(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この特許文献1の技術は、鍵情報(3)を数値データとして付し、これを紫外線環境下で操作者に目視させようとするものであるため、操作者が鍵情報(3)を目視して確実に確認できるか否かが環境(印刷環境、読取環境等)や構成(情報コードの大きさや鍵情報の構成)に大きく左右されてしまうという問題がある。特に、情報コードの小型化を図ろうとした場合、読取装置によって当該情報コード自体は認識できたとしても、操作者が鍵情報(3)を視認できなくなるという事態が生じやすく、このような場合には、操作者が鍵情報を得られることができず、情報コードの解読が成り立たなくなってしまう。また、本データ(2)と鍵情報(3)を重ねたものを操作者に読み取らせる方法では、最終的な解読の成否を操作者の熟練度等に依存してしまうため、迅速かつ安定的な解読が難しいという問題もある。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、通常時において一般的な読取装置による情報コードの認識を困難とし、その一方で、特定の読取装置を用いて読み取りを行う場合には確実に読み取ることが可能な構成を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、情報コードが付される被形成部と、
前記被形成部の所定の一方面側を覆う構成で設けられ、可視光とは異なる所定の波長の光が当てられたときに透過状態となり可視光が当てられたときに前記透過状態よりも透過性の低い非透過状態となる被覆層と、
を備え、
前記被形成部は、少なくとも前記所定の波長の光を透過可能な光透過性の媒体によって構成され、
前記情報コードは、前記被形成部における前記被覆層とは反対面
側において、前記被覆層に少なくとも一部が覆われた構成で配置されていることを特徴とする。
【0008】
第
2の発明は、情報コードが表示される情報コード表示媒体と、前記情報コード表示媒体に付された前記情報コードを読み取る情報コード読取装置とを備えた情報コード読取システムであって、
前記情報コード表示媒体は、
前記情報コードが付される被形成部と、
前記被形成部の一方面側を覆う構成で設けられ、可視光とは異なる所定の波長の光が当てられたときに透過状態となり可視光が当てられたときに前記透過状態よりも透過性の低い非透過状態となる被覆層と、
を備え、
前記被形成部は、少なくとも前記所定の波長の光を透過可能な光透過性の媒体によって構成され、
前記情報コードは、前記被形成部における前記被覆層とは反対面
側において、前記被覆層に少なくとも一部が覆われた構成で配置されており、
前記情報コード読取装置は、
前記所定の波長の光を照射可能な照射光源と、
前記情報コードを撮像可能な撮像部と、
前記情報コード表示媒体に対して前記照射光源によって前記所定の波長の光が当てられた状態で前記撮像部によって前記情報コードが撮像されたときに得られるコード画像を解読する解読部と、
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明は、コードが付される被形成部の所定の一方面側を覆う構成で被覆層が設けられている。そして、この被覆層は、可視光とは異なる所定の波長の光が当てられたときに透過状態となり可視光が当てられたときに前記透過状態よりも透過性の低い非透過状態となる構成となっている。一方、被形成部は、少なくとも上記所定の波長の光を透過可能な光透過性の媒体によって構成されている。そして、情報コードは、被形成部における被覆層とは反対面
側において、被覆層に少なくとも一部が覆われた構成で配置されている。
このように構成されているため、被形成部の一方面側(被覆層側)から可視光が照射されたとき(可視光の占める割合が相対的に大きい場合)には、被覆層が上記非透過状態となり、被形成部の一方面側(被覆層側)から撮像したときに、被覆層の後方に位置する情報コードを正確に撮像することが困難となる。従って、可視光の占める割合が大きい通常環境下では情報コードが読み取り困難となり、一般環境下での読み取りを防止することができる。また、一般環境下では、被形成部の一方面側(被覆層側)からコピー等により複製しようとしても、情報コードを正確に複製することが困難であるため、このような複製による情報コードの流出を防ぐこともできる。
