(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
周知のとおり、指圧療法は、患者の身体に点在するツボを刺激して患者の体調改善を行う治療法である。身体に点在するツボは、特に手足に多く集中しており、また、手足に位置するツボは、その多くが人体の各器官に通じている。このため、手足に位置するツボは、指圧療法においても重要視されている。
【0003】
そして、近年においては、家庭用のマッサージ機が流行したことに伴って当該分野における技術開発が飛躍的に進歩しており、指圧師に代わって手足に位置するツボを指圧する指圧装置も多く開発されている。
【0004】
例えば、後出特許文献1には、ゴム、スポンジ等の弾性体で形成した按摩板の片面に多数の突起を設け、この按摩板の一端に設けた取付穴にゴム材を嵌着して軸を挿通し、前記突起が対向するように2枚の按摩板を按摩機本体に装着し、他端に操作桿を設けて按摩板を按摩板の方向に交互に往復移動せしめる如くしてなる手、足の按摩機が開示されている。
【0005】
後出特許文献2には、足の指間を広げることが可能な挟み手段を適宜位置に配設可能なると共に該挟み手段は、振動手段が内蔵されたベースに林立された突起部に係脱可能である足指保持機において、前記突起部の林立位置は、足の土踏まず部を支える部位近傍より放射状に複数個形成されてなる足指保持器が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、手足に位置するツボのうちで、親指と人差し指との間に位置する虎口と呼ばれるツボや、人差し指と中指との間、中指と薬指との間及び薬指と小指との間にそれぞれ位置する指間穴と呼ばれるツボは、冷え性や自律神経失調などに効果的なツボとされており、指圧療法においても頻繁に指圧されるツボである。
【0008】
しかし、前記特許文献1に開示された按摩機においては、一対の按摩板で手や足を挟み、一対の按摩板を水平方向に交互に往復させることにより、一対の按摩板の互いに対向する面に設けられた多数の突起によって手や足に点在するツボを刺激するものであるため、手の甲(足の甲)や手の平(足の裏)に点在するツボのように按摩板の突起に接触し易い箇所に位置するツボしか効果的に刺激することができず、虎口や指間穴のように按摩板の突起に接触し難い箇所に位置するツボを直接的に刺激することができないという問題点があった。
【0009】
一方、特許文献2に開示された足指保持器であれば、足の指の間に挟み手段を挟み込み、振動手段が内蔵されたベースを振動させることにより、当該振動が挟み手段に伝わって虎口や指間穴が直接的に刺激されるものの、ベースの振動による刺激であるため、指圧による刺激とは全く異なる刺激であり、指圧と同様の効果が得られるものではなかった。
【0010】
そこで、本発明者は、指圧師と同様に指間穴を指圧することができる指間穴指圧装置を得ることを技術的課題として、その具現化をはかるべく、試行錯誤的に試作・実験を重ねた結果、患者の指間を刺激する指間用指圧装置において、指間を挟むように一対の指圧棒を配置し、一対の指圧棒が指間を挟み込んだ状態で前後方向に往復運動するようにすれば、指圧師と同様に指間に位置するツボを効果的に刺激することができるという刮目すべき知見を得、前記技術的課題を達成したものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記技術的課題は、次の通りの本発明によって解決できる。
【0012】
すなわち、本発明に係る指間用指圧装置は、
駆動ユニットと指間を挟むように配置された一対の指圧棒とからなる指間用指圧装置であって、前記駆動ユニットは前後方向に回転運動する一対の歯車と、前記歯車の前方に配置された一対のガイド体と、前記一対のガイド体に対して前後方向に直線運動できるように支持される一対の移動体と、前記一対の歯車の各側面に一端が回転可能に軸止めされると共に前記一対の移動体の各側面に他端が回転可能に軸止めされる一対のリンク体とからなり、前記一対の歯車は各側面に前記リンク体を軸止めできる複数の軸孔を備え、前記一対の移動体には、前記一対の指圧棒が連結されており、前記一対の歯車の前後方向の回転運動が前記一対のリンク体を介して前記一対の移動体に伝達されることで前記一対の指圧棒が前後方向に往復運動して指間を刺激する指間用指圧装置である。
【0013】
また、本発明は、前記指間用指圧装置において、
