特許第6136528号(P6136528)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6136528-カラーフィルタおよび液晶表示装置 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6136528
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年5月31日
(54)【発明の名称】カラーフィルタおよび液晶表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/20 20060101AFI20170522BHJP
   G02F 1/1335 20060101ALI20170522BHJP
   G03F 7/004 20060101ALN20170522BHJP
【FI】
   G02B5/20 101
   G02F1/1335 505
   !G03F7/004 505
【請求項の数】4
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-91137(P2013-91137)
(22)【出願日】2013年4月24日
(65)【公開番号】特開2014-215379(P2014-215379A)
(43)【公開日】2014年11月17日
【審査請求日】2016年3月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(72)【発明者】
【氏名】山内 淳
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 梓実
(72)【発明者】
【氏名】東 祐輔
【審査官】 中村 博之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−111000(JP,A)
【文献】 特開2003−262714(JP,A)
【文献】 特開2012−233960(JP,A)
【文献】 特開2005−249881(JP,A)
【文献】 特開2013−057806(JP,A)
【文献】 特開2007−271531(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 5/20
G02F 1/1335
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に画素領域を区画するブラックマトリクスと、この画素領域に配置された着色画素とを有するカラーフィルタであって、
画素ピッチが25μm以下で、式(1)で定義した開口部の着色画素の画素内の膜厚分布が5%未満であり、色度分布が3/1000以内であり、前記着色画素として赤色画素及び緑色画素を有しており、赤色画素の端部がブラックマトリクスの上に乗り上げており、かつ、緑色画素の端部が赤色画素の上に乗り上げており、ブラックマトリクス上の赤色画素のテーパー角θが40°以下、かつ緑色画素のテーパー角θが70°以上であることを特徴とするカラーフィルタ。
=(Tmax−Tmin)/(Tave)×100(%)・・・式(1)
:膜厚変動
max:開口部の最大膜厚
min:開口部の最小膜厚
ave:開口部の平均膜厚
【請求項2】
赤色着色画素形成に使用する着色組成物がC.I.Pigment Red254およびC.I.Pigment Red177を含み、光重合開始剤にアセトフェノン系開始剤を含有し、かつ緑色着色組成物がC.I.Pigment Green58およびC.I.Pigment Yellow138を含み、熱硬化性モノマーを含有することを特徴とする請求項に記載のカラーフィルタ。
【請求項3】
前記熱硬化性モノマーが2官能エポキシであることを特徴とする請求項に記載のカラーフィルタ。
【請求項4】
請求項1〜のいずれかに記載のカラーフィルタを具備することを特徴とする液晶表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラーフィルタおよび液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、一般に、ガラス基板上に各画素ごとにアクティブ素子(薄膜トランジスタ、TFT)を形成した基板とカラーフィルタとが、間に液晶を挟んで対向して配置されている。なお、TFT基板(以下、アクティブ素子を形成した基板をTFT基板と略称する)の各TFT素子の電圧の印加によって各画素の透過率を制御している。
【0003】
現在、液晶表示装置は、テレビはもちろんコンピュータ端末やモバイル端末でもテレビ画像の配信や、地上デジタル放送開始などにより情報量が増大し、携帯電話をはじめとするモバイル用途の液晶表示装置の高解像度化が急速に進んでいる。
