(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
走行車体に搭載されたエンジン(4)と、前記エンジン(4)の動力を変速して出力する静油圧式無段変速装置(11)と、前記動力の変速を指示するための変速指示具(7b)と、前記変速指示具(7b)による操作量を検出する変速操作量検出センサ(31)と、前記変速操作量検出センサ(31)からの出力に基づいて前記静油圧式無段変速装置(11)を制御する可変速モードを備える制御部(100)と、前記静油圧式無段変速装置(11)の出力部における回転数の増減を指示するHi−Lo切替部(210)と、操舵角を検出可能なステアリングホイール(7a)とを備える作業車両において、前記制御部(100)は、前記可変速モードからオートクルーズスイッチ(7h)によって定車速モードに移行可能に構成し、モード移行の際の車速を維持速度として次の変速操作までの間について車速を維持するとともに、前記Hi−Lo切替部(210)の操作に応じて前記維持速度を増減可能に構成し、かつ、前記ステアリングホイール(7a)の操舵角が所定以上の場合に前記維持速度の増減を規制する牽制手段(41)を備え、さらに、
前記牽制手段(41)は、前記可変速モードにおいて走行車速が所定速度を超えている場合に、前記Hi−Lo切替部(210)による前記回転数の増減を規制することを特徴とする作業車両。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の変速制御システムは、ペダル操作に応じて作業車両が無段変速走行する際に、高低切替レバー操作で走行車速を微増減調節することができ、また、オートクルーズスイッチによる定車速走行の場合に、上記高低切替レバーによって微増減した一定車速に切替えることができ、さらに、上記高低切替レバーの誤操作等による車速変更を効果的に防止して機体の安定走行を可能とするものである。
【0019】
上記変速制御システムの具体的な構成は、システム構成ブロック図を
図1に示すように、各種操作具とセンサの信号入力に応じて、トラニオン駆動部22を介して静油圧式無段変速装置11を無段変速制御するとともに、ステージ切替弁122を介して静油圧式無段変速装置11の出力部のHi−Loステージを切替えて微増減変速可能に、また、牽制手段41を設けて条件に応じて静油圧式無段変速装置11とブザー42の作動を制御可能に制御部100を構成する。
【0020】
操作具は、車速操作用のHSTペダル7bの踏込量検出センサ31、車速を微調節するHi−Lo切替部210、可変速モードから定車速モードに移行するオートクルーズスイッチ7hの各信号を入力する。
【0021】
特に、Hi−Lo切替部210は、ステアリングホイール周りの見取図(
図8参照)に示すように、ステアリングホイール7aの近傍に上下操作式のHi−Lo切替レバー210を配置することにより、ステアリングホイール7aの下方のスイッチパネルに目線を下げてスイッチ位置の確認を要することなく、切替えが素早く容易にでき、変速ロスが少なく能率が向上する。
【0022】
センサは、車速センサ12r、ステアリングホイール7aの操舵角センサ9a、副変速位置センサ9d、前後進センサ9iの各信号を入力する。
【0023】
制御部100は、HSTペダル7bの踏込み操作に応じて静油圧式無段変速装置11を無段変速し、また、Hi−Lo切替部210の操作により、条件付きで走行車速を微増減調節を可能とする可変速モードに加え、定車速モードに移行することによって、モード移行時の車速を維持速度としてHSTペダル7bの踏込等の変速操作までの間について車速を維持するとともに、Hi−Lo切替部210の切替え操作により、維持速度を条件付きで増減可能に構成する。
【0024】
制御部100における牽制手段41によるHi−Lo切替部による変速制御について詳細に説明すると、フローチャートを
図2に示すように、作業車両の走行において、オートクルーズスイッチ7hの操作を判定する第1のステップ(以下において、「S1」の如く略記する。)により、スイッチ操作がない場合、すなわち、可変速モードにある場合は、Hi−Lo切替部210の操作の検出(S2)を待つ。
【0025】
