特許第6136859号(P6136859)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6136859
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年5月31日
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/32 20130101AFI20170522BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20170522BHJP
   G06F 1/00 20060101ALI20170522BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20170522BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20170522BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20170522BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20170522BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20170522BHJP
【FI】
   G06F21/32
   G06F3/12 338
   G06F1/00 370E
   B41J29/42 F
   B41J29/38 Z
   B41J29/00 Z
   G03G21/00 390
   H04N1/00 C
【請求項の数】12
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2013-228398(P2013-228398)
(22)【出願日】2013年11月1日
(65)【公開番号】特開2015-88113(P2015-88113A)
(43)【公開日】2015年5月7日
【審査請求日】2016年3月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】特許業務法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小野 真史
(72)【発明者】
【氏名】林 学
(72)【発明者】
【氏名】延谷 直哉
(72)【発明者】
【氏名】平野 靖洋
【審査官】 児玉 崇晶
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−238002(JP,A)
【文献】 特開2006−081147(JP,A)
【文献】 特開2008−071366(JP,A)
【文献】 特開2002−352291(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0191817(US,A1)
【文献】 特開2009−093373(JP,A)
【文献】 特開2007−272810(JP,A)
【文献】 特開2009−037573(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0056666(US,A1)
【文献】 国際公開第2011/111155(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/32
B41J 29/00
B41J 29/38
B41J 29/42
G03G 21/00
G06F 1/00
G06F 3/12
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自装置を使用者が使用した履歴を記憶する記憶手段と、
前記履歴を予め定められた複数の時間帯毎に区分し、前記記憶手段に記憶された情報に基づいて、前記自装置の使用履歴を、区分した時間帯毎に各時間帯において使用した使用者の顔の画像とともに表示する表示手段
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記使用とは使用者の認証を行う、認証行為であることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置
【請求項3】
使用者が入力した情報に基づいて認証を行う第一の認証手段と、
使用者の顔の画像を取得する取得手段と、
前記使用者の顔の画像に基づいて認証を行う第二の認証手段とを有し、
前記表示手段は、前記自装置の使用履歴を表示する際、過去に認証を行った使用者のうち前記第二の認証手段により認証を行った使用者の顔の画像のみをともに表示する
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
使用者が入力した情報に基づいて認証を行う第一の認証手段と、
使用者の顔の画像を取得する取得手段と、
前記顔の画像に基づいて認証を行う第二の認証手段とを有し、
前記表示手段は、前記自装置の使用履歴を表示する際、過去に認証を行った使用者のうち前記第一の認証手段により認証を行った使用者の顔の画像はともに表示しないこと
を特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記記憶手段は、前記第二の認証手段が認証しなかった履歴をさらに記憶し、
前記表示手段は、前記認証しなかった履歴を、前記取得手段が取得した使用者の顔の画像とともに表示する
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記時間帯毎の表示においては、各時間帯の表示領域内に表示される顔の画像の数が予め定められた数である
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記表示手段は、前記複数の時間帯のいずれかを指定された場合、指定された時間帯において認証された使用者の顔の画像を認証された時刻に応じた順番で表示する
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記記憶手段は使用者の顔の画像を記憶するとともに、前記表示手段は、履歴を表示する場合に、自装置の過去の使用者の顔の画像が前記記憶手段に記憶されていない場合、顔に対応する画像を表示する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記表示手段は、同一の使用者が過去に複数回使用していた場合、当該使用者の顔の画像の表示数を1つとする、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記表示手段は、同一の使用者が過去に複数回自装置を使用していた場合に当該使用者の顔の画像の表示数を1つとする場合、認証された時刻のうち最も新しい時刻に基づいて表示する画像の位置を決定する
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
コンピュータを、
自装置を使用者が使用した履歴を記憶する記憶手段と、
前記履歴を予め定められた複数の時間帯毎に区分し、前記記憶手段に記憶された情報に基づいて、前記自装置の使用履歴を、区分した時間帯毎に各時間帯において使用した使用者の顔の画像とともに表示する表示手段
として機能させるためのプログラム。
【請求項12】
人物の顔の画像を取得する取得手段と、
当該顔の画像を複数記憶する記憶手段と、
当該取得手段による取得履歴を、予め定められた複数の時間帯毎に区分し、前記記憶手段に記憶された情報に基づいて、区分した時間帯毎に各時間帯において前記記憶された顔の画像とともに表示する表示手段と
を備える情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
操作者の身体的特徴を用いて操作者を認証する装置として、例えば特許文献1に開示された画像形成装置がある。この画像形成装置は、操作者の顔をカメラで撮影し、撮影した顔の特徴を抽出する。そして、抽出した特徴と、予め登録されている操作者の顔の特徴とを照合し、生体認証を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−221847号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、、履歴を顔の画像とともに表示しない場合に比べ履歴に表示された人を認識しやすくすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1に係る情報処理装置は、自装置を使用者が使用した履歴を記憶する記憶手段と、前記履歴を予め定められた複数の時間帯毎に区分し、前記記憶手段に記憶された情報に基づいて、前記自装置の使用履歴を、区分した時間帯毎に各時間帯において使用した使用者の顔の画像とともに表示する表示手段を備える。