一方、被形成部の一方面側(被覆層側)から上記所定波長の光が照射されたとき(所定波長の光の占める割合が可視光のみの環境下よりも相対的に大きくなる場合)には、被覆層が上記透過状態となる。従って、被形成部の一方面側(被覆層側)からでも、所定波長の光を照射しながら撮像することにより被覆層の後方側の情報コードをより正確に撮像することができ、この場合、情報コードの読み取りが可能となる。
このように、本構成によれば、所定波長の光(被服層を透過状態としうる光)を照射しながら撮像可能な特定の読取装置については読み取りを可能とすることができ、一般的な読取装置での読み取りを困難とすることができる。
また、情報コードを、被形成部において被覆層の形成側とは反対面
側に形成することができるため、このような位置に形成すべき用途において有利になる。更には、情報コードを直接被覆層によって覆う必要が無いため、情報コードのパターン(印刷パターンや凹凸加工パターンなど)が被覆層の凹凸によって現れてしまうようなこともなく、セキュリティ性が一層高くなる。
【0011】
請求項2の発明は、前記被形成部における前記被覆層とは反対面側に接着媒体による接着層が設けられている。この構成によれば、情報コード表示媒体の全体をシールとして利用することができ、当該情報コード表示媒体が接着された部分において請求項1と同様の効果を生じさせることができる。これにより、例えば被覆層や情報コードを直接形成しにくい対象物において請求項1と同様の利益を享受したい場合や、対象物形成後に事後的に請求項1と同様の特徴を付加したい場合などにおいて有利になる。
【0013】
請求項
3の発明では、前記被形成部は、撓み変形可能な板材又はシート材として構成され、当該被形成部の厚さ方向一方側の面を覆う構成で前記被覆層が配され、当該被形成部の厚さ方向他方側の面に前記接着層が設けられている。この構成によれば、情報コード表示媒体の適用位置の自由度が増し、例えば平坦部分は勿論のこと、ある程度湾曲した部分や若干凹凸がある部分などに対しても特徴的な情報コード表示媒体を付すことができる。
【0014】
請求項
4の発明では、前記被覆層は、前記情報コードの全体を覆う構成で設けられている。このように、情報コードの全体を覆うように被覆層を配置すると、一般的な読取装置による読み取りを困難にする効果に加え、第三者に情報コードの存在自体を知らせにくくすることができる。これにより、セキュリティ性を一層高めることができる。
【0015】
請求項
5の発明では、前記被覆層は、前記情報コードの一部のみを覆う構成で設けられている。この構成では、一般的な読取装置による読み取りを困難にする一方で、情報コードの存在及び位置については把握可能となる。これにより、例えば、特定の者が所定波長の光(被服層を透過状態としうる光)を照射し得る読取装置によって情報コードを読み取る場合に、より正確に読み取りやすくなる。或いは、第三者(消費者等)に情報コードの存在を知らせたい場合などに有利になる。
【0016】
請求項
6の発明では、前記情報コードは、予め定められた形状の特徴パターンを含む構成であり、当該情報コード表示媒体を前記被覆層側から見たときに前記情報コードの少なくとも1つの前記特徴パターンの全体が視認可能となっている。この構成によれば、情報コードにおいて特徴的なパターンを部分的に見せ、情報コードの存在を直感的に知らせやすくすることができる。
【0017】
請求項
7の構成によれば、請求項1と同様の効果を奏する情報コード読取システムを実現できる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[第1実施形態]
以下、本発明に係る情報コード読取システム等を具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
(情報コード読取システムの概要)
図1は、本発明の第1実施形態に係る情報コード読取システムを概念的に説明する説明図である。
図1に示す情報コード読取システム1は、明色モジュールCw及び暗色モジュールCbを有してなる情報コードC(
図2、
図3参照)が形成された情報コード表示媒体10(以下、単に媒体10ともいう)と、この媒体10に形成された情報コードCを読取可能な情報コード読取装置40(以下、単に読取装置40ともいう)とによって構成されており、媒体10に形成された情報コードCを読取装置40が抽出、解読することで、情報コードCに記録されたデータを取得し出力し得るようになっている。以下では、これら媒体10及び読取装置40について詳述する。
【0021】
(情報コード表示媒体)
