(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の
前提となる参考形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1及び
図7に示すように、本発明の実施形態に係る水処理装置(1a)は、水循環回路(1)と貯水タンク(2)とを備えている。
【0012】
上記貯水タンク(2)は、水(湯水を含む、以下同様とする。)が貯留されている。貯水タンク(2)には、水循環回路(1)と、第1流路管(6)と第2流路管(7)とが接続されている。
【0013】
上記水循環回路(1)は、貯水タンク(2)内の水を循環させて攪拌させるものである。水循環回路(1)には、水配管(3)と2つの開閉バルブ(4,4)と2つのポンプ(5,5)と水処理部(10)とが接続されている。尚、水処理部(10)の詳細な構成は後述する。
【0014】
上記水配管(3)は、内部を水が流通可能な管である。水配管(3)は、その一端が貯水タンク(2)の図中左側の側面に接続される一方、その他端が貯水タンク(2)の図中右側の側面に接続されている。水配管(3)の途中には、上述した2つのポンプ(5,5)と2つの開閉バルブ(4,4)と水処理部(10)とが接続されている。
【0015】
上記開閉バルブ(4,4)は、水配管(3)の流路を開閉可能な弁に構成されている。2つの開閉バルブ(4,4)のうち、一つは上流ポンプ(5)の水の流出側で且つ水処理部(10)の水の流入側に設けられ、残りの一つは下流ポンプ(5)の水の流出側に設けられている。各開閉バルブ(4,4)は、開けると水配管(3)の内部を水が流通する一方、閉じると水配管(3)の内部の水の流通が停止する。
【0016】
−水処理部の構成−
図2および
図3に示すように、水処理部(10)は、水配管(3)の流入部(3a)から流入させた水を浄化して水配管(3)の流出部(3b)から流出させるものである。この水処理部(10)は、噴霧装置(40)と、処理槽(11)と、下流槽(50)と、複数の放電ユニット(30a,30b)を備えている。水処理部(10)は、水配管(3)から流入させた水を噴霧装置(40)から処理槽(11)に供給し、該処理槽(11)において放電ユニット(30a,30b)で発生した殺菌因子により浄化し、浄化した水を下流槽(50)に供給し、下流槽(50)から再び水配管(3)に流出させている。
【0017】
上記処理槽(11)は、平面視で略長方形状に形成され、箱体状の水槽である。具体的には、処理槽(11)は、平面視で略長方形の平板に形成された底部(12)と、横長の略長方形の平板に形成され、且つ底部(12)の両長辺からそれぞれ上方に延びる長壁部(13,13)と、縦長の略長方形状の平板に形成され、且つ底部(12)の両短辺からそれぞれ上方に延びる短壁部(14a,14b)とで形成されている。処理槽(11)の長手方向の他端側(すなわち、水の流出側)の短壁部(14b)は、その高さが処理槽(11)の長手方向の一端側(すなわち、水の流入側)の短壁部(14a)よりも低く形成されて流出口部(17)が形成されている。
【0018】
上記処理槽(11)の内部には、その幅方向に所定間隔を置いて複数の仕切板(15)が配置されている。各仕切板(15)は、横長の略長方形状の平板に形成され、処理槽(11)の長手方向に沿って配置されて該処理槽(11)の内部を複数のレーン(21a〜22b)に仕切っている。各仕切板(15)は、電気絶縁性を有する材料で形成されている。また、後述する第1流路(21)および第2流路(22)に配置される仕切板(15a,15a)には、それぞれに厚さ方向に貫通する孔部(16)が形成されている。上記処理槽(11)には、各仕切板(15)によって、
図2における手前側から順に第1〜第4レーン(21a〜22b)が形成されている。尚、処理槽(11)に形成されるレーン(21a〜22b)の数は、例示であり、水処理部(10)が浄化する水量に応じて任意に変更することができる。尚、仕切板(15)は、本発明に係る仕切部材を構成している。
【0019】
