(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記検出点算出部は、前記変化量が前記変化量しきい値よりも大きい際に前記第2の接触面積を前記第1の接触面積とし、前記算出された検出点を保持した後に算出された接触面積と、前記第1の接触面積とされた前記第2の接触面積と、の差が、予め定められた範囲内であるという条件が満たされた場合、前記算出された検出点の保持を解除する、
請求項1又は2に記載の操作装置。
前記検出点算出部は、前記検出対象物が不検出となる条件、前記変化量が前記変化量しきい値よりも大きい際に前記第2の接触面積を前記第1の接触面積とし、前記算出された検出点を保持した後に算出された接触面積と、前記第1の接触面積とされた前記第2の接触面積と、の差が、予め定められた範囲内であるという条件、及び前記算出された検出点の保持が予め定められた期間を超えるという条件、の少なくとも1つの条件が満たされた場合、前記算出された検出点の保持を解除する、
請求項1に記載の操作装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施の形態の要約)
実施の形態に係る操作装置は、操作面に対する検出対象物の接触を検出して検出情報を出力する検出部と、検出情報に基づいて検出対象物の接触面積を算出する面積算出部と、面積算出部が算出した第1の接触面積、及び第1の接触面積に続いて算出された第2の接触面積、に基づいた変化量を算出する変化量算出部と、変化量しきい値を有し、変化量と変化量しきい値とを比較する比較部と、比較部の比較結果に基づいて、変化量が変化量しきい値よりも大きい場合、予め設定された条件が満たされるまで、第1の接触面積に応じて算出された検出点を保持して以降の検出点とする検出点算出部と、を備えて概略構成されている。
【0011】
この操作装置は、第1の接触面積に対する第2の接触面積の変化量が、変化量しきい値より大きい場合、第1の接触面積に基づいて算出された検出点を以降の検出点として保持するので、検出された接触面積ごとに検出点を算出する場合と比べて、操作者が意図しない操作対象の移動等を抑制し、操作性を向上させることができる。なお操作対象の移動等とは、一例として、操作面を押し込む操作の際の検出点の移動、カーソルの移動位置の変化、選択したはずのアイコンの選択の解除、ドラックやドロップ位置の変化等が含まれる。
【0012】
[第1の実施の形態]
(操作装置1の構成)
図1(a)は、第1の実施の形態に係る操作装置が搭載された車両内部の概略図であり、(b)は、操作面に接触した指の概略図である。
図2(a)は、第1の実施の形態に係る操作装置のブロック図であり、(b)は、検出部のブロック図である。なお、以下に記載する実施の形態に係る各図において、図形間の比率は、実際の比率とは異なる場合がある。また
図2(a)及び(b)に示すブロック図では、主な信号や情報の流れを矢印で示している。
【0013】
操作装置1は、例えば、電磁気的に接続された電子機器の操作を行うことを可能とするものである。操作装置1は、例えば、操作者の体の一部(例えば、指)や専用のペンによる操作により、電子機器の表示部に表示されたカーソルの移動や選択、表示されたアイコンの選択、決定、ドラッグ、ドロップ等の指示を行うことができるように構成されている。本実施の形態では、検出対象物としての指による操作について説明する。
【0014】
なお、上述の電磁気的に接続とは、導電体による接続、電磁波の一種である光による接続、及び電磁波の一種である電波による接続の少なくとも1つを用いた接続である。
【0015】
この操作装置1は、例えば、操作者が指を後述する操作面に接触させて操作する際に生じる、指と操作面との接触領域の面積である接触面積を算出し、この接触面積の重心の位置を検出点として後述するxy座標系の座標として算出するように構成されている。
【0016】
また操作装置1は、例えば、
図1(a)に示すように、運転席と助手席の間のフロアコンソール50に配置されている。なお操作装置1の配置は、フロアコンソール50に限定されず、表示装置3に重ねるように配置されても良いし、ステアリング52に配置されても良く、用途に応じて様々な場所に配置可能である。
【0017】
操作装置1と接続された電子機器は、一例として、目的地や現在位置を地図と共に表示するナビゲーション装置、車両5の内部の温度を調整する空調装置、記録媒体に記録された音楽や映像を再生する再生装置等である。この電子機器は、例えば、
