(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記移動検出部は、前記被写体の面積が小さくなる方向に変化し、かつ前記被写体の前記輝度が明るくなる方向に変化する場合、前記被写体が前記第1方向に沿って前記撮像部に近づく方向に移動したことを検出する、請求項1に記載の遊技機。
前記移動検出部は、前記被写体の面積が大きくなる方向に変化し、かつ前記被写体の前記輝度が暗くなる方向に変化する場合、前記被写体が前記第1方向に沿って前記撮像部から遠ざかる方向に移動したことを検出する、請求項1または請求項2に記載の遊技機。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
例えば遊技者の手などの特定の対象物について複数の移動方向を検出するために、複数のモーションセンサを設ける場合、複数のモーションセンサの追加に伴いコストが増加してしまう。一方、遊技者の手などの特定の対象物についての各種の変化の検出に応じて各種の変化に応じた演出を実行可能な遊技機が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一態様に係る遊技機は、撮像部により撮像された画像から画像解析部が導出した画像パラメータに基づいて演出を実行する遊技機であって、複数の演出のそれぞれに対応づけて、演出を実行するか否かの判断に用いられる画像パラメータを画像解析部に要求するための要求命令を保持する要求命令保持部と、複数の演出のそれぞれに対応づけて、画像パラメータが満たすべき実行条件を保持する実行条件保持部と、実行可能な演出が決定された場合に、実行可能な演出に対応付けて要求命令保持部に保持されている要求命令を画像解析部に出力する要求命令出力部と、要求命令に応答して画像解析部から出力された画像パラメータを取得する画像パラメータ取得部と、画像パラメータ取得部により取得された画像パラメータが、実行可能な演出に対応付けて実行条件保持部に保持されている実行条件を満たしている場合に、実行可能な演出を実行する演出実行部とを備える。
【0005】
上記遊技機は、画像パラメータ取得部が取得した画像パラメータに基づいて、画像に含まれる被写体の移動を検出する移動検出部をさらに備え、要求命令保持部は、複数の演出のそれぞれに対応付けて、複数の演出のそれぞれに対応する移動方向に沿った被写体の移動を移動検出部が検出するための画像パラメータを画像解析部に要求するための要求命令を保持し、実行条件保持部は、複数の演出のそれぞれに対応付けて、実行条件として、被写体が移動すべき移動方向を示す条件を保持し、移動検出部は、画像パラメータ取得部が取得した画像パラメータに基づいて、実行可能な演出に対応付けて実行条件保持部に保持されている実行条件が示す移動方向に沿った被写体の移動を検出し、演出実行部は、移動検出部が被写体の移動を検出した場合、実行可能な演出を実行してもよい。
【0006】
上記遊技機において、画像解析部は、画像に含まれる被写体を特定する被写体特定部と、画像における被写体の面積を導出する面積導出部と、画像における被写体の輝度を導出する輝度導出部と、を有し、要求命令保持部は、撮像部の撮像面に垂直な第1方向に沿って被写体が移動した場合に実行される第1演出に対応付けて、画像解析部に対して画像パラメータとして被写体の面積および輝度を要求するための第1要求命令を保持し、実行条件保持部は、第1演出に対応付けて、実行条件として第1方向を示す条件を保持し、要求命令出力部は、実行可能な演出として第1演出が決定された場合に、第1要求命令を画像解析部に出力し、画像パラメータ取得部は、第1要求命令に応答して画像解析部から出力される、撮像部により連続的に撮像された複数の画像のそれぞれの被写体の面積および輝度を画像パラメータとして取得し、移動検出部は、複数の画像におけるそれぞれの被写体の面積および輝度に基づいて、第1方向に沿った被写体の移動を検出し、演出実行部は、移動検出部が第1方向に沿った被写体の移動を検出した場合、第1演出を実行してもよい。
【0007】
上記遊技機において、移動検出部は、被写体の面積が小さくなる方向に変化し、かつ被写体の輝度が明るくなる方向に変化する場合、被写体が第1方向に沿って撮像部に近づく方向に移動したことを検出してもよい。
【0008】
上記遊技機において、移動検出部は、被写体の面積が大きくなる方向に変化し、かつ被写体の輝度が暗くなる方向に変化する場合、被写体が第1方向に沿って撮像部から遠ざかる方向に移動したことを検出してもよい。
【0009】
上記遊技機において、予め定められた第1遊技条件を満たす場合、遊技者に第1方向に手を動かすことを指示する第1指示部をさらに備え、第1指示部が遊技者に第1方向に手を動かすことを指示する場合、要求命令出力部は、第1要求命令を出力し、演出実行部は、第1指示部が遊技者に第1方向に沿って手を動かすことを指示したことに対応して移動検出部が第1方向に沿った手の移動を検出した場合、第1演出を実行してもよい。
【0010】
