(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記判断手段は、前記確認手段により個別に確認された前記操作装置の状態及び前記電子機器の状態の変化に基づいて操作システムの使用状態を判断することを特徴とする請求項1記載の操作システム。
前記制御手段は、前記操作システムの前記省電力動作への制御に際し、前記操作装置における所定のディバイスへの電源供給と、前記電子機器における所定のディバイスへの電源供給とを共に停止させることを特徴とする請求項1又は2記載の操作システム。
前記電子機器における電源供給の停止対象となる前記所定のディバイスは複数であり、前記制御手段は、前記判断手段による判断結果の内容に応じて、1乃至複数の前記所定のディバイスへの電源供給を停止させることを特徴とする請求項3記載の操作システム。
前記操作システムの前記省電力動作における動作内容には、前記操作装置と前記電子機器との間の無線による通信モードを通常モードよりも消費電力が少ない省電力モードとする内容が含まれることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の操作システム。
前記電子機器は、被写体を撮像する撮像手段を含み、当該撮像手段により撮像した撮像画像を前記操作装置へ送信するとともに、操作装置から無線による操作に応じ撮影動作を行う撮像装置であり、
前記操作装置は、前記撮像装置から受信した前記撮像画像を表示する表示手段、及び前記撮像装置に撮影動作を行わせる操作を行うための操作手段を含む
ことを特徴とする請求項1乃至5いずれか記載の操作システム。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0018】
(実施形態1)
本実施形態は、一般的なデジタルカメラにおける撮影レンズや撮像素子等からなる撮像部に対して、モニター及び操作スイッチを含む操作部が外部に用意された構成のものに相当するカメラ装置に関するものである。具体的には、撮像部のみを単独で任意の場所に設置して、離れた場所で操作部から無線により撮像部を操作可するカメラ装置であって、操作システムとしての機能を備えたカメラ装置に関するものである。
図1は、本発明の一実施形態として例示するカメラ装置の電気的構成の要部を示すブロック図であり、本実施形態のカメラ装置は、無線通信によってデータの送受信が可能な前記撮像部に相当する撮像装置1と前記操作部に相当する操作装置2とから構成される。
【0019】
まず、撮像装置1の電気的構成について説明する。撮像装置1は、主としてMCU(Micro Controller Unit)11と、DSP(Digital Signal Processor)12、撮像部13、外部記憶装置14、加速度センサー15、通信部16、電源部17とから構成される。
【0020】
MCU11は、プログラムが格納されたROM(Read Only Memory)、作業用のRAM(Random Access memory)等を含むコンピュータであり、ROMに記憶されているプログラムに従い撮像装置1の各部を制御する。
【0021】
撮像部13は、被写体を撮像するCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Meta1 0xide Semiconductor)型の撮像素子と、その駆動回路と、撮像素子から出力された撮像信号の増幅、デジタル信号への変換を行うAFE(Analog Front End)から構成される。
【0022】
DSP12は、撮像部13から出力されたデジタル変換後の撮像信号に所定のプログラムに基づく複数段階の信号処理を行い撮像画像のデータを生成し、撮影時には、JPEG(Joint Photographic Expert Group)方式等で圧縮した記録用の画像データも生成する。
【0023】
外部記憶装置14は、撮像装置1の本体に着脱自在な各種のメモリカードであり、撮影時にDSP12によって生成された記録用の画像データが記憶される。
【0024】
加速度センサー15は、撮像装置1における3軸方向の加速度を検出するセンサーであり、加速度センサー15の検出信号は、図示しないアンプやA/D変換器を介してMCU11へ供給される。
【0025】
通信部16は、操作装置2との間でBluetooth(登録商標)による近距離の無線通信を行う通信回路により構成され、操作装置2との間でデータ通信を行う。
【0026】
電源部17は、電源電池(例えばニッケル水素電池等の充電池)、及びDC/DCコンバータ等で構成され、上記の各部に対して各々が必要とする電力を供給する。なお、電源部17には電源スイッチが含まれる。
【0027】
そして、撮像装置1においては、MCU11が、撮像部13を駆動させている間に、DSP12が生成した撮像画像のデータを通信部16を介して操作装置2へ送信し、また、操作装置2からの要求に応じて外部記憶装置14から読み出した画像データも操作装置2へ送信する。そして、MCU11は、後述するように、操作装置2からの要求に応じて撮像装置1における電源制御等を行う。