【0006】
本発明の請求項2に係る情報処理装置は、請求項1に記載の構成において、前記使用とは使用者の認証を行う、認証行為であることを特徴とする。
【0007】
本発明の請求項3に係る情報処理装置は、請求項2に記載の構成において、使用者が入力した情報に基づいて認証を行う第一の認証手段と、使用者の顔の画像を取得する取得手段と、前記使用者の顔の画像に基づいて認証を行う第二の認証手段とを有し、前記表示手段は、前記自装置の使用履歴を表示する際、過去に認証を行った使用者のうち前記第二の認証手段により認証を行った使用者の顔の画像のみをともに表示することを特徴とする。
【0008】
本発明の請求項4に係る情報処理装置は、請求項2に記載の構成において、使用者が入力した情報に基づいて認証を行う第一の認証手段と、使用者の顔の画像を取得する取得手段と、前記顔の画像に基づいて認証を行う第二の認証手段とを有し、前記表示手段は、前記自装置の使用履歴を表示する際、過去に認証を行った使用者のうち前記第一の認証手段により認証を行った使用者の顔の画像はともに表示しないことを特徴とする。
【0009】
本発明の請求項5に係る情報処理装置は、請求項3に記載の構成において、前記記憶手段は、前記第二の認証手段が認証しなかった履歴をさらに記憶し、前記表示手段は、前記認証しなかった履歴を、前記取得手段が取得した使用者の顔の画像とともに表示することを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項に係る情報処理装置は、請求項に記載の構成において、前記時間帯毎の表示においては、各時間帯の表示領域内に表示される顔の画像の数が予め定められた数であることを特徴とする。
【0012】
本発明の請求項に係る情報処理装置は、請求項に記載の構成において、前記表示手段は、前記複数の時間帯のいずれかを指定された場合、指定された時間帯において認証された使用者の顔の画像を認証された時刻に応じた順番で表示することを特徴とする。
【0013】
本発明の請求項に係る情報処理装置は、請求項1に記載の構成において、前記記憶手段は使用者の顔の画像を記憶するとともに、前記表示手段は、履歴を表示する場合に、自装置の過去の使用者の顔の画像が前記記憶手段に記憶されていない場合、顔に対応する画像を表示することを特徴とする。
【0014】
本発明の請求項に係る情報処理装置は、請求項1に記載の構成において、前記表示手段は、同一の使用者が過去に複数回使用していた場合、当該使用者の顔の画像の表示数を1つとすることを特徴とする。
【0015】
本発明の請求項1に係る情報処理装置は、請求項に記載の構成において、前記表示手段は、同一の使用者が過去に複数回自装置を使用していた場合に当該使用者の顔の画像の表示数を1つとする場合、認証された時刻のうち最も新しい時刻に基づいて表示する画像の位置を決定することを特徴とする。
【0016】
本発明の請求項11に係るプログラムは、コンピュータを、自装置を使用者が使用した履歴を記憶する記憶手段と、前記履歴を予め定められた複数の時間帯毎に区分し、前記記憶手段に記憶された情報に基づいて、前記自装置の使用履歴を、区分した時間帯毎に各時間帯において使用した使用者の顔の画像とともに表示する表示手段として機能させるためのプログラムである。
【0017】
本発明の請求項12に係る情報処理装置は、人物の顔の画像を取得する取得手段と、当該顔の画像を複数記憶する記憶手段と、当該取得手段による取得履歴を、予め定められた複数の時間帯毎に区分し、前記記憶手段に記憶された情報に基づいて、区分した時間帯毎に各時間帯において前記記憶された顔の画像とともに表示する表示手段とを備える。
【発明の効果】
【0018】
請求項1、11、12に係る発明によれば、履歴を顔の画像とともに表示しない場合に比べ履歴に表示された人を認識しやすくなる。
請求項2に係る発明によれば、認証を行った人を認識しやすくなる。
請求項3,4に係る発明によれば、顔による認証動作で認証された人を認識することができる。
請求項5に係る発明によれば、顔による認証動作によって認証されなかった人を認識することができる。
請求項に係る発明によれば、指定した時間帯における人を認識することができる。
請求項に係る発明によれば、過去の人のうち顔の画像が記憶されていない人を認識することができる。
請求項に係る発明によれば、表示する画像の数を少なくすることができる。
請求項1に係る発明によれば、使用者が認証された最新の時点を認識しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の外観構成を示す斜視図。
図2】同画像形成装置のハードウェア構成を示すブロック図。
図3】同画像形成装置により人物の存在が検知される範囲の説明図。
図4】同画像形成装置の機能構成を示すブロック図。
図5】同画像形成装置のモードを制御する処理の流れを示すフローチャート。
図6】同画像形成装置の周辺に居る人物の位置の時間的変化を例示した図。
図7】同画像形成装置の周辺に居る人物の位置の時間的変化を例示した図。
図8】同画像形成装置の滞在検知範囲の設定の手順を示すフローチャート。
図9】同画像形成装置の滞在検知範囲の設定例の説明図。
図10】同画像形成装置の滞在検知範囲の設定例の説明図。
図11】認証テーブルTB1の一例を示した図。
図12】ログデータの一例を示した図。
図13】画像形成装置の機能構成を示すブロック図。
図14】画像形成装置の認証処理の流れを示すフローチャート。
図15】画像形成装置の使用者表示処理の流れを示すフローチャート。
図16】表示部に表示される画面の一例を示した図。
図17】表示部に表示される画面の一例を示した図。
図18】表示部に表示される画面の一例を示した図。
図19】表示部に表示される画面の一例を示した図。
図20】表示部に表示される画面の一例を示した図。
図21】表示部に表示される画面の一例を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。以下、本発明の情報処理装置を画像形成装置に適用した例を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置10の外観構成を示す斜視図である。図1に示すように、画像形成装置10は、ここではコンソール型であり、スキャン処理、コピー処理及びファクシミリ送信処理を含む情報処理を行う。画像形成装置10を利用する人物(つまり利用者)は、画像形成装置10の正面側に立って、操作パネル部100を操作する。操作パネル部100は、画像形成装置10の上面における正面側の位置に設けられ、ここでは、操作部12、表示部14及び第2撮影部18を含んで構成される。また、画像形成装置10は、自装置の正面側に居る人物の存在を検知するために、焦電センサ16及び第1撮影部17を備える。図1に示す検出範囲Fは、焦電センサ16が人物の存在を検出する範囲である。第1撮影部17は、焦電センサ16よりも、画像形成装置10の高さ方向上側に配置される。
【0021】
画像形成装置10は、通常モード及びスリープモードという、消費電力量が異なる2つのモードのいずれかに従って動作する。通常モードは、利用者が行った操作に応じて情報処理を実行する「第1のモード」の一例である。画像形成装置10が通常モードで動作するときには、画像形成装置10の各部に、情報処理の実行に要する電力が供給される。スリープモードは、画像形成装置10の少なくとも一部の動作を一時的に停止させる「第2のモード」の一例である。画像形成装置10がスリープモードで動作するときには、画像形成装置10の少なくとも一部への電力供給が停止させられ、画像形成装置10の消費電力量が通常モードのときよりも少なくなる。ただし、画像形成装置10がスリープモードで動作するときにも、制御部11、焦電センサ16及び第1撮影部17への電力供給が行われ、これら各部がスリープモード時の動作を行い得るようになっている。
【0022】
図2は、画像形成装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。図2に示すように、画像形成装置10は、制御部11と、操作部12と、記憶部13と、表示部14と、画像形成部15と、焦電センサ16と、第1撮影部17と、第2撮影部18と、電源制御部19とを備える。
