特許第6136242号(P6136242)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6136242-道路橋用伸縮装置 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6136242
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年5月31日
(54)【発明の名称】道路橋用伸縮装置
(51)【国際特許分類】
   E01C 11/02 20060101AFI20170522BHJP
   E01D 19/06 20060101ALI20170522BHJP
【FI】
   E01C11/02 A
   E01D19/06
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-279189(P2012-279189)
(22)【出願日】2012年12月21日
(65)【公開番号】特開2014-122494(P2014-122494A)
(43)【公開日】2014年7月3日
【審査請求日】2015年12月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006714
【氏名又は名称】横浜ゴム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089875
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 茂
(72)【発明者】
【氏名】三瓶 一俊
(72)【発明者】
【氏名】小林 英治
【審査官】 神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】 実開平05−040304(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01C 11/02
E01D 1/00−24/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
継手部材と止水部材と間詰め部材とを有して道路橋を構成する要素の互いに対向する端部と共に前記道路橋の継ぎ目部を構成し、
前記継手部材は、前記道路橋の上面と同一面をなす上面および凹凸状の端面とを有する表面板と、前記表面板の下面から垂設され前記互いに対向する端部に取着される側板とを有し、
前記止水部材は橋軸方向に伸縮可能で、前記端部にそれぞれ取着された前記継手部材の前記側板の間を接続し、
前記間詰め部材は、前記端部にそれぞれ取着された継手部材の表面板の端面の間に橋軸方向と直交する方向に延在形成される隙間の一部を補填する道路橋用伸縮装置であって、
前記間詰め部材は、
橋軸方向において前記隙間よりも大きな寸法を有し前記表面板の下方で前記止水部材の上に載置される本体部と、
前記本体部から上方に突設され前記隙間に配置されて前記隙間の一部を補填する突起部とを備え、
前記止水部材は、上下方向に凹凸を繰り返し橋軸方向に伸縮可能な蛇腹部を有し、
前記本体部の下面に、前記凹凸に遊嵌し前記蛇腹部の伸縮に追従して前記本体部を橋軸方向に移動させる凹凸部が形成されている、
ことを特徴とする道路橋用伸縮装置。
【請求項2】
継手部材と止水部材と間詰め部材とを有して道路橋を構成する要素の互いに対向する端部と共に前記道路橋の継ぎ目部を構成し、
前記継手部材は、前記道路橋の上面と同一面をなす上面および凹凸状の端面とを有する表面板と、前記表面板の下面から垂設され前記互いに対向する端部に取着される側板とを有し、
前記止水部材は橋軸方向に伸縮可能で、前記端部にそれぞれ取着された前記継手部材の前記側板の間を接続し、
前記間詰め部材は、前記端部にそれぞれ取着された継手部材の表面板の端面の間に橋軸方向と直交する方向に延在形成される隙間の一部を補填する道路橋用伸縮装置であって、
前記間詰め部材は、
橋軸方向において前記隙間よりも大きな寸法を有し前記表面板の下方で前記止水部材の上に載置される本体部と、
前記本体部から上方に突設され前記隙間に配置されて前記隙間の一部を補填する突起部とを備え、
前記突起部は、前記本体部に対して着脱可能に設けられている、
ことを特徴とする道路橋用伸縮装置。
【請求項3】
前記突起部は、弾性を有する材料で構成されている、