【0028】
次に、操作装置2の電気的構成について説明する。操作装置2は、主としてMCU21と、表示装置22、操作部23、加速度センサー24、通信部25、電源部26から構成される。
【0029】
MCU21の構成は、撮像装置1が有するMCU11と基本的には同様であり、ROMに記憶されているプログラムに従い操作装置2の各部を制御する。
【0030】
表示装置22はカラーの液晶モニター(以下、LCDとも称す)であり、前述した撮像画像をスルー画像として表示するとともに、ユーザーに撮影条件や、カメラ装置が有する各種機能を設定させるためのメニュー画面等の各種情報を表示する。また、表示装置22は撮像装置1から送られた記録用の画像データに基づく画像、すなわち過去に撮影され、記憶されている撮影画像も表示する。
【0031】
操作部23は、電源スイッチやシャッターボタンを含む複数の操作スイッチにより構成される。
【0032】
加速度センサー24は、操作装置2における3軸方向の加速度を検出するセンサーであり、加速度センサー24の検出信号は、図示しないアンプやA/D変換器を介してMCU21へ供給される。
【0033】
通信部16は、撮像装置1との間でBluetooth(登録商標)による近距離の無線通信を行う通信回路により構成され、撮像装置1との間でデータ通信を行う。
【0034】
電源部17は、電源電池(例えばニッケル水素電池等の充電池)、及びDC/DCコンバータ等で構成され、上記の各部に対して各々が必要とする電力を供給する。
【0035】
そして、操作装置2においては、MCU21が、操作部23の所定の操作スイッチによるユーザーからの操作指示の内容を通信部25を介して撮像装置1へ送信したり、通信部25を介して撮像装置1から受信したスルー画像を表示装置22に表示させたりする。また、MCU21は、後述するように、撮像装置1に対して電源制御等を含む各種の処理を要求するとともに、操作装置2における電源制御を行う。
【0036】
次に、以上の構成からなるカメラ装置の本発明に係る動作について説明する。ここでは撮像装置1と操作装置2とが予めBluetooth(登録商標)におけるペアリングが完了しており、双方の電源がオンされるとカメラ装置が直ちに撮影待機状態となることを前提とする。すなわち撮像装置1が所定のフレームレートで撮像動作を開始し、被写体の撮像画像のデータを操作装置2へ逐次送信する一方、操作装置2がそれを受信し、表示装置22にスルー画像を表示する状態となることを前提とする。
【0037】
なお、以下の説明では、便宜上、撮像装置1をカメラと呼び、操作装置2をリモコンと呼ぶこととする。
【0038】
(リモコンの動作)
まず、撮影待機状態におけるリモコン(操作装置)2の本発明に係る動作について説明する。
図2は、MCU21がROMに記憶されているプログラムに従い実行する処理の内容を示した
図2のフローチャートである。
【0039】
MCU21は、スルー画像の表示を開始した後、直ちに内部クロックにより実現される1秒タイマをスタートさせ(ステップSA1)、1秒毎に(ステップSA2:YES)、電源制御処理を実行する(ステップSA3)。係る処理は、リモコン2とカメラ1との双方の電源を制御する処理であり、詳細については後述する。
【0040】
また、MCU21は、1秒タイマのカウント時間が1秒に達するまでは(ステップSA2:NO)、ユーザーからの電源スイッチの操作による電源オフ指示の有無、及びシャッターボタンの操作による撮影指示の有無を逐次確認する(ステップSA4,SA5)。
【0041】
MCU21は、上記のいずれの操作もなければ(ステップSA4,SA5が共にNO)、ステップSA2の処理へ戻り、1秒毎に(ステップSA2:YES)、電源制御処理を実行する(ステップSA3)。
【0042】
また、その間にMCU21は、撮影指示があれば(ステップSA5:YES)、カメラ1へ撮影を要求する要求信号を送信した後(ステップSA6)、ステップSA2の処理へ戻り、電源オフ操作があれば(ステップSA4:YES)、カメラ1へ電源オフを通知した後(ステップSA7)、リモコン2の電源をオフして(ステップSA8)、全ての処理を終了する。
【0043】
次に、前述したステップSA3においてMCU21が実行する1秒毎の電源制御処理の具体的内容を
図3のフローチャートに従い説明する。
【0044】
電源制御処理に際してMCU21は、まずカメラ(撮像装置)1に対して状態の取得を要求する旨の通知を行う(ステップSA31)。ここで、状態とは、カメラにおける動きの有無に関する状態であり、動きがある動作状態と、静止している静止状態とのいずれかであり、ステップSA31における通知は、係る状態を取得するともに、それを示す状態情報をリモコン2へ送信することを要求するものである。
