(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0023】
≪第1実施形態≫
以下、第1実施形態の一例について、図面に基づき説明する。まず、画像形成装置の全体構成及び動作を説明し、次いで、本実施形態の要部である露光装置の清掃装置の構成及び動作を説明する。なお、後述では、
図1に矢印Yで示す方向を装置高さ方向、
図1に矢印Xで示す方向の装置幅方向とする。また、装置高さ方向及び装置幅方向のそれぞれに直交する方向(適宜矢印Zで示す)を装置奥行き方向とする。
【0024】
<画像形成装置の構成>
図1は、本実施形態に係る画像形成装置10を正面側から見た全体構成を示す概略図である。この図に示される如く、画像形成装置10は、電子写真方式により媒体Pに画像を形成する画像形成部12と、媒体Pを搬送する媒体搬送部50と、画像が形成された媒体Pに対する後処理等を行う後処理部60と、を含んで構成されている。さらに、画像形成装置10は、上記各部の制御を行う制御部70を含んで構成されている。
【0025】
〔画像形成部〕
画像形成部12は、トナー画像を形成するトナー画像形成部20と、トナー画像形成部20で形成された画像を媒体Pに転写する転写装置30と、媒体Pに転写されたトナー画像を媒体P定着する定着装置40と、を含んで構成されている。
【0026】
〈トナー画像形成部〉
トナー画像形成部20は、感光体ドラム21と、帯電器22と、露光装置23と、現像装置24と、を含んで構成されている。トナー画像形成部20は、色ごとにトナー画像を形成するように複数備えられている。本実施形態では、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の計4色のトナー画像形成部20が設けられている。
図1に示すY、M、C、Kは、上記各色を示している。転写装置30は、4色分のトナー画像が重畳して1次転写された転写ベルト31から、転写ニップNTにおいて媒体Pに4色分のトナー画像を転写するようになっている。ここで、感光体ドラム21は、被光照射体の一例である。露光装置23は、光照射装置の一例である。
【0027】
(感光体ドラム)
感光体ドラム21は、円筒状に形成され、駆動手段(図示省略)によって自軸周りに回転駆動されるようになっている。感光体ドラム21の外周面には、一例として負の帯電極性を呈する感光層が形成されている。なお、感光体ドラム21の外周面にオーバーコート層を形成した構成としてもよい。各色の感光体ドラム21は、正面視で装置幅方向に沿って直線状に並べて配置されている。
【0028】
(帯電器)
帯電器22は、感光体ドラム21の外周面(感光層)を負極性に帯電させるようになっている。本実施形態では、帯電器22は、コロナ放電方式(非接触帯電方式)のスコロトロン帯電器とされている。
【0029】
(露光装置)
露光装置23は、感光体ドラム21の外周面に静電潜像を形成するようになっている。具体的には、制御部70を構成する画像信号処理部から受け取った画像データに応じて、変調した露光光Lを帯電器22により帯電された感光体ドラム21の外周面に照射するようになっている。そして、露光光Lの照射により、感光体ドラム21の外周面には静電潜像が形成されるようになっている。本実施形態では、露光装置23は、光源26(図示省略)から照射された光ビームをポリゴンミラーやFθレンズを含む光走査手段(光学系)で走査しつつ感光体ドラム21の外周面を露光する構成とされている。ここで、露光光Lは、光の一例である。
【0030】
露光装置23は、露光装置23ごとに収容体110に収容されている。また、各収容体110は、支持フレーム190に支持されている(
図2参照)。
【0031】
各収容体110の装置高さ方向下側には、長尺状の透過ガラス112が、その長尺方向が装置奥行き方向に沿うように、固定されている。透過ガラス112における装置奥行き方向一端から他端までの距離L2は、収容体110における装置奥行き方向一端から他端までの距離L3よりも短くされており、透過ガラス112の両端部の位置は、装置奥行き方向から見て、収容体110の両端部より内側となっている。透過ガラス112の装置奥行き方向手前側端部の位置は、収容体110の装置奥行き方向手前側端部から距離L4とされている(
図4(A)参照)。ここで、長尺状とは、棒、4つの側面が長方形で構成される直方体その他の形状であって、一方向における側面の長さが他の側面よりも長い形状をいう。この場合、一方向における両端部が曲面状で構成されていてもよい。
【0032】
また、透過ガラス112は、光源26から出射された露光光Lの光路の一部に配置されている。そして、透過ガラス112は、感光体ドラム21の外周面に照射される露光光Lを透過するようになっている。装置奥行き方向において、露光光Lが透過ガラス112を透過する領域CLの一端から他端までの距離L0は、距離L2よりも短くされている(
図4(A)参照)。ここで、透過ガラス112は、長尺状の光透過部の一例である。また、領域CLは、清掃領域の一例である。
【0033】
(清掃装置)
清掃装置140は、露光装置23の透過ガラス112における感光体ドラム21側の表面112A(
図4(A)参照)に付着したトナーT、埃、紙粉等の付着物を清掃するようになっている。なお、清掃装置140は、本実施形態の要部のため、後述する。なお、透過ガラス112の表面112Aは、平面とされている。
【0034】
(現像装置)
