(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記紐付け部は、選択された移動波形又は反転波形の選択された時点より後の時点において、選択されたモータ駆動軸チャート又は入出力チャートに移動波形又は反転波形が存在する場合に、当該移動波形又は反転波形にタイマを設定し、選択された移動波形又は反転波形に紐付ける
請求項6に記載のタイムチャート作成装置。
前記ユーザインタフェースへの入力で移動波形及び反転波形の少なくともいずれかが選択され、時間軸に沿って移動させる操作がなされることにより、選択された移動波形又は反転波形から他の移動波形及び反転波形の少なくともいずれかへの紐付けがなされている場合には、当該他の移動波形又は反転波形を選択された移動波形又は反転波形と連動させて移動させ、選択された移動波形又は反転波形への他の移動波形及び反転波形の少なくともいずれかからの紐付けがなされている場合には、選択された移動波形又は反転波形に設定されたタイマのタイマ時間を変更する波形移動部
を有する請求項6又は7に記載のタイムチャート作成装置。
請求項1〜8のいずれかに記載のタイムチャート作成装置により作成された、少なくとも前記モータ駆動軸チャートを含むタイムチャートに基づいて、少なくともモータ駆動軸を含む機器を制御するコントローラ。
【発明を実施するための形態】
【0020】
タイムチャートは時間軸に対して機器の動作とそのタイミングを記述するものであり、例えばラダーチャートのような従来一般に用いられる記述法に比して、機器制御システムの動作をより直感的に把握しやすい。
【0021】
そして、本発明者らが、機器制御システムの動作をタイムチャートとして記述し得るタイムチャート作成装置と、かかるタイムチャート作成装置により作成されたタイムチャートを実行し機器制御システムを制御するコントローラについて鋭意開発を行った結果、本発明者は、直観的に把握しやすいというタイムチャートの特性に合致するように、タイムチャート作成装置のユーザインタフェースを直感的かつ簡便なものとすることにより、タイムチャート作成の生産性が飛躍的に向上することを見出した。
【0022】
そこで、本発明の発明者は、タイムチャート作成の生産性を飛躍的に向上させるべくタイムチャート作成装置のユーザインタフェースについて鋭意研究開発を行った結果、新規かつ独創的なタイムチャート作成装置等に想到した。以下、かかるタイムチャート作成装置等をその実施形態を通じ詳細に説明する。
【0023】
<本発明の実施形態に係る機器制御システム>
図1は本発明の実施形態に係るコントローラ2を含む機器制御システム1の例を示す概略図である。同図には、コントローラ2、サーボコントローラ3、I/Oユニット4と、リニアスライダ5、スイッチ6及びランプ7からなる機器制御システム1と、コントローラ2に接続されたタイムチャート作成装置8が示されている。
【0024】
コントローラ2は機器制御システム1全体を制御する機器であって、本実施形態では、タイムチャートに基いて少なくとも1以上の機器を制御するものである。なお、ここでタイムチャートとは、コントローラ2に接続される機器の動作を、時間軸に対して記述した情報を意味しており、その表現形式は問わない。また、サーボコントローラ3を通じて駆動されるリニアスライダ5等のモータ駆動軸、スイッチ6、ランプ7等の入出力機器は、いずれもコントローラ2による制御の対象となる機器の一例である。コントローラ2で実行されるタイムチャートは、タイムチャート作成装置8により作成され、電子データの形でコントローラ2に入力され、記憶される。コントローラ2には情報通信コネクタ2aが設けられている。
【0025】
サーボコントローラ3は、サーボモータを制御するためのサーボアンプ及びその制御回路が一体となったものであり、コントローラ2をはじめとする他の機器と接続するための情報通信コネクタ3aと、リニアスライダ5等のサーボ機構と接続するためのサーボコネクタ3bが設けられている。本実施形態では、サーボコネクタ3bにはモータ駆動軸の一例として、リニアスライダ5が接続されている。
【0026】
リニアスライダ5は、サーボモータ、エンコーダ、サーボモータの出力軸に連結されたボールねじと、リニアガイドにより案内され、ボールねじにより駆動されるスライドテーブルを一体とした機構であり、サーボコントローラ3からの出力に応じてスライドテーブルが駆動される。なお、ここでモータ駆動軸とは、サーボモータ等の駆動量を制御可能な電動機を動力源として駆動される機構をその電動機を主眼としてとらえた呼び方である。電動機としてはここで挙げたサーボモータの他にも、ステップモータを用いてもよい。また、必ずしも回転動力を出力する電動機でなくともよく、リニアモータを用いてもよい。
【0027】