上記遊技機において、画像解析部は、画像における撮像面に平行な第2方向の被写体の位置を示す第1位置情報を導出する第1位置情報導出部を有し、要求命令保持部は、第2方向に沿って被写体が移動した場合に実行される第2演出に対応付けて、画像解析部に対して画像パラメータとして第1位置情報を要求するための第2要求命令を保持し、実行条件保持部は、第2演出に対応付けて、実行条件として第2方向を示す条件を保持し、要求命令出力部は、実行可能な演出として第2演出が決定された場合に、第2要求命令を画像解析部に出力し、画像パラメータ取得部は、第2要求命令に応答して画像解析部から出力される複数の画像のそれぞれの被写体の第1位置情報を画像パラメータとして取得し、移動検出部は、複数の画像におけるそれぞれの第1位置情報に基づいて、第2方向に沿った被写体の移動を検出し、演出実行部は、移動検出部が第2方向に沿った被写体の移動を検出した場合、第2演出を実行してもよい。
【0011】
上記遊技機において、予め定められた第2遊技条件を満たす場合、遊技者に第2方向に沿って手を動かすことを指示する第2指示部をさらに備え、第2指示部が遊技者に第2方向に手を動かすことを指示する場合、要求命令出力部は、第2要求命令を出力し、演出実行部は、第2指示部が遊技者に第2方向に沿って手を動かすことを指示したことに対応して移動検出部が第2方向に沿った手の移動を検出した場合、第2演出を実行してもよい。
【0012】
上記遊技機において、画像解析部は、画像における撮像面に平行な第2方向とは異なる第3方向の被写体の位置を示す第2位置情報を導出する第2位置情報導出部を有し、要求命令保持部は、第3方向に沿って被写体が移動した場合に実行される第3演出に対応付けて、画像解析部に対して画像パラメータとして第2位置情報を要求するための第3要求命令を保持し、実行条件保持部は、第3演出に対応付けて、実行条件として第3方向を示す条件を保持し、要求命令出力部は、実行可能な演出として第3演出が決定された場合に、第3要求命令を画像解析部に出力し、画像パラメータ取得部は、第3要求命令に応答して画像解析部から出力される複数の画像のそれぞれの被写体の第2位置情報を画像パラメータとして取得し、移動検出部は、複数の画像におけるそれぞれの第2位置情報に基づいて、第3方向に沿った被写体の移動を検出し、演出実行部は、移動検出部が第3方向に沿った被写体の移動を検出した場合、第3演出を実行してもよい。
【0013】
上記遊技機において、予め定められた第3遊技条件を満たす場合、遊技者に第3方向に沿って手を動かすことを指示する第3指示部をさらに備え、第3指示部が遊技者に第3方向に手を動かすことを指示する場合、要求命令出力部は、第3要求命令を出力し、演出実行部は、第3指示部が遊技者に第3方向に沿って手を動かすことを指示したことに対応して移動検出部が第3方向に沿った手の移動を検出した場合、第3演出を実行してもよい。
【0014】
上記遊技機において、演出実行部は、画像パラメータ取得部により取得された画像パラメータが、実行可能な演出に対応付けて実行条件保持部に保持されている実行条件を満たしている場合に、実行可能な演出として、一の演出を実行したことに続いて、他の演出を実行し、画像パラメータ取得部により取得された画像パラメータが、実行可能な演出に対応付けて実行条件保持部に保持されている実行条件を満たしていない場合、一の演出を実行せずに、他の演出を実行してもよい。
【0015】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0018】
図1は、本実施形態に係る画像処理装置100を備える遊技機10の概略正面図の一例を示す。遊技機10は、筐体12、表示装置14、ハンドルスイッチ16および画像処理装置100を備える。
【0019】
表示装置14は、筐体12の遊技領域に配置される。表示装置14は、演出のための各種の画像を表示する。表示装置14は、液晶ディスプレイなどの表示画面を備え、遊技者によるゲームの進行に伴い、例えば図柄抽選結果を遊技者に報知するための装飾図柄を表示したり、キャラクタの登場またはアイテムの出現による演出画像を表示したりする。ハンドルスイッチ16は、玉発射装置を介して遊技球を発射する場合に遊技者により操作される。画像処理装置100は、検出対象領域において被写体の移動などの各種の変化を検出するための複数の画像パラメータを導出する。遊技機10は、実行可能な演出の内容に基づいて被写体について検出すべき変化の種類を特定する。遊技機10は、変化の種類に応じた画像パラメータを画像処理装置100から取得する。遊技機10は、取得した画像パラメータに基づいて被写体について特定の変化を検出し、被写体について特定の変化を検出した場合、表示装置14に特定の変化に応じた画像を表示させるなどの演出を実行する。
【0020】