ことを特徴とする請求項1または2記載の道路橋用伸縮装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は道路橋用伸縮装置に関する。
【背景技術】
【0002】
道路橋は、道路橋を構成する要素として、例えば、橋軸方向の両端に配置された橋台と、橋台の間に橋軸方向に並べられた1つ以上の床版とを含んで構成されている。
橋台と床版との継ぎ目部、および、床版の継ぎ目部は、道路橋用伸縮装置を含んで構成されている。
道路橋用伸縮装置は、一般に、道路橋を構成する要素の互いに対向する端部、すなわち、互いに対向する橋台の端部と床版の端部、あるいは、互いに対向する床版の端部にそれぞれ取着された継手部材と、それら継手部材の間に配置され橋軸方向に伸縮可能な止水部材とを備えている。
継手部材の多くは、道路橋の上面と同一面をなす上面および凹凸状の端面とを有する表面板と、表面板の下面から垂設され前記端部に取着される側板とを有している。そして、継手部材は、互いに対向する前記端部間において、凹凸状の端面が隙間を空けた状態で噛合するように配置されており、床版の橋軸方向の伸縮に応じ、それら端面間の隙間を増減させるようにしている。
このような道路橋用伸縮装置では、継手部材の凹凸状の端面の間に隙間が形成されるため、この隙間の大きさによっては二輪車の車輪が隙間にはまり込んでしまい、走行に支障を来すおそれがある。
そこで、間詰め部材により隙間の一部を補填した道路橋用伸縮装置が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−96503号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上記従来技術では、間詰め部材が表面板に取着されているため、間詰め部材の経年劣化などにより間詰め部材が劣化あるいは破損し、表面板から脱落することが懸念される。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、継手部材の間に形成される隙間の一部を補填する機能を長期間にわたって維持する上で有利な道路橋用伸縮装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、継手部材と止水部材と間詰め部材とを有して道路橋を構成する要素の互いに対向する端部と共に前記道路橋の継ぎ目部を構成し、前記継手部材は、前記道路橋の上面と同一面をなす上面および凹凸状の端面とを有する表面板と、前記表面板の下面から垂設され前記互いに対向する端部に取着される側板とを有し、前記止水部材は橋軸方向に伸縮可能で、前記端部にそれぞれ取着された前記継手部材の前記側板の間を接続し、前記間詰め部材は、前記端部にそれぞれ取着された継手部材の表面板の端面の間に橋軸方向と直交する方向に延在形成される隙間の一部を補填する道路橋用伸縮装置であって、前記間詰め部材は、橋軸方向において前記隙間よりも大きな寸法を有し前記表面板の下方で前記止水部材の上に載置される本体部と、前記本体部から上方に突設され前記隙間に配置されて前記隙間の一部を補填する突起部とを備え、前記止水部材は、上下方向に凹凸を繰り返し橋軸方向に伸縮可能な蛇腹部を有し、前記本体部の下面に、前記凹凸に遊嵌し前記蛇腹部の伸縮に追従して前記本体部を橋軸方向に移動させる凹凸部が形成されていることを特徴とする。
また、本発明は、継手部材と止水部材と間詰め部材とを有して道路橋を構成する要素の互いに対向する端部と共に前記道路橋の継ぎ目部を構成し、前記継手部材は、前記道路橋の上面と同一面をなす上面および凹凸状の端面とを有する表面板と、前記表面板の下面から垂設され前記互いに対向する端部に取着される側板とを有し、前記止水部材は橋軸方向に伸縮可能で、前記端部にそれぞれ取着された前記継手部材の前記側板の間を接続し、前記間詰め部材は、前記端部にそれぞれ取着された継手部材の表面板の端面の間に橋軸方向と直交する方向に延在形成される隙間の一部を補填する道路橋用伸縮装置であって、前記間詰め部材は、橋軸方向において前記隙間よりも大きな寸法を有し前記表面板の下方で前記止水部材の上に載置される本体部と、前記本体部から上方に突設され前記隙間に配置されて前記隙間の一部を補填する突起部とを備え、前記突起部は、前記本体部に対して着脱可能に設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、間詰め部材の本体部は、道路橋の橋軸方向において隙間よりも大きな寸法を有しているため、突起部は本体部に支持されて隙間に常時配置される。したがって、間詰め部材が表面板から抜落する不具合がなく、表面板の端面の間に形成される隙間の一部を補填する機能を長期間にわたって維持する上で有利となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1の実施の形態における道路橋用伸縮装置10の構成を示す斜視図である。