I/Oユニット4は、コントローラ2をはじめとする他の機器と接続するための情報通信コネクタ4aと、入出力機器を接続するための多数の入出力接点を備えた機器である。I/Oユニット4には入出力接点として、入力コネクタ4bと出力コネクタ4cが備えられており、入力コネクタ4b及び出力コネクタ4cのそれぞれには多数の入力用又は出力用の接点(それぞれ、入力接点及び出力接点と呼ぶ)が含まれている。I/Oユニット4は、入力コネクタ4bに含まれる入力接点の入力状態を情報通信コネクタ4aを介してコントローラ2に伝達する一方、同じく情報通信コネクタ4aを介してコントローラ2から伝達された指令に応じて出力コネクタ4cに含まれる出力接点の状態を制御するものであり、機能的には、コントローラ2に外付けの入出力接点を増設する働きをする。本実施形態では、入出力機器の例として、I/Oユニット4の入力コネクタ4bにはノーマルオープン型(すなわち、A接点)の機械式スイッチであるスイッチ6が、また出力コネクタ4cにはランプ7が接続されている。なお、ここで入出力接点とは、ハイインピーダンス及びローインピーダンスの別により情報の入力又は出力をする接点を指しており、また、入出力機器とは、入出力接点によりコントローラ2に接続される機器を指す。
【0028】
本実施形態では、
図1に示されているように、コントローラ2、サーボコントローラ3及びI/Oユニット4は、情報通信コネクタ2a,3a及び4aをケーブルでカスケード接続することにより互いに通信可能とされている。
【0029】
タイムチャート作成装置8は、コントローラ2にて実行されるタイムチャートをユーザが作成するのを支援するとともに、本実施形態では、コントローラ2から情報伝達を受けて、機器制御システム1の状態をモニタする装置である。タイムチャート作成装置8は専用の装置であってもよいが、図示の通りの一般的なコンピュータを用い、タイムチャート作成装置8として機能させるコンピュータプログラムを実行することにより実現されている。かかるコンピュータプログラムは、各種の光ディスクや半導体メモリなどのコンピュータ可読情報記憶媒体に格納されてよく、該媒体からコンピュータにインストールされるようにすることが好ましい。或いは、インターネット等の各種の情報通信ネットワークからコンピュータにダウンロードされてもよく、さらには情報通信ネットワークを通じて遠隔地にあるサーバによりその機能が提供される、いわゆるクラウドコンピューティングにより実現されてもよい。
【0030】
図2は、タイムチャート作成装置8の物理的な構成を示すブロック図である。タイムチャート作成装置8は一般的なコンピュータであり、CPU(Central Processing Unit)8a、RAM(Random Access Memory)8b、外部記憶装置8c、GC(Graphics Controller)8d、入力デバイス8e及びI/O(Inpur/Output)8fがデータバス8gにより相互に電気信号のやり取りができるよう接続されている。ここで、外部記憶装置8cはHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の静的に情報を記録できる装置である。またGC8dからの信号はCRT(Cathode Ray Tube)やいわゆるフラットパネルディスプレイ等の、使用者が視覚的に画像を認識するモニタ8hに出力され、画像として表示される。入力デバイス8eはキーボードやマウス、タッチパネル等の、ユーザが情報を入力するための機器であり、I/O8fはタイムチャート作成装置8が外部の機器、ここでは、コントローラ2と情報をやり取りするためのインタフェースである。
【0031】
なお、以上の説明、
図1及び2では、本実施形態の説明に不要な他の詳細な構成や配線、例えば、電源線や接地線の接続については説明及び図示を簡略化するため省略している。また、接続態様やコネクタの種類、制御対象の機器の種類や個数等は、特に限定されるものではなく、様々なバリエーションが考えられる。さらに、機器制御システム1が動作するにあたっては、必ずしもコントローラ2にタイムチャート作成装置8が接続されている必要はなく、コントローラ2にタイムチャートが転送されているならば、タイムチャート作成装置8がなくとも機器制御システム1は動作可能である。また、タイムチャート作成装置8もまた必ずしもコントローラ2に接続されている必要はなく、タイムチャートの作成はタイムチャート作成装置8単独で可能である。
【0032】
<本発明の実施形態に係るタイムチャート作成装置の構成>
図3は、本発明の実施形態に係るタイムチャート作成装置8の機能ブロック図である。タイムチャート作成装置8は、ユーザインタフェース80、情報処理部81、インタフェース82及びタイムチャート記憶部83を備えている。
【0033】
ユーザインタフェース80は、ユーザに情報を提示し、またユーザからの情報の入力を受け付ける部分であり、ユーザに情報を画像として表示することにより提示する画像表示部80aと、ユーザからの情報入力を受け付ける入力受付部80bを含んでいる。画像表示部80aは、具体的には、例えば
図2で説明したGC8d及びモニタ8hが相当し、入力受付部80bは
図2の入力デバイス8eが相当する。特に、本実施形態では、入力デバイス8eには、画像表示部80aに表示された画像上の座標を指定した入力ができる、マウスやタッチパネル等のいわゆるポインティングデバイスが含まれる。
【0034】
情報処理部81は、タイムチャート作成装置8内部で各種の情報処理を行う部分であり、具体的には、
図2のCPU8aと作業領域であるRAM8b等が相当する。情報処理部81内部には、
図3に示した通り、モータ駆動軸チャート表示部81a、入出力チャート表示部81b、モータ駆動軸チャート作成部81c、入出力チャート作成部81d、紐付け部81e及び波形移動部81fが含まれているが、これらは、情報処理部81で実行されるプログラムによって実現される情報処理に含まれる機能を模式的にブロックとして示したものである。
