特許第6137517号(P6137517)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6137517
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年5月31日
(54)【発明の名称】ジグヘッド
(51)【国際特許分類】
   A01K 85/00 20060101AFI20170522BHJP
【FI】
   A01K85/00 B
   A01K85/00 C
【請求項の数】12
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-1756(P2017-1756)
(22)【出願日】2017年1月10日
【審査請求日】2017年1月30日
(31)【優先権主張番号】特願2016-73778(P2016-73778)
(32)【優先日】2016年4月1日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】512057633
【氏名又は名称】株式会社コアマン
(74)【代理人】
【識別番号】100125645
【弁理士】
【氏名又は名称】是枝 洋介
(74)【代理人】
【識別番号】100166774
【弁理士】
【氏名又は名称】右田 敏之
(72)【発明者】
【氏名】泉 裕文
【審査官】 竹中 靖典
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−243983(JP,A)
【文献】 実公昭47−21431(JP,Y1)
【文献】 特開2013−208061(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0023804(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 83/00−85/18
A01K 91/00−91/16
A01K 91/00−95/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属製のヘッドと、
前記ヘッドから突設され、軟質ルアーを装着するための装着部と、
前記ヘッドに設けられた釣り針部と
を備え、
前記釣り針部は、前記ヘッドから延びる紐部と、前記紐部の先端に取り付けられた釣り針とを有し、
前記紐部の長さは、前記釣り針の針先が前記装着部の先端に届かないように設定される、
ジグヘッド。
【請求項2】
前記紐部は、前記ヘッドの前記装着部と反対側から延びている、
請求項1に記載のジグヘッド。
【請求項3】
前記ヘッドは、前記装着部側から前記反対側へと貫通する貫通孔を有し、
前記紐部は、前記貫通孔を通ってその基端が前記ヘッドの前記装着部側から延出し、前記基端が前記ヘッドの前記装着部側において係止されている、
請求項2に記載のジグヘッド。
【請求項4】
前記紐部は、前記基端が前記装着部に係止されている、
請求項3に記載のジグヘッド。
【請求項5】
前記装着部に釣り針が設けられていない、
請求項1乃至4の何れかに記載のジグヘッド。
【請求項6】
前記装着部は、前記ヘッドから直線状に延びた棒状をなしている、
請求項1乃至5の何れかに記載のジグヘッド。
【請求項7】
前記装着部は、その側面に凸部を有する、
請求項6に記載のジグヘッド。
【請求項8】
前記装着部は、その先端側に直線状の針部を有する、
請求項6又は7に記載のジグヘッド。
【請求項9】
前記装着部は、先端に向かって細くなるテーパ部を有する、
請求項6乃至8の何れかに記載のジグヘッド。
【請求項10】
前記紐部の長さは、前記釣り針の針先が前記ヘッドにおける前記装着部側の端部に届かないように設定される、
請求項1乃至9の何れかに記載のジグヘッド。
【請求項11】
前記装着部の太さは、前記ヘッドの太さの1/5以上1/2以下である、
請求項1乃至10の何れかに記載のジグヘッド。
【請求項12】
前記装着部の長さは、ヘッドの長さ以下であり、且つ、ヘッドの長さの1/3以上である、
請求項1乃至11の何れかに記載のジグヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軟質素材により構成された軟質ルアーを装着するためのジグヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のジグヘッドは、錘として機能する鉛製のヘッドに、J字状に湾曲した釣り針の軸部基端側が固着されて構成されている(例えば、特許文献1参照)。図13は、従来のジグヘッドの一例を示す側面図である。図13に示すように、このような従来のジグヘッドに軟質ルアーを装着する場合、細長い軟質ルアーの長手方向に沿って釣り針の直線状の軸部を貫通させ、湾曲した針先を軟質ルアーの側面から突出させる。