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を有するプロセッサを備える。CPUは、ROMや記憶部13に記憶された制御プログラムをRAMに読み出して実行することにより、画像形成装置10の各部を制御する。また、制御部11は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)で例示される画像処理部を備える。この画像処理部は、画像形成装置10において画像解析等の画像処理を司る。また、制御部11は、時刻を計る計時手段としてタイマTを有する。
【0023】
操作部12は、複数の操作子を備える操作装置である。操作部12は、利用者により行われた操作を受け付けて、受け付けた操作を示す操作信号を制御部11へ供給する。記憶部13は、例えばハードディスク装置を有し、制御部11により実行される制御プログラム等を記憶する。表示部14は、例えば液晶ディスプレイを備え、画像形成装置10の幅方向において操作部12に隣り合って配置される。表示部14は、表示面に画像(画面)を表示する表示装置である。画像形成部15は、例えば電子写真プロセスにより、用紙等のシートに画像を形成するプリンタである。
【0024】
焦電センサ16は、検出範囲Fの赤外線の量を検出する焦電素子を備え、赤外線の量の検出結果を制御部11へ供給するセンサである。第1撮影部17及び第2撮影部18の各々は、撮影レンズ及びCCD(Charge Coupled Device)で例示される撮像素子を有し、撮影して撮影画像(ここでは動画像)を生成する。特に、第1撮影部17は、撮影レンズとして広角レンズ(例えば魚眼レンズ)を有し、画像形成装置10の正面側を、通常の撮影レンズよりも広い視野角で撮影する。第2撮影部18は、画像形成装置10の幅方向において表示部14に隣り合って配置される。第2撮影部18は、撮影画像を用いて顔認証を行い得るように、利用者の顔を撮影する位置に配置される。
【0025】
電源制御部19は、図示せぬ電源(ここでは商用電源)と電気的に接続され、電源から画像形成装置10の各部への電力の供給を制御する。例えば、電源制御部19は、制御部11により通常モード又はスリープモードに設定されると、設定されたモードに応じた電力を、画像形成装置10の各部へ供給する電源制御を行う。
なお、図2では、画像形成装置10の各部に接続される給電線の図示を省略している。
【0026】
画像形成装置10は、上述した構成以外にも、原稿等の画像を読み取る画像読取部や外部装置と通信するための通信部等の、一般の画像形成装置と同等の構成を有する。また、画像形成装置10は、後述する周辺機器20(例えば後処理装置)を接続する接続部等、周辺機器20と協働して情報処理を行うための構成を有している。周辺機器20の具体的構成については特に問わないが、例えば、周辺機器20は、画像形成装置10に供給されるシート又は画像形成装置10が排出したシートを蓄積する大容量のシート収容装置である。
【0027】
画像形成装置10が実行する情報処理の一例を説明すると、コピー処理を実行するときには、制御部11は、画像読取部に原稿の画像を読み取らせて画像データを生成し、画像形成部15により、この画像データに基づいてシート上に画像を形成する。スキャン処理を実行するときには、制御部11は、画像読取部に原稿の画像を読み取らせて画像データを生成し、この画像データを記憶部13に記憶させるか、ネットワーク経由でデータ送信する。ファクシミリ送信処理を実行するときには、制御部11は、画像読取部に原稿の画像を読み取らせて画像データを生成し、この画像データを、図示せぬ電話回線を介してファクシミリ送信する。
【0028】
図3は、画像形成装置10により人物の存在が検知される範囲を説明する図である。図3には、画像形成装置10及びその周辺を、画像形成装置10の高さ方向上側から平面視したときの図を示す。
図3に示すように、焦電センサ16の検出範囲Fは、画像形成装置10の正面側に形成され、高さ方向上側からの平面視で略扇形である。画像形成装置10を利用しようとする人物が、画像形成装置10に接近した場合、まず、この人物は検出範囲F内に進入する。
【0029】
図3に示す接近検知範囲R1は、画像形成装置10の正面側に形成され、高さ方向上側からの平面視で略扇形である。接近検知範囲R1は、検出範囲Fの略全体を含むように設定される。画像形成装置10に接近した人物は、接近検知範囲R1内に進入する。接近検知範囲R1は、画像形成装置10から「第1の距離」の範囲の一例である。ここでは、図3に符号「P」を付して表した位置であって第1撮影部17が配置された位置を、画像形成装置10の位置とする。
なお、接近検知範囲R1は、ここでは、中心角が180度の扇形(半円形)であるが、中心角は180度以外の角度であってもよい。ただし、第1撮影部17は、少なくとも接近検知範囲R1の全体を撮影範囲とする。
【0030】
滞在検知範囲R2は、画像形成装置10の正面側に設定され、高さ方向上側からの平面視で矩形である。この矩形範囲は、画像形成装置10の幅方向に長さがWであり、画像形成装置10の奥行方向に長さがDである。滞在検知範囲R2の幅方向の長さWは、ここでは、画像形成装置10の幅方向の長さと同じ又は略同じである。滞在検知範囲R2は、画像形成装置10から「第2の距離」の範囲の一例であり、接近検知範囲R1よりも画像形成装置10に近い距離の範囲である。このため、滞在検知範囲R2は、その全体が接近検知範囲R1内に含まれるように設定される。画像形成装置10の利用者は、滞在検知範囲R2内に進入した後、この滞在検知範囲R2内に滞在し、操作パネル部100を使用した操作等を行う。
接近検知範囲R1及び滞在検知範囲R2の各々における人物の存在の検知は、制御部11が第1撮影部17の撮影画像を解析することにより行われるが、詳細は後で説明する。また、接近検知範囲R1及び滞在検知範囲R2の各々は、厳密に図3に示すとおりに設定される必要はなく、第1撮影部17の撮影画像に基づいて特定し得る精度で足りる。
【0031】
図4は、画像形成装置10の制御部11の機能構成を示すブロック図である。図4に示すように、制御部11は、監視制御手段111と、接近検知手段112と、存在検知手段113と、モード制御手段114と、機器検出手段115とに相当する機能を実現する。
監視制御手段111は、画像形成装置10がスリープモードであるときに、焦電センサ16の赤外線の量の検出結果を監視して、第1撮影部17を制御する手段である。具体的には、監視制御手段111は、焦電センサ16の赤外線の検出結果に基づいて、検出範囲F内の人物の存在を検出すると、第1撮影部17を起動させて撮影を開始させる。この際、監視制御手段111は、第1撮影部17への電力供給を開始するように、電源制御部19に指示する。
【0032】
接近検知手段112は、接近検知範囲R1内の人物の接近を検知する手段である。接近検知手段112は、接近検知範囲R1の撮影画像を第1撮影部17から取得し、取得した撮影画像に基づいて、画像形成装置10への人物の接近を検知する。例えば、接近検知手段112は、撮影画像を画像解析して、画像形成装置10から人物までの距離や人物の動きを検出することにより、接近検知範囲R1内の人物の接近を検知する。接近検知手段112は、「第1の検知手段」の一例である。
【0033】
存在検知手段113は、滞在検知範囲R2内の人物の存在を検知する手段である。存在検知手段113は、第1撮影部17から接近検知範囲R1の撮影画像を取得し、取得した撮影画像に基づいて、滞在検知範囲R2内の人物の存在を検知する。例えば、存在検知手段113は、撮影画像を画像解析して、画像形成装置10から人物までの距離や位置を検出することにより、滞在検知範囲R2内の人物の存在を検知する。存在検知手段113は、「第2の検知手段」、又は、自装置から第1の距離を撮影した画像に基づいて、当該第1の距離よりも自装置に近い第2の距離内の人物の存在を検知する「検知手段」の一例である。
【0034】
モード制御手段114は、画像形成装置10が従うモードを制御する手段ある。モード制御手段114は、画像形成装置10のモードを新たに設定した際には、設定後のモードに応じた電力供給を行うように電源制御部19に指示するとともに、画像形成装置10の各部を起動又は動作を停止させる制御を行う。例えば、モード制御手段114は、画像形成装置10がスリープモードである場合に、接近検知手段112により人物の接近が検知されると、スリープモードから通常モードに移行させる。また、モード制御手段114は、存在検知手段113により人物の存在が検知されているときには、画像形成装置10を通常モードとし、存在検知手段113により人物の存在が検知されなくなると、スリープモードに移行させる。すなわち、モード制御手段114は、「モード移行手段」の一例である。