図1(a)に示すように、メニューや地図等をインストルメントパネル51に配置された表示装置3に表示させるように構成されている。
【0018】
操作装置1は、
図2(a)に示すように、操作面100に対する指の接触を検出して検出情報S
3を出力する検出部10と、検出情報S
3に基づいて指の接触面積を算出する面積算出部12と、面積算出部12が算出した第1の接触面積、及び第1の接触面積に続いて算出された第2の接触面積、に基づいた変化量を算出する変化量算出部14と、変化量しきい値160を有し、変化量と変化量しきい値160とを比較する比較部16と、比較部16の比較結果に基づいて変化量が変化量しきい値160よりも大きい場合、予め設定された条件が満たされるまで、第1の接触面積に応じて算出された検出点を保持して以降の検出点とする検出点算出部としての制御部18と、を備えて概略構成されている。
【0019】
また操作装置1は、
図2(a)に示すように、後述するタイマ部20と、制御部18が生成した操作情報S
9を、接続された電子機器に出力する通信部22と、を備えている。
【0020】
(検出部10の構成)
検出部10は、例えば、操作者の指が接触した操作面100上の位置を検出するタッチセンサである。具体的には、検出部10は、操作面100に指が近づいたり、接触したりすることによる、後述するセンサ電極と指との距離に反比例した電流の変化を検出する静電容量方式のタッチセンサである。
【0021】
検出部10は、例えば、
図2(b)に示すように、複数のセンサ電極101及びセンサ電極102と、検出制御部103と、判定部104と、を備えて構成されている。
【0022】
検出部10は、一例として、y軸に平行に等間隔で並べられた12個のセンサ電極101と、x軸に平行に等間隔で並べられた6個のセンサ電極102と、が、互いが絶縁されると共に、操作面100の下方に配置されている。なおセンサ電極101及びセンサ電極102の数は、必要に応じて自由に変更可能である。またx軸方向は、
図2(b)の紙面において横方向であり、y軸方向は、紙面の縦方向である。このxy座標系の原点は、
図2(b)の操作面100の左上である。
【0023】
このセンサ電極101とセンサ電極102は、検出制御部103と電気的に接続されている。以下において、x軸の座標は、xに下付きの数字(1〜12)を付して、左から右に向かってx
1〜x
12と示すものとする。また、y軸の座標は、yに下付きの数字(1〜6)を付して、上から下に向かってy
1〜y
6と示すものとする。センサ電極101及びセンサ電極102は、このxy座標に応じて配置されている。
【0024】
このセンサ電極101及びセンサ電極102は、例えば、導電性を有する金属材料を用いて形成されている。この導電性を有する金属材料は、例えば、銅、銀等の金属を含有する材料である。センサ電極101及びセンサ電極102は、例えば、線形状を有している。
【0025】
検出制御部103は、例えば、制御部18から出力された制御信号S
1に基づいて、センサ電極101及びセンサ電極102との接続を切り替え、接続されたセンサ電極が検出した検出値を読み出して、検出値情報S
2として判定部104に出力するように構成されている。検出値の読み出しの周期は、x
1のセンサ電極101〜x
12のセンサ電極101、y
1のセンサ電極〜y
6のセンサ電極102の検出値を読み出す時間であり、一例として、20ms程度である。この検出値は、静電容量である。
【0026】
この検出値情報S
2は、例えば、一周期分のセンサ電極ごとの検出値の情報を含んで構成されている。
【0027】
判定部104は、しきい値104aを有している。このしきい値104aは、指の検出の有無を判定するために用いられる。判定部104は、検出制御部103から取得した検出値情報S
2と、しきい値104aと、を比較し、検出値情報S
2に含まれる検出値がしきい値104aよりも大きい場合、当該検出値を検出したセンサ電極が、指を検出したと判定する。
【0028】
判定部104は、指が検出されたセンサ電極と検出値とを関連付けた情報を含む検出情報S
3を生成して出力するように構成されている。
【0029】
(面積算出部12の構成)
図3(a)及び(b)は、第1の実施の形態に係る操作装置の面積算出部による接触面積の算出を説明するための概略図である。
図3(a)及び(b)において実線及び点線で囲む領域は、操作面100と指9とが接触した接触領域を示している。また
図3(a)及び(b)において、センサ電極の端部近傍に記載した丸印は、指9を検出したセンサ電極を示している。