情報コード表示媒体10は、樹脂部材、ガラスなどの被形成部14に情報コードCが形成されてなるものである。情報コードCは、バーコード等の公知の一次元コードやQRコード(登録商標)、データマトリックスコード、マキシコード等の公知の二次元コードなどによって構成されており、公知の方法でデコード可能な構成となっている。
【0022】
図1に示すように、情報コード表示媒体10は、情報コードCが付される被形成部14と、被形成部14の所定の一方面14A側を覆う構成で設けられた被覆層12とを備えている。被覆層12は、可視光とは異なる「所定の波長の光」が当てられたときに透過状態となり可視光が当てられたときにその状態(透過状態)よりも透過性の低い非透過状態となる構成となっている。
【0023】
具体的には例えば、被覆層12が赤外線透過インク或いはこれと同様の材質によって構成されており、赤外光が「所定の波長の光」に相当している。そして、
図3(A)のように可視光が照射されている通常環境下では被覆層12が不透明となり、表面側から見たときに被覆層12の裏側に位置する情報コードCの形状が視認不能或いは視認困難となるように構成されている。なお、
図3(A)では被覆層12の領域をクロスハッチングにて概念的に示しているが、この領域は全体的に暗色として視認或いは撮像されることになる。一方、
図4のように赤外光が照射されている赤外光環境下では被覆層12が透明状態或いは透明性の高い状態となり、表面側から見たときに被覆層12の裏側に位置する情報コードCの形状が視認可能となるように構成されている。
【0024】
被形成部14は、少なくとも赤外光(所定の波長の光)を透過可能な光透過性の媒体によって構成されており、本構成では、赤外光だけでなく、可視光も透過可能な透明ガラスや透明な樹脂部材などによって構成されている。即ち、被形成部14は、可視光が照射されているときに透明状態或いは透明性の高い状態となり、赤外光が照射されているときにも透明状態或いは透明性の高い状態となるように構成されている。情報コードCは、このような被形成部14において被覆層12が形成された一方面14A側とは反対面側(他方面14B側)において、被覆層12に少なくとも一部が覆われた構成で配置されている。なお、
図2、
図3の例では、被覆層12は情報コードCの全体を覆う構成で設けられている。即ち、情報コードCの全領域と被覆層12とが被形成部14の厚さ方向に重なるように配置されており、
図3(A)のように通常環境下で媒体10を表面側から見たときには、情報コードCが不透明状態の被覆層12の裏側に隠れて視認不能又は視認困難となっている。
【0025】
なお、
図2等では、板状又はシート状の透明部材として構成される被形成部14に情報コードCが形成された例を示したが、被形成部14の構成や用途は様々である。例えば、商品の包装として構成されるビニール製の袋や樹脂製のケースなどであってもよく、ガラス製のケースなどであってもよい。或いは、被形成部14が商品やその他の物品そのものであってもよい。また、
図2等の例では、被形成部14が一層で形成された例を示したが、透明部材或いは透明性の高い部材が重なる構成であれば、複数層として重なった構成でもよい。
【0026】
被形成部14に形成された情報コードCは、反転領域と非反転領域とに分かれている。反転領域は、表面側(一方面14A側)から見て、可視光が照射されたときに暗色の反射特性を示し、可視光とは波長の異なる第2波長帯の光(例えば赤外光)が照射されたときに明色の反射特性を示すように構成されている。また、非反転領域は、可視光が照射されたときに暗色の反射特性を示し、第2波長帯の光(例えば赤外光)が照射されたときに暗色の反射特性(第2波長帯の光が照射されたときの反転領域の反射特性(明色の反射特性)よりも明度の低い反射特性)を示すように構成されている。
【0027】
そして、情報コードCは、暗色モジュールCb(
図3(B)、
図4等に示す例では暗色セル)の領域が非反転領域とされており、明色モジュールCw(
図3(B)、
図4等に示す例では明色セル)の領域が反転領域となっている。また、コード領域(暗色モジュールCbが配置される領域を全て含む最小限の矩形領域)の周囲に隣接する領域も反転領域となっている。例えば、コード領域のすぐ隣に隣接する環状のマージン領域も反転領域として構成されている。
【0028】
このように構成されているため、可視光が照射され第2波長帯の照明光(例えば赤外光)が照射されていない環境、又は第2波長帯の照明光(例えば赤外光)の光量が通常環境と同等に低い環境では、一般利用者が表面側から見たとき、