【0045】
なお、カメラ1においては、後述するように係る要求に応答し、加速度センサー15の検出値から自己の状態を確認し、確認した状態を示す状態情報をリモコン2へ送信することとなる。
【0046】
MCU21は、カメラ1から上記の状態情報を受信することによりカメラ1の状態が取得できるまで処理待ちを行い(ステップSA32:NO)、カメラ1の状態が取得できたら(ステップSA32:YES)、次に、リモコン2の状態を取得する(ステップSA33)。すなわちリモコン2が動作状態、又は静止状態のいずれであるかを確認する。
【0047】
そして、MCU21は、リモコン2が静止状態であるときには(ステップSA34:「静止」)、カメラ装置の使用状態が、ユーザーがカメラ1を任意の場所にセッティング中である状態、又は未使用の状態であるかのいずれかであると判断し、カメラ1側へ次の内容の電源制御要求を通知する。
【0048】
すなわちMCU21は、カメラ1側に対して、DSP12と撮像部(撮像素子)13(複数のディバイス)の電源をオフにする内容の電源制御を要求する(ステップSA35)。つまり、カメラ1側に対して、撮影待機状態における動作モードをDSP12と撮像部(撮像素子)13との双方の消費電力を削減する第1の省電力モードへの移行を要求する。
【0049】
その後、MCU21は、通信部25における通信モードを、相手側(カメラ1)からの送信の有無を一定の時間間隔をおいてのみ確認する省電力モード(所謂スニフモード)に設定する(ステップSA36)。なお、既に通信モードが省電力モードである場合には、その通信モードを維持する。
【0050】
さらに、MCU21は、所定のディバイスであるLCD22の電源をオフにする電源制御を行う(ステップSA37)。つまりリモコン2の動作モードをLCD22の消費電力を削減する省電力モードとする。ここでも、既にLCD22の電源をオフにしている場合には、その状態を維持する。
【0051】
一方、MCU21は、上記とは異なりリモコン2が動作状態であるときには(ステップSA34:「動作」)、カメラ1の状態に応じて以下の異なる処理を行う。
【0052】
まず、MCU21は、カメラ1が静止状態であれば(ステップSA38:「静止」)、カメラ装置の使用状態が、ユーザーが撮影を実施しようとしている状態であると判断し、カメラ1側に対して、DSP12と撮像部(撮像素子)13の電源をオンにする(電源供給を開始又は続行する)内容の電源制御を要求する(ステップSA39)。つまり、カメラ1側に対して、動作モードをDSP12と撮像部(撮像素子)13との電源をオンにした通常モードへの移行を要求する。
【0053】
その後、MCU21は、通信部25における通信モードを通常モード(所謂アクティブモード)に設定する(ステップSA40)。なお、既に通信モードが通常モードである場合には、その通信モードを維持する。
【0054】
さらに、MCU21は、LCD22の電源をオンにする電源制御を行う(ステップSA41)。つまりリモコン2の動作モードをLCD22の電源をオンにした通常モードとする。ここでも、既にLCD22の電源をオンにしている場合には、その状態を維持する。
【0055】
また、上述した場合と異なりカメラ1が動作状態であれば(ステップSA38:「動作」)、MCU21は、カメラ装置の使用状態が、ユーザーがカメラ1を持って移動している状態であると判断し、カメラ1側に対して、DSP12の電源をオンに、かつ撮像部(撮像素子)13の電源をオフにする内容の電源制御を要求する(ステップSA40)。つまりカメラ1側に対して、動作モードを撮像部(撮像素子)13のみの消費電力を削減する第2の省電力モードへの移行を要求する。
【0056】
その後、MCU21は、通信部25における通信モードを前述した省電力モードに設定する(ステップSA43)。なお、既に通信モードが省電力モードである場合には、その通信モードを維持する。
【0057】
そして、MCU21は、LCD22の電源をオンにする電源制御を行う(ステップSA41)。つまりリモコン2の動作モードをLCD22の電源をオンにした通常モードとする。ここでも、既にLCD22の電源をオンにしている場合には、その状態を維持する。
【0058】
(カメラの動作)
次に、リモコン2側のMCU21による上述した処理に対応したカメラ(撮像装置)1の本発明に係る動作について説明する。
図4は、カメラ1においてMCU11がROMに記憶されているプログラムに従い実行する処理の内容を示したフローチャートである。
【0059】
MCU11は、撮影待機状態において所定のフレームレートでの撮像、及び撮像画像のリモコン2への送信を開始した後には、リモコン2からの要求待ち状態にあり、リモコン2から無線で送られる前述した電源オフの通知(電源オフ要求)、及び撮影要求を含む各種の要求の有無を随時確認する(ステップSB1)。
【0060】