前記一対の指圧棒の上側に配置された指圧棒と下側に配置された指圧棒が互いに異なる振幅及び/又は異なる周期で往復運動をして指間を刺激する指間用指圧装置である。
【0014】
また、本発明は、前記いずれかの指間用指圧装置において、
前記一対の歯車の下側に配置された歯車の直径が上側に配置された歯車の直径よりも小さいことを特徴とする指間用指圧装置である。
【0015】
また、本発明は、
前記いずれかの指間用指圧装置において、患者の手又は足の各指間に対応する四対の指圧棒を有する指間用指圧装置である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、指間を挟むように一対の指圧棒を配置し、一対の指圧棒が前後方向に往復運動を繰り返すから、指圧師と同様に指間に位置するツボを効果的に刺激することができる。また、一対の指圧棒を前後方向に往復運動させる駆動ユニットとして、歯車の前後方向の回転運動をリンク体を介してガイド体に対して前後方向に直進運動できるように支持された移動体へ伝達する構成を採用したので、リンク体の歯車の側面に対する軸止め位置を調節することによって指圧棒の往復運動の態様を変更することができ、各患者に応じて一対の指圧棒の往復運動の態様を調節できる。
【0017】
従って、本発明の産業上利用性は非常に高いといえる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0021】
本実施の形態に係る指間用指圧装置1は、
図1に示すように、ボックス2に収納された駆動手段3(
図2参照)と、駆動手段3に接続されてボックス2の前方中央に設置される動力源4と、動力源4を挟んで両側に配置される一対の治療台5,5と、駆動手段3に接続されてボックス2の前面から突出して一対の治療台5,5上に伸びる一対の指圧手段6,6とから構成されている。なお、一対の指圧手段6,6は、一方が患者の左手7の指間を指圧する役割を有しており、他方が患者の右手8の指間を指圧する役割を有している。
【0022】
駆動手段3は、
図2に示すように、動力源4であるモーターによって得られた回転運動を往復運動に変換する機能を有している。そして、動力源によって得られる左右方向の回転運動を前後方向の回転運動に変換する第一変換機構9と、第一変換機構9によって得られる前後方向の回転運動を前後方向の往復運動に変換する第二変換機構10とから構成されている。
【0023】
第一変換機構9は、
図3に示すように、動力源4からボックス2内へ伸びる第一回転軸11と、第一回転軸11の固定された第一小径歯車12と、第一小径歯車12と噛み合うように配置された第二小径歯車13と、第二小径歯車13が固定された固定された第二回転軸14と、第二回転軸14の先端に形成されたウォーム15と、ウォーム15と噛み合うように配置されたウォームホイール16と、ウォームホイール16から左右方向へ伸びる第三回転軸17とから構成されている。そして、動力源4の左右方向の回転運動が第一回転軸11、第一小径歯車12及び第二小径歯車13を介して第二回転軸14に伝わり、第二回転軸14の左右方向の回転運動がウォーム15及びウォームホイール16からなるウォームギアによって前後方向の回転運動に変換されて第三回転軸17に伝わるようになっている。
【0024】
第二変換機構10は、
図2に示すように、第一変換機構9を挟んで両側に四つずつ立設された支持板18に固定される合計八つの駆動ユニット19によって構成されている。そして、第一変換機構9に対して左側に配置される四つの駆動ユニット19が左手用の指圧手段6に接続されていると共に、右側に配置される四つの駆動ユニット19が右手用の指圧手段6に接続されている。なお、八つの駆動ユニット19は、いずれも同一の構成を有している。また、第一変換機構9の一方側に配置される四つの支持板18は、第三回転軸17から前方に向かって徐々に間隔を狭めるように伸びており、第一変換機構9の他方側に配置される四つの支持板18も、第三回転軸17から前方に向かって徐々に間隔を狭めるように伸びている。
【0025】
駆動ユニット19は、
図4に示すように、第一歯車20、第二歯車21及び第三歯車22が互いに噛み合うように配置されており、三つの歯車20,21,22のうち、第一歯車20は、第一変換機構9を構成する第三回転軸17に固定されており、第二歯車21及び第三歯車22は、第一歯車20の前方に上・下に並べて配置されて支持板18に対して回転可能に軸止めされている。なお、第二歯車21及び第三歯車22における第三回転軸17に対して傾斜するように配置された支持板18に軸止めされるものについては、第三回転軸17に固定される平歯車からなる第一歯車20と噛み合うように円錐状のかさ歯車が使用されている。
