(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
近年、物流では、物品をダンボール箱等の箱体に収容して輸送することが行われている。ダンボール箱の発送先や収容された物品等の情報は、ダンボール箱の上面に直接書き込まれたり、一枚の送り状に記載されることが多い。このため、ダンボール箱が複数になって積み重ねられると発送先等の情報を確認しにくくなり、作業者が情報を誤認して、誤発送や誤配達となる場合がある。
【0003】
具体例として、例えば、物流で行われる作業のひとつであるピッキング作業では、製造元から物流の中継地(例えば、倉庫)に運び込まれた大量の物品を、発送先の発注個数ごとにダンボール箱に詰め替える作業を行う。ピッキング作業では、多種多様な物品を指示通りにダンボール箱に詰める必要があることから、作業者の手作業が中心になっている。
【0004】
物品が収容されたダンボール箱には、物品の個数を示す数字が書き込まれ、この数字を読み取ることでダンボール箱に収容された物品の個数が認識される。発注個数が多い場合は、10個単位などのまとまった個数の物品が収容されたダンボール箱と、1個単位のバラの個数の物品が収容されたダンボール箱が作られ、これらを組み合わせて、発送先へ発注個数の物品を出荷する。
【0005】
しかしながら、ダンボール箱が複数になると、ダンボール箱に書き込まれた数字が見難くなったり、ダンボール箱に書き込まれた数字の見間違いや思い込みが発生し、物品の個数を誤って認識してしまう場合がある。その結果、発送先の発注個数と異なる個数の物品を中継地から出荷したり、誤った発送先に配達してしまう場合がある。
【0006】
また、別の具体例として、引越しの荷物を取り扱う引越し業務では、依頼主の荷物を梱包した大量のダンボール箱を、引越し先の建物内に搬入する作業がある。搬入作業では、依頼主が指定した搬入先(例えば、住居用の建物であれば、リビング、キッチン、子供部屋など)にダンボール箱を搬入する必要がある。
【0007】
しかしながら、依頼主は、段ボール箱に搬入先や内容物の情報を書き込まないことが多く、情報を書き込んだとしてもダンボール箱の1面のみに書き込むことが多い。このため、一見しただけではダンボール箱の搬入先を判別しにくく、引越し先に搬入する際に、ダンボール箱の搬入先の情報を一つづつ探して確認したり、搬入先を依頼主に確認しながら搬入作業を行う必要がある。
【0008】
このように、物流では段ボール箱等の箱体に表示された情報の誤認や、誤発送が発生する問題があり、従来、このような問題を抑制するための技術が開発されている。例えば、特開2005−41550号公報には、物品の分別や納入時等の間違いを防止するため、箱体の外面に物品番号ごとに異なる位置を設定し、この設定した位置に一定の色および形状からなる物品識別のためのマークを設けた箱体が開示されている(特許文献1)。
【0009】
また、実開平6−14019号公報には、側面部を構成する稜部に識別用着色表示を設けた箱体が開示されている(特許文献2)。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の一実施形態にかかる情報表示体は、
箱体の外面のうち互いに隣接する第1外面、第2外面および第3外面によって構成される角部付近に貼着可能である、情報表示体であって、
前記第1外面に貼着される第1表示部と、
前記第2外面に貼着される第2表示部と、
前記第3外面に貼着される第3表示部と、
前記第2表示部および前記第3表示部の間に形成される切欠部と、を備え、
前記第1表示部、前記第2表示部、および前記第3表示部は、情報を表示するための情報表示面を有する(第1の構成)。
【0020】
上記構成によれば、情報表示体の第1表示部、第2表示部、および第3表示部の情報表示面に情報を表示し、箱体の角部付近に情報表示体を貼着する。これにより、箱体の第1外面、第2外面、および第3外面に情報を表示することができ、情報表示体に表示された情報を箱体の第1外面、第2外面、および第3外面の方向から認識することができる。このため、複数の箱体を重ねて載置した場合でも、第1表示部、第2表示部、または第3表示部に表示された情報を認識することができる。また、貼着した情報表示体を交換することで、箱体に表示する情報を切り替えることができる。よって、収容する物品の情報を予め表示した箱体を用意しておく必要がなく、収容する物品に応じて表示する情報を切り替えることができ、かつ、複数の箱体が積み重ねられた状態でも情報を確認することができる。
【0021】
本発明の一実施形態にかかる情報表示体は、
箱体の外面のうち互いに隣接する第1外面、第2外面および第3外面によって構成される角部付近に貼着可能である、情報表示体であって、
