(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、第1の実施形態を、
図1ないし
図9を参照して説明する。
【0010】
図9に直管形ランプ2灯用タイプの埋込形照明器具である照明器具10を示し、この照明器具10には2本の直管形ランプ20が用いられている。
【0011】
照明器具10は、天井面に埋め込み設置される下面開放形の長尺な器具本体11、この器具本体11の長手方向の両端に対向配置されて各直管形ランプ20の端部がそれぞれ装着される2組のソケット13,14、および器具本体11に配置されて直管形ランプ20を点灯させる点灯装置12を備えている。直管形ランプ20の一端側を装着する一端側のソケット13は非給電側であってアース側であり、直管形ランプ20の他端側を装着する他端側のソケット14は給電用である。なお、アース側のソケット13は、直管形ランプ20のアース接続と取り付けとを兼ねる場合、直管形ランプ20の取り付けのみを行う場合とがあり、いずれでもよい。
【0012】
ソケット13,14は、これらソケット13,14の先端面からアースピン42および給電ピン32を挿入し、直管形ランプ20の管軸を中心として90°回転させることにより装着する回転装着式が用いられている。
【0013】
また、
図9に示す点灯装置12は、商用交流電源が入力され、交流電力を直流電力に変換し、この直流電力を給電用のソケット14の一対の給電端子および直管形ランプ20の一対の給電ピン32を通じて光源ユニット22に供給する。そして、光源ユニット22の各半導体発光素子25が点灯し、各半導体発光素子25からの光が透光性カバー21を透過して照明器具10の下方の所定の照射方向へ照射される。
【0014】
図1に示すように、直管形ランプ20は、直管形蛍光ランプの発光管と同程度の管長および管径で直管形に形成されたチューブである直管カバーとしての透光性カバー21、この透光性カバー21内に収容された光源ユニット22、および透光性カバー21の両端部にそれぞれ設けられた口金40,30を備えている。直管形ランプ20の一端側の口金40はアース側のソケット13に装着される非給電側であるアース側であり、直管形ランプ20の他端側の口金30は給電用のソケット14に装着される給電用である。なお、アース側の口金40は、ソケット13に対してアース接続と取り付けとを兼ねる場合、ソケット13に対して取り付けのみを行う場合とがあり、いずれでもよい。
【0015】
図2は、直管形ランプ20から口金30,40を外したときの正面図である。なお、
図2は口金30が取り付けられる他端側から直管形ランプ20の端部を見たときの様子を示しているが口金40が取り付けられる一端側から見たときも同様の構成である。
【0016】
透光性カバー21は、透光性を有する材料で構成され、一端側および他端側の端部が開口した筒状に形成されている。内周面には長手方向に延びる凸状の突出部21aが対向する位置から互いに接近するように突設されている。
【0017】
光源ユニット22は、例えばLED素子やEL素子などの複数の半導体発光素子25が実装された複数の基板26、およびこれら基板26を取り付けた取付板としての金属プレート27を備えている。半導体発光素子25の実装方式には、LED素子の場合、基板26上にLEDチップが搭載された接続端子付きの複数のSMD(Surface MountDevice)パッケージを実装する方式や、基板26上に複数のLED素子を実装するCOB(Chip On Board)方式が用いられている。
【0018】
金属プレート27は、略半円筒状に形成されており、側縁部27aが突出部21aと係止されて透光性カバー21内の所定位置に収容されている。また、金属プレート27の中心部には透光性カバー21の端部から外方に臨んで一対の固定孔27b, 27bおよびこの固定孔27b, 27bと連通するように位置決め穴27cとが形成されている。金属プレート27の平面部27dには一面側に半導体発光素子25が実装された基板26が配設されている。平面部27dの側方には溝状27eが長手方向に形成されており、図示しないねじがこの溝状27eに取り付けられることで基板26が金属プレート27に固定され、基板26の他面側と平面部27dとが密接される。なお、透光性カバー21は少なくとも一部に透光部21bを有していればよく、半導体発光素子25から出射された光が透光部21bから出射するように基板26は金属プレート27に固定される。
【0019】
図3ないし