現像装置24は、トナーT及びキャリアCAを含む現像剤Gで感光体ドラム21の外周面に形成された静電潜像をトナー画像として現像することで、感光体ドラム21の外周面にトナー画像を形成するようになっている。現像装置24は、トナーTを補充するためのトナーカートリッジ39が補充路(図示省略)を通じてつながっている。各色のトナーカートリッジ39は、感光体ドラム21、露光装置23に対する上方に正面視で装置幅方向に並べて配置されており、個別に交換可能とされている。
【0035】
(転写装置)
転写装置30は、各色の感光体ドラム21のトナー画像を転写ベルト31に重畳して1次転写し、重畳されたトナー画像を媒体Pに2次転写するようになっている。
【0036】
具体的には、転写ベルト31は、無端状を成し、複数のロール32に巻き掛けられて姿勢が決められている。本実施形態では、転写ベルト31は、正面視で装置幅方向に長い逆鈍角三角形状の姿勢とされている。複数のロール32のうちロール32Dは、モーター(図示省略)の動力により転写ベルト31を矢印A方向に周回させる駆動ロールとして機能する。また、複数のロール32のうちロール32Tは、転写ベルト31に張力を付与する張力付与ロールとして機能する。複数のロール32のうちロール32Bは、2次転写ロール34の対向ロールとして機能する。
【0037】
転写ベルト31は、前述した姿勢で装置幅方向に延びた上辺部において、各色の感光体ドラム21に下方から接触しており、各感光体ドラム21の画像が1次転写ロール33からの転写バイアス電圧の印加を受けて転写されるようになっている。また、転写ベルト31は、鈍角を成す下端側の頂部において2次転写ロール34が接触されて転写ニップNTを形成しており、2次転写部34からの転写バイアス電圧の印加を受けて該転写ニップNTを通過する媒体Pにトナー画像を転写する。
【0038】
(定着装置)
定着装置40は、転写装置30においてトナー画像が転写された媒体Pに、トナー画像を定着させるようになっている。本実施形態では、定着装置40は、定着ニップNFにおいてトナー画像を加熱しつつ加圧することで、トナー画像を媒体Pに定着する構成とされている。
【0039】
〔媒体搬送部〕
媒体搬送部50は、画像形成部12に媒体Pを供給する媒体供給部52と、画像が形成された媒体Pを排出する媒体排出部54とを含んで構成されている。また、媒体搬送部50は、媒体Pの両面に画像を形成させる際に用いられる媒体戻し部56と、転写装置30から定着装置40まで媒体Pを搬送する中間搬送部58とを含んで構成されている。
【0040】
媒体供給部52は、画像形成部12の転写ニップNTに対し、転写タイミングに合わせて媒体Pを1枚ずつ供給するようになっている。媒体排出部54は、定着装置40にてトナー画像が定着された画像が形成された媒体Pを装置外に排出するようになっている。媒体戻し部56は、一方の面にトナー画像が定着された媒体Pの他方の面に画像を形成する際に、媒体Pを表裏反転して画像形成部12(媒体供給部52)に戻すようになっている。
【0041】
〔後処理部〕
後処理部60は、画像形成部12で画像が形成された媒体Pを冷却する媒体冷却部62と、媒体Pの湾曲を矯正する矯正装置64と、媒体Pに形成された画像を検査する画像検査部66とを含んで構成されている。後処理部60を構成する各部は、媒体搬送部50の媒体排出部54中に配置されている。
【0042】
後処理部60を構成する媒体冷却部62、矯正装置64及び画像検査部66は、媒体排出部54における媒体Pの排出方向の上流側からこの順で配置されており、媒体排出部54による排出過程の媒体Pに対して上記後処理を施すようになっている。
【0043】
<画像形成装置の動作>
画像形成装置10による媒体Pへの画像形成工程及びその後処理工程の概要を説明する。
【0044】
画像形成指令を受けた制御部70は、トナー画像形成部20、転写装置30及び定着装置40を作動させる。これにより、感光体ドラム21及び現像ロール242が回転され、転写ベルト31が周回される。また、加圧ロール42が回転されるとともに、定着ベルト411が周回される。さらに、これらの動作に同期して、制御部70は、媒体搬送部50等を作動させる。
【0045】
これにより、各色の感光体ドラム21は、回転されながら帯電器22によって帯電される。また、制御部70は、画像信号処理部で画像処理が施された画像データを、各露光装置23に送る。各露光装置23は、画像データに応じて各露光光Lを出射して、帯電した各感光体ドラム21に露光する。すると、各感光体ドラム21の外周面に静電潜像が形成される。各感光体ドラム21に形成された静電潜像は、現像装置24から供給される現像剤Gによってトナー画像として現像される。これにより、各色の感光体ドラム21には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のうち、対応する色のトナー画像が形成される。
【0046】
各色の感光体ドラム21に形成された各色のトナー画像は、各色の1次転写ロール33を通じた転写バイアス電圧の印加によって、周回する転写ベルト31に順次転写される。これにより、転写ベルト31には、4色分のトナー画像が重畳されたトナー画像が形成される。このトナー画像は、転写ベルト31の周回によって転写ニップNTに搬送される。この転写ニップNTには、このトナー画像の搬送にタイミングを合わせるように、媒体供給部52により媒体Pが供給される。この転写ニップNTにおいて転写バイアス電圧が印加されることで、転写ベルト31からトナー画像が媒体Pに転写される。
