(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6136652
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年5月31日
(54)【発明の名称】コンデンサモジュール
(51)【国際特許分類】
H01G 9/08 20060101AFI20170522BHJP
H01G 2/02 20060101ALI20170522BHJP
【FI】
H01G9/08 E
H01G1/02 Z
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-137876(P2013-137876)
(22)【出願日】2013年7月1日
(65)【公開番号】特開2015-12217(P2015-12217A)
(43)【公開日】2015年1月19日
【審査請求日】2016年6月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000228578
【氏名又は名称】日本ケミコン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083725
【弁理士】
【氏名又は名称】畝本 正一
(74)【代理人】
【識別番号】100140349
【弁理士】
【氏名又は名称】畝本 継立
(74)【代理人】
【識別番号】100153305
【弁理士】
【氏名又は名称】畝本 卓弥
(72)【発明者】
【氏名】一倉 修
【審査官】
堀 拓也
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭60−22820(JP,U)
【文献】
特開2012−138267(JP,A)
【文献】
特開2006−196277(JP,A)
【文献】
特開平11−233083(JP,A)
【文献】
再公表特許第2013/179797(JP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G 9/08
H01G 2/02
H01M 2/02
H01M 2/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコンデンサを収納する筒部を有し、該筒部が前記コンデンサの外周面に沿って形成されたケース部材を備えるコンデンサモジュールであって、
前記ケース部材が、前記コンデンサの一端側を覆う第1のケース部材と、該第1のケース部材に連結され前記コンデンサの他端側を覆う第2のケース部材とを備え、
前記第1のケース部材が、前記筒部と交差方向に立設され且つ前記筒部に跨がって成形された補強リブと、前記筒部の表面に付着した水滴を導水する通水孔とを有し、
前記第2のケース部材が前記通水孔から導水された水を排出する排水孔を有する、
ことを特徴とするコンデンサモジュール。
【請求項2】
前記通水孔は、前記補強リブに形成されまたは前記補強リブ以外に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のコンデンサモジュール。
【請求項3】
前記排水孔は、前記第2のケース部材の底面に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のコンデンサモジュール。
【請求項4】
前記第2のケース部材は、内底面に前記通水孔から導水した水を前記排水孔に導く勾配部を備えることを特徴とする請求項1または請求項3に記載のコンデンサモジュール。
【請求項5】
前記第2のケース部材は、前記筒部に跨がって前記筒部と交差方向に立設された補強リブに前記排水孔を有し、前記通水孔から導水された水が前記補強リブから前記排水孔に排出されることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のコンデンサモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケース部材内に複数のコンデンサを備えるコンデンサモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
電気エネルギを駆動や制動に用いる自動車などの機器には、電気エネルギを蓄積するために複数のコンデンサが用いられている。コンデンサは、急速充放電特性に優れ、始動や制動の迅速性が求められる自動車などの機器に適している。
【0003】