図3(A)のように明色モジュールCwの領域、暗色モジュールCbの領域、マージン領域を含む背景領域(コード領域の外側の領域)が全て暗色(被覆層12が示す黒色等の暗色)で一体化された状態で見え、被覆層12の裏側に位置する情報コードCを把握不能或いは把握困難となる。一方、媒体10の表面側から第2波長帯の照明光(例えば赤外光)が照射されている場合には、
図4のように明色モジュールCwの領域及びコード領域に隣接するマージン領域を含んだ背景領域が明色に反転して見え、暗色モジュールCbの領域は暗色のままで見えることになる。従って、情報コードCの外形(各明色モジュール、各暗色モジュールの構成)が肉眼で認識できる。
【0029】
そして、このような特性を有するため、可視光を照明光として照射する一般的な読取装置では、
図3(A)のように明色モジュールCwの領域、暗色モジュールCbの領域、マージン領域を含む背景領域(コード領域の外側の領域)が全て暗色(被覆層12が示す黒色等の暗色)で一体化された状態で撮像され、情報コードCが抽出困難となる。一方、後述の読取装置40のように、第2波長帯の照明光(例えば赤外光)を照射しつつ撮像する場合には、
図4のように明色モジュールCwの領域及びコード領域に隣接するマージン領域を含んだ背景領域を明色に反転し、暗色モジュールCbの領域は暗色のままで撮像することができるため、情報コードCを抽出することが可能となる。
【0030】
例えば
図2〜
図4の例では、情報コード表示媒体10において、被覆層12が第1のインクによって形成され、情報コードCの暗色モジュールCbが第2のインクによって形成されている。そして、上記反転領域は、一方面14A側に第1のインクが配され、他方面14B側に第2のインクが配されない領域となっている。一方、非反転領域は少なくとも他方面14B側に第2のインクが付された領域として構成されており、
図2〜
図4の例では、一方面14A側に第1のインクが配され、他方面14B側に第2のインクが配された重なり領域として構成されている。
【0031】
このうち、被覆層12を構成する第1のインクは、第1波長帯の光(例えば可視光)が照射されたときに暗色(例えば黒色、藍色、青色等の暗色)の反射特性を示し、第2波長帯の光(例えば赤外光)が照射されたときに透明状態又は光透過性の高い明色状態となるように機能している。つまり、第2波長帯の光が照射されたときに暗色から明色(透明色又は光透過性の高い明色)に反転するようになっている。具体的には赤外線反応インクとして構成されており、波長750nm以上の赤外光が照射されたときに、ほぼ不可視状態又は透明性の高い明色状態となるように構成されている。
【0032】
また、第2のインクは、第1波長帯の光が照射されたときに暗色(例えば黒色、藍色、青色等の暗色)の反射特性を示し、第2波長帯の光が照射されたときにも暗色(例えば黒色、藍色、青色等の暗色)の反射特性を示すように機能している。具体的には、通常のインク(赤外線によって反転しないインク)として構成されており、波長380nm〜750nmの可視光が照射されたときでも、波長750nm以上の赤外光が照射されたときでも、暗色(例えば黒色、藍色、青色等の暗色)を示すようになっている。
【0033】
図2〜
図4の例では、暗色モジュールCb(暗色セル)の領域は、第2のインクと第1のインクとが重ねられた構成であるため、可視光が照射された状態でも、赤外光が照射された状態でも、暗色の反射特性を示すことになる。一方、明色モジュールCw(明色セル)の領域及びマージン領域を含む背景領域は第1のインクのみが配され、第2のインクが重ねられていないため、可視光が照射された状態では暗色の反射特性を示し、赤外光が照射された状態では光透過性の高い明色状態又は透明状態となる。
【0034】
(情報コード読取装置)
次に、情報コード読取装置40について説明する。
図1に示す情報コード読取装置40は、QRコード(登録商標)等の情報コードを撮像し、読み取る機能を有している。この読取装置40は、CPU等からなる制御部41、受光センサ(例えば、C−MOSエリアセンサ、CCDエリアセンサ等)を備えたカメラとして構成される撮像部42、可視光(第1波長帯の照明光)を照射する第1照明光源43、赤外光(第2波長帯の照明光)を照射する第2照明光源44、ROM、RAM、不揮発性メモリなどの記憶手段からなる記憶部45などを備えている。また、読取装置40には、液晶表示器などからなる表示部46や、各種操作キーなどからなる操作部47なども設けられている。なお、第2照明光源44は、「照明光源」の一例に相当し、赤外光(所定波長の光)を照射可能に構成されている。
