(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述したような化粧パネルの吸込グリルでは、全周から吹出口側に向かって延出する延長部を形成することが考えられる。具体的には、吸込グリルにおいて、吸込グリルに面するグリル本体の全周からパネル本体の下面と重なるように外方に延出する延長部を形成する。これにより、吸込グリルの外周には、パネル本体との間で閉ループ状の隙間が形成されないため、吸込グリルとパネル本体の境目(目地)が目立たなくなり、化粧パネルの美観を向上できる。
【0006】
一方、このように延長部を形成した吸込グリルにおいて、パネル本体に対して吸込グリルを回動させる構造を適用すると、吸込グリルの延長部とパネル本体部とが干渉してしまい、吸込グリルを容易に開閉することができないという問題があった。
【0007】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、延長部を形成した吸込グリルをパネル本体から容易に回動できる開閉構造を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明は、天井に設けられる室内ユニット本体(21)の下部に設けられる空気調和機の化粧パネルを対象とし、吸込流路(42)が形成されるパネル本体(41)と、該パネル本体(41)の吸込流路(42)に取り付けられる吸込グリル(60)とを備え、該吸込グリル(60)は、上記吸込流路(42)に面するグリル本体(61)と、該グリル本体(61)の全周から上記パネル本体(41)の下面と重なるように外方に延出する延長部(65)とを有し、上記パネル本体(41)における吸込流路(42)の内周面と上記グリル本体(61)の背面とを連結する連結部材(90,10
0)を有し、上記吸込グリル(60)が上記パネル本体(41)に対して少なくとも90度回動するように上記連結部材(90,10
0)を下方に変位させるように構成された回動機構(80)を備え
、上記回動機構(80)は、上記吸込流路(42)の内周面に設けられ、上記連結部材(90,100)を上下方向にスライド自在に保持するスライド部材(81,110)を備えていることを特徴とする。
【0009】
第1の発明の吸込グリル(60)には、グリル本体(61)の全周からパネル本体(41)の下面と重なるように外方に延出する延長部(65)が形成される。この結果、延長部(65)とグリル本体(61)との境界(目地)が目立たなくなり、化粧パネル(40)の美観が向上する。
【0010】
また、化粧パネル(40)では、パネル本体(41)の吸込流路(42)の内周面とグリル本体(61)の背面とが連結部材(90,10
0)によって連結される。ここで、本発明では、回動機構(80)が連結部材(90,10
0)を下方に変位させることで、吸込グリル(60)がパネル本体(41)に対して少なくとも90度以上回動可能な状態となる。即ち、本発明では、回動機構(80)が連結部材(90,10
0)を下方に変位させることで、吸込グリル(60)の延長部(65)がパネル本体(41)と干渉せずに吸込グリル(60)を回動させることができる。
【0011】
第
1の発明では、吸込流路(42)の内周面にスライド部材(81,110)が設けられ、このスライド部材(81,110)が連結部材(90,100)を上下方向にスライド自在に保持する。この結果、連結部材(90,100)とともに吸込グリル(60)が下方に変位可能となる。
【0012】
第2の発明は、第1の発明において、上記回動機構(80)は、回動する上記吸込グリル(60)の延長部(65)の外方端部が、上記パネル本体(41)の下側に位置するように上記連結部材(90,10
0)を変位させるように構成されていることを特徴とする。
【0013】
第2の発明の回動機構(80)では、連結部材(90,10
0)が下方に変位することで、回動する状態の吸込グリル(60)の外方端部がパネル本体(41)の下側に位置する。これにより、吸込グリル(60)の回動時において、吸込グリル(60)の外方端部がパネル本体(41)と干渉することがない。
【0014】
第
3の発明は、第
1の発明において、上記スライド部材(81,110)の下端部には、上記連結部材(90,100)を回動自在に保持する枢支部(88)が設けられている
第
3の発明では、スライド部材(81)に沿って下側に案内された連結部材(90)が、枢支部(88)を中心として回動する。この結果、吸込グリル(60)の延長部(65)がパネル本体(41)と干渉することなく,パネル本体(41)に対して吸込グリル(60)が回動する。
【0015】
第
4の発明は、第1乃至第
3のいずれか1つの発明において、上記パネル本体(41)の吸込流路(42)の下側内縁部には、上記連結部材(90)の回動範囲を拡大させるように切り欠き部(72)が形成されていることを特徴とする。
【0016】
第
4の発明では、パネル本体(41)の吸込流路(42)の下側内縁部に切り欠き部(72)が形成される。パネル本体(41)の吸込流路(42)の下側内縁部に切り欠き部(72)を形成しない場合、この下側内縁部と連結部材(90)とが互いに干渉してしまい、パネル本体(41)の回動範囲が制限されてしまう。これに対し、本発明では、切り欠き部(72)を形成することで連結部材(90)が切り欠き部(72)の内部にまで回動するため、連結部材(90)の回動範囲が広くなる。
【0017】
第
5の発明は、第
1の発明において、上記連結部材(100)は、可撓性材料で構成されることを特徴とする。
【0018】
第
