(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ピニオン軸に噛み合うラック軸を挿通させるハウジングに形成された収容部内に、ラック軸側に向かって進退可能に収容され、且つラック軸を当該ラック軸の軸方向に摺動可能に支持するラックガイドと、
前記収容部においてラック軸側とは反対側に設けられた外部開口端に固定された封止部材と、
前記封止部材と前記ラックガイドとの間に介在し前記ラックガイドをラック軸側へ付勢する少なくとも1枚の皿ばねと、
前記皿ばねを保持し前記封止部材に直接または間接的に摩擦係合されて保持された保持部材と、を備えるラックガイド装置。
請求項2又は3において、前記保持部材は、前記皿ばねの径方向端部を案内する案内筒と、前記案内筒の軸方向の一端から径方向に延びて前記皿ばねの荷重を受ける環状の座板と、を含むラックガイド装置。
請求項1から6の何れか一項において、前記封止部材と前記ラックガイドとの間に介在し前記ラックガイドを前記ラック軸側に付勢する圧縮コイルばねを備えるラックガイド装置。
請求項8において、前記ラックガイドの進退方向に関して、前記封止部材と前記保持部材との間の最大隙間量を規制するように、前記保持部材を前記封止部材に連結する連結部材を備えるラックガイド装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の
図4では、プラグに設けられた筒状部内に、皿ばねと、圧縮コイルばねと皿ばねとの間に介在する介在部材(特許文献1では、第2ラックサポートと称されている)とを収容し、保持している。具体的には、皿ばねの外径を案内する筒状部の内周と、介在部材の外周とのそれぞれの周溝に係合させた止め輪を用いて、介在部材を保持し、その介在部材と筒状部の底との間に皿ばねを保持している。
【0006】
特許文献1では、プラグに、皿ばねおよび介在部材を保持するにあたって、止め輪をプラグおよび介在部材の双方の周溝に嵌め入れる煩雑な作業が必要である。このため、プラグを含むユニットをサブ組立する作業を含めた全体の組立工数が増えて、組立性が悪いという問題がある。
本発明の目的は、全体としての組立性の良いラックガイド装置およびこれを含むステアリング装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため、請求項1の発明は、ピニオン軸(7)に噛み合うラック軸(8)を挿通させるハウジング(17)に形成された収容部(16)内に、ラック軸側に向かって進退可能に収容され、且つラック軸を当該ラック軸の軸方向(Z1)に摺動可能に支持するラックガイド(18)と、前記収容部においてラック軸側とは反対側に設けられた外部開口端(19)に固定された封止部材(20;20A;20B;20C;20D)と、前記封止部材と前記ラックガイドとの間に介在し前記ラックガイドをラック軸側へ付勢する少なくとも1枚の皿ばね(22)と、前記皿ばねを保持し前記封止部材に直接または間接的に摩擦係合されて保持された保持部材(24;24A;24B;24C;24D;24F;24G;24H;24J;24K)と、を備えるラックガイド装置(15;15A;15B;15C;15D;15F;15G)を提供する。
【0008】
また、請求項2のように、前記封止部材および前記保持部材の少なくとも一方に保持されて他方に摩擦係合する摩擦係合部材(23;23A;23B;41;41E;41F;23H)と、を備えていてもよい。
また、請求項3のように、前記摩擦係合部材は、弾性部材(23;23A;23B;41E;41F;23H)を含んでいてもよい。
【0009】
また、請求項4のように、前記保持部材は、前記皿ばねの径方向端部を案内する案内筒(37;37A;37B;37C;37D;37F;37G;37H)と、前記案内筒の軸方向の一端から径方向に延びて前記皿ばねの荷重を受ける環状の座板(38)と、を含んでいてもよい。
また、請求項5のように、前記封止部材は、前記案内筒の周面(373;373A;374B;374C;373D;374F;373H)に対向する対向部(364;364A;401;401C;374D)を含み、前記摩擦係合部材は、前記案内筒の周面と前記封止部材の対向部との間に介在していてもよい。
【0010】
また、請求項6のように、前記摩擦係合部材は、前記案内筒の周面に保持されて、前記保持部材と前記摩擦係合部材と前記皿ばねとを含むサブア
センンブリ(SA1;SA1E;SA1H)が構成され、前記摩擦係合部材および前記皿ばねは、前記案内筒の径方向(Y1)の同側に配置され、前記皿ばねは、前記案内筒の軸方向(X1)に関して、前記摩擦係合部材と前記座板との間に配置され、前記サブアセンブリの状態で、前記案内筒の軸方向から見て、前記摩擦係合部材の一部が前記皿ばねの一部と重なっていてもよい。
【0011】
また、請求項7のように、前記封止部材と前記ラックガイドとの間に介在し前記ラックガイドを前記ラック軸側に付勢する圧縮コイルばね(21;21B;21G)を備えていてもよい。