前記第1外面に貼着される第1表示部と、
前記第1表示部が前記第1外面に貼着された状態で、前記箱体の前記第1外面および前記第2外面によって構成される第1稜線に沿って折り曲げられる第1折り曲げ線と、
前記第1表示部が前記第1外面に貼着された状態で、前記箱体の前記第1外面および前記第3外面によって構成される第2稜線に沿って折り曲げられる第2折り曲げ線と、
前記第1折り曲げ線を介して前記第1表示部に隣接して配置され、前記第2外面に貼着される第2表示部と、
前記第2折り曲げ線を介して前記第1表示部に隣接して配置され、前記第3外面に貼着される第3表示部と、
前記第1折り曲げ線および前記第2折り曲げ線が交差する折り曲げ起点から延びており、前記第2表示部および前記第3表示部の間に形成される切欠部と、を備え、
前記第1表示部、前記第2表示部、および前記第3表示部は、情報を表示するための情報表示面を有する(第2の構成)。
【0022】
上記構成によれば、情報表示体の第1表示部、第2表示部、および第3表示部の情報表示面に情報を表示し、箱体の角部付近に情報表示体を貼着する。これにより、箱体の第1外面、第2外面、および第3外面に情報を表示することができ、情報表示体に表示された情報を箱体の第1外面、第2外面、および第3外面の方向から認識することができる。このため、複数の箱体を重ねて載置した場合でも、第1表示部、第2表示部、または第3表示部に表示された情報を認識することができる。また、貼着した情報表示体を交換することで、箱体に表示する情報を切り替えることができる。よって、収容する物品の情報を予め表示した箱体を用意しておく必要がなく、収容する物品に応じて表示する情報を切り替えることができ、かつ、複数の箱体が積み重ねられた状態でも情報を確認することができる。
【0023】
上記第1から第2の構成において、
前記情報表示面の反対側の面である貼着面を有し、
前記貼着面は、前記箱体への貼着、取り外し、および再貼着が可能である貼着層が設けられてもよい(第3の構成)。
【0024】
上記構成によれば、情報表示体を箱体へ貼着したり、箱体に貼着した情報表示体を取り外したり、箱体から取り外した情報表示体を別の箱体に再貼着することが可能となる。よって、収容する物品に応じて表示する情報を切り替えることが容易にでき、かつ、一度用いられた箱体を再利用することが容易となる。
【0025】
上記第1から第3の構成において、
前記情報表示面に予め情報が表示されていてもよい(第4の構成)。
【0026】
上記構成によれば、情報表示面に予め情報が表示されているため、使用者は、必要な情報が表示されている情報表示体を選択して、速やかに箱体に貼着して使用することができる。
【0027】
上記第1から第3の構成において、
前記情報表示面は、任意の情報を記載可能としてもよい(第5の構成)。
【0028】
上記構成によれば、情報表示面に任意の情報を記載可能であるため、使用者は、必要な情報を適宜情報表示体に表示させることができる。
【0029】
上記第1から第5の構成において、
前記箱体への貼着、再剥離、および再貼着を行う際に把持される、把持部をさらに有してもよい(第6の構成)。
【0030】
上記構成によれば、把持部が設けられているため、情報表示体を箱体へ貼着したり、箱体に貼着した情報表示体を再剥離して取り外したり、箱体から取り外した情報表示体を別の箱体に再貼着することが容易となる。
【0031】
上記第1から第6の構成において、
外形の輪郭形状が略正方形であり、
前記折り曲げ起点が略中央部に配置されていてもよい(第7の構成)。
【0032】
上記構成によれば、情報表示体の折り曲げ起点を箱体の角部の頂部に配置し、情報表示体の第1表示部、第2表示部、および第3表示部を、それぞれ箱体の第1外面、第2外面、第3外面に貼設することにより、箱体の第1外面、第2外面、第3外面にバランス良く情報表示体を貼設することができる。このため、箱体の第1外面、第2外面、第3外面に情報を表示しやすくなる。
【0033】
本発明の一実施形態にかかる情報表示集合体は、
上記第1から第7の構成の情報表示体が複数重ねられて構成される(第8の構成)。
【0034】
上記構成によれば、情報表示集合体は、情報表示体が複数重ねられて構成されているため、複数の情報表示体の取り扱いが容易となり、複数の箱体に情報表示体を貼着することが容易である。
【0035】
本発明の一実施形態にかかる情報表示集合体は、
上記第1から第7の構成の情報表示体を複数有し、
前記複数の情報表示体が台紙に配置されて構成される(第9の構成)。
【0036】
上記構成によれば、情報表示集合体は、複数の情報表示体が台紙に配置されて構成されるため、複数の情報表示体の取り扱いが容易となり、複数の情報表示体から必要な情報表示体を選択することや、情報表示体に情報を記載することが容易である。