また、各レーン(21a〜22b)は、第1および第2レーン(21a,21b)が一対となって第1流路(21)を形成し、第3および第4レーン(22a,22b)が一対となって第2流路(22)を形成している。
【0020】
図2及び
図7〜
図9に示すように、上記処理槽(11)の内部には、その流入側から順に複数の第1仕切板(61)、複数の第2仕切板(62)及び複数の第3仕切板(63)が配置されている。各第1〜第3仕切板(61〜63)は、上述したレーン(21a,21b,22a,22b)ごとに一つずつ設けられる。各第1〜第3仕切板(61〜63)は、縦長の略長方形状の平板に形成され、処理槽(11)の幅方向に沿って配置されてレーン(21a〜22b)を仕切っている。各第1及び第3仕切板(61,63)は、その高さが処理槽(11)の流入側の短壁部(14a)と同じ高さに形成されている。各第1及び第3仕切板(61,63)は、その下端が処理槽(11)の底部(12)に達しないように形成されて流出口部(64,65)が形成されている。各第2仕切板(62)は、その高さが処理槽(11)の流出側の短壁部(14b)よりも低く形成されて流出口部(66)が形成されている。各第2仕切板(62)は、その下端が処理槽(11)の底部(12)に接する(達する)ように形成されている。
【0021】
処理槽(11)における第1仕切板(61)の上流側を流れる水は、流出口部(64)から第1仕切板(61)の下流側に噴出することで、その流速が増し、第2仕切板(62)に当たる。このため、
図9における反時計回りに回転する渦が発生する。処理槽(11)における第2仕切板(62)の上流側を流れる水は、流出口部(66)から第2仕切板(62)の下流側に噴出することで、その流速が増し、第3仕切板(63)に当たる。このため、
図9における時計回りに回転する渦が発生する。処理槽(11)における第3仕切板(63)の上流側を流れる水は、流出口部(65)から第3仕切板(63)の下流側に噴出することで、その流速が増し、処理槽(11)の流出側の短壁部(14b)に当たる。このため、
図9における反時計回りに回転する渦が発生する。したがって、処理槽(11)の水は攪拌される。
【0022】
図8に示すように、処理槽(11)の水は、第1仕切板(61)の下流側で且つ第2仕切板(62)の上流側において、上方に向かって流れ、第2仕切板(62)の下流側で且つ第3仕切板(63)の上流側において、下方に向かって流れ、第3仕切板(63)の下流側において、上方に向かって流れる。このように、処理槽(11)の水はS字状(ジグザグ)に流れる。また、第1流路(21)および第2流路(22)の流路長は長くなる。このため、処理槽(11)の水はより一層攪拌される。
【0023】
図9に示すように、後述する放電部材(34)の放電孔(35)は、側面視において(処理槽(11)の幅方向から見て)、流出口部(64)から第1仕切板(61)の下流側に噴出した水流の流芯に重なるように配置されている。このため、放電孔(35)において生成された殺菌因子を処理槽(11)の水中に確実に拡散させることができる。
【0024】
尚、仕切板(61〜63)及び処理槽(11)の流出側の短壁部(14b)は、本発明に係る攪拌部材を構成している。
【0025】
図4に示すように、上記複数の放電ユニット(30a,30b)は、第1放電ユニット(30a)と第2放電ユニット(30b)とで構成されている。各放電ユニット(30a,30b)は、上述した一対のレーン(21a,21b,22a,22b)ごとに一つずつ設けられる。
【0026】
上記第1放電ユニット(30a)は、第1流路(21)の水を浄化するものである。第1放電ユニット(30a)は、電極対(31,32)と、この電極対(31,32)に接続され、該電極対(31,32)に所定の電圧を印加する高電圧発生部(33)と、上述した孔部(16)が形成された仕切板(15a)とを備えている。仕切板(15a)には、放電部材(34)が設けられている。尚、第2放電ユニット(30b)は、第2流路(22)の水を浄化するものである。第2放電ユニット(30b)の具体的な構成は、上記第1放電ユニット(30a)と同様であるため、説明は省略する。