【0004】
高解像度化に伴い、カラーフィルタの開口率が下がるため、液晶表示装置の輝度が損なわれてしまう。そのため、液晶表示装置の輝度向上のために、カラーフィルタにはブラックマトリクスの細線化、着色画素の透過率アップが求められている。しかしながら、開口幅が狭くなると着色画素膜厚の変動が大きくなり、液晶セルギャップが変動し、また、同一画素内での色度変動が大きくなるため、液晶表示装置の輝度ムラが発生するという問題が生じている。
【0005】
液晶セルギャップの変動を防止するため、着色画素上に平坦化膜を形成する技術が提案されている。(特許文献1)。着色画素の最大膜厚と最小膜厚との差を一定範囲内に抑えることで、着色画素の色度変動を低減する検討も行なわれている(特許文献2)。
【0006】
しかしながら、平坦化膜を形成によって液晶セルギャップの変動を防止することはできても、着色画素の膜厚分布に起因する色度変動を低減することができないため、輝度ムラを解消することが困難である。また、特許文献2はブラックマトリクスのないカラーフィルタに関するものである。ブラックマトリクスを有するカラーフィルタであって、画素ピッチが25μm以下になるとブラックマトリクス間の着色画素の面積(「ブラックマトリクスの開口率」という)を上げるため、ブラックマトリクスの線幅は6μm以下で形成される。しかも、着色画素の端部はブラックマトリクスに乗り上げて形成せざるを得ず、ブラックマトリクス上の着色画素の乗り上げ量を抑制することも困難となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開昭63−291924
【特許文献2】特開2000−338323
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明は、輝度ムラがなく高品位な色表示を可能とするカラーフィルタおよび、そのカラーフィルタを使用した液晶表示装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成からなる。
(1)基板上に画素領域を区画するブラックマトリクスと、この画素領域に配置された着色画素とを有するカラーフィルタであって、
画素ピッチが25μm以下で、式(1)で定義した開口部の着色画素の画素内の膜厚分布が5%未満であり、色度分布が3/1000以内であり、前記着色画素として赤色画素及び緑色画素を有しており、赤色画素の端部がブラックマトリクスの上に乗り上げており、かつ、緑色画素の端部が赤色画素の上に乗り上げており、ブラックマトリクス上の赤色画素のテーパー角θが40°以下、かつ緑色画素のテーパー角θが70°以上であることを特徴とするカラーフィルタ。
【0010】
= (Tmax‐Tmin)/(Tave)×100(%)・・・式(1)
:膜厚変動
max:開口部の最大膜厚
min:開口部の最小膜厚
ave:開口部の平均膜厚。
【0012】
)赤色着色画素形成に使用する着色組成物がC.I.Pigment Red254およびC.I.Pigment Red177を含み、光重合開始剤にアセトフェノン系開始剤を含有し、かつ緑色着色組成物がC.I.Pigment Green58およびC.I.Pigment Yellow138を含み、熱硬化性モノマーを含有することを特徴とする前記(1)に記載のカラーフィルタ。
【0013】
)前記熱硬化性モノマーが2官能エポキシであることを特徴とする前記()に記載のカラーフィルタ。
【0014】
)前記(1)〜()のいずれかに記載のカラーフィルタを具備することを特徴とする液晶表示装置。
【発明の効果】
【0015】
本発明のカラーフィルタにより、同一着色画素内の膜厚変動を低減することで、色度分布が低減し、高品位な色表示を可能とする液晶表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】カラーフィルタの説明用部分断面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明者らは、輝度ムラがなく高品位な色表示を可能とする液晶表示装置の提供を可能とするカラーフィルタについて、以下の方法により可能となることを見出した。
【0018】
すなわち、画素ピッチが25μm以下で、同一画素内での膜厚変動が5%未満、色度変動が3/1000未満となるカラーフィルタを得ることができ、液晶表示装置の輝度ムラ解消に有効であることを見出した。
【0019】
以下に、本発明のカラーフィルタおよび液晶表示装置について例示詳述するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0020】