Hi−Lo切替部210の操作があると、ステアリングホイール7aの操作による操舵角が一定以上(S2a)、または、走行車速が一定速度を超え(S2b)ていることを条件に、Hi−Lo切替部210の操作があっても出力部の増減切替えなしに回転数を維持(S3)し、また、操舵角と走行車速のいずれも上記条件に非該当の場合に、Hi−Lo切替部210に応じて出力部のステージ切替え(S4)によって車速が微増減調節される。
【0026】
また、オートクルーズスイッチ7hの上記判定(S1)により操作が検出された場合は、定車速モードに移行することにより、移行時の車速を維持速度としてHSTペダル7bの踏込等の変速操作までの間について車速を維持(S1a)する。次いで、Hi−Lo切替部210の操作の検出(S12)があると、ステアリングホイール7aの操作が一定角以上(S12a)、または、走行車速が一定速度を超え(S12b)ていることを条件に、Hi−Lo切替部210の操作があっても維持速度の増減なしに車速を保持(S13)し、いずれも上記条件に非該当の場合に、Hi−Lo切替部210に応じた維持速度の増減(S14)により新たな維持速度による定車速走行に移行する。
【0027】
上記構成の変速制御システムにより、Hi−Lo切替部210の操作により、可変速モードおよび定車速モードによる走行車速の微増減切替えを可能とするとともに、急旋回走行中や高速走行中にHi−Lo切替部210の誤操作等があっても変速が規制されて機体の安定走行を確保することができる。
【0028】
(別構成例) 次に、上記変速制御の別の構成例について説明する。 牽制条件の限定または付加により、必要に応じた変速システムを構成することができる。
【0029】
Hi−Lo切替部210の操作について、可変速モードではステアリングホイール7aの操作が一定角以上の場合に回転数の増減を規制し、定車速モードでは、維持速度の増減を無条件で規制するように牽制制御を設けることにより、微増減変速が定車速モードの一定の条件範囲で可能となるとともに、定車速モードの場合および、可変速モードにおける旋回走行の場合について、間違ってHi−Lo切替部210を操作しても変速が規制されるので、変速による危険を防止して安定走行を確保することができる。
【0030】
また、上記構成において、車速が一定速度以上の場合を牽制条件に付加し、可変速モードにおける変速規制を高車速の旋回走行時に限定することによって微増減変速の適用範囲を拡大できるとともに、定車速モードの場合および可変速モードにおける高車速の旋回走行の場合について、間違ってHi−Lo切替部210を操作しても変速が規制されるので、変速による危険を防止して安定走行を確保することができる。
【0031】
また、牽制手段41の別構成例として、可変速モードにおいて副変速位置センサ9dが移動走行に適する高速(H)位置であり、かつ、ステアリングホイール7aの操作が一定角以上の場合にHi−Lo切替部210による切替えを規制し、また、定車速モードでは、維持速度の増減を無条件で規制することにより、定車速モードの場合および、可変速モードにおいて副変速位置が高速(H)の移動走行等の旋回走行中の場合は、間違ってHi−Lo切替部210を操作しても変速が規制されるので、変速による危険を防止して安定走行を確保することができる。
【0032】
次に、オートクルーズスイッチ7hによって定車速モードに移行した場合の制御について説明すると、車速が一定速度以下の場合に限り、Hi−Lo切替部210の一定時間の保持操作によって維持速度を増減変更可能に構成することにより、定車速モード専用のスイッチの付加を要することなく、Hi−Lo切替部210により維持速度の増減が可能となり、また、車速が所定速度を超過する場合は、Hi−Lo切替部210の保持時間不足の場合を含め、間違ってHi−Lo切替部210を操作しても変速が規制されるので、変速による危険を防止して安定走行を確保することができる。
【0033】
また、定車速モード専用の増減速スイッチレバーを設けて維持速度を増減変更可能に構成し、この場合において、減速側にレバー操作した時に所定の最小設定速度になった場合にブザー42を数回鳴動する制御を構成する。
【0034】
上記制御構成により、増減速スイッチレバーの操作によって定車速モードにおいて車速の増減が可能となり、また、走行停止となる車速0までの減速の適用がないことをブザー42によって報知することができる。
【0035】
また、定車速モードにおいて、所定の保持時間を伴ってHi−Lo切替部210を操作することにより、維持速度の増減を可能に構成することにより、可変速モードと共用のHi−Lo切替部210の操作によって定車速モードによる車速の増減が随時可能となる。