そして、MCU11は、リモコン2から何らかの要求があると(ステップSB1:YES)、その要求に応じた以下の処理を実行する。
【0061】
すなわち、MCU11は、リモコン2からの要求が電源オフ要求であれば(ステップSB2:YES)、直ちにカメラ1の電源をオフして(ステップSB3)、全ての処理を終了する。
【0062】
また、MCU11は、リモコン2からの要求が撮影要求であれば(ステップSB4:YES)、撮影処理を行う(ステップSB5)。すなわち撮像部13において被写体を撮像し、DSP12が生成した記録用の画像データを外部記憶装置14に記憶する。
【0063】
また、MCU11は、リモコン2からの要求が前述した電源制御要求ではなく、カメラ1の状態取得要求であったときには(ステップSB6:NO)、加速度センサー15の検出値からカメラ1の状態を確認(取得)し(ステップSB7)、確認した状態をリモコン2へ通知する。つまり確認した状態を示す状態情報をリモコン2へ送信する(ステップSB8)。その後、MCU11は、ステップSB1へ戻り、再びリモコン2からの要求待ちを行う。
【0064】
また、MCU11は、リモコン2からの要求が前述した電源制御要求であったときには(ステップSB6:YES)、リモコン2からの要求に応じて、DSP12と、撮像素子つまり撮像部13における電源処理を行う(ステップSB9)。
【0065】
すなわちステップSB9の処理においてMCU11は、リモコン2が静止状態であって、リモコン2においてカメラ装置の使用状態が、カメラ1のセッティング中、又は未使用の状態のいずれかであると判断されていたときには、DSP12と撮像部(撮像素子)13との電源をオフにする。つまりMCU11は、カメラ1の動作モードを消費電力が最も少ない第1の省電力モードとする。なお、既にカメラ1の動作モードが第1の省電力モードである場合には、その動作モードを維持する。
【0066】
また、リモコン2が動作状態で、かつカメラ1が静止状態であって、リモコン2においてカメラ装置の使用状態が、ユーザーが撮影を実施しようとしている状態であると判断されていたときには、DSP12と撮像部(撮像素子)13との電源をオンにする。つまりMCU11は、カメラ1の動作モードを通常モードとする。なお、既にカメラ1の動作モードが通常モードである場合には、その動作モードを維持する。
【0067】
さらに、リモコン2とカメラ1とが共に動作状態であって、リモコン2においてカメラ装置の使用状態が、ユーザーがカメラ1を持って移動している状態であると判断されていたときには、DSP12の電源をオンに、かつ撮像部(撮像素子)13の電源をオフにする。つまりMCU11は、カメラ1の動作モードを、消費電力が通常モードと第1の省電力モードとの間となる第2の省電力モードとする。なお、既にカメラ1の動作モードが第2の省電力モードである場合には、その動作モードを維持する。
【0068】
図5は、上記の電源処理によるカメラ1のDSP12と撮像部(撮像素子)13の電源制御内容、及び前述したリモコン2における電源制御処理によるLCD22の電源制御内容を、各々が対応するカメラ1及びリモコン2の状態、及び想定されるカメラ装置の使用状態と共に示した図である。
【0069】
そして、上記の電源処理を行った後、MCU11は、リモコン2へ処理が完了した旨を通知する(ステップSB10)。
【0070】
さらに、MCU11は、通信部16における通信モードをリモコン2側と同様のモードに変更する通信モード処理を行う(ステップSB11)。すなわち、ステップSB9の処理に際して撮像部(撮像素子)13の電源をオフとした場合には、通信モード処理を省電力モードに設定し、撮像部(撮像素子)13の電源をオンとした場合には、通信モード処理を通常モードに設定する。
【0071】
以後、MCU11は、ステップSB1へ戻り、再びリモコン2からの要求待ちを行うとともに、前述した処理を繰り返す。なお、その間には、リモコン2側において1秒毎に電源制御処理(
図3)が行われているため、MCU11は、1秒毎に前述したステップSB6〜ステップSB11の処理を実行する。
【0072】
以上説明したように、本実施形態のカメラ装置においては、撮影待機状態にある間、カメラ1とリモコン2にそれぞれ設けた加速度センサー15,24の情報から、カメラ1とリモコン2との状態(動作状態、又は静止状態)を確認し、それに基づいてカメラ装置の使用状態を判断する。
【0073】
そして、その判断結果に応じてカメラ1の動作モードを適宜第1の省電力モード及び第2の省電力モードに設定し、かつリモコン2の動作モードを適宜省電力モードに設定する。すなわちカメラ装置の使用状態が、カメラ1のセッティング中、又は未使用の状態や、ユーザーがカメラ1を持って移動している状態であると判断したときには、直ちにカメラ1の動作モードを第1又は第2の省電力モードとし、かつリモコン2の動作モードを適宜省電力モードとする。つまり予め想定されるカメラ装置の使用状態に即して、カメラ装置としての動作モードを適宜省電力モードに設定する(