【0027】
上記電極対(31,32)は、水中で放電を生起するためのものであり、ホット側の電極(31)とニュートラル側の電極(32)とで構成されている。電極(31)は、扁平な板状に形成され、第1レーン(21a)に配置されている。電極(31)は、高電圧発生部(33)に接続されている。上記電極(32)は、扁平な板状に形成され、第2レーン(21b)に配置されている。電極(32)は、高電圧発生部(33)に接続されている。また、電極(31)と電極(32)とは互いに略平行となるように配設されている。尚、これらの電極(31,32)は、例えば耐腐食性の高い金属材料で構成されている。
【0028】
上記高電圧発生部(33)は、電極対(31,32)に所定の電圧を印加する電源で構成されている。
参考形態では、高電圧発生部(33)は、例示として、
図5に示すように、電極対(31,32)に対して、正負が入れ替わる交番型の方形波に形成される電圧を印加する。この交番波形(方形波)のDutyは、正極性側と負極性側の割合が等しくなるように調節されている。尚、電極対(31,32)に印加される電圧は、例示であって、交番型の電圧であれば、方形波に限らず、正弦波などでもよい。
【0029】
上記放電部材(34)は、板状の絶縁部材である。放電部材(34)は、例えばセラミックス等の電気絶縁材料で構成されている。放電部材(34)は、第1レーン(21a)と第2レーン(21b)とを仕切る仕切板(15a)に形成された孔部(16)を塞ぐように配置されている。放電部材(34)には、その略中央に微小な放電孔(35)が形成されている。放電孔(35)は、例えば、電気抵抗が数MΩとなるように設計されている。この放電孔(35)は、電極(31)と電極(32)との間の電流経路を構成している。以上のような放電孔(35)は、電極対(31,32)の間の電流経路の電流密度を上昇させる電流密度集中部となる。
図6に示すように、電極(31)および電極(32)に電圧が付与されると、放電部材(34)の放電孔(35)内では、電流経路の電流密度が上昇することで、水がジュール熱によって気化して気泡(C)が形成される。そして、気泡(C)内では、気泡(C)と水との界面が電極となって放電が発生する。すなわち、この放電では、上記電極(31)および電極(32)が放電電極とならないため、放電によって電極(31,32)が劣化するのを抑制できる。
【0030】
上記噴霧装置(40)は、水配管(3)に接続され、該水配管(3)の流入部(3a)から流入させた水を噴霧して処理槽(11)に供給するものであって、本発明に係る絶縁部を構成している。噴霧装置(40)は、ノズルヘッダ(41)と、各レーン(21a〜22b)に対応した複数の噴霧ノズル(42)とを備えている。
【0031】
上記ノズルヘッダ(41)は、その側面に水配管(3)が接続され、水配管(3)から流入する水を各噴霧ノズル(42)に分けるように設けられている。
【0032】
上記噴霧ノズル(42)は、ノズルヘッダ(41)の長手方向に所定の間隔を置いて複数個設けられている。噴霧ノズル(42)は、各レーン(21a〜22b)に対応して設けられている。水配管(3)を流れる水は、流入部(3a)からノズルヘッダ(41)に流入し、噴霧ノズル(42)から粒状(液滴)となって対応するレーン(21a〜22b)における第1仕切板(61)の上流側に向かって噴霧される。このとき、噴霧ノズル(42)から噴霧された水が粒状(液滴)となることで各粒間(各液滴間)に空気が介在して電気抵抗が高くなる。こうすることで、水配管(3)の流入部(3a)から流入する水と、処理槽(11)を流れる水とが電気的に絶縁されることになる。尚、噴霧ノズル(42)によって噴霧させることによって、水配管(3)の流入部(3a)の水と、処理槽(11)の水との間の電気抵抗は、数百MΩ以上となる。
【0033】
