【実施例】
【0012】
以下に、本発明に係る車両用インナーミラーシステムの実施例を図面を参照しつつ説明する。
図1は、その本発明に係る車両用インナーミラー装置を備えた車両を上面から目視した平面図である。
その
図1において、符合1は車両であり、符合2は車載用カメラ、符合3は車両用ミラー本体、符合4はドライバーである。
【0013】
車載用カメラ2は車両後方の被写体を撮像可能に車両1に設置されている。車両用ミラー本体3は、ドライバー4の前方でかつ天井5の適宜箇所に後述する支持アーム部材を介して支持されている。
【0014】
(車両用ミラー本体3の構成)
天井5には、
図2、
図3に示すように、垂直下方に向かって延びる支持アーム部材6が設けられている。その支持アーム部材6は水平方向に向かって延びる支承部6aを有する。
【0015】
この支承部6aの先端部と後端部にはテーパ形状のストッパ部6b、6cが形成されている。支承部6aのストッパ部6bとストッパ部6cとの間は、所定曲率を有する湾曲部6dとされている。
【0016】
車両用ミラー本体3は横方向(水平方向)に向かって延びる筐体7を有する。筐体7の後部壁には嵌合穴7aが形成されている。この嵌合穴7aは支承部6aのストッパ部6bの形状に対応する嵌合穴7b、7c、湾曲部6dに対応する曲率を有する嵌合穴7dからなる。その支承部6aと嵌合穴7aとは、適宜の摩擦力で嵌合され、車体振動等では、その車両用ミラー本体3の姿勢が変化しない程度の摩擦力とされている。
【0017】
なお、その
図2、
図3は、車両用ミラー本体3の支持アーム部材6への支持を模式的に示すものであって、その支持構造はこれに限られるものではなく、また、車両用ミラー本体3の支承部6aへの組み付けには適宜工夫を行うことができるものである。
【0018】
その筐体7の前方壁には開口が形成され、その開口には平面状でかつ矩形状のハーフミラー8が設けられている。そのハーフミラー8の近傍には、表示装置としての液晶表示装置9が設けられている。その液晶表示装置9はユニット化されており、符合9aは表示画面としての液晶表示画面、符合9bはバックライト照明部、符合9cは電気回路基板部を示している。その液晶表示装置9の回路構成については後述することとする。
【0019】
その筐体7の横方向の幅と縦方向の幅とのアスペクト比は、液晶表示装置9の液晶表示画面9aのアスペクト比と一対一に対応し、このアスペクト比は、ハーフミラー8の横方向の幅と縦方向の幅とのアスペクト比に対しても一対一に対応している。
【0020】
そのハーフミラー8は、液晶表示装置9の液晶表示画面9aからの画像表示光を透過可能でかつ車両後方をドライバー4に視認させるために用いられる。その筐体7の内部には、操作レバー部材10が設けられている。
【0021】
その操作レバー部材10は、回動軸10aを中心にして前後方向に回動可能である。筐体7の下部壁には前後方向に延びる長穴7eが形成されている。操作レバー部材10は下方に向かって延びて、その下端部が長穴7eを通じて筐体7の外部に露呈されている。
【0022】
操作レバー部材10は、長穴7eの周壁に適宜の摩擦力で摺接されており、操作レバー部材10は、その長穴7eの周壁による摩擦力により、その回動操作位置で、その姿勢を保持される。
【0023】
その
図2は、ドライバー4がハーフミラー8に映っている車両後方を見るときの車両用ミラー本体3の傾動姿勢を示し、その
図3は、ドライバー4が液晶表示装置9の液晶表示画面9aに表示されている画像を見るときの車両用ミラー本体3の傾動姿勢を示している。
【0024】
ドライバー4が、その操作レバー部材10を摘んで、ドライバー4に近づける方向に操作レバー部材10を操作すると、支承部6aの湾曲部6dに沿って筐体7が移動され、この操作によって、車両用ミラー本体3は、車両後方をドライバー4が見るときの
図2に示す姿勢から液晶表示画面9aに表示されている画像をハーフミラー8を通じてドライバー4が見ることのできる姿勢に傾動され、この状態でその姿勢が保持される。その傾動角度は約5度である。
【0025】
そのハーフミラー8は、筐体7に液晶表示画面9aに対して若干斜めの角度をもって配置され、これによって、車両用ミラー本体3を
図3に示す傾動姿勢に保持したときに、ハーフミラー8により反射された反射光(外乱光)がドライバー4に向かうのを軽減されるようになっている。
【0026】
従って、液晶表示装置9を用いて後方を確認したい場合には、
図3に示すように、天井5が写り込むように、車両用ミラー本体3を傾動姿勢に保持させることにすれば、後方からの明るい外乱光がドライバー4の目に入射するのを避けることができ、液晶表示装置9の表示画面9aに表示された画像の視認性の向上を図ることができる。