また、請求項8のように、前記圧縮コイルばねは、前記皿ばねと直列に配置され、前記圧縮コイルばねのセット荷重は、前記皿ばねのセット荷重よりも低くされていてもよい。
【0012】
また、請求項9のように、前記ラックガイドの進退方向に関して、前記封止部材と前記保持部材との間の最大隙間量(Smax)を規制するように、前記保持部材を前記封止部材に連結する連結部材(42)を備えていてもよい。
また、請求項10の発明は、前記ラックガイド装置を含むステアリング装置(1)を提供する。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明によれば、皿ばねを保持する保持部材が摩擦係合により封止部材に一体に保持される。摩擦係合させる簡単な作業で、皿ばね、保持部材および封止部材を容易に一体化させて、サブアセンブリを構成することができるので、全体としての組立性を向上することができる。
また、請求項2の発明によれば、皿ばねを保持する保持部材を、摩擦係合部材を介して封止部材に保持することができる。
【0014】
また、請求項3の発明によれば、摩擦係合部材としての弾性部材によって、保持部材と封止部材の寸法精度の誤差を吸収することができるので、保持部材を封止部材に確実に保持することができる。
また、請求項4の発明によれば、保持部材が、皿ばねの径方向端部(例えば内径)を案内する案内筒の一端に設けられた座板によって、皿ばねの荷重を受けるので、皿ばねによるラックガイドの摩耗等の発生を抑制することができる。
【0015】
また、請求項5の発明によれば、案内筒と封止部材の対向部を軸方向に重ねて配置することができるので、軸方向の小型化を図ることができる。
また、請求項6の発明によれば、皿ばねを含むユニットをサブアセンブリとして構成することで、組立性をより向上することができる。
また、請求項7の発明によれば、封止部材とラックガイドとの間に介在してラックガイドをラック軸側に付勢する圧縮コイルばねを皿ばねと併用するので、荷重設定の自由度を向上することができる。
【0016】
また、請求項8の発明によれば、皿ばねに直列に配置される圧縮コイルばねのセット荷重を、皿ばねのセット荷重よりも低くしているので、圧縮コイルばねが撓んで後、皿ばねを働かせるようにして二段荷重特性を得る等、荷重設定の自由度を向上することができる。
また、請求項9の発明によれば、連結部材によって、ラックガイドの進退方向に関する封止部材と記保持部材との間の最大隙間量を規制することにより、皿ばねのセット荷重を所望に設定することができるので、所望の二段荷重特性を得ることができる。
【0017】
また、請求項10の発明によれば、組立性に優れたステアリング装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
図1を参照して、ステアリング装置1は、ステアリングホイール等の操舵部材2に連結しているステアリングシャフト3と、ステアリングシャフト3に自在継手4を介して連結された中間軸5と、中間軸5に自在継手6を介して連結されたピニオン軸7と、ピニオン軸7の端部近傍に設けられたピニオン7aに噛み合うラック8aを有して自動車の左右方向に延びる転舵軸としてのラック軸8とを有している。ピニオン軸7およびラック軸8により舵取り機構としてのラックアンドピニオン機構Aが構成されている。
【0020】
ラック軸8は、車体に固定されるラックハウジング9内に、図示しない複数の軸受を介して、軸方向Z1に沿って直線往復動可能に支持されている。ラック軸8の両端部はラックハウジング9の両側へ突出し、各端部にはそれぞれタイロッド10が結合されている。各タイロッド10は対応するナックルアーム(図示せず)を介して対応する転舵輪11に連結されている。
【0021】
操舵部材2が操作されてステアリングシャフト3が回転されると、この回転がピニオン7aおよびラック8aによって、ラック軸8の軸方向Z1の直線運動に変換される。これにより、転舵輪11の転舵が達成される。
ステアリング装置1の要部の断面図である
図2を参照して、ピニオン軸7は、例えば玉軸受からなる第1軸受12と、例えば円筒ころ軸受からなる第2軸受13とによって、ピニオンハウジング14内に回転可能に支持されている。ピニオン軸7のピニオン7aとラック軸8のラック8aとは、ピニオンハウジング14内で相互に噛み合わされている。
【0022】
ステアリング装置1には、ラックガイド装置15が装備されている。ラックガイド装置15は、円孔からなる収容部16を形成しラック軸8が挿通するハウジング17と、収容部16内にラック軸8側に向かって進退可能に収容され且つラック軸8のラック8aの背面8bを摺動可能に支持するラックガイド18とを備えている。また、ラックガイド装置15は、収容部16においてラック軸8側とは反対側に設けられた外部開口端19に固定されたプラグ(栓)からなる封止部材20と、ラックガイド18と封止部材20との間に介在する圧縮コイルばね21および1ないし複数(本実施形態では複数の場合に則して説明する。)の皿ばね22とを備えている。また、ラックガイド装置15は、皿ばね22を保持し、摩擦係合部材としての環状の弾性部材23を介して封止部材20に摩擦係合されて保持された保持部材24を備えている。
