(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
また、本明細書において、「〜」はとくに断りがなければ以上から以下を表す。
【0013】
本実施形態に係るペースト状接着剤組成物は、金属粒子(A)と、加熱により重合する化合物(B)と、を含む。また、ペースト状接着剤組成物は、熱処理により金属粒子(A)がシンタリングを起こして粒子連結構造を形成する。また、ペースト状接着剤組成物は、測定周波数1Hzの条件で動的粘弾性測定を行った際に、140℃〜180℃の温度域内において、せん断弾性率が5,000Pa以上100,000Pa以下である温度幅を10℃以上有する。また、ペースト状接着剤組成物は、金属粒子(A)を除去した後に180℃、2時間の条件で加熱して得られる試料のアセトン不溶分が5重量%以下である。
【0014】
上述したように、ペースト状接着剤組成物中に含まれる金属粒子をシンタリングさせて接着剤層を作製する場合において、接着剤層の面方向の中心部と周辺部において均一にシンタリングを進行させることは困難となる場合があった。また、たとえば一辺が5mm以上という大面積の半導体素子を接着するためのダイアタッチ層として、大面積の接着剤層を形成する場合には、接着剤層の中心部と周辺部におけるシンタリングの進行度合いのばらつきがより顕著となることが懸念された。このような点に鑑みて、本発明者は、接着剤層の面方向の中心部と周辺部におけるシンタリングの均一性を向上させることが可能なペースト状接着剤組成物を検討した。
【0015】
鋭意検討の結果、本発明者は、金属粒子(A)と加熱により重合する化合物(B)をペースト状接着剤組成物中に含ませ、かつペースト状接着剤組成物の粘弾性挙動と、所定の条件で測定されるアセトン不溶分と、を上述のように制御することにより、金属粒子(A)のシンタリングの均一性を向上させることができることを新たに見出した。本実施形態に係るペースト状接着剤組成物は、このような新たな知見に基づいて実現されたものである。このため、本実施形態によれば、接着剤層の面方向の中心部と周辺部における金属粒子のシンタリングの均一性を向上させることが可能となる。
【0016】
以下、本実施形態に係るペースト状接着剤組成物、半導体装置、およびその製造方法について詳細に説明する。
【0017】
まず、ペースト状接着剤組成物について説明する。
本実施形態に係るペースト状接着剤組成物は、金属粒子(A)と、加熱により重合する化合物(B)と、を含んでいる。本実施形態に係るペースト状接着剤組成物は、たとえば半導体素子を他の構造体に接着するためのダイアタッチ層を形成するために用いられるダイアタッチペーストである。他の構造体としては、とくに限定されないが、たとえば配線基板またはリードフレーム等の基材や、半導体素子、放熱板、磁気シールド等が挙げられる。また、ペースト状接着剤組成物は、たとえばこれらの他の構造体に対して放熱板を接着する接着剤層を形成するために用いられることもできる。なお、前記他の構造体は、本発明のペースト状接着剤組成物が接触する部分に銀等の本発明のペーストとシンタリング時に接着を促進する被膜を備えていることが好ましい。
【0018】
本実施形態に係るペースト状接着剤組成物は、測定周波数1Hzの条件で動的粘弾性測定を行った際に、140℃〜180℃の温度域内において、せん断弾性率が5,000Pa以上100,000Pa以下である温度幅Wを10℃以上有する。これにより、上述したように、接着剤層の面方向の中心部と周辺部における金属粒子(A)のシンタリングの均一性を向上させることが可能となる。とくに、このようなペースト状接着剤組成物を用い、かつ後述するように金属粒子(A)のシンタリングを200℃未満という低温条件の熱処理により進行させることによって、金属粒子(A)のシンタリングを接着剤層の面方向の中心部と周辺部においてより均一に進行させることが可能となる。
【0019】
ペースト状接着剤組成物中に含まれる金属粒子のシンタリングを高温条件下で行う場合には、接着剤層の中心部と周辺部においてその進行度合いにばらつきが生じることが懸念される。しかしながら、これまでは、低温条件下での熱処理によって金属粒子のシンタリングを均一かつ十分に進めることは困難となる場合があった。これは、低温条件下での熱処理では、金属粒子のシンタリングが、ペースト状接着剤組成物中に含まれる他の成分によって妨げられてしまうこと等によるものと考えられる。
本実施形態によれば、ペースト状接着剤組成物は、動的粘弾性測定を行った際に、140℃〜180℃の温度域内において、せん断弾性率が5,000Pa以上100,000Pa以下である温度幅Wを10℃以上有する。これにより、シンタリングが進行する際に金属粒子(A)同士が他の成分を押しのけて接触し合うことが容易となる。このため、たとえば200℃未満という低温条件の熱処理により金属粒子(A)のシンタリングを進行させる場合においても、金属粒子(A)のシンタリングが妨げられず、かつ金属粒子(A)の均一な分散性を保つことができるようペースト状接着剤組成物の粘弾性が調整された一定の温度域を得ることができる。必ずしも明らかではないが、このような理由から、金属粒子(A)のシンタリングを接着剤層の面方向の中心部と周辺部において均一に進行させることが可能となると考えられる。
【0020】
本実施形態においては、シンタリングの均一性を向上させる観点から、上記温度幅Wが15℃以上であることがより好ましく、20℃以上であることがとくに好ましく、25℃以上であることがさらに好ましい。一方で、上記温度幅Wの上限値は、とくに限定されず、40℃以下とすることができるが、半導体装置の生産性の観点からは35℃以下であることがより好ましい。上記温度幅の上限値および下限値をこのように制御することによって、高熱伝導性の金属粒子の連結構造をより好適に形成することができる。
【0021】
本実施形態において、ペースト状接着剤組成物に対する動的粘弾性測定は、たとえばレオメータ(HAAKE RheoWin、Thermo Scientific社製)を用いて、測定周波数1Hz、昇温速度5℃/分、測定温度範囲25℃〜250℃の条件で行うことができる。
【0022】
上記温度幅Wを含むペースト状接着剤組成物の粘弾性挙動は、たとえばペースト状接着剤組成物中に含まれる成分の種類や配合割合を調整することによって制御することが可能である。本実施形態においては、とくに加熱により重合する化合物(B)の種類や配合割合が重要となる。また、金属粒子(A)や化合物(B)に合わせて、たとえば硬化剤(C)の種類や配合割合を調製すること等も上記温度幅Wに影響する因子となり得ると考えられる。これらの各成分の種類や配合割合を適切に選択して、熱処理した際に化合物(B)が直鎖状に重合し得るようペースト状接着剤組成物を構成することが、上記温度幅Wを所望の範囲内に制御するためには非常に重要であると推測される。
【0023】
