特許第6136590号(P6136590)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6136590振動運搬装置の制御装置及び振動運搬装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6136590
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年5月31日
(54)【発明の名称】振動運搬装置の制御装置及び振動運搬装置
(51)【国際特許分類】
   G01P 21/00 20060101AFI20170522BHJP
   G01P 15/09 20060101ALI20170522BHJP
   B65G 27/32 20060101ALI20170522BHJP
   G01R 31/02 20060101ALI20170522BHJP
【FI】
   G01P21/00
   G01P15/09 V
   B65G27/32
   G01R31/02
【請求項の数】6
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-116323(P2013-116323)
(22)【出願日】2013年5月31日
(65)【公開番号】特開2014-235067(P2014-235067A)
(43)【公開日】2014年12月15日
【審査請求日】2016年4月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002059
【氏名又は名称】シンフォニアテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137486
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 雅直
(72)【発明者】
【氏名】関根 敏郎
(72)【発明者】
【氏名】冨田 昌伸
【審査官】 森 雅之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−302231(JP,A)
【文献】 特開2002−284332(JP,A)
【文献】 特許第4013426(JP,B2)
【文献】 特開2002−362723(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01P15
G01P21
B65G27/32
G01R31/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品移送部に振動を発生させて部品を移送する振動運搬装置に適用され、前記部品移送部に加速度センサを取り付けて当該部品移送部の振動を計測する制御装置において、
前記加速度センサに並列に接続される位置に配置されるバイアス抵抗と、
前記加速度センサ及び前記バイアス抵抗の接続端に定電流パルスを印加する定電流パルス発生器と、
前記定電流パルスを印加した際の前記接続端における応答電圧の最大値と所定の閾値である第1閾値とを比較し、前記応答電圧の最大値が前記第1閾値未満の場合はセンサ接続有りの信号を出力し、前記応答電圧の最大値が前記第1閾値以上の場合はセンサ接続無しの信号を出力する第1比較器と、
からなる加速度センサ有無検出手段を備えたことを特徴とする振動運搬装置の制御装置。
【請求項2】
部品移送部に振動を発生させて部品を移送する振動運搬装置に適用され、前記部品移送部に加速度センサを取付けて当該部品移送部の振動を計測する制御装置において、
前記加速度センサに並列に接続される位置に配置されるバイアス抵抗と、
前記加速度センサ及び前記バイアス抵抗の接続端に定電流パルスを印加する定電流パルス発生器と、
前記加速度センサとほぼ同一の定電流パルスが印加される前記加速度センサとほぼ同一の電気容量のダミーセンサと、
前記加速度センサ及び前記バイアス抵抗の接続端に定電流パルスを印加した際の前記接続端における応答電圧から前記ダミーセンサの応答電圧を減じる減算回路と、
前記減算回路を経た後の残留電圧の最大値と所定の閾値である第2閾値とを比較し、前記減算回路の残留電圧の最大値が前記第2閾値未満の場合はセンサ接続有りの信号を出力し、前記減算回路の残留電圧の最大値が前記第2閾値以上の場合はセンサ接続無しの信号を出力する第2比較器と、
からなる加速度センサ有無検出手段を備えたことを特徴とする振動運搬装置の制御装置。
【請求項3】
前記ダミーセンサがコンデンサであることを特徴とする請求項2に記載の振動運搬装置の制御装置。
【請求項4】