【0023】
ラックガイド装置15のハウジング17は、ピニオンハウジング14と単一の材料で一体に形成され、ラック軸8を隔ててピニオン軸7とは反対側に配置されている。ピニオンハウジング14およびハウジング17は例えばダイキャストにより製作される。
ラックガイド18は、ラック軸8に対向する第1面181と、第1面181の反対側に設けられた第2面182と、円筒面からなる外周183とを有している。ラックガイド18の第1面181には、ラック軸8の背面8bの形状に概ね一致する形状の凹面25が形成されている。凹面25に沿うように湾曲状の摺接板26が取り付けられており、摺接板26が、ラック軸8の背面8bに摺接する。摺接板26としては、低摩擦係数を有する板を用いることが好ましく、例えば金属板や、フッ素樹脂を被覆した金属板を用いることができる。
【0024】
ラックガイド18の外周183に設けられた複数の環状の収容溝27のそれぞれに、例えばOリング等の環状の弾性部材28が収容され、保持されている。ラックガイドの18の外径は、収容部16の内径よりも僅かに小さくされており、弾性部材28が収容部16の内周16aを摺動することで、ラックガイド18が収容部16内をラック軸8に対して進退する方向に移動するようになっている。弾性部材28は、収容部16内でのラックガイド18の倒れを抑制する機能を果たす。
【0025】
図2の一部を拡大した
図3を参照して、ラックガイド18の第2面182には、圧縮コイルばね21の一部を収容する例えば円孔からなる収容凹部29が設けられている。圧縮コイルばね21の第1端部211は、収容凹部29の底291によって受けられている。収容凹部29の内周292は、圧縮コイルばね21の外径部を案内する機能を果たしている。
【0026】
図2および
図3を参照して、封止部材20は、ラックガイド18(の第2面182)と対向する第1面201と、第1面201の反対側の第2面202とを有するプラグからなる。すなわち、封止部材20の外周203には、雄ねじ30が形成されている。一方、収容部16の外部開口端19から所定長の範囲に、雌ねじ31が形成され、この雌ねじ31に、封止部材20の雄ねじ30がねじ込まれて、封止部材20がハウジング17に固定されている。
【0027】
封止部材20の第2面202には、封止部材20をねじ込む工具が係合する多角形断面の工具係合孔32が設けられている。また、封止部材20の外周203(後述する筒状部36の外周363に相当)に設けられた1ないし複数の環状の収容溝33に、例えばOリング等の環状の弾性部材からなるシール部材34が収容され、保持されている。シール部材34は、封止部材20の外周203と収容部16の内周16aとの間を封止する機能を果たす。
【0028】
封止部材20の第1面201には、第2
面202側に向けて窪み、圧縮コイルばね21の一部および保持部材24の一部を収容する収容凹部35が設けられている。これにより、封止部材20は、収容凹部35の周囲を取り囲む有底の筒状部36を設けている。圧縮コイルばね21の第2端部212は、筒状部36の底361(収容凹部35の底に相当)によって受けられている。すなわち、圧縮コイルばね21は、封止部材20の筒状部36の底361と、ラックガイド18の収容凹部29の底291との間に圧縮された状態で介在し、ラックガイド18をラック軸8側へ弾性的に付勢している。
【0029】
封止部材20の筒状部36の端面362(封止部材20の第1面201に相当)は、収容凹部35の周囲を取り囲む環状をなして、皿ばね22を受ける座部として機能する。保持部材24は、皿ばね22の径方向端部としての内径部22aを案内する案内筒37と、案内筒37の軸方向X1の第1端部371(ラックガイド18側の端部に相当)から径方向Y1の外方に延びて皿ばね22を受ける座板38とを備えている。
【0030】
封止部材20の筒状部36の端面362(座部)とラックガイド18の第2面182との間に、皿ばね22と座板38とが介在している。座板38は、ラックガイド18の第2面182に沿った状態で、皿ばね22とラックガイド18の第2面182との間に介在している。すなわち、座板38は、ラックガイド18の第2面182に沿う第1面381と、皿ばね22の荷重を受ける座面である第2面382とを備えている。筒状部36の端面362(座部)と座板38の第2面382との間隔は、複数の皿ばね22の密着長よりも大きくされている。
【0031】
座板38は、例えばラックガイド18がアルミニウム製である場合に、ラックガイド18の第2面182と皿ばね22との接触を回避することで、ラックガイド18の第2面182に摩耗が発生することを抑制する機能を果たす。そのため、座板38を含む保持部材24は、例えば鋼製や樹脂製である。