5の発明では、連結部材(100)が可撓性材料で構成される。このため、連結部材(100)の所定部位を折り曲げることで、吸込グリル(60)をパネル本体(41)に対して回動させることができる。
【0019】
第
6の発明は、天井に設けられる室内ユニット本体(21)と、該室内ユニット本体(21)の下部に設けられる化粧パネル(40)とを備えた空気調和機の室内ユニットを対象とし、上記化粧パネル(40)は、請求項1乃至
5のいずれか1つの化粧パネルで構成される
ことを特徴とする。
【0020】
第
6の発明では、室内ユニットにおいて、吸込グリル(60)の延長部(65)がパネル本体(41)と干渉せずに吸込グリル(60)を回動させることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、吸込グリル(60)の外周にパネル本体(41)と重複する延長部(65)を形成している。このため、吸込グリル(60)とパネル本体(41)との間の境界(目地)が目立たなくなり、化粧パネル(40)の美観を向上できる。
【0022】
また、本発明によれば、パネル本体(41)とグリル本体(61)とを連結する連結部材(90,10
0)が、パネル本体(41)に対する吸込グリル(60)の90度以上の回動を許容するように下方に変位するため、吸込グリル(60)の延長部(65)とパネル本体(41)とが干渉することなく、吸込グリル(60)を容易に開放位置まで移動させることができる。1
第
1の発明によれば、連結部材(90,100)をスライド部材(81,110)に沿って下方にスライドさせることで、パネル本体(41)と吸込グリル(60)との間の吸込グリル(60)を回動させるスペースを容易に確保できる。また、第
3の発明によれば、連結部材(90)の一端部を枢支部(88)を中心に回動させることで、パネル本体(41)に対して吸込グリル(60)を容易に回動させることができる。
【0023】
第
4の発明によれば、吸込流路(42)の下側内縁部に切り欠き部(72)を形成することで、吸込グリル(60)の回動角度を90度よりも大きくできる。この結果、吸込グリル(60)の開放時において、連結部材(90)とパネル本体(41)との接触部位における応力の増大を防止でき、この接触部位が破損してしまうことを防止できる。
【0024】
第
5の発明によれば、連結部材(100)を可撓性材料で構成することで、連結部材(100)を回動させるための回動軸を設けることなく、連結部材(100)を折り曲げて吸込グリル(60)を回動させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【0027】
本発明の実施形態は、室内の冷房及び暖房を行う空気調和機(10)である。
図1に示すように、空気調和機(10)は、室外に設置される室外ユニット(11)と、室内に設置される室内ユニット(20)とを有する。室外ユニット(11)と室内ユニット(20)とは、2本の連絡配管(2,3)によって互いに接続される。これにより、空気調和機(10)では、冷媒回路(C)が構成される。冷媒回路(C)では、充填された冷媒が循環することで、蒸気圧縮式の冷凍サイクルが行われる。
【0028】
〈冷媒回路の構成〉
室外ユニット(11)には、圧縮機(12)、室外熱交換器(13)、室外膨張弁(14)、及び四方切換弁(15)が設けられる。圧縮機(12)は、低圧の冷媒を圧縮し、圧縮後の高圧の冷媒を吐出する。圧縮機(12)では、スクロール式、ロータリ式等の圧縮機構が圧縮機モータ(12a)によって駆動される。圧縮機モータ(12a)は、インバータ装置によって、その回転数(運転周波数)が可変に構成されている。
【0029】
室外熱交換器(13)は、フィン・アンド・チューブ式の熱交換器である。室外熱交換器(13)の近傍には、室外ファン(16)が設置される。室外熱交換器(13)では、室外ファン(16)が搬送する空気と冷媒とが熱交換する。室外ファン(16)は、室外ファンモータ(16a)によって駆動されるプロペラファンによって構成される。室外ファンモータ(16a)は、インバータ装置によって、その回転数が可変に構成される。
【0030】
室外膨張弁(14)は、開度が可変な電子膨張弁で構成される。四方切換弁(15)は、第1から第4までのポートを有している。四方切換弁(15)では、第1ポートが圧縮機(12)の吐出側に接続し、第2ポートが圧縮機(12)の吸入側に接続し、第3ポートが室外熱交換器(13)のガス側端部に接続し、第4ポートがガス側閉鎖弁(5)に接続している。四方切換弁(15)は、第1状態(
図1の実線で示す状態)と第2状態(
図1の破線で示す状態)とに切り換わる。第1状態の四方切換弁(15)では、第1ポートと第3ポートが連通し且つ第2ポートと第4ポートが連通する。第2状態の四方切換弁(15)では、第1ポートと第4ポートが連通し且つ第2ポートと第3ポートが連通する。
【0031】
2本の連絡配管は、液連絡配管(2)及びガス連絡配管(3))によって構成される。液連絡配管(2)は、一端が液側閉鎖弁(4)に接続され、他端が室内熱交換器(32)の液側端部に接続される。ガス連絡配管(3)は、一端がガス側閉鎖弁(5)に接続され、他端が室内熱交換器(32)のガス側端部に接続される。
【0032】
室内ユニット(20)には、室内熱交換器(32)と室内膨張弁(39)とが設けられる。室内熱交換器(32)は、フィン・アンド・チューブ式の熱交換器である。室内熱交換器(32)の近傍には、室内ファン(27)が設置される。室内ファン(27)は、室内ファンモータ(27a)によって駆動される遠心式の送風機である。室内ファンモータ(27a)は、インバータ装置によって、その回転数が可変に構成されている。室内膨張弁(39)は、冷媒回路(C)において室内熱交換器(32)の液端部側に接続される。室内膨張弁(39)は、開度が可変な電子膨張弁で構成される。
