【実施例】
【0036】
以下、本発明の実施例について説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0037】
評価方法は、以下のとおりである。
(1)解繊状態の測定
ゴム用添加剤(もしくはゴム用添加剤を添加したゴム)0.2gとテトラヒドロフラン(もしくはトルエン)100gをフラスコに入れ、超音波を掛けて可溶部を溶かして変性植物繊維を分散させ、変性植物繊維スラリーを得た。その後スラリーをサンプリングし、デジタルマイクロスコープ((株)キーエンス製 VHX−600)を用いて倍率1000倍で繊維の分散状態を観察した。
幅5μm以上の繊維が100本中1本又は0本である場合を○、
幅5μm以上の繊維が100本中2本以上存在し、かつ、幅10μm以上の繊維が100本中1本又は0本である場合を△、
幅10μm以上の繊維が100本中2本以上存在する場合を×とした。
(2)変性反応進行の確認
変性反応の進行はPerkin Elmer社製フーリエ変換赤外分光分析装置「Spectrum one」を用いて観察した。具体的には1650〜1750cm
−1に生じるエステル結合のカルボニル炭素と酸素の伸縮振動に由来するピーク強度が変性反応の進行に伴い増強することから、定性的に確認した。
(3)変性合成ゴムの植物繊維に対する付加率の測定
付加率は式(I)の通り、植物繊維の変性前後の質量変化から算出した。付加率を評価するサンプルは十分な量の溶剤で洗浄した上で測定に供した。洗浄溶剤には変性合成ゴムの良溶媒を適宜選択して用いた。
Wp=(W-Ws)×100/Ws・・・(I)
Wp :変性合成ゴムの植物繊維に対する付加率(質量%)
W :変性した植物繊維(変性植物繊維)の乾燥質量(g)
Ws :変性前の植物繊維の乾燥質量(g)
(4)固形分の測定
固形分の測定には赤外線水分計((株)ケット科学研究所製:「FD−620」)を用いた。
(5)分散状態の確認
マトリックスゴム(天然ゴム)100質量部へゴム添加剤を植物繊維分が5質量部となるように添加し、混練した。得られた混練物を100℃でプレスし、厚さ0.1mmのゴムフィルムを作成した。その後、ゴムフィルムをクロスニコルの状態とした偏光板で挟み、デジタルマイクロスコープ((株)キーエンス製 VHX−600)を用いて倍率100倍でゴム中での繊維の分散状態を観察した。短軸長100μm以上の繊維凝集物が存在する場合を×とし、短軸長100μm以上の繊維凝集物が無い場合を○とした。
(6)ゴム硬度測定
A型硬さ試験機(株式会社テクロック製、GS−706N)を使用し、JIS K 6253に則って円盤状ゴム成形物のゴム硬度を測定した。
【0038】
(実施例1)
[変性植物繊維(A−1)の製造]
容器へ水を含んだ針葉樹晒クラフトパルプ(以下、NBKPと記載する。)250.0質量部(固形分50.0質量部)とN-メチルピロリドン200.0質量部を仕込み、水分を留去して溶媒置換NBKPを得た。系内を70℃とし、Ricon
R 130MA13(クレイバレー社製、無水マレイン酸変性ポリブタジエン、1,2付加率28%)を50.0質量部と、エステル化触媒として炭酸カリウムを8.5質量部投入して2時間反応させた。反応物をエタノール、酢酸、水で順次洗浄し、エタノールで溶媒置換した後に乾燥させて変性植物繊維A−1を得た。付加率を評価するサンプルの洗浄溶剤にはテトラヒドロフランを用いた。変性植物繊維A−1における、植物繊維に対する変性合成ゴムの付加率は36質量%(植物繊維100質量部に対して、付加した変性合成ゴムの比率が36質量部。以下、実施例2以降の「付加率」は、特に断りが無い場合は植物繊維100質量部に対する付加した変性合成ゴムの質量部を示す。)であった。
【0039】
(応用実施例1)
天然ゴム(TSR20)100質量部に対して、植物繊維分が5質量部となるように変性植物繊維A−1を6.8質量部添加し、ラボプラストミル(東洋精機(株)製)で混練した。得られた混練物を100℃でプレスして厚さ0.1mmのゴムフィルムを得た。