案内筒37の大部分は、封止部材20の収容凹部35内に挿入され収容されている。圧縮コイルばね21は、案内筒37内を挿通している。案内筒37の内周374と圧縮コイルばね21の外径との間には、所定量の隙間が設けられている。
【0032】
案内筒37は、座板38が延設されている第1端部371とは反対側の端部である第2端部372を有している。ラックガイド18の進退方向(収容部16としての円孔の深さ方向に相当)に関する、案内筒37の第2端部372と筒状部36の底361との間には、例えばラックガイド18の進退量と同等または同等以上の隙間が設けられている。
封止部材20の筒状部36の内周364は、案内筒37の外周373と所定の隙間を設けて対向する対向部として機能する。摩擦係合部材としての弾性部材23は、案内筒37の外周373に設けられた収容溝39によって保持されて、筒状部36の内周364(対向部)に摩擦係合している。弾性部材23は、例えばOリングからなる。弾性部材23は、筒状部36の内周364と案内筒37の外周373との間で、弾性圧縮されていてもよいし、されていなくてもよい。
【0033】
図4に示すように、皿ばね22と弾性部材23(摩擦係合部材)と保持部材24とは、一体のユニットとして取り扱うことのできる第1サブア
センブリSA1を構成している。具体的には、皿ばね22と弾性部材23とが、案内筒37の径方向Y1の同側(本実施形態では、径方向の外方)に配置されている。また、案内筒37の軸方向X1に関して、皿ばね22が、弾性部材23と座板38との間に配置されている。
【0034】
また、サブアセンブリSA1の状態で、案内筒37の軸方向から見て、弾性部材23(摩擦係合部材)の一部が皿ばね22の一部と重なっている。すなわち、保持部材24の案内筒37の外周373の収容溝39に保持された環状の弾性部材23の外径D1が、皿ばね22の内径D2よりも大きくされている(D1>D2)。これにより、弾性部材23によって、案内筒37からの皿ばね22の抜脱が抑制されている。
【0035】
図5に示すように、保持部材24(の案内筒37の収容溝39)に保持された弾性部材23(摩擦係合部材)が封止部材20(の筒状部36の内周364)に摩擦係合することにより、皿ばね22と弾性部材23と保持部材24と封止部材20とシール部材34とが、一体のユニットとして取り扱うことのきる第2サブア
センブリSA2を構成している。第2サブアセンブリSA2は、第1サブアセンブリSA1よりも大きい単位のサブアセンブリである。組立時には、まず、第1サブアセンブリSA1を組み立てた後、第1サブアセンブリSA1を、封止部材20と組み合わせて、第2サブアセンブリSA2を組み立てることになる。
【0036】
本実施形態によれば、皿ばね22を保持する保持部材24が摩擦係合により封止部材20に一体に保持される。摩擦係合させる簡単な作業で、皿ばね22、保持部材24および封止部材20等を容易に一体化させて、サブアセンブリ(第2サブアセンブリSA2に相当)を構成することができるので、全体としての組立性を向上することができる。ひいてはステアリング装置1において、組立性を向上することができる。
【0037】
また、皿ばね22が複数である場合に、ばらけ易い複数の皿ばね22を一括して保持するので、作動時においても複数の皿ばね22が芯ずれを起こすことを抑制することができて、好ましい。
また、ラック軸8側からのラックガイド18に荷重が入力されて、ラックガイド18とともに保持部材24が変位するときに、摩擦係合部材としての弾性部材23が封止部材20(の筒状部36の内周364)に対して摩擦摺動して摩擦抵抗荷重を発生する。また、皿ばね22が複数である場合には、弾性部材23による摩擦抵抗荷重の発生に加えて、複数の皿ばね22間の接触面どうしが、皿ばね22の圧縮変位に伴って摩擦摺動して摩擦抵抗荷重を発生する。弾性部材23(摩擦係合部材)および皿ばね22による摩擦抵抗荷重が、ラック軸8側からの荷重入力に抗する対抗荷重として寄与するので、圧縮コイルばね21および皿ばね22による対抗荷重と摩擦抵抗荷重による対抗荷重を含めて、全体としての対抗荷重を増大させることができる。
【0038】
また、ラック軸8側からラックガイド
18に大荷重が入力されたときに、ラックガイド18が保持部材24とともに封止部材20側へ移動する。このとき、圧縮された皿ばね22が発生する荷重に、封止部材20に対する弾性部材23の摩擦係合の摩擦荷重を付加することができる。したがって、大荷重に対向する対抗荷重を増加できる。しかも、ラックガイド18がラック軸8側へ戻るときは、スムーズに戻れる。
【0039】
また、皿ばね22を保持する保持部材24を、摩擦係合部材(弾性部材23)を介して封止部材20に保持することができる。
また、摩擦係合部材としての弾性部材23を用いるので、保持部材24(具体的には保持部材24の案内筒37の外周373)と封止部材20(具体的には封止部材20の筒状部36の内周364)との寸法精度の誤差を吸収することができるので、保持部材24を封止部材20に確実に保持することができる。
