特許第6137551号(P6137551)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ JFE鋼板株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6137551-太陽電池パネルの配線格納ボックス 図000002
  • 特許6137551-太陽電池パネルの配線格納ボックス 図000003
  • 特許6137551-太陽電池パネルの配線格納ボックス 図000004
  • 特許6137551-太陽電池パネルの配線格納ボックス 図000005
  • 特許6137551-太陽電池パネルの配線格納ボックス 図000006
  • 特許6137551-太陽電池パネルの配線格納ボックス 図000007
  • 特許6137551-太陽電池パネルの配線格納ボックス 図000008
  • 特許6137551-太陽電池パネルの配線格納ボックス 図000009
  • 特許6137551-太陽電池パネルの配線格納ボックス 図000010
  • 特許6137551-太陽電池パネルの配線格納ボックス 図000011
  • 特許6137551-太陽電池パネルの配線格納ボックス 図000012
  • 特許6137551-太陽電池パネルの配線格納ボックス 図000013
  • 特許6137551-太陽電池パネルの配線格納ボックス 図000014
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6137551
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年5月31日
(54)【発明の名称】太陽電池パネルの配線格納ボックス
(51)【国際特許分類】
   E04D 3/40 20060101AFI20170522BHJP
   E04D 13/18 20140101ALI20170522BHJP
【FI】
   E04D3/40 V
   E04D13/18
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-101031(P2014-101031)
(22)【出願日】2014年5月15日
(65)【公開番号】特開2015-218453(P2015-218453A)
(43)【公開日】2015年12月7日
【審査請求日】2016年8月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000200323
【氏名又は名称】JFE鋼板株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001542
【氏名又は名称】特許業務法人銀座マロニエ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】毛利 和也
(72)【発明者】
【氏名】下方 豊
(72)【発明者】
【氏名】浅井 真理子
(72)【発明者】
【氏名】宮腰 昌平
【審査官】 坪内 優佳
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−248276(JP,A)
【文献】 特開2014−088731(JP,A)
【文献】 特開平11−081542(JP,A)
【文献】 特開2014−005707(JP,A)
【文献】 特開2009−209611(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0134421(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04D 1/00− 3/40
13/00−15/07
H02S 20/23
E04F 13/00−13/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋根の棟包みの天板部に形成された貫通開口を通して太陽電池パネルの配線を建屋内に導入する部位につき、その部位を覆い隠す太陽電池パネルの配線格納ボックスであって、
前記貫通開口を内側に位置せしめて該棟包みの外表面に配置、固定されるベースと、該ベースに覆い被さって該貫通開口および該配線の格納空間を形成するカバー体とを備え、