なお、モード制御手段114は、上述した場合とは別の契機に、自装置のモードを設定してもよい。例えば、モード制御手段114は、スリープモードへの移行を指示する操作が操作部12により受け付けられると、画像形成装置10をスリープモードに移行させる。
【0035】
機器検出手段115は、画像形成装置10への周辺機器20の接続を検出する手段である。存在検知手段113は、機器検出手段115により周辺機器20の接続が検出されると、接続が検出された周辺機器20に応じて滞在検知範囲R2を変化させる。ただし、接近検知範囲R1は、機器検出手段115による検出結果によらないで一定である。周辺機器20としては、画像形成装置10の外側に配置される機器を想定する。すなわち、機器検出手段115は、「検出手段」の一例である。
【0036】
以上のとおり、制御部11は、画像形成装置10の電力制御を行う電力制御装置として機能する。画像形成装置10では、例えば、焦電センサ16、第1撮影部17及び第2撮影部18を、監視制御手段111、接近検知手段112、存在検知手段113及び機器検出手段115に相当する機能を実現するモジュール上に実装した人物検知部が構成されていてもよい。この場合、制御部11は、人物検知部を制御し、また、人物検知部による人物の接近又は存在の検知結果に応じた制御をする。
【0037】
図5は、画像形成装置10のモードの制御に関する処理の流れを示すフローチャートである。図6及び図7は、画像形成装置10の周辺に居る人物の位置の時間的変化を例示した図である。図6及び図7、また、後述する図9及び図10には、図3と同じく、画像形成装置10及びその周辺を、画像形成装置10の高さ方向上側から平面視したときの図を示す。以下、滞在検知範囲R2が図3に示すとおりに設定されている場合、すなわち、周辺機器20が接続されていない場合の画像形成装置10の動作を説明する。
【0038】
画像形成装置10がスリープモードで動作するとき、制御部11は、焦電センサ16による赤外線の量の検出結果を監視して、検出範囲F内に人物が存在するかどうかを判断する。図6(a)に示すように、人物Hが検出範囲F内に進入すると、制御部11は、焦電センサ16の検出結果に基づいて、検知範囲R内の人物の存在を検知する(ステップS1)。
【0039】
検出範囲F内の人物の存在を検知すると、制御部11は、第1撮影部17への電力供給を開始するように電源制御部19に指示するとともに、第1撮影部17を起動させて接近検知範囲R1の撮影を開始させる(ステップS2)。第1撮影部17により撮影が開始されると、制御部11は、第1撮影部17から取得した撮影画像を解析して人物の動きを検出する処理を開始する(ステップS3)。
【0040】
ステップS3で開始される人物の動きを検出する処理では、制御部11は、画像形成装置10から人物までの距離を推定するとともに、人物の動きを示す動きベクトルを算出する。この人物の動きを検出する処理は公知の方法により行われてよいが、例えば、制御部11は、撮影画像から検出した身体の部位の大きさに基づいて、画像形成装置10から人物までの距離を推定する。また、制御部11は、第1撮影部17の撮影画像に対しフレーム処理を施し、複数フレームの撮影画像を時系列順に比較する。この際、制御部11は、人物の身体の部位として、例えばつま先を検出し、検出した部位の動きを解析して動きベクトルを算出する。例えば、制御部11は、第1撮影部17から取得した撮影画像を平面画像に補正(平面視展開)してから人物の動きを検出する。
【0041】
次に、制御部11は、接近検知範囲R1内の人物の接近を検知したかどうかを判断する(ステップS4)。図6(b)に示すように、例えば、人物Hが接近検知範囲R1内にあり、且つ、画像形成装置10の方向(図6(b)の矢印参照。)に移動している判断した場合に、制御部11は人物の接近を検知したと判断する(ステップS4;YES)。
なお、制御部11は、焦電センサ16により人物の存在が検知されている期間においては、人物の動きを検出する処理を行い、ステップS4の処理で接近の有無を判断する処理を繰り返す(ステップS4;NO)。
【0042】
ステップS4の処理で「YES」と判断した場合、制御部11は、画像形成装置10のモードを、スリープモードから通常モードへ移行させる(ステップS5)。この際、制御部11は、通常モードに応じた電力供給を画像形成装置10の各部に行うように電源制御部19に指示するとともに、画像形成装置10の各部を起動させる。
なお、制御部11は、接近検知範囲R1内の人物の存在を検知した場合に、直ちに通常モードへ移行させるのでなく、画像形成装置10への接近を検知した場合に、通常モードへ移行させる。このため、人物Hが接近検知範囲R1を通り過ぎただけの場合に、画像形成装置10が通常モードに移行してしまう機会が少なくなる。
【0043】
次に、制御部11は、滞在検知範囲R2内に人物が存在(つまり滞在)しているかどうかを検知する処理を開始する(ステップS6)。制御部11は、第1撮影部17の撮影画像を解析して人物の身体の部位を検出し、検出した部位の位置及び大きさに基づいて、滞在検知範囲R2内の人物の存在を検知する。例えば、制御部11は、検出した身体の部位の大きさに基づいて、画像形成装置10から人物までの距離を推定し、検出した身体の部位の位置に基づいて人物が存在する方向を特定する。
【0044】
次に、制御部11は、滞在検知範囲R2内に人物が存在するかどうかを判断する(ステップS7)。例えば、図6(c)に示す位置に人物Hが居て、制御部11が、滞在検知範囲R2内に人物が存在すると判断した場合には(ステップS7;YES)、ステップS6の処理に戻る。制御部11は、滞在検知範囲R2内の人物の存在を検知しなくなるまで通常モードにしまま、滞在検知範囲R2内の人物の存在を検知する処理を繰り返す。
【0045】
ここで、図7(a)に示すように、画像形成装置10を使用した作業を終了した等の理由で、人物Hが滞在検知範囲R2外へ移動した場合を考える。この場合、制御部11は、滞在検知範囲R2内に人物が存在しなくなったと判断して(ステップS7;NO)、ステップS8の処理へ進む。そして、制御部11は、タイマTによる計時を開始する(ステップS8)。すなわち、制御部11は、滞在検知範囲R2内に人物が存在しなくなったときからの経過時間をタイマTで計る。
【0046】
次に、制御部11は、滞在検知範囲R2内に人物が存在するかどうかを判断する(ステップS9)。ステップS9の処理では、制御部11は、滞在検知範囲R2内に人物が存在しなくなった後、再び人物の存在を検知するようになったかどうかを判断する。図7(b)に示すように、人物Hが画像形成装置10から次第に離れ、滞在検知範囲R2内に人物が存在しない場合には、制御部11は、ステップS9の処理で「NO」と判断し、ステップS10の処理に進む。
【0047】
次に、制御部11は、タイマTの計時時刻が設定時間を経過したかどうかを判断する(ステップS10)。設定時間は、例えば1分であるが、1分以外の時間に設定されていてもよい。制御部11は、設定時間が経過する前であると判断すると(ステップS10;NO)、ステップS9の処理に戻る。すなわち、制御部11は、ステップS9,S10の処理では、滞在検知範囲R2内に人物が存在しない期間が、設定時間分だけ継続するかどうかを判断することとなる。
【0048】
ステップS10の処理で、タイマTによる計時開始から設定時間が経過したと判断すると(ステップS10;YES)、制御部11は、画像形成装置10のモードを通常モードからスリープモードに移行させる(ステップS11)。ここでは、制御部11は、画像形成装置10の各部にスリープモード時の電力供給をするように電源制御部19に指示するとともに、スリープモード時に停止させる画像形成装置10の各部の動作を停止させる。その後、制御部11は、検出範囲F内で人物の存在を検知しなくなると、第1撮影部17の動作を停止させる。
【0049】
ここで、図7(c)に示すように、タイマTによる計時を開始した後、滞在検知範囲R2内に人物が存在しなくなったときから設定時間が経過する前に、制御部11が再び人物の存在を検知した場合を考える。この場合、制御部11は、ステップS9の処理で「YES」と判断して、ステップS12の処理へ進む。次に、制御部11は、タイマTによる計時を停止してリセットする(ステップS12)。そして、制御部11は、人物が滞在検知範囲R2内に存在しなくなったことによるスリープモードへの移行を中止し、ステップS6の処理に戻る。すなわち、制御部11は、人物が滞在検知範囲R2内に存在する場合の動作を再び実行する。
ここでは、同一人物である人物Hが戻ってきた場合を例示しているが、別の人物が滞在検知範囲R2内に移動した場合にも、制御部11は、ステップS9の処理で「YES」と判断する。
