役目を有する。
【0022】
画像形成部14は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー画像を形成する画像形成ユニット22Y、22M、22C、22K(以下、総称する場合、「画像形成ユニット22Y〜22K」とする。)と、画像形成ユニット22Y〜22Kで形成されたトナー画像が転写される中間転写ベルト24と、画像形成ユニット22Y〜22Kで形成されたトナー画像を中間転写ベルト24に転写する第1転写ロール26と、第1転写ロール26によって中間転写ベルト24に転写されたトナー画像を中間転写ベルト24から記録媒体Pへ転写する第2転写ロール28と、を備えている。なお、画像形成部14は、上記の構成に限られず、他の構成であっても良く、記録媒体Pに画像を形成するものであればよい。
【0023】
画像形成ユニット22Y〜22Kは、水平方向(
図1のZ方向・−Z方向)に対して傾斜した状態で、画像形成装置本体11に並んで配置されている。また、画像形成ユニット22Y〜22Kは、一方向(例えば、
図1における反時計回り方向)へ回転する感光体32をそれぞれ有している。なお、画像形成ユニット22Y〜22Kは、同様に構成されているので、
図1において、前記感光体32を含め、画像形成ユニット22Kのみに各部の符号を付し、画像形成ユニット22Y、22M、22Cでは省略する。
【0024】
各感光体32の周囲には、感光体32の回転方向上流側から順に、感光体32を帯電させる帯電装置の一例としての帯電ロール23と、帯電ロール23によって帯電した感光体32を後述の露光装置36が露光することで感光体32に形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成する現像装置38と、が設けられている。
【0025】
画像形成ユニット22Y〜22Kの
図1における右斜め下方には、帯電ロール23によって帯電した感光体32を露光して感光体32に静電潜像を形成する露光装置36が設けられている。露光装置36は、画像形成制御部20から送られた画像信号に基づき静電潜像を形成するようになっている。画像形成制御部20から送られる画像信号としては、例えば、画像形成制御部20が外部装置から取得した画像信号がある。
【0026】
各現像装置38は、トナーを含む現像剤が収容される筐体38Aと、筐体38Aに支持され感光体32へ現像剤を供給する現像剤供給体38Bと、現像剤供給体38Bへ付与される現像剤を攪拌しながら搬送する搬送部材38Cと、を備えている。
【0027】
中間転写ベルト24は、環状に形成されると共に、画像形成ユニット22Y〜22Kの上側(
図1のY方向側)に配置されている。中間転写ベルト24の内周側には、中間転写ベルト24が巻き掛けられる巻掛ロール42・43・44・45が設けられている。中間転写ベルト24は、巻掛ロール42・43・44・45のいずれかが回転駆動することによって、感光体32と接触しながら一方向(例えば、
図1における時計回り方向)へ周回移動(回転)するようになっている。なお、巻掛ロール42は、前述した第2転写ロール28に対向する対向ロールとされている。
【0028】
各第1転写ロール26は、中間転写ベルト24を挟んで各感光体32に対向している。各第1転写ロール26と各感光体32との間が、各感光体32に形成されたトナー画像が中間転写ベルト24に転写される第1転写位置T1とされている。
【0029】
第2転写ロール28は、中間転写ベルト24を挟んで巻掛ロール42に対向している。第2転写ロール28と巻掛ロール42との間が、中間転写ベルト24に転写されたトナー画像が記録媒体Pに転写される第2転写位置T2とされている。
【0030】
搬送部16は、収容部12に収容された記録媒体Pを送り出す送出ロール46と、送出ロール46に送り出された記録媒体Pが搬送される搬送路48と、搬送路48に沿って配置され送出ロール46によって送り出された記録媒体Pを第2転写位置T2へ搬送する複数の搬送ロール50と、が設けられている。
【0031】
第2転写位置T2より搬送方向下流側には、画像形成部14によって記録媒体Pに形成されたトナー画像を記録媒体Pに定着させる定着装置40が設けられている。この定着装置40より搬送方向下流側には、トナー画像が定着された記録媒体Pを排出部18へ排出する排出ロール52が設けられている。