【0040】
また、保持部材24が、皿ばね22の内径部22a(径方向端部)を案内する案内筒37と、案内筒37の軸方向X1の一端から径方向に延びて皿ばね22の荷重を受ける座板38とを備える。座板38が、皿ばね22によるラックガイド18(具体的にはラックガイド18の第2面182)の摩耗等の発生を防止する。
また、封止部材20は、案内筒37の外周373に対向する対向部(筒状部36の内周364)を含み、弾性部材23(摩擦係合部材)が、案内筒37の外周373と封止部材20の対向部(筒状部36の内周364)との間に介在している。したがって、案内筒37と封止部材2
0の対向部(筒状部36の内周364)とを軸方向X1に重ねて配置することができるので、軸方向X1(収容部16としての円孔の深さ方向に相当)の小型化を図ることができる。
【0041】
また、皿ばね22と弾性部材23とが、案内筒37の径方向Y1の同側(本実施形態では、径方向の外方)に配置されている。案内筒37の軸方向X1に関して、皿ばね22が、弾性部材23と座板38との間に配置された状態で、案内筒37の軸方向X1から見て、弾性部材23(摩擦係合部材)の一部が皿ばね22の一部と重なっている。すなわち、保持部材24の案内筒37の外周373の収容溝39に保持された環状の弾性部材23の外径D1が、皿ばね22の内径D2よりも大きくされている(D1>D2)。これにより、案内筒37からの皿ばね22の抜脱を抑制することができるので、皿ばね22と弾性部材23(摩擦係合部材)と保持部材24とを含むユニットを、一体に取り扱うことのできるサブアセンブリ(第1サブアセンブリSA1に相当)として構成することができる。したがって、組立性をより向上することができる。
【0042】
また、封止部材2
0とラックガイド18との間に介在してラックガイド18をラック軸8側に付勢する圧縮コイルばね21を皿ばね22と併用するので、荷重設定の自由度を向上することができる。
<第2実施形態>
次いで、
図6は、本発明の第2実施形態のラックガイド装置15Aの要部の断面図である。
図6の第2実施形態が、
図3の第1実施形態と主に異なるのは、下記である。
【0043】
すなわち、
図3の第1実施形態では、摩擦係合部材としての弾性部材23が、保持部材24の案内筒37の外周373に設けられた収容溝39に保持されて封止部材20の筒状部36の内周364に摩擦係合している。
これに対して、
図6の第2実施形態では、摩擦係合部材としての弾性部材23Aが、封止部材20Aの筒状部36Aの内周364Aに設けられた収容溝39Aに保持されて、保持部材24Aの案内筒37Aの外周373Aに摩擦係合してもよい。
図6の第2実施形態の構成要素において、第1実施形態と同じ構成要素には、第1実施形態の構成要素の参照符号と同じ参照符号を付してある。
【0044】
本第2実施形態においては、弾性部材23Aが封止部材20Aに保持されているので、第1実施形態の
図4のような第1サブアセンブリSA1を構成することができない。この点を除いて、本第2実施形態においても第1実施形態と同じ作用効果を奏することができる。
<第3実施形態>
次いで、
図7は本発明の第3実施形態のラックガイド装置の要部の断面図である。
図7を参照して、本第3実施形態が
図3の第1実施形態と主に異なるのは、封止部材20Bが、筒状部36内に突出する凸部40を設けることで、凸部40と筒状部36との間に、環状の収容凹部35Bが形成されている点にある。凸部40の外周401に形成された収容溝39Bに摩擦係合部材としての弾性部材23B(例えばOリング)が収容され保持されている。弾性部材23Bは、保持部材24Bの案内筒37Bの内周374Bに摩擦係合している。
【0045】
保持部材24Bの案内筒37Bの外周373Bは、軸方向に移動可能に筒状部36の内周364に嵌合している。凸部40は、ラックガイド18の収容凹部29の底291と対向する端面402を有している。凸部40の端面402と収容凹部29の底291との間に、ラックガイド18をラック軸8側へ付勢する圧縮コイルばね21Bが圧縮された状態で介在している。
【0046】
図7の第3実施形態の構成要素のうち、
図3の第2実施形態の構成要素と同じ構成要素には、
図3の第2実施形態の構成要素の参照符号と同じ参照符号を付してある。
本第3実施形態においては、弾性部材23Bが封止部材20Bに保持されているので、第1実施形態の
図4のような第1サブアセンブリSA1を構成することができない。この点を除いて、本第2実施形態においても第1実施形態と同じ作用効果を奏することができる。
【0047】
例えば、本実施形態においても、
図8に示すように、封止部材20Bに保持された弾性部材23B(摩擦係合部材)が保持部材24Bに摩擦係合することにより、皿ばね22と弾性部材23Bと保持部材24Bと封止部材20Bとシール部材34とが、一体のユニットとして取り扱うことのできる第2サブア
センブリSA2Bを構成する。