図2は、画像処理装置100の外観斜視図の一例を示す。画像処理装置100は、撮像部102と、赤外線発光部104とを備える。赤外線発光部104は、被写体の検出対象領域に赤外線を照射する。撮像部は、被写体の移動を検出する検出対象領域に向けて照射された特定の波長の光の反射光の受光量に応じた複数の画像を連続的に撮像する。撮像部102は、可視光カットフィルタ、撮像素子、および画像生成部を有する。可視光カットフィルタは、被写体で反射した反射光のうち可視光をフィルタリングして、赤外光を透過する。撮像素子は、可視光カットフィルタを通過した赤外光を光電変換して画像信号を出力する。画像生成部は、撮像素子から出力される画像信号に画像処理を行うことで画像を生成する。
【0021】
画像処理装置100は、例えば、遊技者の手を被写体として、遊技者の手のX軸方向、Y軸方向、およびZ軸方向に沿った移動を検出するための画像パラメータを導出する。遊技機10は、画像パラメータに基づいて遊技者の手のX軸方向、Y軸方向、およびZ軸方向に沿った移動を検出する。なお、撮像部102の撮像面、つまり撮像素子の受光面に垂直な第1方向をZ軸方向、撮像面に平行な第2方向をX軸方向、および撮像面に平行でかつ第2方向に垂直な第3方向をY軸方向とする。
【0022】
ここで、被写体がZ軸方向に沿って撮像部102から遠ざかっている、つまり被写体がZ軸−方向に移動している場合、被写体の面積が徐々に小さくなることが考えられる。また、被写体がZ軸方向に沿って撮像部102に近づいている、つまり被写体がZ軸+方向に移動している場合、被写体の面積が徐々に大きくなることが考えられる。そこで、遊技機10は、撮像部102により撮像された画像に含まれる被写体の面積の変化に基づいてZ軸方向に沿った被写体の移動を検出することが考えられる。
【0023】
また、遊技機10が、撮像部102により撮像された画像に含まれる被写体の重心座標の変化に基づいて、撮像面に平行なX軸方向またはY軸方向に沿った被写体の移動を検出することが考えられる。
【0024】
しかしながら、
図3に示すように、遊技者が、例えば手首を基点として手を符号300の状態から符号302の状態になるようにZ軸方向に移動した場合、画像内の被写体の面積の変化、または重心座標の変化のみに基づいて被写体の移動を検出する場合、正確に被写体の移動を検出できない場合がある。
【0025】
図4は、手首を基点としてZ軸−方向に手を動かした場合に撮像部102から出力される画像の一例を示す。手首を基点としてZ軸方向に移動した場合、手首から指先までの部分が被写体として常時、画像内に含まれるので、被写体の面積の変化は少ない。また、手首を基点としてZ軸−方向に移動した場合、画像内に含まれる手の向きが変わり、被写体の面積は小さくならずに、撮像部102から遠ざかるほど、被写体の面積が大きくなる。
【0026】
一方、被写体と撮像部102との距離が長いほど被写体で反射した赤外光は拡散する。したがって、撮像部102に入射される赤外光の量は、被写体と撮像部102との距離が長いほど少なくなる。つまり、画像に含まれる被写体の輝度は、被写体と撮像部102との距離が長いほど暗くなる。よって、被写体の輝度が暗くなる方向に変化する場合、被写体がZ軸−方向に移動している可能性がある。また、被写体の輝度が明るくなる方向に変化する場合、被写体がZ軸+方向に変化している可能性がある。
【0027】
そこで、本実施形態に係る遊技機10は、被写体のZ軸方向に沿った移動を検出する場合、画像処理装置100から画像パラメータとして、被写体の面積および輝度を取得し、面積および被写体の輝度に基づいて、被写体のZ軸方向に沿った移動をより正確に検出する。
【0028】
図5は、画像処理装置100の機能ブロックの一例を示す。画像処理装置100は、撮像部102、赤外線発光部104、画像解析部110、および送受信部106を備える。
【0029】
赤外線発光部104は、予め定められた検出対象領域に向けてパルス状の赤外線を照射する。撮像部102は、検出対象領域に存在する被写体から反射された赤外線の受光量に応じた画像を出力する。画像解析部110は、撮像部102から出力される画像を解析し、被写体の移動を検出するための画像パラメータを導出する。送受信部106は、遊技機から要求命令を受信し、要求命令に対応して遊技機10が被写体について特定の移動方向を検出するための画像パラメータを返信する。
【0030】
画像解析部110は、画像取得部112、2値化変換部114、ラベリング処理部116、被写体特定部118、輝度導出部120、面積導出部122、第1位置情報導出部124、第2位置情報導出部126および画像パラメータ保持部130を備える。
【0031】
画像取得部112は、撮像部102が連続的に撮像した複数の画像を取得し、2値化変換部114、および輝度導出部120に提供する。撮像部102から出力される画像は、例えば、画像を構成する各画素が256通りの階調を有するモノクロ画像を示す8ビットグレースケール画像でよい。2値化変換部114は、提供された複数の画像のそれぞれを2値化処理して、2値化画像を出力する。2値化変換部114は、8ビットグレースケール画像を構成する各画素のうち、輝度が予め定められた閾輝度以上の画素を白画素、閾輝度より小さい画素を黒画素とする2値化画像を出力する。
【0032】