部品移送部の振動波形から導かれる加速度及び位相に基づいて出力周波数及び出力電圧をフィードバック制御するフィードバック制御部を有し、当該振動波形は前記加速度センサによって検出され前記定電流パルスに対応する電圧が重畳されたのち前記減算回路によって再び抽出された振動波形であることを特徴とする請求項2または3に記載の振動運搬装置の制御装置。
【請求項5】
前記フィードバック制御部は、前記第2比較器がセンサ接続有りの信号を出力している場合は前記振動波形によって出力周波数及び出力電圧をフィードバック制御し、前記第2比較器がセンサ接続無しの信号を出力している場合はフィードバック制御を停止し出力周波数及び出力電圧の調整を手動モードに切替えることを特徴とする請求項4に記載の振動運搬装置の制御装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の制御装置を備えることを特徴とする振動運搬装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動運搬装置に付設される加速度センサの接続有無状態を検出する機能を備えた、振動運搬装置の制御装置及び振動運搬装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
振動運搬装置は機械系の共振を利用するため、この種の装置には一般に振幅等を制御するために振幅センサが付設されている。振動運搬装置は部品移送部の振動を共振点に近づけなければ適切に動作せず、また共振点に近づけることで効率の良い運転を実現することができるが、共振点付近はQ値が高く制御系が不安定となり易いうえに、経年変化によって設定値も徐々に変化していくため、振幅センサの検出値に基づいて制御装置の出力を微調整する必要がある。
【0003】
振幅センサとしては、近接センサを用いる場合と、加速度センサを用いる場合がある。
【0004】
近接センサを用いる場合、部品移送部を支える板バネの変位を検出する位置に近接センサを設け、板バネのひずみによって部品移送部の振幅を測定しているが、近接センサには発振器が接続され、交番波の上に振幅を重畳して振幅信号としているため、当該振幅信号の有無によってセンサが接続されているか否かの確認を行うことが可能である(特許文献1)。
【0005】
一方、加速度センサを用いる場合、例えば特許文献2に示すような圧電素子による加速度センサでは、部品移送部であるボウルに付設した圧電素子が振動によって電位差を生じるため、この電位差を出力信号として取り出すことで振幅を測定するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−302231号公報
【特許文献2】特開2002−284332号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述の加速度センサを用いる場合、加速度センサのインピーダンスが高いため、振幅が小さく出力電圧が小さい場合は特に出力信号からセンサの回路への接続有無が判断できなかった。このため、制御装置に加速度センサの有無を手動で入力する必要があった。さらに、センサが断線した場合や運転中に加速度センサをはずした場合、あるいは加速度センサが接続されていないのに接続されていると誤って入力した場合に、振幅信号が0となったことによるフィードバック制御が働いて、制御装置が加振手段への出力電圧を最大となる方向に振らせることにより過振幅となり、装置が破損する恐れがあった。
【0008】
本発明に係る振動運搬装置の制御装置及び振動運搬装置は、振幅検出に用いられる加速度センサにおけるこのような課題を解決すること、すなわち近接センサを用いる場合と同様加速度センサの接続有無状態を的確に自動検出する機能を実現することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以上の目的を達成するために、第1の発明は、部品移送部に振動を発生させて部品を移送する振動運搬装置に適用され、前記部品移送部に加速度センサを取り付けて当該部品移送部の振動を計測する制御装置において、前記加速度センサに並列に接続される位置に配置されるバイアス抵抗と、前記加速度センサ及び前記バイアス抵抗の接続端に定電流パルスを印加する定電流パルス発生器と、前記定電流パルスを印加した際の前記接続端における応答電圧の最大値と所定の閾値である第1閾値とを比較し、前記応答電圧の最大値が前記第1閾値未満の場合はセンサ接続有りの信号を出力し、前記応答電圧の最大値が前記第1閾値以上の場合はセンサ接続無しの信号を出力する第1比較器と、からなる加速度センサ有無検出手段を備えたことを特徴とする。
【0010】