【0026】
第二歯車21の前方には、前後方向へ伸びるガイド体23が支持板18に固定されており、ガイド体23は、前面に開口が形成されていると共に側面に長手方向へ伸びるガイド孔24が形成されている。ガイド体23内には、前面の開口から先端を突出させるように移動体25が移動可能に挿入されている。そして、第二歯車21と移動体25とは、リンク体26を介して連結されており、リンク体26の一端が第二歯車21の側面に対して回転可能に固定されていると共に、リンク体26の他端がガイド体23のガイド孔24から覗く移動体25の側面に対して回転可能に固定されている。よって、リンク体26の他端の移動がガイド孔24によって前後方向のみに規制されることにより、リンク体26の一端の回転運動がリンク体26の他端で直線運動に変換されて移動体25に伝えられるようになっている。
【0027】
また、第三歯車22の前方には、前後方向へ伸びるガイド体27が支持板18に固定されており、ガイド体27は、前面に開口が形成されていると共に側面に長手方向へ伸びるガイド孔28が形成されている。ガイド体27内には、前面の開口から先端を突出させるように移動体29が移動可能に挿入されている。そして、第三歯車22と移動体29とは、リンク体30を介して連結されており、リンク体30の一端が第三歯車22の側面に対して回転可能に固定されていると共に、リンク体30の他端がガイド体27のガイド孔28から覗く移動体29の側面に対して回転可能に固定されている。よって、リンク体30の他端の移動がガイド孔28によって前後方向のみに規制されることにより、リンク体30の一端の回転運動がリンク体30の他端で直線運動に変換されて移動体29に伝えられるようになっている。
【0028】
そして、第三回転軸17の前後方向の回転運動が第一歯車20を介して第二歯車21及び第三歯車22に伝わり、第二歯車21及び第三歯車22の前後方向の回転運動がリンク体26,30を介して移動体25,29に伝わって前後方向の往復運動に変換されるようになっている。
【0029】
なお、第二歯車21と第三歯車22とは、同一の直径を有しており、
図6に示すように、第二歯車21の側面に対するリンク体26の一端が固定された位置31と第三歯車22の側面に対するリンク体30の一端が固定されている位置32とは、両歯車21,22の中心を一致させた円上で比較すると上下方向(両歯車21,22の回転中心を結ぶ方向)に伸びる中心線(
図6中、一点鎖線にて示す)に対して線対称の位置関係になっている。これにより、両移動体25,29は、同一振幅・同一周期で往復運動し、かつ、両移動体25,26の往復運動の位相差は180度となる。
【0030】
指圧手段6は、
図1及び
図2に示すように、親指と人差し指との指間を指圧する第一指圧部33と、人差し指と中指との指間を指圧する第二指圧部34と、中指と薬指との指間を指圧する第三指圧部35と、薬指と小指との指間を指圧する第四指圧部36とから構成されており、動力源4側から第一指圧部33、第二指圧部34、第三指圧部35、第四指圧部36の順番に配置されている。そして、各指圧部33,34,35,36は、
図5に示すように、上・下に配置された一対の指圧棒37,37から構成されている。一対の指圧棒37,37は、手7,8の厚みよりも狭い間隔を開けて平行に配置されており、互いに対向する面における前方寄りに位置する部分が緩やかに隆起した形状に形成されている。そして、一対の指圧棒37,37は、後端に形成された波状の弾性部38が駆動ユニット19を構成する一対の移動体25,29の前端にそれぞれ固定されている。
【0031】
治療台5には、
図2に示すように、指圧手段を構成する各指圧部33,34,35,36が設置される上面に、前方から後方に向かって扇状に広がるように四本の凹溝39が形成されており、各凹溝39には、対応する指圧部33,34,35,36が嵌り込むようになっている。なお、各凹溝39の深さは、
図7に示すように、対応する指圧部33,34,35,36の下側の指圧棒37,37のみが嵌り込むように設定されている。
【0032】
次に、本実施の形態に係る指間用指圧装置1の動作について説明する。
【0033】