【0033】
〈室内ユニットの詳細構造〉
空気調和機(10)の室内ユニット(20)の詳細構造について
図2〜
図4を参照しながら説明する。本実施形態の室内ユニット(20)は、天井埋込式に構成されている。つまり、室内ユニット(20)は、
図3に示すように、室内空間(R)に面する天井(U)の開口部(O)に嵌め込まれて取り付けられる。室内ユニット(20)は、室内ユニット本体(21)と、該室内ユニット本体(21)の下部に取り付けられる化粧パネル(40)とを有している。
【0034】
−室内ユニット本体−
図2及び
図3に示すように、室内ユニット本体(21)は、略直方体形状の箱形のケーシング(22)を有している。ケーシング(22)は、平面視において略正方形状の天板(23)と、該天板(23)の周縁部から下方に延びる略矩形状の4枚の側板(24)とを有し、下面に開口が形成されている。
図2に示すように、4つの側板(24)のうちの1つの側板(24a)には、縦長の箱形の電装品箱(25)が取り付けられる。また、この側板(24a)には、室内熱交換器(32)と接続する液側接続管(6)とガス側接続管(7)とが貫通している。液側接続管(6)には、液連絡配管(2)が接続され、ガス側接続管(7)には、ガス連絡配管(3)が接続される。
【0035】
ケーシング(22)の内部には、室内ファン(27)と、ベルマウス(31)と、室内熱交換器(32)と、ドレンパン(36)とが収容されている。
【0036】
図3及び
図4に示すように、室内ファン(27)は、ケーシング(22)の内部中央に配置されている。室内ファン(27)は、室内ファンモータ(27a)と、ハブ(28)と、シュラウド(29)と、羽根車(30)とを有している。室内ファンモータ(27a)は、ケーシング(22)の天板(23)に支持されている。ハブ(28)は、室内ファンモータ(27a)の回転駆動される駆動軸(27b)の下端に固定されている。ハブ(28)は、室内ファンモータ(27a)の径方向外方に形成される環状の基部(28a)と、該基部(28a)の内周縁部から下方に膨出する中央膨出部(28b)とを有している。
【0037】
シュラウド(29)は、ハブ(28)の基部(28a)に対向するように、該基部(28a)の下側に配置される。シュラウド(29)の下部には、ベルマウス(31)の内部と連通する円形の中央吸込口(29a)が形成される。羽根車(30)は、ハブ(28)とシュラウド(29)との間の羽根収容空間(29b)に配置されている。羽根車(30)は、駆動軸(27b)の回転方向に沿うように配列された複数のターボ翼(30a)によって構成されている。
【0038】
ベルマウス(31)は、室内ファン(27)の下側に配置されている。ベルマウス(31)は、上端及び下端にそれぞれ円形の開口を有し、化粧パネル(40)に向かうにつれて開口面積が拡大した筒状に形成される。ベルマウス(31)の内部空間(31a)は、室内ファン(27)の羽根収容空間(29b)に連通している。
【0039】
図4に示すように、室内熱交換器(32)は、室内ファン(27)の周囲を囲むように冷媒配管(伝熱管)が曲げられて配設されている。室内熱交換器(32)は、上方に起立するようにドレンパン(36)の上面に設置されている。室内熱交換器(32)には、室内ファン(27)から側方へ吹き出された空気が通過する。室内熱交換器(32)は、冷房運転時に空気を冷却する蒸発器を構成し、暖房運転時に空気を加熱する凝縮器(放熱器)を構成する。
【0040】
図3及び
図4に示すように、室内熱交換器(32)の下側には、ドレンパン(36)が配置される。ドレンパン(36)は、内壁部(36a)と外壁部(36b)と水受部(36c)とを有している。内壁部(36a)は、室内熱交換器(32)の内周縁部に沿って形成され、上方に立設する環状の縦壁によって構成される。外壁部(36b)は、ケーシング(22)の4枚の側板(24)に沿って形成され、上方に立設する環状の縦壁によって構成される。水受部(36c)は、内壁部(36a)と外壁部(36b)との間に形成され、室内熱交換器(32)で発生した凝縮水を回収するための溝によって構成される。また、ドレンパン(36)の外壁部(36b)には、各々が4枚の側板(24)に沿って延びる4つの本体側吹出流路(37)が上下に貫通して形成される。各本体側吹出流路(37)は、室内熱交換器(32)の下流側の空間と、化粧パネル(40)の4つのパネル側吹出流路(43)とを連通させる。
【0041】
また、室内ユニット本体(21)には、本体側断熱部材(38)が設けられている。本体側断熱部材(38)は、下側が開放する略箱状に形成される。本体側断熱部材(38)は、ケーシング(22)の天板(23)に沿って形成される天板側断熱部(38a)と、ケーシング(22)の側板(24)に沿って形成される側板側断熱部(38b)とを有している。天板側断熱部(38a)の中央部には、室内ファンモータ(27a)の上端部が貫通する円形の貫通穴(38c)が形成される。側板側断熱部(38b)は、ドレンパン(36)の外壁部(36b)のうち本体側吹出流路(37)の外側部位に設置される。
【0042】
−化粧パネル−
化粧パネル(40)は、ケーシング(22)の下面に取り付けられる。化粧パネル(40)は、パネル本体(41)と吸込グリル(60)とを備えている。