【0036】
次に、車速操作用の操作具の別の構成例について説明すると、要部拡大付記によるトラクタの平面図を
図3に示すように、フロアに2つのHSTペダルを設け、前進ペダル51と後進ペダル52とすることにより、前後進切換レバーを備える場合と同様の変速システムを構成することができる。
【0037】
(関連機器) 次に、本発明と関連する機器を中心に、適用対象となる作業車両について説明する。
図4は、本発明に関連する発明の作業車両の一例としてのトラクタの全体構成側面図であり、
図5は、同トラクタの全体構成平面図である。
【0038】
図4に示す通り、このトラクタ1は、前後の走行車輪2,3によって圃場作業可能に機体を支持しており、機体の前部又は後部に作業機を装着して作業を行う。機体前部のエンジンルーム4a内に搭載しているエンジン4からの動力を受けて走行車輪2,3に動力伝達を行う。この走行車輪2,3への動力伝達は、変速装置5の副変速機構12(有段変速)と静油圧式無段変速装置(HST)11で変速された動力が無段変速伝動されていく。また、静油圧式無段変速装置11に入力された動力のうち無段変速されない動力がPTOと略称される作業動力供給部6に伝達されていく。作業動力供給部6は、機体後部のPTO機構16aと機体中央下部のPTO機構16bから構成されている。
【0039】
また、作業座席7を中心に、各種の機器操作具を備え、走行操作用として、ステアリングホイール7a、HSTペダル7b、左右セットのブレーキペダル7c(連結解除により左ブレーキペダルと右ブレーキペダルとして使用)、副変速レバー7d、後輪駆動と4輪駆動を切り換える4WDレバー7e、エンジン4を緊急停止する緊急停止スイッチ7f、ウィンカスイッチ7g、オートクルーズスイッチ7h、作業機操作用として、リヤとミッドのPTOレバー8a,8b、装着している作業機の昇降位置を決定するポジションレバー8c、前後進レバー7i、エンジン回転数を設定するスロットルレバー7j、別の油圧機器を駆動する2連の外部油圧レバー8d等を備えて構成される。副変速レバー7dは、
図6に示す有段変速の副変速機構12の変速操作を行うもので、3段変速が可能な構成となっている。
【0040】
ここで、
図6は、本実施の形態のトラクタ1の伝動系統の構成展開図である。
【0041】
また、オートクルーズスイッチ7hを入り状態にすると、オートクルーズモード(定車速モード)になり、HSTペダル7bから足を離しても、入り状態にした時点の車速を維持し続ける構成である。具体的には、オートクルーズモードでは、無段変速装置11の油圧ポンプ21pの出力調整用のトラニオン軸21tの回動位置を維持する構成である。
【0042】
上記変速装置5による走行伝動系は、エンジン動力を受けるHSTと略称される静油圧式の無段変速装置11および車速域を切替える副変速機構12を動力伝達上流側から下流側にかけて直列に配置し、後輪3等の伝動機構13に伝動する(
図6参照)。
【0043】
この走行伝動系に、エンジン4の回転センサ4r、車速センサ12r等による機器動作センサを設けると共に、HSTペダル7b等の変速指示具によるHSTペダル7bの踏込量を検出するHSTペダル踏込量検出センサ31からの出力に基づいて、静油圧式無段変速装置11を制御する制御部100とにより変速システムを構成する。
【0044】
また、本実施の形態のトラクタ1には、路上走行を含む各種作業内容を区別するための各種モードを切り替える指示を行うモード切替スイッチ32が設けられており、そのモード切替スイッチ32によるモードの切替結果は、制御部100に出力される。
【0045】
変速装置5は、
図6に伝動系統展開図を示すように、静油圧式無段変速装置11、副変速機構12、後輪伝動機構13、前輪伝動機構14に至る4WD切替部14a等による走行系機器を備えている。
【0046】
作業速から路上速の範囲で車速域を選択する副変速機構12による各車速域について静油圧式無段変速装置11で無段変速し、この変速動力を前後輪2,3に伝動出力している。
【0047】