すなわち、本実施形態によれば、皿ばね22を保持する保持部材24Bを摩擦係合により封止部材20Bに一体に保持させる簡単な作業で、皿ばね22、保持部材24Bおよび封止部材20Bを容易に一体化させて、サブアセンブリ(第2サブアセンブリSA2Bに相当)を構成することができるので、全体としての組立性を向上することができる。
【0048】
また、保持部材24Bの案内筒37Bが、環状の収容凹部35B内に挿入されているので、案内筒37Bの倒れを抑制して、保持部材24Bをスムーズに軸方向X1に変位させることができる。
<第4実施形態>
図9は、本発明の第4実施形態のラックガイド装置の要部の断面図である。
図9の第4実施形態が、
図7の第3実施形態と主に異なるのは、下記である。
【0049】
すなわち、
図7の第3実施形態では、摩擦係合部材としての弾性部材23Bが、封止部材20Bの凸部40の外周401に設けられた収容溝39Bに保持されて保持部材24Bの案内筒37Bの内周374Bに摩擦係合している。
これに対して、
図9の第4実施形態では、保持部材24Cの案内筒37Cの内周374Cに設けられた収容溝39Cに保持されて封止部材20Cの凸部40Cの外周401Cに摩擦係合している。案内筒37Cの外周373Cは、筒状部36の内周364に軸方向X1に移動可能に嵌合している。
図9の第4実施形態の構成要素のうち、
図7の第3実施形態と同じ構成要素には、
図7の第3実施形態の構成要素の参照符号と同じ参照符号を付してある。
【0050】
本第4実施形態によれば、弾性部材23Cが封止部材20Cに保持されているので、第1実施形態の
図4のような第1サブアセンブリSA1を構成することができない。この点を除いて、本第2実施形態においても第1実施形態と同じ作用効果を奏することができる。
<第5実施形態>
図10は、本発明の第5実施形態のラックガイド装置の要部の断面図である。
図10の第5実施形態が、
図7の第3実施形態と主に異なるのは、下記である。
【0051】
すなわち、
図7の第3実施形態では、封止部材20Bの凸部40の外周401(の収容溝39B)に保持された弾性部材23Bが、保持部材24Bの案内筒37Bの内周374Bに摩擦係合している。
これに対して、
図10の第5実施形態では、封止部材20Bの筒状部36の内周364に、摩擦係合部材としての巻きブッシュ41の外周412が圧入され固定されている。巻きブッシュ41の内周411が、保持部材24Dの案内筒37Dの外周373Dに摩擦係合している。案内筒37Dの内周374Dは、凸部40の外周401に軸方向X1に移動可能に嵌合している。
【0052】
巻きブッシュ41の内周411は、案内筒37Dの外周373Dに摩擦係合が可能であれば、摩擦係合層としての金属層で形成されていてもよい。巻きブッシュ41の内周411が、径方向の弾性を有する摩擦係合層としての樹脂層で形成されて、巻きブッシュ41が弾性部材として機能していてもよい。
図10の第5実施形態の構成要素のうち、
図7の第3実施形態の構成要素と同じ構成要素には、
図7の第3実施形態の構成要素の参照符号と同じ参照符号を付してある。
【0053】
本実施形態においても、
図11に示すように、封止部材20Bに保持された巻きブッシュ41(摩擦係合部材。弾性部材)が保持部材24Dに摩擦係合することにより、皿ばね22と巻きブッシュ41と保持部材24Dと封止部材20Bとシール部材34とが、一体のユニットとして取り扱うことのできる第2サブア
センブリSA2Dを構成している。
すなわち、本実施形態によれば、皿ばね22を保持する保持部材24Dを摩擦係合により封止部材20Bに一体に保持させる簡単な作業で、皿ばね22、保持部材24Dおよび封止部材20Bを容易に一体化させて、サブアセンブリ(第2サブアセンブリSA2Dに相当)を構成することができるので、全体としての組立性を向上することができる。
<第6実施形態>
図12および
図13は、本発明の第6実施形態の第2
サブアセンブリSA2Eおよび第1
サブアセンブリSA1Eをそれぞれ示している。本発明の第6実施形態が
図10,
図11の第5実施形態と異なるのは、下記である。
【0054】
すなわち、
図11の第5実施形態では、巻きブッシュ41が、封止部材20Bに圧入により保持されて、保持部材24Dに対して摩擦係合する。
これに対して、
図12の第6実施形態では、摩擦係合部材としての巻きブッシュ41Eが、保持部材24Dに圧入により保持されて封止部材2
0Bに摩擦係合する。具体的には、巻きブッシュ41Eの内周411Eが、保持部材24Dの案内筒37Dの外周373Dに圧入により保持されている。また、巻きブッシュ41Eの外周412Eが、封止部材20Bの筒状部36の内周364に摩擦係合している。これにより、皿ばね22と保持部材24Dと巻きブッシュ41Eと封止部材20Bとシール部材34とを含む第2サブアセンブリSA2Eが構成されている。
【0055】
また、