【0050】
図5に示すフローチャートの全体的な処理の流れの説明は以上であるが、続いて、周辺機器20に応じた滞在検知範囲R2の設定に係る動作を説明する。画像形成装置10に周辺機器20が接続されている場合には、制御部11は、ステップS6の処理で、接続中の周辺機器20に応じて滞在検知範囲R2を変化させる。
【0051】
図8は、画像形成装置10で実行される滞在検知範囲R2の設定の手順を示すフローチャートである。図8に示す各処理は、滞在検知範囲R2内の人物の存在を検出する処理の開始前に実行される。図9及び図10は、滞在検知範囲R2の設定例を説明する図である。
制御部11は、周辺機器20の接続を検出する(ステップS61)。具体的には、制御部11は、周辺機器20が接続されているかどうかを検出し、接続されている場合には、周辺機器20の種類を検出する。
なお、制御部11は、周辺機器20の接続の有無及び接続中の周辺機器20の種類を自動検出するが、利用者により手動設定された情報に基づいて検出してもよい。
【0052】
次に、制御部11は、周辺機器20が接続中かどうかを判断する(ステップS62)。制御部11は、周辺機器20が接続中でないと判断した場合(ステップS62;NO)、滞在検知範囲R2を変化させない(ステップS63)。すなわち、制御部11は、画像形成装置10の高さ方向上側からの平面視で、幅方向に長さがWで、奥行方向に長さがDとなる滞在検知範囲R2を設定する(図3参照)。
【0053】
他方、制御部11は、周辺機器20を接続中と判断した場合(ステップS62:YES)、接続中の周辺機器20の種類に応じた滞在検知範囲R2に変化させる(ステップS64)。周辺機器20の種類は、例えば周辺機器20の型番等により特定されるが、これに限定されない。周辺機器20の種類と滞在検知範囲R2との関係は、図示せぬ管理テーブルに記述される等して、記憶部13に記憶される。制御部11は、この管理テーブルを参照して滞在検知範囲R2を設定する。
【0054】
ステップS64の処理では、制御部11は、周辺機器20が配置される位置及び周辺機器20の寸法に応じて滞在検知範囲R2を変化させる。
図9(a)に示すように、画像形成装置10の幅方向右側(利用者側から見て右側)に隣り合うように周辺機器20aが配置され、且つ、周辺機器20aの幅方向の長さがwaである場合を考える。この場合、画像形成装置10及び周辺機器20aの全体の正面側に、滞在検知範囲R2を設定するべく、制御部11は、画像形成装置10の幅方向の長さWと、周辺機器20aの幅方向の長さwaとを合算したW1(=W+wa)を、滞在検知範囲R2の幅方向の長さとする。奥行方向の長さについては、制御部11は、図3の例と同じくDとする。
また、図9(b)に示すように、画像形成装置10の幅方向右側に隣り合うように周辺機器20bが配置され、且つ、周辺機器20bの幅方向の長さがwb(ただし、wb>wa)である場合を考える。この場合、画像形成装置10及び周辺機器20bの全体の正面側に、滞在検知範囲R2を設定するべく、制御部11は、画像形成装置10の幅方向の長さWと、周辺機器20bの幅方向の長さwbとを合算したW2(=W+wb)を、滞在検知範囲R2の幅方向の長さとする。奥行方向の長さについては、制御部11は、図3の例と同じくDとする。
【0055】
図9(c)に示すように、周辺機器20bに加えて、画像形成装置10の幅方向左側(利用者側から見て左側)に隣り合うように周辺機器20cが配置され、且つ、この周辺機器20cの幅方向の長さがwcである場合を考える。この場合、画像形成装置10及び周辺機器20b,20cの全体の正面側に滞在検知範囲R2を設定するべく、制御部11は、画像形成装置10の幅方向の長さWと、周辺機器20bの幅方向の長さwbと、周辺機器20cの幅方向の長さwcとを合算したW3(=W+wb+wc)を、滞在検知範囲R2の幅方向の長さとする。奥行方向の長さについては、制御部11は、図3の例と同じくDとする。
【0056】
画像形成装置10の幅方向に隣り合って周辺機器20が配置された場合、画像形成装置10の利用者は、画像形成装置10の正面側だけではなく、周辺機器20の正面側で作業する場合がある。この場合、図3で説明したように、画像形成装置10の正面側のみに滞在検知範囲R2が設定されていると、利用者が作業中であるにも関わらず、画像形成装置10がスリープモードへ移行する可能性がある。これに対し、制御部11は、接続中の周辺機器20に応じて滞在検知範囲R2を変化させることにより、周辺機器20の正面側に滞在する利用者が、滞在検知範囲R2内に滞在していると検知される。換言すると、周辺機器20が接続されていないときには、周辺機器20が接続されているときに比べ滞在検知範囲R2が狭まる。
【0057】
ところで、図9で説明した例では、制御部11は、滞在検知範囲R2の奥行方向の長さを、滞在検知範囲R2の全体で長さDとしていた。例えば、図10(a)に示すように、画像形成装置10の前面の位置と、周辺機器20の前面の位置とが奥行方向において異なる場合には、利用者に近い側の前面の位置から距離Dを確保するように、制御部11が滞在検知範囲R2を設定してもよい。画像形成装置10の前面の方が利用者に近い場合には、制御部11は、画像形成装置10の前面の位置から少なくとも距離Dを確保すればよい。
【0058】
また、画像形成装置10の第1撮影部17が、画像形成装置10及び周辺機器20の正面側だけでなく、側面側を撮影範囲に含む場合には、制御部11は、画像形成装置10の側面側に滞在検知範囲R2を設定してもよい。
図10(b)に示すように、例えば、制御部11は、画像形成装置10の側面側であって周辺機器20とは反対側に、滞在検知範囲R21を設定する。また、制御部11は、周辺機器20の側面側であって画像形成装置10とは反対側に、滞在検知範囲R22を設定する。こうすれば、使用者が画像形成装置10又は周辺機器20の側面側に回り込んで作業をする場合に、画像形成装置10のスリープモードへの不要な移行が抑制される。
なお、制御部11は、周辺機器20が接続されていない場合に、画像形成装置10の側面側に滞在検知範囲を設定してもよい。また、制御部11は、画像形成装置10や周辺機器20の幅方向の長さに一致又は略一致させるように、滞在検知範囲R2を設定するのではなく、滞在検知範囲R2の幅方向に更に長く又は短くしてもよい。
【0059】
以上説明した実施形態の画像形成装置10は、接近検知範囲R1内の人物の接近を検知すると、スリープモードから通常モードへ移行し、その後、接近検知範囲R1よりも近い滞在検知範囲R2内に人物が存在しなくなると、通常モードからスリープモードへ移行する。すなわち、画像形成装置10では、接近検知範囲R1内に人物が存在しなくなったときにスリープモードに移行する場合に比べて、いち早くスリープモードへ移行する。第1撮影部17による撮影の観点から説明すると、画像形成装置10は、第1撮影部17の撮影画像から人物までの距離を推定して、滞在検知範囲R2内に人物が存在しなくなったことを検知する。よって、画像形成装置10では、撮影画像から人物の存在を検知しなくなったときにスリープモードに移行する場合に比べて、いち早くスリープモードへ移行する。以上のとおり、画像形成装置10は、自装置から人物までの距離に応じてモードの設定を行うことによる省電力制御が行う。
また、画像形成装置10は、撮影画像を解析して自装置から人物までの距離を推定するから、反射型の距離センサ等の他のセンサを使用する場合に比べて、センサの数の増大を抑制し装置構成が簡素化される。
【0060】
次に画像形成装置10が備える認証処理と、認証された使用者の顔写真の画像を表示する使用者表示処理について説明する。画像形成装置10は、画像形成装置10を管理する管理者によって予め定められた者が使用を許可されており、顔認証処理又は使用者IDとパスワードによる認証処理を行う。記憶部13は、使用を許可された者を認証するための情報を格納した認証テーブルTB1を記憶している。
【0061】
図11は、認証テーブルTB1の一例を示した図である。認証テーブルTB1においては、画像形成装置10の使用を許可された者毎に一つのレコードが設けられる。「使用者ID」フィールドには、画像形成装置10の使用を許可された者に付与された識別子が格納される。「パスワード」フィールドには、画像形成装置10の使用を許可された者であるか確認するためのパスワードが格納される。「画像ファイル名」フィールドには、画像形成装置10の使用を許可された者の顔写真の画像ファイル名が格納される。記憶部13には、画像形成装置10の使用を許可された者の顔写真の画像ファイルが記憶される。なお、顔認証を使用せず、使用者IDとパスワードで認証を行う者については、図11の4行目のレコードのように、画像ファイル名のフィールドには画像ファイル名が格納されないこととなる。