【0032】
また、片面にトナー画像が定着された記録媒体Pを反転させて、再び第2転写位置T2へ送り戻すための反転搬送路37が、搬送路48に対する中間転写ベルト24とは反対側(
図1のZ方向側)に設けられている。記録媒体Pの両面に画像を形成する際には、片面にトナー画像が定着された記録媒体Pが、排出ロール52によりスイッチバックされて反転搬送路37に導かれて第2転写位置T2へ送り戻されるようになっている。
【0033】
さらに、画像形成装置本体11の右側(
図1の−Z方向側部分)には、各色の現像剤を収容する複数の現像剤収容容器60(トナーカートリッジ)と、各現像剤収容容器60から排出された現像剤をそれぞれが各現像装置38へ搬送する複数の搬送管58と、画像形成装置本体11に対して開閉される開閉部56と、設けられている。現像剤収容容器60は、上下方向(
図1のY方向)に沿って並んで配置されている。
【0034】
具体的には、
図3に示すように、各現像剤収容容器60は、画像形成装置本体11に対して開閉部56が開放された状態において、画像形成装置本体11に設けられた装着部80に対して、予め定められた取外し方向(
図3の−Z方向)に取り外されると共に、予め定められた装着方向(
図3のZ方向)に装着されるようになっている。
【0035】
ここで、現像剤収容容器60は、各色毎に設けられているため、Y色、M色、C色、K色の合計4個の現像剤収容容器60が積み重ねられるように設けられている。また、現像装置38へ現像剤を搬送する搬送管58も、各色毎に独立して設けられ、現像剤収容容器60から、それぞれの色に対応する現像装置38へ搬送する。
【0036】
これに対して、本実施の形態では、4個の現像剤収容容器60と4本の搬送管58に設けられた搬送機構部100K、100C、100Y、100M(
図4参照、以下、総称する場合「搬送機構100」という場合がある。)を、当該搬送機構部100よりも少ない数(例えば2個)の駆動源によって駆動している。搬送機構部100としては、例えば、スクリューコンベア等が代表的であるが、これに限定されるものではなく、羽根、ヘラ等の板材を回転させて現像剤を送り出す等、他の搬送機構でもよい。或いは、複数種類の搬送機構を組み合わせてもよい。
【0037】
なお、駆動源としてはモータが一般的であり、本実施の形態では、
図4に示すように、第1のモータ102A、第2のモータ102B(以下、総称する場合、「モータ102」という場合がある)が適用されている。なお、駆動源としてはモータ102に限定されるものではなく、励磁力、空気圧、油圧等を用いて回転運動、振り子運動、往復運動等、繰り返し動作する構造であればよい。
【0038】
ここで、モータ102の回転駆動により、前記搬送機構部100を駆動させることで、現像剤収容容器60の現像剤を排出し、かつ搬送管58内を流動させて、各色に対応する現像装置38へ供給(補給)している。
【0039】
各モータ100は、それぞれ正転及び逆転することが可能となっている。また、モータ100の駆動力を伝達する伝達系の下流側には、伝達先を選択するクラッチ等に代表される駆動力切替機構部104(
図4参照)が設けられており、モータ102が正転するときと逆転するときとで、当該駆動力切替機構部104よりも下流側に設けたそれぞれ2系統の搬送機構部100に選択的に連結し、駆動力を伝達するようになっている。
【0040】
なお、この駆動力切替機構部104の選択に関しては、特定の機構に限定されるものではない。以下にその具体例を示す。
【0041】
(具体例1) モータ102の回転軸にそれぞれワンウェイクラッチ機構を内蔵する2個の歯車を同軸上に取り付けることが考えられる。すなわち、一方の歯車はモータ102が正転するときは噛み合って一体となって回転し逆転するときは空回りして回転しない。他方の歯車はモータ102が逆転するときは噛み合って一体となって回転し正転するときは空回りして回転しない。これにより、モータ102の回転方向で歯車の選択が可能である。
【0042】
(具体例2) ソレノイド等で振り子運動するレバーの先端部に、2系統の搬送機構部100の何れかと連結するモータ102を取り付ける。ソレノイドは、モータ102の回転方向を定める電気信号と共有することで、レバーをモータ102の回転方向で振り子運動させることが可能となる。