該ベースは、該貫通開口および該配線を該棟包みの長手方向に沿って挟み込み該棟包みの幅端に向けて伸延する一対の板状部材と、該板状部材同士をその端部において相互につなぎ合わせ、かつ、該棟包みの幅端側壁および該幅端側壁につながるフランジ部に当接可能な一対の脚部とを有し、
該カバー体は、該貫通開口の上方に位置する天板と、該天板の縁部に一体的につながりその下端が該板状部材の上面に当接可能な一対の垂下周壁と、該天板の縁部および垂下周壁の端部それぞれ一体的につながり該脚部を包囲する一対の側面周壁とを有し、
前記一対の板状部材のそれぞれに、該カバー体の垂下周壁の内側において立ち上がり該貫通開口への雨水の侵入を防止する水切り壁部を設けたことを特徴とする太陽電池パネルの配線格納ボックス。
【請求項2】
前記ベースは、前記板状部材および前記水切り壁部を、前記棟包みの幅方向に沿い少なくとも二つに分離可能とした組み合わせ構造体からなることを特徴とする請求項1に記載した太陽電池パネルの配線格納ボックス。
【請求項3】
前記ベースは、前記水切り壁部の端面および前記脚部の外周壁に連係可能で、かつ、太陽電池パネルから該ベースに至るまでの間の配線を覆い隠す屋根面カバーを有することを特徴とする請求項1または2に記載した太陽電池パネルの配線格納ボックス。
【請求項4】
前記屋根面カバーは、太陽電池パネルから棟包みに至るまでの間の配線の上方に位置する天板と、この天板の幅端部に一体連結し、その内側に下向きに開放された凹所を区画形成する側壁とを備え、
該天板の一端に、前記水切り壁部の端面および前記脚部の外周壁に連係可能な一対の壁部と、この一対の壁部の相互間を通過させて該配線を前記格納空間へ誘導する切欠き凹所を設けたことを特徴とする請求項3に記載した太陽電池パネルの配線格納ボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池パネルの配線格納ボックスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
太陽光発電システムは、太陽の光エネルギーを直接電気エネルギーに変換するシステムであって、通常は、太陽電池パネルとその設置架台と、太陽電池パネルで発電された直流電力を一つにまとめる接続箱と、この接続箱で一つにまとめられた直流電力を交流電力に変換するパワーコンディショナーと、このパワーコンディショナーで変換された交流電力を各電気製品に送給する分電盤と、売買した電力を計量する電力量計(売電メーター、買電メーター)などから構成されている。
【0003】
太陽光発電システムを構成する各機器は、配線(ケーブル)によって接続されており、この配線を通して電力のやり取りを行っているが、とくに屋根面上に設置される太陽電池パネルと、建屋内に設置される機器とを接続するにあたっては配線を屋根面に這わせるとともに軒先もしくは妻側ケラバを迂回させ、外壁に設けられた貫通開口を通して建屋内に導入する、いわゆる外部配線方式を採用しているのが普通である。
【0004】
ところで、従来のこのような配線方式では、屋根面における雨水の流れが配線によって阻害されしまうことが懸念されるうえ、配線が露出したままの状態におかれることから屋根の美観あるいはデザイン性を損ねることにもなっている。
【0005】
この点に関する先行技術として、例えば特許文献1には、建屋の頂部に棟木に沿う空間部を有する屋根付の棟包みを外設し、該棟包みに太陽電池モジュールからの配線を導入する取付け構造が提案されている。また、特許文献2には、一対の傾斜部で形成された頂部を有し、各傾斜部の先端には下方に屈曲された側面部が設けられ、頂部を境にした一方の側を、傾斜部と棟包みとの間にケーブル配線用スペースを形成するべく甲高に形成し、その甲高に形成された側の側面部に、ケーブル挿通用の孔を設けた棟包みつ継ぎ役物が提案されており、さらに特許文献3には、屋根頂部換気カバー内に配線を支持可能な配線引き込み部品を設け、該屋根面配置された太陽光パネルの配線を、カバー下通気隙間から屋根頂部換気カバー内に引き込んで配線引き込み部品で支持し、この配線を頂部隙間から屋内に引き込んだ多機能型頂部構造が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平8−93159号公報
【特許文献2】特開平11−81542号公報