【0037】
[実施形態1]
以下、図面を参照し、本発明の実施形態に係る情報表示体100および情報表示集合体200について詳しく説明する。図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。なお、説明を分かりやすくするために、以下で参照する図面においては、構成が簡略化または模式化して示されたり、一部の構成部材が省略されたりしている。また、各図に示された構成部材間の寸法比は、必ずしも実際の寸法比を示すものではない。
【0038】
[全体構成]
まず、情報表示体100の全体構成について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る情報表示体100の全体構成を示す図である。
図2は、
図1の2−2線における情報表示体100の断面図である。
図3は、情報表示体100を箱体10に貼着した状態を示す斜視図である。以下の図では、矢印Uは情報表示体100の上方向、矢印Dは下方向を示す。矢印Rは右方向、矢印Lは左方向を示す。矢印Fは前方向、矢印Bは後方向を示す。
【0039】
図1に示すように、情報表示体100の外形の輪郭形状は、正面視で略正方形であり、一部に切欠部160が形成されている。また、
図2に示すように、情報表示体100は、シート状材109で構成されている。シート状材109は、情報表示面120および貼着面130を有している。情報表示面120は、シート状材109の前面であり、貼着面130は、シート状材109の後面である。
【0040】
図3は、情報表示体100の使用状態を示している。
図3に示すように、情報表示体100は、貼着面130を箱体10の角部51,52付近に貼着させ、情報表示面120を外部から視認できるようにして使用される。情報表示体100は、箱体10の角部51,52付近を囲むように折り曲げて使用されるため、シート状材109の素材は、紙、合成樹脂製シートなど、柔軟性のある素材であることが好ましい。
【0041】
ここで、本実施形態の情報表示体100の説明に用いる箱体10の構成を説明する。
図3に示すように、箱体10は、直方体形状のダンボール箱とする。箱体10は、第1外面21、第2外面22、第3外面23、第4外面24、第5外面25、および第6外面26の6面を有する。第1外面21、第2外面22および第3外面23は、互いに隣接しており、第1外面21、第2外面22および第3外面23によって角部51が構成されている。第4外面24、第5外面25、および第6外面26も、互いに隣接しており、第4外面24、第5外面25、および第6外面26によって角部52が構成されている。
【0042】
箱体10の第1外面21および第2外面22によって第1稜線41が構成され、第1外面21および第3外面23によって第2稜線42が構成され、第2外面22および第3外面23によって第3稜線43が構成されている。また、第4外面24および第5外面25によって第4稜線44が構成され、第4外面24および第6外面26によって第5稜線45が構成され、第5外面25および第6外面26によって第6稜線46が構成されている。なお、本実施形態の説明に用いられる箱体10は、一例であり、情報表示体100が使用される箱体の構成や、情報表示体100を箱体に貼着する位置は、限定されない。
【0043】
図1に戻って、情報表示体100の構成を詳細に説明する。
図1に示すように、情報表示体100は、第1表示部111、第2表示部112、第3表示部113、第1折り曲げ部114、第2折り曲げ部115、折り曲げ起点145、および、切欠部160を有している。また、シート状材109の図示左上の頂部を第1頂部101、図示右上の頂部を第2頂部102、図示左下の頂部を第3頂部103、図示右下の頂部を第4頂部104とする。
【0044】
第1頂部101と第4頂部104を結ぶ仮想の対角線と、第2頂部102と第3頂部103を結ぶ仮想の対角線の交点をシート状材109の中心として、このシート状材109の中心を仮想の折り曲げ起点145とする。
【0045】
折り曲げ起点145から第1頂部101に向けて延びる線を第1折り曲げ線141とし、折り曲げ起点145から第2頂部102に向けて延びる線を第2折り曲げ線142とする。第1表示部111は、第1折り曲げ線141および第2折り曲げ線142に挟まれた領域である。
【0046】
折り曲げ起点145から第3頂部103に向けて延びる線を第3折り曲げ線143とし、折り曲げ起点145から第4頂部104に向けて延びる線を第4折り曲げ線144とする。第2表示部112は、第1折り曲げ線141および第3折り曲げ線143に挟まれた領域であり、第3表示部113は、第2折り曲げ線142および第4折り曲げ線144に挟まれた領域である。つまり、第2表示部112は、第1折り曲げ線141を介して第1表示部111に隣接して配置され、第3表示部113は、第2折り曲げ線142を介して第1表示部111に隣接して配置されている。