かかるジグヘッドは、ヘッドにラインが結束され、ラインが引かれることでヘッド側を前、針側を後にして水中で進行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−045918号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ルアーのアクションの1つにダートがある。ダートとは、水中でルアーが左右に不規則に移動するアクションであり、ロッドを大きくあおるジャーキング、ロッドの先を小刻みに前後に動かすトゥイッチング等のロッドワークによって生じる。一定速度でリールを巻くステディーリトリーブでは、ルアーはラインが引かれる方向に直線的に移動する。この場合、魚は進行するルアーを後方から追い、後側からルアーの胴体部に食いつく。これに対して、ダートではルアーの進行方向が急激に変化するため、この変化の前後に魚が反応してルアーの頭部側から食いつくことが多い。上述したような従来のジグヘッドは、軟質ルアー、つまりルアーの胴体部に釣り針が設けられる。また、釣り針の針先は前方を向いている。このような構成は、後側からルアーの胴体部に食いついた魚を針掛けするのに適しているが、ルアーの頭部に食いついた魚を針掛けするのには適していない。このため、従来のジグヘッドでは、ダートの場合に針掛かりが十分でないことが多く、アタリはあっても魚が針に掛からない。また、魚が針に掛かったとしてもその掛かりが浅く、バラシが多発するという問題がある。
【0005】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、従来に比してダートの場合の針掛かりを向上させることができるジグヘッドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の一の態様のジグヘッドは、金属製のヘッドと、前記ヘッドから突設され、軟質ルアーを装着するための装着部と、前記ヘッドに設けられた釣り針部とを備え、前記釣り針部は、前記ヘッドから延びる紐部と、前記紐部の先端に取り付けられた釣り針とを有し、前記紐部の長さは、前記釣り針の針先が前記装着部の先端に届かないように設定される。
【0007】
この態様において、前記紐部は、前記ヘッドの前記装着部と反対側から延びていてもよい。
【0008】
上記態様において、前記ヘッドは、前記装着部側から前記反対側へと貫通する貫通孔を有し、前記紐部は、前記貫通孔を通ってその基端が前記ヘッドの前記装着部側から延出し、前記基端が前記ヘッドの前記装着部側において係止されていてもよい。
【0009】
上記態様において、前記紐部は、前記基端が前記装着部に係止されていてもよい。
【0010】
上記態様において、前記ジグヘッドは、前記装着部に釣り針が設けられていなくてもよい。
【0011】
上記態様において、前記装着部は、前記ヘッドから直線状に延びた棒状をなしていてもよい。
【0012】
上記態様において、前記装着部は、その側面に凸部を有してもよい。
【0013】
上記態様において、前記装着部は、その先端側に直線状の針部を有してもよい。
【0014】
上記態様において、前記装着部は、先端に向かって細くなるテーパ部を有してもよい。
【0015】
上記態様において、前記紐部の長さは、前記釣り針の針先が前記ヘッドにおける前記装着部側の端部に届かないように設定されてもよい。
【0016】
上記態様において、前記装着部の太さは、前記ヘッドの太さの1/5以上1/2以下であってもよい。
【0017】
上記態様において、前記装着部の長さは、ヘッドの長さ以下であり、且つ、ヘッドの長さの1/3以上であってもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係るジグヘッドによれば、従来に比してダートの場合の針掛かりを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】実施の形態1に係るジグヘッドの構成を示す斜視図。
図2】実施の形態1に係るジグヘッドの構成を示す平面図。
図3】実施の形態1に係るジグヘッドの構成を示す側面図。
図4】軟質ルアーを装着したときのジグヘッドを示す斜視図。
図5】軟質ルアーを装着したときのジグヘッドを示す平面断面図。
図6】軟質ルアーを装着したときのジグヘッドを示す側面断面図。
図7】実施の形態1に係るジグヘッドに装着された軟質ルアーの可動域を説明するための平面図。
図8】実施の形態1に係るジグヘッドにおける各部の長さを説明するための側面図。
図9】実施の形態2に係るジグヘッドの構成を示す平面図。
図10】実施の形態2に係るジグヘッドの構成を示す側面図。
図11】実施の形態2に係るジグヘッドの構成を示す側面断面図。
図12】紐部の係止構造の他の例を説明するためのジグヘッドの側面断面図。