【特許文献3】特開2014−5707号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記文献1〜3で提案されている技術は、棟包みあるいは棟包みに相当する換気カバー等を取付ける作業の他に、太陽電池パネル(太陽電池モジュール)の配線をコネクタに接続する作業や支持部品に支持する煩雑な作業等が別途必要であって効率的な施工を行うのが難いものであった。
【0008】
本発明の課題は、太陽電池パネルと建屋内の機器とをつなぐ配線を効率的な施工のもとに格納して屋根の美観、デザイン性を確保し得る太陽電池パネルの配線格納ボックスを提案するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、屋根の棟包みの天板部に形成された貫通開口を通して太陽電池パネルの配線を屋内に導入する部位につき、その部位を覆い隠す太陽電池パネルの配線格納ボックスであって、前記貫通開口を内側に位置せしめて該棟包みの外表面に配置、固定されるベースと、該ベースに覆い被さって該貫通開口および該配線の格納空間を形成するカバー体とを備え、該ベースは、該貫通開口および該配線を該棟包みの長手方向に沿って挟み込み該棟包みの幅端に向けて伸延する一対の板状部材と、該板状部材同士をその端部において相互につなぎ合わせ、かつ、該棟包みの幅端側壁および該幅端側壁につながるフランジ部に当接可能な一対の脚部とを有し、該カバー体は、該貫通開口の上方に位置する天板と、該天板の縁部に一体的につながりその下端が該板状部材の上面に当接可能な一対の垂下周壁と、該天板の縁部および垂下周壁の端部にそれぞれ一体的につながり該脚部を包囲する一対の側面周壁とを有し、前記一対の板状部材のそれぞれに、該カバー体の垂下周壁の内側において立ち上がり該貫通開口への雨水の侵入を防止する水切り壁部を設けたことを特徴とする太陽電池パネルの配線格納ボックスである。
【0010】
上記の構成からなる太陽電池パネルの配線格納ボックスにおいては、
1)前記ベースは、前記棟包みの幅方向に沿い前記板状部材および前記水切り壁部が少なくとも二つに分離可能な組み合わせ構造体からなっていること、
2)前記ベースは、前記水切り壁部の端面および前記脚部の外周壁に連係可能で、かつ、太陽電池パネルから該ベースに至るまでの間の配線を覆い隠す屋根面カバーを有すること、
3)前記屋根面カバーは、太陽電池パネルから棟包みに至るまでの間の配線の上方に位置する天板と、この天板の幅端部に一体連結し、その内側に下向きに開放された凹所を区画形成する側壁とを備えたもので構成され、該天板の一端に、前記水切り壁部の端面および前記脚部の外周壁に連係可能な一対の壁部と、この一対の壁部の相互間を通過させて該配線を前記格納空間へ誘導する切欠き凹所を設けたこと、
が、課題解決のための具体的手段として好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の太陽電池パネルの配線格納ボックスによれば、該格納ボックスを、貫通開口を内側に位置せしめて該棟包みの外表面に配置、固定されるベースと、該ベースに覆い被さって該貫通開口および該配線の格納空間を形成するカバー体とを備えた2つの主要部材で構成し、このうち、ベースに、該貫通開口および該配線を該棟包みの長手方向に沿って挟み込み該棟包みの幅端に向けて伸延する一対の板状部材と、該板状部材同士をその端部において相互につなぎ合わせ、かつ、該棟包みの幅端側壁および該幅端側壁につながるフランジ部に当接可能な一対の脚部を設け、該カバー体には、該貫通開口の上方に位置する遮蔽壁部と、該遮蔽壁部の縁部に一体的につながりその下端が該板状部材の上面に当接可能な一対の垂下周壁と、該遮蔽壁部の縁部および垂下周壁の端部それぞれ一体的につながり該脚部を包囲する一対の側面周壁とを設け、一対の板状部材のそれぞれには、該カバー体の垂下周壁の内側において立ち上がり該貫通開口への雨水の侵入を防止する水切り壁部を設けるようにしたため、太陽電池パネルの配線を、ベースの脚部上面、貫通開口を通して建屋内に導入し、カバー体を、ベースに被せるだけでその部位を簡単に覆い隠すことができる。
【0012】
とくに、棟包みの天板部に位置する板状部材については、カバー体の内側において立ち上がる水切り壁部を設けているため、格納ボックス内への雨水の侵入を確実に防止することができる。さらに、本発明の配線収納ボックスは、配線収納ボックスの内部に配置された止水材の、紫外線に対する劣化を防止する機能も有しており、これにより止水材の経年劣化を遅延させることができるため、結果的に防水性能を長く維持することができる。
