(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記特定情報設定手段は、特定点灯情報とこの特定点灯情報に対応する基本スケジュールとを互いに対応付けて点灯パターンを生成し、生成した点灯パターンを記憶手段に記憶するとともに、記憶手段に記憶した点灯パターンを制御対象となる照明機器に対応付ける機能を有し、
前記点灯制御手段は、取得した現在の日付が特定日に該当する場合、対応する点灯パターンに含まれる特定点灯情報及び基本スケジュールに基づいて特定スケジュールを生成するとともに、対応付けられた照明機器を特定し、特定した照明機器を特定スケジュールに従って点灯させることを特徴とする請求項1に記載の照明制御装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照しながら本発明に係る照明制御装置の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0013】
図1は、本発明の実施の形態である照明制御装置を適用した照明システムを示したものである。ここで例示する照明システムは、同じフロアに食品売場と日用雑貨売場とが設けられた比較的大型の店舗を対象とするもので、それぞれの売場に複数の照明機器を備えている。照明機器は、点灯指令が与えられた場合に点灯する一方、消灯指令が与えられた場合に消灯するもので、個々の売場の適宜箇所に複数配設してある。それぞれの照明機器には、個々の配設位置を特定するための固有の識別情報が設定してある。
【0014】
これらの照明機器を制御する照明制御装置は、表示手段10、入力手段20及び主制御部30を備えている。表示手段10は、照明システムの管理者に対して各種の情報を表示するためのもので、例えば、液晶表示器によって構成してある。入力手段20は、本照明システムの管理者が各種データを入力するためのもので、キーボードや表示手段10の表示面に設けたタッチパネルによって構成してある。この入力手段20は、モード選択部21を有している。モード選択部21は、後述する主制御部30の処理モードをパターン登録モードとパターン割付モードとを切り換えるものである。主制御部30は、入力手段20から入力されたデータや記憶部40に記憶されたデータに基づいて照明機器を点灯させる実施点灯パターンの設定を行う一方、現在の日付に応じて実行スケジュールを生成し、生成した実行スケジュールに従って、複数の照明機器の点灯、消灯を制御するもので、特定情報設定部31及び点灯制御部32を備えて構成してある。
【0015】
主制御部30の特定情報設定部31は、照明機器を点灯させるための実施点灯パターンを予め設定するものであり、特定点灯情報生成部311、点灯パターン生成部312、入力補助画面生成部313、実施点灯パターン設定部314を有している。
【0016】
特定点灯情報生成部311は、入力手段20のモード選択部21を通じてパターン登録モードが選択された後、制御対象となる照明機器の識別情報、特定日及び特定スケジュールが入力された場合に、入力されたこれらの情報と基本スケジュールとの相違点を抽出し、抽出した相違点を特定点灯情報として生成するものである。特定日とは、毎月1日、毎月5の付く日、毎週土曜日、毎月第一日曜日等々、定期的に繰り返される日であり、任意に設定可能である。基本スケジュールとは、通常時において照明機器を点灯する時刻と消灯する時刻とを設定したものであり、照明機器の配設場所ごとに予め設定され、記憶部40に記憶されている。特定スケジュールとは、特定日においてのみ照明機器を点灯する時刻と消灯する時刻とを設定したものである。
【0017】
点灯パターン生成部312は、特定点灯情報生成部311によって特定点灯情報が生成された場合に、
図2に示すように、特定点灯情報と、この特定点灯情報に対応する基本スケジュールとを含んだ点灯パターンを生成するとともに、生成した点灯パターンにパターン識別情報を付与するものである。点灯パターン生成部312によって生成された点灯パターンは、
図1に示すように、記憶部40に記憶される。
【0018】
図1に示す入力補助画面生成部313は、入力手段20のモード選択部21を通じてパターン割付モードが選択された場合、記憶部40に記憶されている点灯パターンの選択画面を生成し、表示手段10を通じて選択画面の表示を行うものである。点灯パターンの選択画面は、例えば