上記下流槽(50)は、上記処理槽(11)の水の流出側に設けられ、該処理槽(11)から流れ落ちて雫状になった水を流入させる水槽である。下流槽(50)は、平面視で略長方形状の箱体に形成され、側面が外壁部(51)によって囲まれて形成されている。下流槽(50)の外壁部(51)の高さは、処理槽(11)の長壁部(13)および短壁部(14)の高さよりも低くなるように形成されている。下流槽(50)には、水配管(3)の流出部(3b)が接続されている。下流槽(50)と処理槽(11)との間は、処理槽(11)の流出側の短壁部(14b)および外壁部(51)によって仕切られている。この短壁部(14b)は、流出口部(17)が設けられているため、処理槽(11)に貯留された水は、処理槽(11)が一杯となる前に流出口部(17)から下流槽(50)の底に向かって堰を切って滝のように流れ落ちる。この際、流出口部(17)から下流槽(50)の底部又は下流槽(50)に貯留された水の液面までの間は、所定の高さを有している。このため、処理槽(11)の水は、流出口部(17)から下流槽(50)に流れ落ちる際に雫となる。下流槽(50)に流れ落ちる水が雫(粒状又は液滴)となることで各粒間(液滴間)に空気が介在して電気抵抗が高くなる。こうすることで、処理槽(11)に貯留された水と下流槽(50)を流れる水とが電気的に絶縁される。尚、処理槽(11)と下流槽(50)との間の電気抵抗は、数百MΩ以上になる。その後、下流槽(50)を流れる水は、水配管(3)の流出部(3b)から流出する。尚、上記流出口部(17)から粒状となって流れ落ちる水が流入する下流槽(50)は、本発明に係る絶縁部を構成している。
【0034】
−運転動作−
参考形態に係る水処理装置(1a)では、水処理部(10)において、水配管(3)を流れる水を処理する水処理がなされる。
【0035】
水処理部(10)の運転開始前には、水循環回路(1)の開閉バルブ(4,4)が開かれ、貯水タンク(2)の水が水配管(3)内を流れる。そして、水配管(3)を流れる水は、上流ポンプ(5)を介して流入部(3a)からノズルヘッダ(41)内に流入し、噴霧ノズル(42)から各レーン(21a〜22b)に噴霧され、処理槽(11)内に水が貯留される。このとき、噴霧された水は、粒状(液滴)となっているため、各液滴間に空気が介在して電気抵抗が高くなる。このため、水配管(3)の流入部(3a)から流入する水と、処理槽(11)を流れる水とが電気的に絶縁される。また、処理槽(11)における第1仕切板(61)の上流側を流れる水は、流出口部(64)から第1仕切板(61)の下流側に噴出し、第2仕切板に当たるため、渦が発生する。処理槽(11)における第2仕切板(62)の上流側を流れる水は、流出口部(66)から第2仕切板(62)の下流側に噴出し、第3仕切板(63)に当たるため、渦が発生する。処理槽(11)における第3仕切板(63)の上流側を流れる水は、流出口部(65)から第3仕切板(63)の下流側に噴出し、処理槽(11)の流出側の短壁部(14b)に当たるため、渦が発生する。このため、処理槽(11)の水は攪拌される。
【0036】
水処理部(10)の運転開始時には、処理槽(11)内が浸水した状態となっている。高電圧発生部(33)から電極対(31,32)に対して極性の割合が等しい方形波の高電圧が印加されると、放電部材(34)の放電孔(35)の電流経路の電流密度が上昇する。
【0037】
放電孔(35)内の電流経路の電流密度が上昇すると、放電孔(35)内のジュール熱が大きくなる。その結果、放電部材(34)では、放電孔(35)の内部および出入口の近傍において、水の気化が促進されて気体相としての気泡(36)が形成される。この気泡(36)は、
図6に示すように、放電孔(35)の全域を覆う状態となる。この状態では、気泡(36)が電極(31)と電極(32)との間で水を介した導電を阻止する抵抗として機能する。これにより、電極(31,32)と水とが同電位となり、気泡(36)と水との界面が電極となる。すると、気泡(36)内では、絶縁破壊が起こり、放電が発生する。
【0038】
以上のようにして、気泡(36)内で放電が行われると、処理槽(11)の水中では、過酸化水素、水酸ラジカルなどの殺菌因子が発生する。尚、過酸化水素、水酸ラジカルは、本発明に係る殺菌因子を構成している。また、上述と同様に、処理槽(11)の水は攪拌される。このため、殺菌因子を処理槽(11)の水中に均一に拡散させることができる。