【0043】
パネル本体(41)は、平面視において矩形の枠状に形成されている。パネル本体(41)には、1つのパネル側吸込流路(42)と、4つのパネル側吹出流路(43)とが形成される。
【0044】
図3に示すように、パネル側吸込流路(42)は、パネル本体(41)の中央部に形成されている。パネル側吸込流路(42)の下端には、室内空間(R)に臨む吸込口(42a)が形成される。パネル側吸込流路(42)は、吸込口(42a)とベルマウス(31)の内部空間(31a)とを連通させる。パネル側吸込流路(42)には、枠状の内側パネル部材(44)が内嵌している。また、パネル側吸込流路(42)の内部には、吸込口(42a)から吸い込んだ空気中の塵埃を捕捉する集塵フィルタ(45)が設けられる。
【0045】
各パネル側吹出流路(43)は、パネル側吸込流路(42)の周囲を囲むように、該パネル側吸込流路(42)の外側に形成される。各パネル側吹出流路(43)は、各パネル側吸込流路(42)の四辺に沿ってそれぞれ延びている。各パネル側吹出流路(43)の下端には、室内空間(R)に臨む吹出口(43a)がそれぞれ形成される。各パネル側吹出流路(43)は、対応する吹出口(43a)と、対応する本体側吹出流路(37)とを連通させる。
【0046】
図3に示すように、パネル側吹出流路(43)の内側(パネル本体(41)の中央部側)には、内側断熱部(46)が設けられている。また、パネル側吹出流路(43)の外側(パネル本体(41)の外縁部側)には、外側断熱部(47)が設けられている。内側断熱部(46)及び外側断熱部(47)の上面には、パネル本体(41)とドレンパン(36)との間に介設される内側シール部材(48)が設けられる。
【0047】
外側断熱部(47)の内縁部には、外側パネル部材(49)が内嵌している。外側パネル部材(49)は、本体側吹出流路(37)の内壁面を構成する内壁部(50)と、該内壁部(50)の下端部からパネル本体(41)の外縁部に向かって延出する延出部(51)とを有している。延出部(51)は、天井(U)の下面に沿った矩形枠状に形成されている。延出部(51)の上面には、該延出部(51)と天井(U)の間に介設される外側シール部材(52)が設けられる。
【0048】
また、各本体側吹出流路(37)には、本体側吹出流路(37)を流れる空気(吹出空気)の風向を調節するための風向調節羽根(53)が設けられている。風向調節羽根(53)は、ケーシング(22)の側板(24)に沿うように本体側吹出流路(37)の長手方向の両端に亘って形成される。風向調節羽根(53)は、その長手方向に延びる回動軸(53a)を軸心として回動自在に構成される。
【0049】
吸込グリル(60)は、パネル側吸込流路(42)の下端(即ち、吸込口(42a))に取り付けられる。吸込グリル(60)は、吸込口(42a)に面するグリル本体(61)と、グリル本体(61)から各吹出口(43a)側に向かって外側に延出する矩形状の延長部(65)とを有している。グリル本体(61)は、平面視において略正方形状に形成されている。グリル本体(61)には、多数の吸込孔(63)が格子状に配列される。これらの吸込孔(63)は、グリル本体(61)を厚さ方向(上下方向)に貫通する貫通孔によって構成される。吸込孔(63)は、その開口断面の形状が正方形状に形成される。
【0050】
吸込グリル(60)の延長部(65)は、グリル本体(61)から吹出口(43a)に向かって外方に延出する矩形枠状に形成される。延長部(65)は、内側断熱部(46)の下面と重なるように、パネル本体(41)と上下方向にオーバーラップしている。また、延長部(65)の側方端部は、吹出口(43a)の内側縁部よりも吸込口(42a)寄りにシフトしている。
【0051】
−運転動作−
次いで、本実施形態に係る空気調和機(10)の運転動作について説明する。空気調和機(10)では、冷房運転と暖房運転とが切り換えて行われる。
【0052】
〈冷房運転〉
冷房運転では、
図1に示す四方切換弁(15)が実線で示す状態となり、圧縮機(12)、室内ファン(27)、室外ファン(16)が運転状態となる。これにより、冷媒回路(C)では、室外熱交換器(13)が凝縮器となり、室内熱交換器(32)が蒸発器となる冷凍サイクルが行われる。
【0053】
具体的には、圧縮機(12)で圧縮された高圧冷媒は、室外熱交換器(13)を流れ、室外空気と熱交換する。室外熱交換器(13)では、高圧冷媒が室外空気へ放熱して凝縮する。室外熱交換器(13)で凝縮した冷媒は、室内ユニット(20)へ送られる。室内ユニット(20)では、冷媒が室内膨張弁(39)で減圧された後、室内熱交換器(32)を流れる。
【0054】
室内ユニット(20)では、室内空気が吸込口(42a)、パネル側吸込流路(42)、ベルマウス(31)の内部空間(31a)を順に上方に流れ、室内ファン(27)の羽根収容空間(29b)へ吸い込まれる。羽根収容空間(29b)の空気は、羽根車(30)によって搬送され、ハブ(28)とシュラウド(29)の間から径方向外方へ吹き出される。この空気は、室内熱交換器(32)を通過し、冷媒と熱交換する。室内熱交換器(32)では、冷媒が室内空気から吸熱して蒸発し、空気が冷媒によって冷却される。
【0055】
室内熱交換器(32)で冷却された空気は、各本体側吹出流路(37)に分流した後、パネル側吹出流路(43)を下方に流れ、吹出口(43a)より室内空間(R)へ供給される。また、室内熱交換器(32)で蒸発した冷媒は、圧縮機(12)に吸入され再び圧縮される。
【0056】
〈暖房運転〉
暖房運転では、