図3に例示するように、制御対象となる照明機器ごとに点灯パターンの表示領域sを設定するとともに、この表示領域sに点灯パターンをスクロール表示させるものである。点灯パターンの表示領域sに隣接する部分には、表示された点灯パターンを選択するための選択ボタンbを表示させるようにしている。この点灯パターンの表示画面において、入力手段20を通じて選択ボタンbの選択命令を入力すると、表示領域sに現在表示されている点灯パターンのパターン識別情報及び該当する照明機器の識別情報が実施点灯パターン設定部314に与えられる。
【0019】
図1に示す実施点灯パターン設定部314は、入力手段20から入力された点灯パターンのパターン識別情報及び照明機器の識別情報が与えられると、これらを互いに対応付けた実施点灯パターンを生成し、生成した実施点灯パターンを記憶部40に記憶する処理を実施するものである。
【0020】
図4は、照明制御装置の主制御部30において主に特定情報設定部31が実行するスケジュール設定処理の内容を示すフローチャートである。以下、このフローチャートを適宜参照しながら、主制御部30の特定情報設定部31が実行するスケジュール設定処理について説明を行う。
【0021】
スケジュール設定処理において、主制御部30の特定情報設定部31は、まず、入力手段20のモード選択部21を通じて入力された処理モードがパターン登録モードであるか否かを判断する(ステップS101)。入力された処理モードがパターン登録モードであった場合(ステップS101:Yes)、主制御部30の特定情報設定部31は、照明機器の識別情報、特定日及び特定スケジュールの入力待ちとなる(ステップS102)。照明機器の識別情報、特定日及び特定スケジュールがすべて入力されると(ステップS102:Yes)、主制御部30の特定情報設定部31は、これらの入力情報に基づき、特定点灯情報生成部311を通じて特定点灯情報の生成を行う(ステップS103)。具体的には、照明機器の識別情報をキーとして記憶部40から基本スケジュールを読み出すとともに、読み出した基本スケジュールと入力された特定日及び特定スケジュールとの相違点を抽出し、抽出した相違点を特定点灯情報として生成する。
【0022】
いま、
図2に例示するように、食品売場の照明機器に対して基本スケジュールが毎日、点灯時刻08:00、消灯時刻20:00と設定されているものとする。入力手段20から食品売場の照明機器を対象として特定日が毎週日曜日、特定スケジュールが点灯時刻06:00、消灯時刻18:00と入力された場合、特定点灯情報生成部311では、入力されたすべての情報、つまり、毎週日曜日、点灯時刻06:00、消灯時刻18:00という情報を特定点灯情報として生成する処理を行う。また、入力手段20から食品売場の照明機器を対象として特定日が毎月1日、特定スケジュールが点灯時刻05:00、消灯時刻20:00と入力された場合、特定点灯情報生成部311は、毎月1日、点灯時刻05:00という情報を特定点灯情報として生成する。
図2中の消灯時刻**:**は、基本スケジュールと同じ時刻という意味である。
【0023】
同様に、基本スケジュールが毎日、点灯時刻10:00、消灯時刻22:00と設定されている日用雑貨売場の照明に対して、入力手段20から特定日が毎週日曜日、特定スケジュールが点灯時刻08:00、消灯時刻20:00と入力された場合、特定点灯情報生成部311では、入力された毎週日曜日、点灯時刻08:00、消灯時刻20:00というすべての情報を特定点灯情報として生成する処理を行う。また、入力手段20から日用雑貨売場の照明機器に対して特定日が毎週火曜日、特定スケジュールが点灯時刻−−:−−、消灯時刻−−:−−と入力された場合、特定点灯情報生成部311は、毎週火曜日、点灯時刻−−:−−、消灯時刻−−:−−というすべての情報を特定点灯情報として生成する。尚、点灯時刻−−:−−、消灯時刻−−:−−は、照明機器を終日点灯しないという意味である。
【0024】
図4のステップS103において特定点灯情報を生成した主制御部30の特定情報設定部31は、点灯パターン生成部312を通じて点灯パターンの生成・記憶処理を行い(ステップS104)、手順をリターンさせる。具体的には、
図2に例示するように、特定点灯情報と、この特定点灯情報に対応する基本スケジュールとを含んだ点灯パターンを生成するとともに、生成した点灯パターンにパターン識別情報を付与して記憶部40に格納する処理を行う。点灯パターンに含める特定点灯情報は、必ずしも一つに制限されない。照明機器の配設場所が一致する特定点灯情報であれば、複数の特定点灯情報を含めて点灯パターンを生成することが可能である。
【0025】
図5は、点灯パターンによって規定される照明機器の点灯時刻と消灯時刻との関係を示す図である。