また、本実施形態に係るペースト状接着剤組成物は、金属粒子(A)を除去した後に180℃、2時間の条件で加熱して得られる試料のアセトン不溶分が、5重量%以下である。これにより、上述したように、接着剤層の面方向の中心部と周辺部における金属粒子(A)のシンタリングの均一性を向上させることが可能となる。加熱後におけるアセトン不溶分が5重量%以下であるペースト状接着剤組成物においては、加熱により重合する化合物(B)について、三次元架橋ではなく直鎖状の重合反応が進行することが推測される。この場合、三次元架橋した樹脂によって金属粒子(A)のシンタリングが妨げられてしまうことを抑制できることとなる。必ずしも明らかではないが、このような理由から、金属粒子(A)のシンタリングの均一性が向上するものと考えられる。
【0024】
本実施形態においては、たとえば次のようにして上記アセトン不溶分を測定することができる。まず、遠心分離および115メッシュ(目開き125μm)のフィルター濾過によりペースト状接着剤組成物から金属粒子(A)を除去する。次いで、金属粒子(A)を除去したペースト状接着剤組成物を、180℃、2時間の条件で加熱して測定試料を得る。次いで、液温25℃のアセトン約900gの入った密閉容器に測定試料約100gを精秤して投入した後20分間振盪して得たアセトン溶液と、アセトン約100gを用いて該密閉容器内を洗い流して得たアセトン溶液とを、115メッシュ(目開き125μm)のJIS標準ふるいで篩分する。次いで、アセトン約100gを上記ふるい全体に通過させる。次いで、ふるい上の残存物を風乾させた後、当該残存物の重量を測定する。測定結果から、残存物の測定試料全体に対する割合(重量%)を算出し、これをアセトン不溶分(重量%)とする。
【0025】
ペースト状接着剤組成物の上記アセトン不溶分は、たとえばペースト状接着剤組成物中に含まれる成分の種類や配合割合を調整することによって制御することが可能である。本実施形態においては、とくに加熱により重合する化合物(B)の種類や配合割合が重要となる。また、金属粒子(A)や化合物(B)に合わせて、たとえば硬化剤(C)の種類や配合割合を調製すること等も上記アセトン不溶分に影響する因子となり得ると考えられる。これらの各成分の種類や配合割合を適切に選択して、熱処理した際に化合物(B)が直鎖状に重合し得るようペースト状接着剤組成物を構成することが、上記アセトン不溶分を所望の範囲内に制御するためには非常に重要であると推測される。
【0026】
本実施形態に係るペースト状接着剤組成物は、たとえばこれを塗布して得た塗布膜を25℃から250℃まで昇温速度5℃/分で昇温した後、250℃、2時間の条件で加熱して得られる膜について、厚み方向の熱伝導率が15W/mK以上であることが好ましい。これにより、ペースト状接着剤組成物を用いて得られる接着層の熱伝導性を向上させることができる。このため、当該接着層により構成される電子部品の放熱性の向上に寄与することが可能となる。本実施形態においては、上記厚み方向の熱伝導率が、50W/mK以上であることがより好ましく、60W/mK以上であることがとくに好ましい。一方で、厚み方向の熱伝導率の上限値は、とくに限定されないが、たとえば200W/mK以下とすることができる。なお、上記厚み方向の熱伝導率は、たとえばペースト状接着剤組成物中に含まれる成分の種類や配合割合を調整することによって制御することが可能である。
【0027】
本実施形態に係るペースト状接着剤組成物は、たとえばこれを塗布して得た塗布膜を25℃から250℃まで昇温速度5℃/分で昇温した後、250℃、2時間の条件で加熱して得られる膜について、面方向の体積抵抗率が25×10
−6Ω・cm以下であることが好ましい。これにより、ペースト状接着剤組成物を用いて得られる接着層の導電性を向上させることができる。本実施形態においては、上記面方向の体積抵抗率が、15×10
−6Ω・cm以下であることがより好ましく、8×10
−6Ω・cm以下であることがとくに好ましい。なお、上記面方向の体積抵抗率は、たとえばペースト状接着剤組成物中に含まれる成分の種類や配合割合を調整することによって制御することが可能である。
なお、この面方向の体積抵抗率の下限値は特に限定されるものではないが、たとえば、0.01×10
−6Ω・cm以上である。
【0028】
本実施形態に係るペースト状接着剤組成物は、たとえば5%重量減少温度が100℃以上180℃以下であることが好ましい。これにより、金属粒子(A)のシンタリングをより促進させることが可能となる。このため、ペースト状接着剤組成物を用いて得られる接着層の熱伝導性や導電性をさらに向上させることができる。本実施形態においては、上記5%重量減少温度が、100℃以上160℃以下であることが、経時安定性や焼結性のバランスを向上させる観点からとくに好ましい。なお、5%重量減少温度は、たとえばペースト状接着剤組成物中に含まれる成分の種類や配合割合を調整することによって制御することが可能である。また、本実施形態においては、たとえばペースト状接着剤組成物10mgに対して窒素雰囲気または空気雰囲気、昇温速度5℃/分の条件でTG/DTA(熱重量/示差熱分析)測定を行うことにより、ペースト状接着剤組成物の5%重量減少温度を測定することができる。
【0029】
以下、本実施形態のペースト状接着剤組成物を構成する各成分について説明する。
【0030】
(金属粒子(A))
ペースト状接着剤組成物に含まれる金属粒子(A)は、ペースト状接着剤組成物に対して熱処理することによりシンタリングを起こして粒子連結構造を形成する。すなわち、ペースト状接着剤組成物を加熱して得られる接着剤層において、金属粒子(A)同士は互いに融着して存在することとなる。これにより、ペースト状接着剤組成物を加熱して得られる接着剤層について、その熱伝導性や導電性、基材や半導体素子、放熱板等への密着性を向上させることができる。
【0031】
金属粒子(A)の形状は、とくに限定されないが、たとえば球状、フレーク状、および鱗片状等を挙げることができる。本実施形態においては、金属粒子(A)が球状粒子を含むことがより好ましい。これにより、金属粒子(A)の焼結性を向上させることができる。また、シンタリングの均一性の向上にも寄与することができる。また、コストを低減させる観点からは、金属粒子(A)がフレーク状粒子を含む態様を採用することもできる。さらには、コストの低減とシンタリングの均一性のバランスを向上させる観点から、金属粒子(A)が球状粒子とフレーク状粒子の双方を含んでいてもよい。
【0032】
本実施形態においては、金属粒子(A)が、たとえば球状粒子およびフレーク状粒子を合わせて金属粒子(A)全体の90重量%以上100重量%以下含むことができ、95重量%以上含むことがより好ましい。これにより、シンタリングの均一性をより効果的に向上させることができる。また、シンタリングの均一性をさらに向上させる観点からは、金属粒子(A)が、たとえば球状粒子を金属粒子(A)全体の90重量%以上100重量%以下含むことがより好ましく、95重量%以上含むことがさらに好ましい。
【0033】
金属粒子(A)は、たとえばAg(銀)、Au(金)、およびCu(銅)からなる群から選択される一種または二種以上を含む。これにより、金属粒子(A)の焼結性を向上させ、ペースト状接着剤組成物を用いて得られる接着剤層の熱伝導性と導電性を効果的に向上させることが可能となる。金属粒子(A)は、上記材料の他にも、たとえばシンタリングを促進する、あるいは低コスト化等の目的でAg、Au、およびCu以外の金属成分を含むことが可能である。