【0035】
インタフェース82はタイムチャート作成装置8と外部の機器との電気的通信を行う部分であり、
図2のI/O8fが相当する。また、タイムチャート記憶部83はタイムチャート作成装置8により作成された、或いは作成中のタイムチャートを記憶する部分であり、具体的には、
図2の外部記憶装置8cを使用している。
【0036】
なお、以上示したタイムチャート作成装置8の機能ブロックは、本実施形態を説明する上で特に必要となる部分について示したものであり、関連の薄い部分については説明を簡略とするため省略している。したがって、タイムチャート作成装置8は、
図3に示された以外の多様な機能をさらに有していて差し支えない。また、以降の説明では、必要に応じて適宜タイムチャート作成装置8の機能ブロックを示す
図3を参照することとする。
【0037】
<本発明の実施形態に係るタイムチャート作成装置の動作>
続いて、本実施形態に係るタイムチャート作成装置8の動作を具体的なタイムチャート作成画面を例示しつつ説明する。なお、以降説明するように、タイムチャート作成装置8で作成されるチャートにはモータ駆動軸チャートと入出力チャートが含まれるが、タイムチャートという場合には共通の時間軸を使用するこれらのチャートをひとまとめとして指すものとする。タイムチャートに含まれる個別のチャートに対しては、単にチャートと呼ぶか、モータ駆動軸チャート又は入出力チャートと呼ぶ。
【0038】
図4はタイムチャート作成装置8によりタイムチャートを作成している画面の一例である。同図は、タイムチャート作成装置8が一般的なコンピュータであり、いわゆるマルチタスク・マルチウィンドウ表示が可能なOS(Operating System)を使用している場合に、かかるコンピュータをタイムチャート作成装置8として動作させるアプリケーションが画面上に表示するウインドウ10を示している。なお、ここで提示したウインドウ10はタイムチャート作成装置8が表示する画面の一例であり、そのデザインやレイアウト等は任意に変更してよい。
【0039】
ウインドウ10最上段のタイトル領域11の下側には、リボン12と呼ばれる領域が設けられており、タイムチャート作成装置8に対して指定できる種々の命令がアイコンとして表示されている。また、リボン12はその上部のタブを指定することで複数種類のものを切り替えることができ、リボン12ごとに使用できるアイコンの種類も異なる。
図4では、タイムチャートを作成しているところを示しているため、リボン12は「タイムチャート」が選択されている。リボン12のすぐ下は作業領域13となっており、ユーザへの各種情報の視覚的な提示やユーザからの指定を行う領域である。作業領域13に表示される内容はリボン12の切り替えに伴って変更されてよいが、ここでは、リボン12として「タイムチャート」が指定されているため、作業領域13には作成中のタイムチャートが表示されている。
【0040】
タイムチャートの横軸は時間であり、その上部には時間目盛14が表示されている。ここ示した時間目盛14の表示時間の単位はmsであり、1目盛が100msに相当しているが、この目盛間隔はリボン12のアイコン15を指定することにより変更可能である。また、目盛の幅はアイコン16を指定したり、入力受付部80bに対する適宜の操作を行うことにより変更可能である。
【0041】
また、時間目盛14の下側には、制御対象となる機器にそれぞれ対応したチャートが示されている。
図4の例では、上からまず、モータ駆動軸チャート100、入出力チャート101及び入出力チャート102の3つのチャートが示されている。
【0042】
「モータ駆動軸チャート」は、時間軸に沿ったモータ駆動軸の速度変化を表すチャートであり、モータ駆動軸チャート100は
図1のリニアスライダ5に対応している。モータ駆動軸チャート100の左側の欄103には機器名称として「搬送1」が示されている。欄103の右側には、時間目盛14に対応して、移動波形104として表示される。移動波形104は、中心線105の位置を速度0とし、縦軸を速度としてモータ駆動軸、ここではリニアスライダ5の移動速度の変化を示すものである。なお、図中上方向が正の速度(モータの正転方向)、下方向が負の速度(モータの逆転方向)となっている。なお、ここで「移動波形」とは、モータ駆動軸の一続きの移動を示す速度波形である。すなわち、モータ駆動軸が停止している状態から加速して移動を開始し、その後減速して再び停止するまでの一連の速度変化を示す波形を意味している。したがって、モータ駆動軸が複数回の移動停止を繰り返す場合には、その回数と等しい数の移動波形がモータ駆動軸チャート100上に表れることになる。図示の例で示す移動波形104は、100msの時点より100ms加速、200ms等速移動、100ms減速して停止する台形波形である。
【0043】
また、モータ駆動軸チャート100上には、同時に、位置波形106が表示されている。位置波形106は、中心線105をモータ駆動軸の原点とし、縦軸を位置としてモータ駆動軸、ここではスライダの位置の変化を示すものである。なお、図中上方向が正の位置(モータの正転方向の位置)、下方向が負の位置(モータの逆転方向の位置)となっている。