【0039】
その後、処理槽(11)の各レーン(21a〜22b)を流れる水は、流出口部(17)から下流槽(50)に向かって流れ落ちる。このとき、流出口部(17)から下流槽(50)に流れ落ちる水は雫となるため、各粒間(液滴間)に空気が介在して電気抵抗が高くなる。こうすることで、処理槽(11)に貯留された水と下流槽(50)を流れる水とが電気的に絶縁される。
【0040】
−
参考形態の効果−
参考形態によれば、水配管(3)と処理槽(11)との間を流れる水を滴下させたため、粒状となった水(液滴)の各粒間(各液滴間)に空気を介在させることができる。これにより、電気抵抗が高くなるため、水配管(3)を流れる水と処理槽(11)を流れる水との間を電気的に絶縁することができる。この結果、水処理部(10)の水中で確実に放電を生起させることができるし、投入した電力を効率よく使用することができる。
【0041】
また、噴霧装置(40)を設けたため、水配管(3)を流れる水を噴霧させて処理槽(11)に供給することができる。このため、水を粒状(液滴)にして各粒間(各液滴間)に空気を介在させることができる。これにより、電気抵抗を高くすることができるため、水配管(3)を流れる水と処理槽(11)を流れる水とを電気的に絶縁することができる。
【0042】
さらに、処理槽(11)の水の流出側に該処理槽(11)に溜まった水を雫状に滴下させて貯留させる下流槽(50)を設けたため、処理槽(11)に貯留された水を雫状に滴下させて下流槽(50)に供給することができる。このため、雫(粒状又は液滴)の各雫間(各液滴間)に空気を介在させることができる。これにより、電気抵抗を高くすることができるため、処理槽(11)に溜まった水と下流槽(50)の水の流出側の水通路(3)を流れる水とを電気的に絶縁することができる。
【0043】
さらに、第1〜第4レーン(21a〜22b)を設けたため、レーン(21a〜22b)の数に応じて水処理装置(1a)で処理する水量を調節することができる。
【0044】
また、上記高電圧発生部(33)を交番型としたため、電極対(31,32)において電圧の極性が所定時間おきに交互に入れ替わる。そのため、放電孔(35)においては、電流を増加させても、グロー放電を生起させず、スパーク放電を生起させることができる。つまり、直流電圧の場合、放電形態は電流の増加に伴ってスパーク放電からグロー放電に移行するところ、
参考形態では放電形態がグロー放電に移行するまでに電圧の極性が入れ替わるので、放電孔(35)内においてグロー放電を発生させずにスパーク放電を発生し続けることができる。これにより、グロー放電による放電孔(35)の熱的破壊を抑制でき、放電孔(35)の孔径が拡大するのを抑制することが可能になる。よって、安定して放電を行うことができる。
【0045】
また、上記電圧波形において正極性側と負極性側の割合を等しくしたので、両電極(31,32)において酸化反応と還元反応とを同等に行わせることができる。よって、電極対(31,32)の酸化反応による溶出を抑制することが可能となり、また、高電圧発生部(33)で発生させる交番型の電圧波形により、電極対(31,32)から金属などが析出するのを防止することができ、その結果、安定して放電を行うことができる。
【0046】
また、上記電圧波形を方形波としたので、例えば、正弦波等と比べて、水の導電率に依存せずに放電を生起させることができる。よって、安定して放電を行うことが可能である。
【0047】
また、処理槽(11)内の水を攪拌する仕切板(61〜63)及び処理槽(11)の流出側の短壁部(14b)を処理槽(11)に設けたため、処理槽(11)の水中において生成された過酸化水素、水酸ラジカルなどの殺菌因子を処理槽(11)の水中に均一に拡散させることができる。
【0048】
《その他の実施形態》
本発明に係る攪拌部材については、以下のような構成としてもよい。
【0049】
−攪拌部材の参考例1−
図10及び