【0034】
金属粒子(A)は、たとえば炭素を含有することができる。金属粒子(A)に含まれる炭素は、金属粒子(A)にシンタリングが生じる際の焼結助剤として機能する。このため、金属粒子(A)の焼結性を向上させることが可能となる。ここで、金属粒子(A)が炭素を含有するとは、金属粒子(A)の内部に含有される場合や、金属粒子(A)の表面に物理的または化学的に吸着されている場合を含む。
金属粒子(A)が炭素を含有する場合の一例として、金属粒子(A)に炭素を含む滑剤を付着させる態様が挙げられる。このような滑剤としては、たとえば高級脂肪酸、高級脂肪酸金属塩、高級脂肪酸アミド、および高級脂肪酸エステルが挙げられる。滑剤の含有量は、金属粒子(A)全体に対してたとえば0.01質量%以上5質量%以下であることが好ましい。これにより、炭素を焼結助剤として効果的に機能させつつ、熱伝導性の低下を抑制することが可能となる。
【0035】
金属粒子(A)の平均粒径(D
50)の下限値は、たとえば0.1μm以上である。また、金属粒子(A)の平均粒径(D
50)の上限値は、10μm以下である。金属粒子(A)の平均粒径(D
50)が上記下限値以上であることにより、比表面積の過度な増大を抑制し、接触熱抵抗による熱伝導性の低下を抑えることが可能となる。また、金属粒子(A)の平均粒径(D
50)が上記上限値以下であることにより、金属粒子(A)間における焼結性を向上させることが可能となる。また、ペースト状接着剤組成物のディスペンス性を向上させる観点からは、金属粒子(A)の平均粒径(D
50)が0.6μm以上2.7μm以下であることがより好ましく、0.6μm以上2.0μm以下であることがとくに好ましい。なお、金属粒子(A)の平均粒径(D
50)は、たとえば市販のレーザー式粒度分布計(たとえば、(株)島津製作所製、SALD−7000等)を用いて測定することができる。
また、金属粒子(A)の最大粒径は、とくに限定されないが、たとえば1μm以上50μm以下とすることができ、3μm以上30μm以下であることがより好ましく、4μm以上18μm以下であることがとくに好ましい。これにより、シンタリングの均一性とディスペンス性のバランスをより効果的に向上させることが可能となる。
なお、本明細書において、上述の上限値と下限値は適宜組み合わせて、金属粒子(A)の平均粒径(D
50)等を決定することができる。
【0036】
ペースト状接着剤組成物中における金属粒子(A)の含有量は、たとえばペースト状接着剤組成物全体に対して80重量%以上であることが好ましく、85重量%以上であることがより好ましい。これにより、金属粒子(A)の焼結性を向上させ、熱伝導性と導電性の向上に寄与することが可能となる。一方で、ペースト状接着剤組成物中における金属粒子(A)の含有量は、たとえばペースト状接着剤組成物全体に対して95重量%以下であることが好ましく、90重量%以下であることがとくに好ましい。これにより、ペースト状接着剤組成物全体の塗布作業性や、接着剤層の機械強度等の向上に寄与することができる。なお、本明細書において、ペースト状接着剤組成物全体に対する含有量とは、溶媒を含む場合には、ペースト状接着剤組成物のうちの溶媒を除く成分全体に対する含有量を指す。
【0037】
(加熱により重合する化合物(B))
加熱により重合する化合物(B)は、たとえばラジカル重合性二重結合を分子内に一つのみ有する化合物(B1)、およびエポキシ基を分子内に一つのみ有する化合物(B2)から選択される一種または二種以上を含むことができる。これにより、ペースト状接着剤組成物を熱処理した際に上記化合物(B)を直鎖状に重合させることが可能となる。このため、シンタリングの均一性やディスペンス性のバランスを向上させることができる。上記に例示したもののうち、ペースト状接着剤組成物を用いて得られる接着剤層の体積抵抗率を低減する観点からは、上記化合物(B1)を少なくとも含むことがより好ましい。
【0038】
ラジカル重合性二重結合を分子内に一つのみ有する化合物(B1)は、たとえば(メタ)アクリル基を分子内に一つのみ有する化合物、ビニル基を分子内に一つのみ有する化合物、アリル基を分子内に一つのみ有する化合物、マレイミド基を分子内に一つのみ有する化合物、マレイン酸基を分子内に一つのみ有する化合物から選択される一種または二種以上を含むことができる。本実施形態においては、シンタリングの均一性をより効果的に向上させる観点から、(メタ)アクリル基を分子内に一つのみ有する化合物を少なくとも含むことがより好ましい。(メタ)アクリル基を分子内に一つのみ有する化合物としては、たとえば(メタ)アクリル基を分子内に一つのみ有する(メタ)アクリル酸エステル等を含むことができる。
【0039】
ラジカル重合性二重結合を分子内に一つのみ有する化合物(B1)中に含まれる(メタ)アクリル酸エステルは、たとえば下記式(1)により表される化合物、および下記式(2)により表される化合物から選択される一種または二種以上を含むことができる。これにより、シンタリングの均一性をより効果的に向上させることができる。
【0041】
上記式(1)中、R
11は水素またはメチル基であり、R
12はOH基を含む炭素数1〜20の一価の有機基である。R
12は、酸素原子、窒素原子、およびリン原子のうちの一種または二種以上を含んでいてもよい。上記式(1)により表される化合物は、とくに限定されないが、たとえば1,4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−アクリロイロキシエチルコハク酸、2−メタクリロイロキシエチルコハク酸、2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−メタクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−アクリロイロキシエチルフタル酸、2−アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸、2−アクリロイルオキシエチルアシッドフォスフェート、および2−メタクロイロキシエチルアシッドホスフェートから選択される一種または二種以上を含むことができる。本実施形態においては、たとえば1,4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリレートに例示されるようにR
12中に環状構造を含む化合物や、2−メタクリロイロキシエチルコハク酸に例示されるようにR
12中にカルボキシル基を含む化合物を含む場合を好ましい態様の一例として採用することができる。
【0043】
式(2)中、R
21は水素またはメチル基であり、R
22はOH基を含まない炭素数1〜20の一価の有機基である。R