図5に示すように、給電用の口金30は底壁31a、底壁31aの周囲から環状に突設された側壁31bを備え一方が開放した有底筒状の本体部31を有している。この本体部31は、ポリカーボネート(PC)やポリブチレンテレフタレート(PBT)等の合成樹脂で構成される。その他、点灯中の温度とランプ保持に耐えうる材料であれば特に限定されない。
図3は、
図2のA-A断面における給電用の口金30側を示す一部断面図である。なお、以下の説明では口金と透光性カバー21とが対向する側を内側、照明器具に取り付けられた状態でソケットと対向する側を外側とする。
【0020】
底壁31aの外端面には、周囲よりも一段上がった段部31cが形成され、この段部31cから光源ユニット22に電気的に接続される給電用の一対の給電ピン32が突出されている。
【0021】
そして、口金30の内側には本体部31の内側から突出し給電ピン32を覆うピン支持部33および一対の固定部34,34が形成されている。また、固定部34には外側と内側とが連通する貫通孔35が設けられている。
【0022】
さらに、ピン支持部33と固定部34に対して連設されて一体化するように設けられた補強部36が形成されている。補強部36はピン支持部33と固定部34との間に設けられて本体部31を補強している。本実施形態の補強部36では、口金30の内側に突出するように形成されており、ピン支持部33と固定部34との間における本体部31の肉厚が厚くなるように口金30と一体的に設けられている。
【0023】
また、一対の固定部34,34の間には口金30の内側から位置決め突起37が突設されている。この位置決め突起37は、位置決め穴27cに嵌合することで金属プレート27に対して口金30を支持する。また、口金30が金属プレート27に支持された状態で口金30の外側から貫通孔35を通して金属プレートの固定孔27bに固定具38を取り付けることで口金30と金属プレート27とが固定される。このとき、透光性カバー21は金属プレート27および口金30に対して固定されておらず長手方向への移動が許容される。なお、
図3、
図5に示すように、口金30の内側には側壁31bから透光性カバー21の厚みよりも広い幅寸法で離間配置した一対の規制部39が設けられており、透光性カバー21に口金30を取りつける際に透光性カバー21を案内するとともに、取り付けた後に透光性カバー21の移動範囲を規制することができる。
【0024】
図6ないし8に示すように、接地用の口金40は底壁41a、底壁41aの周囲から環状に突設された側壁41bを備え一方が開放した有底筒状の本体部41、本体部41の外側中央部から突出するランプピンとしての一本のアースピン42を有している。
図6は、
図2のA-A断面における接地用の口金40側を示す一部断面図である。アースピン42は、軸部42aおよび軸部42aの先端に形成された楕円板状の先端部42b を有している。また、本体部41の内側には、内側から突出しアースピン42を覆うピン支持部43および一対の固定部44,44が形成されている。また、固定部44には外側と内側とが連通する貫通孔45が設けられている。さらに、ピン支持部43と固定部44に対して連設されて一体化するように設けられた補強部46が形成されている。補強部46はピン支持部43と固定部44とを接続するように設けられて、固定部44と同程度の突出寸法となっている。これによって、本体部41のピン支持部43と固定部44,44の領域を強固にしている。また、一対の固定部44,44の間には口金40の内側から位置決め突起47が突設されている。この位置決め突起47は、位置決め穴27cに嵌合することで金属プレート27に対して口金40を支持する。そして、口金40が金属プレート27に支持された状態で口金40の外側から貫通孔45を通して属プレート27の固定孔27bに固定具48を取り付けることで口金40と金属プレート27とが固定される。なお、口金40も口金30と同様に
図6、
図8に示すように、口金40の内側には側壁41bから透光性カバー21の厚みよりも広い離間寸法で配置した口金40内側の3箇所に規制部49が設けられており、透光性カバー21に口金40を取りつける際に透光性カバー21を案内するとともに、取り付けた後に透光性カバー21の移動範囲を規制することができる。この規制部49は、底壁41aから突設されてピン支持部43と一体的に設けられたリブ41cと一体化して設けられている。
【0025】
次に、直管形ランプ20の組み立て手順について説明する。
【0026】