図11に示すように、処理槽(11)の内部には、その流入側から順に複数の第1仕切板(61)及び複数の第2仕切板(62)が配置されている。各第1及び第2仕切板(61,62)の具体的な構成は、上記
参考形態と同様である。第1及び第2仕切板(61,62)の間には、その下側から順に下側仕切板(71)及び上側仕切板(72)が配置されている。下側及び上側仕切板(71,72)は、略長方形状の平板に形成され、水平方向に延びるように配置されて第1及び第2仕切板(61,62)の間を仕切っている。下側仕切板(71)は、処理槽(11)の流入側の端部が第1仕切板(61)に接するように形成される一方、処理槽(11)の流出側の端部が第2仕切板(62)に達しないように形成されて流出口部(73)が形成されている。下側仕切板(71)の下側を流れる水は、流出口部(73)から下側仕切板(71)の上側に流出する。上側仕切板(72)は、処理槽(11)の流出側の端部が第2仕切板(62)に接するように形成される一方、処理槽(11)の流入側の端部が第1仕切板(61)に達しないように形成されて流出口部(74)が形成されている。上側仕切板(72)の下側を流れる水は、流出口部(74)から上側仕切板(71)の上側に流出する。
【0050】
処理槽(11)における第1仕切板(61)の上流側を流れる水は、流出口部(64)から第1仕切板(61)の下流側に噴出することで、その流速が増し、第2仕切板(62)に当たる。このため、渦が発生し、処理槽(11)の水は攪拌される。
【0051】
図11に示すように、第1及び第2仕切板(61,62)の間を流れる水は、下側仕切板(71)の下側において、処理槽(11)の流出側に向かって流れ、下側仕切板(71)の上側で且つ上側仕切板(72)の下側において、処理槽(11)の流入側に向かって流れ、上側仕切板(72)の上側において、処理槽(11)の流出側に向かって流れる。このように、第1及び第2仕切板(61,62)の間の水はS字状(ジグザグ)に流れる。また、第1流路(21)および第2流路(22)の流路長は長くなる。このため、処理槽(11)の水はより一層攪拌される
尚、下側及び上側仕切板(71,72)は、参考例に係る攪拌部材を構成している。
【0052】
−攪拌部材の参考例2−
図12〜
図15に示すように、処理槽(11)の内部には、その流入側から順に複数の第1仕切板(61)及び複数の第2仕切板(62)が配置されている。各第1及び第2仕切板(61,62)は、上述したレーン(21a,21b,22a,22b)ごとに一つずつ設けられる。各第1及び第2仕切板(61,62)は、縦長の略長方形状の平板に形成され、処理槽(11)の幅方向に沿って配置されてレーン(21a〜22b)を仕切っている。各第1及び第2仕切板(61,62)は、その高さが処理槽(11)の流入側の短壁部(14a)と同じ高さに形成されている。各第1及び第2仕切板(61,62)は、その下端が処理槽(11)の底部(12)に接するように形成されている。第1仕切板(61)の下端部には、レーン(21a,21b,22a,22b)における後述する内側仕切板(81)の流路幅方向内側に対応する部分に流出口部(61a)が形成されている。第2仕切板(62)の上端部には、レーン(21a,21b,22a,22b)における後述する外側仕切板(82)の流路幅方向外側に対応する部分に流出口部(62a)が形成されている。処理槽(11)における第2仕切板(62)の上流側を流れる水は、流出口部(62a)から第2仕切板(62)の下流側に流出する。
【0053】
第1及び第2仕切板(61,62)の間には、放電部材(34)が設けられた仕切板(15a)側から順に内側仕切板(81)及び外側仕切板(82)が配置されている。内側及び外側仕切板(81,82)は、横長の略長方形状の平板に形成され、処理槽(11)の長手方向に沿って第1及び第2仕切板(61,62)の間を仕切っている。内側及び外側仕切板(81,82)は、その高さが処理槽(11)の流入側の短壁部(14a)と同じ高さで且つ処理槽(11)の流出側の短壁部(14b)よりも高く形成されている。内側及び外側仕切板(81,82)は、その下端が処理槽(11)の底部(12)に接するように形成されている。