先ず、患者が向かって左側の治療台5に左手7を置くと共に右側の治療台5に右手8を置き、各手7,8に対応する指圧手段6における第一指圧部33を構成する一対の両指圧棒37,37の間に親指と人差し指との指間を差し込み、第二指圧部34を構成する一対の指圧棒37,37の間に人差し指と中指との指間を差し込み、第三指圧部35を構成する一対の指圧棒37,37の間に中指と薬指との指間を差し込み、第四指圧部36を構成する一対の指圧棒37,37の間に薬指と小指との指間を差し込む。
【0034】
次に、動力源4を稼動させ、動力源4によって得られる左右方向の回転運動を第一変換機構9によって前後方向の回転運動に変換する。具体的には、動力源4によって得られる左右方向の回転運動を、第一回転軸11、第一小径歯車12、第二小径歯車13を介して第二回転軸14に伝える。続いて、第二回転軸14に伝わった左右方向の回転運動を、ウォーム15及びウォームホイール16によって前後方向の回転運動に変換して第三回転軸17に伝える。
【0035】
次に、第三回転軸17に伝わった前後方向の回転運動を第二変換機構10の各駆動ユニット19によって前後方向の往復運動に変換する。具体的には、第三回転軸17に伝わった前後方向の回転運動を、第一歯車20を介して第二歯車21及び第三歯車22に伝える。続いて、第二歯車21に伝わったの前後方向の回転運動を、リンク体26によって前後方向の往復運動に変換して移動体25に伝え、第三歯車22に伝わったの前後方向の回転運動を、リンク体30によって前後方向の往復運動に変換して移動体29に伝える。なお、両移動体25,29の往復運動の周期は半周期ずれている。
【0036】
そして、一対の移動体25,29が前後方向に往復運動することにより、一対の移動体25,29の前端に接続された一対の指圧棒35,35も前後方向に往復運動し、この時、一対の指圧棒37,37は、一対の移動体25、29と同様に半周期ずれて往復運動を繰り返すため、これにより、一対の指圧棒37,37の間に挟まれた指間のツボが両指圧棒37,37の対向する面に形成された隆起によって的確に刺激される。
【0037】
具体的には、一対の指圧棒35,35が治療台5上に置かれた手7,8の指間を両指圧棒35,35の隆起部分で押圧した状態から、
図8の(a)に示すように、上側の指圧棒35が後方へ移動すると共に下側の指圧棒25が前方へ移動し、上側の指圧棒35が指間を上方から押圧した状態になると共に、下側の指圧棒35が指間よりも手の平側を下方から押圧した状態となる(
図8の(b)参照)。続いて、
図8の(b)に示すように、上側の指圧棒35が前方へ移動すると共に下側の指圧棒25が後方へ移動し、一対の指圧棒35,35が治療台5上に置かれた手7,8の指間を両指圧棒35,35の隆起部分で押圧した状態に戻る(
図8の(c)参照)。続いて、一対の指圧棒35,35が指間を両指圧棒35,35の隆起部分で押圧した状態から、
図8の(c)に示すように、上側の指圧棒35が前方へ移動すると共に下側の指圧棒25が後方へ移動し、上側の指圧棒35が指間よりも手の甲側を上方から押圧した状態になると共に、下側の指圧棒35が指間を押圧した状態となる(
図8の(d)参照)。続いて、
図8の(d)に示すように、上側の指圧棒35が後方へ移動すると共に下側の指圧棒25が前方へ移動し、一対の指圧棒35,35が指間を両指圧棒35,35の隆起部分で挟み込んだ状態に戻る(
図8の(a)参照)。以下、前記動作を繰り返す。
【0039】
本実施の形態は前記実施の形態1に係る駆動ユニットの変形例であり、変形例1に係る駆動ユニットを
図9及び
図10に示し、変形例2に係る駆動ユニットを
図11及び
図12に示し、変形例3に係る駆動ユニットを
図13及び
図14に示している。なお、
図9〜
図14において、
図1〜
図8と同一符号は、同一又は相当部分を示している。
【0040】
変形例1:本変形例に係る駆動ユニット19においては、
図9に示すように、第一歯車20、第二歯車21及び第三歯車22が互いに噛み合うように配置されており、第二歯車21と第三歯車22とは同一の直径を有している。そして、第二歯車21の側面に対するリンク体26の一端が固定された位置40と第三歯車22の側面に対するリンク体30の一端が固定されている位置41とは、
図10に示すように、両歯車21,22の中心を一致させた円上で比較すると左右方向(両歯車21,22の回転中心を結ぶ方向に対して垂直な方向)に伸びる中心線(