図2】第1の実施の形態における道路橋用伸縮装置10の構成を示す断面図である。
図3】(A)、(B)、(C)は第2の実施の形態における道路橋用伸縮装置10の目詰め部材16の構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1の実施の形態)
次に本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
本実施の形態では、図2に示すように、道路橋は、橋脚によって支持された多数の床版2が橋軸方向に並べられて構成され、それら床版2の継ぎ目部4は、互いに対向する床版2の端部(道路橋を構成する要素の互いに対向する端部に相当)と道路橋用伸縮装置10とを含んで構成されている。
図1図2に示すように、道路橋用伸縮装置10は、継手部材12と、止水部材14と、間詰め部材16とを備えている。
【0009】
継手部材12は、対向する床版2の端部の凹部2Aに取着され、橋軸方向における床版2の伸縮に応じ床版2と一体に橋軸方向に移動する。
本実施の形態では、継手部材12は、床版2の端部の凹部2Aに打設された後打ちコンクリート13を介して凹部2Aに取着されている。
継手部材12は、表面板18と、側板20とを備え、鋼材により一体的に構成されている。
表面板18は、床版2の端部の橋軸方向と直交する方向の全長にわたって延在し、床版2の上面に形成された橋面舗装3の上面(道路橋の上面)と同一面をなす上面1802および凹凸状の端面1804とを有している。
継手部材12は、互いに対向する床版2の端部間において、凹凸状の端面1804が隙間を空けた状態で噛合するように配置されている。したがって、互いに対向する床版2の端部に取着された継手部材12の凹凸状の端面1804により、平面視した場合、橋軸方向に凹凸を繰り返しつつ橋軸方向と直交する方向の全長にわたって延在する隙間Sが形成され、床版2の橋軸方向の伸縮に応じ、隙間Sの橋軸方向の寸法は増減する。
【0010】
側板20は、表面板18の長手方向の全長にわたって延在し、表面板18の下面から垂設され後打ちコンクリート13を介して床版2の凹部2Aに取着されている。
本実施の形態では、対向する床版2の凹部2Aに取着された側板20は、互いに対向する内側面2002と、反対側に位置する外側面2004とを有しており、外側面2004には、後打ちコンクリート13に埋設されるアンカー部材22が水平方向に突設されている。
【0011】
止水部材14は、降雨時などの場合に隙間Sから侵入する雨水の下方への流下を防止するものである。
止水部材14は、継手部材12の橋軸方向と直交する方向に全長にわたって延在しており、対向する側板20の内側面2002の間を接続し橋軸方向に伸縮可能に構成されている。
本実施の形態では、止水部材14は、互いに対向する内側面2002にそれぞれ取着される基部1402と、それら基部1402を接続し上下方向に凹凸を繰り返し橋軸方向の全長にわたって延在し橋軸方向に伸縮可能な蛇腹部1404とを有している。
したがって、温度変化などにより対向する床版2が橋軸方向に伸縮して対向する継手部材12が移動すると、この継手部材12の移動に追従して蛇腹部1404が橋軸方向に伸縮する。
止水部材14は、ゴムなどの従来公知の弾性材料で構成されている。
【0012】
間詰め部材16は、表面板18の端面1804の間に形成される隙間Sの一部を補填するものである。
間詰め部材16は、本体部24と、突起部26とを備えている。
本体部24は、道路橋の橋軸方向において隙間Sよりも大きな寸法を有し表面板18の下方で止水部材14の上に載置されている。
本体部24は、均一の幅で継手部材12の橋軸方向と直交する方向の全長にわたって延在している。
本実施の形態では、本体部24は、表面板18に対向する上面2402と、止水部材14に対向する下面2404とを有し、下面2404に、蛇腹部1404の凹凸に遊嵌し蛇腹部1404の伸縮に追従して本体部24を橋軸方向に移動させる凹凸部2406が形成されている。
この凹凸部2406は、橋軸と直交する方向の全長にわたって延在していてもよく、橋軸方向と直交する方向に間隔をおいて設けられていてもよく、要するに、蛇腹部1404の伸縮に追従して本体部24が橋軸方向に移動できればよい。