【0035】
撮像部42は、情報コードCを撮像可能に構成されたものであり、例えば一対の第1照明光源43a,43bの間に配置されている。この撮像部42は、情報コード表示媒体10からの反射光を受光センサ42aの受光面に結像させ、情報コード表示媒体10の画像データを生成するように機能している。受光センサ42aは、媒体10に照射されて反射した反射光を受光可能に構成されるもので、例えば、C−MOSやCCD等の固体撮像素子である受光素子を一次元に配列したラインセンサ、或いは2次元に配列したエリアセンサが、これに相当する。また、結像レンズ42cは、例えば、鏡筒とこの鏡筒内に収容される複数の集光レンズとによって構成されており、受光センサ42aの受光面に情報コードCのコード画像を結像するように機能している。光学系の受光センサ42aから出力される画像信号は、例えば記憶部45の画像データ蓄積領域に蓄積されるようになっている。
【0036】
図1に示すように、照明光学系を構成する第1照明光源43及び第2照明光源44は、例えば撮像部42(受光光学系)を挟んだ両側にそれぞれ設けられている。一対の第1照明光源43a,43bは、例えば波長380nm〜750nmの可視光を照射するLEDによって構成されている。また、対をなして配置される第2照明光源44a,44bは、波長750nm以上の赤外光を照射する光源(LEDやその他の赤外線ランプ等)によって構成されている。なお、本構成では、第2照明光源44(第2照明光照射手段)の光源数が第1照明光源43(第1照明光照射手段)の光源数よりも多くなっている。
【0037】
記憶部45は、例えばRAM(DRAM、SRAM等)、ROM(EPROM、EEPROM等)、その他の記憶デバイスがこれに相当する。この記憶部45のうちのRAMには、前述した画像データ蓄積領域のほかに、制御部41が算術演算や論理演算等の各処理時に利用する作業領域や読取条件テーブルも確保可能に構成されている。またROMには、各種処理等を実行可能な所定プログラムやその他、照明光源、受光センサ42a等の各ハードウェアを制御可能なシステムプログラム等が予め格納されている。
【0038】
制御部41は、読取装置40全体を制御可能なマイコン等によって構成され、CPU、システムバス、入出力インタフェース等を備え、情報処理機能を有している。なお、本構成では、制御部41が解読部の一例に相当し、情報コード表示媒体10に対して照射光源によって所定の波長の光が当てられた状態で撮像部42によって情報コードCが撮像されたときに得られるコード画像を解読するように機能する。
【0039】
具体的には、例えば赤外光を照射して撮像するモードが設定可能とされており、この場合、例えば第1照明光源43をオフ状態とし、第2照明光源44をオン状態として撮像部42による撮像を行う。このように第2照明光源44をオン状態にして第2波長帯の照明光(例えば赤外光)を照射しつつ撮像する場合、
図2〜
図4に示す媒体10が撮像範囲にあり、この媒体10の表面側から撮像したときには、
図4のように明色モジュールCwの領域及びコード領域に隣接するマージン領域を含んだ背景領域を明色に反転され、暗色モジュールCbの領域は暗色のままで撮像された画像が得られる。従って、このような情報コードCの画像(即ち、反転領域と非反転領域とが区別された画像)を周知のデコード方法で解読することで、情報コードCに記録されたデータを得ることが可能となる。なお、ここでは情報コードCがQRコード(登録商標)である場合の例示したが、データマトリックスコードやマキシコードなど、明色モジュールと暗色モジュールによって表現される多種の二次元コードでも同様に適用でき、明色モジュールと暗色モジュールによって表現されるコードであれば、一次元バーコードなどの一次元コードでも同様に適用できる。
【0040】
(本実施形態の主な効果)
本構成では、コードが付される被形成部14の所定の一方面14A側を覆う構成で被覆層12が設けられている。そして、この被覆層12は、可視光とは異なる所定の波長の光が当てられたときに光透過状態となり可視光が当てられたときにその光透過状態よりも光透過性の低い低透過状態となる構成となっている。一方、被形成部14は、少なくとも上記所定の波長の光を透過可能な光透過性の媒体によって構成されている。そして、情報コードCは、被形成部14における被覆層12とは反対面側、又は被形成部14の内部において、被覆層12に少なくとも一部が覆われた構成で配置されている。