図13に示すように、案内筒37Dの外周373Dに保持された巻きブッシュ41Eの外径D1Eが、案内筒37Dの外周373Dを取り囲む皿ばね22の内径D2よりも大きくされているので(D1E>D2)、巻きブッシュ41Eによって、案内筒37Dからの皿ばね22の抜脱を抑制することができる。これにより、皿ばね22と巻きブッシュ41Eと保持部材24Dとを含む第1サブアセンブリSA1Eを構成することができる。
<第7実施形態>
図14は、本発明の第7実施形態のラックガイド装置15Fの要部の断面図である。
図14の第7実施形態が、
図10の第5実施形態と主に異なるのは、下記である。
【0056】
すなわち、
図10の第5実施形態のラックガイド装置15Dでは、摩擦係合部材としての巻きブッシュ41が、封止部材20Bの筒状部36の内周364に保持されて、保持部材24Dの案内筒37Dの外周373Dに摩擦係合している。
これに対して、
図14の第7実施形態のラックガイド装置15Fでは、凸部40の外周401に保持された摩擦係合部材としての巻きブッシュ41Fが備えられている。具体的には、巻きブッシュ41Fの内周411Fが、凸部40の外周401にプレスフィットにより嵌合保持されている。巻きブッシュ41Fの外周412Fが、保持部材24Fの案内筒37Fの内周374Fに摩擦係合している。案内筒37Fの外周373Fは、筒状部36の内周364に軸方向X1に移動可能に嵌合されている。
【0057】
図14の第7実施形態の構成要素のうち、
図10の第5実施形態と同じ構成要素には、
図10の第5実施形態の構成要素の参照符号と同じ参照符号を付してある。本第4実施形態によれば、
図10の第5実施形態と同じ作用効果を奏することができる。
<第8実施形態>
次いで、
図15〜
図17は、本発明の第8実施形態のラックガイド装置15Gの断面図である。
図15を参照して、本第8実施形態が
図3の第1実施形態と主に異なるのは、下記である。
【0058】
すなわち、
図3の第1実施形態では、封止部材20とラックガイド18との間に、圧縮コイルばね21と皿ばね22とが、並列に介在している。これに対して、本実施形態では、封止部材とラックガイド18との間に、圧縮コイルばね21Gと皿ばね22とが、直列に介在している。
すなわち、封止部材とラックガイド18との間に保持部材24Gが介在している。皿ばね22は、封止部材20の筒状部36の端面362と保持部材24Gの座板38の第2面382との間に介在している。圧縮コイルばね21Gは、ラックガイド18の収容凹部29の底291と保持部材24Gの案内筒37Gの第1端部371Gとの間に弾性的に圧縮された状態で介在している。圧縮コイルばね21Gの第1端部211Gが、収容凹部29の底291によって受けられ、圧
縮コイルばね21Gの第2端部212Gが、保持部材24Gの案内筒37Gの第1端部371Gによって受けられている。
【0059】
また、ラックガイド装置15Gは、ラックガイド18の進退方向(案内筒37Gの軸方向X1に相当)に関して、封止部材20Gと保持部材24Gとの間の最大隙間量Smaxを規制するように、保持部材24Gを封止部材20Gに連結する連結部材42を備えている。
具体的には、保持部材24Gの案内筒37Gの第1端部211Gは、封止部材20の筒状部36の底361に対向する隙間規制板43(案内筒37Gの底板に相当)によって覆われている。連結部材42は、例えばボルトからなる。連結部材42は、隙間規制板43に形成された挿通孔44を軸方向に摺動可能に挿通して、封止部材20Gの筒状部36の底361のねじ孔45にねじ込み固定されたねじ軸46と、ねじ軸46の一端に設けられた頭部47とを備えている。
【0060】
隙間規制板43は、封止部材20の筒状部36の底361に対向する隙間規制面としての第1面431と、第1面431とは反対側の第2面432とを備えている。連結部材42の頭部47が、隙間規制板43の第2面432に当接した状態で、隙間規制板43の第1面(隙間規制面)と筒状部の底361との最大隙間量Smaxが規制される。
また、皿ばね22には、予圧が与えられており、皿ばね22のセット荷重は、圧縮コイルばね21Gのセット荷重よりも高くされている。したがって、ラック軸8側から入力される荷重が通常レベルの通常時は、ラックガイド18の進退に伴って、圧縮コイルばね21Gのみが伸縮する。すなわち、
図15に示すように、ラックガイド18の第2面182と保持部材24Gの座板38の第1面381との間に隙間が形成される状態から、
図16に示すように、ラックガイド18の第2面182と保持部材24Gの座板38の第1面381とが密着する状態までの間で、ラックガイド18が変位する。
【0061】
また、ラッ
ク軸8側から通常レベルを超える大荷重が入力されるときには、ラックガイド18および保持部材24Gが一体に移動して、皿ばね22が圧縮変位される。例えば
図17に示すように、皿ばね22が密着する程度まで圧縮変位される場合がある。これにより、
図18に示すように、圧縮コイルばね21Gおよび皿ばね22の合成ばねの特性として、圧縮コイルばねのみが変位する第1特性部P1と、皿ばねのみが変位する第2特性部P2との二段荷重特性を得ることができる。また、最大隙間量Smaxの設定により、所望の二段荷重特性をチューニングすることができる。