22は、酸素原子、窒素原子、およびリン原子のうちの一種または二種以上を含んでいてもよい。上記式(2)により表される化合物は、とくに限定されないが、たとえばエチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、イソアミルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、n−ラウリルアクリレート、n−ラウリルメタクリレート、n−トリデシルメタクリレート、n−ステアリルアクリレート、n−ステアリルメタクリレート、イソステアリルアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、ブトキシジエチレングリコールメタクリレート、メトキシトリエチレングルコールアクリレート、2−エチルヘキシルジエチレングリコールアクリレート、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、フェノキシジエチレングリコールアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、ノニルフェノールエチレンオキシド変性アクリレート、フェニルフェノールエチレンオキシド変性アクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート四級化物、グリシジルメタクリレート、およびネオペンチルグリコールアクリル酸安息香酸エステルから選択される一種または二種以上を含むことができる。本実施形態においては、たとえばフェノキシエチルメタクリレートおよびシクロヘキシルメタクリレートに例示されるようにR
22中に環状構造を含む化合物や、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−ラウリルアクリレート、およびn−ラウリルメタクリレートに例示されるようにR
22が直鎖状または分岐鎖状のアルキル基である化合物を含む場合を好ましい態様の一例として採用することができる。
【0044】
本実施形態においては、シンタリングの均一性や機械強度等の諸特性のバランスを向上させる観点から、ラジカル重合性二重結合を分子内に一つのみ有する化合物(B1)中に含まれる(メタ)アクリル酸エステルが、たとえば上記式(1)により表される化合物、および上記式(2)により表される化合物をともに含む態様を採用することができる。一方で、上記化合物(B1)が、上記式(1)により表される化合物、および上記式(2)により表される化合物のうちのいずれか一方のみを含んでいてもよい。
【0045】
エポキシ基を分子内に一つのみ有する化合物(B2)は、たとえばn−ブチルグリシジルエーテル、バーサティック酸グリシジルエステル、スチレンオキサイド、エチルヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、ブチルフェニルグリシジルエーテル、およびクレジルグリシジルエーテルから選択される一種または二種以上を含むことができる。これらの中でも、シンタリングの均一性、熱伝導性、導電性等のバランスを向上させる観点からは、クレジルグリシジルエーテルを少なくとも含むことが好ましい態様の一例として挙げられる。
【0046】
本実施形態においては、たとえば上記化合物(B2)を含み、かつエポキシ基を分子内に二つ以上有する化合物(B3)を含まない態様を採用することができる。上記化合物(B3)を含まないとは、たとえば加熱により重合する化合物(B)全体に対する上記化合物(B3)の含有量が0.01重量%以下である場合を指す。また、上記化合物(B2)とともに上記化合物(B3)を含む場合には、上記化合物(B3)の含有量を上記化合物(B)全体の0.01重量%超過60重量%以下とする場合を、シンタリングの均一性とディスペンス性のバランスを向上させる観点から好ましい態様の一例として挙げられる。
【0047】
加熱により重合する化合物(B)は、たとえばラジカル重合性二重結合を分子内に二つ以上有する化合物や、エポキシ基を分子内に二つ以上有する化合物を含まないことが好ましい。これにより、上記化合物(B)を直鎖状に重合させることが可能となり、シンタリングの均一性の向上に寄与することができる。一方で、上記化合物(B)は、ラジカル重合性二重結合を分子内に二つ以上有する化合物や、エポキシ基を分子内に二つ以上有する化合物を含んでいてもよい。ラジカル重合性二重結合を分子内に二つ以上有する化合物や、エポキシ基を分子内に二つ以上有する化合物を含む場合には、これらを合わせた含有量を上記化合物(B)全体の0重量%超過5重量%以下とすることがよい。これにより、化合物(B)が生成する重合構造中に三次元架橋構造が多く組み込まれることを抑制できることから、三次元架橋構造によって金属粒子(A)のシンタリングが妨げられることを抑制することが可能となる。
【0048】
ペースト状接着剤組成物中に含まれる加熱により重合する化合物(B)の含有量は、たとえばペースト状接着剤組成物全体に対して5重量%以上であることが好ましく、8重量%以上であることがより好ましく、10重量%以上であることがとくに好ましい。これにより、シンタリングの均一性をより効果的に向上させることが可能となる。また、接着剤層の機械強度等の向上に寄与することもできる。一方で、ペースト状接着剤組成物中に含まれる上記化合物(B)の含有量は、たとえばペースト状接着剤組成物全体に対して20重量%以下であることが好ましく、18重量%以下であることがより好ましく、15重量%以下であることがとくに好ましい。これにより、金属粒子(A)の焼結性の向上に寄与することが可能となる。
【0049】
(硬化剤(C))
ペースト状接着剤組成物は、たとえば硬化剤(C)を含むことができる。硬化剤(C)としては、加熱により重合する化合物(B)の重合反応を促進させるものであればとくに限定されない。これにより、上記化合物(B)の重合反応を促進させて、ペースト状接着剤組成物を用いて得られる機械特性の向上に寄与することができる。
【0050】
一方で、本実施形態においては、シンタリングの均一性、熱伝導性、導電性等のバランスを向上させる観点から、たとえばペースト状接着剤組成物中に硬化剤(C)を含まない態様を採用することもできる。ペースト状接着剤組成物中に硬化剤(C)を含まないとは、たとえば加熱により重合する化合物(B)100重量部に対する硬化剤(C)の含有量が0.01重量部以下である場合を指す。
【0051】
硬化剤(C)は、たとえば3級アミノ基を有する化合物を含むことができる。これにより、たとえば加熱により重合する化合物(B)がエポキシ基を分子内に有する化合物を含む場合において、当該化合物(B)が直鎖状に重合することを促進させることができる。3級アミノ基を有する化合物は、例えば、ベンジルジメチルアミン(BDMA)等の3級アミン類、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール(EMI24)等のイミダゾール類、ピラゾール、3,5−ジメチルピラゾール、ピラゾリン等のピラゾール類、トリアゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、1,2,3−ベンゾトリアゾール等のトリアゾール類、イミダゾリン、2−メチル−2−イミダゾリン、2−フェニルイミダゾリン等のイミダゾリン類が挙げられ、これらから選択される一種または二種以上を含むことができる。これにより、たとえば加熱により重合する化合物(B)がエポキシ基を分子内に有する化合物を含む場合において、エポキシ基の単独開環重合を選択的に促進させることができる。これらの中でも、シンタリングの均一性、熱伝導性、導電性等のバランスを向上させる観点からは、イミダゾール類を少なくとも含むことが好ましい態様の一例として挙げられる。