【0013】
突起部26は、本体部24から上方に突設され隙間Sに配置されて隙間Sの一部を補填するものであり、橋軸方向において突起部26は隙間Sの中間部に位置しつつ橋軸方向と直交する方向に延在している。詳細に説明すると、平面視した場合、突起部26は、橋軸方向に凹凸を繰り返しつつ隙間Sの中間部において橋軸方向と直交する方向の全長にわたって延在している。
本実施の形態では、本体部24および突起部26は弾性を有する材料によって一体的に構成されており、このような弾性を有する材料として硬質ゴムなど従来公知の様々な弾性材料が使用可能である。
【0014】
次に道路橋用伸縮装置10の作用効果について説明する。
図2に示すように、間詰め部材16の突起部26が隙間Sに配置されることにより、隙間Sの一部が補填されるため、自転車やオートバイなどの二輪車の車輪が隙間Sにはまり込むことが防止される。
また、間詰め部材16の本体部24は、道路橋の橋軸方向において隙間Sよりも大きな寸法を有しているため、突起部26は本体部24に支持されて隙間Sに常時配置されることになる。したがって、従来のように間詰め部材16が表面板18から抜落する不具合はなくなり、表面板18の端面1804の間(継手部材12の間)に形成される隙間Sの一部を補填する機能を長期間にわたって維持する上で有利となる。
【0015】
また、本実施の形態では、間詰め部材16の本体部24の下面の凹凸部2406が蛇腹部1404の凹凸に遊嵌しているため、隣り合う床版2の橋軸方向における伸縮による側板20の移動に追従して蛇腹部1404が橋軸方向に伸縮した場合に、蛇腹部1404の伸縮に応じ本体部24が橋軸方向に移動し、間詰め部材16と蛇腹部1404との橋軸方向における相対的な位置関係が維持される。
したがって、橋軸方向において突起部26は隙間Sの中間部に位置した状態が維持されるため、突起部26と該突起部26を挟む2つの端面1804との間の2つの隙間Sのバランスが維持され、それら2つの隙間Sの一方が他方に比べて極端に大きく拡大することがない。
そのため、対向する道路橋の伸縮が生じても突起部26による隙間Sの補填がバランスよくなされるため、自転車やオートバイなどの二輪車の車輪が隙間Sにはまり込むことを防止する上でより有利となる。
【0016】
また、本実施の形態では、突起部26が弾性を有する材料で構成されているため、対向する道路橋の伸縮が生じることで、突起部26が2つの端面1804で挟圧されたとしても、突起部26の破損を抑制できるため、長期間にわたって道路橋用伸縮装置10の機能を維持する上で有利となる。
【0017】
(第2の実施の形態)
次に図3を参照して第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態は、間詰め部材16の突起部26を本体部24に対して着脱可能に設けた点が第1の実施の形態と異なっており、その他の構成は第1の実施の形態と同様である。なお、以下の実施の形態では、第1の実施の形態と同一または同様の部分、部材には同一の符号を付して説明する。
第2の実施の形態では、本体部24および突起部26の双方が弾性を有する材料で形成されている。
図3(A)の実施の形態では、本体部24は、上面2402から下面2404に貫通する取付孔28が本体部24の延在方向に間隔をおいて複数設けられ、各取付孔28の周囲に位置する下面2404の部分に、座ぐり部30が形成されている。
【0018】
突起部26は、隙間Sに補填される上部2602と、上部2602に接続し上面2402に載置される下部2604とを有している。
下部2604には、上面2402に載置される載置面2610と、載置面2610から突設され取付孔28に挿通される軸部2612と、軸部2612の先端に設けられ座ぐり部30の上面3002に係止する縮径可能な爪部2614とを有している。それら軸部2612および爪部2614は、突起部26の延在方向に間隔をおいて複数設けられている。
また、突起部26の中間部から下部2604にわたり上面2402に係止する補強リブ2616が設けられ、この補強リブ2616も突起部26の延在方向に間隔をおいて複数設けられている。なお、補強リブ2616を設けるか否かは任意である。
【0019】