【0047】
トナー画像が転写された媒体Pは、中間搬送部58によって転写装置30の転写ニップNTから定着装置40の定着ニップNFに向けて、負圧吸引されながら搬送される。定着装置40は、定着ニップNFを通過する媒体Pに熱及び加圧力(定着エネルギー)を付与する。これにより、媒体Pに転写されたトナー画像が媒体Pに定着される。
【0048】
定着装置40から排出された媒体Pは、媒体排出部54によって装置外の排出媒体受け部に向けて搬送されつつ、後処理部60により処理が施される。定着工程により加熱された媒体Pは、まず媒体冷却部62において冷却される。次いで、媒体Pは、矯正装置64によって湾曲が矯正される。さらに、媒体Pに定着されたトナー画像は、画像検査部66によって、トナー濃度欠陥、画像欠陥、画像位置欠陥等の有無や程度が検出される。そして、媒体Pは、媒体排出部54に排出される。
【0049】
一方、媒体Pの画像が形成されていない非画像面に画像を形成させる場合(両面印刷の場合)、制御部70は、画像検査部66の通過後の媒体Pの搬送経路を、媒体排出部54から媒体戻し部56に切り替える。これにより媒体Pは、表裏反転されて媒体供給部52に送り込まれる。この媒体Pの裏面には、前述した表面への画像形成工程と同様の工程で画像が形成(定着)される。媒体Pは、前述した表面への画像形成後の後処理工程と同様の工程を経て、媒体排出部54によって装置外に排出される。
【0050】
<要部の構成>
次に、本実施形態の要部である清掃装置140を、図面に基づいて説明する。清掃装置140は、
図4(A)に示されるように、清掃部材150と、傾斜体180と、を含んで構成されている。清掃部材150は、長尺状の部材であって、その長尺方向が透過ガラス112の長尺方向に沿うように配置されている。ここで、傾斜体180は、壁部の一例である。
【0051】
〔清掃部材〕
清掃部材150は、
図3(A)及び(B)に示されるように、長尺状且つ扁平(板状)の支持部152と、把持部154と、清掃部156と、を備えている。把持部154は、支持部152の一端側に、該支持部152と一体的に形成されている。
【0052】
支持部152は、
図3(C)に示されるように、装置奥行き方向から見ると、H字状とされている。そして、支持部152は、薄板状の本体部1521と、本体部1521の装置幅方向両端において、本体部1521を挟むように対向して設けられた側壁部1522と、が一体的に形成されている。なお、本体部1521は、装置高さ方向において、2つの側壁部1522の中央部に形成されている。
【0053】
図4(A)に示されるように、清掃部材150の長尺方向における支持部152の把持部154側端部から清掃部156の支持部152側の反対側端部までの距離L1は、装置奥行き方向における収容体110の一端から他端までの距離L3よりも、長くされている。ここで、清掃部156は、支持部152の先端側の一例である。
【0054】
清掃部156は、
図3(B)に示されるように、板状のベース部158と、弾性部160と、拭取部162と、を備えている。なお、支持部152、把持部154及びベース部158は、樹脂製の一体成形品とされている。
【0055】
ベース部158は、
図3(B)に示されるように、長方形状の基部166と、2つの突出部168と、長方形状の固定部164と、を有している。2つの突出部168は、基部166から清掃部材150の短手方向両側に突出して、基部166と一体的に形成されている。固定部164は、基部166の上側(装置高さ方向上側)に突出して、基部166と一体的に形成されている。なお、2つの突出部168は、清掃部156により清掃動作が行われる場合、後述する収容体110に設けられたリブ124とリブ132との間に、挿入されるようになっている。
【0056】
弾性部160は、スポンジ材(弾性材)で形成された直方体状の部材とされている。また、弾性部160は、装置高さ方向から見ると、長方形状に形成され、固定部164における装置高さ方向上側の面に固定されている。
【0057】
拭取部162は、不織布で形成された直方体状の部材とされている。また、拭取部162は、装置高さ方向から見ると、長方形状に形成され、弾性部160における装置高さ方向上側の面に固定されている。
【0058】
そして、清掃部156の装置高さ方向下側の面(基部166における透過ガラス112の反対側の面)から上側の面(拭取部162における透過ガラス112に接触する側の面)までの距離は、距離H1とされている。
【0059】
清掃部材150は、清掃部156を透過ガラス112の表面112Aに接触させた状態で、支持部152が透過ガラス112の長尺方向に移動することで、透過ガラス112の表面112Aを清掃するようになっている(
図4(A)参照)。清掃部材150の2つの突出部168は、収容体110における、装置奥行き方向手前側に設けられたリブ124と132との間に挿入され、収容部110の装置高さ方向下側に設けられたガイドレール(図示省略)に沿って移動可能とされている。また、上記ガイドレールは、装置奥行き方向に沿って直線状に設けられている。ここで、清掃部材150における透明ガラス112の表面112A側は、清掃部156が清掃を行う側を示す。
【0060】