【0040】
(応用比較例1)
天然ゴム(TSR20)100質量部に対して、植物繊維分が5質量部となるように乾燥NBKPを添加し、ラボプラストミル(東洋精機(株)製)で混練した。得られた混練物を100℃でプレスして厚さ0.1mmのゴムフィルムを得た。
【0041】
(応用比較例2)
Ricon
R 130MA13 20質量部と、天然ゴム(TSR20)80質量部を混合して得たマトリックスゴム100質量部に対して、植物繊維分が5質量部となるようにNBKPを添加し、ラボプラストミル(東洋精機(株)製)で混練した。得られた混練物を100℃でプレスして厚さ0.1mmのゴムフィルムを得た。
【0042】
【表1】
【0043】
表3中の略号は以下の通りである。
天然ゴム:TSR20
130MA13:Ricon
R130MA13(クレイバレー社製、無水マレイン酸変性ポリブタジエン)、数平均分子量2,900
【0044】
(実施例2)
[変性植物繊維(A−2)の製造]
容器へ水を含んだNBKP250.0質量部(固形分50.0質量部)とN-メチルピロリドン200.0質量部を仕込み、水分を留去して溶媒置換NBKPを得た。系内を70℃とし、Ricobond
R 1756(クレイバレー社製、無水マレイン酸変性ポリブタジエン、1,2付加率70%)を50.0質量部と、エステル化触媒として炭酸カリウムを8.5質量部投入して2時間反応させた。反応物をエタノール、酢酸、水で順次洗浄し、エタノールで溶媒置換した後に乾燥させて変性植物繊維A−2を得た。付加率を評価するサンプルの洗浄溶剤にはテトラヒドロフランを用いた。変性植物繊維A−2における、植物繊維に対する変性合成ゴムの付加率は27質量%であった。
【0045】
(実施例3)
[変性植物繊維(A−3)の製造]
容器へ水を含んだNBKP250.0質量部(固形分50.0質量部)とN-メチルピロリドン200.0質量部を仕込み、水分を留去して溶媒置換NBKPを得た。系内を70℃とし、POLYVEST
R MA75(エボニック社製、無水マレイン酸変性ポリブタジエン、1,2付加率1%)を50.0質量部と、エステル化触媒として炭酸カリウムを8.5質量部投入して2時間反応させた。反応物をエタノール、酢酸、水で順次洗浄し、エタノールで溶媒置換した後に乾燥させて変性植物繊維A−3を得た。付加率を評価するサンプルの洗浄溶剤にはテトラヒドロフランを用いた。変性植物繊維A−3における、植物繊維に対する変性合成ゴムの付加率は39質量%であった。
【0046】
(実施例4)
[変性植物繊維(A−4)の製造]
容器へ水を含んだNBKP250.0質量部(固形分50.0質量部)とN-メチルピロリドン200.0質量部を仕込み、水分を留去して溶媒置換NBKPを得た。系内を70℃とし、Ricon
R 130MA13を20.0質量部と、エステル化触媒として炭酸カリウムを8.5質量部投入して2時間反応させた。反応物をエタノール、酢酸、水で順次洗浄し、エタノールで溶媒置換した後に乾燥させて変性植物繊維A−4を得た。付加率を評価するサンプルの洗浄溶剤にはテトラヒドロフランを用いた。変性植物繊維A−4における、植物繊維に対する変性合成ゴムの付加率は12質量%であった。
【0047】
(実施例5)
[変性植物繊維(A−5)の製造]
容器へ水を含んだNBKP250.0質量部(固形分50.0質量部)とN-メチルピロリドン200.0質量部を仕込み、水分を留去して溶媒置換NBKPを得た。系内を70℃とし、Ricobond
R 1731(クレイバレー社製、無水マレイン酸変性ポリブタジエン、1,2付加率28%)を50.0質量部と、エステル化触媒として炭酸カリウムを8.5質量部投入して2時間反応させた。反応物をエタノール、酢酸、水で順次洗浄し、エタノールで溶媒置換した後に乾燥させて変性植物繊維A−5を得た。付加率を評価するサンプルの洗浄溶剤にはテトラヒドロフランを用いた。変性植物繊維A−5における、植物繊維に対する変性合成ゴムの付加率は43質量%であった。