図5の(a)で示す点灯パターン(パターン1:食料品売場)では、毎週日曜日と毎月1日とが特定日に該当することになり、それ以外の日は基本スケジュールに従って照明機器が点灯する。日曜日には、基本スケジュールが無効化され、特定スケジュールがそのまま照明機器の点灯スケジュールとなる。毎月1日は、基本スケジュールに対して点灯時間のみが08:00から05:00に早まった点灯スケジュールとなる。
図5の(b)に示す点灯パターン(パターン2:日用雑貨売場)では、毎週日曜日と毎週火曜日とが特定日に該当することになり、それ以外の日は基本スケジュールに従って照明機器が点灯する。日曜日及び火曜日には、いずれも基本スケジュールが無効化され、特定スケジュールがそのまま点灯スケジュールとなる。
【0026】
これに対し、
図4に示すステップS101において入力手段20のモード選択部21から入力された処理モードがパターン登録モードでなかった場合(ステップS101:No)、主制御部30の特定情報設定部31は、手順をステップS105に進め、入力補助画面生成部313を通じて点灯パターンの選択画面を生成し、生成した選択画面を表示手段10に表示して入力待ちとなる(ステップS106、ステップS107)。入力手段20を通じて点灯パターンの選択情報が入力されると(ステップS107:Yes)、主制御部30の特定情報設定部31は、選択された点灯パターンのパターン識別情報及び該当する照明機器の識別情報に基づき、実施点灯パターン設定部314を通じて実施点灯パターンを生成し、生成した実施点灯パターンを記憶部40に記憶する処理を行う(ステップS108)。
【0027】
以降、上述したスケジュール設定処理がそれぞれの処理モードごとに繰り返し実施され、照明機器ごとに実施点灯パターンが順次生成されて記憶部40に記憶されることになる。
【0028】
一方、
図1に示す主制御部30の点灯制御部32は、特定情報設定部31で設定された実施点灯パターンに従って照明機器に点灯指令及び消灯指令を出力するもので、日付取得部321、特定日判断部322、実行スケジュール生成部323及び点/消灯指令出力部324を有している。
【0029】
日付取得部321は、時計機能及びカレンダー機能を有し、現在の時刻情報及び日付情報を取得するとともに、取得した時刻情報及び日付情報に基づいて更新タイミングであるか否かを判断するものである。更新タイミングとは、取得した日時が予め設定した更新タイミングに一致するか否かを判断するものである。具体的には、今回取得した日付が前回取得した日付よりも大きくなったか否かを判断し、日付が大きくなった場合に更新タイミングであると判断するものである。
【0030】
特定日判断部322は、日付取得部321が取得した現在の日付情報が特定日に該当するか否かを判断するものである。判断基準となる特定日とは、記憶部40に記憶されている実施点灯パターンの特定点灯情報に設定された日付である。
【0031】
実行スケジュール生成部323は、特定日判断部322の判断結果に応じて実施すべき実行スケジュールを生成するものである。具体的には、特定日判断部322によって特定日に該当しないと判断された場合、実行スケジュール生成部323は、記憶部40から制御対象となる照明機器に対応した実施点灯パターンを読み出し、この実施点灯パターンに含まれる基本スケジュールを実行スケジュールとして生成する処理を行う。一方、特定日判断部322によって特定日に該当すると判断された場合、実行スケジュール生成部323は、記憶部40から制御対象となる照明機器に対応した実施点灯パターンを読み出し、この実施点灯パターンに含まれる情報に基づいて実行スケジュールを生成する処理を行う。具体的には実施点灯パターンに含まれる基本スケジュール及び特定点灯情報を組み合わせて特定スケジュールを復元生成し、これを実行スケジュールとして生成する処理を行う。生成した実行スケジュールは、実行スケジュール生成部323によって記憶部40に記憶される。
【0032】
点/消灯指令出力部324は、実行スケジュール生成部323によって生成された実行スケジュールを読み出し、読み出した実行スケジュールに従って対応する照明機器に点灯指令もしくは消灯指令を出力するものである。
【0033】
図6は、照明制御装置の主制御部30において主に点灯制御部32が所定のサイクルタイムで繰り返し実行する点灯制御処理の内容を示すフローチャートである。以下、このフローチャートを適宜参照しながら、主制御部30の点灯制御部32が実施する点灯制御処理について説明を行う。
【0034】
点灯制御処理において主制御部30の点灯制御部32は、まず、日付取得部321を通じて現在の時刻情報及び日付情報を取得し、現在の日時が更新タイミングであるか否かの判断を行う(ステップS201、ステップS202)。現在の日付が更新タイミングに一致していた場合(ステップS202:Yes)、主制御部30の点灯制御部32は、特定日判断部322を通じて現在の日付が特定日に該当するか否かの判断を行う(ステップS203)。