図13】従来のジグヘッドの一例を示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
【0021】
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態に係るジグヘッドの構成を示す斜視図であり、図2は、その平面図であり、図3は、その側面図である。なお、図中において、矢印により方向を示している。軟質ルアーが装着されたジグヘッドの水中での進行方向を「前方」、進行方向とは逆方向を「後方」とする。また、ジグヘッドの頭頂側(ルアーの背側)を「上側」、ジグヘッドのあご側(ルアーの腹側)を「下側」とする。また、ジグヘッドの進行方向に向かって右側を「右側」、左側を「左側」とする。
【0022】
図1乃至3に示すように、ジグヘッド1は、ヘッド2と、装着部3と、釣り針部4とを備える。
【0023】
ヘッド2は、鉛、タングステン、錫等の金属によって構成されており、錘として機能する。かかるヘッド2は、前側が尖った概略円錐型又は砲弾型をなしている。このように先端が尖ったヘッド2の形状は、ジャーキング又はトウィッチングのロッドワークに応じてジグヘッドの進行方向を変化させやすい。このため、上記形状により容易にダートアクションを生じさせることができる。
【0024】
また、ヘッド2の上側の左右は窪んでおり、両方の窪みの間は、前後方向に長く上方に立ち上がる板状部21となっている。この板状部21が設けられていることで、ジグヘッド1の水中における直進性が向上する。
【0025】
なお、ヘッド2の形状は上記のようなものに限られない。例えば、ヘッド2の上側左右の窪みが設けられていなくてもよい。また、角錐型、球形、魚の頭部を模した形状等であってもよい。
【0026】
また、板状部21の上端には、上方に突出するようにラインアイ22が設けられている。ラインアイ22は、ラインを連結するための金属製のリング状部材である。
【0027】
次に、装着部3について説明する。ヘッド2の後端は鉛直面である装着面23となっており、この装着面23の中央部から後方へ装着部3が延設されている。装着部3は、前後方向に直線状に延びる断面円形の棒状をなしており、前後方向の複数箇所にはリング状の凸部31が設けられている。また、装着部3の先端側には、後方に向かうにしたがって細くなるように形成されたテーパ部32が設けられている。さらに、このテーパ部32の先端からは、直線状の針部33が後方に延びている。針部33は、ステンレス鋼等の硬度の高い材料によって構成される。装着部3のその他の部分は、ヘッド2と同一の材料によって構成され、鋳造によりヘッド2と一体成形されている。
【0028】
図4は、軟質ルアーを装着したときのジグヘッド1を示す斜視図であり、図5は、その平面断面図であり、図6は、その側面断面図である。図4乃至図6に示すように、ユーザは、前後方向に長い軟質ルアー5の前端に装着部3を挿入することで、ジグヘッド1に軟質ルアー5を装着する。軟質ルアー5の前端面が装着面23と密着して又は若干の空間を隔てて対向するように、軟質ルアー5がジグヘッド1に装着される。なお、軟質ルアーは、軟質合成樹脂、天然ゴム等の軟質素材を、魚、環形動物(ミミズ、ゴカイ等)等の胴体を模した細長い形状に形成したものを用いる。ザリガニ、エビ、カエル等の細長くない動物を模した軟質ルアーを用いることもできるが、細長い形状の方がダートのアクションを出しやすい。
【0029】
軟質ルアー5をジグヘッド1に装着するとき、ユーザは軟質ルアー5の前端面から装着部3を挿入する。このとき、細い針部33が装着部3の先端に設けられているため、軟質ルアー5に針部33を突き刺すことで、軟質ルアー5の前端面に小孔(裂け目)を形成できる。軟質ルアー5に装着部3をさらに深く挿入すると、テーパ部32がこの小孔を押し広げる。テーパ部32は先端が細いため、小孔に無理なく挿入できる。装着部3の概ね全体が軟質ルアー5に挿入されることで、軟質ルアー5の装着が完了する。
【0030】
上記のように、装着部3が直線状に延びた棒状であるため、ユーザは軟質ルアー5に対して装着部3を真っ直ぐに挿入するだけで、容易に軟質ルアー5をジグヘッド1に装着できる。また、装着部3の側面には凸部31が設けられているので、この凸部31に軟質ルアー5が係止され、装着部3から軟質ルアー5が脱落することを防止できる。
【0031】
また、装着部3が細すぎると、軟質ルアー5を係止する力が弱く、軟質ルアー5が脱落しやすくなる。このため、装着部3はある程度の太さを有することが好ましい。装着部3が十分な太さを有していると、装着された軟質ルアー5がその弾性によって装着部3を締め付けるように保持し、十分な力によって係止される。その一方で、装着部3が太すぎると、軟質ルアー5の装着が容易ではなくなってしまう。よって、装着部3の太さは、軟質ルアー5を係止する力および軟質ルアー5の装着性を考慮して決定する。かかる観点により、装着部3の太さ(最も太い部分の高さ)は、ヘッド2の太さ(最も太い部分の高さ)の1/5以上1/2以下とすることが好ましく、1/4以上1/2以下とすることがより好ましい。