また、エンジン4から静油圧式無段変速装置11に入力された動力のうち、無段変速されない動力がPTOクラッチ15を経てリヤとミッドのPTO機構16a,16bから作業機を作動可能に構成している。即ち、静油圧式無段変速装置11に入力されたエンジン4からの出力軸21aは、エンジン4と反対側(変速装置5側)に突出しており、複数のギアを介してPTOクラッチ15へと動力伝達されている構成である。これにより、リヤPTO機構16aとミッドPTO機構16bは、一定回転で回転する構成となる。
【0048】
11aは静油圧式無段変速装置11のチャージポンプであり、変速装置5を囲うトランスミッションケース内に内装している。リヤPTO機構16aは、機体後部に装着するロータリー、除雪機、モーア等を駆動する。ミッドPTO機構16bは、前輪2と後輪3との間の機体下部に装着するモーア、除雪機、路上清掃機等を駆動する。
【0049】
静油圧式無段変速装置11は、
図7に内部構成と油圧回路図を示すように、エンジン動力によって駆動される出力可変式の油圧ポンプ21pとそのポンプ出力を受ける定量油圧モータ21mとによって構成される。
【0050】
ここで、
図7は、静油圧式無段変速装置11の内部構成と油圧回路図である。
【0051】
油圧ポンプ21pは、エンジン4からの出力軸21aと直結で駆動される。油圧ポンプ21pには出力調整用のトラニオン軸21tが設けられており、このトラニオン軸21tの回動で斜板21sの角度が変化する。斜板21sの角度位置により作動油の送油方向および出力停止を含む流量調節を介して定量油圧モータ21mを駆動し、その出力軸21bから出力停止の中立を含む正逆の変速回転動力を伝動出力する。前記前後進レバー7iの操作を前後進センサ9iが検出し、出力軸21bの正転(前進走行)、逆転(後進走行)及び回転停止(走行停止)を行う。
【0052】
油圧ポンプ21pのトラニオン角制御は、サーボ機構のHST制御により、比例ソレノイドバルブ(トラニオン前進側ソレノイド、及びトラニオン後進側ソレノイドを含む)22への駆動電流によって作動油流量を調節する構成としている。
【0053】
次に、本発明の作業車両の一例としてのトラクタ200について説明する。
また、静油圧式無段変速装置11は、
図7に示す通り、斜板121sを設けた可変油圧モータ121mを備えている。そして、本実施の形態のHST11は、可変油圧モータ121mの出力を高速と低速の2段切替可能な構成とし、これを、斜板121sを有する可変油圧モータ121mの2ステージ切替という。
【0054】
低速側と高速側の2ステージ切替は、可変油圧モータ121m側のトラニオン軸121tで斜板121sを回動させることで行うが、そのトラニオン軸121tの作動角度は、ステージ切替弁122により切り替えられる。そして、そのステージ切替弁122の切り替えを指示するHi−Lo切替レバー210が、ステアリングホイール7aの下方近傍に配置されている(
図8参照)。
【0055】
即ち、ステージ切替弁122の切り替えを指示する機構を、プッシュタイプのスイッチではなく、レバータイプにしたことで、操作時において容易にレバーの位置が確認出来る。また、Hi−Lo切替レバー210をステアリングホイール7aの下方近傍に配置したことにより、切り替え操作が、素早く且つ容易に行えて、変速ロスが少なく、作業能率が向上する。以上のことから、この構成によれば、従来に比べて操作感が良く、操作性の向上が図られる。
【0056】
本実施の形態では、Hi−Lo切替レバー210を上方に操作するとHiに切り替わり、下方に操作するとLoに切り替わる構成である。
【0057】
また、本実施の形態では、オートクルーズスイッチ7h(
図5、
図1参照)がON状態にある間は、Hi−Lo切替レバー210が、オートクルーズモードにおける車速の増減を指示する機能を兼ねている。これにより、スイッチ類の数を減らせる。
【0058】
また、本実施の形態のメモリ110は車速を記憶する機能も有している。
【0059】
また、本実施の形態のトラクタ200では、メモリ110に記憶された車速に移行させるか否かを指示するメモリ復帰スイッチ220(
図1参照)が設けられている。
【0060】
また、本実施の形態の制御部100(
図1参照)は、Hi−Lo切替レバー210、オートクルーズスイッチ7h、及びメモリ復帰スイッチ220からのそれぞれの出力を受け付ける機能も有すると共に、ステージ切替弁122の動作も制御する構成である。
【0061】
以上の構成により、本実施の形態の制御部100(