【0062】
また、記憶部13は、認証された使用者の使用者IDと、使用者が認証された日時を含むログデータを記憶する。図12は、記憶部13に記憶されたログデータの一部を示した図である。「日時」フィールドには、使用者が認証された日時が格納される。「使用者ID」フィールドには、認証された使用者の使用者IDが格納される。
【0063】
図13は、ログ表示機能に係る機能構成を示したブロック図である。
識別情報記憶部132は、上述した顔写真の画像や認証テーブルTB1を記憶するものであり、自装置の使用を許可された者を識別するための情報を予め記憶した記憶手段の一例である。
履歴記憶部131は、使用者の認証の履歴である上述のログデータを記憶するものであり、画像形成装置10の使用者の認証の履歴を記憶した記憶手段の一例である。
【0064】
認証部116は、画像形成装置10の使用者を認証する第一の認証手段と第二の認証手段の一例である。認証部116は、画像形成装置10の使用者を識別するための情報である使用者IDとパスワードを操作部12から取得する。また、認証部116は、第2撮影部18で撮影された使用者の顔の画像を取得する。なお、第2撮影部18は、使用者の顔の画像を取得する取得手段の一例である。認証部116は、取得した情報と、識別情報記憶部132に記憶されている情報とを用いて画像形成装置10の使用者を認証する。認証部116は、顔の画像を用いて認証する場合、第2撮影部18で撮影された顔の特徴量と、識別情報記憶部132から取得した画像ファイルの顔の特徴量とを比較することにより、顔認証を行う。
表示制御部117は、画像形成装置を使用した人の顔の画像を表示する表示手段の一例である。表示制御部117は、履歴記憶部131に記憶されているログデータに基いて、画像形成装置10の過去の使用者を特定し、特定した使用者の顔の画像を、識別情報記憶部132から取得し、取得した画像を表示部14を制御して表示する。
【0065】
図14は、認証処理の流れを示したフローチャートである。制御部11は、使用者がログアウトした状態であると、顔画像を用いた認証方法と使用者ID及びパスワードを用いた認証方法のいずれか一方を選択させる画面(図16)が表示されるように表示部14を制御する。図16の画面に応じて使用者が顔認証を用いた認証方法を選択する操作を行うと(ステップS21;YES)、制御部11は、第2撮影部18で撮影された画像が表示部14に表示されるように第2撮影部18と表示部14を制御する(ステップS22)。図17は、ステップS22の処理により表示部14に表示される画面の一例を示した図である。画像形成装置10の使用者は、第2撮影部18を見て枠内に顔が表示されるように体を動かす。
【0066】
制御部11は、第2撮影部18が撮影する画像を解析し、使用者の顔を認識する(ステップS23)。制御部11は、顔を認識すると、記憶部13に記憶されている顔写真の画像ファイルを参照し、認識した顔の特徴量と、参照した画像ファイルの顔写真の顔の特徴量とを比較することにより、使用者が画像形成装置10の使用を許可されているものであるか判断する(ステップS24)。制御部11は、参照した画像ファイルの顔写真の顔の特徴量と、認識した顔の特徴量との差が閾値未満である場合、使用者の証明を受理し、使用者に対して画像形成装置10の使用を許可する(ステップS24;YES)。
【0067】
次に制御部11は、画像形成装置10の使用を許可された被認証者に関するログデータを記憶する(ステップS25)。具体的には、まず、制御部11は、撮影した顔の画像の特徴量との差が閾値未満であった顔画像の画像ファイルのファイル名をキーにして認証テーブルTB1を検索し、キーにしたファイル名を格納したレコードから使用者IDを取得する。例えば、撮影した顔の画像の特徴量との差が閾値未満であった顔写真の画像ファイルのファイル名が「aaabbb.jpg」であった場合、制御部11は、使用者IDとして「aaabbb」を取得する。次に制御部11は、取得した使用者IDと、使用者の証明を受理した日時とを、図12の1行目のレコードに示したように対応付けて記憶部13に記憶させる。制御部11は、ステップS25の処理が終了すると、画像形成装置10を使用するためのメニュー画面が表示されるように表示部14を制御する。
【0068】
なお、制御部11は、使用者の証明を棄却してステップS24でNOと判断した場合、使用者に対して画像形成装置10の使用を認めないことを通知するメッセージが表示されるように表示部14を制御する(ステップS30)。
【0069】
また、制御部11は、図16の画面において使用者が使用者IDとパスワードを用いる認証方法を選択した場合(ステップS21;NO)、制御部11は、使用者IDとパスワードの入力を要求する画面(図18)が表示部14に表示されるように表示部14を制御する(ステップS27)。図18の画面に応じて使用者が操作部12を操作して使用者IDとパスワードとを入力すると、制御部11は、入力された使用者IDとパスワードとを取得する(ステップS28)。次に制御部11は、記憶部13に記憶されている使用者IDとパスワードを参照し、使用者の認証を行う(ステップS29)。
【0070】
制御部11は、取得した使用者IDとパスワードの組を格納したレコードが認証テーブルTB1にある場合、使用者の証明を受理し、使用者に対して画像形成装置10の使用を許可する(ステップS29;YES)。制御部11は、ステップS29でYESと判断すると処理の流れをステップS25へ移す。例えば、使用者IDが「ggghhh」である者が使用者ID「ggghhh」及びパスワード「ggg1357」を入力した場合、図12の2行目のレコードに示したように、使用者IDの「ggghhh」と、使用者の証明を受理した日時とを、図12の2行目のレコードに示したように対応付けて記憶部13に記憶させる。なお、制御部11は、取得した使用者IDとパスワードの組を格納したレコードが認証テーブルTB1にない場合、使用者の証明を棄却し(ステップS29;NO)、使用者に対して画像形成装置10の使用を認めないことを通知するメッセージが表示されるように表示部14を制御する(ステップS30)。
【0071】
次に、認証された使用者の顔写真の画像を表示する使用者表示処理について説明する。図15は、使用者表示処理の流れを示したフローチャートである。制御部11は、認証された使用者の顔写真の表示を指示する操作が操作部12で行われると、当該操作が行われた時間帯から予め定められた範囲内の日時のログデータを取得する(ステップS41)。ここで、本実施形態においては、操作が行われた時間帯を含む時間帯から過去へ6個の時間帯を特定し、特定した時間帯に含まれる日時のログデータを取得する。
【0072】
例えば、図12のようにログデータが記憶された後、表示を指示する操作が2013年10月31日の15時55分に行われた場合、制御部11は、操作が行われた日時を含む10月31日の12時から16時未満の時間帯に含まれるログデータ、10月31日の8時から12時未満の時間帯に含まれるログデータ、10月31日の4時から8時未満の時間帯に含まれるログデータ、10月31日の0時から4時未満の時間帯に含まれるログデータ、10月30日の20時から10月31日の0時未満の時間帯に含まれるログデータ、及び10月30日の16時から20時未満の時間帯に含まれるログデータを取得する。なお、ログデータの内容が図12に示したものであった場合、制御部11は、図12の3つのレコードのデータを取得する。
【0073】
次に制御部11は、ステップS41で取得したログデータに基いて、顔写真の画像を表示する(ステップS42)。具体的には、制御部11は、取得したログデータに含まれている使用者IDを抽出し、抽出した使用者IDに対応付けられている画像ファイル名を認証テーブルTB1から取得する。制御部11は、取得した画像ファイル名で特定される画像ファイルを記憶部13から取得し、取得した画像ファイルが表す画像を表示する。
【0074】
例えば、図12の3つのレコードのデータを取得した場合、制御部11は、ログデータのうち日時が「2013/10/31 13:10」であるレコードに含まれている使用者ID「aaabbb」に基いて、図11の認証テーブルTB1から画像ファイル名「aaabbb.jpg」を取得する。制御部11は、この取得したファイル名で特定される画像ファイルの画像P1を、図19に示したように、10月31日の12時から16時未満の時間帯を示す領域に表示する。なお、図19においては、図面が繁雑になるのを防ぐため、顔の図示は省略している。
【0075】