上記の構成により、定電流パルスを印加された際に加速度センサは一般に容量性のものであって、加速度センサが接続されている場合にはその応答から接続端になだらかに立ち上がる応答電圧が出力されるため、前記第1比較器は加速度センサ接続ありの信号を出力し、逆に加速度センサが接続されていない場合には定電流パルスを印加された際にバイアス抵抗の応答から接続端に急峻な応答電圧が立ち上がるため、前記第1比較器は第1閾値に基づいてセンサ接続有りの信号とセンサ接続無しの信号を出力する。このため、本発明によれば加速度センサの接続有無を自動で検出することができる。
【0011】
第2の発明は、部品移送部に振動を発生させて部品を移送する振動運搬装置に適用され、前記部品移送部に加速度センサを取付けて当該部品移送部の振動を計測する制御装置において、前記加速度センサに並列に接続される位置に配置されるバイアス抵抗と、前記加速度センサ及び前記バイアス抵抗の接続端に定電流パルスを印加する定電流パルス発生器と、前記加速度センサとほぼ同一の定電流パルスが印加される前記加速度センサとほぼ同一の電気容量のダミーセンサと、前記加速度センサ及び前記バイアス抵抗の接続端に定電流パルスを印加した際の前記接続端における応答電圧から前記ダミーセンサの応答電圧を減じる減算回路と、前記減算回路を経た後の残留電圧の最大値と所定の閾値である第2閾値とを比較し、前記減算回路の残留電圧の最大値が前記第2閾値未満の場合はセンサ接続有りの信号を出力し、前記減算回路の残留電圧の最大値が前記第2閾値以上の場合はセンサ接続無しの信号を出力する第2比較器と、からなる加速度センサ有無検出手段を備えたことを特徴とする。
【0012】
上記の構成により、加速度センサが接続されている場合には、加速度センサ及び前記バイアス抵抗の接続端に定電流パルスを印加した際の接続端における応答電圧とダミーセンサに定電流パルスを印加した際の接続端における応答電圧とがほぼ等しくなるため、これらが減算回路において互いにキャンセルされて、減算回路を経た後の残留電圧は加速度センサの出力電圧にほぼ等しくなってその最大値はさほど大きくならず、前記第2比較器は第2閾値に基づいて加速度センサ接続ありの信号を出力する。逆に加速度センサが接続されていない場合には、バイアス抵抗の接続端に定電流パルスを印加した際のバイアス抵抗の急峻な応答電圧が前記減算回路を経た後にも残留するため、前記第2比較器は第2閾値に基づいてセンサ接続無しの信号を出力する。このため、本発明によっても加速度センサの接続有無を自動で検出することができる。また、前記減算回路の作用によって、印加された定電流パルスの影響を受けて前記加速度センサの出力波形が歪むことはないため、加速度センサを稼働させながらその接続有無状態を適切に検出することができる。
【0013】
また、この場合は特に、前記ダミーセンサがコンデンサであることが好適である。
【0014】
第2の発明に係る制御装置に対して、部品移送部の振動波形から導かれる加速度及び位相に基づいて出力周波数及び出力電圧をフィードバック制御するフィードバック制御部をさらに備え、当該振動波形は前記加速度センサによって検出され前記定電流パルスに対応する電圧が重畳されたのち前記減算回路によって再び抽出された振動波形であるように構成すると、加速度センサの接続有無の検出手段を有しつつフィードバック制御を行うことができる。
【0015】
この場合、前記フィードバック制御部が、前記第2比較器がセンサ接続有りの信号を出力している場合は前記振動波形によって出力周波数及び出力電圧をフィードバック制御し、前記第2比較器がセンサ接続無しの信号を出力している場合はフィードバック制御を停止し出力周波数及び出力電圧の調整を手動モードに切替えるように構成すると、センサ接続有りの場合は通常のフィードバック制御を行いつつ、センサの断線などによる振幅信号の喪失に起因する過振幅を防止することができる。
【0016】
第1の発明又は第2の発明に係る制御装置を振動運搬装置に適用すると、制御装置により振動運搬装置の振動を制御するための加速度センサの接続有無状態を自動検出することができる。
【発明の効果】
【0017】
以上説明した本発明によれば、振動運搬装置の振動を制御するための加速度センサが接続されているか否かを自動検出することができ、これによりセンサの接続を毎回確認する手間が省かれ、センサの断線などによる振幅信号の喪失に起因する過振幅、ひいては装置の破損を有効に防止することができる。
【0018】
また、減算回路による減算処理を行う構成を付加することによって、加速度センサの自動検出のために加速度センサの出力波形にパルス成分を重畳することによって歪んだ振動の振幅波形を元の振幅波形に適切に復調することができ、加速度センサの出力を利用したフィードバック制御部の適正な動作を担保することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施形態に係る振動搬送装置の概念図。