2つの突出部168が上記ガイドレールに沿って移動する場合、支持部152は、ベース部158及び透過ガラス112の表面112A(又は拭取部162)の間で弾性部160が圧縮された状態で、移動するようになっている(図示省略)。この場合、清掃部156の装置高さ方向下側の面から上側の面までの距離は、距離H2とされている(
図4(A)参照)。
【0061】
〔傾斜体〕
次に、傾斜体180について、
図4に基づいて説明する。この図に示される如く、傾斜体180は、画像形成装置10を構成する筐体114に固定されている。また、傾斜体180は、収容体110に固定された透過ガラス112よりも装置奥行き方向奥側に配置されている。さらに、傾斜体180には、清掃部156が装置奥行き方向奥側に向かうに従い、清掃部156を透過ガラス112側に案内する傾斜面184が形成されている。本実施形態では、傾斜面184は、装置奥行き方向に対する角度θが30°の平面とされている。換言すれば、傾斜体180は、透過ガラス112の長尺方向一端側に設けられている。そして、傾斜体180の傾斜面184は、透過ガラス112の長手方向に交差する方向に沿って形成さえている。なお、傾斜体180は、金属製とされている。
【0062】
また、傾斜体180における装置奥行き方向手前側の先端部分と、透過ガラス112の表面112Aとの、装置高さ方向における距離は、距離H3とされている。そして、距離H3は、距離H2よりも長くされている(
図4(A)参照)。
【0063】
〔清掃部材と傾斜体との関係〕
清掃動作を行う場合、清掃部156は、収容体110に設けられたリブ124とリブ132との間に挿入されるようになっている(
図2(A)及び(B)参照)。そして、清掃部156は、リブ124、132の装置奥行き方向奥側で、リブ124、132に連結された上記ガイドレールによって装置幅方向及び装置高さ方向の位置を規制されて、装置奥行き方向奥側に案内されるようになっている。この間、拭取部162は、弾性部160が圧縮されていることにより、透過ガラス112の表面112Aを押圧した状態で移動するようになっている(
図4(A)参照)。さらに、清掃部156(拭取部162)が、清掃領域CLの装置奥行き方向奥側端部を通過すると、清掃部156(基部166)における透過ガラス112の反対側の部位は、傾斜面184に乗り上げるようになっている。そして、傾斜面184に突き当った清掃部156(清掃部156の先端)を、さらに、装置奥行き方向奥側に押圧して挿入すると、清掃部156(清掃部156の先端)は、傾斜面184に沿って装置奥行き方向奥側に移動しながら、透過ガラス112側に案内されるようになっている。
【0064】
〔被清掃装置〕
また、前述した透過ガラス112と傾斜体180との組み合わせは、被清掃装置の一例である。
【0065】
<第1実施形態の作用>
以下、本実施形態の作用について、説明する。
【0066】
まず、本実施形態の清掃装置140の比較例として、比較例1(図示省略)を想定する。比較例1は、本実施形態の清掃装置140に対し、傾斜体180の替わりに、装置高さ方向に沿った壁部とされている点で異なる。
【0067】
比較例1の場合、清掃部材の清掃部が、上記壁部に突き当り、更に、清掃部の支持部が装置奥行き方向奥側に押圧された場合、支持部が装置高さ方向のいずれか一方に凸に曲がる。そして、透過ガラス側に凸に曲がった支持部の一部は、透過ガラスの表面に接触して、透過ガラスの表面に傷をつける場合がある。
【0068】
これにより、透過ガラスの表面に傷がつくと、画像形成動作時において、透過ガラスを透過する露光光Lの一部がこの傷によって散乱し、露光不良が生じ得る。
【0069】
これに対して、本実施形態の清掃装置140について、
図4(A)〜(C)に基づいて説明する。清掃動作時に、収容体110のリブ124とリブ132との間に挿入された2つの突出部168は、上記ガイドレールに沿って装置奥行き方向奥側に案内される(
図4(A)参照)。さらに、清掃部156(拭取部162)が、清掃領域CLの装置奥行き方向奥側端部を通過すると、清掃部156(基部166)における透過ガラス112の反対側の部位は、傾斜体180の傾斜面184に乗り上げる(
図4(B)参照)。そして、清掃部156は、傾斜面184に沿って装置奥行き方向奥側に移動しながら、透過ガラス112側に案内される(
図4(C)参照)。その結果、支持部152は、透過ガラス112側の反対側(感光体ドラム21側)に凸に曲がる。
【0070】
したがって、本実施形態の清掃装置140では、清掃部材150の先端が傾斜体180に突き当って押圧された場合に、支持部152が透過ガラス112側に曲がることを抑制することができる。そのため、本実施形態の清掃装置140では、比較例1の場合に比べて、透過ガラス112の表面112Aの清掃に伴う傷がつくことが抑制される。
【0071】
また、本実施形態の清掃装置140を備えた画像形成装置10では、透過ガラス112の表面112Aの清掃に伴う傷がつくことが抑制されるため、露光光Lが、散乱され難い。
【0072】
したがって、本実施形態の画像形成装置10によれば、比較例1の清掃装置を備えた画像形成装置の場合に比べて、透過ガラス112の表面112Aの清掃に伴う傷に起因する画像形成不良が抑制される。
【0073】
≪第1実施形態の変形例(変形例1〜3)≫
次に、第1実施形態の変形例について、図面に基づいて説明する。以下、主に、前述の実施形態と異なる部分を説明する。なお、以下において、前述の実施形態で用いた部品等を用いる場合、その部品等の符号をそのまま用いて説明する。
【0074】
<変形例1の構成>
変形例1では、