図4では、移動波形104と位置波形106を区別するため、移動波形104を実線で、位置波形106を一点鎖線で示したが、画面上ではこのように線種を変えるほか、線の色や太さを変える等して両者を区別できるようにしておくことが好ましい。なお、ここで中心線105が示す原点の位置は、いわゆる機械原点であってもよいし、任意に定めた原点位置(いわゆるソフトウェア原点)であってもよい。本実施形態では、原点位置として、モータ駆動軸毎に任意に定めた位置を使用している。
【0044】
モータ駆動軸チャート100に表示すべき内容は、モータ駆動軸チャート表示部81aがタイムチャート記憶部83に記憶されている内容に基づいて生成し、画像表示部80aに出力することにより表示される。すなわち、モータ駆動軸チャート表示部81aは、モータ駆動軸チャート100を画像表示部80aに表示し、モータ駆動軸チャート100には移動波形104及び位置波形106が含まれている。
【0045】
「入出力チャート」は、時間軸に沿った入出力機器の信号波形、すなわち、入力機器からの入力信号又は時間軸に沿った出力機器への出力信号の波形を表すチャートであり、入出力チャート101は入力機器である
図1のスイッチ6に、入出力チャート102は出力機器である
図1のランプ7にそれぞれ対応している。入出力チャート101の左側の欄107には機器名称として「スイッチ1」が、また入出力チャート102の左側の欄108には機器名称として「ランプ1」が示されている。欄107及び欄108の右側には、それぞれの機器の信号の状態がON及びOFFとして表示されている。ここでONは信号がハイの状態、OFFは信号がローの状態に対応している。
【0046】
ここで、入出力チャートに示されている信号波形において、信号が反転することを示す波形を特に「反転波形」と呼ぶこととする。例えば、入出力チャート101では100msの時点で入力信号がOFFからONに反転しているため、当該時点に反転波形109が表示されている。また、150msの時点で入力信号がONからOFFに反転しているため、この時点においても反転波形110が表示されている。入出力チャート102ではこの段階では信号に変化がないため、反転波形は表示されていない。
【0047】
入出力チャート101及び入出力チャート102に表示すべき内容は、入出力チャート表示部81bがタイムチャート記憶部83に記憶されている内容に基づいて生成し、画像表示部80aに出力することにより表示される。すなわち、入出力チャート表示部81bは、入出力チャート101及び入出力チャート102を画像表示部80aに表示し、入出力チャート101には反転波形109、110が含まれている。
【0048】
さらに、作業領域13には、紐付け線111が表示されている。紐付け線111は、タイムチャートに含まれる一のチャートと他のチャートとの紐付けを示すものであり、制御対象となる機器同士の動作が連動することを意味している。
図4の例では、紐付け線111は、反転波形109から移動波形104の先頭へと繋がる矢印として示されており、これは、スイッチ6からの入力信号がOFFからONへと変化したときにリニアスライダ5が移動波形104に示される動作を開始する動作を示している。このように、本実施形態に係るタイムチャート作成装置8では、移動波形同士、反転波形同士、又は移動波形と反転波形を紐づけることにより、一の機器の所定の動作を契機として他の機器の所期の動作を実行させる制御を紐付け線111を作成することにより表現できる。なお、互いに紐づけられた波形について、契機となる側の波形と追随する側の波形とを明瞭に示すため、以降ではこのような紐付け関係を「(契機となる側の)波形から(追随する側の)波形への紐付け」と表記する。なお、この紐付け関係は「リンク」と称する場合があり、この表現を用いるならば、契機となる側の波形はリンク元波形、追随する側の波形はリンク先波形と呼ぶことができ、リンク関係は「リンク元波形からリンク先波形へとリンクが張られている」のように表現できる。
【0049】
この紐付け関係は、契機となる側(紐付け元)の機器の任意の状態変化を契機として設定してよい。
図4の紐付け線111に示される紐付け関係では、紐付け元は入力機器なので、そのオンオフの変化を示す反転波形109を契機としているが、紐付け元がモータ駆動軸である場合には、その移動波形における、加速開始時点、最高速度到達時点(すなわち等速移動開始時点)、減速開始時点及び停止時点(すなわち位置決め完了時点)等の状態変化のあるいずれの時点を契機とすることもできる。さらに、この紐付け関係は、後述するように、紐付け元の機器の契機となる状態変化と同時に追随する側(紐付け先)の波形を発生させる必要はなく、契機となる時点から所定の時間差を挟むようにしてよい。より詳しくは、契機となる事象の発生によりタイマが起動され、当該タイマのタイムアップにより紐付け先の波形が発生する、という処理が行われる。
【0050】
なお、紐付け線111を示す矢印はS字状の曲線を描いているが、これはタイムチャートにおいて各機器の動作は直線で示されることが多いため、紐付け線111をこれらの各機器の動作等の表示と視覚的に明瞭に区別しやすくするためである。しかしながら、係る表示は一例であり、これに限定されるものではない。
【0051】