ラベリング処理部116は、2値化画像を構成する各画素のうち連結している白画素に同じラベルを付することにより、被写体候補となる白画素をグループ分けする。ラベリング処理部116は、左右上下および斜め方向を含む8方向において隣接している白画素に同じラベルを付加してもよい。ラベリング処理部116は、
図6Aに示すような2値化画像に対して、ラベリング処理を施し、
図6Bに示すように、各白画素にラベル付けを行う。これにより、ラベリング処理部116は、被写体候補となる白画素をグループ分けする。
【0033】
被写体特定部118は、ラベリング処理された2値化画像に基づいて、被写体を特定する。被写体特定部118は、同一のラベルが付された画素数が最も多い白画素群を被写体として特定する。被写体特定部118は、例えば、
図6Bに示すようなラベリング処理された2値化画像について、「3」のラベルが付された白画素群を被写体として特定する。
【0034】
輝度導出部120は、複数の画素のそれぞれについて、被写体の平均輝度を導出する。輝度導出部120は、8ビットグレースケール画像を構成する各画素のうち、被写体特定部118により特定された被写体を構成する白画素群の位置に対応する各画素を抽出する。輝度導出部120は、抽出された各画素の輝度(階調値)の平均輝度を被写体の輝度として導出してもよい。
【0035】
面積導出部122は、複数の画像のそれぞれの被写体の面積を導出する。面積導出部122は、被写体特定部118により特定された被写体を構成する白画素群の数を導出することで、複数の画素のそれぞれの被写体の面積を導出してもよい。
【0036】
第1位置情報導出部124は、複数の画像のそれぞれの被写体の重心のX座標を第1位置情報として導出する。第2位置情報導出部126は、複数の画像のそれぞれの被写体の重心のY座標を第2位置情報として導出する。
【0037】
画像パラメータ保持部130は、被写体について特定の移動方向に沿った移動を検出するための複数の画像パラメータを保持する。画像パラメータ保持部130は、被写体のX軸方向およびY軸方向における重心座標、被写体の面積、および被写体の輝度を画像パラメータとして保持する。
【0038】
送受信部106は、遊技機10からの要求命令に応じて、画像パラメータ保持部130に保持された複数の画像パラメータの中から被写体についての特定の移動方向への移動を検出するための画像パラメータを遊技機10に送信する。
【0039】
図7は、本実施形態に係る遊技機10の機能ブロックの一例である。本実施形態において、遊技機10は、パチンコ台である。しかし、遊技機10は、パチスロ台などの他の遊技機でも構わない。
【0040】
遊技機10は、表示装置14、ハンドルスイッチ16、入賞センサ18、玉発射装置20、音響装置22、制御部30、演出制御部40、および画像処理装置100を備える。
【0041】
表示装置14は、遊技者によるゲームの進行に伴い実行される演出に対応する画像を表示する。ハンドルスイッチ16は、遊技者による操作に従って玉発射装置20を介して遊技球を発射させる。入賞センサ18は、遊技盤上の予め定められた入賞口に遊技球が入賞したことを検出して、入賞信号を出力する。玉発射装置20は、ハンドルスイッチ16の操作量に応じて遊技球を発射する。音響装置22は、遊技者によるゲームの進行に伴い実行される演出に対応する音声を出力する。
【0042】
制御部30は、遊技機10の全体を制御する。制御部30は、入力信号制御部32、遊技機制御部34、大当たり抽選部36、およびデータ送信部38を備える。入力信号制御部32は、入賞センサ18からの入賞信号の入力を検知して、遊技機制御部34へ抽選信号を通知する。遊技機制御部34は、入力信号制御部32からの抽選信号を検知すると、大当たり抽選部36へ通知し、大当たり抽選部36から抽選結果を受け取る。さらに、遊技機制御部34は、抽選結果に応じた演出命令をデータ送信部38を介して演出制御部40に出力する。大当たり抽選部36は、遊技機制御部34からの抽選信号に応じて、大当たり抽選を行い、抽選結果を遊技機制御部34に通知する。データ送信部38は、遊技機制御部34からの演出命令を演出制御部40に送信する。
【0043】
演出制御部40は、データ送受信部42、要求命令出力部44、保持部46、指示部48、演出実行部50、画像パラメータ取得部60、輝度変化量導出部62、面積変化量導出部64、第1移動変化量導出部66、第2移動変化量導出部68、および移動検出部70を備える。演出実行部50は、表示装置制御部52および音響装置制御部54を含む。
【0044】
データ送受信部42は、制御部30からの演出命令を受信し、演出命令を要求命令出力部44、指示部48、および移動検出部70に出力する。
【0045】
保持部46は、複数の演出のそれぞれに対応づけて、演出を実行するか否かの判断に用いられる画像パラメータを画像処理装置100に要求するための要求命令を保持する要求命令保持部として機能する。保持部46は、複数の演出のそれぞれに対応づけて、画像パラメータが満たすべき実行条件を保持する実行条件保持部として機能する。
【0046】