図5に示されるように、清掃装置140は、LEDヘッド100のレンズアレイ102の光照射面102Aを清掃するようになっている。LEDヘッド100は、露光光Lを出射する複数のLED素子(図示省略)を有する。この場合、清掃部材150の支持部152は、清掃部156を、レンズアレイ102の光照射面102Aに接触させて支持するようになっている。そして、支持部152は、光照射面102Aの長尺方向(
図5のZ方向)に移動するようになっている。ここで、前述のLED素子は、光源の一例である。レンズアレイ102は、光透過部の一例である。光照射面102Aは、光透過部の表面の一例である。LEDヘッド100は、光照射装置の一例である。
【0075】
<変形例1の作用>
変形例1の作用は、前述の実施形態の場合と同様である。
【0076】
<変形例2の構成>
変形例2では、
図6に示されるように、清掃装置140は、スキャナー装置104に設けられた光透過部106の導光板108の光透過面108Aを清掃するようになっている。また、この変形例の画像形成装置10はスキャナー装置104を備えている。画像形成装置10では、スキャナー装置104は、読み取った情報に基づいて、制御部70に画像形成指令を送るようになっている。光透過部106は、光を出射するLED素子26Aを透過するようになっている。LED素子26Aから出射されて、導光板108を透過した光は、読取原稿Qに照射されるようになっている。この場合、清掃部材150の支持部152は、清掃部156を、光透過面108Aに接触させて支持するようになっている。そして、支持部152は、光透過面108Aの長尺方向(
図6のZ方向)に移動するようになっている。ここで、LED素子26Aは、光源の一例である。導光板108は、光透過部の一例である。光透過面108Aは、光透過部の表面の一例である。読取原稿Qは、被光照射体の一例である。スキャナー装置104又は光透過部106は、光照射装置の一例である。
【0077】
<変形例2の作用>
変形例2によれば、読取原稿Qに照射される光が、導光板108の光透過面108Aの傷によって散乱され難い。
【0078】
したがって、変形例2のスキャナー装置104によれば、比較例1の清掃装置を備えたスキャナー装置の場合に比べて、導光板108の光透過面108Aの傷に起因する原稿読取不良が抑制される。また、変形例2のスキャナー装置104を備えた画像形成装置10では、このように原稿読取不良に起因する画像形成指令に基づく画像形成不良が抑制される。
その他の作用は、前述の実施形態の場合と同様である。
【0079】
<変形例3の構成>
変形例3では、清掃装置140は、画像検査部66(
図1及び
図7参照)に設けられた2つの導光部材120の光透過面120Aを清掃するようになっている。導光部材120は、光を出射するLED素子26Aを透過するようになっている。LED素子26Aから出射されて、それぞれの導光部材120を透過した光は、画像が形成された媒体Pが通過する通過位置Dで結像して、照射されるようになっている。通過位置Dで反射した光は、画像検査部66に設けられた結像光学系126によってCCDセンサ122に結像されるようになっている。
【0080】
CCDセンサ122は、媒体Pにおける画像の位置毎の画像濃度に応じた信号を、制御部70に出力するようになっている。制御部70は、CCDセンサ122から出力された信号に基づいて、画像濃度、画像形成位置等を補正するよう、上記各部を制御するようになっている。
【0081】
清掃部材150の支持部152は、清掃部156を、光透過面120Aに接触させて支持するようになっている。そして、支持部152は、光透過面120Aの長尺方向(
図7のZ方向)に移動するようになっている。ここで、導光部材120は、光透過部の一例である。光透過面108Aは、光透過部の表面の一例である。画像検査部66は、光照射装置の一例である。
【0082】
<変形例3の作用>
ここで、導光部材120の清掃装置として、比較例1の清掃装置を備えた場合を想定する。この場合、導光部材120の光透過面120Aに傷がつくと、媒体Pに照射される光は、装置奥行き方向において、不均一に照射され得る。そうすると、結像光学系126によってCCDセンサ122に結像される光は、媒体Pにおける画像の位置毎の画像濃度を反映したものにならない。そして、CCDセンサ122から出力された信号に基づいて、制御部70は、上記各部を制御するため、不適切な画像濃度、画像形成位置等に補正される虞がある。
【0083】
これに対し、変形例3の画像検査部66を備えた画像形成装置10では、導光部材120の光透過面120Aの清掃に伴う傷がつくことが抑制されるため、CCDセンサ122から出力される信号に基づく制御は、不適切に補正されることが抑制される。
【0084】
したがって、変形例3の画像検査部66を備えた画像形成装置10によれば、比較例1の清掃装置を画像検査部に備えた画像形成装置の場合に比べて、導光部材120の光透過面120Aの清掃に伴う傷に起因する画像形成不良が抑制される。
変形例3の作用は、前述の実施形態の場合と同様である。
【0085】
≪第2実施形態≫
<第2実施形態の構成>
次に、第2実施形態の清掃装置140Aの構成について、
図8に基づいて説明する。以下、主に、前述の実施形態と異なる部分を説明する。なお、以下において、前述の実施形態で用いた部品等を用いる場合、その部品等の符号をそのまま用いて説明する。
【0086】