アイコン17は、タイムチャートに含まれるチャートのさらに下側に表示され、タイムチャート作成装置8は、このアイコン17が指定されることにより、タイムチャートで取り扱う機器を追加する。より詳しくは、アイコン17を指定することにより、例えばダイアログが表示され、追加する機器の種別(モータ駆動軸、入力機器又は出力機器)、機器名称の入力を求め、さらに追加する機器がモータ駆動軸である場合には、最高速度や加速度時間又は加速度、ボールネジピッチ、移動範囲、原点位置、標準の移動量等のモータ駆動軸に関する各種のパラメータを入力することにより、モータ駆動軸チャート又は入出力チャートがタイムチャートに追加される。
図4に示したウインドウ10は、このアイコン17を3度指定して3つのチャートを追加した後の状態を示している。
【0052】
以上説明した
図4の状態において、モータ駆動軸チャート100の700msの時点に新たに移動波形を追加する場合を考える。
図5は、新たに移動波形112を追加したタイムチャート作成画面の一例である。このとき、ユーザが行う動作は、モータ駆動軸チャート100の時間軸上の時点、ここでは、中心線105上の700msの時点にあたる位置である点Aを指定するだけである。入力受付部80bにより受け付けられた指定により、モータ駆動軸チャート作成部81cはあらかじめ定められた規定量に基づいて、移動波形112をモータ駆動軸チャート100に追加し、モータ駆動軸チャート表示部81aは追加された移動波形112を画像表示部80aに表示する。ここで、モータ駆動軸チャート作成部81cが使用する規定量は、移動波形112の形状を定めるに必要な情報を指しており、より具体的には、スライダ5の移動量、加速時間又は加速度、最大速度等である。
【0053】
このようにあらかじめ定められた規定量を保持しておくことにより、モータ駆動軸チャートに移動波形を追加する際にユーザが入力すべき情報は移動波形の時間軸上での位置のみとなるから、簡便な操作(本実施形態では、中心線105上の時点を例えばワンクリックする等の操作により指定するのみ)により直ちに移動波形が作成され、タイムチャート作成の生産性が高まる。さらに、本実施形態では、この規定量は、モータ駆動軸毎にあらかじめ定められる。すなわち、複数のモータ駆動軸が存在する場合に、各モータ駆動軸の容量や負荷、頻繁に使用する移動量はモータ駆動軸毎に異なると考えられるから、規定量をモータ駆動軸毎に保持するようにすると、あるモータ駆動軸にたいし設定した規定量が他のモータ駆動軸に適用されてしまい、移動波形の作成毎に修正を余儀なくされることによる生産性の低下が生じると考えられるところ、本実施形態のように規定量をモータ駆動軸毎にあらかじめ定めておくことにより、かかる生産性の低下を回避することができる。
【0054】
なお、この規定量のモータ駆動軸毎の初期値は、ユーザに入力を求めるか、又は自動的に定めておく。ユーザに入力を求める場合には、例えば、前述したようにアイコン17を指定してモータ駆動軸チャートをタイムチャートに追加する際にダイアログ等を表示し、標準の移動量、加速時間又は加速度、並びに最高速度等を規定量の初期値として入力するよう求めるとよい。自動的に定める場合には、ある特定のルール、例えば、モータ駆動軸に使用されているボールネジ等の送りネジ機構のピッチの定数倍(例えば10倍)を標準の移動量としたり、モータ駆動軸の移動範囲(すなわち、ストローク)の10%を標準の移動量とする等が考えられる。さらに、ユーザに入力を求める際に表示するダイアログに、自動的に定めた規定値を初期値として表示しておいてもよい。
【0055】
また、この規定量は、後からユーザの操作により変更することが可能である。この変更は、規定量を直接数値として入力するようにしてもよいし、また、後述するように、ある移動波形の形状からを移動量等を抽出し、規定量として新たに設定してよい。
【0056】
なお、ユーザが指定するモータ駆動軸チャート100の時間軸上の時点(点A)は、ここでは移動波形112の移動開始時点であるが、これに換えて移動波形112の移動終了時点としてもよく、また、移動開始時点、最高速度到達時点、減速開始時点及び移動終了時点等のいずれかを選択できるようにしておいてもよい。
【0057】
さらに、任意の移動波形、例えば移動波形112を指定することにより、モータ駆動軸チャート作成部81cは種々の処理を実行する。
図6は、移動波形112を指定した際のダイアログが表示されたタイムチャート作成画面の一例である。同図に示すように、移動波形112を指定すると、ウインドウ10上にダイアログ18が重なるように表示され、モータ駆動軸チャート作成部81cが実行すべき処理をさらに指定させる。
【0058】
図6のダイアログ18において「波形変更」を選択すると、移動波形112の形状を変更することができる。具体的には、例えば、
図7に示すように、モータ駆動軸チャート作成部81cはさらにダイアログ19を表示して、移動波形112の移動量、加速時間又は加速度、並びに最高速度の入力をユーザに求める。このとき、変更前の移動波形112の移動量、加速時間又は加速度、最高速度をダイアログ19に示しておくことが望ましい。例えば、各量の入力欄に予めデフォルト値として設定しておく。モータ駆動軸チャート作成部81cは入力された値にしたがって移動波形112の形状を変更し、また位置波形106も対応する形状に変更される。