まず、長尺の金属プレート27に半導体発光素子25が実装された複数枚の基板26を図示しない固定手段によって固定する。各基板はコネクタやリード線等の接続手段によって電気的に接続する。このとき、光源ユニット22の一方の端部が非給電側、他方の端部が給電側となる。このように構成された光源ユニット22を透光性カバー21の一方の開口部から挿入する。このとき、金属プレート27の側縁部27aが透光性カバー21の突出部21aと係止するように、すなわち対向する一対の突出部21a,21aと透光性カバー21の一部とで形成される空間に光源ユニット22を収容する。なお、透光性カバー21と光源ユニット22とは設計誤差、点灯時の透光性カバー21の熱収縮、組み立て性等を考慮し若干の隙間を有している。つまり、光源ユニット22と透光性カバー21とは固定されておらず相対的に若干の移動を許容するように構成されている。
【0027】
次に、口金30を光源ユニット22の給電側、口金40を非給電側に配設する。ここで、口金30を金属プレート27に取り付ける作業は、まず透光性カバー21に収容された金属プレート27の位置決め穴27cに対し、口金30の位置決め突起37を嵌合させる。これによって、口金30の貫通孔35と固定孔27bとが位置決めされる。そして、口金30の外側から貫通孔35を介して固定具38を固定孔27へ固定し、口金30を光源ユニット22に固定することで、口金30が透光性カバー21の他端に取り付けられる。なお、口金30の給電ピン32と光源ユニット22との電気的接続は、基板26に対して図示しないコネクタ手段を設けておいて、口金30の取り付け作業と同時に行ってもよいし、リード線等の接続手段によって予め接続しておいてもよい。
【0028】
そして、他端側についても同様に口金40を光源ユニット22に固定する。なお、アースピン42は、光源ユニット22と接地されていてもいなくてもよい。アースピン42が接地されていない場合、アースピン42は直管形ランプ20の機械的保持のみを行うことになる。
【0029】
なお、直管形ランプ20は、アースピン42の先端部42bの長手方向と、一対の給電ピン32が並ぶ方向とが一致されているとともに、これらの方向に平行な面と光源ユニット22の半導体発光素子25の発光面とが平行になるように設けられている。すなわち、直管形ランプ20がソケット13,14間に正しく装着された状態で、光源ユニット22の半導体発光素子25の発光面からの光を透光性カバー21の透光部から所定の照射方向に照射できるように設けられている。
【0030】
このように構成された、直管形ランプ20は光源ユニット22に対して口金30,40が固定具38,48で固定されているため、口金30,40の固定部34,44の強度が高くなる。しかしながら、給電ピン32およびアースピン42は口金30,40の外側に突出しているとともに固定部34,44と管径方向に離間しているため、給電ピン32またはアースピン42に負荷がかかった場合に給電ピン32、アースピン42の周囲に応力がかかりやすくなり、破損の恐れが高くなる。そこで、口金30,40を取り付けた状態で最も強度が高くなる固定部34,44と最も負荷がかかるピン支持部33,44とを連設して一体化するように補強部36,46を設けることによって、口金30,40が破損する等の不具合を抑制している。
【0031】
さらに、口金30,40の内側には位置決め突起37を設け、位置決め穴27cと嵌合する構成としたので、口金30,40を光源ユニット22に取り付ける際に、貫通孔35,45と固定孔27bとが位置あわせされることによって、固定具38,49の取り付けが容易になる。特に、本実施形態のように透光性カバー21と光源ユニット22および口金30,40は固定されておらず、透光性カバー21に対してそれぞれの移動がわずかに許容される場合には特に作業性が向上する。また、口金30,40と金属プレート27との接続強度が向上するという効果も期待できる。
【0032】
次に、第2の実施形態について、
図10、11を用いて説明する。なお、第1の実施形態とは補強部の構成が異なっており、その他の共通する構成については詳細な説明を省略する。
【0033】
第2の実施形態における給電用の口金300および接地用の口金400は、第1の実施形態と同様に、給電ピン332、アースピン342、ピン支持部333,443、固定部334,444、固定部334,444の内側に設けられる貫通孔335,445、位置決め突起337,447、規制部339,449を有している。補強部336,446は、本体部331,441の内側から所定幅のリブとして一体的に突出形成されており、ピン支持部333,443および固定部334,444と連設されて一体化するように設けられている。これによって、ピン支持部333,443の周囲の強度が向上し、口金の破損の恐れ等の不具合を抑制することができる。
【0034】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。