清掃装置140Aを構成する清掃部材150Aの支持部152は、清掃部156Aの基部166の装置高さ方向下側の面の一部と、支持部152における装置高さ方向上側であって、装置奥行き方向奥側の端部が一体となるように成形されている(
図8(A)参照)。また、清掃装置140Aは、装置高さ方向に沿った板状部186を有している。ここで、板状部186は、壁部の一例である。
【0087】
なお、清掃部材150Aの清掃部156は、支持部152の先端側、且つ、支持部152の中立軸(
図8(A)の一点鎖線)よりも透過ガラス112側となるように、支持部152に一体成形されている。そして、清掃部156は、清掃領域CLを通過すると、板状部186に突き当たるようになっている。ここで、清掃部156は、板状部186に突き当たる突起部の一例である。
【0088】
なお、支持部152の中立軸(
図8(A)〜(C)の一点鎖線)とは、支持部152に装置奥行き方向における曲げモーメントが生じた場合、支持部152が、この曲げモーメントに対して、圧縮応力も引張応力も(負荷を)受けない部位を結んだ線(面)をいう。
【0089】
<第2実施形態の作用>
次に、本実施形態の清掃装置140Aの作用について、
図8に基づいて説明する。清掃部156(拭取部162)が、清掃領域CLを通過すると、清掃部156(基部166)における装置奥行き方向奥側の部位は、板状部186に突き当る(
図8(B)参照)。そして、板状部186に突き当った清掃部156が装置奥行き方向奥側に押圧されると、清掃部156が支持部152の中立軸よりも透過ガラス112側で押圧されて支持部152に曲げモーメントを発生させる。これにより、支持部152Aは、透過ガラス112側の反対側に凸となるように曲がる(
図8(C)参照)。
【0090】
したがって、本実施形態の清掃装置140では、清掃部材150Aの先端が板状部186に突き当って押圧された場合に、支持部152が透過ガラス112側に曲がることを抑制することができる。そのため、本実施形態の清掃装置140Aでは、比較例1の場合に比べて、透過ガラス112の表面112Aの清掃に伴う傷がつくことが抑制される。
その他の作用は、前述の実施形態の場合と同様である。
【0091】
≪第2実施形態の変形例≫
<第2実施形態の変形例の構成>
次に、第2実施形態の変形例の清掃装置140Bについて、
図9に基づいて説明する。以下、主に、前述の実施形態(変形例を含む)と異なる部分を説明する。なお、以下において、前述の実施形態で用いた部品等を用いる場合、その部品等の符号をそのまま用いて説明する。
【0092】
清掃装置140Bを構成する清掃部材150Bの清掃部156Bには、後述するベース部158Bが支持部152に一体成形されている。ベース部158Bは、透過ガラス112側と反対側に、ベース部158Bが装置奥行き方向奥側に向かうに従い、装置高さ方向の透過ガラス112の表面112Aとの距離が短くなるように傾斜面が形成されている。つまり、ベース部158Bの先端部(装置奥行き方向奥側の部位)は、支持部152の先端側、且つ、支持部152の中立軸(
図9の一点鎖線)よりも透過ガラス112側に形成されている。そして、清掃動作時に、清掃部材150Bの清掃部156Bが、清掃領域CLの装置奥行き方向奥側端部を通過すると、ベース部158Bの先端部が板状部186に突き当たるようになっている。ここで、清掃部156B(ベース部158B)は、突起部の一例である。換言すれば、ベース部158Bは、清掃部158Bの一部である。
【0093】
<第2実施形態の変形例の作用>
本変形例の作用は、前述の実施形態の場合と同様である。
【0094】
≪第3実施形態≫
<第3実施形態の構成>
次に、第3実施形態について、
図10に基づいて説明する。以下、主に、前述の実施形態(変形例を含む)と異なる部分を説明する。なお、以下において、前述の実施形態で用いた部品等を用いる場合、その部品等の符号をそのまま用いて説明する。
【0095】
本実施形態の清掃装置140Cでは、清掃部材150Cにおける支持部152Cの透過ガラス112側に、清掃部材150Cの長手方向(清掃部材150Cの軸方向)に沿った複数の切れ目部152C1が形成されている。切れ目部152C1は、清掃部材150Cを装置幅方向側から見ると、透過ガラス112の側に向けてV字状に開くように複数形成されている。換言すれば、支持部152Cは、透過ガラス112側の密度が、透過ガラス112の反対側の密度よりも低くなっている。ここで、切れ目部152C1は、窪みの一例である。
【0096】
清掃動作時に、清掃部156(ベース部158)が清掃領域CLの装置奥行き方向奥側端部を通過して板状部186に突き当たり更に押圧されると、支持部152Cには、圧縮応力が発生する。この場合、支持部152Cの透過ガラス112側に形成された各V字状の切れ目部152C1は、それぞれ閉じるように変形するようになっている。つまり、支持部152Cは、透過ガラス112側の反対側に凸となるように変形するようになっている。なお、支持部152Cでは、透過ガラス112側の反対側の部位は、支持部152Cの透過ガラス112側の部位よりも、曲げ剛性が大とされている。
【0097】
<第3実施形態の作用>
支持部152Cに圧縮応力が発生すると、支持部152Cの透過ガラス112側に形成された各V字状の切れ目部152C1は、それぞれ閉じるように変形される。その結果、支持部152Cは、透過ガラス112側の反対側に凸となるように曲がる。
本実施形態の作用は、前述の実施形態の場合と同様である。