【0030】
面積算出部12は、例えば、検出部10から取得した検出情報S
3に基づいて接触領域の面積である接触面積を算出し、算出した接触面積の情報を含む算出情報S
4を生成して出力するように構成されている。以下では、接触面積の算出方法の一例について説明する。
【0031】
面積算出部12は、検出情報S
3に基づいて指9が検出されたセンサ電極101及びセンサ電極102を確認する。指9が、
図3(a)に示すように、操作面100に接触することにより接触領域106が形成されている場合、この指9を検出するセンサ電極は、接触領域106に含まれる、x
4のセンサ電極101〜x
7のセンサ電極101、y
3のセンサ電極102〜y
5のセンサ電極102となる。
【0032】
つまり指9を検出したx軸のセンサ電極101は、4つで、y軸のセンサ電極102は、3つである。面積算出部12は、この指9を検出したセンサ電極101及びセンサ電極102の数を足し合わせることにより、接触領域106の接触面積106aを求めるように構成されている。よって
図3(a)に示す接触面積106aは、4+3で7である。同様に、
図3(b)に示す接触面積107aは、接触領域107に含まれるセンサ電極101がx
5とx
6の2つで、センサ電極102が、y
3とy
4の2つであるので、4である。
【0033】
(変化量算出部14の構成)
変化量算出部14は、n周期目の接触面積(第1の接触面積)に対する(n+1)周期目の接触面積(第2の接触面積)の変化量を算出するように構成されている。このnは、正の整数である。
【0034】
また変化量算出部14は、面積算出部12が算出した接触面積を面積情報140として記憶するように構成されている。
【0035】
この変化量算出部14は、算出した変化量を含む変化量情報S
5を生成するように構成されている。
【0036】
この変化量は、一例として、第1の接触面積から第2の接触面積を減算して得られる差分である。なお、変化量は、減算に限定されず、第1の接触面積に対する第2の接触面積の割合、検出値の差分等であっても良い。
【0037】
(比較部16の構成)
比較部16は、変化量しきい値160を有している。比較部16は、変化量算出部14が算出した変化量と、変化量しきい値160と、を比較するように構成されている。
【0038】
この比較部16は、接触面積の変化が急激であるか否かを比較により示すように構成されている。操作者が、例えば、操作面100をなぞる操作を行うような場合、接触面積の変化は、指を操作面100から離さないように操作が行われるので緩やかである。しかし、操作者が、例えば、操作の終了を意図して、指を操作面100から離す場合、接触面積の変化は、操作中の接触面積の変化と比べて、変化量が多くなり、接触面積の変化が急激となる。
【0039】
本実施の形態では、変化量として指を検出した、つまりタッチオンしたセンサ電極の数の変化量(差分)を求めているので、変化量しきい値160は、一例として、2と設定されている。具体的には、
図3(a)及び(b)における変化量は、
図3(a)では、指を検出したセンサ電極の数は7であり、
図3(b)では、指を検出したセンサ電極は4であるので、3である。比較部16は、この変化量の3と変化量しきい値160の2とを比較し、変化量>変化量しきい値160が成り立つので、接触面積の変化が急激であると判定することが可能となる。
【0040】
この変化量しきい値160は、一例として、第1の接触面積に対する第2の接触面積の割合に基づいて設定される。この割合は、一例として、70%以下であることが好ましく、60%以下であることがより好ましい。本実施の形態では、一例として、接触面積の変化が急激である割合を、60%以下とするため、変化量しきい値160は、2と設定されている。
【0041】
(制御部18の構成)
図4(a)〜(d)は、第1の実施の形態に係る操作装置の操作面に接触する指の接触面積の変化を説明するための概略図である。
図4(a)及び(c)は、操作者が、指9を操作面100から離す場合に、指9と操作面100との接触がどのように解消されるかを図示したものである。
【0042】
制御部18は、例えば、記憶されたプログラムに従って、取得したデータ等に演算、加工等を行うCPU(Central Processing Unit)、半導体メモリであるRAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)等から構成されるマイクロコンピュータである。このROMには、例えば、制御部18が動作するためのプログラムが格納されている。RAMは、例えば、一時的に演算結果等を格納する記憶領域として用いられる。また制御部18は、その内部にクロック信号を生成する手段を有し、このクロック信号に基づいて動作を行う。