図1に示す四方切換弁(15)が破線で示す状態となり、圧縮機(12)、室内ファン(27)、室外ファン(16)が運転状態となる。これにより、冷媒回路(C)では、室内熱交換器(32)が凝縮器となり、室外熱交換器(13)が蒸発器となる冷凍サイクルが行われる。
【0057】
具体的には、圧縮機(12)で圧縮された高圧冷媒は、室内ユニット(20)の室内熱交換器(32)を流れる。室内ユニット(20)では、室内空気が吸込口(42a)、パネル側吸込流路(42)、ベルマウス(31)の内部空間(31a)を順に上方に流れ、室内ファン(27)の羽根収容空間(29b)へ吸い込まれる。羽根収容空間(29b)の空気は、羽根車(30)によって搬送され、ハブ(28)とシュラウド(29)の間から径方向外方へ吹き出される。この空気は、室内熱交換器(32)を通過し、冷媒と熱交換する。室内熱交換器(32)では、冷媒が室内空気へ放熱して凝縮し、空気が冷媒によって加熱される。
【0058】
室内熱交換器(32)で加熱された空気は、各本体側吹出流路(37)に分流した後、パネル側吹出流路(43)を下方に流れ、吹出口(43a)より室内空間(R)へ供給される。また、室内熱交換器(32)で凝縮した冷媒は、室外膨張弁(14)で減圧された後、室外熱交換器(13)を流れる。室外熱交換器(13)では、冷媒が室外空気から吸熱して蒸発する。室外熱交換器(13)で蒸発した冷媒は、圧縮機(12)に吸入され再び圧縮される。
【0059】
〈回動機構、及びその周辺構造〉
次いで、本実施形態に係る回動機構、及びその周辺構造について、
図5〜
図10を参照しながら詳細に説明する。
【0060】
図5に示すように、本実施形態の化粧パネル(40)には、パネル本体(41)に対して吸込グリル(60)を回動させるための回動機構(80)が設けられている。本実施形態の化粧パネル(40)には、2つの回動機構(80,80)が設けられるが、この回動機構(80)を1つ又は3つ以上設けるようにしてもよい。回動機構(80)は、パネル本体(41)に対して吸込グリル(60)が少なくとも90度(本実施形態では、約145度)回動するように構成される。
【0061】
図5〜
図7に示すように、回動機構(80)は、スライド部材(81)と、該スライド部材(81)に保持されるフック部材(90)と、フック部材(90)の下側軸部(92)が係合する一対のグリル側枢支部(95)とを有している。
【0062】
スライド部材(81)は、上述した内側パネル部材(44)のうちパネル本体(41)の中心寄りの内壁部(44a)に一体に成形される。つまり、スライド部材(81)は、パネル本体(41)のパネル側吸込流路(42)(吸込流路)に臨む内周面に設けられる。内側パネル部材(44)の内壁部(44a)は、パネル側吸込流路(42)の外周面に沿うように水平方向に延びた矩形状に形成される。2つのスライド部材(81)は、内壁部(44a)の長手方向の中間寄りの箇所において、左右に隣接して配置される(
図5を参照)。スライド部材(81)は、パネル側吸込流路(42)の下端(空気流入端)から上端(空気流出端)に亘って上下方向に延びている。
【0063】
図6及び
図7に示すように、スライド部材(81)は、前側壁部(84)と、一対の上側壁部(85)と、下側壁部(86)とを有している。前側壁部(84)は、内側パネル部材(44)の前側(
図7における左側)において、該内側パネル部材(44)と離間するように立設している。前側壁部(84)は、前面視において、上側が開放するU字ないしV字形状に形成されている。つまり、前側壁部(84)には、その上端における幅方向の中間部から下方に向かって、縦長の中間溝(84a)が形成される。これにより、前側壁部(84)では、中間溝(84a)の幅方向外方に一対の縦壁部(84b)が形成される。
【0064】
一対の上側壁部(85)は、内側パネル部材(44)の上端部と一対の縦壁部(84b)の上端部とに亘ってそれぞれ水平方向に延びている。内側パネル部材(44)の内壁部(44a)の上部には、これらの上側壁部(85)と連続する上側リブ(71)が形成される(
図6を参照)。上側リブ(71)は、パネル側吸込流路(42)の内周面に沿うように水平に延び、且つパネル側吸込流路(42)の中心側に向かって突出している。
【0065】
下側壁部(86)は、内側パネル部材(44)の下端部と前側壁部(84)の下端部とに亘って水平方向に延びている。下側壁部(86)と前側壁部(84)との間には、円弧状に屈曲した屈曲部(87)が形成される(
図7を参照)。これにより、屈曲部(87)の内側には、円弧面を有するパネル側枢支部(88)が形成される。パネル側枢支部(88)には、フック部材(90)の上端に形成される上側軸部(91)が回動自在に保持可能となっている。各スライド部材(81)では、前側壁部(84)と上側壁部(85)と下側壁部(86)と内側パネル部材(44)との間に案内空間(89)がそれぞれ形成される。案内空間(89)では、フック部材(90)の上側軸部(91)が上下にスライド自在に保持される。
【0066】
図6に示すように、フック部材(90)は、金属製の棒状の部材が折り曲げられて形成される。フック部材(90)は、パネル本体(41)におけるパネル側吸込流路(42)の内周面(即ち、内側パネル部材(44))と、グリル本体(61)の背面とを連結する連結部材を構成する。各フック部材(90)は、上述した上側軸部(91)と、一対の下側軸部(92)と、上側軸部(91)と一対の下側軸部(92)とにそれぞれ連続する一対の中間連結部(93)とをそれぞれ有している。
【0067】