【0032】
図7は、本実施の形態に係るジグヘッド1に装着された軟質ルアー5の可動域を説明するための平面図である。軟質ルアー5の前側の装着部3が挿入された範囲は変形しない。つまり、図7に示すように、軟質ルアー5において、装着部3よりも後側の部分が可動域となる。このように、装着部3の長さに応じて軟質ルアー5の可動域が決まる。
【0033】
軟質ルアー5は、可動域が大きいほど魚等に似た自然なアクションが可能となる。このため、装着部3の長さは短いことが好ましい。その一方で、装着部3の長さが短すぎると、軟質ルアー5を十分な力で係止できず、軟質ルアー5が脱落しやすくなってしまう。よって、装着部3の長さは、軟質ルアー5の可動域および軟質ルアー5を係止する力を考慮して決定する。かかる観点により、装着部3の長さは、ヘッド2の長さ以下であり、且つ、ヘッド2の長さの1/3以上とすることが好ましい。
【0034】
再び図1乃至図3を参照し、釣り針部4について説明する。釣り針部4は、紐部41と、釣り針42とを含む。紐部41は、アラミド繊維等からなる編み込み糸であり、ヘッド2の前端から延びている。つまり、釣り針部4は、ヘッド2の装着部3と反対側に設けられている。さらに具体的に説明すると、紐部41はその基端側の部分がヘッド2の内部に埋め込まれることでヘッド2に固着されている。これは、ヘッド2を鋳造する際に、紐部41の基端側の一部(以下、「埋め込み部」という)を鋳型の内部に入れた状態で溶湯を当該鋳型に流し込み、これを冷却して固化させることで実現される。埋め込み部には、結び目が設けられ、又は小さな金属片がカシメによって取り付けられる。このようにして埋め込み部に紐の太さよりも大きい部分を設け、かかる埋め込み部をヘッド2と一体に鋳込むことで、ヘッド2からの紐部41の抜けを防止できる。
【0035】
また、釣り針42は、一本の金属製の線状部材がJ字状に湾曲されて形成されたシングルフックである。釣り針42の軸部には紐部41の先端が結束されており、これにより釣り針42がヘッド2に接続されている。紐部41が柔軟であるため、釣り針42は紐部41の長さで規定される範囲内で、ヘッド2に対して自由に移動可能である。
【0036】
ここで、紐部41の長さは、釣り針42の針先が装着部3の先端(後端)に届かないように設定されることが好ましい。図8は、本実施形態に係るジグヘッドにおける各部の長さを説明するための側面図である。本実施形態では、紐部41の基端(ヘッド2の先端)と釣り針42の針先との間の距離L1を、紐部41の基端と装着部3の先端との間の距離L2よりも短くすると、釣り針42の針先が装着部3の先端に届かない。なお、ここでいう距離L1は、紐部41が弛み無く伸びた状態で、紐部41の基端と釣り針部42の針先とが前後方向に延びる直線上に位置したときの距離のことである。
【0037】
上述したように、ジグヘッド1に装着された軟質ルアー5は、装着部3の後側部分において変形可能である。このため、釣り針42の針先が装着部3よりも後方まで移動可能であると、軟質ルアー5の可動域に突き刺さり、軟質ルアー5の動作を阻害することがある。上記のように距離L1を設定することで、釣り針42の針先が装着部3よりも後方に移動することが無く、軟質ルアー5の動作を阻害しない。
【0038】
また、釣り針42の針先が軟質ルアー5に届くと、釣り針42が軟質ルアー5に突き刺さることがある。軟質ルアー5に釣り針42が突き刺さった状態では、魚が食いついたとしても釣り針42を魚に掛けることができない。このため、紐部41の長さを、釣り針42の針先がヘッド2の後端に届かないように設定することがさらに好ましい。このようにすることで、釣り針42の針先が軟質ルアー5に届くことがなくなる。本実施形態では、距離L1を、ヘッド2の前後方向の長さ(紐部41の基端と装着部3の基端との間の距離)L3よりも短くすれば、釣り針42の針先がヘッド2の後端よりも後方まで移動できず、軟質ルアー5に届かない。
【0039】
かかるジグヘッド1を使用する場合、ユーザはジグヘッド1に装着した軟質ルアー5を水中にキャストし、ダートアクションを起こすようにロッドを操作する。ダートが発生すると、ルアーの進行方向の変化の前後において、この動きに魚が刺激されてルアーの頭部側(ジグヘッド1)に食いつく。ジグヘッド1にはヘッド2の前端に釣り針部4が設けられているので、ルアーの頭部に食いついた魚が釣り針42を飲み込みやすい。また、釣り針部4には紐部41が設けられており、釣り針42が紐部41の長さによって規定される範囲を移動できるので、魚が前側からルアーに食いついた場合だけでなく、上、下、又は横方向からルアーの頭部に食いついた場合でも、魚が釣り針42を飲み込みやすい。このため、針掛かりが向上する。