搭載機器側の始動や制動に必要な電力に対応するため、コンデンサの大容量化に対し、複数のコンデンサを用いれば、必要な容量や高圧化が可能である。複数のコンデンサの集合体であるコンデンサモジュールは、斯かる要請に応えるものである。
【0004】
このコンデンサモジュールではケース部材内に複数のコンデンサを保持させることが知られている(たとえば、特許文献1)。このコンデンサモジュールにおいて、コンデンサとケース部材の間に絶縁樹脂を充填し、コンデンサを絶縁するとともにケース部材の内部に強固に固定することが知られている(たとえば、特許文献2および特許文献3)。一方で、コンデンサモジュールについては、絶縁化とともに軽量化が要求されているが、絶縁樹脂を充填した場合、固定強度や絶縁性は高まるものの、軽量化を妨げることになる。そこで、絶縁樹脂を充填しないコンデンサモジュールも検討されている(たとえば、特許文献4)。また、複数のコンデンサを搭載するコンデンサモジュールでは、複数のコンデンサを直列接続、並列接続または直並列接続などにより連結し、所望の容量や耐電圧を実現するため、回路パターンを形成した配線基板をコンデンサモジュールに実装している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−204988号公報
【特許文献2】特開2010−87269号公報
【特許文献3】特開2007−14085号公報
【特許文献4】特開2005−94942号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
コンデンサモジュールでは複数のコンデンサがケース部材で覆われている。自動車などの搭載機器では、斯かるコンデンサモジュールが車室外に設置され、外気に晒される。このため、コンデンサモジュールに結露などにより水滴が付着したり、水分が溜まるおそれがある。ケース部材に水滴が付着しても、その水滴がコンデンサを劣化させることはない。しかし、付着した水滴がケース部材を構成する樹脂を腐食させるなどのおそれがある。
【0007】
また、樹脂を充填していないコンデンサモジュールでは、コンデンサの外表面に結露などにより付着した水滴がケース部材内に侵入して溜まり、排出されないおそれがある。
【0008】
本発明はコンデンサモジュールの課題を解決するものであり、ケース部材の排水性を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明は、複数のコンデンサを収納する筒部を有し、該筒部が前記コンデンサの外周面に沿って形成されたケース部材を備えるコンデンサモジュールであって、前記ケース部材が、前記コンデンサの一端側を覆う第1のケース部材と、該第1のケース部材に連結され前記コンデンサの他端側を覆う第2のケース部材とを備え、前記第1のケース部材が、前記筒部と交差方向に立設され且つ前記筒部に跨がって成形された補強リブと、前記筒部の表面に付着した水滴を導水する通水孔とを有し、前記第2のケース部材が前記通水孔から導水された水を排出する排水孔を有する。斯かる構成により、ケース部材の排水性が高められている。
【0010】
このコンデンサモジュールにおいて、前記通水孔は、前記補強リブに形成されまたは前記補強リブ以外に形成されてもよい。
【0011】
このコンデンサモジュールにおいて、前記排水孔は、前記第2のケース部材の底面に形成されてもよい。
【0012】
このコンデンサモジュールにおいて、前記第2のケース部材は、内底面に前記通水孔から導水した水を前記排水孔に導く勾配部を備えてもよい。
【0013】
このコンデンサモジュールにおいて、前記第2のケース部材は、前記筒部に跨がって前記筒部と交差方向に立設された補強リブに前記排水孔を有し、前記通水孔から導水された水が前記補強リブから前記排水孔に排出されてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、次のいずれかの効果が得られる。
【0015】
(1) コンデンサモジュールの外表面に付着した水滴や水を除去でき、排水性が高められる。
【0016】
(2) ケース部材内に侵入する水を排出させることができ、ケース部材に対する水の滞留を防止できる。
【0017】
(3) 水の滞留による樹脂の腐食などの劣化を防止できる。
【0018】
(4) 水の侵入阻止に要する耐水構造の軽減化に寄与し、製造コストを低減できる。
【0019】
(5) コンデンサモジュールの搭載機器の電気系統の信頼性が高められる。
【0020】