【0052】
硬化剤(C)は、たとえばラジカル重合開始剤を含むことができる。これにより、たとえば加熱により重合する化合物(B)がラジカル重合性二重結合を分子内に有する化合物を含む場合において、当該化合物(B)が重合することを促進させることができる。ラジカル重合開始剤は、たとえばオクタノイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ステアロイルパーオキシド、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、シュウ酸パーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、m−トルイルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、メチルエチルケトンパーオキシド、アセチルパーオキシド、t−ブチルヒドロパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、クメンヒドロパーオキシド、ジクミルパーオキシド、t−ブチルパーベンゾエート、パラクロロベンゾイルパーオキシド、およびシクロヘキサノンパーオキシドから選択される一種または二種以上を含むことができる。
【0053】
また、本実施形態のペースト状接着剤組成物が、エポキシ基を有する化合物(前述のエポキシ基を分子内に一つのみ有する化合物(B2)、エポキシ基を分子内に二つ以上有する化合物(B3)等)を含む場合、このエポキシ部位の硬化をもたらす成分を、硬化剤(C)として含ませることができる。
具体的には、硬化剤(C)として、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビフェノール、フェニルフェノール等の化合物や、フェノールノボラック型の樹脂等を含ませることができる。
【0054】
ペースト状接着剤組成物中に含まれる硬化剤(C)の含有量は、たとえば加熱により重合する化合物(B)100重量部に対して25重量部以下とすることができる。とくに、上記化合物(B)としてラジカル重合性二重結合を分子内に一つのみ有する化合物(B1)を含む場合には、シンタリングの均一性を向上させる観点から、上記化合物(B)100重量部に対する硬化剤(C)の含有量を5重量部以下とすることが好ましく、3重量部以下とすることがより好ましく、1重量部以下とすることがとくに好ましい。また、ペースト状接着剤組成物中に含まれる硬化剤(C)の含有量は、上記化合物(B)100重量部に対して0重量部以上とすることができる。ペースト状接着剤組成物の機械特性を向上させる観点からは、たとえば上記化合物(B)100重量部に対する硬化剤(C)の含有量を0.1重量部以上とすることができる。
【0055】
(重合禁止剤(D))
ペースト状接着剤組成物は、たとえば重合禁止剤(D)を含むことができる。重合禁止剤(D)としては、ペースト状接着剤組成物に含まれる化合物の重合反応を抑える化合物が使用される。これにより、ペースト状接着剤組成物の保管特性をより向上させることができる。重合禁止剤(D)は、とくに限定されないが、たとえばヒドロキノン、p−tert−ブチルカテコール、およびモノ−tert−ブチルヒドロキノンに例示されるヒドロキノン類、ヒドロキノンモノメチルエーテル、およびジ−p−クレゾールに例示されるフェノール類、p−ベンゾキノン、ナフトキノン、およびp−トルキノンに例示されるキノン類、ならびにナフテン酸銅に例示される銅塩から選択される一種または二種以上を含むことができる。
【0056】
ペースト状接着剤組成物中における重合禁止剤(D)の含有量は、たとえば加熱により重合する化合物(B)100重量部に対して0.0001重量部以上であることが好ましく、0.001重量部以上であることがより好ましい。これにより、シンタリングの均一性の向上に寄与することが可能となる。また、ペースト状接着剤組成物の保管特性をより効果的に向上させることができる。一方で、ペースト状接着剤組成物中における重合禁止剤(D)の含有量は、たとえば上記化合物(B)100重量部に対して0.5重量部以下とすることが好ましく、0.1重量部以下とすることがより好ましい。これにより、接着剤層の機械強度等を向上させることができる。
【0057】
本実施形態に係るペースト状接着剤組成物は、たとえば溶剤を含むことができる。これにより、ペースト状接着剤組成物の流動性を向上させ、作業性の向上に寄与することができる。溶剤は、とくに限定されないが、たとえばエチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、ペンチルアルコール、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、メチルメトキシブタノール、α−ターピネオール、β−ターピネオール、へキシレングリコール、ベンジルアルコール、2−フェニルエチルアルコール、イソパルミチルアルコール、イソステアリルアルコール、ラウリルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコールもしくはグリセリン等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール(4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン)、2−オクタノン、イソホロン(3、5、5−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン)もしくはジイソブチルケトン(2、6−ジメチル−4−ヘプタノン)等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、アセトキシエタン、酪酸メチル、ヘキサン酸メチル、オクタン酸メチル、デカン酸メチル、メチルセロソルブアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、1,2−ジアセトキシエタン、リン酸トリブチル、リン酸トリクレジルもしくはリン酸トリペンチル等のエステル類;テトラヒドロフラン、ジプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、エトキシエチルエーテル、1,2−ビス(2−ジエトキシ)エタンもしくは1,2−ビス(2−メトキシエトキシ)エタン等のエーテル類;酢酸2−(2ブトキシエトキシ)エタン等のエステルエーテル類;2−(2−メトキシエトキシ)エタノール等のエーテルアルコール類;トルエン、キシレン、n−パラフィン、イソパラフィン、ドデシルベンゼン、テレピン油、ケロシンもしくは軽油等の炭化水素類;アセトニトリルもしくはプロピオニトリル等のニトリル類;アセトアミドもしくはN,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;低分子量の揮発性シリコンオイル、または揮発性有機変成シリコンオイルから選択される一種または二種以上を含むことができる。