図2】本発明の第1実施形態に係る制御装置の機能を説明するブロック図。
図3】同第1実施形態においてセンサが接続状態にあるときの各部位における波形図。
図4】同第1実施形態においてセンサが接続状態にないときの各部位における波形図。
図5】第1実施形態における具体的な数値例に基づく電圧波形。
図6】本発明の第2実施形態に係る制御装置の機能を説明するブロック図。
図7】同第2実施形態においてセンサが接続状態にあるときの各部位における波形図。
図8】同第2実施形態においてセンサが接続状態にあるときの各部位における波形図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は本発明に係る振動運搬装置1を制御装置たるコントローラ5とともに示す概念図を示す。図1において、振動運搬装置1は部品移送部2と加振部3から構成される。以下では、部品移送部2がボウル20である、ボウル型振動パーツフィーダを例にとって説明する。ボウル20は図示しない基台との間が複数の板バネにより結合されており、基台に固定された図示しない電磁石の電磁コイルに電流を通電してボウル20を振動させる加振部3を有する。さらに、ボウル20には圧電素子を用いた加速度センサ4が取付けられている。コントローラ5はインバータを主体として構成され、前記加速度センサ4からの入力を受けて、位相と振幅から出力電圧と出力周波数にフィードバックしてボウル20の共振点を自動制御する機能を備える。そして、加速度センサ4の接続有無状態を自動で検出するために、センサ接続有無検出手段6を備えている。
【0021】
<第1実施形態>
以下、本発明の第1の実施形態を、図面を参照して説明する。図2図1のコントローラ5に付設される、加速度センサ4の有無を検出すべく設けたセンサ接続有無検出手段6の内部構造を示すブロック図であり、バイアス抵抗11、定電流パルス発生器12、第1比較器16を具備している。
【0022】
加速度センサ4は、バイアス抵抗11とともに一端側が接続端17に接続され、他端側がともに接地されて並列に取付けられている。
【0023】
定電流パルス発生器12は、発振器13より出力される交番波から定電流パルスを生成し、加速度センサ4およびバイアス抵抗11の一端側である接続端17へ印加する。
【0024】
加速度センサ4の他端はバイアス抵抗11とともにセンサアンプ14を介してピークホールド部15に接続される。ピークホールド部15で保持された電圧の最大値は第1比較器16に出力される。
【0025】
第1比較器16は、定電流パルスを印加した際の接続端17の応答電圧(この実施形態ではセンサアンプ14で増幅した状態)の最大値VacMAX図3参照)と所定の閾値である第1閾値Vth1とを比較し、前記接続端17の応答電圧の最大値VacMAXが前記第1閾値Vth1未満の場合はセンサ接続有りの信号を出力し、前記接続端17の応答電圧の最大値VacMAX(VrMAX)が前記第1閾値Vth1以上の場合(図4参照)はセンサ接続無しの信号を出力する。
【0026】
次に、図2のブロック図と図3、4の波形図を参照して、第1の実施形態の動作を説明する。
【0027】
圧電素子を用いた加速度センサ4は、電気的にはコンデンサと同じ容量性の特性を有する。すなわち、加速度センサ4に定電流を流すと電流の大きさと流した時間に比例した下記の電圧Vcが発生する。
Vc = I・t/C Vc:電圧 I:定電流 t:時間 C:加速度センサの容量
【0028】
加速度センサ4がコントローラ5に接続されている場合は、定電流パルス発生器12で生成された定電流パルスは印加初期に大半が加速度センサ4に流れ込むので、加速度センサ4が検出した振幅波形Va(図3(a))に、定電流パルスによって発生した、上記電圧Vc(図3(b))が重畳される。重畳された電圧Vac(=Va+Vc)(図3(c))は、センサアンプ14によって増幅され、電圧の最大値VacMAXはピークホールド部15で保持されて第1比較器16へ出力される。
【0029】
なお、図3(b)および(c)にはバイアス抵抗11の抵抗Rを無限大と仮定して電圧波形を描いている。バイアス抵抗11を考慮した場合、電流はバイアス抵抗11にも流れるので時間に比例した電圧とはならないが、パルス印加時間は十分短いので大きな差にはならない。
【0030】
一方、加速度センサ4が接続されていない場合、接続端17に振幅波形は検出されず(図4(a))、加速度センサ4と並列的な関係にあるバイアス抵抗11に電流が流れ、定電流パルスと同期して時間と関係なく抵抗の大きさで決まる下記の一定の電圧Vr(図4(b))がパルス状に発生する。