図8は、保持部46が保持する内容の一例を示す。保持部46は、要求命令に対応づけて、演出内容、演出を実行するために検出すべき被写体の移動方向を示す演出条件、および演出条件に示される移動方向についての移動を検出するために必要な画像パラメータを保持してもよい。
【0047】
要求命令出力部44は、実行可能な演出が決定された場合に、実行可能な演出に対応付けて保持部46に保持されている要求命令を画像処理装置100に出力する。例えば、遊技者の手がZ軸方向に沿って移動した場合に演出を実行する場合には、要求命令出力部44は、画像パラメータとして被写体の面積および輝度を要求すべく第1要求命令として、「00」を示す信号を画像処理装置100に出力する。遊技者の手がX軸方向に沿って移動した場合に演出を実行する場合には、要求命令出力部44は、画像パラメータとして被写体の重心のX座標を要求すべく第2要求命令として、「01」を示す信号を画像処理装置100に出力する。遊技者の手がY軸方向に沿って移動した場合に演出を実行する場合には、要求命令出力部44は、画像パラメータとして被写体の重心のY座標を要求すべく第3要求命令として、「02」を示す信号を画像処理装置100に出力する。
【0048】
指示部48は、予め定められた遊技条件を満たす場合、遊技者に遊技条件に対応する移動方向に手を動かすことを指示する。指示部48は、予め定められた第1遊技条件を満たす場合、遊技者に第1方向(Z軸方向)に、例えば、手を遊技機に対して上下方向または下上方向に動かすことを指示する第1指示部として機能する。指示部48は、予め定められた第2遊技条件を満たす場合、遊技者に第2方向(X軸方向)に、例えば、手を遊技機に対して左右方向または右左方向に動かすことを指示する第2指示部として機能する。指示部48は、予め定められた第3遊技条件を満たす場合に、遊技者に第3方向(Y軸方向)に、例えば、手を遊技機に対して手前から奥方向または奥から手前方向に支持する第3指示部として機能する。ここで、遊技条件とは、例えば大当たり抽選の結果に基づいて定められる条件である。指示部48は、遊技者が特定の移動方向に沿って手を動かしたことに対応して実行される演出が演出命令に示されている場合には、遊技者に特定の方向に手を動かすことを指示する。指示部48は、遊技者に特定の移動方向に沿って手を動かすことを促す催促画面を表示装置14に表示させてもよい。
【0049】
画像パラメータ取得部60は、要求命令に応答して画像処理装置100から出力される画像パラメータを取得する。演出を実行するか否かを判断するために被写体のZ軸方向に沿った移動を検出する必要がある場合には、画像パラメータ取得部60は、画像処理装置100から被写体の面積および輝度を画像パラメータとして取得する。演出を実行するか否かを判断するために被写体のX軸方向またはY軸方向の沿った移動を検出する必要がある場合には、画像パラメータ取得部60は、画像処理装置100から被写体の重心のX座標またはY座標を画像パラメータとして取得する。
【0050】
輝度変化量導出部62は、前後の画像のそれぞれの被写体の輝度の差分を導出することで、輝度変化量を導出する。面積変化量導出部64は、前後の画像のそれぞれの被写体の面積の差分を導出することで、面積変化量を導出する。第1移動変化量導出部66は、前後の画像のそれぞれの被写体の重心のX座標の変化量を被写体のX軸方向に沿った移動の変化量として導出する。第2移動変化量導出部68は、前後の画像のそれぞれの被写体の重心のY座標の変化量を被写体のY軸方向に沿った移動の変化量として導出する。
【0051】
移動検出部70は、画像パラメータ取得部60が取得した画像パラメータに基づいて、実行可能な演出に対応付けて保持部46に保持されている実行条件が示す移動方向に沿った被写体の移動を検出する。演出実行部50は、画像パラメータ取得部60により取得された画像パラメータが、実行可能な演出に対応付けて保持部46に保持されている実行条件を満たしている場合に、実行可能な演出を実行する。演出実行部50は、移動検出部70が被写体の移動を検出した場合、実行可能な演出を実行してもよい。
【0052】
演出実行部50は、演出命令に応じた演出を実行する。演出実行部50は、遊技者が特定の移動方向に手を動かしたことに対応して実行される演出の場合には、移動検出部70による移動検出結果に基づいて演出を実行する。表示装置制御部52は、演出命令に応じた演出画面を表示装置14に表示させる。音響装置制御部54は、演出命令に応じた演出音声を音響装置22に出力させる。演出実行部50は、指示部48が遊技者に特定の移動方向に手を動かすことを指示したことに対応して、移動検出部70が特定の移動方向に沿った手の移動を検出した場合、特定の移動方向に対応する演出を実行してもよい。
【0053】
図9Aは、移動検出部70がX軸方向に沿った被写体の移動を検出する場合の処理手順の一例を示すフローチャートを示す。
【0054】