【0048】
(実施例6)
[変性植物繊維(A−6)の製造]
容器へ水を含んだNBKP250.0質量部(固形分50.0質量部)とN-メチルピロリドン200.0質量部を仕込み、水分を留去して溶媒置換NBKPを得た。系内を70℃とし、Ricon
R 130MA8を50.0質量部と、エステル化触媒として炭酸カリウムを8.5質量部投入して2時間反応させた。反応物をエタノール、酢酸、水で順次洗浄し、エタノールで溶媒置換した後に乾燥させて変性植物繊維A−5を得た。付加率を評価するサンプルの洗浄溶剤にはテトラヒドロフランを用いた。変性植物繊維A−6における、植物繊維に対する変性合成ゴムの付加率は50質量%であった。
【0049】
[比較例用変性剤RB−1の合成]
容器にプロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート 540.0質量部を投入し、146℃に加熱した。系内を146℃に保ち、窒素置換を行った後、ブチルアクリレート 350.0質量部とスチレン 50.0質量部と無水マレイン酸 50.0質量部とプロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート 50.0質量部と2,2−アゾビス−2−メチルブチロニトリル 22.5質量部を4時間かけて滴下した。滴下終了後、系内を146℃で2時間保持し、その後更に減圧したまま2時間保持することによりプロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテートを留去して数平均分子量1500、重量平均分子量4000の、変性合成ゴムではない変性剤RB−1を得た。
【0050】
[ゴム用添加剤の製造]
(実施例7)
変性植物繊維A−1とゴム用加工助剤(C)であるペトコール
RLX(東ソー(株)製、石油樹脂、数平均分子量700、ガラス転移点49℃)を植物繊維分が40質量%となるようにラボプラストミル(東洋精機(株)製)へ投入し、溶融混練してゴム用添加剤E−1を得た。
【0051】
(実施例8〜12)
変性植物繊維として表2に示す変性植物繊維を使用し、植物繊維分を表2に示す通りとした他は実施例7と同様にしてゴム用添加剤E−2〜E−6を得た。
【0052】
(実施例13)
乾燥NBKP 20.0質量部、ジメチルラウリルアミン 1.0質量部、Ricon
R 130MA13 10.0質量部、ペトコール
RLX 19.0質量部をラボプラストミルへ投入し、溶融混練して変性植物繊維A−7を含むゴム用添加剤E−7を得た。変性植物繊維A−7における、植物繊維に対する変性合成ゴムの付加率は33質量%であった。
【0053】
(実施例14)
乾燥NBKP 30.0質量部、ジメチルラウリルアミン 1.5質量部、LIR−403((株)クラレ製、無水マレイン酸変性ポリイソプレン、数平均分子量34000、ガラス転移点−60℃) 18.5質量部をラボプラストミルへ投入し、混練物を得た。得られた混練物 33.3質量部とゴム加工助剤(C)であるLIR−403 16.7質量部をラボプラストミルへ投入し、混練して変性植物繊維A−8を含むゴム用添加剤E−8を得た。変性植物繊維A−8における、植物繊維に対する変性合成ゴムの付加率は51質量%であった。
【0054】
(実施例15)
乾燥NBKP 20.0質量部、ジメチルラウリルアミン 1.0質量部、Ricon
R 130MA13 12.5質量部、ゴム用加工助剤(C)であるPR−12686F(住友ベークライト(株)製、ノボラックレジン、数平均分子量900、ガラス転移点45℃) 16.5質量部をラボプラストミルへ投入し、溶融混練して変性植物繊維A−9を含むゴム用添加剤E−9を得た。変性植物繊維A−9における、植物繊維に対する変性合成ゴムの付加率は15質量%であった。
【0055】
(実施例16)
乾燥NBKP 20.0質量部、ジメチルラウリルアミン 1.0質量部、Ricobond