このように構成されているため、被形成部14の一方面14A側(被覆層12側)から可視光が照射されたとき(赤外光の光量が非常に小さく、可視光の占める割合が相対的に大きい場合)には、被覆層12が上記低透過状態となり、被形成部14の一方面14A側(被覆層12側)から撮像したときに、被覆層12の後方に位置する情報コードCを正確に撮像することが困難となる。従って、可視光の占める割合が大きい通常環境下では情報コードCが読み取り困難となり、一般環境下での読み取りを防止することができる。また、一般環境下では、被形成部14の一方面14A側(被覆層12側)からコピー等により複製しようとしても、情報コードCを正確に複製することが困難であるため、このような複製による情報コードCの流出を防ぐこともできる。
【0041】
一方、被形成部14の一方面14A側(被覆層側)から上記所定波長の光(例えば赤外光)が照射されたとき(所定波長の光の占める割合が、可視光のみの環境下よりも相対的に大きくなる場合)には、被覆層12が上記透過状態となる。従って、被形成部14の一方面14A側(被覆層12側)からでも、所定波長の光を照射しながら撮像することにより被覆層12の後方側の情報コードCをより正確に撮像することができ、この場合、情報コードCの読み取りが可能となる。
このように、本構成によれば、所定波長の光(被覆層を透過状態としうる光)を照射しながら撮像可能な特定の読取装置については読み取りを可能とすることができ、一般的な読取装置での読み取りを困難とすることができる。
【0042】
また、情報コードCを、被形成部14において被覆層12の形成側とは反対面側又は被形成部14の内部に形成することができるため、このような位置に形成すべき用途において有利になる。更には、情報コードCを直接被覆層12によって覆う必要が無いため、情報コードCのパターン(印刷パターンや凹凸加工パターンなど)が被覆層12の凹凸によって現れてしまうようなこともなく、セキュリティ性が一層高くなる。
【0043】
また、本構成では、被覆層12は、情報コードCの全体を覆う構成で設けられている。このように、情報コードCの全体を覆うように被覆層12を配置すると、一般的な読取装置による読み取りを困難にする効果に加え、第三者に情報コードCの存在自体を知らせにくくすることができる。これにより、セキュリティ性を一層高めることができる。
【0044】
[第2実施形態]
次に第2実施形態について
図5を参照しつつ説明する。
第2実施形態は、第1実施形態の構成をすべて含み、更に、接着層16が付加された構成となっている。この第2実施形態に係る情報コード読取システム1は、接着層16が設けられている点のみが第1実施形態と異なり、それ以外は第1実施形態と同一である。よって、第1実施形態と同一の構成については第1実施形態と同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。特に、情報コード読取装置40の構成は第1実施形態と同一である。
【0045】
本構成に係る情報コード表示媒体10は、
図5に示すように、情報コードCが付される被形成部14と、被形成部14の一方面14A側を覆う構成で設けられ、可視光とは異なる所定の波長の光(例えば赤外光)が当てられたときに透過状態となり可視光が当てられたときに、その透過状態よりも透過性の低い非透過状態となる被覆層12とを備えている。そして、情報コードCは、被形成部14における被覆層12とは反対面側(即ち、他方面14B側)、又は被形成部14における被覆層12の面側(即ち一方面14A側)、若しくは被形成部14の内部(即ち、一方面14A(表面)と他方面14B(裏面)の間)において、被覆層12に少なくとも一部が覆われた構成で配置されている。なお、以下では、第1実施形態と同様、他方面14Bに情報コードCが形成された例を代表例として説明する。
【0046】
更に本構成では、被形成部14における被覆層12とは反対面側(即ち、他方面14B側)に接着媒体による接着層16が設けられている。この接着層16は、ある程度の粘度を有する公知の接着剤などによって構成されていてもよく、公知の両面テープなどの接着シートによって構成されていてもよい。接着層16が接着シートによって構成されている場合、接着層16は、シート状に構成され、他方面14B側の面が接着性を有するとともに、他方面14B側とは反対側の面(