【0054】
内側仕切板(81)は、処理槽(11)の流入側の端部が第1仕切板(61)に接するように形成される一方、処理槽(11)の流出側の端部が第2仕切板(62)に達しないように形成されて流出口部(83)が形成されている。内側仕切板(81)の流路幅方向内側を流れる水は、流出口部(83)から内側仕切板(81)の流路幅方向外側に流出する。外側仕切板(82)は、処理槽(11)の流出側の端部が第2仕切板(62)に接するように形成される一方、処理槽(11)の流入側の端部が第1仕切板(61)に達しないように形成されて流出口部(84)が形成されている。外側仕切板(82)の流路幅方向内側を流れる水は、流出口部(84)から外側仕切板(82)の流路幅方向外側に流出する。
【0055】
処理槽(11)における第1仕切板(61)の上流側を流れる水は、流出口部(61a)から第1仕切板(61)の下流側に噴出することで、その流速が増し、第2仕切板(62)に当たる。このため、渦が発生し、処理槽(11)の水は攪拌される。
【0056】
図12に示すように、第1及び第2仕切板(61,62)の間を流れる水は、内側仕切板(81)の流路幅方向内側において、処理槽(11)の流出側に向かって流れ、内側仕切板(81)の流路幅方向外側で且つ外側仕切板(82)の流路幅方向内側において、処理槽(11)の流入側に向かって流れ、外側仕切板(82)の流路幅方向外側において、処理槽(11)の流出側に向かって流れる。このように、第1及び第2仕切板(61,62)の間の水はS字状(ジグザグ)に流れる。また、第1流路(21)および第2流路(22)の流路長は長くなる。このため、処理槽(11)の水はより一層攪拌される
尚、内側及び外側仕切板(81,82)は、参考例に係る攪拌部材を構成している。
【0057】
−攪拌部材の参考例3−
図16に示すように、処理槽(11)の内部には、その流入側に複数の第1仕切板(61)が配置されている。各第1仕切板(61)の具体的な構成は、上記
参考形態と同様である。処理槽(11)の内部における第1仕切板(61)の下流側には、流出口部(64)近傍に水車(91)が配置されている。水車(91)は、複数の羽根(91a)を有している。水車(91)は、処理槽(11)の幅方向に延びる回転軸回りに回転自在に構成されている。尚、
図16では、図を見易くするため、放電部材(34)及び放電孔(35)の図示を省略している(
図17〜
図20も同様)。
【0058】
処理槽(11)における第1仕切板(61)の上流側を流れる水は、流出口部(64)から第1仕切板(61)の下流側に噴出することで、その流速が増す。流出口部(64)から処理槽(11)における第1仕切板(61)の下流側に噴出した水は、水車(91)の羽根(91a)に当たる。このため、水車(91)が回転し、処理槽(11)の水は攪拌される。
【0059】
尚、水車(91)は、参考例に係る攪拌部材を構成している。
【0060】
−攪拌部材の参考例4−
図17に示すように、処理槽(11)の内部には、その流入側に複数の第1仕切板(61)が配置されている。各第1仕切板(61)は、上述したレーン(21a,21b,22a,22b)ごとに一つずつ設けられる。各第1仕切板(61)は、縦長の略長方形状の平板に形成され、処理槽(11)の幅方向に沿って配置されてレーン(21a〜22b)を仕切っている。各第1仕切板(61)は、その高さが処理槽(11)の流入側の短壁部(14a)と同じ高さに形成されている。各第1仕切板(61)は、その下端が処理槽(11)の底部(12)に接するように形成されている。各第1仕切板(61)の下部には、複数のスリット(61c)が形成されている。
スリット(61c)は、処理槽(11)の流入側から流出側に行くに従って上側に傾斜している。
【0061】
処理槽(11)における第1仕切板(61)の上流側を流れる水は、スリット(61c)から第1仕切板(61)の下流側に噴出することで、その流速が増す。スリット(61c)から処理槽(11)における第1仕切板(61)の下流側に流出した水流は、斜め上方に向かう流れとなる。したがって、渦が発生し、処理槽(11)の水は攪拌される。