【0058】
次に、本実施形態に係る半導体装置の例について説明する。
図1は、本実施形態に係る半導体装置100を示す断面図である。本実施形態に係る半導体装置100は、基材30と、ペースト状接着剤組成物の熱処理体であるダイアタッチ層10を介して基材30上に搭載された半導体素子20と、を備えている。半導体素子20と基材30は、たとえばボンディングワイヤ40等を介して電気的に接続される。また、半導体素子20は、たとえば封止樹脂50により封止される。ダイアタッチ層10の膜厚は、とくに限定されないが、たとえば5μm以上100μm以下である。
【0059】
図1に示す例において、基材30は、たとえばリードフレームである。この場合、半導体素子20は、ダイパッド32(30)上にダイアタッチ層10を介して搭載されることとなる。また、半導体素子20は、たとえばボンディングワイヤ40を介してアウターリード34(30)へ電気的に接続される。リードフレームである基材30は、たとえば42アロイ、Cuフレームにより構成される。なお、基材30は、有機基板や、セラミック基板であってもよい。有機基板としては、たとえばエポキシ樹脂、シアネート樹脂、マレイミド樹脂等を適用した当業者公知の基板が好適である。また、基材30の表面は、ペースト状接着剤組成物との接着性をよくするために、銀などにより被膜されていてもよい。
【0060】
半導体素子20の平面形状は、とくに限定されないが、たとえば矩形である。本実施形態においては、たとえば0.5mm□以上15mm□以下のチップサイズを有する矩形状の半導体素子20を採用することができる。
本実施形態に係る半導体装置100の一例としては、たとえば一辺が5mm以上の辺を有する矩形状の大チップを、半導体素子20として用いたものを挙げることができる。この場合、ダイアタッチ層の面積も大きくなることから、ダイアタッチ層の中心部と周辺部における金属粒子のシンタリングを均一に行うことが困難となるおそれがあった。本実施形態によれば、このような大チップを用いる場合であっても、上述したペースト状接着剤組成物を用いてダイアタッチ層を形成することにより、ダイアタッチ層の中心部と周辺部における金属粒子のシンタリングの均一性を非常に良好なものとすることができる。
【0061】
図2は、
図1に示す半導体装置100の変形例を示す断面図である。
本変形例に係る半導体装置100において、基材30は、たとえばインターポーザである。インターポーザである基材30のうち、半導体素子20が搭載される一面と反対側の他面には、たとえば複数の半田ボール52が形成される。この場合、半導体装置100は、半田ボール52を介して他の配線基板へ接続されることとなる。
【0062】
本実施形態に係る半導体装置100は、たとえば次のように製造することができる。まず、金属粒子(A)と、加熱により重合する化合物(B)と、を含み、熱処理により金属粒子(A)がシンタリングを起こして粒子連結構造を形成する上述のペースト状接着剤組成物を介して、基材30上に半導体素子20を搭載する。次いで、ペースト状接着剤組成物を加熱する。これにより、半導体装置100が製造されることとなる。
以下、半導体装置100の製造方法を詳細に説明する。
【0063】
まず、上述のペースト状接着剤組成物を介して基材30上に半導体素子20を搭載する。本実施形態においては、たとえば基材30上にペースト状接着剤組成物を塗布した後、ペースト状接着剤組成物からなる塗布膜上に半導体素子20が搭載される。ペースト状接着剤組成物を塗布する方法としては、とくに限定されないが、たとえばディスペンシング、印刷法、およびインクジェット法が挙げられる。
【0064】
次に、ペースト状接着剤組成物を熱処理する。このとき、ペースト状接着剤組成物中の金属粒子(A)にシンタリングが生じ、金属粒子(A)間には粒子連結構造が形成される。これにより、基材30上にダイアタッチ層10が形成されることとなる。本実施形態では、たとえばペースト状接着剤組成物に対して加圧しながら熱処理を行うことができる。
本実施形態においては、たとえばペースト状接着剤組成物を200℃未満の温度条件で加熱する工程(以下、第1熱処理ともよぶ)の後に、ペースト状接着剤組成物を200℃以上の温度条件で加熱する工程(以下、第2熱処理ともよぶ)を行うことができる。このように、第1熱処理において200℃未満という低温条件で本実施形態に係るペースト状接着剤組成物を加熱することにより、金属粒子(A)のシンタリングの進行がバインダ成分(加熱により重合する化合物(B))等によって妨げられることをより確実に抑制することができる。このため、ダイアタッチ層の周辺部および中心部において、ともにより均一かつ十分に金属粒子(A)をシンタリングさせることが可能となる。
【0065】
本実施形態に係る製造方法の一例においては、たとえば200℃未満の温度T
1の温度条件で一定時間加熱した後、200℃以上の温度T
2の温度条件で一定時間加熱することにより、第1熱処理および第2熱処理を行うことができる。T
1は、たとえば120℃以上200℃未満とすることができる。T
2は、たとえば200℃以上350℃以下とすることができる。本例において、温度T
1による第1熱処理の処理時間は、たとえば20分以上90分以下とすることができる。また、温度T
2による第2熱処理の処理時間は、たとえば30分以上180分以下とすることができる。
一方で、本実施形態においては、25℃から200℃以上の温度T
3まで昇温を止めずに昇温させた後、温度T
3の温度条件で一定時間加熱することによってペースト状接着剤組成物を熱処理してもよい。この場合には、昇温工程のうちの200℃に到達する前までを第1熱処理として扱い、200℃から温度T
3まで昇温して温度T
3で熱処理する工程を第2熱処理として扱うことができる。T
3は、たとえば200℃以上350℃以下とすることができる。
【0066】
次いで、半導体素子20と基材30を、ボンディングワイヤ40を用いて電気的に接続する。次いで、半導体素子20を封止樹脂50により封止する。本実施形態においては、たとえばこのようにして半導体装置100を製造することができる。
【0067】
本実施形態においては、たとえば半導体装置に対して放熱板が接着されていてもよい。この場合、たとえばペースト状接着剤組成物の熱処理体である接着剤層を介して半導体装置に放熱板を接着することができる。
放熱板の接着方法は、たとえば次のように行うことができる。まず、上述のペースト状接着剤組成物を介して、半導体装置に放熱板を接着する。次いで、ペースト状接着剤組成物を熱処理する。ペースト状接着剤組成物に対する熱処理は、たとえば上述の半導体装置100の製造方法におけるペースト状接着剤組成物を熱処理してダイアタッチ層10を形成する工程と同様にして行うことが可能である。これにより、ペースト状接着剤組成物中の金属粒子(A)にシンタリングが生じ、金属粒子(A)間には粒子連結構造が形成され、放熱板を接着する接着剤層が形成されることとなる。このようにして、放熱板を半導体装置に接着することができる。
【0068】
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