本発明のカラーフィルタは、基板とブラックマトリクスと着色画素とを必須の構成要素とするものである。このカラーフィルタは、図1に示すように、基板1上にブラックマトリクス2を有している。このブラックマトリクスは、ストライプ状又は格子状に設けられており、その間を画素領域として区画するものである。そして、このため、画素ピッチは
このブラックマトリクスによって決定される。また、画素領域の面積、すなわち、ブラックマトリクス2の開口率もこのブラックマトリクス2によって決定される。本発明が対象とするカラーフィルタは、画素ピッチが25μm以下の高精細のカラーフィルタである。このような高精細のカラーフィルタにおいては、一般に、ブラックマトリクス2の線幅は6μm以下である。ブラックマトリクス2の開口幅は画素ピッチからブラックマトリクス2の線幅を引いた値に等しい。
【0021】
次に、本発明のカラーフィルタは、前記画素領域に着色画素を有している。着色画素として、互いに異なる色彩に着色された複数の着色画素を有していることが望ましい。図1に示す例では、3色の着色画素を有している。すなわち、赤色に着色した画素(「赤色画素」という)3、緑色に着色した画素(「緑色画素」という)4,青色に着色した画素(「青色画素」という)5である。そして、赤色画素3の端部はブラックマトリクス2の上に乗り上げており、かつ、緑色画素4の端部は赤色画素3の上に乗り上げている。
【0022】
そして、本発明のカラーフィルタにおいては、赤色画素3、緑色画素4、青色画素5のいずれにおいても、式(1)で定義した開口部の着色画素5の画素内の膜厚分布が5%未満である必要がある。また、赤色画素3、緑色画素4、青色画素5のいずれにおいても、画素内の色度分布が3/1000以内である必要がある。この条件を満たさない場合、画素の膜厚変動が大きく、また、色度変動が大きくなり、輝度ムラが発生して、高品位な色表示が困難となる。
【0023】
= (Tmax‐Tmin)/(Tave)×100(%)・・・式(1)
:膜厚変動
max:開口部の最大膜厚
min:開口部の最小膜厚
ave:開口部の平均膜厚。
【0024】
このようなカラーフィルタを得るためには、ブラックマトリクス2の上に乗り上げた赤色画素3の上面とブラックマトリクス2の上面との間の角度で定義される「赤色画素3のテーパー角θ」を40°以下、かつ、緑色画素4の上面とブラックマトリクス2の上面との間の角度で定義される「緑色画素3のテーパー角θ」を70°以上とすればよい。ブラックマトリクス2上の赤色画素3のテーパー角θが40°以下であると緑色着色組成物をコートした際に緑色画素4のテーパー角θを大きくすることができ、ブラックマトリクス2上の緑色画素4のテーパー角θが70°以上である場合、緑色画素4の平坦部分が大きくなるため、さらに緑色画素4の平坦性が向上してその膜厚むらを改善することができる。
【0025】
本発明に係るカラーフィルタは任意の方法で製造することができるが、ブラックマトリクス2と着色画素3,4,5のいずれについても、顔料分散法で形成することができる。顔料分散法は、有機顔料などの色材を分散した着色感光性樹脂組成物の塗布層を公知のフォトリソグラフィー法によってパターニングすることによりブラックマトリクス2や着色画素3,4,5を形成する方法である。着色感光性樹脂組成物は、色材、光重合開始剤、重合性モノマー(熱硬化性モノマー又は光重合性モノマー)、バインダ樹脂、を主成分とするものが使用できる。
【0026】
顔料分散法で着色画素3,4,5を形成する場合、光重合開始剤として、水銀ランプの254nmの輝線の吸収が弱い光重合開始剤を選択することでそのテーパー角を小さくすることができる。例えば、BASF社製「Irgacure379である。また、熱硬化性モノマーを添加することでそのテーパー角を大きくすることができる。このような知見に基づいて数回の予備試験を繰り返すことにより、過度の試行錯誤を要することなく、所
望のテーパー角を有する着色画素3,4,5を形成することが可能である。
【0027】
以下、これら各成分について、この順に説明し、最後に、顔料分散法を使用して本発明のカラーフィルタを製造する方法について説明する。
【0028】
(色材)
赤色画素3には、例えば、色材として、C.I.Pigment Red 7、14、41、48:2、48:3、48:4、81:1、81:2、81:3、81:4、146、168、177、178、179、184、185、187、200、202、208、210、246、254、255、264、270、272、279等の赤色顔料を用いることができ、黄色顔料や橙色顔料を併用することもできる。
【0029】
黄色顔料としては、C.I. Pigment Yellow 1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、187、188、193、194、199、198、213、214等が挙げられる。