R1756(クレイバレー社製、無水マレイン酸変性ポリブタジエン)6.0質量部、ヘキサデセニルコハク酸無水物 4.0質量部をラボプラストミルへ投入し、変性植物繊維含有混練物を得た。得られた混練物 30.0質量部とゴム加工助剤(C)であるRicobond
R1756 20.0質量部をラボプラストミルへ投入し、混練して変性植物繊維A−10を含むゴム用添加剤E−10を得た。変性植物繊維A−10における、植物繊維に対する変性合成ゴムの付加率は28質量%であった。
【0056】
(比較例1)
乾燥NBKP 20.0質量部とペトコール
RLX 30.0質量部をラボプラストミルへ投入し、溶融混練してゴム用添加剤RE−1を得た。
【0057】
(比較例2)
乾燥NBKP 20.0質量部とRicon
R 130MA13 10.0質量部とペトコール
RLX 20.0質量部をラボプラストミルへ投入し、溶融混練して変性植物繊維RA−1を含む混練物を得た。変性植物繊維RA−1における、植物繊維に対する変性合成ゴムの付加率は3質量%であった。得られた混練物をラボプラストミルへ投入し、混練してゴム用添加剤RE−2を得た。
【0058】
(比較例3)
乾燥NBKP 20.0質量部、ジメチルラウリルアミン 1.0質量部、変性合成ゴムではない変性剤RB−1 10.0質量部、ペトコール
RLX 19.0質量部をラボプラストミルへ投入し、溶融混練して変性植物繊維RA−2を含むゴム用添加剤RE−3を得た。変性植物繊維RA−2における、植物繊維に対するRB−1の付加率は19質量%であった。
【0059】
(比較例4)
変性植物繊維A−1とゴム用加工助剤(C)である日石ネオポリマー170S(JX日鉱日石エネルギー(株)製、石油樹脂、数平均分子量990、ガラス転移点105℃)を植物繊維分が40質量%となるようにラボプラストミル(東洋精機(株)製)へ投入し、溶融混練してゴム用添加剤RE−4を得た。
【0060】
(比較例5〜7)
変性植物繊維として表2に示す変性植物繊維を使用し、植物繊維分を表2に示す通りとした他は実施例2と同様にしてゴム用添加剤RE−5〜7を得た。
【0061】
【表2】
【0062】
表2中の略号は以下の通りである。
ペトコール
RLX:東ソー(株)製、石油系樹脂、数平均分子量700、ガラス転移点49℃
LIR−403:(株)クラレ製、無水マレイン酸変性ポリイソプレン、
数平均分子量34000、ガラス転移点−60℃
PR−12686F:住友ベークライト(株)製、ノボラックレジン、
数平均分子量900、ガラス転移点45℃
日石ネオポリマー170S:JX日鉱日石エネルギー(株)製、石油系樹脂、
数平均分子量990、ガラス転移点105℃
Ricobond
R1756:クレイバレー社製、無水マレイン酸変性ポリブタジエン、
数平均分子量2500、ガラス転移点−18℃
【0063】
(応用実施例2)
天然ゴム(TSR20)100質量部に対して、植物繊維分が5質量部となるようにゴム用添加剤E−1を添加し、ラボプラストミル(東洋精機(株)製)で混練した。得られた混練物を100℃でプレスして厚さ0.1mmのゴムフィルムを得た。
【0064】
(応用実施例3〜11)
ゴム用添加剤として表3に示すゴム用添加剤を使用し、植物繊維分を表3に示す通りとした他は応用実施例2と同様にして厚さ0.1mmのゴムフィルムを得た。
【0065】
(応用比較例3)
天然ゴム(TSR20)100質量部に対して、植物繊維分が5質量部となるようにゴム用添加剤RE−1を添加し、ラボプラストミル(東洋精機(株)製)で混練した。得られた混練物を100℃でプレスして厚さ0.1mmのゴムフィルムを得た。
【0066】
(応用比較例4)
20質量部のRicon
R 130MA13と80質量部の天然ゴム(TSR20)80重質量部を混合して得たマトリックスゴム100質量部に対して、植物繊維分が5質量部となるようにRE−1を添加し、ラボプラストミル(東洋精機(株)製)で混練した。得られた混練物を100℃でプレスして厚さ0.1mmのゴムフィルムを得た。