図5参照)。
【0074】
したがって、カメラ装置がカメラ1とリモコン2とから構成されており、カメラ1のみを単独で任意の場所に設置し、カメラ1から離れた場所でリモコン2を操作して撮影を行うといった、一般的なデジタルカメラと異なる特有の使用形態での使用されている間における消費電力を効果的に削減することができる。
【0075】
また、カメラ装置としての動作モードを省電力モードに設定している間には、カメラ1とリモコン2との間の通信モードも省電力モードとすることから、消費電力をより一層効果的に削減することができる。
【0076】
また、カメラ1については、DSP12と撮像部(撮像素子)13との電源を個別に制御可能な構成とし、カメラ1とリモコン2との双方が動いており、ユーザーがカメラ1を持って移動している状態であると判断した場合には、動作モードして撮像部(撮像素子)13のみの電源をオフする第2の省電力モードを設定し、同時にリモコン2を通常モードに設定するようにした。
【0077】
これにより、例えばユーザーが任意の場所にカメラ1を設置した後、直ちに撮影を行うような場合には、DSP12の起動時間を待たずに瞬時に撮影を行うことができ、利便性を確保したままで消費電力を削減することができる。
【0078】
(実施形態2)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態は、第1の実施形態で説明した構成からカメラ装置において、リモコン2のMCU21が前述した1秒毎の電源制御処理に際して第1の実施形態とは異なる処理を行うものである。
【0079】
以下、本実施形態における電源制御処理を
図6に示したフローチャートに従い具体的に説明する。
【0080】
本実施形態においても電源制御処理に際してMCU21は、まずカメラ(撮像装置)1に対して状態(動作状態、又は静止状態)の取得を要求する旨の通知を行い(ステップSA131)、カメラ1からの状態情報の受信待ちを行う(ステップSA132)。さらに、MCU21は、カメラ1の状態が取得できたら(ステップSA132:YES)、次に、リモコン2の状態を取得する(ステップSA133)。ここまでは、第1の実施形態と同様である。
【0081】
その後、本実施形態においてMCU21は、まずカメラ1とリモコン2とのいずれかにおいて、1秒前、つまり前回の電源制御処理を行った時点から状態に変化があったか否かを確認する(ステップSA134)。
【0082】
ここで、カメラ1とリモコン2との双方において状態の変化がなかった場合には(ステップSA134:NO)、MCU21は、直近10秒間において双方の状態に変化があったか否かをさらに確認する(ステップSA135)。なお、係る処理は、MCU21が直近の10秒間に行った電源制御処理において確認したカメラ1とリモコン2との双方の状態を作業用のRAMに記憶しておくことにより行われる。
【0083】
そして、MCU21は、直近10秒間に双方のいずれかにおいて状態の変化があった場合には(ステップSA135:YES)、そのまま電源制御処理を終了し、前述した
図2の処理に戻る。つまりカメラ1とリモコン2とにおける動作モード(通常モード又は省電力モード)を維持する。
【0084】
また、上記とは逆に直近10秒間においてカメラ1とリモコン2との双方の状態に変化が無かった場合(ステップSA135:NO)、MCU21は、カメラ装置が未操作状態にあると判断し、カメラ1側に対して、DSP12と撮像部(撮像素子)13との電源をオフにする内容の電源制御を要求する(ステップSA136)。
【0085】
つまりカメラ1の動作モードが通常モード又は第2の省電力モードであれば、動作モードを第1の省電力モードへ移行させ、既に第1の省電力モードであれば、その状態を維持させる。
【0086】
さらに、MCU21は、LCD22の電源をオフにする電源制御を行う(ステップSA137)。つまりリモコン2の動作モードが、その時点で省電力モードでなければ省電力モードとする。
【0087】
一方、MCU21は、上記の場合とは異なり、カメラ1とリモコン2とのいずれかにおいて、1秒前の時点から状態に変化があった場合には(ステップSA134:YES)、MCU21のROMに記憶されている
図7に示した制御テーブルを参照して以下の処理を行う。
【0088】
この制御テーブルは、予め設定されているカメラ1とリモコン2との状態変化(変化なしを含む)のパターンと、予め予測可能なユーザーの行動内容(行動予測)と、カメラ1のDSP12と撮像部(撮像素子)13の電源制御内容と、リモコン2のLCD22の電源制御内容との関係を示すものである。
【0089】
以下、説明するとMCU21は、まず上記の制御テーブルを参照し、カメラ1とリモコン2との状態変化からユーザー(撮影者)の行動を予測する(ステップSA138)。すなわち上記の制御テーブルにおいて、カメラ1とリモコン2との状態変化に対応するユーザーの行動内容を確認することにより、ユーザーの行動を予測する。