【0059】
図7のダイアログ19は、移動波形112の移動量を30mmから50mmに変更した状態を示しており、それに伴い移動波形112の定速運転時間が長くなっている。なお、本実施形態では、移動波形の形状を定めるにあたり、加速時間を用いるか加速度を用いるかはダイアログ19にてラジオボタンにて選択できるようになっていることからわかるように、移動波形毎に設定できるようになっているが、係る選択はモータ駆動軸毎としても、タイムチャート毎としてもよい。また、本実施形態では、モータ駆動軸の加速時と減速時において共通の加速時間及び加速度のいずれかを用いるようにしているが、加速時と減速時でそれぞれ異なる加速時間又は加速度を設定できるようにしてもよい。
【0060】
ところで、
図7に示されているように、モータ駆動軸チャート100には、位置波形106に加え、モータ駆動軸、この場合はリニアスライダ5の移動範囲がその上限位置113及び下限位置114として示されている。なお、同図及び本願の他の図では移動範囲を上限位置113及び下限位置114を破線で示すことにより表示しているが、これ以外の方法、例えば、移動範囲外の領域をグレー表示することにより移動範囲を示してもよい。そして、移動波形112の移動量が変更された結果、リニアスライダ5の位置が上限位置113を超えることとなった場合、位置波形106は、上限位置113の上側に延びることになる。このとき、モータ駆動軸チャート表示部81aは、モータ駆動軸が移動範囲を超えていることを示すため、警告表示を行う。例えば、位置波形106の表示を通常の状態と異なるものとすることにより視覚的に注意を喚起する。本実施形態では、位置波形106のうち、移動範囲を超えている部分115を赤色で表示する(
図7では太線で示している)。
【0061】
なお、ここでいう警告表示は、視覚又は聴覚によりユーザの注意を喚起し得る表示である。したがって、警告用のダイアログを表示したり、ブザー等の警告音を発生させたりしてよい。しかしながら、モータ駆動軸が移動範囲を超えていることを視覚的かつ直感的にユーザに知らしめるものであることが好ましく、その点では位置波形106自体を通常と異なる表示状態とする、例えば、色を変更する、線種や太さを変更する、点滅などアニメーション表示する等することが好ましい。さらに、モータ駆動軸が移動範囲を超えている時点をも視覚的かつ直感的にユーザに知らしめるものであることがより好ましく、本実施形態のように、位置波形106のうち、移動範囲を超えている部分115を通常と異なる表示状態とすることがより好ましい。
【0062】
図6に戻り、ダイアログ18において「標準の波形に設定」を選択すると、指定された移動波形112を標準の波形とする、すなわち、指定された移動波形112の各種パラメータをあらかじめ定められた規定量として設定する。
図6の移動波形112が、例えば、移動量が30mm、加速時間が100ms、最高速度が100mm/sの波形であるならば、これらの量が新たな規定量として設定され、さらに新しく移動波形を追加する際に使用されることになる。
【0063】
この点について説明すると、用途にもよるが、モータ駆動軸の動作として、ある一定の移動量の動作を繰り返し行うという状況は頻繁に見られる。このような場合に、動作毎に波形の詳細なパラメータを入力するのは作業として無駄が多く、タイムチャート作成の生産性を低下させる原因となる。そこで、頻繁に使用する移動波形を一度作成した後は、かかる移動波形を標準の波形として設定することにより、同波形の移動波形を極めて簡単に繰り返し追加できるのである。また、頻繁に使用する移動波形が複数種類ある場合にも、追加しようとする移動波形に応じて規定量をいちいち数値として入力せずとも、既に存在する同波形の移動波形を標準の波形として設定するだけで規定量の変更が極めて簡単に行え、タイムチャート作成の生産性が向上する。また、前述したとおり、本実施形態ではモータ駆動軸毎に規定量を設定できることから、モータ駆動軸毎に標準の波形を設定することができるのであり、モータ駆動軸毎に多用する波形が異なる場合においても、同波形の移動波形をモータ駆動軸毎に極めて簡単に繰り返し追加でき、タイムチャート作成の生産性が飛躍的に向上する。
【0064】
図6に戻り、ダイアログ18において「波形の反転」を選択すると、モータ駆動軸チャート作成部81cは、指定された移動波形112の移動量の正負を反転する。すなわち、
図8に示すように、移動波形112の形状はそのままで、移動方向が反転するのである。
【0065】
この点について説明すると、モータ駆動軸の動作として、ある動作をした後、その動作前の位置に復帰するという状況は頻繁に見られる。このような場合に、直前の動作の逆となる動作、すなわち移動方向を反転させた動作を、そのパラメータを数値として入力して追加するのは作業として無駄が多く、タイムチャート作成の生産性を低下させる原因となる。そこで、例えば直前の動作が標準の波形である場合には、同じ波形を追加してから波形の反転をするだけで極めて簡単に直前の動作の逆となる動作を追加することができる。また、直前の動作が標準の波形でない場合には、直前の動作を標準の波形として設定すれば同様に極めて簡単に直前の動作の逆となる動作を追加することができる。
【0066】