【0030】
緑色画素4には、例えば、C.I.Pigment Green 7、10、36、37、58等の緑色顔料を用いることができ、黄色顔料を併用することもできる。黄色顔料としては、赤色画素に用いる顔料として挙げたものと同様のものが使用可能である。特に緑色顔料は、C.I.Pigment Green 58に代表される臭素化亜鉛フタロシアニン顔料を主要な顔料として用いることが好ましい。
【0031】
青色画素5には、例えば、C.I.Pigment Blue 15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64等の青色顔料を用いることができ、紫色顔料を併用することもできる。紫色顔料としては、C.I.Pigment Violet 1、19、23、27、29、30、32、37、40、42、50等が挙げられる。
【0032】
(光重合開始剤)
光重合開始剤としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系光重合開始剤、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド等のベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン系光重合開始剤、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系光重合開始剤、ボレート系光重合開始剤、カルバゾール系光重合開始剤、イミダゾール系光重合開始剤等が用いられる。
【0033】
上記光重合開始剤は、単独あるいは2種以上混合して用いるが、増感剤として、α−アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’−ジエチルイソフタロフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等の化合物を併用することもできる。
【0034】
赤色画素3の形状は、着色感光性樹脂組成物に使用する開始剤を水銀ランプの254nmの輝線の吸収が弱い光重合開始剤を選択することで表面硬化性を抑制することができ、オーブンでの焼成時に熱フローしテーパー角θを小さくすることができる。そのため、赤色着色組成物に使用する光重合開始剤はアセトフェノン系開始剤を使用することが望ましい。
【0035】
(熱硬化性モノマー)
熱硬化性モノマーとしては、二官能以上の多官能エポキシ化合物を使用することが好ましい。例えば、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、ビスフェノールS型エポキシ化合物、フェノールノボラック型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、脂肪族エポキシ化合物、またはビスフェノールフルオレン型エポキシ化合物などのエポキシ化合物が挙げられる。
【0036】
具体的には、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル等の低分子量エポキシ化合物が挙げられる。製品名としては、ナガセケムテックス製EX−810、EX−830、EX−611、EX−421、EX−512、EX−521、EX−611、EX−614、EX−622、EX−314、EX−321、EX−411が挙げられる。
【0037】
また、多官能エポキシ化合物の一部または全てを多官能オキセタン化合物に置き換えてもよい。オキセタン化合物は、例えば、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、ビスフェノールS型エポキシ化合物、フェノールノボラック型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、脂肪族エポキシ化合物、またはビスフェノールフルオレン型エポキシ化合物などのオキセタン化合物等が挙げられる。
【0038】
中でも2官能エポキシは、焼成時の黄変が少ないため着色画素3,4,5の透過率への影響が少ないため好ましい。
【0039】
また、緑色画素4の形状は、オーブンでの焼成時に熱フローしテ−パー角θが小さくなりやすい。ブラックマトリクス上のテーパー角θを70°以上にするためには、熱硬化性モノマーを添加により焼成時に熱硬化させ熱フローを抑制することが望ましい。さら
に熱硬化性モノマーの中でも2官能エポキシを用いることが、緑色画素4の透過率を損ねない上で望ましい。
【0040】
(光重合性モノマー)
光重合性モノマーとしては、水酸基を有する(メタ)アクリレートと多官能イソシアネートを反応させて得られる多官能ウレタンアクリレートを用いることができる。