Vr = I・R Vr:電圧 I:定電流 R:抵抗
【0031】
この電圧のパルス波がセンサアンプ14によって増幅され、最大値VrMAX図2に示すピークホールド部15で保持されて、第1比較器16へ出力される。
【0032】
このとき、定電流I、印加時間t、抵抗Rの値を適切に設定すれば、センサ接続の有無による発生電圧VacMAXとVrMAXの大きさが大きく異なり、閾値Vth1(第1閾値)を適切に設定することでセンサ接続の有無を判別できる。第1比較器16は、発生電圧の最大値が閾値Vth1未満の場合はセンサ接続有りの信号S1を出力し、発生電圧の最大値が閾値Vth1以上の場合はセンサ接続無しの信号S2を出力する。
【0033】
参考として、定電流I、印加時間t、加速度センサの容量Cの各設定値と、その場合のセンサ接続有りの時の電圧Vcおよびセンサ接続無しのときの電圧Vrの値の例を、それぞれ以下に示す。
I = 1.8μA、t = 1.8mS、C = 10nFとして
Vc = 0.324V
Vr = 1.8V
【0034】
なお、上記Vcを求める際には、定電流パルスは印加初期に大半が加速度センサ4に流れ込むとしたので、バイアス抵抗11を無視(R = ∞)しVc = 0.324Vと算出した。この値と加速度センサ無しのときの電圧Vr = 1.8Vとの電圧差を利用することで、センサ接続の有無を判別できる。また、バイアス抵抗11の抵抗R = 1MΩ(数値は一例)を考慮して計算しても、
Vc = IR/(1 + CR/t)
に抵抗Rの値および前述のI, t, Cの値を代入して、Vc = 0.275Vとなるので、加速度センサ無しのときの電圧Vr = 1.8Vとの電圧差を利用することで、センサ接続の有無を判別できる。
【0035】
なお上記の例における、加速度センサ4がない時(Rなし)/バイアス抵抗を考慮しない時(Cなし)/バイアス抵抗11を考慮する時(R,Cあり)それぞれの時間ごとの電圧値と電圧波形を図5に示す。
【0036】
なお、以上の数値例はあくまで一例であって、これらに限定されるものではない。
【0037】
以上のように、本実施形態コントローラ5は、ボウル20に振動を発生させて部品を移送する振動運搬装置1に適用され、ボウル20に加速度センサ4を取り付けてボウル20の振動を計測するにあたり、加速度センサ4に並列に接続される位置に配置されるバイアス抵抗11と、加速度センサ4及びバイアス抵抗11の接続端17に定電流パルスを印加する定電流パルス発生器12と、定電流パルスを印加した際の接続端17における応答電圧の最大値VacMAX(VrMAX)と所定の閾値Vth1(第1閾値)とを比較し、応答電圧の最大値が第1閾値Vth1未満すなわちVacMAXである場合はセンサ接続有りの信号S1を出力し、応答電圧の最大値が前記第1閾値Vth1以上すなわちVrMAXである場合はセンサ接続無しの信号を出力する第1比較器16と、からなる加速度センサ有無検出手段6を備えたことを特徴とする。
【0038】
上記の構成により、本実施形態によれば加速度センサ4の接続有無を自動で検出することができる。
<第2実施形態>
【0039】
次に、本発明の第2実施形態を説明する。図6図1のコントローラ5に付設される前記第1実施形態とは異なる構成のセンサ接続有無検出手段6を示すブロック図であり、図6中の符号は、第1の実施形態で既出の要素については同じ符号を付している。図6において、加速度センサ4はバイアス抵抗11とともに一端側に設けた接続端17がセンサアンプ14を介して減算回路25に接続され、他端側がともに接地されて並列に取付けられている。また、ダミーセンサ23は加速度センサ4と同じ容量性のコンデンサを採用したもので、加速度センサ4とほぼ同一の電気容量のものが用いられており、一端側がダミーセンサアンプ24を介して減算回路に接続され、他端側が接地されている。
【0040】
定電流パルス発生器12は、発振器13より出力される交番波から定電流パルスを生成し、加速度センサ4およびバイアス抵抗11の一端側である接続端17へ印加する。
【0041】
定電流パルス発生器22は、発振器13より出力される交番波から定電流パルス発生器12で生成した定電流パルスとほぼ同じ(全く同じものも含む)定電流パルスを生成し、ダミーセンサ23の一端側である接続端27へ印加する。
【0042】
定電流パルス発生器12、22から定電流パルスを印加された際に、接続端17には加速度センサ4の接続有無の状態に応じた応答電圧が現われ、接続端27にもダミーセンサ23の応答電圧が現われる。
【0043】