そして、本発明の他の目的、特徴および利点は、添付図面および各実施の形態を参照することにより、一層明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】一実施の形態に係るコンデンサモジュールを示す側面図である。
【
図2】コンデンサモジュールの一部を示す斜視図である。
【
図3】コンデンサモジュールのケース部材を分解して示す斜視図である。
【
図5】コンデンサモジュールのケース部材の変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、一実施の形態に係るコンデンサモジュールの一例を示している。このコンデンサモジュール2では複数のコンデンサの一例として6個のコンデンサ4がケース6に備えられている。ケース6は複数のコンデンサ4を覆うケース部材の一例であり、メインケース6−1およびボトムケース6−2に分離されている。メインケース6−1は第1のケース部材の一例であり、ボトムケース6−2は第2のケース部材の一例である。
【0023】
メインケース6−1およびボトムケース6−2はたとえば、熱硬化性樹脂で成形された成形体である。メインケース6−1およびボトムケース6ー2はコンデンサ4を収納する筒部16を有している。メインケース6−1は各コンデンサ4の端子側に設置されて端子側を含むコンデンサ4の上側に設置される。ボトムケース6−2は各コンデンサ4のボトム側に設置されてボトム側を含むコンデンサ4の下側外面部に設置される。
【0024】
メインケース6−1の上面にはコンデンサ4の端子を挿入する貫通孔が形成されており、この貫通孔から端子を突出させた状態でコンデンサ4をメインケース6−1に配置する。メインケース6−1の両端には取付部10、12が形成されている。各取付部10、12はコンデンサモジュール2を搭載機器側に固定する手段の一例である。取付部10、12には固定ねじを取り付ける貫通孔を形成してもよい。隣接するコンデンサ4は、
図1に示すように、陽極端子と陰極端子とを連結部材の一例であるバスバー8および端子固定ねじ14によって接続されている。接続形態は、並列接続、直列接続、直並列接続など、目的に応じて適宜選択すればよい。
【0025】
図2は、コンデンサモジュール2の一部を拡大して示している。メインケース6−1には各コンデンサ4の外形を覆う複数の筒部16が形成されている。各筒部16は連結リブ18、補強リブ20によって連結されている。連結リブ18は、各筒部16の幅方向に突出し、各筒部16の間を連結する。補強リブ20は、各筒部16の直径方向に突出し、各筒部16の底面側に形成されている。つまり、連結リブ18側には各筒部16の間にV字谷状の溝部22が形成され、補強リブ20は筒部16間に形成された橋絡部である。補強リブ20にはボトムケース6−2側に向かって突出する嵌合凹部24が形成されている。メインケース6−1の形状を各コンデンサ4の外形を覆う複数の筒部状にしたことによって、筒部間を樹脂で埋める形状に比べ、軽量化とともに絶縁化を実現できる。また、補強リブ20は、筒部間に樹脂がないことによるコンデンサモジュール2の強度低下を防止し、コンデンサモジュール2を補強することができる。
【0026】
メインケース6−1には筒部16と補強リブ20の境界部に通水孔36が形成されている。この通水孔36は、メインケース6−1の外表面に付着した水滴を排水するために形成されている。補強リブ20は、コンデンサモジュールの強度を向上させることを目的に形成されている。外表面に付着した水滴は溝部22を伝い、補強リブ20により塞き止められるが、通水孔36によって補強リブ20を越えて排水することができる。
【0027】
ボトムケース6−2にはメインケース6−1と同様に各コンデンサ4の外形を覆う複数の筒部26が形成されている。各筒部26は連結リブ28および補強リブ30によって連結されている。連結リブ28は、各筒部26の幅方向に突出し、各筒部26の間を連結する。補強リブ30は、各筒部26の直径方向に突出し、各筒部26の上面側に形成されている。メインケース6−1側と同様に、連結リブ28側には各筒部26の間にV字谷状の溝部32が形成され、補強リブ30は筒部26間に形成された橋絡部である。補強リブ30にはメインケース6−1側に向かう嵌入部34が形成されている。ボトムケース6−2の形状を各コンデンサ4の外形を覆う複数の筒部状にしたことによってメインケース6−1と同様に、筒部間を樹脂で埋める形状に比べ、軽量化を実現できる。また、補強リブ30は、筒部間に樹脂がないことによるコンデンサモジュール2の強度低下を防止し、コンデンサモジュール2を補強する機能を果たす。また、ボトムケース6−2の筒部26の内周面には凸部49が等間隔で形成されている。凸部49の内側で形成される直径はコンデンサ4の直径と同等もしくは小さく設定してある。そのため、ボトムケース6−2にコンデンサ4を配置したとき、コンデンサ4の底面側が固定され、コンデンサモジュール内での振動を防止し、バスバー8と端子固定ねじ14との固定部分への負荷を低減し、接続性が安定する。