【0041】
水酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールエチレンオキサイド変性ペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールプロピレンオキサイド変性ペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールカプロカラクトン変性ペンタ(メタ)アクリレート、グリセロールアクリレートメタクリレート、グリセロールジメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイルプロピルメタクリレート、エポキシ基含有化合物とカルボキシ(メタ)アクリレートの反応物、水酸基含有ポリオールポリアクリレート等が挙げられる。
【0042】
また、多官能イソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ポリイソシアネート等が挙げられる。
【0043】
(バインダ樹脂)
バインダ樹脂としてはアルカリ可溶型の非感光性透明樹脂および感光性透明樹脂を使用することができる。アルカリ可溶型の樹脂を使用することが望ましい。アルカリ可溶型の非感光性透明樹脂とは、アルカリ水溶液に溶解する性質を持つ、エチレン性不飽和二重結合を有しない透明樹脂であり、このようなアルカリ可溶型の非感光性樹脂として具体的には、酸性官能基を有するアクリル樹脂、α−オレフィン−(無水)マレイン酸共重体、スチレン−(無水)マレイン酸共重合体、スチレン−スチレンスルホン酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、イソブチレン−(無水)マレイン酸共重合体等が挙げられる。なかでも、酸性官能基を有するアクリル樹脂、α−オレフィン−(無水)マレイン酸共重合体、スチレン−(無水)マレイン酸共重合体およびスチレン−スチレンスルホン酸共重合体から選ばれる少なくとも1種の樹脂が好適に用いられる。
【0044】
感光性樹脂としては、反応性官能基を有する線状高分子に、この反応性官能基と反応可能な置換基を有する(メタ)アクリル化合物、ケイヒ酸等を反応させて、エチレン不飽和二重結合を該線状高分子に導入した樹脂が挙げられる。また、反応性官能基を有する(メタ)アクリル化合物、ケイヒ酸等に、この反応性官能基と反応可能な置換基を有する線状高分子を反応させて、エチレン不飽和二重結合を該線状高分子に導入した樹脂が挙げられる。前記反応性官能基としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等が例示でき、この反応性官能基と反応可能な置換基としては、イソシアネート基、アルデヒド基、エポキシ基等が例示できる。
【0045】
また、スチレン−無水マレイン酸共重合物やα−オレフィン−無水マレイン酸共重合物等の酸無水物を含む線状高分子を、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル化合物によりハーフエステル化したものも、感光性樹脂として使用できる。
【0046】
(カラーフィルタの製造方法)
本発明のカラーフィルタのブラックマトリクス2、赤色画素3、緑色画素4、および青色画素5は、透明基板1上にフォトリソグラフィー法により、各色の着色感光性樹脂組成物を用いて形成される。
【0047】
透明基板1としては、ソーダ石灰ガラス、低アルカリ硼珪酸ガラス、無アルカリアルミノ硼珪酸ガラスなどのガラス板や、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂板が用いられる。また、ガラス板や樹脂板の表面には、液晶パネル化後の液晶駆動のために、酸化インジウム、酸化錫、酸化亜鉛、酸化アンチモンなどの金属酸化物の組み合わせからなる透明電極が形成されていてもよい。
各色画素3,4,5を形成する場合は、アルカリ現像型の着色感光性樹脂組成物を、透明
基板1上に、スプレーコートやスピンコート、スリットコート、ロールコート等の塗布方法により、乾燥膜厚が0.2〜10μmとなるように塗布する。
【0048】
塗布膜を乾燥させる際には、減圧乾燥機、コンベクションオーブン、IRオーブン、ホットプレート等を使用してもよい。必要により乾燥された膜には、この膜と接触あるいは非接触状態で設けられた所定のパターンを有するマスクを通して紫外線露光を行う。
その後、溶剤またはアルカリ現像液に浸漬するかもしくはスプレーなどにより現像液を噴霧して未硬化部を除去して所望のパターンを形成したのち、同様の操作を他色について繰り返してカラーフィルタを製造することができる。さらに、着色感光性樹脂組成物の重合を促進するため、必要に応じて加熱を施すこともできる。