【0047】
第1表示部111、第2表示部112、および第3表示部113は、それぞれ、略正方形状のシート状材109の対角線上の第1折り曲げ線141、第2折り曲げ線142、第3折り曲げ線143、および第4折り曲げ線144によって区切られた領域である。このため、第1表示部111、第2表示部112、および第3表示部113は、略同一面積の略直角二等辺三角形をなしている。
【0048】
切欠部160は、第2表示部112および第3表示部113の間に形成されており、第3折り曲げ線143および第4折り曲げ線144に挟まれた領域の一部に形成されている。切欠部160は、折り曲げ起点145から下方に延びており、折り曲げ起点145を頂点とする二等辺三角状に形成されている。
【0049】
第1折り曲げ部114は、第3折り曲げ線143を介して第2表示部112に隣接して配置されている。第2折り曲げ部115は、第4折り曲げ線144を介して第3表示部113に隣接して配置されている。つまり、第1折り曲げ部114は、第2表示部112および切欠部160の間に形成されており、第2折り曲げ部115は、第3表示部113および切欠部160の間に形成されている。
【0050】
第1折り曲げ線141、第2折り曲げ線142、第3折り曲げ線143、および第4折り曲げ線144は、情報表示体100を箱体10に貼着する際に、箱体10の稜線に沿って折り曲げられる位置である。本実施形態では、第1折り曲げ線141、第2折り曲げ線142、第3折り曲げ線143、および第4折り曲げ線144は、シート状材109の情報表示面120に明示されているが、これらの線を明示しないようにしてもよい。
【0051】
第1表示部111、第2表示部112、および第3表示部113の情報表示面120には、情報が表示される。表示される情報は、例えば、箱体10に梱包される物品に関する情報や、箱体10の搬入先に関する情報である。本実施形態では、引越し業務において箱体10に子供服が梱包され、搬入先が引越し先の子供部屋であることを表示するために、「子供服/子供部屋」と表示されている。
【0052】
情報表示面120に表示される情報は、予め印刷手段等によって表示されていてもよく、使用者が用途に応じて任意の情報を書き込んで表示させてもよい。情報表示面120に予め情報を表示させておく場合は、用途に応じて想定される複数の情報を表示させる。例えば、情報表示体100が使用される用途が引越し業務である場合は、「子供服/子供部屋」のほか、「食器/キッチン」「衣類/クローゼット」などの情報を予め表示する。使用者が任意の情報を書き込む場合は、情報表示面120に筆記具等を用いて情報を書き込んでもよく、プリンタ等を用いて情報を書き込んでもよい。
【0053】
情報表示面120に表示させる情報は、文字情報に限定されず、色彩や記号などの目視によって認識される情報や、バーコード、磁気など、読取機器によって内容が認識される情報であってもよい。例えば、情報表示体100がピッキング業務に用いられる場合は、予め物品の個数に応じた数字や、個数に応じた色彩(例えば、10個入りは赤、1個単位の場合は青など)を表示してもよい。
【0054】
図2に示すように、シート状材109は、情報表示面120および貼着面130を有している。情報表示面120には、情報が表示される。貼着面130には、貼着層131が設けられる。貼着層131は、例えば、ダンボール箱である箱体10への貼着、取り外し、および再貼着が可能な粘着材で形成される。本実施形態では、貼着層131は、貼着面130の全面に形成される。
【0055】
次に、情報表示体100を箱体10の角部51に貼着(
図3参照)する手順について説明する。
図4から
図7は、情報表示体100を箱体10に貼着する手順を示す斜視図である。まず、
図4および
図5に示すように、情報表示体100の第1表示部111を箱体10の第1外面21に貼着する。このとき、折り曲げ起点145を角部51の頂点上に位置させるとともに、第1折り曲げ線141および第2折り曲げ線142が、それぞれ箱体10の第1稜線41および第2稜線42上に重なるように配置する(
図5参照)。
【0056】
図5は、情報表示体100の第1表示部111を、箱体10の第1外面21に貼着した状態を示している。この状態から、次に、矢印Aに示すように、第1折り曲げ線141を箱体10の第1稜線41に沿って山折りして、情報表示体100の第2表示部112を箱体10の第2外面22に貼着する(
図6参照)。
【0057】
図6は、情報表示体100の第2表示部112を、箱体10の第2外面22に貼着した状態を示している。さらに、