上側軸部(91)は、フック部材(90)の上端部に形成されている。上側軸部(91)は、水平方向に延びる棒状に形成され、スライド部材(81)の内部(即ち、案内空間(89))に収容されている。上側軸部(91)の両端部は、スライド部材(81)の幅方向外側まで延び、該スライド部材(81)の外部まで突出している。上側軸部(91)は、スライド部材(81)の前側壁部(84)ないし内側パネル部材(44)の内壁部(44a)に沿うように上下方向に移動可能に構成される。
【0068】
一対の下側軸部(92)は、フック部材(90)の下端部に形成されている。下側軸部(92)は、水平方向に延びる棒状に形成され、吸込グリル(60)の各グリル側枢支部(95)の内部に回動自在に保持される。
【0069】
一対の中間連結部(93)は、上側軸部(91)と一対の下側軸部(92)との間に連続して形成される。中間連結部(93)は、スライド部材(81)の幅方向の外側に位置し、上側軸部(91)と下側軸部(92)とに亘って略鉛直方向に延びている。より詳細には、中間連結部(93)は、下方に向かうにつれてスライド部材(81)の側面から離間するように鉛直方向に対してやや斜めに傾いている。
【0070】
図6及び
図7に示すように、吸込グリル(60)のグリル本体(61)の背面(上面)には、一対のグリル側枢支部(95)が形成される。グリル側枢支部(95)は、パネル本体(41)と延長部(65)の重複部分に位置しておらず、パネル側吸込流路(42)に臨む位置に形成される。吸込グリル(60)がパネル本体(41)に取り付けられた状態では、グリル側枢支部(95)と内側パネル部材(44)とが近接した位置関係となる(
図7を参照)。
【0071】
グリル側枢支部(95)は筒状の枢支部本体(96)と、該枢支部本体(96)の外周面に形成される複数(本実施形態では3つ)のリブ(97)とを有している。枢支部本体(96)には、フック部材(90)の下側軸部(92)が挿通される軸挿通孔(98)が形成される。軸挿通孔(98)は、下側軸部(92)の直径よりも幅広な横長の開口によって構成される。グリル側枢支部(95)では、フック部材(90)の下側軸部(92)が軸挿通孔(98)に挿通されることで、吸込グリル(60)がフック部材(90)に回動自在に支持されることになる。また、グリル側枢支部(95)では、下側軸部(92)が軸挿通孔(98)の長手方向にスライド自在に保持される。
【0072】
図6及び
図7に示すように、本実施形態のパネル本体(41)には、パネル側吸込流路(42)の下側内縁部に一対の切り欠き部(72)が形成される。具体的には、これらの切り欠き部(72)は、内側パネル部材(44)の下端部のうちスライド部材(81)の幅方向外側に形成される。即ち、切り欠き部(72)は、内側パネル部材(44)のうちフック部材(90)の中間連結部(93)と上下に重複する部分に形成される。なお、切り欠き部(72)を内側パネル部材(44)の下端部の全域に亘って形成するようにしてもよい。
【0073】
切り欠き部(72)は、下側に向かうにつれてパネル本体(41)に外方に拡がるテーパ状の傾斜面(72a)を形成している。これにより、切り欠き部(72)の内部には、吸込グリル(60)の回動動作(詳細は後述する)時において、フック部材(90)の侵入が許容される空間が形成される。つまり、切り欠き部(72)は、吸込グリル(60)の開放動作時において、吸込グリル(60)の回動範囲を拡大させるように構成される。
【0074】
−吸込グリルの延長部、及び回動機構の作用−
実施形態に係る化粧パネル(40)には、上述したようにパネル側吸込流路(42)に面するパネル本体(41)の全周からパネル本体(41)の下面と重なるように外方に延出する延長部(65)を設けている。これにより、吸込グリル(60)とパネル本体(41)の境界(目地)が目立たなくなり、化粧パネル(40)の美観を向上できる。
【0075】
より詳細には、吸込グリル(60)に延長部(65)を形成せず、例えばパネル本体(41)のパネル側吸込流路(42)に吸込グリル(60)を内嵌させて取り付ける構造とした場合、吸込グリル(60)の外周とパネル本体(41)の内周との間に閉ループ状の隙間が形成されてしまう。この結果、ユーザが室内空間(R)から化粧パネル(40)を視た場合、吸込グリル(60)とパネル本体(41)との間の境界が目立ってしまい、化粧パネル(40)の美観が損なわれてしまう。
【0076】
これに対し、本実施形態では、吸込グリル(60)に延長部(65)を形成し、この延長部(65)をパネル本体(41)の下面と重ねる構造としているため、吸込グリル(60)の外周(即ち、延長部(65)の外周)には、パネル本体(41)との間で隙間が形成されない。従って、ユーザが室内空間(R)から化粧パネル(40)を視た場合にも、吸込グリル(60)とパネル本体(41)との間の境界が目立たない。従って、本実施形態では、化粧パネル(40)の美観を向上できる。
【0077】
一方、このように吸込グリル(60)に延長部(65)を形成した構造において、吸込グリル(60)をパネル本体(41)に対して回動させ、パネル側吸込流路(42)を開放させるようにする場合、延長部(65)とパネル本体(41)とが上下に干渉してしまい、吸込グリル(60)の回動動作を容易に行えなくなる可能性がある。そこで、本実施形態の回動機構(80)は、吸込グリル(60)の回動動作時において、吸込グリル(60)を下方に変位させることで、吸込グリル(60)の回動範囲を十分に確保できるようにしている。この点について
図7〜
図10を参照しながら詳細に説明する。
【0078】
ユーザは、パネル本体(41)に取り付けられた状態(