【0090】
ここで、MCU21が予測可能な行動内容は、
図7に示したように、カメラの移動開始、カメラの移動中、カメラの設置完了、撮影者の移動中、撮影者及びカメラの移動中、カメラの設定完了、撮影者の移動完了の7パターンのいずれかである。
【0091】
例えばカメラ1の状態変化が「静→動」であった場合においては、リモコン2の状態が「静→動」であれば、ユーザーが「撮影しようとしている」と予測し、リモコン2の状態がそれ以外の「動→動」、「動→静」、「静→静」であれば、ユーザーが「カメラの移動を開始」したと予測する。
【0092】
しかる後、MCU21は、制御テーブルを参照して、上記の予測結果に応じたカメラ1のDSP12と撮像部(撮像素子)13の電源制御内容を決定し、決定した内容の電源制御要求をカメラ1側に通知する(ステップSA139)。具体的な電源制御内容は
図7に示した通りである。これにより、MCU21は、カメラ1の動作モードを、通常モードと第1の省電力モードと第2の省電力モードとのいずれかに制御する。
【0093】
但し、ステップSA139の処理に際しては、
図7に示したように、上記の予測結果が「カメラの移動を開始」であった場合については、例外的にリモコン2の状態変化を勘案してカメラ1のDSP12と撮像部(撮像素子)13の電源制御内容が決定される。すなわちリモコン2の状態変化が「静→動」、「動→動」、「動→静」のときには、撮像部(撮像素子)13の電源のみをオフとするが、リモコン2の状態変化が「静→静」(変化なし)であったときには、DSP12と撮像部(撮像素子)13との双方の電源をオフとする。
【0094】
しかる後、MCU21は、制御テーブルを参照して、上記の予測結果に応じたリモコン2のLCD22の電源制御内容を決定し、決定した内容の電源制御を行う(ステップSA140)。具体的な電源制御内容は
図7に示した通りである。以後、MCU21は電源制御処理を終了し、前述した
図2の処理に戻る。
【0095】
以上のように、本実施形態の電源制御処理においては、MCU21が、カメラ1とリモコン2とにおける状態の変化に基づいて、ユーザーの行動を予測し、その予測結果に従ってカメラ1の動作モードを適宜第1の省電力モード及び第2の省電力モードに設定し、かつリモコン2の動作モードを適宜省電力モードに設定する。
【0096】
したがって、本実施形態によれば、第1の実施形態と比較して、カメラ装置の使用形態に即したより正確な電源制御を行うことができる。同時に、ユーザー(撮影者)の行動を予測して電源制御することにより、ユーザーが撮影しようとした時には直ちに撮影動作に入ることができる。
【0097】
なお、ここでは、電源制御処理ではカメラ1とリモコン2との間の通信モードは制御しない場合について説明したが、上述した電源制御処理においても、カメラ装置の動作モードを省電力モードにする場合には、カメラ1とリモコン2との間の通信モードも省電力モードとすることが望ましい。
【0098】
その場合には、ステップSA136,139の処理において、カメラ1の撮像部(撮像素子)13の電源をオフに制御するとき、通信モードも省電力モードとするとともに、ステップ139の処理において、カメラ1の撮像部(撮像素子)13の電源をオンにするとき、通信モードも通常モードとするようにすればよい。
【0099】
ここで、以上説明した第1及び第2の実施形態においては、カメラ1の動作モードを適宜第1の省電力モード及び第2の省電力モードに設定し、かつリモコン2の動作モードを適宜省電力モードに設定することによって、撮影待機状態におけるカメラ装置の消費電力を削減するようにした。しかし、本発明の実施に際しては、カメラ1の動作モードを常時通常モードとたり、逆にリモコン2の動作モードを常時通常モードとしたりする構成を採用することもできる。
【0100】
また、カメラ1とリモコン2との間の通信方式にBluetooth(登録商標)を採用した場合について説明したが、通信方式は任意であり、Wi−Fi等を採用することもできる。
【0101】
また、第1及び第2の実施形態においては、リモコン2のMCU21がカメラ1の動作モードとリモコン2の動作モードとを制御する構成について説明したが、これとは逆に、カメラ1のMCU11がカメラ1の動作モードとリモコン2の動作モードとを制御する構成とすることもできる。
【0102】
すなわちMCU11に、カメラ1とリモコン2との状態を確認し、それに基づいてカメラ装置の使用状態を判断するとともに、その判断結果に応じてカメラ1の動作モードを適宜第1の省電力モード及び第2の省電力モードに設定し、かつリモコン2の動作モードを適宜省電力モードに設定する処理を行わせる構成としてもよい。
【0103】