図6に示すように、第3折り曲げ線143を箱体10の第3稜線43に沿って山折りして、情報表示体100の第1折り曲げ部114を箱体10の第3外面23に貼着する。この状態から、次に、矢印Bに示すように、第2折り曲げ線142を箱体10の第2稜線42に沿って山折りして、情報表示体100の第3表示部113を箱体10の第3外面23に貼着する。
【0058】
図7は、情報表示体100の第3表示部113を、箱体10の第3外面23に貼着した状態を示している。さらに、
図7に示すように、第4折り曲げ線144を箱体10の第3稜線43に沿って山折りして、情報表示体100の第2折り曲げ部115を情報表示体100の
第2表示部112の上に貼着する。
【0059】
なお、本説明では、情報表示体100の第2表示部112を箱体10の第2外面22に貼着してから(
図6参照)、情報表示体100の第3表示部113を箱体10の第3外面23に貼着する(
図7参照)手順を説明したが、これに限定されず、第3表示部113を第3外面23に貼着してから、第2表示部112を第2外面22に貼着する手順でもよい。
【0060】
以上の手順により、第1表示部111、第2表示部112、および第3表示部113は、箱体10の第1外面21、第2外面22および第3外面23に貼着される。これにより、第1表示部111、第2表示部112、および第3表示部113に表示された情報は、箱体10の3面(第1外面21、第2外面22および第3外面23)に表示されるため、箱体10に関する情報を3方向から確認することができる。さらに、同様の手順によって情報表示体100を箱体10の角部52にも貼着することにより、情報表示体100に表示された情報は、箱体10の他の3面(第4外面24、第5外面25および第6外面26)にも表示される。この場合、箱体10の6面のいずれの面からでも情報を確認することができる。
【0061】
[実施形態1の効果]
情報表示体の第1表示部111、第2表示部112、および第3表示部113の情報表示面120に情報を表示し、箱体10の角部51,52付近に情報表示体100を貼着することで、複数の箱体10を重ねて載置した場合でも、第1表示部111、第2表示部112、および第3表示部113に表示された情報を認識することができる。また、貼着した情報表示体100を交換することで、箱体10に表示する情報を切り替えることができる。よって、収容する物品の情報を予め表示した箱体を用意しておく必要がなく、収容する物品に応じて表示する情報を切り替えることができ、かつ、複数の箱体が積み重ねられた状態でも情報を確認することができる。
【0062】
情報表示体100を箱体10へ貼着したり、箱体10に貼着した情報表示体100を取り外したり、箱体10から取り外した情報表示体100を別の箱体10に再貼着することが可能となる。よって、収容する物品に応じて表示する情報を切り替えることが容易にでき、かつ、一度用いられた箱体を再利用することが容易となる。
【0063】
情報表示面120に予め情報が表示されている場合、使用者は、必要な情報が表示されている情報表示体100を選択して、速やかに箱体10に貼着して使用することができる。
【0064】
情報表示面120に予め情報が表示されていない場合、情報表示面120に任意の情報を記載可能であるため、使用者は、必要な情報を適宜情報表示体100に表示させることができる。
【0065】
情報表示体の折り曲げ起点145を箱体10の角部51の頂部に配置し、情報表示体100の第1表示部111、第2表示部112、および第3表示部113を、それぞれ箱体10の第1外面21、第2外面22および第3外面23に貼設することにより、箱体10の第1外面21、第2外面22および第3外面23にバランス良く情報表示体100を貼設することができる。このため、箱体10の第1外面21、第2外面22および第3外面23に情報を表示しやすくなる。
【0066】
[実施形態2]
実施形態2の情報表示体100Aは、把持部170を備えている点が、実施形態1に係る情報表示体100と異なっている。以下の説明において、実施形態1と同様の構成には同一の符号を付して説明を省略し、実施形態1と異なる構成についてのみ説明する。
【0067】
図8は、本発明の第2実施形態に係る情報表示体100Aの全体構成を示す図である。
図8に示すように、情報表示体100Aは、第3表示部113の側方に、第5折り曲げ線145を介して把持部170が設けられている。把持部170の後面である貼着面130には、貼着層131は設けられていない。第1表示部111、第2表示部112、および第3表示部113の貼着面130には、実施形態1と同様に、貼着層131が設けられている。
【0068】