【0013】
また、本発明の太陽電池パネルの配線格納ボックスによれば、ベースを構成する板状部材および水切り壁部を、棟包みの幅方向に沿い少なくとも二つに分離可能な組み合わせ構造体に構成したため、棟包みの幅寸法が異なる屋根での施工を行う場合(既存の屋根への適用等)であっても、ベースの幅寸法、すなわち、脚部相互間の距離を変更して容易に対応することができる。また、サイズの異なる棟包みを持った屋根での施工に対応すべく寸法の種々異なる複数のベースを用意しておく必要もない。
【0014】
また、本発明の太陽電池パネルの配線格納ボックスによれば、ベースの水切り壁部の端面および前記脚部の外周壁に連係可能で、かつ、太陽電池パネルから該ベースに至るまでの間の配線を覆い隠す屋根面カバーを設けるようにしたため、配線が外部へ露出することがなく、屋根の美観やデザイン性が損なわれるのを回避することができる。
【0015】
また、本発明の太陽電池パネルの配線格納ボックスによれば、屋根面カバーを、太陽電池パネルから棟包みに至るまでの間の配線の上方に位置する天板と、この天板の幅端部に一体連結し、その内側に下向きに開放された凹所を区画形成する側壁とを備えたもので構成し、該天板の一端に、前記水切り壁部の端面および前記脚部の外周壁に連係可能な一対の壁部と、この一対の壁部の相互間を通過させて該配線を前記格納空間へ誘導する切欠き凹所を設けるようにしたため、構造の簡素化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明に従う太陽電池パネルの配線格納ボックスの実施の形態を模式的に示した図である。
図2図1に示した配線格納ボックスの取付け要領の説明図である。
図3図1に示した配線格納ボックスの取付け完了状態を示した図である。
図4】止水材の配置状態を示した図である。
図5図1に示した配線格納ボックスのベースの平面を止水材とともに示した図である。
図6図1に示した配線核のボックスの断面を示した図である。
図7】本発明に従う太陽電池パネルの配線格納ボックスの他の例を示した図である。
図8】屋根面カバーの外観斜視図である。
図9】(a)(b)は、本発明に従う配線格納ボックスの組み付け要領の説明図である。
図10】(a)(b)は、本発明に従う配線格納ボックスの組み付け要領の説明図である。
図11】(a)(b)は、本発明に従う配線格納ボックスの組み付け要領の説明図である。
図12】本発明に従う配線格納ボックスの要部を拡大して示した図である。
図13】本発明に従う配線格納ボックスと太陽電池パネルの位置関係を全体について示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に本発明の実施形態を図面に示すところに基づいて説明する。
図1は、本発明に従う太陽電池パネルの配線格納ボックスの実施の形態を模式的に示した図であり、図2は、既存の屋根の棟包みに貫通開口を形成するとともにその部位に配線格納ボックスを配置したのち該貫通開口を通して太陽電池パネルの配線を建屋内に導入した状態を示した図である。
【0018】
図1、2における符号1は、屋根の棟包みmの天板部に形成された貫通開口hを内側に位置させた状態で該棟包みmの外表面に設置、固定されるベースであり、2は、ベース1に覆い被さって貫通開口hおよび太陽電池パネルの配線の格納空間を形成するカバー体である。これらベース1、カバー体2は、厚さが0.35〜1.2mm程度のステンレス鋼板や溶融亜鉛めっき鋼板あるいはフッ素樹脂などで塗布した鋼板が用いられる。
【0019】
ベース1は、貫通開口hおよび該配線Sを該棟包みmの長手方向に沿って挟み込み該棟包みmの幅端に向けて伸延する一対の板状部材1a、1bと、該板状部材1a、1b同士をその端部において相互につなぎ合わせ、かつ、該棟包みmの幅端側壁m1および該幅端側壁m1につながるフランジ部m2に当接可能な一対の脚部1c、1dとで構成されている。ここに、棟包みmは、幅方向の中央部が最も高い山型形状をなすものを例として示してあり、ベース1の板状部材1a、1bは、その相互間において隙間が形成されることがないよう棟包みmの断面形状と同様の断面形状になっている。