【0043】
(具体例3) モータ102の回転開始時に発生する慣性力を利用して、2系統の搬送機構部100の何れかと連結する。
【0044】
(具体例4) 太陽ギヤ、遊星ギヤ、リングギヤ等を用いたプラネタリギヤ機構を用いる。
【0045】
なお、本実施の形態では、2個のモータ100の内、第1のモータ102Aでは、正転によって現像剤収容容器60とその搬送管58の搬送機構部100Kを駆動させてK色の現像剤を搬送し、逆転によって現像剤収容容器60とその搬送管58の搬送機構部100Cを駆動させてC色の現像剤を搬送する。また、2個のモータの内、第2のモータ102Bでは、正転によって現像剤収容容器60とその搬送管58の搬送機構部100Yを駆動させてY色の現像剤を搬送し、逆転によって現像剤収容容器60とその搬送管58の搬送機構部100Mを駆動させてM色の現像剤を搬送する。
【0046】
(現像剤の補給)
現像剤の補給は、濃度調整制御の結果に基づき実行されるものである。前記中間転写ベルト24(
図1参照)に基準色画像(所謂、「パッチ画像」という場合がある)を形成し、当該パッチ画像の濃度を濃度センサ106(
図1、
図4参照)で検出して、適正濃度か否か、不適正である場合の濃度調整量を演算し、現像剤補給量に換算して蓄積する制御である。
【0047】
この濃度調整制御は、基本的に、予め定めた第1の処理量(A4換算で35枚程度の処理枚数)を超えた後のジョブ終了時に行う濃度調整制御によって得られた現像剤補給量を蓄積し、当該蓄積した現在補給量分を1枚の記録媒体の処理時間(例えば、A4横搬送で処理に係る時間)に分割して補給するようになっている。
【0048】
なお、前記濃度調整制御は、前記第1の処理量よりも多い予め定めた第2の処理量(A4換算で160枚程度の処理枚数)を超えた場合は、ジョブ中であっても処理を一時中断して、強制的に実行する場合がある。
【0049】
濃度調整制御によって現像剤の補給が必要となった場合、その補給は一気に実行するのではなく、例えば、次の濃度調整制御時期までの画像処理中に分割して実行するようになっている。すなわち、現像剤の必要な補給量を一定時間(例えば、400msec)毎に補給可能な補給量に単位化し(例えば、各色を3単位ずつ補給)、ジョブ実行中に、複数枚に分割して処理単位毎の現像剤の補給を行う(
図5参照)。例えば、本実施の形態では、現像剤の補給量が決定すると、これをA4換算で30枚程度に分割して補給する。なお、全ての補給が完了する前にジョブが終了した場合は、現像剤の補給を一旦停止して次のジョブの開始時に再開する。
【0050】
ここで、前記濃度調整制御の実行条件、並びに、補給分割条件は、所謂「ノーマルモード」における設定である。
【0051】
本実施の形態では、画像形成時の画像モードを、画像モード選択スイッチ107の操作で、「ノーマルモード」とは別に、「フォトモード」を選択可能としている。
【0052】
「ノーマルモード」と「フォトモード」との違いは、画像密度である。また、画像密度とは別に階調(濃度)の表現度合いが異なる。より詳細には、文字等に代表される階調が2値、或いはそれに近い階調の画像は「ノーマルモード」の画像であり、写真等に代表される8ビット階調、或いはそれ以上の階調の画像は「フォトモード」の画像である。
【0053】
従って、「フォトモード」における1枚の記録媒体Pで消費される現像剤の量は、「ノーマルモード」における1枚の記録媒体Pで消費される現像剤の量に比べて、格段に多い。このため、「フォトモード」において、「ノーマルモード」と同一の濃度調整制御の実行条件、並びに補給分割条件でそれぞれの処理を実行すると、現像剤の補給が間に合わず、最適な画質で画像形成することができない場合がある。
【0054】
そこで、本実施の形態では、「ノーマルモード」と「フォトモード」とで、前記濃度調整制御の実行条件、並びに、補給分割条件の設定を変更するようにした。
【0055】
図4は、
図1に示す画像形成制御部20における濃度調整、並びに、現像剤補給に特化した制御を機能別に示した制御ブロック図である。なお、この
図4の各ブロックは、機能別に分類したものであり、ハード構成を特定するものではない。
【0056】