【0043】
制御部18は、例えば、条件情報180と、蓄積情報181と、面積しきい値182と、時間しきい値183と、をRAMに有している。この条件情報180とは、例えば、上述の予め設定された条件の情報を含むものである。この予め設定された条件は、例えば、以下に記載する第1の条件、第2の条件及び第3の条件から構成される。
【0044】
第1の条件は、例えば、指が不検出となる、つまりタッチオフとなる条件である。第2の条件は、例えば、変化量が変化量しきい値160よりも大きい際に第2の接触面積を第1の接触面積とし、算出された検出点を保持した後に算出された接触面積と第1の接触面積とされた第2の接触面積と、の差が、予め定められた範囲内、つまり面積しきい値182以下であるという条件である。第3の条件は、例えば、算出された検出点の保持が予め定められた期間を超える、つまり時間しきい値183より長いという条件である。
【0045】
ここで、例えば、操作者が操作面100になぞり操作を行い、そして指9を操作面100から離すような場合、指9の接触状態は、
図4(a)に示すような指9の腹が接触する状態から
図4(c)に示すような指9の先端が接触する状態に変化する。
【0046】
操作者が、なぞり操作を行っている間は、指9の腹の部分を接触させて操作し、指9を離す際は、指9の腹から指先の順に指9が操作面100から離れて行く。つまり、
図4(b)及び(d)に示すように、接触領域が、腹の部分の接触領域106から先端部分の接触領域107に面積を減少させながら移動する。操作装置1が、仮に、この接触領域106及び接触領域107に基づいて検出点を算出すると、
図4(b)及び(d)に示すように、接触領域106の接触面積106aに基づいて算出された検出点106bと、接触領域107の接触面積107aに基づいて算出された仮想検出点91aと、の間には、差dが生じる。
【0047】
操作装置1の操作対象が、検出点に従って移動する場合、単に指9を操作面100から離す操作を行っただけ、つまり、操作対象が移動しないことを望む操作であるのに、差dの分、操作対象が移動することとなり、この移動が操作者にとって意図しない移動となる。
【0048】
そこで、操作装置1は、この差dが生じることがないように、接触面積が急激に変化した場合、接触領域107の接触面積107a(第2の接触面積)に基づいて算出される仮想検出点107bを検出点とするのではなく、接触領域106の接触面積106a(第1の接触面積)に基づいて算出した検出点106bを、接触領域107の検出点として保持するように構成されている。
【0049】
また、第2の条件は、例えば、接触面積が元の接触面積に戻った場合、検出点の保持を解除する条件である。具体的には、操作装置1は、例えば、操作者が、指の腹から先端に接触領域を移動させた後、先端から腹に接触領域を移動させるような操作を行った場合、つまり、算出された検出点を保持した後に算出された接触面積と第1の接触面積とされた第2の接触面積と、の差が、予め定められた範囲内である場合、操作が継続される可能性が高いため、保持を解除するように構成されている。なお算出された接触面積と第1の接触面積とされた第2の接触面積と、の差が、予め定められた範囲内である場合、この2つの接触面積は、等しいとする。
【0050】
さらに操作装置1は、例えば、変化量の絶対値を求めるように構成された場合、なぞり操作において意図せず、他の指が操作面100に接触したような際、接触面積が急激に変化したとして、検出点の意図しない移動を抑制することが可能となる。
【0051】
蓄積情報181は、例えば、前回周期のタッチオン、タッチオフに関連する情報、前回周期の接触面積に関連する情報等を含んだ情報である。
【0052】
面積しきい値182は、上述の予め定められた範囲に関連するしきい値である。この面積しきい値182は、一例として、変化量が1以下である場合において、算出された接触面積と第1の接触面積とされた第2の接触面積とが同じであると判定可能となるように、1と設定される。
【0053】
時間しきい値183は、上述の予め定められた期間に関連するしきい値である。この予め定められた期間とは、一例として、100〜200msである。
【0054】