【0020】
ベース1は、脚部1c、1dの下端に外方へ向けて屈曲させてフランジ部を形成し、このフランジ部を棟包みmのフランジ部m2の上に載置しビスあるいはドリルねじを介して固定することができる。ベース1を固定するに際しては板状部材1a、1bの内側辺にコーキングを施しておくのが好ましく、これにより雨水の侵入を確実に回避する。
【0021】
また、カバー体2は、貫通開口hの上方に位置する天板2aと、この天板2aの縁部に一体的につながりその下端が該板状部材1a、1bの上面に当接可能な一対の垂下周壁2b、2cと、該天板2aの縁部および垂下周壁2b、2cの端部にそれぞれ一体的につながり該脚部1c、1dを包囲する一対の側面周壁2d、2eとで構成されている。
【0022】
カバー体2は、側面周壁2d、2eの下端に外方へ向け屈曲させることによりフランジ部を形成し、このフランジ部をビス等の締結手段を介して屋根板材に固定する。ベース1、カバー体2は、いずれも単一の板材をプレス加工あるいは打ち抜き加工することによって成形することができる。
【0023】
また、3、4は、ベース1の板状部材1a、1bに設けられた水切り壁部である。この水切り壁部3、4は、カバー体2の垂下周壁2b、2cの内側において立ち上がり該板状部材1a、1bの全長にわたって伸延する帯状体にて構成されるものであって(図6参照)、板状部材1a、1bとカバー体2の垂下周壁2b、2cとの間を通り抜けた雨水が貫通開口hへ侵入するのを防止する機能を有している。
【0024】
太陽電池パネルの配線Sを屋根の棟包みmから建屋内に導入するに当たってその部位を配線格納ボックスに格納するには、図2に示すように、棟包みmの所定箇所に所定サイズの貫通開口hを設け、この貫通開口hが板状部材1a、1bの間に位置するようにベース1を棟包みmの外上面に配置、固定する。次いで、太陽電池パネルの配線Sを、ベース1の脚部1c、1dのいずれか一方(太陽電池パネルが配置される側)の上および貫通開口hを通して建屋内へと導入し、さらに配線Sの建屋内への導入を終えたならば、図3に示すように、ベース1にカバー体2を覆い被せて屋根板に固定すればよい。なお、既存の屋根の棟包みに貫通開口Sを設けるには、きり等を用いて棟包みに孔をあけるととも板金鋏(えぐり)で放射線状に切り目を入れ、金槌で孔をあけた部分を丁寧に内側に叩きいれたのちツカミで内側に折り曲げればよい。
【0025】
本発明の配線格納ボックスは、ベース1の、棟包みmへの配置、固定と、貫通開口hからの配線Sの導入と、ベース1への、カバー体2の取付けのみの簡単な作業で貫通開口h、配線Sを格納することが可能であり、効率的な施工が行える。
【0026】
カバー体2を取付けるに当たっては、図4に示すように、棟包みmの外表面、とりわけ貫通開口hおよび配線Sの周りと、水切り壁部3、4の内側および配線Sが通過することのない棟包みmの幅端側に、所定の押し代を確保することができる厚さに設定したコの字状あるいはU字状の止水材(例えば、発泡ポリエチレン、EPD発泡体等)5、6を配置しておくのが好ましく、これにより防水性をより一層高めることができる。
【0027】
また、屋根材が山部と谷部を交互に配列した波形形状を有しており、棟包みmと屋根板材の間に隙間が形成される場合には、その隙間には棟用の止水材(止め面戸)7を配置しておくこともできる。
【0028】
なお、止水材5、6、7を配置するにあたっては、その効果を確実に発揮させるため、図5図6に示すように棟包みm、ベース1との接触部分にコーキング材8を設けておくのが好ましい。
【0029】
図7は、本発明に従う格納ボックスの他の例を示した図である。ベース1としては、板状部材1a、1bおよび水切り壁部3、4を、棟包みmの幅方向沿って二つに分離可能とした組み合わせた構造体としたものである。
【0030】
ベース1を、組み合せ構造体とすることにより、既存の屋根等、棟包みの幅寸法に違いがあったとしても脚部1c、1dの相互間隔を適宜変更してその寸法に容易に対応させることができ、種々のサイズになるベース1を複数用意しておく必要がない利点がある。
【0031】
かかるベース1は、板状部材1a、1bの先端部1a1、1b1、水切り壁部3、4の先端部3a、4aを相互に重ね合わせて一体化するか、あるいは、一方の先端部に鞘部を設け、この鞘部にもう一方の先端に差し込んで一体化を図るようにしてもよく、この点については限定されない。