また、制御部11は、ログデータのうち日時が「2013/10/31 13:40」であるレコードに含まれている使用者ID「cccddd」に基いて、図11の認証テーブルTB1から画像ファイル名「cccddd.jpg」を取得する。制御部11は、この取得したファイル名で特定される画像ファイルの画像P2を、図19に示したように、10月31日の12時から16時未満の時間帯を示す領域に表示する。
【0076】
なお、取得したログデータのうち、日時が「2013/10/31 14:20」であるレコードに関しては、格納されている使用者ID「ggghhh」について、認証テーブルTB1において画像ファイル名が対応付けて格納されてなく、画像ファイル名を取得できないため、顔写真の画像が表示されないこととなる。このため、12時から16時未満の時間帯で認証された使用者のうち、顔写真の画像ファイルが記憶されている人数は「2人」となり、この人数が図19に例示したように、12時から16時未満の時間帯の領域に表示される。なお、図19に例示した画面例においては、各時間帯の領域で表示される顔写真の数は24となっているが、人数の表示領域には、各時間帯に認証された使用者のうち、顔写真の画像ファイルが記憶されている使用者の延べ人数が表示される。
【0077】
以上説明したように、本実施形態によれば、認証をされた者の顔写真が表示されるため、画像形成装置10の管理者は、氏名や使用者識別子を表示する場合に比べて、誰がどの時間帯に画像形成装置10を使用したのかを容易に認識する。
【0078】
本発明は、上述した実施形態と異なる形態で実施してもよい。また、以下に示す変形例は、各々を組み合わせてもよい。
上述した実施形態では、画像形成装置10は、自装置の外側に配置される周辺機器20の接続を検出して滞在検知範囲R2を変化させていたが、自装置が備える又は自装置に接続される機器の移動を検出して、滞在検知範囲R2を変化させてもよい。
周辺機器20が移動させられると、画像形成装置10の全体の寸法が異なり、作業中の利用者が移動し得る範囲も変化する場合があるからである。この種の周辺機器20は、例えば、可動式のユーザインタフェース装置や手差しの給紙トレイ、処理済みのシートが排出される排出トレイであるが、画像形成装置10で移動可能に設けられた機器であって、移動させられることにより、画像形成装置10の外観の形状又は寸法を変化させる機器であればよい。画像形成装置10は、周辺機器20の移動を検出すると、例えば、移動後の周辺機器20の正面側を含むように滞在検知範囲R2を設定する。
【0079】
上述した実施形態の接近検知範囲R1及び滞在検知範囲R2の寸法又は形状は一例であり、別の寸法又は形状としてもよい。
画像形成装置10は、接近検知範囲R1内に人物が存在することを、自装置への人物の接近と検知して、スリープモードから通常モードへ移行してもよい。
また、画像形成装置10は、第1撮影部17を常に動作させて、接近検知範囲R1内の人物の接近を検知してもよい。この場合、画像形成装置10は、焦電センサ16を備えない構成であってもよい。
また、画像形成装置10は、接近検知範囲R1内の人物の接近を検知するための撮影装置と、滞在検知範囲R2内の人物の存在を検知するための撮影装置とを別々に備えていてもよい。
また、画像形成装置10は、第1撮影部17の撮影画像を使用する方法以外の方法で、接近検知範囲R1内の人物の接近を検知してもよい。例えば、画像形成装置10は、複数の距離センサを使用して、接近検知範囲R1内の人物の位置を特定し、特定した位置の時間変化に基づいて、人物の接近を検知してもよい。画像形成装置10は、滞在検知範囲R2内の人物の存在の検知についても、撮影画像を使用する方法以外の方法で検知してもよい。
【0080】
また、画像形成装置10は、滞在検知範囲R2内に人物が存在しなくなると、直ちに、スリープモードへ移行してもよい。
また、画像形成装置10は、周辺機器20の接続の有無のみによって滞在検知範囲R2を変化させてもよいし、周辺機器20の接続の有無によらないで、滞在検知範囲R2を一定にしてもよい。
また、画像形成装置10は、滞在検知範囲R2だけでなく、接近検知範囲R1を変化させてもよい。この場合、画像形成装置10は、滞在検知範囲R2の変化と連動させ、例えば、滞在検知範囲R2の全体を含むように接近検知範囲R1を設定する。
また、人物の動きの検出は、動きベクトルを算出しない方法で行われてもよく、ブロックマッチング等の公知の方法が用いられてもよい。
画像形成装置10は、撮影画像から人物を認識して、人物の動きを検出するのではなく、人物であることを特に認識せずに、公知の移動体抽出の技術を使用して人物の動きを検出してもよい。
【0081】
上述した実施形態では、画像形成装置10は、滞在検知範囲R2内に人物が存在しなくなると、スリープモードへ移行していたが、移行後のモードは、通常モードよりも消費電力量が少ないのであれば、スリープモード以外のモードであってもよい。例えば、画像形成装置10は、表示部14の表示を停止させて消費電力量を減らす一方で、それ以外の画像形成装置10の各部の動作については維持するモードに移行してもよい。また、画像形成装置10は、通常モード及びスリープモードに加えて、各々と消費電力量が異なる別のモードに従って動作してもよい。
【0082】
上述した実施形態においては、図19に例示した画面において、各時間帯の領域で表示される顔写真の数は、24となっているが、この数に限定されるものではなく、例えば、23以下や25以上など、他の数であってもよい。また、図19の表示例においては、各時間帯の表示領域は4時間を単位としているが、4時間ではなく3時間や6時間など、他の時間を単位としてもよい。また、上述した実施形態においては、図19の画面を表示する場合、画面を表示している日に係る時間帯と前日の時間帯とで、時間帯の領域内の色が異なるようにしてもよい。
【0083】
また、上述した実施形態においては、図19に示した各時間帯において、顔写真の画像ファイルを取得できるログデータの数が24を超える場合、認証された日時が新しいログデータのものから24個分について顔写真の画像を表示するようにしてもよい。なお、この場合、表示部14をタッチパネルとし、顔写真の表示領域でフリックの操作が行われると、表示されている24の画像以外の顔写真の画像を表示するようにしてもよい。
【0084】
上述した実施形態においては、図19の画面を表示している間に時刻が進んだ場合、表示する時間帯を変更して顔写真の画像の再表示を行うようにしてもよい。例えば、上述したように表示を指示する操作が2013年10月31日の15時55分に行われた後、図19の画面を表示している間に時刻が16時となった場合、10月31日の16時から20時未満の時間帯に含まれるログデータ、10月31日の12時から16時未満の時間帯に含まれるログデータ、10月31日の8時から12時未満の時間帯に含まれるログデータ、10月31日の4時から8時未満の時間帯に含まれるログデータ、10月31日の0時から4時未満の時間帯に含まれるログデータ、及び10月30日の20時から10月31日の0時未満までの時間帯に含まれるログデータに基いて、顔写真の画像を表示する。
【0085】
上述した実施形態においては、一つの時間帯内において、同一の使用者のログデータが複数ある場合、同一の使用者の顔写真の画像が複数表示される。例えば、使用者IDが「aaabbb」である者が12時から16時未満の時間帯に3回認証された場合、図20の(a)に例示したように、この使用者の顔写真の画像P1が3つ表示される。
しかしながら、顔写真の画像を表示する構成は、この構成に限定されるものではない。例えば、12時から16未満の時間帯に使用者IDが「aaabbb」である者が3回認証された場合、図20の(b)に示したように、表示する顔写真の画像P1は一つとし、この時間帯において使用者IDが「aaabbb」である者が認証された回数を画像P1に重ねて表示するようにしてもよい。
また、この構成においては、表示部14をタッチパネルとし、図20の(b)の画面が表示されている状態において、画像P1に触れる操作が行われた場合、画像P1に係る
使用者が認証された3回の日時を表示するようにしてもよい。
【0086】
上述した実施形態においては、表示部14をタッチパネルとし、図19の画面が表示されている状態において、いずれかの時間帯に触れる操作が行われた場合、触れられた時間帯について顔写真だけではなく、認証された日時や使用者IDを表示するようにしてもよい。例えば、図19の12時から16時未満の時間帯に触れる操作が行われた場合、図21に示したように、認証された日時や使用者IDが顔写真と共に表示される。なお、図20のように、12時から16時未満の時間帯において延べ4人が認証されていた場合には、この延べ4人の認証された日時や使用者IDが顔写真と共に表示される。