図1参照)は、オートクルーズスイッチ7hからの指示によりオートクルーズモードが入り状態にある間は、Hi−Lo切替レバー210によるHST11の可変油圧モータ121mの回転数の増減の指示を、オートクルーズモードにおける車速の増減の指示として受け付ける。
【0062】
また、制御部100は、オートクルーズスイッチ7hによりオートクルーズモードが入り状態から切り状態に切り替えられた際、オートクルーズモードにおいて切り替えられる直前の走行車体の車速をメモリ110(
図1参照)に記憶させる。その後、制御部100は、作業者の操作で、オートクルーズスイッチ7hによりオートクルーズモードが入り状態に切り替えられた後、メモリ復帰スイッチ220から車速の移行指示を受けた際、走行車体の車速をメモリ110に記憶されている直前の車速に移行させる。
【0063】
上記制御部100による制御動作について、主として
図9を参照しながら更に説明する。
【0064】
ここで、
図9は、本実施の形態におけるオートクルーズモードのフロー図である。
【0065】
図9に示す通り、作業者によりオートクルーズスイッチ7hがONされると、制御部100は、ステップS10を経てステップS20へ進み、オートクルーズスイッチ7hからのON信号を受け付けた時点のHSTペダル7bの踏込量をHSTペダル踏込量検出センサ31から受け付けて、それに対応する車速を維持して走行するべく、比例ソレノイドバルブ22に出力信号を送り、HST11(
図7参照)の油圧ポンプ21pのトラニオン軸21tの回動量を一定に制御する(ステップS20参照)。
【0066】
その後、作業者がHi−Lo切替レバー210を操作すると、制御部100は、Hi−Lo切替レバー210による指示を、オートクルーズモードにおける車速の増減の指示として受け付けるので、ステップS30を経てステップS40へ進み、微増減速操作後の車速を保持して走行するべく、ステージ切替弁122に出力信号を送る。即ち、例えば、作業者がHi−Lo切替レバー210を「Hi」側に切り替えたときは、制御部100は、車速が微増する方向に、可変油圧モータ121m側のトラニオン軸121tを回動させるべく、ステージ切替弁122に指令を出して、ステップS50へ進む。
【0067】
尚、作業者がHi−Lo切替レバー210を操作しなければ(ステップS30参照)、オートクルーズスイッチ7hからのON信号を受け付けた時点の車速を維持しながら(ステップS45参照)、ステップS50へ進む。
【0068】
そして、制御部100は、ステップS50において、メモリ復帰スイッチ220からのON信号を受け付けなければ、ステップS60に進み、オートクルーズスイッチ7hがONからOFFに切り替えられたか否かを判定し、OFFに切り替えられたと判定したときは、ステップS70に進み、オートクルーズスイッチ7hがONからOFFに切り替えられる直前の車速をメモリ110に記憶させる。
【0069】
尚、制御部100は、ステップS60において、オートクルーズスイッチ7hがONからOFFに切り替えられていないと判定したときは、ステップS30の直前に戻る。
【0070】
その後、オートクルーズモードがOFF状態で走行中において、作業者がオートクルーズスイッチ7hを再びONさせると、ステップS10〜ステップS50を経て、メモリ復帰スイッチ220がONされたと判定されるとステップS80に進む。そして、オートクルーズスイッチ7hがONからOFFに切り替えられる直前の車速がメモリ110に記憶されているか否かを判定し、記憶されていると判定した際には、オートクルーズスイッチ7hがONからOFFに切り替えられる直前の車速に変更させ(ステップS90)、その後、ステップS30の直前に戻る。
【0071】
尚、ステップS80において、オートクルーズスイッチ7hがONからOFFに切り替えられる直前の車速がメモリ110に記憶されているか否かを判定した結果、記憶されていないと判定した際には、ステップS50の直前に戻る。
【0072】
これにより、ある作業場所でオートクルーズモードで作業をして、次いで、路上走行し、次の作業場所で再びオートクルーズモードで作業をするときに、メモリ復帰スイッチをONすることにより前の作業場所と同じ車速になるので、作業者にとって便利である。
【0073】