図10中、二点鎖線にて示す)に対して線対称の位置関係になっている。これにより、両移動体25,29は、同一振幅・同一周期で往復運動し、かつ、両移動体25,29の往復運動の位相差は0度となる。
【0041】
本変形例においては、両移動体の往復運動の位相差が0度になるため、指間を常に両指圧棒の隆起部分で挟みながら押圧することになり、強く押圧することができる。
【0042】
変形例2:本変形例に係る駆動ユニット19においては、
図11に示すように、第一歯車20、第二歯車21及び第三歯車22が互いに噛み合うように配置されており、第二歯車21と第三歯車22とは同一の直径を有している。そして、第二歯車21の側面に対するリンク体26の一端が固定された位置42と第三歯車22の側面に対するリンク体30の一端が固定されている位置43とは、
図12に示すように、両歯車21,22の中心を一致させた円上で比較すると中心からの距離が異なる位置関係となっており、第二歯車21の側面に対するリンク体26の一端が固定された位置42の中心からの距離よりも第三歯車22の側面に対するリンク体30の一端が固定されている位置43の中心からの距離の方が短い位置関係になっている。これにより、両移動体25,29は、異なる振幅・同一周期で往復運動する。なお、移動体25の往復運動よりも移動体29の往復運動の方が振幅が小さくなる。
【0043】
本変形例においては、第二歯車に連結された移動体の往復運動よりも第三歯車に連結された移動体の往復運動の方が振幅が小さくなるため、下側の指圧棒が狭い範囲で往復運動することになり、特定の場所を重点的に押圧することができる。
【0044】
また、上側に配置された歯車(第二歯車)の中心からリンク体の軸止め位置までの距離を下側に配置された歯車(第三歯車)の中心からリンク体の軸止め位置までの距離よりも短くすることにより、上側に配置された歯車に連結された移動体の往復運動の方が下側に配置された歯車に連結された移動体の往復運動よりも振幅が小さくなり、上側の指圧棒を狭い範囲で往復運動させることができ、これにより、手の甲側に位置する指間を重点的に押圧することができる。
【0045】
変形例3:本変形例に係る駆動ユニット19においては、
図13に示すように、第一歯車20と第二歯車44とが噛み合い、かつ、第一歯車20と第三歯車45とが噛み合い、第二歯車44と第三歯車45とは噛み合わないように配置されており、第二歯車44は、第三歯車45よりも大径に形成されている。そして、第二歯車44の側面に対するリンク体26の一端が固定された位置46と第三歯車45の側面に対するリンク体30の一端が固定された位置47とは、
図14に示すように、両歯車44,45の中心を一致させた円上で比較すると中心からの距離が異なる位置関係となっており、第二歯車44の側面に対するリンク体26の一端が固定された位置46の中心からの距離よりも第三歯車45の側面に対するリンク体30の一端が固定されている位置47の中心からの距離の方が短い位置関係になっている。これにより、両移動体25,29は、異なる振幅・異なる周期で往復運動する。なお、移動体25の往復運動よりも移動体29の往復運動の方が、振幅が小さくなり、周期が短くなる。
【0046】
本変形例においては、第二歯車に連結された移動体の往復運動よりも第三歯車に連結された移動体の往復運動の方が振幅が小さくなると共に周期が短くなるため、下側の指圧棒が狭い範囲を高速で往復運動することになり、特定の場所を重点的に押圧することができる。
【0047】
また、上側に配置された歯車(第二歯車)の直径を下側に配置された歯車(第三歯車)の直径よりも小さくし、かつ、上側に配置された歯車(第二歯車)の中心からリンク体の軸止め位置までの距離を下側に配置された歯車(第三歯車)の中心からリンク体の軸止め位置までの距離よりも短くすることにより、上側に配置された歯車に連結された移動体の往復運動の方が下側に配置された歯車に連結された移動体の往復運動よりも周期が短くなると共に振幅が小さくなり、上側の指圧棒を狭い範囲で高速に往復運動させることができ、これにより、手の甲側に位置する指間を重点的に押圧することができる。
【0048】
なお、第二歯車や第三歯車の側面に複数の軸孔を形成しておき、両歯車に対するリンク体の軸止め位置を変更することにより、上・下の指圧棒の往復運動を適宜変更することができる。
【0049】
また、上・下の指圧棒の対向する面に鋸刃状の凹凸を形成することにより、指間に対して強い刺激を与えることができる。