以下、参考形態の例を付記する。
1. 金属粒子(A)と、
加熱により重合する化合物(B)と、
を含み、
熱処理により前記金属粒子(A)がシンタリングを起こして粒子連結構造を形成し、
測定周波数1Hzの条件で動的粘弾性測定を行った際に、140℃〜180℃の温度域内において、せん断弾性率が5,000Pa以上100,000Pa以下である温度幅を10℃以上有し、
前記金属粒子(A)を除去した後に180℃、2時間の条件で加熱して得られる試料のアセトン不溶分が5重量%以下であるペースト状接着剤組成物。
2. 1.に記載のペースト状接着剤組成物において、
当該ペースト状接着剤組成物を塗布して得た塗布膜を25℃から250℃まで昇温速度5℃/分で昇温した後、250℃、2時間の条件で加熱して得られる膜について、厚み方向における熱伝導率が15W/mK以上であるペースト状接着剤組成物。
3. 1.または2.に記載のペースト状接着剤組成物において、
当該ペースト状接着剤組成物を塗布して得た塗布膜を25℃から250℃まで昇温速度5℃/分で昇温した後、250℃、2時間の条件で加熱して得られる膜について、面方向における体積抵抗率が25×10−6Ω・cm以下であるペースト状接着剤組成物。
4. 1.〜3.のいずれか一つに記載のペースト状接着剤組成物において、
前記ペースト状接着剤組成物全体に対する前記金属粒子(A)の含有量が80重量%以上95重量%以下であるペースト状接着剤組成物。
5. 1.〜4.のいずれか一つに記載のペースト状接着剤組成物において、
前記化合物(B)は、ラジカル重合性二重結合を分子内に一つのみ有する化合物を含むペースト状接着剤組成物。
6. 1.〜5.のいずれか一つに記載のペースト状接着剤組成物において、
前記化合物(B)は、(メタ)アクリル基を有する化合物を含むペースト状接着剤組成物。
7. 1.〜6.のいずれか一つに記載のペースト状接着剤組成物において、
前記化合物(B)は、(メタ)アクリル酸エステルを含むペースト状接着剤組成物。
8. 7.に記載のペースト状接着剤組成物において、
前記(メタ)アクリル酸エステルは、下記式(1)により表される化合物を含むペースト状接着剤組成物。
【化1】
(式(1)中、R11は水素またはメチル基であり、R12はOH基を含む炭素数1〜20の一価の有機基である)
9. 7.または8.に記載のペースト状接着剤組成物において、
前記(メタ)アクリル酸エステルは、下記式(2)により表される化合物を含むペースト状接着剤組成物。
【化2】
(式(2)中、R21は水素またはメチル基であり、R22はOH基を含まない炭素数1〜20の一価の有機基である)
10. 7.に記載のペースト状接着剤組成物において、
前記(メタ)アクリル酸エステルは、
下記式(1)により表される化合物と、
下記式(2)により表される化合物と、
を含むペースト状接着剤組成物。
【化3】
(式(1)中、R11は水素またはメチル基であり、R12はOH基を含む炭素数1〜20の一価の有機基である)
【化4】
(式(2)中、R21は水素またはメチル基であり、R22はOH基を含まない炭素数1〜20の一価の有機基である)
11. 1.〜10.のいずれか一つに記載のペースト状接着剤組成物において、
前記化合物(B)は、エポキシ基を分子内に一つのみ有する化合物を含むペースト状接着剤組成物。
12. 1.〜11.のいずれか一つに記載のペースト状接着剤組成物において、
3級アミノ基を有する化合物をさらに含むペースト状接着剤組成物。
13. 1.〜12.のいずれか一つに記載のペースト状接着剤組成物において、
5%重量減少温度が100℃以上180℃以下であるペースト状接着剤組成物。
14. 1.〜13.のいずれか一つに記載のペースト状接着剤組成物において、
前記金属粒子(A)は、Ag、Au、およびCuからなる群から選択される一種または二種以上を含むペースト状接着剤組成物。
15. 1.〜14.のいずれか一つに記載のペースト状接着剤組成物において、
前記金属粒子(A)は、球状粒子を含むペースト状接着剤組成物。
16. 1.〜15.のいずれか一つに記載のペースト状接着剤組成物において、
前記金属粒子(A)は、平均粒径D50が0.1μm以上であるペースト状接着剤組成物。
17. 基材と、
1.〜16.のいずれか一つに記載のペースト状接着剤組成物の熱処理体である接着剤層を介して前記基材上に搭載された半導体素子と、
を備える半導体装置。
18. 17.に記載の半導体装置において、
前記半導体素子の平面形状は、5mm以上の辺を有する矩形である半導体装置。
19. 1.〜16.のいずれか一つに記載のペースト状接着剤組成物を介して、基材上に半導体素子を搭載する工程と、
前記ペースト状接着剤組成物を加熱する工程と、
を含む半導体装置の製造方法。
20. 19.に記載の半導体装置の製造方法において、
前記ペースト状接着剤組成物を加熱する前記工程は、
前記ペースト状接着剤組成物を、200℃未満の温度条件で加熱する工程と、
前記ペースト状接着剤組成物を、200℃以上の温度条件で加熱する工程と、
を含む半導体装置の製造方法。
21. 19.または20.に記載の半導体装置の製造方法において、
前記ペースト状接着剤組成物を加熱する前記工程は、前記ペースト状接着剤組成物に対して加圧しながら行われる半導体装置の製造方法。
22. 1.〜16.のいずれか一つに記載のペースト状接着剤組成物を介して、半導体装置に放熱板を接着する工程と、
前記ペースト状接着剤組成物を加熱する工程と、
を含む放熱板の接着方法。
23. 22.に記載の放熱板の接着方法において、
前記ペースト状接着剤組成物を加熱する前記工程は、
前記ペースト状接着剤組成物を、200℃未満の温度条件で加熱する工程と、
前記ペースト状接着剤組成物を、200℃以上の温度条件で加熱する工程と、
を含む放熱板の接着方法。
24. 22.または23.に記載の放熱板の接着方法において、
前記ペースト状接着剤組成物を加熱する前記工程は、前記ペースト状接着剤組成物に対して加圧しながら行われる放熱板の接着方法。
【実施例】
【0069】
次に、本発明の実施例について説明する。
【0070】
(ペースト状接着剤組成物の調製)
各実施例および各比較例について、ペースト状接着剤組成物を調製した。この調製は、表1、表2および表3に示す配合に従い各成分を均一に混合することにより行った。なお、表1、表2および表3に示す成分の詳細は以下のとおりである。また、表1、表2および表3中における各成分の配合割合は、ペースト状接着剤組成物全体に対する各成分の配合割合(重量%)を示している。
【0071】
(金属粒子(A))
金属粒子1:球状銀粉(AG 2−1C、DOWAエレクトロニクス社製、平均粒径D
50=0.8μm)
金属粒子2:球状銀粉(AgC−G、福田金属箔粉工業社製、平均粒径D
50=0.23μm)
金属粒子3:球状銀粉(AG 4−8F、DOWAエレクトロニクス社製、平均粒径D
50=1.9μm)
【0072】
(加熱により重合する化合物(B))
化合物1:1,4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート(CHDMMA(製品名)、日本化成(株)製)
化合物2:フェノキシエチルメタクリレート(ライトエステルPO、共栄社化学(株)製)