【0049】
現像に際しては、アルカリ現像液として炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。また、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。現像処理方法としては、シャワー現像法、スプレー現像法、ディップ(浸漬)現像法、パドル(液盛り)現像法等を適用することができる。
【0050】
以下に本発明の実施例をもって、より詳細に本発明を説明するが、この内容に限定されるものではない。
【実施例】
【0051】
(実施例1)
<画素の色度測定>
カラーフィルタの1つの画素の色度は、顕微分光器(大塚電子製 LCF−2000)にて測定スポット径4μmで画素の中心部および中心部から両側のブラックマトリクスに向かいスポット径4μmずらした位置を測定した。
【0052】
<膜厚変動測定>
カラーフィルタの膜厚を接触式膜厚計(小坂研究所社製 SE−3500)にて測定し、開口部の膜厚変動を算出した。
【0053】
<断面形状観察>
カラーフィルタを破断し、各着色画素の断面形状を透過型電子顕微鏡(日立製作所製 S−4500)にて観察し、ブラックマトリクス上の着色画素のテーパー角度を算出した。
【0054】
<黒色樹脂組成物の調整>
フルオレン骨格を有するエポキシアクリレートの酸無水物重縮合物をバインダ樹脂として、そのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(樹脂固形分濃度=56.1質量%、新日鉄住金化学(株)社製V259ME)10.0gに対し、エチレン性不飽和結合を有する化合物として分子量578のジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート(東亜合成(株)社製)1.9g、光重合開始剤としてエタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9.H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)(BASF社製 製品名イルガキュアOXE02)0.6g、溶剤としてシクロヘキサノン29.5g、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート29.5g、添加剤にアデカポリエーテルG−400を1.0g加え、感光性樹脂組成物を得た。さらに、着色顔料としてカーボンブラック分散液(御国色素社製 TPBK−234C)27.5gを加えてよく撹拌し、顔料濃度40%である黒色樹脂組成物100gを得た。
【0055】
<着色樹脂組成物の調整>
着色樹脂組成物に使用する着色剤には以下のものを使用した。
【0056】
赤色用顔料:C.I. Pigment Red 254(BASF社製「イルガーフォーレッド B−CF」)およびC.I. Pigment Red 177(BASF社製「クロモフタールレッド A2B」)
緑色用顔料:C.I. Pigment Green 58(DIC(株)製「FASTOGEN Green A10」)、およびC.I.PigmentYellow138(BASF社製「パリオトールイエローK0961HD)
青色用顔料:C.I. Pigment Blue 15(東洋カラー社製「リオノールブルーES」)、C.I. Pigment Violet 23(BASF社製「パリオゲンバイオレット 5890」)。
【0057】
それぞれの顔料を用いて赤色・緑色・青色の着色組成物を作製した。
【0058】
・赤色感光性樹脂組成物
下記組成の混合物を均一に攪拌混合した後、直径1mmのガラスビースを用いて、サンドミルで5時間分散した後、5μmのフィルタで濾過して赤色顔料の分散体を作製した。
【0059】
赤色顔料:C.I. Pigment Red 254 10重量部
赤色顔料:C.I. Pigment Red 177 10重量部
アクリルワニス(固形分20%) 108重量部。
【0060】
その後、下記組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、5μmのフィルターで濾過して赤色感光性樹脂組成物を得た。
【0061】
上記分散体 150重量部
トリメチロールプロパントリアクリレート 13重量部
(大阪有機化学工業社製「TMP3A」)
光開始剤 3重量部
(BASF社製「Irgacure379」)
シクロヘキサノン 253重量部。
【0062】
・緑色感光性樹脂組成物
組成がそれぞれ下記組成となるように,赤色感光性樹脂組成物と同様の方法で作製した。
【0063】
緑色顔料:C.I. Pigment Green 58 16重量部