<第9実施形態>
第1〜第8実施形態では、摩擦係合部材を提供する弾性部材として環状のものを用いている。本第9実施形態のように、摩擦係合部材を提供する弾性部材として環状でないものを用いてもよい。
【0062】
すなわち、
図19および
図20は、本発明の第9実施形態の第2サブアセンブリSA2Hおよび第1サブアセンブリSA1Hをそれぞれ示している。
図19および
図20に示すように、摩擦係合部材を提供する弾性部材として、保持部材24Hの案内筒3
7Hの軸方向X1に延びる複数のゴム製または樹脂製の弾性棒23Hを、案内筒3
7Hの周方向K1の等間隔に配置している。各弾性棒23Hは封止部材20の筒状部36の内周364(対向部)に摩擦係合している。
【0063】
案内筒37Hの外周373Hに、軸方向X1に延びる収容溝39Hが、周方向K1の等間隔に形成され、各収容溝39Hに、対応する弾性棒23Hを収容され、保持されている。収容溝39Hに保持された弾性棒23Hは、案内筒3
7Hに対する軸方向X1への移動を規制されている。また、複数の弾性棒23Hに外接する円の直径D1Hが、皿ばね22の内径D2よりも大きくされており(D1H>D2)、複数の弾性棒23Hによって、保持部材24Hからの皿ばね22の抜脱が抑制されている。
【0064】
図示していないが、
図19および
図20の実施形態の変更例として、封止部材の筒状部の内周に設けられた収容溝に、弾性棒を収容保持し、各弾性棒を案内筒の外周に摩擦係合させてもよい。
<第10実施形態>
各前記実施形態(第1〜第9実施形態)では、保持部材が摩擦係合部材を介して封止部材に間接的に保持されている。これに対して、例えば
図5の第1実施形態の変更例としての、
図21の第10実施形態の第2サブアセンブリSA2Jでは、保持部材24Jが、例えば弾性を有する樹脂により形成されて、保持部材24Jが、封止部材20に直接摩擦係合されて保持されていてもよい。
【0065】
すなわち、保持部材24Jの案内筒37Jの円筒面からなる外周373Jが、封止部材20の筒状部36の内周364に弾性的に圧縮された状態で嵌合(プレスフィット)している。保持部材24Jと封止部材20との摩擦係合力により、保持部材24Jが、直接、封止部材20により保持されている。
図21の第10実施形態の構成要素において、
図5の第1実施形態の構成要素と同じ構成要素には、
図5の第1実施形態の構成要素の参照符号と同じ参照符号を付してある。本第10実施形態によれば、
図5の第1実施形態と同じ作用効果を奏することができる。さらに、本第10実施形態によれば、保持部材24Jとは別に摩擦係合部材を設ける必要がない。したがって、構造を簡素化することができる。
<第11実施形態>
図22の第11実施形態は、
図11の第5実施形態の変更例を示している。すなわち、
図22の第11実施形態の第2サブアセンブリSA2Kでは、保持部材24Kが、例えば弾性を有する樹脂により形成されて、保持部材24Kの案内筒37Kの外周373Kおよび内周374Kの少なくとも一方が、封止部材20Bの対応する筒状部36の内周364および凸部40の外周401に直接摩擦係合されて保持されている。
【0066】
すなわち、保持部材24Kの案内筒37Kの外周373Bおよび内周374Bの少なくとも一方が、弾性的に圧縮された状態で、対応する筒状部36の内周364および凸部40の外周401に嵌合(プレスフィット)している。保持部材24Kと封止部材20Bとの摩擦係合力により、保持部材24Kが、直接、封止部材20Bにより保持されている。
図22の第11実施形態の構成要素において、
図11の第5実施形態の構成要素と同じ構成要素には、
図11の第5実施形態の構成要素の参照符号と同じ参照符号を付してある。本第11実施形態によれば、
図11の第5実施形態と同じ作用効果を奏することができる。さらに、本第11実施形態によれば、保持部材24Kとは別に摩擦係合部材を設ける必要がない。したがって、構造を簡素化することができる。なお、本第11実施形態において、保持部材24Kの案内筒37Kの外周373Kおよび内周374Kの何れか一方が、対応する相手面に対して、すきま嵌め(ルーズフィット)で嵌合されていてもよい
し、対応する相手面に対して、隙間を設けて対向していてもよい。
【0067】
本発明は、各前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、摩擦係合部材を提供する弾性部材として、丸断面のOリングに拘らず、角断面のリング(図示せず)を用いることができる。
また、各前記実施形態では、保持部材の案内筒が皿ばね22の径方向端部としての内径部22aを案内する内径ガイドとして機能しているが、保持部材の案内筒が皿ばね22の径方向端部としての外径部をガイドする外径ガイドとして機能するようにしてもよい。その他、本発明は請求項記載の範囲内で種々の変更を施すことができる。