化合物3:2−エチルヘキシルメタクリレート(ライトエステルEH、共栄社化学(株)製)
化合物4:メタ・パラ−クレジルグリシジルエーテル(m、p−CGE(製品名)、阪本薬品工業(株)製)
化合物5:ビスフェールF型エポキシ樹脂(SB−403S、日本化薬工業(株)製)
化合物6:ポリエチレングリコール♯200ジメタクリレート(ライトエステル4EG、共栄社化学(株)製)
化合物7:1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート(ライトエステル1.6HX、共栄社化学(株)製)
【0073】
(硬化剤(C))
硬化剤1:ジクミルパーオキサイド(パーカドックスBC、化薬アクゾ(株)製)
硬化剤2:イミダゾール(2PHZ−PW、四国化成工業(株)製)
硬化剤3:ビスフェノールF(DIC−BPF、DIC(株)製)
【0074】
なお、各実施例においては、直鎖状の重合体分子構造が得られることが分かっている。また、各比較例においては、三次元架橋構造を有する重合体分子構造が得られることが分かっている。
【0075】
各実施例について、得られたペースト状接着剤組成物を塗布して得た塗布膜を、残留酸素濃度1000ppm未満である窒素雰囲気下において25℃から250℃まで昇温速度5℃/分で昇温した後、250℃、2時間の条件で熱処理をしたところ、塗布膜中の金属粒子(A)はシンタリングを起こして粒子連結構造を形成した。
【0076】
(アセトン不溶分)
各実施例および各比較例について、得られたペースト状接着剤組成物のアセトン不溶分を次のようにして測定した。まず、遠心分離および115メッシュ(目開き125μm)のフィルター濾過によりペースト状接着剤組成物から金属粒子(A)を除去した。次いで、金属粒子(A)を除去したペースト状接着剤組成物を、180℃、2時間の条件で加熱して測定試料を得た。次いで、液温25℃のアセトン約900gの入った密閉容器に測定試料約100gを精秤して投入した後20分間振盪して得たアセトン溶液と、アセトン約100gを用いて該密閉容器内を洗い流して得たアセトン溶液とを、115メッシュ(目開き125μm)のJIS標準ふるいで篩分した。次いで、アセトン約100gを上記ふるい全体に通過させた。次いで、ふるい上の残存物を風乾させた後、当該残存物の重量を測定した。測定結果から、残存物の測定試料全体に対する割合(重量%)を算出し、これをアセトン不溶分(重量%)とした。表1〜3では、アセトン不溶分が5重量%以下であったものを「5以下」、5重量%超過であったものを「5超過」としてそれぞれ示している。
【0077】
(動的粘弾性測定)
各実施例および各比較例について、得られたペースト状接着剤組成物に対して動的粘弾性測定を行った。測定は、レオメータ(HAAKE RheoWin、Thermo Scientific社製)を用いて測定周波数1Hz、昇温速度5℃/分、測定温度範囲25℃〜250℃の条件で行った。測定結果から、140℃〜180℃の温度域内における、せん断弾性率が5,000Pa以上100,000Pa以下である温度幅W(℃)を算出した。結果を表1〜3に示す。
【0078】
(熱伝導率の測定)
各実施例および各比較例について、次のようにして熱伝導率を測定した。まず、得られたペースト状接着剤組成物を塗布した後、これを窒素雰囲気下で25℃から250℃まで昇温速度5℃/minで昇温した後、250℃、2時間の条件で加熱してサンプル(膜厚1000μm)を得た。次いで、レーザーフラッシュ法によって上記サンプルの厚み方向の熱伝導率を測定した。結果を表1〜3に示す。
【0079】
(体積抵抗率の測定)
各実施例および各比較例について、次のようにして体積抵抗率を測定した。まず、得られたペースト状接着剤組成物を塗布した後、これを窒素雰囲気下で25℃から250℃まで昇温速度5℃/minで昇温した後、250℃、2時間の条件で加熱してサンプル(幅4mm、長さ40mm、厚さ40μm)を得た。次いで、上記サンプルの平面方向の体積抵抗率を、JIS K 6911に準拠して測定した。結果を表1〜3に示す。
【0080】
(5%重量減少温度)
実施例6について、ペースト状接着剤組成物の5%重量減少温度を測定した。測定は、ペースト状接着剤組成物10mgに対して、昇温速度5℃/分の条件でTG/DTA(熱重量/示差熱分析)測定を行うことにより行った。窒素雰囲気および空気雰囲気のそれぞれの条件で測定を行ったところ、いずれも5%重量減少温度が130℃であった。
【0081】
(ディスペンス性評価)
各実施例および各比較例について、次のようにしてディスペンス性を評価した。まず、得られたペースト状接着剤脂組成物をシリンジに詰め、ノズル径が内径200μmのニードルを取り付け、自動ディスペンサーでペーストをドット状に塗布した。そして、塗布時の糸引き性を目視で観察し、糸引きおよびドットの変形が観察されないものを◎、糸引きまたはドットの変形のいずれか一方が観察されないものを○、どちらも観察されたものを×とした。
【0082】
(半導体装置1の作製)
各実施例および各比較例について、次のように半導体装置1を作製した。まず、10mm×10mm×350μmtの裏面をAuめっきした矩形状のシリコンチップを、Agめっきした銅フレーム(11mm×11mm×150μmt)上に、上記で得られたペースト状接着剤組成物を介してマウントして積層体を得た。次いで、当該積層体を、オーブン中、残留酸素濃度1000ppm未満である窒素雰囲気下において、25℃から250℃まで昇温速度5℃/minで昇温した後250℃で2時間加熱した。これにより、ペースト状接着剤組成物中の金属粒子(A)をシンタリングさせて、厚さ60μmのダイアタッチ層を形成した。このようにして、半導体装置1を得た。
【0083】
(シンタリングの均一性評価)
各実施例および各比較例について、半導体装置1のダイアタッチ層の断面構造を観察した。ここでは、ダイアタッチ層のうちの面方向における中心部と周辺部を観察した。そして、中心部および周辺部の双方における金属粒子(A)のシンタリングが十分であったものを○とし、中心部または周辺部における金属粒子(A)のシンタリングが不十分であったものを×として、シンタリングが均一に行われ得るか否かの評価を行った。結果を表1〜3に示す。
【0084】
【表1】
【0085】
【表2】
【0086】
【表3】
【0087】
実施例1〜15では、シンタリングの均一性評価およびディスペンス性評価において、いずれも良好な結果が得られていることが分かる。とくに、実施例1〜13において、とくに良好なディスペンス性評価の結果が得られた。一方で、比較例1〜5では、いずれもシンタリングの均一性評価において良好な結果が得られなかった。
また、実施例1〜15においては、熱伝導性および導電性の観点からも、比較例1〜5と比較して良好な結果が得られた。このように、実施例によれば、熱伝導性および導電性のバランスに優れたダイアタッチ層が実現されていることも分かる。
【0088】
この出願は、2015年1月29日に出願された日本出願特願2015−015599号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。