【0098】
≪第4実施形態≫
<第4実施形態の構成>
次に、第4実施形態について、
図11に基づいて説明する。以下、主に、前述の実施形態(変形例を含む)と異なる部分を説明する。なお、以下において、前述の実施形態で用いた部品等を用いる場合、その部品等の符号をそのまま用いて説明する。
【0099】
本実施形態の清掃装置140Dの支持部152Dは、透過ガラス112側に第1支持部152D1と、透過ガラス112側の反対側に第2支持部152D2と、を貼り合わせて形成されている。第1支持部152D1は、第2支持部152D2よりも弾性率の低い材料とされている。つまり、支持部152Dは、第1支持部152D1よりも透過ガラス112側の反対側にある第2支持部152D2の曲げ剛性が大とされている。
【0100】
清掃動作時に、清掃部156(ベース部158)が清掃領域CLの装置奥行き方向奥側端部を通過して板状部186に突き当たり更に押圧されると、支持部152Dには、圧縮応力が発生する。このため、支持部152Dは、透過ガラス112側の反対側に凸に曲がるようになっている。
【0101】
<第4実施形態の作用>
本実施形態の作用は、前述の実施形態の場合と同様である。
【0102】
≪第4実施形態の変形例≫
<第4実施形態の変形例の構成>
次に、第4実施形態の変形例について、
図12に基づいて説明する。以下、主に、前述の実施形態(変形例を含む)と異なる部分を説明する。なお、以下において、前述の実施形態で用いた部品等を用いる場合、その部品等の符号をそのまま用いて説明する。
【0103】
本実施形態の清掃装置140Eの支持部152Eは、装置奥行き方向から見ると、U
字状に形成されている。そして、2つの側壁部152E2は、装置奥行き方向から見て、支持部152Eを構成する本体部152E1の中心軸(
図12(B)の一点鎖線)に対して、透過ガラス112側と反対側に形成されている。
【0104】
清掃動作時に、清掃部156(ベース部158)が清掃領域CLの装置奥行き方向奥側端部を通過して板状部186に突き当たり更に押圧されると、側壁部152E2は、本体部152E1の補強部材として機能するようになっている。これにより、支持部152Eは、透過ガラス112側の反対側に凸となるように曲がるようになっている。つまり、支持部152Eは、前記中心線(
図12(B)参照)よりも透過ガラス112側の反対側にある部位の曲げ剛性が大とされている。
【0105】
<第4実施形態の変形例の作用>
本実施形態の作用は、前述の実施形態の場合と同様である。
【0106】
≪参考例≫
次に、参考例について、
図13に基づいて説明する。後述する参考例に係る清掃装置140Fは、前述した実施形態と同様、支持部152Fを透過ガラス112の表面112Aに接触させないようにして、表面112Aに傷が発生しないようする点(目的)では共通する。
【0107】
しかしながら、上記目的を達成するための具体的な構成が異なる。以下、清掃装置140Fについて、主に、前述の実施形態(変形例を含む)と異なる部分を説明する。なお、以下において、前述の実施形態で用いた部品等を用いる場合、その部品等の符号をそのまま用いて説明する。
【0108】
<参考例の構成>
清掃装置140Fは、後述する清掃部材150Fを含んで構成されている。また、前述の実施形態(変形例を含む)のように、傾斜体180及び板状部186のいずれも含まない構成とされている(
図13(A)参照)。
【0109】
清掃部材150Fは、清掃部材150Fの長尺方向における支持部152Fと清掃部156の支持部152側の反対側端部までの距離がL5とされている。距離L5は、装置奥行き方向における、収容体110の装置奥行き方向手前側端部から透過ガラス112の装置奥行き方向奥側端部までの長さ(長さL4+L2)よりも、短くされている(
図13(B)及び(C)参照)。これにより、清掃動作時において、把持部154が収容部110の装置手前側の側壁(符号省略)に突き当るため、清掃部156は、後述する筐体182に突き当たらないようになっている。ここで、清掃部156は、支持部152の先端側の一例である。
【0110】
また、距離L5は、装置奥行き方向における収容体110の距離L3よりも、短くされている(
図13(B)及び(C)参照)。なお、収容体110の装置奥行き方向奥側端部は、画像形成装置を構成する筐体182に固定されている(
図13(A)参照)。また、筐体182は、装置高さ方向に沿った板状とされている(
図13(A)参照)。つまり、清掃動作時において、清掃部156が移動する方向の延長線上には、収容部110の装置奥行き方向手前側端部から、距離L3の位置に、筐体182が配置されている(
図13(A)参照)。
【0111】
把持部154には、
図13(A)に示されるように、段差面154Aが形成されている。そして、段差面154Fは、装置奥行き方向から見ると、収容体110の装置奥行き方向手前側の部位に干渉するようになっている。このため、支持部152Fが装置奥行き方向奥側に移動すると、段差面154Fは、収容部110の装置手前側の側壁に突き当たるようになっている。
【0112】
なお、前述では、本参考例において、把持部154が収容部110の装置手前側の側壁に突き当るため、清掃部156は、筐体182に突き当たらないとして説明した。しかしながら、筐体182の装置奥行き方向手前側に画像形成装置10を構成する部材等がある場合、この部材等に突き当らないようにすればよい。