【0028】
このボトムケース6−2には、底側に複数の排水孔38−2が形成されている。
【0029】
図3は、メインケース6−1からボトムケース6−2を離脱させた状態を示している。ボトムケース6−2の補強リブ30にも、既述の通水孔36と同位置に排水孔38−1が形成されている。排水孔38−1は既述の通水孔36に合致する。ボトムケース6−2にはコンデンサ4のボトム側を収容する凹部40が形成されている。ボトムケース6−2の底側に底面を形成することで、コンデンサ4の絶縁をより確実なものとすることができる。
【0030】
図4のAは、
図1のIVA −IVA 線断面を示している。ボトムケース6−2側の嵌入部34がメインケース6−1側の嵌合凹部24に挿入されて嵌合し、これにより、メインケース6−1とボトムケース6−2が合体する。
【0031】
図4のBは、
図1のIVB −IVB 線断面を示している。ボトムケース6−2には底部46の近傍に複数の排水孔38−2が形成されている。各排水孔38−2は、底部46の周縁に形成され、底部46の周辺方向への排水を可能にしている。また、コンデンサ4は凸部49によって固定されているが、凸部49が形成されていないボトムケース6−2の筒部26の内周面とコンデンサ4の表面の間には隙間が形成される。これにより、通水孔36から導水した水滴等の水分や、メインケース6−1およびボトムケース6−2とコンデンサ4の間に存在する水滴は、該隙間を通ってボトムケース6−2の底面方向に移動し、排水孔38−2から外部へ排水される。
【0032】
底部46の内面にはボトムケース6−2内に進入した水を排水孔38−2に導く導水部の一例として勾配部48が形成されている。この勾配部48は、底部46の中央を凸とした湾曲凸部の湾曲面で形成されている。
【0033】
斯かる構成によれば、ボトムケース6−2に進入した水や水滴は勾配部48の勾配に沿って排水孔38−2に導かれる。各排水孔38−2はボトムケース6−2の底部46の周縁方向に形成されているので、下側に底部46が配置されれば、コンデンサモジュール2の向きに関係なく排水孔38−2に水や水滴が導かれ排出される。コンデンサモジュール2が搭載機器から振動を受ければ、水や水滴の排水が促進される。矢印Wは水の排出および排出方向を示している。
【0034】
なお、この実施の形態では、導水部の一例として、勾配部48を例示しているが、導水部は、ケース6に侵入した水を排水孔38−2に導く機能を備えればよく、その形態は勾配部48のような傾斜面に限定されない。たとえば、底部46の内底面とコンデンサ4の底面との隙間などの空間を含んでもよい。このような空間を備えれば、水を導くことができ、既述の勾配部48が持つ傾斜角度と相まって排水機能が高められる。
【0035】
嵌合凹部24を形成する立壁部42はボトムケース6−2の補強リブ30の上面に載置され、補強リブ20と補強リブ30との間に空洞部44が形成される。この空洞部44は補強リブ20側の通水孔36で開放されるとともに、補強リブ30側の排水孔38−1で開放されている。前述のとおり、通水孔36は排水孔38−1と合致しており、空洞部44を介して、対向する位置に形成されている。このことによって、筒部16の外表面に付着した水分等は通水孔36に一度導水された後、排水孔38−1から排水することができる。コンデンサモジュール2をコンデンサ4の端子を上方にして載置した場合、溝部22に流れ込んだ水は、通水孔36を通して、メインケース6−1およびボトムケース6−2から離脱させることができる。また、空洞部44はボトムケース6−2の筒部26と連結している。そのため、コンデンサモジュールをコンデンサ4の端子を横方向もしくは斜め上方向にして載置した場合、メインケース6−1の外表面に付着した水滴は、通水孔36を通してボトムケース6−2に流れ込み、その後、排水孔38−2から排水される。
【0036】