図7に示す状態)の吸込グリル(60)を
図8、
図9、
図10の順に回動させることで、パネル側吸込流路(42)の内部を開放させる。なお、
図7の状態では、パネル本体(41)に吸込グリル(60)を着脱自在に保持する保持部材(図示省略)の保持が解除されることで、パネル本体(41)に対する吸込グリル(60)の回動が許容される状態となる。
【0079】
図7に示す状態(吸込グリル(60)がパネル本体(41)に取り付けられた状態)では、フック部材(90)の下側軸部(92)が軸挿通孔(98)の前端(
図7における左側端)に位置する。ここで、軸挿通孔(98)の前端は、スライド部材(81)の案内空間(89)よりもパネル本体(41)の中心寄りに形成される。このため、
図7に示す状態では、フック部材(90)の上側軸部(91)に対して下側軸部(92)が前方寄りに位置するように、フック部材(90)の中間連結部(93)が鉛直より斜めに傾いた状態となる。このように、吸込グリル(60)の取付状態においては、フック部材(90)が鉛直よりも斜めに傾くため、フック部材(90)を収容するための上下方向のスペースが小さくなり、化粧パネル(40)を上下に小型化できる。
【0080】
ユーザが、吸込グリル(60)をパネル本体(41)から回動させる際には、
図7に示す状態の吸込グリル(60)の外周部うち上記回動機構(80)を有する側縁部と反対側の側縁部を下方へ変位させる。同時に、水平な状態の吸込グリル(60)を斜めに傾けるように、吸込グリル(60)を回動させていく。すると、
図8に示すように、フック部材(90)の上側軸部(91)が、スライド部材(81)に沿うように下方へ移動する。同時に、パネル側枢支部(88)では、軸挿通孔(98)の前端側に位置していた下側軸部(92)が、該軸挿通孔(98)の後端側へと変位していく。また、
図8に示す状態では、吸込グリル(60)が、上側軸部(91)及び下側軸部(92)を支点として回動可能となる。従って、吸込グリル(60)の可動範囲が広がり、ユーザは吸込グリル(60)を円滑に回動させることができる。
【0081】
図8に示す状態から吸込グリル(60)を更に下方へ変位させると、
図9に示すように、フック部材(90)の上側軸部(91)が案内空間(89)の下端に位置する。つまり、フック部材(90)の上側軸部(91)が、スライド部材(81)のパネル側枢支部(88)に当接する。このように、吸込グリル(60)を下方に変位させることで、回動する吸込グリル(60)の延長部(65)の外方端部が、パネル本体(41)よりも下側に位置する。このため、回動する吸込グリル(60)の延長部(65)の外方端部が、パネル本体(41)の下面に干渉することなく、吸込グリル(60)を更に回動させることができる。
【0082】
図9に示すように、吸込グリル(60)をパネル本体(41)に対して約90度回動させると、フック部材(90)の中間連結部(93)もほぼ鉛直な状態となる。この状態から吸込グリル(60)を更に回動させると、パネル側枢支部(88)に回転自在に支持された上側軸部(91)を支点として、フック部材(90)も回動する。この際、フック部材(90)の中間連結部(93)は、テーパ面を構成する切り欠き部(72)の内部に入り込む。このため、フック部材(90)の中間連結部(93)と内側パネル部材(44)の下端部とが干渉することなく、フック部材(90)及び吸込グリル(60)を90度以上回動させることができる。吸込グリル(60)が
図10に示す状態まで回動すると、フック部材(90)の中間連結部(93)と切り欠き部(72)の傾斜面(72a)とが近接する状態となり、吸込グリル(60)の回動角度が約145度に至る。
【0083】
−実施形態の効果−
以上のように、本実施形態の回動機構(80)では、吸込グリル(60)の90度以上の回動を許容するように、フック部材(90)がスライド部材(81)に沿って下方に変位する。そして、このような回動動作では、回動中の吸込グリル(60)の延長部(65)の外方端部が、パネル本体(41)よりも下側に位置する。この結果、吸込グリル(60)の延長部(65)の外方端部がパネル本体(41)と干渉せずに、吸込グリル(60)をパネル本体(41)に対して90度以上回動させることができる。
【0084】
また、実施形態では、吸込グリル(60)が90度より大きい約145度まで回動可能に構成される。ここで、仮に吸込グリル(60)の回動範囲が90度までで規制される構造を採用した場合、90度に至った吸込グリル(60)やフック部材(90)がパネル本体(41)と接触すると、この接触部位の応力が増大し、この接触部位が破損してしまう可能性がある。これに対し、本実施形態では、吸込グリル(60)が90度を超える範囲まで回動可能となる。吸込グリル(60)の回動角度が90度を越える範囲においては、吸込グリル(60)が自重に抗して上方へ移動する。このため、吸込グリル(60)の回動角度が90度を超えると、吸込グリル(60)の運動エネルギーが徐々に小さくなっていく。従って、吸込グリル(60)やフック部材(90)が90度を超える所定の角度でパネル本体(41)と接触したとしても、この接触部位に作用する応力を低減できる。この結果、この接触部位が破損してしまうことを防止できる。
【0085】
しかも、本実施形態では、パネル側吸込流路(42)の下側内縁部に、フック部材(90)の回動範囲を拡大させるように切り欠き部(72)を形成している。従って、吸込グリル(60)の回動角度が90度から約145度の範囲において、フック部材(90)とパネル本体(41)とが接触してしまうことを防止でき、フック部材(90)やパネル本体(41)の破損を確実に防止できる。