ここで、上述の変化量しきい値160及び面積しきい値182は、一例であり、センサ電極101及びセンサ電極102の数に依存するものである。
【0055】
(タイマ部20の構成)
タイマ部20は、制御部18から出力されるタイマ制御信号S
7に基づいて保持タイマ200を制御し、時間の計測の開始及び終了を行うように構成されている。
【0056】
またタイマ部20は、保持タイマ200が計測した時間を計測時間201として記憶するように構成されている。タイマ部20は、保持タイマ200が計測した計測時間201の情報を含む時間情報S
8を生成し、制御部18に出力するように構成されている。
【0057】
以下では、本実施の形態の操作装置1の動作について、
図5のフローチャートに従って説明する。
【0058】
(動作)
操作装置1の制御部18は、車両5の電源が投入されると、クロック信号に基づいて制御信号S
1を生成し、検出部10に出力する。
【0059】
制御部18は、検出部10から検出情報S
3を取得すると(S1)、検出情報S
3に基づいて指の検出の有無を判定する。
【0060】
制御部18は、指が検出されたと判定すると(S2:Yes)、検出情報S
3を面積算出部12に出力する。
【0061】
面積算出部12は、検出情報S
3を取得すると、接触領域の接触面積を算出し(S3)、算出情報S
4を制御部18に出力する。
【0062】
制御部18は、算出情報S
4を取得すると、蓄積情報181に基づいてタッチオフからタッチオンであったか否かを確認する。
【0063】
制御部18は、タッチオフからタッチオンではなかった場合、つまり前回の周期で指を検出していた場合(S4:No)、算出情報S
4を変化量算出部14に出力する。
【0064】
変化量算出部14は、取得した算出情報S
4と、面積情報140と、に基づいて変化量を算出し、変化量情報S
5として制御部18を介して比較部16に出力する。
【0065】
比較部16は、取得した変化量情報S
5と変化量しきい値160と、を比較する。比較部16は、変化量が変化量しきい値160よりも大きい場合(S5:Yes)、変化量が変化量しきい値160よりも大きいとする比較情報S
6を生成し、制御部18に出力する。
【0066】
制御部18は、比較情報S
6及び蓄積情報181に基づいて接触面積が急激に変化したと判定し、前回周期で算出された接触面積を、今回周期の接触面積として保持すると共に、前回周期の検出点を今回周期の検出点として保持する(S6)。
【0067】
制御部18は、検出点を保持することに基づいてタイマ制御信号S
7を生成し、タイマ部20に出力する。
【0068】
タイマ部20は、取得したタイマ制御信号S
7に基づいて保持タイマ200をリセットして起動し、保持時間の計測を開始する(S7)。
【0069】
制御部18は、保持タイマ200が起動した後、周期に従って検出部10から検出情報S
3を取得する。
【0070】
制御部18は、取得した検出情報S
3に基づいて予め設定された条件である、タッチオフである、算出された接触面積と第1の接触面積とされた第2の接触面積との差が予め定められた範囲内である、算出された検出点の保持が予め定められた期間を超える、のいずれか1つが満たされるか否かを判定する。
【0071】
制御部18は、予め設定された条件が満たされた場合(S8:Yes)、検出点の保持を解除し、保持タイマ200を停止させるためにタイマ部20にタイマ制御信号S
7を出力し(S9)、ステップ1に処理を進める。
【0072】
ここで、ステップ2において、制御部18は、指が検出されていないと判定すると(S2:No)、非検出状態を示す操作情報S
9を生成し、通信部22を介して出力する(S10)。
【0073】
またステップ4において、制御部18は、タッチオフからタッチオンであった場合(S4:Yes)、算出された接触面積に基づいて検出点を算出し(S11)、算出した検出点に基づいて操作情報S
9を生成して通信部22を介して出力する(S12)。
【0074】
さらにステップ8において、制御部18は、予め設定された条件が満たされていない場合(S8:No)、ステップ1に処理を進める。
【0075】
この一連の処理は、例えば、車両5の電源が遮断されるまで継続的に続けられる。
【0076】
なお変形例として、操作装置1は、上述の第1の条件〜第3の条件のいずれか1つだけ、又はこれらを組み合わせて満足する場合に検出点を保持するように構成されても良い。
【0077】
(第1の実施の形態の効果)