【0035】
特定日判断部322によって特定日に該当しないと判断された場合(ステップS203:No)、主制御部30の点灯制御部32は、実行スケジュール生成部323を通じて記憶部40から制御対象となる照明機器に対応した実施点灯パターンを読み出し、この実施点灯パターンに含まれる基本スケジュールを実行スケジュールとして生成するとともに、この実行スケジュールを所定の一時記憶エリアに記憶する処理を行う(ステップS204→ステップS206)。従って、食品売場に配設された照明機器の場合には、08:00に点灯し、20:00に消灯する実行スケジュールが生成され、日用雑貨売場に配設された照明機器の場合には、10:00に点灯し、22:00に消灯する実行スケジュールが生成されることになる。
【0036】
これに対し、特定日判断部322によって特定日に該当すると判断された場合(ステップS203:Yes)、主制御部30の点灯制御部32は、実行スケジュール生成部323を通じて記憶部40から制御対象となる照明機器に対応した実施点灯パターンを読み出し、この実施点灯パターンに含まれる基本スケジュール及び特定点灯情報から特定スケジュールを生成し、これを実行スケジュールとして生成するとともに、所定の一時記憶エリアに記憶する処理を行う(ステップS205→ステップS206)。例えば、食品売場に配設された照明機器の場合には、現在が日曜日であれば、06:00に点灯し、18:00に消灯する実行スケジュールが生成され、現在が○月1日であれば、05:00に点灯し、20:00に消灯する実行スケジュールが生成される。尚、現在が○月1日で日曜日の場合には、いずれか一方を優先して実行スケジュールを生成すれば良い。同様に、日用雑貨売場に配設された照明機器の場合には、現在が日曜日であれば、08:00に点灯し、20:00に消灯する実行スケジュールが生成され、現在が火曜日であれば、終日に渡って照明機器が消灯された状態を維持するように実行スケジュールが生成される。
【0037】
次いで主制御部30の点灯制御部32は、点/消灯指令出力部324を通じて実行スケジュールの読み出しを行い(ステップS207)、読み出した実行スケジュールに従って点灯指令もしくは消灯指令を、対応する照明機器に出力する処理を実施する(ステップS208:Yes→ステップS209)。この結果、特定日においては、設定した特定スケジュールに従って照明機器が点灯されることになる一方、特定日以外の日には、予め設定された基本スケジュールに従って照明機器が点灯されることになる。
【0038】
以降、新たな更新タイミングとなるまでは、ステップS202において、現在の日時が更新タイミングでないと判断され(ステップS202:No)、上述したステップS203〜ステップS206までの処理を実施することなく手順がステップS207に進められ、既に生成した実行スケジュールに従って、照明機器に点灯指令もしくは消灯指令が出力されることになる。
【0039】
実行スケジュールを設定した日の翌日になれば、ステップS202において更新タイミングであると判断され(ステップS202:Yes)、特定日であるか否かの判断に基づいて新たな実行スケジュールが設定されることになり(ステップS203〜ステップS206)、新たに生成した実行スケジュールに従って照明機器に点灯指令もしくは消灯指令が出力されることになる(ステップS207〜ステップS209)。
【0040】
このように、この照明制御装置によれば、特定日に繰り返し実行するスケジュールであっても、これを一旦設定すれば、以降については都度設定する必要がなく照明機器が点灯制御されることになり、設定作業の容易化を図ることができ、かつ誤って設定する可能性もきわめて低くなる。
【0041】
しかも、実施点灯パターンを照明機器ごとに設定するようにしているため、食品売場と日用雑貨売り場とで全く異なる点灯パターンで照明機器を点灯させることが可能となる。
【0042】
尚、上述した実施の形態では、商品売場の照明機器と日用雑貨売場の照明機器とに対応した照明制御装置を例示しているが、必ずしも食品売場や日用雑貨売場に限定されず、またより多数の照明機器に対応することも可能である。
【0043】
また、上述した実施の形態では、特定スケジュールと基本スケジュールとの相違点を特定点灯情報として生成し、生成した特定点灯情報を対象として記憶部40に記憶するようにしているため、記憶部40の記憶するデータ量を抑えることが可能になるが、本発明ではこれに限定されず、特定スケジュールのすべてを記憶部40に記憶するようにしても良い。