図6に戻り、ダイアログ18において「紐付け」を選択すると、指定された移動波形112を他の波形へと紐付ける。この紐付けの動作は、紐付け部81eが行う。そして、紐付けの動作は、紐付けようとする機器のチャートによって若干異なる。ここでは、紐付け先の機器をランプ7、すなわち、入出力チャート102であるとする。
【0067】
図9は、
図6において「紐付け」を選択した後、続けて入出力チャート102を選択することにより、紐付けがなされた状態を示すタイムチャート作成画面の一例である。このとき、入出力チャート102には、新たに反転波形116が作成され、移動波形112から反転波形116への紐付けを示す紐付け線117が表示されている。
【0068】
このとき、紐付け部81eが行っている動作は次のようなものである。まず、紐付け先である入出力チャート102において、紐付けの時点(この場合では、移動波形112の移動開始時点)以降の時刻における反転波形116の有無を判断し、反転波形116がないため、紐付けの時点にて反転波形116を新たに生成し入出力チャート102に追加するのである。
【0069】
なお、この例はモータ駆動軸チャートから入出力チャートへの紐付けを行う場合であるが、紐付け元、紐付け先のチャートの種類は限定されない。すなわち、例えば、モータ駆動軸チャートからモータ駆動軸チャートへと紐付けを行う場合には、紐付け先のモータ駆動軸チャートに当該軸の標準の波形による移動波形を追加した上で移動波形から移動波形への紐付けを行う。また、入出力チャートからモータ駆動軸チャートへと紐付けを行う場合には、やはり紐付け先のモータ駆動軸チャートに当該軸の標準の波形による移動波形を追加した上で反転波形から移動波形への紐付けを行う。さらに、入出力チャートから入出力チャートへと紐付けを行う場合には、紐付け先の入出力チャートに反転波形を追加した上で反転波形から反転波形への紐付けを行う。
【0070】
この点について説明すると、ある機器の動作と他の機器の動作を紐付ける際に、両方の機器の動作を示す波形が作成されていなければならないとすると作業として無駄が多く、また互いの波形のタイミングが合致するように作成しなければならない等直感的な作業ができないためタイムチャート作成の生産性を低下させる原因となる。そこで、紐付け先のチャートに波形を自動で追加するようにすることで省力化を実現し、タイムチャート作成の生産性を向上させることができるのである。
【0071】
図9で示した例は、紐付け先である入出力チャート102において、紐付けの時点以降の時刻において反転波形116が存在しない場合であった。そこで、例えば、
図6において、入出力チャート102の1000msの時点に反転波形が存在しているとした場合に、「紐付け」を選択した後、続けて入出力チャート102を選択したときのタイムチャート作成画面の一例を
図10に示す。
【0072】
このとき、入出力チャート102には、紐付けの時点である700msにおいて移動波形112から入出力チャート102への紐付けを示す紐付け線117が追加され、紐付け線117と1000msの時点に設定された反転波形116との間に300msのタイマを示すタイマ線118が追加される。このタイムチャートの意味は、移動波形112によるスライダ5の移動の開始に連動して、タイマが起動し、300msの経過後、ランプ7への出力がOFFからONとなりランプ7が点灯する、というものである。タイマ線118は、その直後の波形の実行前にタイマが設定されていることを示すものである。
【0073】
このとき、紐付け部81eが行っている動作は次のようなものである。まず、紐付け先である入出力チャート102において、紐付けの時点以降の時刻における反転波形116の有無を判断し、反転波形116が存在するため、紐付けの時点から反転波形116の時点までの時間に等しいタイマを設定した上で、移動波形112から反転波形116への紐付けを行うのである。なお、この例においても紐付けはモータ駆動軸チャートから入出力チャートへの紐付けに限定されず、モータ駆動軸チャートからモータ駆動軸チャートへの紐付け、入出力チャートからモータ駆動軸チャートへの紐付け、及び入出力チャートから入出力チャートへの紐付けを行ってよい。
【0074】
この点について説明すると、ある機器の動作に対し、所定の時間遅れをともなって別の機器が連動する動作を記述する際に、全ての機器の波形と時間遅れを示すタイマが作成されていなければならないとすると、紐付けるべき波形同士の時間差を逆算してタイマを設定しなければならない等手間を要し、タイムチャート作成の生産性を低下させる原因となる。そこで、紐付け先のチャートにタイマを自動で追加するようにすることで省力化を実現し、タイムチャート作成の生産性を向上させることができるのである。
【0075】
さらに、タイムチャート作成装置8は、各チャートに含まれる波形、すなわち、移動波形及び反転波形の少なくともいずれかの時間軸上の位置を簡単かつ直感的に移動させることができる。かかる移動は、ユーザが入力受付部80bを通して移動させたい波形を選択し、時間軸に沿って移動させる動作、例えば、いわゆるドラッグの操作がなされることにより、波形移動部81fにより実行される。このとき、移動させる波形が紐付けを持たないものであればさしたる問題はないが、他の波形と紐付けられている場合には移動の処理をどのように行うかが問題となる。