【0027】
なお、ここでは、操作レバー部材10を筐体7に対して回動可能な構成としたが、これに限られるものではなく、操作レバー部材10は筐体7に固定の構成としても良い。
【0028】
(実施例1)
その液晶表示装置9は、
図4に示すように、車載用カメラ2の受像部2aから出力された画像信号を処理して液晶表示画面9aに表示させる信号処理部11と、電源部12と、画像調整メニュースイッチ14と、コネクタ部15と、バックライト照明部(LED照明部)16と、LCDオンオフスイッチSWとから大略構成されている。これらの各電気回路構成要素は、電気回路基板部9cに配設されている。なお、その受像部2aには、公知のCCD等の撮像素子が用いられている。
【0029】
そのコネクタ部15の入力側には、交流電源端子ACC、グラウンド端子GND、ILL端子、電源+端子、電源−端子、撮像信号入力端子+、撮像信号−入力端子が設けられている。
【0030】
ILL端子、電源+端子、電源−端子は、電源電力供給線(図示を略す)を介して、車載用カメラ2に電気的に接続され、撮像信号入力端子+、撮像信号−入力端子は、信号系統SLを介して車載用カメラ2の受像部2aに電気的に接続されている。なお、電源部12はカメラ電源部12aと、バックライト電源部12bとから構成されている。
【0031】
そのLCDオンオフスイッチSWは、ここでは、
図2、
図3に示すように、筐体7の下部壁に設けられている。
LCDオンオフスイッチSWのアクチュエータ部SW’をオンすると、交流電源端子ACCから電源部12に電圧が印加され、その電源部12から車載用カメラ2とバックライト照明部16に電力が供給され、これにより、バックライト照明部16が点灯されると共に、車載用カメラ2がオンされる。
【0032】
車載用カメラ2がオンすると、受像部2aからの画像信号がコネクタ部15を介して画像信号切り取り部17に入力される。その画像信号切り取り部17の機能については後述する。その受像部2aから出力される画像信号は、アナログ信号であるが、車載用カメラ2内の公知のAD/変換回路(図示を略す)によりデジタル信号に変換されて、画像信号切り取り部17に向かって出力される。
その画像信号切り取り部17は、画像信号を信号処理部11に出力し、信号処理部11は入力された画像信号に所定の処理を施して、液晶表示画面9aに出力する。
【0033】
その液晶表示画面9aの画像は、画像調整メニュースイッチ14により、その輝度、色相、色度等を調整可能である。
その信号処理部11、電源部12、画像調整メニュースイッチ14、コネクタ部15、バックライト照明部16、LCDオンオフスイッチSWの構成には、公知のものを用いることが可能である。
【0034】
その画像信号切り取り部17は、車載用カメラ2の受像部2aから出力された画像信号により構築される画像のうちドライバー4の運転に不要な画像部分に対応する画像信号を切り取って信号処理部11に出力する役割を果たす。
【0035】
ここでは、その画像信号切り取り部17は、車載用カメラ2の受像部2aから出力された画像信号が入力されかつ受像部2aから出力された画像信号により構築される画像のうち縦方向と横方向とのアスペクトを液晶表示画面9aのアスペクト比に変換して信号処理部11に出力する画像信号変換ブロック部から構成されている。
【0036】
信号処理部11は、その画像信号切り取り部17により切り取られた画像信号を除いた残余の画像信号により液晶表示画面9aのアスペクト比に一対一に対応するアスペクト比の画像を構築する。
【0037】
車載用カメラ2の受像部2aから出力される画像信号により構築される画像G1の縦方向の幅と横方向の幅とのアスペクト比は、例えば、
図5(a)に示すように、横4:縦3である。これに対して、矩形状のハーフミラー8は縦方向よりも横方向に長く、
図5(b)に示すように、その横方向の幅と縦方向の幅とのアスペクト比は、LH:LVである。
【0038】
従って、その画像信号切り取り部17を設けずに、そのまま車載用カメラ2の受像部2aから出力される画像信号をそのまま信号処理部11に入力させて、液晶表示画面9aに表示させることにすると、
図5(c)に示すように、画像G1が縦方向に潰れた歪んだ画像となる。
【0039】
これに対して、画像信号切り取り部17を画像信号変換部から構成し、この画像信号変換部により画像G1のアスペクト比を液晶表示画面9aのアスペクト比、すなわち、4:(4・LV/LH)に変換して切り出すことにすれば、
図5(d)に示すように、画像G1’が縦方向に潰れた歪んだ画像G1(
図5(c)参照)となるのを防止できる。
【0040】
図6はその受像部2aから出力された画像信号により構築される画像G1の切り出しの一例を示し、