【0086】
〈実施形態の変形例〉
上記実施形態に係る回動機構(80)を以下のような各変形例の構成としてもよい。
【0087】
−変形例1−
図11〜
図13に示すように、変形例1の回動機構(80)は、可撓性材料で構成された連結板(100)と、連結板(100)を上下にスライド自在に保持するスライド部材(110)と、グリル本体(61)の背面(上面)に形成され、連結板(100)の下部が固定される保持部(120)とを有している。
【0088】
連結板(100)は、内側パネル部材(44)の内壁部(44a)とグリル本体(61)の背面とを連結する連結部材を構成している。連結板(100)は、縦長の薄板状に形成され、厚さ方向に曲げ変形が可能に構成されている。
図13に示すように、連結板(100)の上部には、上方に突出する一対の突板部(101)と、該突板部(101)の先端から幅方向外方へ突出する一対の係止部(102)とが形成される。また、連結板(100)の幅方向両側の各側辺には、その下端部寄りにそれぞれ凹部(103)が形成される。
【0089】
変形例1のスライド部材(110)は、上記連結板(100)が挿通される板挿通孔(111)が形成される。つまり、スライド部材(110)は、板挿通孔(111)の内部において、連結板(100)を上下にスライド自在に保持している。保持部(120)は、連結板(100)が貫通する保持孔(121)が形成された略筒状に形成される。保持部(120)には、連結板(100)の一対の凹部(103)が嵌合する。これにより、保持部(120)と連結板(100)とが互いに固定される。
【0090】
この変形例1の回動機構(80)においても、吸込グリル(60)がパネル本体(41)に対して90度以上回動可能となる。具体的に、
図11に示す吸込グリル(60)の取付状態において、吸込グリル(60)を下方に変位させると、連結板(100)がスライド部材(110)に案内されて下方へ変位する。また、このように吸込グリル(60)を下方に変位させながら、吸込グリル(60)を回動させると、連結板(100)が吸込グリル(60)に沿うように適宜変形する。従って、この変形例の回動機構(80)においても、回動する吸込グリル(60)の延長部(65)の外方端部が、パネル本体(41)の下側に位置することになる。この結果、変形例1においても、吸込グリル(60)がパネル本体(41)と干渉することなく、該吸込グリル(60)を90度以上回動させることができる(
図12を参照)。
【0091】
また、この変形例1では、下方に変位した連結板(100)の一対の係止部(102)が、スライド部材(100)の上端面(112)と当接する。これにより、連結板(100)がスライド部材(100)から抜け落ちることが係止部(102)によって阻止される。
【0092】
−
参考形態−
図14〜
図15に示すように、
参考形態の回動機構(80)は、リンク機構(130)と、グリル側枢支部(140)とを有している。リンク機構(130)は、内側パネル部材(44)の内壁部(44a)とグリル本体(61)の背面とを連結する連結部材を構成している。具体的に、リンク機構(130)は、第1リンク部(131)と、第2リンク部(132)と、リンク連結部(133)とを有している。
【0093】
第1リンク部(131)の一端部は、内側パネル部材(44)の内壁部(44a)に固定されている。具体的には、第1リンク部(131)の一端部は、第1回動軸(134)を介して内壁部(44a)に回動自在に連結されている。また、第2リンク部(132)の一端部は、グリル本体(61)の背面に固定されている。具体的には、第2リンク部(132)の一端部は、第2回動軸(135)を介してグリル本体(61)のグリル側枢支部(140)に回転自在に連結されている。第1リンク部(131)の他端部と、第2リンク部(132)の他端部とは、リンク連結部(133)を介して互いに連結されている。つまり、第1リンク部(131)と第2リンク部(132)とは、リンク連結部(133)を支点として互いに回動自在に構成される。
【0094】
参考形態では、吸込グリル(60)の取付状態において、第1リンク部(131)及び第2リンク部(132)が水平な姿勢となって折り畳まれた状態となる。一方、
図14に示す回動動作時のリンク機構(130)では、第1リンク部(131)が第1回動軸(134)を支点に回動可能となり、第2リンク部(132)がリンク連結部(133)を支点に回動可能となり、グリル側枢支部(140)が第2回動軸(135)を支点に回動可能となる。これにより、各リンク部(131,132)を鉛直な姿勢に近づけることで吸込グリル(60)を下方に変位させるとともに、吸込グリル(60)をパネル本体(41)に対して90度以上回動させることができる。
【0095】
《その他の実施形態》
上記実施形態の空気調和機(10)の室内ユニット(20)は、天井(U)の開口部(O)に嵌め込まれる天井埋込式に構成される。しかしながら、室内ユニット(20)は、天井に吊り下げられる天井吊下式に構成されてもよい。また、天井吊下式の室内ユニット(20)では、ケーシング(22)の下面が本発明に係る化粧パネル(40)を構成してもよい。つまり、室内ユニット(20)の室内ユニット本体(21)は、下側が開放された矩形箱状のケーシング本体を有する。そして、このケーシング本体の下側開放面には、該ケーシング本体と一体的にケーシング下面部が形成される。天井吊下式の室内ユニット(20)では、このケーシング下面部が本発明に係る化粧パネル(40)を構成する。