尚、上記実施の形態では、Hi−Lo切替レバー210を上方に操作するとHiに切り替わり、下方に操作するとLoに切り替わる構成について説明したが、これに加えて例えば、Hi−Lo切替レバー210が「Hi」の場合、メータパネル(図示省略)に配置されたランプ(図示省略)を点灯させ、「Lo」の場合、メータパネルに配置されたランプを消灯させる構成であっても良い。これにより、上記効果に加えて、「Hi」でランプが点灯するので、作業者に速度注意を促すことが出来る。
【0074】
また、上記実施の形態では、Hi−Lo切替レバー210を上方に操作するとHiに切り替わり、下方に操作するとLoに切り替わる構成について説明したが、これに限らず例えば、エンジン始動後は、「Hi」となり、作業者がHi−Lo切替レバー210を操作することで「Lo」になる構成であっても良い。
【0075】
また、上記実施の形態では、Hi−Lo切替レバー210を上方に操作するとHiに切り替わり、下方に操作するとLoに切り替わる構成について説明したが、これに限らず例えば、Hi−Lo切替レバー210を上下方向どちらでも操作すると、「Hi」、「Lo」を切り替えることが出来、「Hi」に切り替えられると、メータパネル(図示省略)に配置されたランプ(図示省略)を点灯させ、「Lo」に切り替えられると、メータパネルに配置されたランプを消灯させる構成であっても良い。これにより、作業者は、「Hi」と「Lo」の区別が可能となる。
【0076】
また、上記実施の形態では、Hi−Lo切替レバー210を上方に操作するとHiに切り替わり、下方に操作するとLoに切り替わる構成について説明したが、これに限らず例えば、Hi−Lo切替レバー210を上下方向どちらでも操作すると、「Hi」、「Lo」を切り替えることが出来、「Lo」に切り替えられると、メータパネル(図示省略)に配置されたランプ(図示省略)を点灯させ、「Hi」に切り替えられると、メータパネルに配置されたランプを消灯させる構成であっても良い。これにより、作業者は、「Hi」と「Lo」の区別が可能となる。更に、この構成において、エンジン始動後は、「Hi」となり、作業者がHi−Lo切替レバー210を操作することで「Lo」になる構成であっても良い。
【0077】
また、上記実施の形態では、Hi−Lo切替レバー210を上方に操作するとHiに切り替わり、下方に操作するとLoに切り替わる構成について説明したが、これに限らず例えば、Hi−Lo切替レバー210を上下方向どちらでも操作すると、「Hi」、「Lo」を切り替えることが出来ると共に、Hi−Lo切替レバー210を一定時間以上「上げ」、「下げ」位置を保持しないと、切り替わらない構成であっても良い。
【0078】
また、上記実施の形態では、オートクルーズスイッチ7h(
図5、
図1参照)がON状態にある間は、Hi−Lo切替レバー210が、オートクルーズモードにおける車速の増減を指示する機能を兼ねている構成について説明したが、これに限らず例えば、オートクルーズモード中は、Hi−Lo切替レバー210を上下方向に操作しても、車速の「Hi」、「Lo」の切り替えが出来ない構成であっても良い。
【0079】
また、上記実施の形態では、オートクルーズスイッチ7h(
図5、
図1参照)を用いて、オートクルーズモードの「入」と「切」を行う構成について説明したが、これに限らず例えば、オートクルーズモード中は、Hi−Lo切替レバー210を一方向に長押し操作することでオートクルーズモードを解除出来、その後、Hi−Lo切替レバー210を上下方向に操作することで、車速の「Hi」、「Lo」の切り替えが可能となる構成であっても良い。
【0080】
また、本発明の作業車両の一例であるトラクタとしては、これに限らず例えば、例えば、HSTペダル踏込量とトラニオン作動量との関係を各種作業モードに応じて予め格納しておくことで各種作業モードに適した走行制御が可能となる構成や機能等を備えないトラクタであっても良い。
【0081】
また、上記実施の形態では、農業用のトラクタを例に挙げて説明したが、これに限らず例えば、建築用、又は運搬用のトラクタであっても良いし、或いは、トラクタに限らず例えば、その他の作業車両であっても良い。
【0082】
尚、上記実施の形態のHSTペダル7bは、本発明の変速指示具の一例にあたり、本実施の形態のHSTペダル踏込量検出センサ31は、本発明の変速操作量検出センサの一例にあたる。
【0083】
また、上記実施の形態では、本発明の変速指示具の一例としてHSTペダル7bを用いた構成について説明したが、これに限らず例えば、レバー式の変速指示具であっても良い。