第1移動変化量導出部66が、画像パラメータ取得部60が取得した複数の画像のそれぞれにおける被写体の重心のX座標に基づいてX軸方向の重心座標の変化量を導出する(S300)。第1移動変化量導出部66は、最新の画像に含まれる被写体の重心のX座標x1と、最新の画像より1枚前の画像に含まれる被写体の重心のX座標x2との差分を、X軸方向に沿った移動の変化量X1(x1−x2)として導出する。また、第1移動変化量導出部66は、最新の画像より1枚前の画像に含まれる被写体の重心のX座標x2と、最新の画像より2枚前の画像に含まれる被写体の重心のX座標x2との差分を、X軸方向に沿った移動の変化量X2(x2−x3)として導出する。
【0055】
続いて、移動検出部70は、変化量X1が閾値A以上か否かを判定する(S302)。つまり、移動検出部70は、画像I2から画像I1の間に被写体がX軸+方向に移動したか否かを判定する。変化量X1が閾値A以上の場合には、さらに移動検出部70は、変化量X2が閾値A以上か否かを判定する(S304)。変化量X2が閾値A以上の場合には、画像I3から画像I1の間に被写体がX軸+方向に移動している可能性が高いので、移動検出部70は、被写体がX軸+方向に移動したことを検出し(S306)、移動検出処理を終了する。一方、変化量X2が閾値Aより小さい場合には、画像I3から画像I1にかけて被写体がX軸+方向に移動している可能性が低いので、移動検出部70は、被写体のX軸+方向への移動はないと判断して(S308)、移動検出処理を終了する。
【0056】
変化量X1が閾値Aより小さい場合には、移動検出部70は、変化量X1が閾値−A以下か否かを判定する(S310)。つまり、移動検出部70は、画像I2から画像I1の間に被写体がX軸−方向に移動したか否かを判定する。変化量X1が閾値−A以下の場合には、移動検出部70は、変化量X2が閾値−A以下か否かを判定する(S312)。変化量X2が閾値−A以下の場合には、画像I3から画像I1の間に被写体がX軸−方向に移動している可能性が高いので、移動検出部70は、被写体がX軸−方向に移動したことを検出し(S314)、移動検出処理を終了する。
【0057】
変化量X1またはX2が閾値−Aより大きい場合には、移動検出部70は、被写体のX軸−方向への移動はないと判断して(S308)、移動検出処理を終了する。
【0058】
図9Bは、移動検出部70がY軸方向に沿った被写体の移動を検出する場合の処理手順の一例を示すフローチャートを示す。
【0059】
第2移動変化量導出部68が、画像パラメータ取得部60が取得した複数の画像のそれぞれにおける被写体の重心のY座標に基づいてY軸方向の重心座標の変化量を導出する(S400)。第2移動変化量導出部68は、最新の画像に含まれる被写体の重心のY座標y1と、最新の画像より1枚前の画像に含まれる被写体の重心のY座標y2との差分を、Y軸方向に沿った移動の変化量Y1(=y1−y2)として、導出する。また、第2移動変化量導出部68は、最新の画像より1枚前の画像に含まれる被写体の重心のY座標y2と、最新の画像より2枚前の画像に含まれる被写体の重心のY座標y2との差分を、Y軸方向に沿った移動の変化量Y2(=y2−y3)として導出する。
【0060】
移動検出部70は、変化量Y1が閾値A以上か否かを判定する(S402)。つまり、移動検出部70は、画像I2から画像I1の間に被写体がY軸+方向に移動したか否かを判定する。変化量Y1が閾値A以上の場合には、さらに移動検出部70は、変化量Y2が閾値A以上か否かを判定する(S404)。変化量Y2が閾値A以上の場合には、画像I3から画像I1の間に被写体がY軸+方向に移動している可能性が高いので、移動検出部70は、被写体がY軸+方向に移動したことを検出し(S406)、移動検出処理を終了する。一方、変化量Y2が閾値Aより小さい場合には、画像I3から画像I1にかけて被写体がY軸+方向に移動している可能性が低いので、移動検出部70は、被写体のY軸+方向への移動はないと判断して(S408)、移動検出処理を終了する。
【0061】
変化量Y1が閾値Aより小さい場合には、移動検出部70は、変化量Y1が閾値−A以下か否かを判定する(S410)。つまり、移動検出部70は、画像I2から画像I1の間に被写体がY軸−方向に移動したか否かを判定する。変化量Y1が閾値−A以下の場合には、移動検出部70は、変化量Y2が閾値−A以下か否かを判定する(S412)。変化量Y2が閾値−A以下の場合には、画像I3から画像I1の間に被写体がY軸−方向に移動している可能性が高いので、移動検出部70は、被写体がY軸−方向に移動したことを検出し(S414)、移動検出処理を終了する。
【0062】
変化量Y1またはY2が閾値−Aより大きい場合には、移動検出部70は、被写体のY軸−方向への移動はないと判断して(S408)、移動検出処理を終了する。
【0063】
図9Cは、移動検出部70がZ軸方向に沿った被写体の移動を検出する場合の処理手順の一例を示すフローチャートを示す。
【0064】
輝度変化量導出部62は、画像パラメータ取得部60が取得した複数の画像のそれぞれにおける被写体の輝度に基づいて被写体の輝度の変化量を導出する(S500)。輝度変化量導出部62は、最新の画像に含まれる被写体の輝度E1と、最新の画像より一枚前の画像に含まれる被写体の輝度E2との差分を、輝度の変化量H1(E1−E2)として導出する。また、輝度変化量導出部62は、最新の画像より1枚前の画像に含まれる被写体の輝度E2と、最新の画像より2枚前の画像に含まれる被写体の輝度E3との差分を輝度の変化量H2(E2−E3)として導出する。