図5の例では露出する面)も接着性を有する。そして、この場合、接着層16における被形成部14側の面が他方面14Bに接着し、接着層16における被形成部14とは反対側の面が他の物体に接着するように用いられる。なお、この情報コード表示媒体10を接着する対象物体は様々であり、様々な商品であってもよく、様々な機器、設備、用具などであってもよい。また、ガラス製品や貴金属製品など、直接の印刷が困難或いは直接の印刷が望まれない物品に貼り付けて用いると有用である。
【0047】
また、本構成でも、被形成部14は、第1実施形態と同様の構成であり、撓み変形可能な板材又はシート材等として構成されている。そして、被形成部14の厚さ方向一方側の面(一方面14A)を覆う構成で被覆層12が配され、被形成部14の厚さ方向他方側の面(他方面14B)を覆う構成で接着層16が設けられている。なお、本構成では、接着層16以外の部分の機能、効果は第1実施形態と同様である。例えば、通常時(可視光照射時)に表面側から見た構成は
図3(A)と同様であり、可視光を照射した状態での撮像画像も
図3(A)と同様である。一方、上述の読取装置40により赤外光(所定の波長の光)を照射しつつ撮像部によって撮像したときの画像は
図4と同様であり、このような画像を読取装置40によって撮像することで情報コードCを解読することが可能となる。
【0048】
本構成では、第1実施形態と同様の効果が得られる。更に、被形成部14における被覆層12とは反対面側に接着媒体による接着層16が設けられているため、情報コード表示媒体10の全体をシールとして利用することができ、情報コード表示媒体10が接着された部分において上述の効果を生じさせることができる。これにより、例えば被覆層12や情報コードCを直接形成しにくい対象物や、対象物形成後に事後的に被覆層12や情報コードCを付加したい場合などにおいて特に有利になる。
【0049】
また、本構成では、被形成部14が撓み変形可能な板材又はシート材として構成され、被形成部14の厚さ方向一方側の面を覆う構成で撓み変形可能な被覆層12が配され、更に、被形成部14の厚さ方向他方側の面に撓み変形可能な接着層16が設けられている。この構成によれば、情報コード表示媒体10の適用位置の自由度が増し、例えば平坦部分は勿論のこと、ある程度湾曲した部分や若干凹凸がある部分などに対しても特徴的な情報コード表示媒体10を付すことができる。
【0050】
[第3実施形態]
次に第3実施形態について
図6、
図7を参照しつつ説明する。第3実施形態に係る情報コード読取システム1は、情報コード表示媒体10に形成された被覆層12のサイズ及び配置位置のみが第1実施形態と異なり、それ以外は第1実施形態と同一である。例えば読取装置40は、第1実施形態と同一であり、情報コード表示媒体10も、被覆層12以外は第1実施形態と同一である。よって、第1実施形態と同一の部分については第1実施形態と同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0051】
図3等に示す例では、情報コードCが付されたコード領域(暗色モジュールCbが配置される領域を全て含む最小限の矩形領域)だけでなく、その周囲のマージン領域やその外側をも覆う構成で被覆層12が配されていたが、
図6、
図7の例では、被覆層12は、情報コードCが付されたコード領域のみを覆う構成となっている。特に、この例では、
図6に示すように、コード領域(暗色モジュールCbが配置される領域を全て含む最小限の矩形領域)に隣接するマージン領域については被覆層12に覆われない構成となっており、被覆層12が必要最小限で設けられている。このように構成すると、情報コードCは把握されにくくしたいが、被覆層12を極力狭く構成したい場合に非常に有利となる。
【0052】
なお、本構成では、被覆層12に覆われた部分の機能、効果は第1実施形態と同様である。例えば、通常時(可視光照射時)に表面側から見た構成は
図6(A)のようになるが、コード領域については第1実施形態の
図3(A)と同様である。また、可視光を照射した状態での撮像画像も
図6(A)のようになり、コード領域内の画像は
図3(A)と同様である。一方、上述の読取装置40により赤外光(所定の波長の光)を照射しつつ撮像部によって撮像したときの画像は
図4と同様であり、このような画像を読取装置40によって撮像することで情報コードCを解読することが可能となる。
【0053】
[第4実施形態]
次に第4実施形態について説明する。第4実施形態に係る情報コード読取システム1は、情報コード表示媒体10に形成された被覆層12のサイズ及び配置位置のみが第1実施形態と異なり、それ以外は第1実施形態と同一である。例えば読取装置40は、第1実施形態と同一であり、情報コード表示媒体10も、被覆層12以外は第1実施形態と同一である。よって、第1実施形態と同一の部分については第1実施形態と同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0054】