【0032】
なお、図示のものにはベース1を二つに分離可能に組み合わせたものを例として示したが、二つ以上に分離できるものであってもかまわない。
【0033】
図8は、ベース1の一端(水切り壁部3、4の端面および脚部1cまたは1d)に連係し、太陽電池パネルからベース1に至るまでの間の配線Sを覆い隠す屋根面カバー9を示した図である。
【0034】
この屋根面カバー9は、太陽電池パネルから棟包みmに至るまでの間の配線Sの上方に位置する天板9aと、この天板9aの幅端部に一体連結し、その内側に下向きに開放された凹所を区画形成する側壁9b、9cとを備えたもので構成されており、該天板9aの一端には、水切り壁部3、4の端面および脚部1cまたは1dの外周壁に連係可能な一対の壁部9d、9eと、この一対の壁部9d、9eの相互間を通過させて配線Sを格納ボックスの格納納区間へ誘導する切欠き凹所9fが形成されている。かかる屋根面カバー9は、棟包みm、屋根板材にビスやドリルねじを介して適宜固定される。
【0035】
前記屋根面カバー9を設置するには、格納ボックスのベース1を、棟包みmの外表面に設置、固定したのち、図9(a)(b)に示すように屋根面カバー9の側壁9b、9cの内面に接触させる止水材10を棟から軒に沿って敷設するとともに、ベース1の脚部1c、1dの直下に止水材7を配置する。そして配線Sを貫通開口hを通して建屋内に導入したのち、図10(a)(b)に示すように壁部9d、9eを水切り壁3、4の端面および脚部1cまたは1dの外周壁に連係させつつ止水材10に沿って配置すればよい。
【0036】
屋根面カバー9を備えた配線格納ボックスでは、図11(a)(b)に示すように該屋根面カバー9の設置後にカバー体2をベース1に被せることになるが、この場合、カバー体2の、屋根面カバー9が配置される側については、屋根面カバー9の上に重ねて配置するのがよく、これにより、屋根面カバー9の壁部9d、9e、切欠き凹所9fは、カバー体2の内側に位置することとなり、雨水に侵入を防止することができる。
【0037】
カバー体2の一部分が屋根面カバー9に重ねて配置する場合にあっては、垂下周壁2b、2cの下端と板状部材1a、1bとの間に隙間が形成されないよう側面周壁2d、2eの高さを適宜調整しておくことが肝要になる。
【0038】
また、カバー体2の下端と板状部材1a、1bとの間、側面周壁2d、2eと棟包みmの幅端側壁m1、フランジ部m2との間には、図12に示すようにコーキング材11を設けるのが好ましい。また、カバー体2の側面周壁2d、2eの下端には、図11(a)、図12に示す如く屋根面カバー9の側壁9b、9cの外表面に接触して該カバー体2の、屋根面カバー9に対する位置決めを行う垂下舌片2fを設けておくことができ、この垂下舌片2fによってカバー体2を簡単に、しかも正確に設置することが可能となる。
【0039】
図13は、本発明に従う太陽電池パネルの配線格納ボックスを適用して貫通開口hと配線Sをその内側に格納するとともに、太陽電池パネルPVから配線格納ボックスに至るまでの配線Sの全体を屋根面カバー9によって覆った状態を示した図である。
【0040】
本発明に従う配線格納ボックスによれば、太陽電池パネルPVの配線Sが外部に露出することがないため、屋根の美観あるいはデザイン性が損なわれることはなく、また、そのための施工も短時間で終えることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明によれば、太陽電池パネルと建屋内の機器とをつなぐ配線を効率的な施工のもとに格納可能であり、かつ、屋根の美観、デザイン性を損なうことのない格納ボックスが提供できる。
【符号の説明】
【0042】
1 ベース
1a、1b 板状部材
1c、1d 脚部
2 カバー体
2a 天板
2b、2c 垂下周壁
2d、2e 側面周壁
2f 垂下舌片
3、4 水切り壁部
3a、4a 先端部
5、6、7 止水材
8 コーキング材
9 屋根面カバー
9a 天板
9b、9c 側壁
9d、9e 壁部
9f 切欠き凹所
10 止水材
11 コーキング材
m 棟包み
m1 幅端側壁
m2 フランジ部
h 貫通開口
S 配線
PV 太陽電池パネル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13