まず、前述したように、構造的に第1のモータ102A、第2のモータ102Bの出力軸は、それぞれ駆動力切替機構部104に連結されている。第1のモータ102Aの駆動力切替機構部104は、前記第1のモータ102Aの駆動力を、K色用の搬送機構部100KとC色用の搬送機構部100Cの何れかに選択的に切り替えられて伝達する役目を有する。
【0057】
また、第2のモータ102Bの駆動力切替機構部104は、前記第2のモータ102Bの駆動力を、Y色用の搬送機構部100YとM色用の搬送機構部100Mの何れかに選択的に切り替えられて伝達する役目を有する。
【0058】
第1のモータ102A、第2のモータ102Bには、それぞれ駆動ドライバ108A、108Bが接続されており、この駆動ドライバ108A、108Bの駆動力によって、正転駆動又は逆転駆動するようになっている。
【0059】
本実施の形態では、この正転駆動又は逆転駆動に連動して、前記駆動力切替機構部104が切替動作を実行する(本実施の形態では、構造的に切替動作にかかる時間は、200msec程度)。
【0060】
駆動ドライバ104A、104Bは、画像形成制御部20の駆動制御対象選択部110に接続されている。この駆動制御対象選択部110から駆動ドライバ108A、108Bには、駆動指示および回転方向に関する情報が送出されるようになっている。
【0061】
また、画像形成制御部20には、画像形成処理状況監視部112が設けられている。画像形成処理状況監視部112では、画像形成部14における稼働状況を監視し、処理実行中か否かの情報や累積処理枚数に関する情報が入力されるようになっている。
【0062】
画像形成処理状況監視部112は、濃度調整制御部114及び補給実行可否判定部116が接続されている。
【0063】
濃度調整制御部114では、前記画像形成処理状況監視部112から濃度調整指示があると、基準色画像(パッチ)形成指示部118を介して、画像形成部14に基準色画像(パッチ)を形成することを指示する。
【0064】
画像形成部14では、上記指示を受けて中間転写ベルト24(
図1参照)の予め定めた領域に基準色画像(パッチ)を形成する。この中間転写ベルト24における当該予め定めた領域に対面する特定の位置には、濃度センサ106が取り付けられている。
【0065】
濃度センサ106は、中間転写ベルト24が駆動中に基準色画像(パッチ)と対向するようになっており、当該基準色画像(パッチ)濃度を検出し、基準色画像(パッチ)濃度演算部120へ送出する。なお、この基準色画像(パッチ)濃度演算部120には、前記基準色画像(パッチ)形成指示部118から検出時期情報を受けており、基準色(パッチ)形成時期と濃度センサ106による検出時期との間で同期がとられている。このため、連続して複数の色の基準画像(パッチ)を形成しても、中間転写ベルト24の搬送速度に基づいて、濃度センサ106に対向する基準画像(パッチ)の色が認識可能となる。
【0066】
前記基準色画像(パッチ)濃度演算部120で演算された濃度情報は、濃度調整制御部114へ送出され、この濃度調整制御部114において、現像剤の補給の是非、補給する場合の補給量等が算定されるようになっている。
【0067】
算定結果は、補給量バッファ122の各色毎に設けられた蓄積部(K色現像剤補給量蓄積部122K、C色現像剤補給量蓄積部122C、Y色現像剤補給量蓄積部122Y、M色現像剤補給量蓄積部122M)にそれぞれ蓄積(補給量加算)されるようになっている。
【0068】
前記補給実行要否判定部116は、前記画像形成処理状況監視部112から稼働情報を受け取り、現像剤の補給の要否を判定する。この補給実行要否判定部116での判定の結果において、現像剤の補給が必要と判定されると、補給量−補給単位換算部124に対して、換算実行指示を出力する。
【0069】
補給量−補給単位換算部124は、補給量バッファ122に接続されており、前記換算実行指示があると、各色の蓄積部から補給量を読み出し、各色の補給単位数(1単位400msecの補給時間)を決定し、補給動作パターン計画構築部126へ送出する。
【0070】
補給動作パターン計画構築部126では、入力された各色の補給単位数に基づいて、補給の開始又は停止、補給色の切替時期等の計画を構築する。例えば、本実施の形態では、