黄色顔料:C.I. Pigment Yellow 138 8重量部
アクリルワニス(固形分20%) 51重量部
エチレングリコールジグリシジルエーテル 20重量部
(ナガセケムテックス製「EX−810」)
トリメチロールプロパントリアクリレート 14重量部
(大阪有機化学工業社製「TMP3A」)
光開始剤 4重量部
(BASF社製「Irgacure907」)
増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) 2重量部
シクロヘキサノン 257重量部。
【0064】
・青色感光性樹脂組成物
組成がそれぞれ下記組成となるように,赤色感光性樹脂組成物と同様の方法で作製した。
【0065】
青色顔料:C.I. Pigment Blue 15 50重量部
紫色顔料:C.I. Pigment Violet 23 2重量部
分散剤(ゼネカ社製「ソルスバーズ20000」) 10重量部
アクリルワニス(固形分20%) 200重量部
トリメチロールプロパントリアクリレート 19重量部
(大阪有機化学工業社製「TMP3A」)
光開始剤 4重量部
(BASF社製「Irgacure907」)
増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) 2重量部
シクロヘキサノン 214重量部。
【0066】
<カラーフィルタの作製>
ガラス基板上に黒色感光性樹脂組成物をスピンコーターで塗布し乾燥させた。その後、100℃で3分間プリベークを行った後、所定のマスクを用い、光源として超高圧水銀ランプを用いて露光後、2.5質量%炭酸ナトリウム水溶液に25℃で30秒間浸漬して現像し、良く水洗した。水洗乾燥後、230℃で1時間ベークしてブラックマトリクス(線幅5μm、厚み1.0μm、画素間距離25μm)を形成した。
【0067】
次に、赤色感光性樹脂組成物を膜厚が2.5μmとなるように塗布し、ブラックマトリクスと同様の処理を行い、赤色画素を形成した。続いて、緑色感光性樹脂組成物を用いて緑色画素を、青色感光性樹脂組成物を用いて青色画素を形成し、カラーフィルタを作製した。
【0068】
赤色画素の色度は(0.650, 0.316, 17.3)、緑色画素の色度は(0.260,0.585,55.3)、青色画素の色度は(0.141,0.082,8.0)であった。
【0069】
カラーフィルタの各着色画素の膜厚変動は2.5%となり、色度変動は3/1000未満であった。また、赤色画素のテーパー角は32°、緑色画素のテーパー角は75°、青色画素のテーパー角は38°であった。
【0070】
<液晶表示装置の作製>
得られたカラーフィルタ上に、オーバーコート層を形成し、その上にポリイミド配向層を形成した。そして、このガラス基板の他方の表面に偏光板を形成した。
【0071】
他方、別の(第2の)ガラス基板の一方の表面にTFTアレイおよび画素電極を形成し、他方の表面に偏光板を形成した。
【0072】
このようにして準備された2つのガラス基板を電極層同士が対面するよう対向させ、スペーサビーズを用いて両基板の間隔を一定に保ちながら位置合わせし、液晶組成物注入用開口部を残すように周囲を封止剤で封止した。次いで、開口部からVA用液晶組成物を注入し、開口部を封止した。更に、偏光板に広視野角表示が可能なように最適化された光学補償層を設けた。このようにして作製した液晶表示装置をバックライトユニットと組み合わせてVA表示モード液晶パネルを得た。
【0073】
バックライトを点灯し外観観察した結果、輝度ムラの発生は見られず色表示特性が良好であった。
【0074】
(実施例2)
ブラックマトリクスを画素間距離が20μmとなるように形成したことを除き、実施例1と同様にしてカラーフィルタ、液晶表示装置を作製した。
【0075】
赤色画素の色度は(0.650, 0.316, 17.3)、緑色画素の色度は(0.260,0.585,55.3)、青色画素の色度は(0.141,0.082,8.0)であった。
【0076】
カラーフィルタの各着色画素の膜厚変動は4%となり、色度変動は3/1000未満であった。また、赤色画素のテーパー角θは32°、緑色画素のテーパー角θは75°、青色画素のテーパー角θは38°であった。
【0077】
(実施例3)
ブラックマトリクスを画素間距離が18μmとなるように形成したことを除き、実施例1と同様にしてカラーフィルタ、液晶表示装置を作製した。
【0078】
赤色画素の色度は(0.650, 0.316, 17.3)、緑色画素の色度は(0.260,0.585,55.3)、青色画素の色度は(0.141,0.082,8.0)であった。
【0079】
カラーフィルタの各着色画素の膜厚変動は4%となり、色度変動は3/1000未満であった。また、赤色画素のテーパー角θは32°、緑色画素のテーパー角θは75°、青色画素のテーパー角θは38°であった。