本実施の形態に係る操作装置1は、意図しない操作対象の移動等を抑制すると共に、操作性を向上させることができる。具体的には、操作装置1は、接触面積が急激に変化した場合、検出された接触面積ごとに検出点を算出するのではなく、急激に変化する前に算出された検出点を保持するので、操作者の意図しない検出点の移動、例えば、操作面100を押し込むような操作が行われた際の指の位置の変化に基づく検出点の移動等を抑制することができる。
【0078】
また操作装置1は、急激に接触面積が変化する場合、検出された接触面積ごとに検出点を算出しないので、処理能力が低いマイクロコンピュータを用いることが可能となり、製造コストが低減される。
【0079】
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態は、接触面積の算出方法が第1の実施の形態と異なっている。
【0080】
図6(a)及び(b)は、第2の実施の形態に係る操作装置の面積算出部による接触面積の算出を説明するための概略図である。
図6(a)及び(b)において実線及び点線で囲む領域は、操作面100と指9とが接触した接触領域を示している。
【0081】
なお以下に記載する実施の形態において、第1の実施の形態と同じ機能及び構成を有する部分は、第1の実施の形態と同じ符号を付し、その説明は省略するものとする。
【0082】
本実施の形態の操作装置1の面積算出部12は、全センサ電極の検出値(静電容量)の総和を接触面積として算出するように構成されている。
【0083】
具体的には、面積算出部12は、
図6(a)に示すように、x
1のセンサ電極101〜x
12のセンサ電極102の検出値の総和、つまり曲線106dとx軸とで囲まれる領域の面積、及びy
1のセンサ電極102〜y
6のセンサ電極102の検出値の総和、つまり曲線106eとy軸とで囲まれる面積、を加算し、接触領域106の接触面積106a(第1の接触面積)とするように構成されている。
【0084】
同様に、面積算出部12は、
図6(b)に示すように、x
1のセンサ電極101〜x
12のセンサ電極102の検出値の総和、つまり曲線107dとx軸とで囲まれる領域の面積、及びy
1のセンサ電極102〜y
6のセンサ電極102の検出値の総和、つまり曲線107eとy軸とで囲まれる面積、を加算し、接触領域107の接触面積107a(第2の接触面積)とするように構成されている。
【0085】
比較部16は、一例として、第1の接触面積に対する第2の接触面積の変化量と、変化量しきい値160と、を比較して、接触面積が急激に変化したか否かを判定する。この変化量は、一例として、50%以上が好ましく、40%以下がより好ましい。従って変化量しきい値160は、一例として、変化量が40%になるような値に設定される。
【0086】
(第2の実施の形態の効果)
本実施の形態に係る操作装置1は、全センサ電極の検出値の総和を接触面積とするので、指を検出したセンサ電極から接触領域を算出して接触面積を求める場合と比べて、容易に接触面積を求めることができる。
【0087】
以上述べた少なくとも1つの実施の形態の操作装置1によれば、意図しない操作対象の移動等を抑制すると共に、操作性を向上させることが可能となる。
【0088】
上述の実施の形態及び変形例に係る操作装置1は、例えば、用途に応じて、その一部が、コンピュータが実行するプログラム、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)及びFPGA(Field Programmable Gate Array)等によって実現される。
【0089】
なお、ASICとは、特定用途向け集積回路であり、FPGAとは、プログラミングすることができるLSI(大規模集積回路:Large Scale Integration)である。
【0090】
以上、本発明のいくつかの実施の形態及び変形例を説明したが、これらの実施の形態及び変形例は、一例に過ぎず、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。これら新規な実施の形態及び変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更等を行うことができる。また、これら実施の形態及び変形例の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない。さらに、これら実施の形態及び変形例は、発明の範囲及び要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。