また、排水孔をボトムケース6−2に排水孔38−1、38−2の複数箇所に形成することで、通水孔36に導水した水が多い場合においても、より確実に水を排出できる。つまり、通水孔36に導水された水は、通水孔36と対向する位置に形成した排水孔38−1から排出される経路と、空洞部44を介してボトムケース6−2に導水し、ボトムケース6−2の底面に形成された排水孔38−2から排出される経路が存在する。そのため、通水孔36から導水した水の量が多い場合や、コンデンサモジュール2の載置角度を問わず、水を排出できる。
【0037】
図4のBに示すように、勾配部48は底部46の中央を凸に形成しているので、ボトムケース6−2の大きさを変更することなく、排水機能を高めることができる。
【0039】
(1) 補強リブの配置によるコンデンサモジュール2の補強と外表面に付着した水滴などの排水が可能である。
【0040】
(2) 水の滞留によるコンデンサモジュール2の劣化などの不都合を回避できる。
【0041】
(3) ボトムケース6−2から水を排出させることができるので、ケース6の排水性が高められ、ケース6内に水や水滴が進入してもケース6内の滞留を防止できる。
【0042】
(4) 水の侵入阻止に要する耐水構造の軽減化でき、コンデンサモジュール2の製造コストを低減できる。
【0043】
(5) コンデンサモジュール2の搭載機器の電気系統の信頼性向上に寄与する。
【0045】
上記実施の形態では、勾配部48は底部46の中央部を最頂部として周囲方向に形成しているが、これに限定されない。排水孔38−2側を下流側とする勾配部であればよく、勾配部48の形態は湾曲面、平坦傾斜面、溝部などであってもよい。
【0046】
上記実施の形態では、通水孔36は筒部16と補強リブ20の境界部に形成しているが、これに限定されない。通水孔36は筒部16と補強リブ20の境界部近傍に形成してもよい。つまり、通水孔36は境界部近傍の補強リブ20や筒部16に形成してもよい。コンデンサモジュール2の外表面に付着した水滴などが溜まる位置に通水孔が形成されれば、補強リブ20に塞き止められた水がメインケース6−1の外表面に溜まることはない。また、溝部22、32に複数設けてもよい。
【0047】
上記実施の形態では、ボトムケース6−2の筒部26と補強リブ30の境界部に形成した排水孔38−1と、ボトムケース6−2の底部に形成した排水孔38−2とから、通水孔36に導水された水を排出しているが、これに限らない。たとえば、
図5に示すように、ボトムケース6−2の底面に排水孔38−2のみを形成した構成としてもよい。
図5は、ケース部材の変形例を示す断面を示している。斯かる構成では、通水孔36からケース内に導水した水は、補強リブ20および補強リブ30によって形成される空洞部44を介して、ボトムケース6−2内を通ってボトムケース6−2の底面に形成した排水孔38−2から排出させることができる。
図5において、矢印Wは水の排出および排出方向を示している。
【0048】
また、排水孔をボトムケース6−2の筒部26と補強リブ30の境界部に形成した排水孔38−1のみとしてもよい。この場合、通水孔36と排水孔38−1を開口部とする補強リブ20と補強リブ30を貫通する貫通孔を形成し、該貫通孔によって、補強リブ20により塞き止められる水を排出できる。
【0049】
上記実施の形態では、ケース部材を2つのケース部材としてメインケース6−1およびボトムケース6−2に分離しているが、第1のケース部材または第2のケース部材を複数部材で構成してもよい。
【0050】
以上説明したように、本発明の最も好ましい実施の形態などについて説明した。本発明は、上記記載に限定されるものではない。特許請求の範囲に記載され、または発明を実施するための形態に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能である。斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明によれば、コンデンサモジュールのケース部材内に侵入する水を排出させることができるので、ケース部材の排水性が高められ、ケース部材内に水が滞留することを防止でき、水の滞留による劣化などの不都合を回避できるなど、コンデンサモジュールの信頼性を高めることができ、有用である。
【符号の説明】
【0052】
2 コンデンサモジュール
4 コンデンサ
6 ケース
6−1 メインケース
6−2 ボトムケース
8 バスバー
10、12 取付部
14 端子固定ねじ
16、26 筒部
18、28 連結リブ
20、30 補強リブ
22、32 溝部
24 嵌合凹部
34 嵌入部
36 通水孔
38−1、38−2 排水孔
40 凹部
42 立壁部
44 空洞部
46 底部
48 勾配部
49 凸部