【0113】
<参考例の作用>
まず、本参考例の清掃装置140Dの比較例として、比較例2(図示省略)を想定する。比較例3は、清掃部材の長尺方向における支持部と清掃部の支持部側の反対側端部までの距離L7とされており、距離L7は、距離L3よりも長い点で異なる。
【0114】
比較例3の場合、清掃部材の清掃部が、筐体に突き当り、更に、清掃部材が装置奥行き方向奥側に押圧された場合、清掃部材の支持部に圧縮応力が作用し、支持部が装置高さ方向のいずれか一方に凸に弾性変形する。そして、支持部が透過ガラス側に弾性変形した場合、支持部の一部は、透過ガラスの表面に接触して、透過ガラスの表面には傷が発生する。
【0115】
これにより、透過ガラスの表面に傷がつくと、画像形成動作時において、透過ガラスを透過する露光光Lの一部がこの傷によって散乱し、露光不良が生じ得る。
【0116】
これに対して、本参考例の清掃装置140Fについて、
図13(A)〜(C)に基づいて説明する。清掃部156(拭取部162)が、清掃領域CLの装置奥行き方向奥側端部を通過し(
図13(B)参照)、更に、装置奥行き方向奥側に移動されると、段差面154Fが、収容部110の装置奥行き方向手前側の側壁に突き当たる。そのため、清掃部156は、これ以上、装置奥行き方向奥側に移動できない。
【0117】
つまり、清掃装置140Fでは、清掃部156が清掃領域CLを通過した後、支持部152Fは、比較例3の場合と異なり、装置奥行き方向において押圧された状態で保持されることはない。そうすると、清掃装置140Dは、比較例3のように、支持部の一部が透過ガラスの表面に接触して、透過ガラスの表面に傷を発生させ難い。
【0118】
したがって、参考例の清掃装置140Fでは、比較例2の場合に比べて、透過ガラス112の表面112Aの傷がつくことが抑制される。
【0119】
その他の作用は、前述の実施形態の場合と同様である。
【0120】
なお、距離L5が、距離L3よりも長くされている場合、筐体182における清掃部156が移動する方向の延長線上の部位に、清掃部156が突き当たらない構成にしてもよい。すなわち、筐体182における清掃部156が移動する方向の延長線上の部位に、清掃部156が入り込むことができる穴部(図示省略)を設ければよい。
【0121】
以上のとおり、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能である。
【0122】
例えば、前述の実施形態では、傾斜体180の装置奥行き方向に対して角度30°の平面を有するとして説明した。しかしながら、清掃部156が清掃領域CLを通過した後、支持部152が、透過ガラス112側と反対側に凸となるように曲がれば、曲面、角度の異なる複数の平面、又はこれらの組み合わせであってもよい。
【0123】
また、前述の実施形態では、透過ガラス112の表面112Aは平面として説明したが、表面112Aは平面に限られず、例えば、曲面、曲面及び平面を含む複合面等であってもよい。
【0124】
また、前述の実施形態では、基部166は支持部152の先端側に設けられているとして説明したが、支持部152の一部として支持部152の先端に形成されていてもよい。
【0125】
また、前述の実施形態では、清掃部156を構成する弾性部160及び拭取部162は、支持部152の厚み方向片側に設けられているとして説明したが、反対側にも弾性部160及び拭取部162が設けられることとしてもよい。この場合、清掃部材150が、清掃動作時に、収容体110のリブ124とリブ132との間に挿入される際、支持部150の厚み方向の一面側と他面側とを逆にして使用することができる。
【0126】
また、前述の実施形態では、傾斜体180の傾斜面184は平面であるとして説明したが、透過ガラス112の長尺方向に向いて方向に交差する面であれば、例えば、曲面、曲面及び平面を含む複合面等で形成されていてもよい。
【0127】
また、前述の実施形態では、清掃装置140Aは、装置高さ方向に沿った板状部186を有しているとして説明したが、板状部186は、画像形成装置10の筐体等でもよい。
【0128】
また、支持部152Cの透過ガラス112側には、複数の切れ目部152C1が形成されているとした。しかしながら、清掃部156が清掃領域CLを通過した後、切れ目部152C1が1つであっても、支持部152Cが、透過ガラス112側と反対側に凸となるように曲がればよい。
【0129】
また、前述の実施形態では、清掃部材150は、清掃動作時に、収容体110のリブ124とリブ132との間に挿入されるとして説明したが、清掃部材150は、画像形成時に、収容体110の定められた位置に配置させるようにしてもよい。例えば、支持部152の装置高さ方向(板厚方向)に長尺状の穴部を設け、清掃部156を、清掃領域CLよりも装置奥行き方向奥側となるように配置させる。そして、画像形成時において、露光光Lは、支持部152の長尺状の穴部を通過できる構成にすればよい。
【0130】
また、前述の説明では、各実施形態(各変形例を含む。)をそれぞれ別々にしたが、各実施地形態の特徴的な構成を2以上組み合わせて実施してもよい。例えば、第1実施形態の傾斜体180と第4実施形態の清掃部材150Dとを組み合わせてもよい。また、第3実施形態の清掃装置150Cと第1実施形態の画像形成装置10とを組み合わせてもよい。さらに、第2実施形態の清掃部材150Bと第3実施形態の清掃部材150Cの切れ目部152C1とを組み合わせてもよい。