その場合には、リモコン2のMCU21に、カメラ1からの要求に応じてリモコン2の状態を取得し、それを示す状態情報をカメラ1へ送信する処理、及びカメラ1からの要求に応じてLCD22の電源を制御する処理を行わせればよい。
【0104】
また、前述したカメラ1とリモコン2の具体的な構成は任意であり、本発明の実施に際しては、無線によるデータ通信機能を有する構成であれば、例えばカメラ1は、一般的なデジタルカメラによって実現してもよい。その場合には、基本的な動作モードである撮影モードとは別に、又は撮影モードの下位の動作モードとして、
図4に示した処理を行う動作モードを別途設けるようにすればよい。
【0105】
さらに、カメラ1は、リモコン2と異なる場所に設置可能なものであれば、ユーザーが必要に応じて身に付けることができるもの、例えばユーザーが所定の補助具を用いての頭部に装着可能なヘッドセット型のものであっても構わない。その場合には、例えばユーザーに、カメラ1を身に付けているか否かの使用状態をリモコン2を用いて設定させ、ユーザーがカメラ1を身に付けていない使用状態にあるときにだけ、カメラ1とリモコン2に前述した処理を行わせる構成とすればよい。
【0106】
また、リモコン2についても、無線によるデータ通信機能を有する構成であれば、例えばユーザーの腕に装着可能なウォッチ型の携帯情報端末や、所謂スマートフォン(高機能の携帯電話機)等によって実現してもよい。
【0107】
また、以上の説明においては、本発明をカメラ1(撮像装置)とリモコン2(操作装置)とからなるカメラ装置に採用した場合について説明したが、これに限らず、本発明は、無線に接続された操作装置と電子機器とからなる操作システムであれば、任意の操作システムに採用することができる。その場合においても、操作システムにおいて消費電力を効果的に削減することが可能となる。
【0108】
任意の操作システムには、例えば音楽プレーヤー(電子機器)と、音楽プレーヤーにBluetooth(登録商標)等で接続されるとともに、音楽プレーヤーを操作する操作ボタン等を備えたベッドフォン(操作装置)が含まれる。
【0109】
以上、本発明の実施形態、及びその変形例について説明したが、これらは本発明の作用効果が得られる範囲内であれば適宜変更が可能であり、変更後の実施形態も特許請求の範囲に記載された発明、及びその発明と均等の発明の範囲に含まれる。以下に、本出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[請求項1]
操作装置と、当該操作装置から無線により操作される電子機器とを含む操作システムであって、
前記操作装置及び前記電子機器が動きのある状態又は動きのない状態のいずれの状態にあるかを個別に確認する確認手段と、
前記確認手段により個別に確認された前記操作装置の状態及び前記電子機器の状態に基づいて操作システムの使用状態を判断する判断手段と、
前記判断手段により操作システムの使用状態が所定の使用状態であると判断された場合に、前記操作システムの動作を、前記操作装置による前記電子機器の操作時に確保すべき通常動作よりも消費電力が少ない省電力動作に制御する制御手段と
を備えたことを特徴とする操作システム。
[請求項2]
前記判断手段は、前記確認手段により個別に確認された前記操作装置の状態及び前記電子機器の状態の変化に基づいて操作システムの使用状態を判断することを特徴とする請求項1記載の操作システム。
[請求項3]
前記制御手段は、前記操作システムの前記省電力動作への制御に際し、前記操作装置における所定のディバイスへの電源供給と、前記電子機器における所定のディバイスへの電源供給とを共に停止させることを特徴とする請求項1又は2記載の操作システム。
[請求項4]
前記電子機器における電源供給の停止対象となる前記所定のディバイスは複数であり、
前記制御手段は、前記判断手段による判断結果の内容に応じて、1乃至複数の前記所定のディバイスへの電源供給を停止させることを特徴とする請求項3記載の操作システム。
[請求項5]
前記操作システムの前記省電力動作における動作内容には、前記操作装置と前記電子機器との間の無線による通信モードを通常モードよりも消費電力が少ない省電力モードとする内容が含まれることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の操作システム。
[請求項6]
操作装置と、当該操作装置から無線により操作される電子機器とを含む操作システムにおける消費電力制御方法であって、
前記操作装置及び前記電子機器が動きのある状態又は動きのない状態のいずれの状態にあるかを個別に確認する確認工程と、
前記確認工程で確認した前記操作装置及び前記電子機器の状態に基づいて操作システムの使用状態を判断する判断工程と、
前記判断工程により操作システムの使用状態が所定の使用状態であると判断された場合に、前記操作システムの動作を、前記操作装置による前記電子機器の操作時に確保すべき通常動作よりも消費電力が少ない省電力動作に制御する制御工程と