【0067】
(応用比較例5〜10)
ゴム用添加剤として表3に示すゴム用添加剤を使用し、植物繊維分を表3に示す通りとした他は応用比較例3と同様にして厚さ0.1mmのゴムフィルムを得た。
【0068】
【表3】
【0069】
表3中の略号は以下の通りである。
天然ゴム:TSR20
130MA13:Ricon
R130MA13(クレイバレー社製、無水マレイン酸変性ポリブタジエン)
【0070】
(応用実施例12)
天然ゴム(TSR20)100質量部へ植物繊維分が1.88質量部となるようにゴム用添加剤E−1を加え、更にステアリン酸1.5質量部、酸化亜鉛3.0質量部、硫黄2.0質量部、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド1.5質量部を添加して混練物を作製した。得られた混練物を160℃で20分間のプレス成形と加硫を行い、直径25mm、厚さ3mmの円盤状に成形したゴム物組成物F−1を得た。
【0071】
(応用実施例13)
ゴム用添加剤E−3を使用し、実施例18と同様の方法でゴム組成物F−2を得た。
【0072】
(応用比較例11)
ゴム用添加剤RE−3を使用し、実施例18と同様の方法でゴム組成物RF−1を得た。
【0073】
(応用比較例12)
Ricon
R130MA13を20質量部と天然ゴム(TSR20)80質量部に対して、植物繊維分が1.88質量部となるようにNBKPを添加し、その他は実施例18と同様の方法でゴム組成物RF−2を得た。
【0074】
【表4】
【0075】
表4中の略号は以下の通りである。
天然ゴム:TSR20
130MA13:Ricon
R130MA13(クレイバレー社製、無水マレイン酸変性ポリブタジエン)
【0076】
応用実施例1と応用比較例1〜2の結果から、植物繊維(a)に変性合成ゴム(B)を共有結合させることでゴム中での分散状態が改善することがわかる。
【0077】
応用実施例2〜11と応用比較例3〜4から、植物繊維を変性しなければ繊維を十分に解繊することができず、変性合成ゴム(B)を植物繊維(a)へ共有結合させなければ解繊性と分散性を両立することができないとわかる。
【0078】
応用実施例2と応用比較例5から、十分な量の変性合成ゴム(B)を植物繊維(a)へ共有結合させなければ、繊維を十分に解繊できず、分散性も確保出来ないとわかる。
【0079】
応用実施例2と応用比較例6から、変性合成ゴム(B)を植物繊維(a)へ予め共有結合させなければ分散性を確保出来ないとわかる。
【0080】
応用実施例2と応用比較例7から、ゴム用加工助剤(C)のガラス転移点が100℃を超えると、解繊性と分散性が共に確保出来ないとわかる。
【0081】
ゴム用添加剤が変性植物繊維(A)を67質量%含む応用実施例5と、78質量%含む応用比較例8との比較から、ゴム用添加剤中の変性植物繊維(A)が75質量%を超えると、解繊性と分散性が共に確保出来ないとわかる。
【0082】
応用実施例2と応用比較例10から、ゴム用加工助剤(C)の数平均分子量が400を下回ると、解繊性と分散性が共に確保出来ないとわかる。
【0083】
応用実施例2,3,7,9から、変性合成ゴム(B)はゴムの種類に依らず効果が有り、重合方法の差とそれに伴う詳細な化学構造が異なっても解繊性と分散性が確保できるとわかる。
【0084】
応用実施例2と8から、植物繊維の変性手法を変えても解繊性と分散性が確保できるとわかる。
【0085】
応用実施例8、9、10、11から、ゴム用加工助剤(C)の種類を変えても解繊性と分散性が確保できるとわかる。
【0086】
応用実施例12〜13と応用比較例11〜12から、変性合成ゴム(B)を植物繊維(a)へ予め共有結合させることでゴム組成物の硬度が向上することがわかる。
【0087】
応用実施例1〜13より、本発明のゴム用添加剤を利用すれば、植物繊維とゴムとの複合化に水を用いなくとも植物繊維をゴム中へ簡便かつ良好に分散させ得ることがわかる。