図8、
図9のいずれの情報コード表示媒体10も、被覆層12は、情報コードCの一部のみを覆う構成で設けられている。即ち、情報コードCの一部において、暗色モジュールCbの領域(第2のインクで描画された領域)及び明色モジュールの領域(第2のインクが付されていない領域)と被覆層12とが被形成部14の厚さ方向において重なっており、他の部分では、暗色モジュールCbの領域(第2のインクで描画された領域)及び明色モジュールの領域(第2のインクが付されていない領域)と被覆層12とが被形成部14の厚さ方向において重ならない構成となっている。
【0055】
図8、
図9の例では、情報コードCは、予め定められた形状の位置検出パターン(切り出しシンボル)FP1,FP2,FP3が所定の3つの角部に配置された公知のQRコード(登録商標)として構成されている。そして、
図8、
図9のいずれの例でも、情報コード表示媒体10を被覆層12側から見たときに情報コードCの少なくとも1つの位置検出パターンFP1,FP2,FP3の全体が視認可能となっている。即ち、少なくとも1つの位置検出パターンFP1,FP2,FP3が被覆層12に覆われず、可視光環境下(通常環境のように赤外光の光量が非常に低い環境下)でも表面側から見て被覆層12に隠されない構成となっている。なお、
図8の例では、可視光環境下で表面側から見たときに位置検出パターンFP2,FP3のみが視認可能となっており、
図9の例では、可視光環境下で表面側から見たときに位置検出パターンFP1,FP2,FP3が全て視認可能となっている。
【0056】
なお、本構成では、被覆層12に覆われた部分の機能、効果は第1実施形態と同様である。例えば、通常時(可視光照射時)に表面側から見た構成は
図8(A)、
図9(A)のようになるが、被覆層12に覆われた部分は第1実施形態の
図3(A)と同様である。また、可視光を照射した状態での撮像画像も
図8(A)、
図9(A)のようになり、被覆層12に覆われた部分の画像は
図3(A)と同様である。一方、上述の読取装置40により赤外光(所定の波長の光)を照射しつつ撮像部によって撮像したときの画像は
図4と同様であり、このような画像を読取装置40によって撮像することで情報コードCを解読することが可能となる。
【0057】
このように、本構成では、被覆層12が情報コードCの一部のみを覆う構成で設けられているため、一般的な読取装置による読み取りを困難にする一方で、情報コードCの存在及び位置については把握可能となる。これにより、例えば、特定の者が所定波長の光(被服層を透過状態としうる光)を照射し得る読取装置によって情報コードCを読み取る場合に、より正確に読み取りやすくなる。或いは、第三者(消費者等)に情報コードCの存在を知らせたい場合などに有利になる。
【0058】
また、本構成では、情報コードCは、予め定められた形状の特徴パターンを含む構成であり、当該情報コード表示媒体10を被覆層12側から見たときに情報コードCの少なくとも1つの特徴パターンの全体が視認可能となっている。この構成によれば、情報コードCにおいて特徴的なパターンを部分的に見せ、情報コードCの存在を直感的に知らせやすくすることができる。
【0059】
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0060】
上記実施形態では、情報コードCは、被形成部14において被覆層12とは反対面側において被覆層12に少なくとも一部が覆われた構成で配置されていたが、情報コードCが被形成部14の内部(一方面14Aと他方面14Bの間)に形成されていてもよい。
【0061】
第2実施形態では、第1実施形態の情報コード表示媒体10に接着層16を設けた例を示したが、第3実施形態や第4実施形態の情報コード表示媒体19の他方面14Bに接着するように同様の接着層16を設けるようにしてもよい。
【0062】
第4実施形態では、情報コードCとしてQRコード(登録商標)を例示し、被覆層12に覆われない特徴パターンとして位置検出パターンを例示したがこのような例に限られない。例えば、情報コードCとしてデータマトリックスコードを用い、このデータマトリックスコードのL字状のアライメントパターンやL字状のタイミングセルを隠さないように他の領域を被覆層12によって覆うようにしてもよい。