図9は、情報表示体100Aを箱体10に貼着した状態を示す斜視図である。把持部170の貼着面130には、貼着層131は設けられていないため、把持部170は、箱体10の第3外面23に沿って配置されるものの、貼着された状態にはならない。このため、使用者は、箱体10に貼着した情報表示体100Aを剥離させる際に、把持部170を指先で引き起こし、把持部170を把持して引くことにより、情報表示体100Aを箱体10から剥離させることができる。また、把持部170には貼着層131が設けられておらず、使用者が把持しても指先に付かない。このため、使用者は、把持部170を把持して情報表示体100Aを箱体10に貼着、再剥離、および再貼着を行うことができる。
【0070】
情報表示体100Aに把持部170が設けられているため、情報表示体100Aを箱体10へ貼着したり、箱体10に貼着した情報表示体100Aを再剥離して取り外したり、箱体10から取り外した情報表示体100Aを別の箱体10に再貼着することが容易となる。
【0071】
[実施形態3]
図10は、本発明の第3実施形態に係る情報表示集合体200の全体構成を示す斜視図である。情報表示集合体200は、実施形態2の情報表示体100Aが複数重ねられて構成されている。各情報表示体100Aは、貼着、取り外し、および再貼着が可能であるため、情報表示集合体200の上面に位置する情報表示体100Aを1枚ずつ剥離させて使用することができる。
【0073】
情報表示集合体200は、情報表示体100Aが複数重ねられて構成されているため、複数の情報表示体100Aの取り扱いが容易となり、複数の箱体10に情報表示体100Aを貼着することが容易である。
【0074】
[実施形態4]
図11は、本発明の第4実施形態に係る情報表示集合体200Aの全体構成を示す図である。情報表示集合体200Aは、実施形態1の情報表示体100が複数、台紙210に配置されて構成されている。各情報表示体100は、貼着、取り外し、および再貼着が可能であるため、台紙210から情報表示体100を剥離させて使用することができる。また、台紙210に配置された各情報表示体100に予め情報を表示させてもよく、あるいは、使用者が、台紙210に配置された各情報表示体100に情報を書き込んだり、プリンタ等を用いて各情報表示体100に情報を表示させることも可能である。
【0075】
[実施形態4の効果]
情報表示集合体200Aは、複数の情報表示体100が台紙210に配置されて構成されるため、複数の情報表示体100の取り扱いが容易となり、複数の情報表示体100から必要な情報表示体100を選択することや、情報表示体100に情報を記載することが容易である。
【0076】
[変形例]
本発明に係る情報表示体は、上記説明した本実施形態に限定されない。例えば、情報表示体100の外形の輪郭形状を略正方形としたが、例えば、略直方体、円形、楕円形など、様々な形状を採用することができる。
【0077】
本実施形態では、2枚の情報表示体100を箱体10の角部51,52に貼着することで、箱体10の6面のいずれの面からでも情報を確認できることを示したが、箱体に情報表示体を貼着する位置や枚数は限定されない。
【0078】
実施形態で説明した情報表示体100は、貼着面130の全面に貼着層131を設けたが、貼着層131を貼着面130の全面に設けずに部分的に設けるようにしてもよい。例えば、第1表示部111、第2表示部112、および第3表示部113の後面に対応する位置に、それぞれ部分的に設けてもよい。
【0079】
本実施形態の説明では、物流に用いられる箱体10を例にして説明したが、物流目的以外の箱体にしてもよい。例えば、物品を保管するための箱体に情報表示体100を用いてもよい。
【0080】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上述した実施形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施形態を適宜変形して実施することが可能である。
【課題】収容する物品の情報を予め表示した箱体を用意しておく必要がなく、収容する物品に応じて表示する情報を切り替えることができ、かつ、複数の箱体が積み重ねられた状態でも情報を確認しやすい情報表示体を提供する。
【解決手段】箱体10の外面のうち互いに隣接する第1外面21、第2外面22および第3外面23によって構成される角部51付近に貼着可能である情報表示体100であって、第1外面21に貼着される第1表示部111と、第2外面22に貼着される第2表示部112と、第3外面23に貼着される第3表示部113と、第2表示部112および第3表示部113の間に形成される切欠部160と、を備え、第1表示部111、第2表示部112、および第3表示部113は、情報を表示するための情報表示面120を有する情報表示体100とする。