図6(a)は、その画像G1のうちドライバー4の運転に不要な上側の画像部分G1”を切り取って、残余の画像G1’を液晶表示画面9aに表示させる構成とした模式図を示している。
【0041】
また、
図6(b)は、その受像部2aから出力された画像信号により構築される画像G1のうちドライバー4の運転に不要な下側の画像部分G1”を切り取って、残余の画像G1’を液晶表示画面9aに表示させる構成としたものであり、
図6(c)は、その受像部2aから出力された画像信号により構築される画像G1のうちドライバー4の運転に不要な上側と下側の画像部分G1”、G1”を切り取って、残余の画像G1’を液晶表示画面9aに表示させる構成としたものである。
【0042】
車載用カメラ2により撮像された画像G1のうち、画像G1の上側の画像部分には大概空が映っており、これらの画像部分を液晶表示画面9aに表示しなくとも車両2の運転に支障は生じない。
【0043】
車載用カメラ2により撮像された画像G1のうち、画像G1の下側の画像部分には大概車両2から遠方の道路等が映っており、これらの画像部分も液晶表示画面9aに表示しなくとも車両2の運転に支障は生じない。
【0044】
その
図6(c)に示すように、車載用カメラ2により撮像された画像G1のうちドライバー4の運転に不要な上側と下側の画像部分G1”を切り取って、車載用カメラ2により撮像された画像のアスペクト比を液晶表示画面9aのアスペクト比に変換して、車載用カメラ2により撮像された画像G1’を液晶表示画面9aに表示させる構成とすると、ドライバー4の運転に不要な情報の表示を避けつつ縦に潰れた歪んだ画像となるのを避けることができる。
【0045】
(実施例2)
図7は、本発明の車両用インナーミラーシステムの実施例2に係る液晶表示装置の回路構成を示すブロック図である。
この実施例2では、画像信号切り取り部17は走査線信号キャンセル回路(画像信号キャンセル回路)から構成されている。なお、この実施例では、走査線信号キャンセル回路は信号処理部11に組み込まれているが、これに限られるものではない。
【0046】
受像部2aからは、
図8(a)に示すアスペクト比(H=4:V=3)に対応する一フィールドの画像を構築するのに用いる画像信号としてのアナログ信号(コンポジット信号、複合映像信号)が出力されている。
【0047】
その一フィールドの画像を構築するのに用いる走査線SCLの本数は例えば252.5本(一フレームで525本)である。この252.5本の走査線SCLをそのまま用いてアスペクト比がLH:LVの液晶表示画面9aに画像G1を表示させることとすると、
図8(b)に示すように、画像G1が縦方向に潰れた画像となる。
【0048】
この実施例2では、
図8(c)に示すように、走査線信号キャンセル回路は、受像部2aから出力されて一フィールドの画像G1を構築するのに用いるアナログ信号のうち、走査線SCLの第1本目から第1所定本数目未満(A本目)に対応するアナログ信号を廃棄しかつ第1所定本数目(A本目)から第2所定本数目(B本目)までのアナログ信号を用い、第2所定本数目(B本目)以降のアナログ信号を廃棄する。
【0049】
その第1所定本数目(A本目)から第2所定本数目(B本目)までの走査線SCLに対応するアナログ信号は走査線信号キャンセル回路を通過して、信号処理部11に導かれる。
【0050】
その信号処理部11は、その第1所定本数目(A本目)から第2所定本数目(B本目)の走査線SCLに対応するアナログ信号により液晶表示画面9aのアスペクト比に対応する画像G1’を構築する。
【0051】
以上の実施例では、画像信号切り取り部17が液晶表示装置9に一体に設けられているが、必ずしもこれに限るものではなく、この画像信号切り取り部17は、車載用カメラ2と液晶表示装置9との間の信号系統SLの途中に設けても良く、また、画像信号切り取り部17を車載用カメラ2に一体に設ける構成としても良い。
【0052】
(実施例3)
図9、
図10は、本発明に係る車両用インナーミラシステムの実施例3を示し、この実施例3においては、電気回路基板部9cにLCDオンオフスイッチSWが設けられている。
【0053】
そのLCDオンオフスイッチSWのアクチュエータ部SW’は、操作レバー部材10の回動域に臨ませて設けられ、
図10に示すように、そのLCDオンオフスイッチSWにその操作レバー部材10が当接すると、液晶表示装置9がオンされ、
図9に示すように、その操作レバー部材10が離間すると、液晶表示装置9はオフされる。
【0054】
この実施例3によれば、操作レバー部材10の操作に連動して、液晶表示装置9がオンオフされるので、実施例1、実施例2の液晶表示装置9よりも操作性が向上する。