図5に示されるように、各色3単位毎に切り替える動作パターンが構築される。
【0071】
また、補給動作パターン計画構築部126は、前記画像形成処理状況監視部112から稼働情報を受けており、構築された補給動作パターンに基づいて、前記駆動制御対象選択部110に対して、逐次、補給開始、補給停止、補給色切り替えを指示する。この結果、モータ102は、画像形成部14の画像形成処理状況に応じて駆動し、かつ正転、逆転を繰り返すことで、ジョブ実行中に分割されて現像剤が補給される。
【0072】
このモータ102の駆動による現像剤補給に伴って、駆動制御対象選択部110では、現像剤の補給状況に応じて、前記補給量バッファ122の各蓄積部122Y、122C、122Y、122Mに蓄積されている補給量を減算する。
【0073】
(条件変更制御)
ここで、本実施の形態では、画像モード選択スイッチ107が設けられており、「ノーマルモード」又は「フォトモード」の何れかが選択可能となっている。
【0074】
画像モード選択スイッチ107は、濃度調整実施間隔設定部140及び補給分割数設定部142に接続されている。
【0075】
濃度調整実施間隔設定部140では、濃度調整制御を実行する間隔を記録媒体Pの処理枚数によって設定する。すなわち、「ノーマルモード」は相対的に現像剤の消費量が少ないため、通常濃度調整制御時期として、N1(例えば、35枚/A4)を超えた後のジョブ終了時とし、強制濃度調整制御時期として、N2(例えば、160枚/A4)を超えた直後としている。
【0076】
一方、「フォトモード」は相対的に現像剤の消費量が多いため、通常濃度調整制御時期として、M1(例えば、10枚/A4)を超えた後のジョブ終了時とし、強制濃度調整制御時期として、M2(例えば、30枚/A4)を超えた直後としている。
【0077】
この濃度調整時期設定情報(濃度調整実施枚数情報)は、前記画像形成処理状況監視部112に送出される。このため、画像形成処理状況監視部112では、濃度調整実施間隔設定部140から送出された情報に基づいて、濃度調整制御部114へ濃度調整指示を出力する。
【0078】
さらに、本実施の形態では、前記画像モード選択スイッチ107の操作で、「ノーマルモード」から「フォトモード」に切り替えられた直後では、前記濃度調整制御時期に無関係に、前記濃度調整制御部114に対して、直接的、かつ強制的に濃度調整制御を実行するように指示する(
図6(A)及び(B)の符号A参照)。この「フォトモード」に切り替えられた直後という定義は、
図6(B)の符号Bに示される如く、電源オンのときに、「フォトモード」が選択されている場合を含む。
【0079】
また、補給分割数設定部142では、現像剤を補給するときの分割枚数を設定する。すなわち、「ノーマルモード」は相対的に現像剤の消費量が少ないため、極端な現像剤の増減を回避するべく、分割枚数として、N3(例えば、30枚/A4)としている。
【0080】
一方、「フォトモード」は相対的に現像剤の消費量が多いため、安定した現像剤の供給を図るべく、分割枚数として、M3(例えば、1枚/A4)としている。なお、分割数が1とは、分割していないことになるが、言い換えれば、分母が1であり、補給量を1で割ったことを意味するため、分割の範疇である。
【0081】
この分割枚数情報(補給分割情報)は、前記補給動作パターン計画構築部126に送出される。このため、補給動作パターン計画構築部126では、補給分割数設定部142から送出された情報に基づいて、補給動作パターンが構築される。
【0082】
以下に、本実施形態の作用を説明する。
【0083】
まず、本実施形態に係る画像形成装置10における、記録媒体Pへ画像を形成する画像形成動作について説明する。
【0084】
本実施形態に係る画像形成装置10では、収容部12から送出ロール46によって送り出された記録媒体Pが、複数の搬送ロール50によって第2転写位置T2へ送り込まれる。
【0085】
一方、画像形成ユニット22Y〜22Kでは、帯電ロール23によって帯電した感光体32が、露光装置36によって露光されて感光体32に静電潜像が形成される。その静電潜像が現像装置38によって現像されて感光体32にトナー画像が形成される。画像形成ユニット22Y〜22Kで形成された各色のトナー画像は、第1転写位置T1にて中間転写ベルト24に重ねられて、カラー画像が形成される。そして、中間転写ベルト24に形成されたカラー画像が、第2転写位置T2にて記録媒体Pへ転写される。