【0065】
面積変化量導出部64は、画像パラメータ取得部60が取得した複数の画像のそれぞれにおける被写体の面積に基づいて被写体の面積の変化量を導出する(S502)。面積変化量導出部64は、最新の画像に含まれる被写体の面積S1と、最新の画像より1枚前の画像に含まれる被写体の面積S2との差分を、面積の変化量J1(S1−S2)として導出する。また、面積変化量導出部64は、最新の画像より1枚前の画像に含まれる被写体の面積S2と、最新の画像より2枚前の画像に含まれる被写体の面積S3との差分を、面積の変化量J2(S2−S3)として導出する。
【0066】
移動検出部70は、輝度の変化量H1が閾値C以上か否かを判定する(S504)。つまり、移動検出部70は、画像I2から画像I1の間に被写体が明るくなったか否かを判定する。輝度の変化量H1が閾値C以上の場合、移動検出部70は、さらに輝度の変化量H2が閾値C以上か否かを判定する(S506)。輝度の変化量H2が閾値C以上の場合には、移動検出部70は、面積の変化量J1およびJ2が0より小さいか否かを判定する(S508)。つまり、移動検出部70は、画像I3から画像I1の間に被写体の面積が徐々に小さくなっているか否かを判定する。
【0067】
面積の変化量J1およびJ2が0より小さい場合、移動検出部70は、被写体がZ軸+方向、つまり被写体が撮像部102に近づく方向に移動したことを検出し(S510)、移動検出処理を終了する。変化量H2が閾値Cより小さい場合、または面積の変化量J1およびJ2の少なくとも一方が0以上の場合、移動検出部70は、被写体の移動を検出しなかったと判断して(S512)、移動検出処理を終了する。
【0068】
輝度の変化量H1が閾値C以上でない場合、移動検出部70は、輝度の変化量H1が閾値−C以上か否かを判定する(S514)。つまり、移動検出部70は、画像I2から画像I1の間に被写体が暗くなったか否かを判定する。輝度の変化量H1が閾値−C以下の場合、移動検出部70は、さらに輝度の変化量H2が閾値−C以下か否かを判定する(S516)。輝度の変化量H2が閾値−C以下の場合、移動検出部70は、面積の変化量J1およびJ2が0より大きいか否かを判定する(S518)。つまり、移動検出部70は、画像I3から画像I1の間に被写体の面積が徐々に大きくなっているか否かを判定する。
【0069】
面積の変化量J1およびJ2が0より大きい場合、移動検出部70は、被写体がZ軸−方向、つまり撮像部102から遠ざかる方向に移動したことを検出し(S520)、移動検出処理を終了する。変化量H1または変化量H2が閾値−Cより大きい場合、または面積の変化量J1およびJ2の少なくとも一方が0以下の場合、移動検出部70は、被写体の移動を検出しなかったと判断して(S2512)、移動検出処理を終了する。
【0070】
以上の通り、移動検出部70は、検出すべき被写体の移動方向に応じた画像パラメータに基づいてより精度よく被写体の特定の移動方向に沿った移動を検出できる。
【0071】
図10は、画像処理装置100の処理手順の一例を示すフローチャートである。画像処理装置100は、定期的にこの処理手順を繰り返す。
【0072】
画像取得部112は、撮像部102から出力される8ビットグレースケール画像を取得する(S100)。次いで、2値化変換部114は、8ビットグレースケール画像を2値化画像に変換する(S102)。次いで、ラベリング処理部116は、2値化画像に対してラベリング処理を実行する(S104)。輝度導出部120、面積導出部122、第1位置情報導出部124、および第2位置情報導出部126は、被写体の輝度、被写体の面積、被写体の重心のX座標およびY座標を導出し(S106)、被写体の輝度、被写体の面積、被写体の重心のX座標およびY座標を画像パラメータ保持部130に登録する(S108)。送受信部106は、遊技機10から要求命令を受信したか否かを判定する(S110)。要求命令を受信しなければ、画像処理装置100は、画像パラメータ保持部130に保持する画像パラメータを順次更新する。
【0073】
要求命令を受信した場合、送受信部106は、要求命令により特定される画像パラメータを画像パラメータ保持部130から取得して、遊技機10に送信する(S112)。
【0074】
以上の通り、画像処理装置100は、順次、被写体の移動を検出するために必要な画像パラメータを導出し、画像パラメータ保持部130に保持していく。そして、遊技機10からの要求命令に応じて、必要な画像パラメータのみを遊技機10に提供する。画像処理装置100は、画像パラメータを順次保持し、必要に応じて要求された画像パラメータを送信するだけでよい。よって、画像処理装置100は、画像パラメータに基づいて被写体の移動検出処理を実行する機能を有さなくてよい。画像処理装置100は、複雑な処理を実行しなくてよいので、安価に提供できる。画像処理装置100は、要求命令に応じた画像パラメータを遊技機10に提供するだけなので、遊技機10側の仕様変更に伴う設定変更が少なく済む。