図3(A)の実施の形態では、突起部26を本体部24に取り付ける場合は、突起部26の爪部2614を、本体部24の各取付孔28に圧入する。この圧入により爪部2614は弾性変形して取付孔28を通って座ぐり部30に到達する。そして、爪部2614が拡径し、載置面2610と爪部2614により取付孔28の周囲の本体部24の部分を挟持することで突起部26が本体部24に結合される。
また、突起部26を本体部24から取り外す場合は、突起部26の上部2602を把持して上方に引き抜く。これにより、爪部2614が縮径して取付孔28を通過し、突起部26が本体部24から取り外される。
【0020】
図3(B)の実施の形態では、突起部26の載置面2610に取付孔32が本体部24の延在方向に間隔をおいて複数設けられている。取付孔32は小径孔部3202と、小径孔部3202の上部2602に続く大径孔部3204とを有している。本体部24の上面2402から軸部2410が突設され、軸部2410の先端に大径孔部3204の端面に係止する縮径可能な爪部2412が設けられている。それら軸部2410および爪部2412は、本体部24の延在方向に間隔をおいて複数設けられている。
【0021】
図3(B)の実施の形態では、突起部26を本体部24に取り付ける場合は、取付孔32の軸心と爪部2412の軸心とを合わせ、突起部26を本体部24の上面2402に押さえつける。これにより、爪部2412は弾性変形し縮径して小径孔部3202を通過したのち、大径孔部3204で拡径し大径孔部3204の端面に係止する。そして、載置面2610が上面2402に当接し、上面2402と爪部2412とで小径孔部3202の周囲の突起部26の部分を挟持することで突起部26が本体部24に結合される。
また、突起部26を本体部24から取り外す場合は、突起部26を把持して上方に引き抜く。これにより、爪部2412が縮径して取付孔32から抜去され、突起部26が本体部24から取り外される。
【0022】
図3(C)の実施の形態では、本体部24の上面2402に、突起部26の幅方向(橋軸方向)で対向する2つの鍔部34が、本体部24の延在方向に間隔をおいて複数形成されている。
突起部26の下部2604には、鍔部34の幅よりも小さい寸法の幅で鍔部34と本体部24の上面2402との間に挟持されるフランジ36が、突起部26の延在方向に間隔をおいて複数形成されている。
図3(C)の実施の形態では、突起部26を本体部24に取り付ける場合は、鍔部34とフランジ36との位相をずらし、フランジ36を本体部24の上面2402に載置し、次に、突起部26をその長手方向にずらす。これにより、フランジ36が鍔部34と本体部24の上面2402との間に挟持され、突起部26が本体部24に結合される。
また、突起部26を本体部24から取り外す場合は、突起部26を把持してその長手方向にずらす。これにより、鍔部34とフランジ36との位相がずらされ、突起部26が本体部24から取り外される。
【0023】
図3(A)〜(C)に示す第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果が奏されることは無論のこと、間詰め部材16の突起部26を本体部24に対して着脱可能としたので、隙間Sを補填する突起部26の劣化や損傷が発生した場合に、大掛かりな作業を行うことなく、突起部26のみを容易に交換することができる。したがって、保守費用の低減を図りつつ、道路橋用伸縮装置10の機能を維持する上で有利となる。
【0024】
なお、実施の形態では、継手部材10が、互いに対向する床版2の端部に取着される場合について説明したが、継手部材10は、道路橋を構成する要素の互いに対向する端部と共に道路橋の継ぎ目部を構成するものであればよく、継手部材10が互いに対向する橋台の端部と床版2の端部とに取着されてもよい。
【符号の説明】
【0025】
S……隙間、2……床版、2A……凹部、4……継ぎ目部、10……道路橋用伸縮装置、12……継手部材、14……止水部材、1402……基部、1404……蛇腹部、16……間詰め部材、18……表面板、20……側板、1802……上面、1804……端面、20……側板、2002……内側面、2004……外側面、22……アンカー部材、24……本体部、2402……上面、2404……下面、2406……凹凸部、2410……軸部、2412……爪部、26……突起部、2602……上部、2604……下部、2610……載置面、2612……軸部、2614……爪部、2616……補強リブ、28……取付孔、30……座ぐり部、32……取付孔、3202……小径孔部、3204……大径孔部、34……鍔部、36……フランジ。
図1
図2
図3