【0086】
トナー画像が転写された記録媒体Pは、定着装置40へ搬送され、転写されたトナー画像が定着装置40により定着される。記録媒体Pの片面へのみ画像を形成する場合は、トナー画像が定着された後、記録媒体Pは排出ロール52により排出部18へ排出される。
【0087】
記録媒体Pの両面へ画像を形成する場合には、片面に画像が形成された後、記録媒体Pは、排出ロール52でスイッチバックされ、反転して反転搬送路37へ送り込まれる。さらに、反転搬送路37から再び第2転写位置T2へ送り込まれ、画像が記録されていない反対面に、上記と同様に画像が形成され、記録媒体Pの両面へ画像が形成され、排出ロール52により排出部18へ排出される。以上のように、一連の画像形成動作が行われる。
【0088】
ここで、本実施の形態では、画像モード選択スイッチ107によって、「ノーマルモード」又は「フォトモード」の何れかが選択可能である。
【0089】
「ノーマルモード」は相対的に現像剤の消費量が少なく、「フォトモード」は相対的に現像剤の消費量が多いため、濃度調整制御実行時期、並びに、現像剤補給分割数において、それぞれに適した設定変更を行うようにした。
【0090】
図7は、本実施の形態に係る濃度調整時期、現像剤補給分割数設定制御ルーチンのフローチャートである。
【0091】
ステップ250では、画像モード選択スイッチ107の状態を判別し、次いでステップ252へ移行する。このステップ252でノーマルモードであると判定された場合は、ステップ254へ移行し、フォトモードであると判定された場合は、ステップ256へ移行する。
【0092】
ステップ256では、「フォトモード」に切り替えられた直後か否かが判断され、否定判定された場合は、ステップ258へ移行する。ステップ258では、電源オン直後か否かが判断される。
【0093】
前記ステップ256で肯定判定、或いは、ステップ258で肯定判定された場合は、ステップ260へ移行して、濃度調整制御部114に対し、強制的に濃度調整制御の実行を指示して、ステップ262へ移行する。また、ステップ258で否定判定された場合は、このルーチンは終了する。
【0094】
すなわち、「フォトモード」において、モード切替直後又は電源オン直後の場合、強制的に能動調整制御の実行を指示し、何れも該当しない場合は、現状の設定(すなわち、「フォトモード」の設定)を維持する。
【0095】
前記ステップ254では、「ノーマルモード」用の濃度調整制御実行時期を設定する。
【0096】
具体的には、「ノーマルモード」は相対的に現像剤の消費量が少ないため、通常濃度調整制御時期として、N1(例えば、35枚/A4)を超えた後のジョブ終了時、強制濃度調整制御時期として、N2(例えば、160枚/A4)を超えた直後に設定する。
【0097】
次のステップ264では、「ノーマルモード」用の現像剤補給分割数を設定し、このルーチンは終了する。
【0098】
具体的には、「ノーマルモード」は相対的に現像剤の消費量が少ないため、極端な現像剤の増減を回避するべく、分割枚数として、N3(例えば、30枚/A4)に設定する。
【0099】
一方、ステップ262では、「フォトモード」用の濃度調整制御実行時期を設定する。
【0100】
具体的には、「フォトモード」は相対的に現像剤の消費量が多いため、通常濃度調整制御時期として、M1(例えば、10枚/A4)を超えた後のジョブ終了時、強制濃度調整制御時期として、M2(例えば、30枚/A4)を超えた直後に設定する。
【0101】
次のステップ266では、「フォトモード」用の現像剤補給分割数を設定し、このルーチンは終了する。
【0102】
具体的には、「フォトモード」は相対的に現像剤の消費量が多いため、安定した現像剤の供給を図るべく、分割枚数として、M3(例えば、1枚/A4)に設定する。
【0103】
なお、本実施の形態では、画像モード選択スイッチ107を設け、ユーザーの操作によって「ノーマルモード」又は「フォトモード」を選択するようにしたが、例えば、画像形成処理前に画像情報を解析して、自動的に「ノーマルモード」又は「フォトモード」に切り替えるようにしてもよい。