を含むことを特徴とする消費電力制御方法。
[請求項7]
操作装置と、当該操作装置から無線により操作される電子機器とを含む操作システムにおける前記操作装置であって、
当該装置において検出された当該装置が動きのある状態又は動きのない状態のいずれの状態にあるかを示す情報、及び前記電子機器から受信した前記電子機器が動きのある状態又は動きのない状態のいずれの状態にあるかを示す情報に基づいて、前記操作装置及び前記電子機器が動きのある状態又は動きのない状態のいずれの状態にあるかを個別に確認する確認手段と、
前記確認手段により個別に確認された前記操作装置の状態及び前記電子機器の状態に基づいて操作システムの使用状態を判断する判断手段と、
前記判断手段により操作システムの使用状態が所定の使用状態であると判断された場合における所定のディバイスへの電源供給を停止する制御手段と、
前記電子機器に対し、前記判断手段により操作システムの使用状態が所定の使用状態であると判断された場合に前記電子機器が有する所定のディバイスへの電源供給を停止させるための、制御要求を行う制御要求手段と
を備えたことを特徴とする操作装置。
[請求項8]
操作装置と、当該操作装置から無線により操作される電子機器とを含む操作システムにおける前記操作装置が有するコンピュータを、
当該装置において検出された当該装置が動きのある状態又は動きのない状態のいずれの状態にあるかを示す情報、及び前記電子機器から受信した前記電子機器が動きのある状態又は動きのない状態のいずれの状態にあるかを示す情報に基づいて、前記操作装置及び前記電子機器が動きのある状態又は動きのない状態のいずれの状態にあるかを個別に確認する確認手段、
前記確認手段により個別に確認された前記操作装置の状態及び前記電子機器の状態に基づいて操作システムの使用状態を判断する判断手段、
前記判断手段により操作システムの使用状態が所定の使用状態であると判断された場合における所定のディバイスへの電源供給を停止する制御手段、
前記電子機器に対し、前記判断手段により操作システムの使用状態が所定の使用状態であると判断された場合に前記電子機器が有する所定のディバイスへの電源供給を停止させるための、制御要求を行う制御要求手段
として機能させることを特徴とするプログラム。
[請求項9]
操作装置と、当該操作装置から無線により操作される電子機器とを含む操作システムにおける前記電子機器であって、
当該機器において検出された当該機器が動きのある状態又は動きのない状態のいずれの状態にあるかを示す情報、及び前記操作装置から受信した前記操作装置が動きのある状態又は動きのない状態のいずれの状態にあるかを示す情報に基づいて、前記操作装置及び前記電子機器が動きのある状態又は動きのない状態のいずれの状態にあるかを個別に確認する確認手段と、
前記確認手段により個別に確認された前記操作装置の状態及び前記電子機器の状態に基づいて操作システムの使用状態を判断する判断手段と、
前記判断手段により操作システムの使用状態が所定の使用状態であると判断された場合における所定のディバイスへの電源供給を停止する制御手段と、
前記操作装置に対し、前記判断手段により操作システムの使用状態が所定の使用状態であると判断された場合に前記操作装置が有する所定のディバイスへの電源供給を停止させるための、制御要求を行う制御要求手段と
を備えたことを特徴とする電子機器。
[請求項10]
操作装置と、当該操作装置から無線により操作される電子機器とを含む操作システムにおける前記電子機器が有するコンピュータを、
当該機器において検出された当該機器が動きのある状態又は動きのない状態のいずれの状態にあるかを示す情報、及び前記操作装置から受信した前記操作装置が動きのある状態又は動きのない状態のいずれの状態にあるかを示す情報に基づいて、前記操作装置及び前記電子機器が動きのある状態又は動きのない状態のいずれの状態にあるかを個別に確認する確認手段、
前記確認手段により個別に確認された前記操作装置の状態及び前記電子機器の状態に基づいて操作システムの使用状態を判断する判断手段、
前記判断手段により操作システムの使用状態が所定の使用状態であると判断された場合における所定のディバイスへの電源供給を停止する制御手段、
前記操作装置に対し、前記判断手段により操作システムの使用状態が所定の使用状態であると判断された場合に前記操作装置が有する所定のディバイスへの電源供給を停止させるための、制御要求を行う制御要求手段
として機能させることを特徴とするプログラム。
[請求項11]
前記電子機器は、被写体を撮像する撮像手段を含み、当該撮像手段により撮像した撮像画像を前記操作装置へ送信するとともに、操作装置から無線による操作に応じ撮影動作を行う撮像装置であり、
前記操作装置は、前記撮像装置から受信した前記撮像画像を表示する表示手段、及び前記撮像装置に撮影動作を行わせる操作を行うための操作手段を含む
ことを特徴とする請求項1乃至5いずれか記載の操作システム。