【0076】
図11は、
図10に示したタイムチャート作成画面において、移動波形112を100ms後の時点に移動させた状態を示す図である。すなわち、ユーザが
図10の移動波形112を右側に時間目盛で1目盛分ドラッグする操作を行った結果のウインドウ10が示されている。この場合には、図示のように、移動波形112から紐付けられているタイマ線118及び反転波形116は、移動波形112の移動に伴って同じ時間(100ms)だけ連動するように移動している。
【0077】
このとき、波形移動部81fが行っている動作は次のようなものである。移動させる操作がなされた波形から他の波形への紐付けがなされている場合には、他の波形を当該操作がなされた波形と連動させて移動させる。
【0078】
これに対し、
図12は、
図10に示したタイムチャート作成画面において、反転波形116を100ms後の時点に移動させた状態を示す図である。すなわち、ユーザが
図10の反転波形116を右側に時間目盛で1目盛分ドラッグする操作を行った結果のウインドウ10が示されている。この場合には、図示のように、移動波形112事態には変化はなく、反転波形116は100ms後の1100msの時点に移動し、これに伴ってタイマ線118により示されているタイマ時間が400msに増加している。
【0079】
このとき、波形移動部81fが行っている動作は次のようなものである。移動させる操作がなされた波形への他の波形からの紐付けがなされている場合には、当該操作がなされた波形に設定されたタイマのタイマ時間を移動量に等しいだけ増減する。なお、タイマがそもそも設定されていない場合には、新たにタイマを設定するが、この場合はそもそものタイマ時間が0であると考えればタイマ時間を増加させると看做すことができる。なお、タイマ時間が負となるような移動は禁止され、許容されない。
【0080】
こうすることにより、タイマの設定時間や、紐付け関係に矛盾を生じさせることなく、他の波形と紐付けがなされている波形の移動を簡単かつ直感的に行うことができるのである。
【0081】
以上の説明において、任意の移動波形を指定することによりモータ駆動軸チャート作成部81cが実行する処理は、
図6のダイアログ18に示された処理をユーザが選択することにより実行されるものとして説明したが、ユーザによるこの処理の選択は必ずしもダイアログ18に示された処理を画面上で選択することのみによりなされなくともよい。
【0082】
すなわち、モータ駆動軸チャート作成部81cが実行する処理それぞれに予め特定の操作部材を割り当てておき、ユーザが特定の操作部材を操作することにより直ちに該当する処理が実行されるようにしてもよい。ここでの操作部材は、例えば、一般的なコンピュータであるタイムチャート作成装置8のキーボードであってよい。このとき、各処理に割り当てられるキーは、片手で操作できる範囲のものを選択することが好ましい。例えば、右手でポインティングデバイスであるマウスを操作し、左手でキーボードを操作することを考えると、各処理に割り当てられるキーとしてはキーボードの左側に配置されているものを選択することがよく、キーボードが一般的なQWERTY配列のものであれば、波形変更を「E」、標準の波形に設定を「Q」、波形の反転を「W」、紐付けを「R」等としてよい。
【0083】
このように、ユーザが片方の手でポインティングデバイスを、もう片方の手で操作部材を操作するように操作部材を割り当てると、ポインティングデバイスを用いてある波形を選択した後、モータ駆動軸チャート作成部81cに処理を実行させる際にポインティングデバイスをさらに動かす必要がないので、操作が素早くでき、タイムチャート作成の生産性が向上する。
【0084】
タイムチャート作成装置8は、以上のような動作をし、ユーザからの入力に基づいて作成されたタイムチャートを電子情報としてインタフェース82を介してコントローラ2へと送信し、コントローラ2は送信されたタイムチャートに基づいて各機器を制御する。本実施形態では、タイムチャート作成装置8からコントローラ2へと送信されるタイムチャートには、コントローラ2が各機器を制御する上で使用しない情報も含まれる。例えば、モータ駆動軸毎にあらかじめ定められた規定量はコントローラ2では使用されないが、コントローラ2へと送信するタイムチャートには含まれるようになっている。
【0085】
これは、コントローラ2に電子情報として送信され保持されているタイムチャートを逆にタイムチャート作成装置8にダウンロードしてその修正等を行う場合に、タイムチャート作成に有用な情報が欠落しないようにするための処置である。しかしながら、コントローラ2が使用しない情報はタイムチャート作成装置8が保持するものとして、コントローラ2への送信を行わないこととしてもよい。この場合には、コントローラ2へ送信するタイムチャートの電子情報の情報量が小さいものとなる利点がある。
【0086】
以上説明した実施形態は具体例として示したものであり、本明細書にて開示される発明をこれら具体例の構成や例示した画面そのものに限定するものではない。当業者はこれら開示された実施形態に種々の変形、例えば、物理的構成の形状や数、配置等や画面デザインを変更したりしてもよい。本明細書にて開示される発明の技術的範囲は、そのようになされた変形をも含むものと理解すべきである。