減算回路25は、ダミーセンサアンプ24によって増幅されたダミーセンサ23の接続端27の電圧を、センサアンプ14によって増幅された加速度センサ4およびバイアス抵抗11の接続端17の電圧から減じる。
【0044】
減算回路25の出力端はピークホールド部15およびバンドパスフィルタ31に接続され、ピークホールド部15は第2比較器26に接続される。バンドパスフィルタ31の出力は全波整流器32および位相検出器33に接続されている。全波整流器32は加速度信号(振幅信号)を、位相検出器33はゼロクロス信号(位相信号)をそれぞれインバータ34に出力する。そしてインバータ34はこれらの振幅及び位相に基づいて、所定の出力周波数と出力電圧で加振部3を駆動する。
【0045】
第2比較器26は、前記減算回路25の出力電圧の最大値VsMAX図7図8参照)と所定の閾値である第2閾値Vth2とを比較し、前記減算回路25の出力電圧の最大値VsMAXが前記第2閾値Vth2未満の場合はセンサ接続有りの信号S1を出力し、前記減算回路25の出力電圧の最大値Vsmaxが前記第2閾値Vth2以上の場合はセンサ接続無しS2の信号を出力する。
【0046】
次に、図6のブロック図と図7図8の波形図を参照して、第2の実施形態の動作を説明する。なお、以下に示される電圧値(図7図8の波形図を含む)は全てセンサアンプ14もしくはダミーセンサアンプ24によって増幅した後のものとする。
【0047】
加速度センサ4がコントローラ5に接続されている場合は、定電流パルス発生器12で生成された定電流パルスは印加初期に大半が加速度センサ4に流れ込むので、加速度センサ4が検出した振幅波形Va(図7(a))に時間に比例した電圧Vc(図7(b))が重畳される(重畳後の電圧Vac=Va+Vc、図7(c))。
【0048】
また、ダミーセンサ23にもほぼ同じ定電流パルスが同じ時間印加されるので、ダミーセンサ23にも上記加速度センサによって発生した電圧Vcとほぼ等しい電圧Vc’(図7(d))が発生する。減算回路25は上記加速度センサ4の振幅波形VaにVcが重畳された電圧Vac(図7(c))からこの電圧Vc’を減じることで、重畳された波形(図7(c))の歪みを取り去ることができる(残留電圧Vs=Vac−Vc'、図7(e))。なお、減算回路25の出力(残留電圧)の最大値VsMAXはピークホールド部15に保持される。
【0049】
一方、加速度センサ4が接続されていない場合は、加速度センサ4と並列的な関係にあるバイアス抵抗11に電流が流れ、定電流パルスと同期して時間と関係なく抵抗の大きさで決まる一定の電圧Vr(図8(b))がパルス状に発生する(図8(c))。このとき、ダミーセンサ23には定電流パルスが印加されているので、加速度センサ4が接続されている時と同様、電圧Vc’(図8(d))が発生している。減算回路25は上記定電流パルスが印加されることで生じるパルス電圧Vrからこの電圧Vc’を減算する(残留電圧Vs=Vr−Vc’、図8(e))。この場合も、減算回路25の出力(残留電圧)の最大値VsMAXはピークホールド部15に保持される。
【0050】
加速度センサ4が接続されている場合には、減算回路25の出力(残留電圧)の最大値VsMAXはさほど大きくならないが、加速度センサ4が接続されていない場合には、減算回路25で減算対象となる上記一定のパルス電圧Vrに比べてダミーセンサ23による電圧Vc’が極めて小さく、パルス電圧Vr自体は一般に高い値を示すため、ピークホールド部15に保持された残留電圧Vsの最大値VsMAXは、加速度センサ4が接続されていない場合の最大値の方が加速度センサ4が接続されている場合の最大値と比べて大きくなる。よって、適切な閾値Vth2(第2閾値)を設定することで、第2比較器26によってセンサ接続の有無を判別することができる。第2比較器26は、発生電圧の最大値が閾値Vth2未満の場合はセンサ接続有りの信号S1を出力し、発生電圧の最大値が閾値Vth2以上の場合はセンサ接続無しの信号S2を出力する。
【0051】
なおこの実施形態において、第2比較器26がセンサ有りの信号S1を出力している場合は、全波整流器32から加速度信号(振幅信号)を入力し、位相検出器33からゼロクロス信号(位相信号)を入力したインバータ34は、所定の出力周波数で所定の出力電圧を加振部3に出力することで加振部3の振動の駆動を行う。第2比較器26がセンサ接続無しの信号S2を出力している場合はフィードバック制御を停止し、出力周波数及び出力電圧の調整を手動モードに切替える。ここで手動モードとは、出力周波数と出力電圧を手動で入力することで振動を調整するように構成されたモードである。
【0052】