【0040】
(実施の形態2)
図9は、本実施の形態2に係るジグヘッドの構成を示す平面図であり、図10は、その側面図であり、図11は、その側面断面図である。本実施の形態に係るジグヘッド201のヘッド220には、前側から後側へと貫通する直線状の貫通孔221が設けられている。この貫通孔221は、紐部241が通る程度の太さを有している。かかる貫通孔221の後側の開口は、装着面23において装着部3の下側に設けられている。
【0041】
紐部241は、アラミド繊維からなる編み込み糸、つまりマルチフィラメントの糸である。なお、紐部41は、ポリエチレン繊維等のアラミド繊維以外の繊維を編み込んだマルチフィラメントの糸であってもよいし、ナイロン、フロロカーボン、ポリエステル等によって構成されたモノフィラメントの糸であってもよい。かかる紐部241は、一本の紐の両端が釣り針42に結着され、環状に構成されている。この紐部241は、貫通孔221に通され、その基端(釣り針42の反対側の端)242がヘッド220の装着面23から延出される。環状の紐部241が装着部3に掛けられるようにして、紐部241の基端242が装着部3に係止されている。これにより、紐部241が前方に抜けることが防止される。また、ヘッド220を鋳造する際に紐部241を埋め込む必要がないため、製造上の作業が軽減され、紐部241が熱によって損傷したり焼け切れたりすることがない。このため、紐部241に、ナイロン等の耐熱性の低い素材の糸を使用できる。製造されたヘッド220の貫通孔221に紐部241を通し、紐部241の基端242を装着部3に掛けるだけで、釣り針部240をヘッド220に容易に装着できる。
【0042】
本実施の形態に係るジグヘッド201のその他の構成については、実施の形態1に係るジグヘッド1の構成と同様であるので、同一構成要素については同一符号を付し、その説明を省略する。
【0043】
(その他の実施の形態)
上記の実施の形態1及び2においては、釣り針42をシングルフックとしたが、これに限定されるものではない。J字状に湾曲した2つの釣り針の軸部が繋がったダブルフック、3つの釣り針の軸部が接合されたトレブルフックなど、2以上の釣り針の軸部が接続された構成の釣り針としてもよい。
【0044】
また、上記の実施の形態1及び2においては、直線状に延びた装着部3をヘッド2,220の後側に設ける構成について述べたが、これに限定されるものではない。ヘッド2,220の後部に、J字状に湾曲した釣り針を設け、これを装着部とすることもできる。
【0045】
また、上記の実施の形態1及び2においては、装着部3の断面形状を円形とする構成について述べたが、これに限定されるものではない。装着部3の断面形状を三角形、四角形等の多角形とすることもできる。
【0046】
また、上記の実施の形態2においては、環状の紐部241を装着部3に掛けることで、紐部241の基端242をヘッド220の後側において係止する構成について述べたが、これに限定されるものではない。図12は、紐部の係止構造の他の例を説明するためのジグヘッドの側面断面図である。紐部の基端を、貫通孔の太さよりも大きくすることにより、紐部の基端をヘッドの後側において係止する構成とすることもできる。図12に示す例では、紐部341の基端に、係止片343を固着している。この係止片343の大きさは、貫通孔221の太さよりも大きく、係止片343が貫通孔221を通ることはない。また、係止片343に代えて、紐部341の基端に結び目を設けることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明のジグヘッドは、軟質素材により構成された軟質ルアーを装着するためのジグヘッドとして有用である。
【符号の説明】
【0048】
1 ジグヘッド
2 ヘッド
21 板状部
22 ラインアイ
23 装着面
3 装着部
31 凸部
32 テーパ部
33 針部
4 釣り針部
41 紐部
42 釣り針
5 軟質ルアー
【要約】      (修正有)
【課題】従来に比してダートの場合の針掛かりを向上させることができるジグヘッドを提供する。
【解決手段】ジグヘッド1は、ヘッド2と、装着部3と、釣り針部4とを有する。ヘッド2は、鉛、タングステン、錫等の金属製である。装着部3は、ヘッド2から後方に突設され、軟質ルアーを装着するために用いられる。釣り針部4は、ヘッド2の前端、つまり装着部3と反対側に設けられる。また、釣り針部4は、ヘッド2の前端から延びる紐部41と、紐部41の先端に取り付けられた釣り針42とを有する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13