【0080】
(比較例1)
赤色感光性樹脂組成物の光重合開始剤をIrg.907へ置き換えたこと、緑色感光性樹脂組成物のEX−810をアクリルワニスに置きかえたことを除き、実施例1と同様にしてカラーフィルタ、液晶表示装置を作製した。
【0081】
赤色画素の色度は(0.650, 0.316, 17.3)、緑色画素の色度は(0.260,0.585,55.3)、青色画素の色度は(0.141,0.082,8.0)であった。
【0082】
カラーフィルタの緑色画素の膜厚変動は7%となり、色度変動は6/1000であった。また、赤色画素のテーパー角θは58°、緑色画素のテーパー角θは75°、青色画素のテーパー角θは38°であった。
【0083】
(比較例2)
緑色感光性樹脂組成物のEX−810をアクリルワニスに置きかえたことを除き、実施
例1と同様にしてカラーフィルタ、液晶表示装置を作製した。赤色画素の色度は(0.650, 0.316, 17.3)、緑色画素の色度は(0.260,0.585,55.3)、青色画素の色度は(0.141,0.082,8.0)であった。
【0084】
カラーフィルタの緑色画素の膜厚変動は8%となり、緑色画素の色度変動は5/1000であった。また、赤色画素のテーパー角θは32°、緑色画素のテーパー角θは32°、青色画素のテーパー角θは38°であった。
【0085】
(比較例3)
赤色感光性樹脂組成物の光重合開始剤をIrg.907へ置き換えたことを除き、実施例1と同様にしてカラーフィルタ、液晶表示装置を作製した。赤色画素の色度は(0.650, 0.316, 17.3)、緑色画素の色度は(0.260,0.585,55.3)、青色画素の色度は(0.141,0.082,8.0)であった。
【0086】
カラーフィルタの緑色画素の膜厚変動は10%となり、緑色画素の色度変動は7/1000であった。また、赤色画素のテーパー角θは72°、緑色画素のテーパー角θは75°、青色画素のテーパー角θは38°であった。
【0087】
実施例1〜3および比較例1〜3で作製したカラーフィルタ、液晶表示装置の評価結果を表1に示す。
【0088】
液晶表示装置の外観では、赤色画素のテーパー角θが40°以下、緑色画素のテーパー角θが70°以上である場合、膜厚変動が5%未満、色度変動が3/1000未満となり、輝度ムラがなく高品位な表示特性を有することが分かる。
【0089】
【表1】
(考察)
実施例1と比較例2とを対比すると、赤色画素のテーパー角θは両方共32°であり、同一である。しかしながら、実施例1では、赤色画素、緑色画素、青色画素のいずれについても、膜厚変動が5%未満、色度変動が3/1000以下で、両変動共に少ないのに対して、比較例2では、緑色画素の膜厚変動と色度変動が大きい。実施例1と比較例2の相違は緑色画素のテーパー角θであり、実施例1では75°、比較例2では32°であることから、緑色画素の膜厚変動と色度変動は、緑色画素のテーパー角θによって影響を受けることが分かる。
【0090】
次に、実施例1と比較例3とを対比すると、緑色画素のテーパー角θは両方共75°であり、同一である。しかしながら、比較例3では、緑色画素と青色画素の膜厚変動と色度変動が大きい。実施例1と比較例3の相違は赤色画素のテーパー角θであり、実施例1では32°、比較例2では58°であることから、緑色画素及び青色画素の膜厚変動と色度変動は、緑色画素のテーパー角θによって影響を受けることが分かる。
【0091】
そして、実施例1に比較して、赤色画素のテーパー角θが大きく(58°)、緑色画素のテーパー角θが小さい(32°)比較例1では、緑色画素の膜厚変動と色度変動が大きい。
【0092】
これらの結果から、緑色画素の膜厚変動と色度変動を小さくするためには、赤色画素のテーパー角θと緑色画素のテーパー角θの両者が重要であることが理解できる。そして、これら実施例1〜3及び比較例1〜3に基づくと、その数値範囲は、赤色画素のテーパー角θが40°以下、緑色画素のテーパー角θが70°以上であればよいと推定できる。
【0093】
なお、実施例1〜3を相互に比較することにより、画素ピッチが25μm以下の範囲では、各色画素の膜厚変動と色度変動は画素ピッチによらないことが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0094】
以上、説明したように本発明のカラーフィルタを用いることにより、高品位な色特性を有する液晶表示装置を提供することが可能となる。
【符号の説明】
【0095】
1:透明基板
2:ブラックマトリクス
3:赤色着色画素
4:緑色着色画素
5:青色着色画素
6:テーパー角θ
7:テーパー角θ
8:テーパー角θ
図1