以上のように、第2実施形態に係るコントローラ5は、ボウル20に振動を発生させて部品を移送する振動運搬装置1に適用され、ボウル20に加速度センサ4を取付けてボウル20の振動を計測するにあたり、加速度センサ4に並列に接続される位置に配置されるバイアス抵抗11と、加速度センサ4およびバイアス抵抗11の接続端17に定電流パルスを印加する定電流パルス発生器12と、加速度センサ4とほぼ同一の定電流パルスが印加される加速度センサ4とほぼ同一の電気容量のダミーセンサ23と、加速度センサ4及びバイアス抵抗11の接続端17に定電流パルスを印加した際の接続端17における応答電圧からダミーセンサ23の接続端27に定電流パルスを印加した際の接続端27における応答電圧を減じる減算回路と、加速度センサ4とほぼ同一の定電流パルスが印加される加速度センサ4とほぼ同一の電気容量のダミーセンサ23と、加速度センサ4の出力電圧からダミーセンサ23の出力電圧を減じる減算回路25と、減算回路25を経た後の残留電圧の最大値と所定の閾値Vth2(第2閾値)とを比較し、減算回路25の残留電圧の最大値が第2閾値未満の場合はセンサ接続有りの信号を出力し、加速度センサ4の出力電圧の最大値が第2閾値以上の場合はセンサ接続無しの信号を出力する第2比較器26と、からなる加速度センサ有無検出手段6を備えるように構成したものである。
【0053】
上記の構成により、本実施形態によっても、加速度センサ4の接続有無を自動で検出することができる。また、減算回路25の作用によって、印加された定電流パルスの影響を受けて前記加速度センサ4の出力波形が歪むことはないため、加速度センサ4を稼働させながらその接続有無状態を適切に検出することができる。
【0054】
そのダミーセンサ23にもコンデンサを採用することによって本発明を簡易に構成することができる。
【0055】
さらに、第2の発明に係るコントローラ5において、ボウル20の振動波形から導かれる加速度及び位相に基づいて出力周波数及び出力電圧をフィードバック制御するフィードバック制御部30をさらに備えているので、加速度センサ4が接続されている場合は、フィードバック制御部30において減算処理後の信号にバンドパスフィルタ31を介した後、全波整流器32と位相検出器33によって全波整流と位相を取り出すことで、加速度センサ4の接続有無の検出手段を機能させつつ、ボウル20の振動のフィードバック制御を行うことができる。
【0056】
また、第2の発明に係るコントローラ5に対して、フィードバック制御部30が、第2比較器26がセンサ接続有りの信号S1を出力している場合は振動波形によって出力周波数及び出力電圧をフィードバック制御し、第2比較器26がセンサ接続無しの信号S2を出力している場合はフィードバック制御を停止し出力周波数及び出力電圧の調整を手動モードに切替えるようにしているので、センサ接続有りの場合は通常のフィードバック制御を行いつつ、センサの断線などによる振幅信号の喪失に起因する過振幅を防止することができる。
【0057】
そして、第1の発明又は第2の発明に係るコントローラ5を振動運搬装置1に備えることで、加速度センサ4が振動運搬装置1のケース内に収容されているような場合にも、ケースを逐一開けて目視により確認等することなく、コントローラ5により振動運搬装置1の振動を制御するための加速度センサ4の接続を自動で検出することができる。
【0058】
なお、上記実施形態において、ダミーセンサ23に図示しないバイアス抵抗(加速度センサ4と並行に接続されたバイアス抵抗11と同じ抵抗値)を並列に接続すれば、定電流パルスによって加速度センサ4に発生した電圧Vcとダミーセンサ23に発生した電圧Vc’の値はより近くなり、加速度センサ4からの出力波形をより正確に得ることができる。
【0059】
また、各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではない。例えば、上記実施例ではボウル型振動パーツフィーダを用いたが、直線的な振動を行うリニア振動フィーダにも本発明は適用可能である。また、加速度センサは圧電式に限られない。
【0060】
その他の構成も、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0061】
1…振動運搬装置
2…部品移送部
4…加速度センサ
5…制御装置(コントローラ)
6…加速度センサ接続有無検出手段
11…バイアス抵抗
12…定電流パルス発生器
16…第1比較器
17…接続端
22…定電流パルス発生器
23…ダミーセンサ(コンデンサ)
25…減算回路
26…第2比較器
30…フィードバック制御部
図1
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図8