【0062】
尚、スリット(61c)は、処理槽(11)の流入側から流出側に行くに従って下側に傾斜してもよい。この場合、スリット(61c)から処理槽(11)における第1仕切板(61)の下流側に流出した水流は、斜め下方に向かう流れとなる。
【0063】
−
実施形態−
図18に示すように、処理槽(11)の内部には、その流入側に複数の第1仕切板(61)が配置されている。各第1仕切板(61)の具体的な構成は、上記
参考形態と同様である。処理槽(11)の内部における第1仕切板(61)の下流側には、流出口部(64)近傍に攪拌部材(101)が配置されている。攪拌部材(101)は、らせん状又は釣具のフィッシュテール状に形成されている(
図18では、らせん状に形成されたものが図示されている)。攪拌部材(101)は、その一端が処理槽(11)に固定されている。らせん状に形成された攪拌部材(101)は、水流で回転するように構成される。フィッシュテール状に形成された攪拌部材(101)は、水流で上下にはためくように構成される。
【0064】
処理槽(11)における第1仕切板(61)の上流側を流れる水は、流出口部(64)から第1仕切板(61)の下流側に噴出することで、その流速が増す。流出口部(64)から処理槽(11)における第1仕切板(61)の下流側に噴出した水は、らせん状又はフィッシュテール状に形成された攪拌部材(101)に当たる。このため、らせん状の攪拌部材(101)が回転したり、フィッシュテール状の攪拌部材(101)が上下にはためいたりして、処理槽(11)の水は攪拌される。
【0065】
−攪拌部材の
参考例5−
図19に示すように、処理槽(11)の内部には、その流入側に複数の第1仕切板(61)が配置されている。各第1仕切板(61)の具体的な構成は、上記
参考形態と同様である。処理槽(11)の内部における第1仕切板(61)の下流側には、流出口部(64)近傍に可動部品としてのルーバー(111)が配置されている。ルーバー(111)は、板状に形成されている。ルーバー(111)は、処理槽(11)の流入側の端部を中心として、処理槽(11)の幅方向に延びる回転軸回りに回動自在に構成されている。ルーバー(111)は、図示しない駆動源によって回動駆動される。
【0066】
処理槽(11)における第1仕切板(61)の上流側を流れる水は、流出口部(64)から第1仕切板(61)の下流側に噴出することで、その流速が増す。ルーバー(111)は、駆動源によって駆動され、上下に回動する。このため、処理槽(11)の水は攪拌される。
【0067】
尚、ルーバー(111)は、本発明に係る攪拌部材を構成している。
【0068】
−攪拌部材の参考例
6−
図20に示すように、処理槽(11)の内部には、その流入側に複数の第1仕切板(61)が配置されている。各第1仕切板(61)の具体的な構成は、上記実施形態と同様である。処理槽(11)の内部における第1仕切板(61)の下流側には、可動部品としての攪拌部材(121)が配置されている。攪拌部材(121)は、軸部(121a)と羽根部(121b)とを有している。軸部(121a)は、処理槽(11)の長手方向に延びる回転軸回りに回転自在に構成されている。軸部(121b)は、図示しない駆動源によって回転駆動される。羽根部(121b)は、軸部(121a)の外周面にらせん状に形成されている。
【0069】
処理槽(11)における第1仕切板(61)の上流側を流れる水は、流出口部(64)から第1仕切板(61)の下流側に噴出することで、その流速が増す。攪拌部材(121)は、その軸部(121a)が駆動源によって駆動され、羽根部(121b)が軸部(121a)とともに回転する。このため、処理槽(11)の水は攪拌される。
【0070】
本発明に係る攪拌部材の変形例について、以上説明したが、本発明の趣旨を逸脱しない限り、上記実施形態及び上記変形例に係る攪拌部材を任意に組み合わせてもよい。
【0071】
尚、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。