なお、図21の画面を表示する構成は、上述の構成に限定されるものではない。例えば、日付と時間帯とを選択する画面を表示し、選択された日付と時間帯に係るログデータに基いて、使用者が認証された日時、認証された使用者の使用者ID及び認証された使用者の顔写真の画像を表示してもよい。
また、図21の画面を表示する場合、選択された時間帯において、一度に表示可能な数を超えるログデータがある場合、まず初めに、認証された日時の新しいログデータから順番に表示し、タッチパネルにおいてスクロールを指示する操作が行われると、日時の古いログデータを表示するようにしてもよい。
また、図21の画面においても、選択された時間帯において、同一の使用者のログデータが複数ある場合、図20に示したのと同様に、当該使用者について表示する顔写真の画像は一つとし、選択された時間帯において認証された回数を、顔写真の画像に重ねて表示するようにしてもよい。
【0087】
上述した実施形態においては、使用者表示処理を実行した場合、認証された使用者のうち、顔写真の画像ファイルが記憶されていない使用者については、顔写真の画像が表示されないが、この構成に限定されるものではない。例えば、制御部11は、ステップS42において、取得したログデータに基いて顔写真の画像ファイル名を取得できなかった場合、人の顔を表す絵文字(アイコン)のように顔に対応する画像を表示するようにしてもよい。
【0088】
上述した実施形態においては、日付を入力するユーザインターフェースを表示し、入力された日付のログデータに基いて、当該日付の日に認証された使用者の顔写真を表示するようにしてもよい。
【0089】
上述した実施形態においては、第2撮影部18の位置は、表示部14に隣り合って配置されているが、使用者の顔を撮影できる位置であれば他の位置に配置してもよい。
上述した実施形態においては、画像形成装置10が使用者を認証しているが、使用者を認証する装置は、画像形成装置10に限定されるものではない。例えば、パーソナルコンピュータのように職場において共同で使用される端末装置に撮影部を設け、端末装置で上述の認証処理と使用者表示処理を行うようにしてもよい。
【0090】
上述した実施形態においては、使用者を認証するための顔写真の画像ファイルは記憶部13に記憶されているが、この構成に限定されるものではない。
例えば、認証テーブルTB1と顔写真の画像ファイルを記憶したサーバ装置と画像形成装置10をLAN(Local Area Network)などの通信網に接続し、第2撮影部18で撮影した画像をサーバ装置へ送信し、サーバ装置が認証処理を行うようにしてもよい。サーバ装置は、使用者を認証すると、使用者が画像形成装置10を使用できるように画像形成装置10を制御してもよい。なお、この構成においては、ログデータを画像形成装置10に記憶してもよく、また、ログデータをサーバ装置へ記憶するようにしてもよい。また、この構成においては、使用者表示処理をサーバ装置で行うようにしてもよい。
【0091】
上述した実施形態においては、ログデータが作成された後、過去に認証がされた使用者に係るレコードが認証テーブルTB1から削除され、当該使用者の顔写真の画像ファイルが記憶部13から削除された場合、当該使用者のログデータを用いて使用者表示処理を行う際には、顔写真の画像に替えて、人の顔を表す絵文字の画像を表示するようにしてもよい。
【0092】
上述した実施形態においては、顔認証で認証処理が行われた場合、ログデータにおいて、顔認証で認証処理が行われたことを表すデータを対応付けて記憶するようにしてもよい。また、この構成においては、使用者表示処理においては、顔認証で認証処理が行われたことを表すデータが対応付けているレコードをログデータから抽出し、抽出したログデータを用いて上述の使用者表示処理を行うようにしてもよい。この構成によれば、図19の画面を表示するときには、顔認証で認証がされた使用者の顔写真の画像だけが表示されることとなる。
【0093】
上述した実施形態においては、画像形成装置10の使用者を例えば職場の部署毎などでグループ分けし、認証テーブルTB1において、グループを表すデータを各使用者のレコードに加えるようにしてもよい。また、この構成においては、使用者表示処理を行うときに管理者が指定したグループでログデータをフィルタリングし、フィルタリングされたログデータに基いて、使用者の顔写真の画像を表示するようにしてもよい。
【0094】
上述した実施形態においては、スキャン処理やコピー処理、ファクシミリ送信処理を行ったときのログデータを記憶するようにしてもよい。なお、このログデータには、処理を実行した日時、使用者の使用者ID、実行した処理の処理名が含まれる。制御部11は、実行した各種処理のログデータを取得し、このログデータに基いて、実行した処理名、処理を実行した使用者及び当該使用者の顔写真の画像を表示するようにしてもよい。なお、顔写真の画像については、上述した実施形態と同じく、使用者IDと認証テーブルTB1を用いて顔写真の画像ファイルを取得する。また、この構成においては、各種処理の処理名でログデータをフィルタリングし、フィルタリングされたログデータに基いて、実行した処理名、処理を実行した使用者及び当該使用者の顔写真の画像を表示するようにしてもよい。
【0095】
上述した実施形態においては、制御部11は、顔写真を用いた認証処理において、第2撮影部18で撮影した使用者に対して画像形成装置10の使用を認めないと判断した場合、第2撮影部18で撮影した顔の画像を、撮影した日時と共に記憶部13に記憶させるようにしてもよい。また、この構成においては、使用を認められないと判断された使用者の顔の画像を使用者の操作に応じて、表示部14に表示するようにしてもよい。
【0096】
上述した実施形態においては、顔写真を用いた認証処理において、使用者に対して画像形成装置10の使用を認める場合、第2撮影部18で撮影した顔の画像を記憶部13に記憶させ、ログデータにおいて、当該画像のファイル名を対応付けて記憶するようにしてもよい。そして、画像形成装置10の使用者の顔画像を表示する場合には、この第2撮影部18で撮影されて記憶部13に記憶された画像ファイルの画像を表示するようにしてもよい。
【0097】
上述した実施形態においては、使用者が認証のための操作を行うことにより認証処理が行われているが、この構成に限定されるものではない。例えば、画像形成装置10は、人の接近を検知した場合、自動的に第2撮影部18で顔の画像を撮影して認証処理を行うようにしてもよい。また、画像形成装置10は、認証処理に係わらず、顔の画像を表示するようにしてもよい。例えば、画像形成装置10は、人の接近を検知した場合、自動的に第2撮影部18で顔の画像を撮影し、当該顔の画像の画像ファイルと、撮影日時とを記憶部13に記憶させ、この記憶された画像ファイルの内容と、撮影日時とを使用者の指示により表示するようにしてもよい。
【0098】
上述した実施形態では、画像形成装置10は、コンソール型であったが、デスクトップ型であってもよく、利用者の操作に応じて情報処理を実行する装置であればよい。
本発明の情報処理装置は、複数機能を有する画像形成装置以外の情報処理装置であってもよく、例えば、スキャン装置やコピー機、ファクシミリ等の情報処理装置であってもよいし、パーソナル・コンピュータやサーバ装置等の情報処理装置であってもよい。
上述した各実施形態の画像形成装置10の制御部11が実現する各機能は、1又は複数のハードウェア回路により実現されてもよいし、1又は複数のプログラムを演算装置が実行することにより実現されてよいし、これらの組み合わせにより実現されてもよい。
制御部11の機能がプログラムを用いて実現される場合、このプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスク(HDD(Hard Disk Drive)、FD(Flexible Disk))等)、光記録媒体(光ディスク等)、光磁気記録媒体、半導体メモリ等のコンピュータ読取可能な記録媒体に記憶した状態で提供されてもよいし、ネットワークを介して配信されてもよい。
【符号の説明】
【0099】
10…画像形成装置、100…操作パネル部、11…制御部、12…操作部、13…記憶部、14…表示部、15…画像形成部、16…焦電センサ、17…第1撮影部、18…第2撮影部、19…電源制御部、111…監視制御手段、112…接近検知手段、113…存在検知手段、114…モード制御手段、115…機器検出手段、116…認証部、117…表示制御部、20…周辺機器、131…履歴記憶部、132…識別情報記憶部
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