【0075】
図11は、遊技球が入賞した場合の遊技機10の処理手順の一例を示すフローチャートを示す。
【0076】
入力信号制御部32は、入賞センサ18から入賞信号を受信した場合(S200)、大当たり抽選部36は、大当たり抽選を実行する(S202)。遊技機制御部34は、大当たり抽選の結果を受けて、遊技機演出の内容を決定すべく、遊技機演出抽選を実行する(S204)。遊技機制御部34は、遊技機演出抽選の結果、決定された演出内容を示す演出命令をデータ送信部38を介して演出制御部40に送信する。
【0077】
演出制御部40は、演出命令に示される演出を実行するために、被写体の移動を検出する必要があるか否かを判定する(S206)。移動体の移動の検出、例えば遊技者の手の特定の移動方向への移動を検出する必要がある場合、指示部48は、遊技者に手を特定の方向に動かすように促す催促画面を表示装置14に表示させる。指示部48は、例えば、
図12Aの画面310、
図12Bの画面320、または
図12Cの画面330に示すような画面を表示装置14に表示させ、遊技者に特定の移動方向に手を動かすことを催促する。
【0078】
さらに、演出制御部40は、画像処理装置100に特定の移動方向への被写体の移動検出するための画像パラメータを要求すべく、画像処理装置100に演出内容に応じた要求命令を送信し(S208)、演出タイマを起動する(S210)。
【0079】
次いで、演出制御部40は、画像処理装置100から要求命令に応じた画像パラメータを取得する(S212)。移動検出部70は、取得した画像パラメータに基づいて移動検出処理を実行する(S214)。移動検出処理の結果、移動検出部70は、検出対象の移動方向への被写体の移動を検出したか否かを判定する(S216)。検出対象の移動方向への被写体の移動が検出された場合、演出実行部50は、移動演出として、検出対象の移動方向に応じた移動検出用の演出を実行する(S218)。表示装置制御部52は、例えば、検出対象の移動方向にキャラクタが移動する画像を表示し、音響装置制御部54は、画像に応じた音響を音響装置22に出力させる。表示装置制御部52は、例えば、第1演出の一例である
図12Aの画面312、第2演出の一例である
図12Bの画面322、または第3演出の一例である
図12Cの画面332に示すような移動方向に応じた画面を表示装置14に表示させる。
【0080】
検出対象の移動方向に応じた移動演出の実行後、演出実行部50は、結果演出として、大当たり抽選の結果を通知するための抽選結果用の演出を実行する(S220)。表示装置制御部52は、大当たり抽選の結果を示す抽選結果画面を表示装置14に表示させる。表示装置制御部52は、例えば、
図12Aの画面314、
図12Bの画面324、または
図12Cの画面334に示すような抽選結果画面を表示装置14に表示させる。
【0081】
検出対象の移動方向への被写体の移動が検出されなかった場合、演出制御部40は、演出タイマがタイムアウトしたか否かを判定する(S222)。演出タイマがタイムアウトしていなければ、演出制御部40は、画像処理装置100が再び画像パラメータを取得する。演出タイマがタイムアウトしている場合には、演出実行部50は、移動演出として移動検出用の演出を実行せずに、結果演出として大当たり抽選の結果を通知するための抽選結果用の演出を実行する(S220)。
【0082】
移動体の移動の検出が必要ない場合、演出制御部40は、結果演出前に移動演出を実行する必要があるか否かを判定する(S224)。移動演出の実行が必要な場合には、演出実行部50は、被写体の移動を検出した場合と同様に、例えば、結果演出として抽選結果を通知する前に、移動演出としてキャラクタが移動する画面の表示などの演出を実行する(S218)。移動演出の実行が必要ない場合、演出実行部50は、結果演出として抽選結果用の演出を実行する(S220)。
【0083】
以上の通り、画像処理装置100は、X軸方向、Y軸方向、およびZ軸方向に沿った被写体の移動を検出するためのすべての画像パラメータを順次導出する。遊技機10は、演出を実行するか否かを判断するために必要な画像パラメータのみを画像処理装置100に対して要求する。遊技者の手などの特定の対象物について複数の移動方向を検出するために、複数のモーションセンサを設ける必要がない。よって、複数のモーションセンサの追加に伴うコストの増加を抑制できる。また、移動検出部70は、被写体の面積および輝度の変化量に基づいて、被写体のZ軸方向への移動を検出する。これにより、移動検出部70は、例えば、手首を基点としてZ軸方向に沿って移動する遊技者の手の動きをより精度よく検出することができる。
【0084】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0085】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。