(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6137580
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年5月31日
(54)【発明の名称】着物用ハンガー
(51)【国際特許分類】
A47G 25/40 20060101AFI20170522BHJP
A47G 25/20 20060101ALI20170522BHJP
A47G 25/28 20060101ALI20170522BHJP
【FI】
A47G25/40 A
A47G25/20
A47G25/28 Z
【請求項の数】3
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2016-190319(P2016-190319)
(22)【出願日】2016年9月7日
【審査請求日】2016年10月25日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516291675
【氏名又は名称】サンフラッシュ有限会社
(72)【発明者】
【氏名】須▲崎▼ 和子
(72)【発明者】
【氏名】須▲崎▼ 大毅
【審査官】
石井 茂
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭49−045732(JP,U)
【文献】
特開2013−153944(JP,A)
【文献】
特開2013−176476(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 25/40
A47G 25/20
A47G 25/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
着物を手軽にクローゼットに収納する為に袖つけ部分で左右に折り畳みが出来る折り畳み部(5)と着物の袖部を保持する為の袖支持部材(2)を設けたハンガーにおいて、該袖支持部材(2)の一端に伸縮部材(4)を配置し、該伸縮部材(4)を本体(3)の両端に設けた中空部に挿入し、該伸縮部材(4)を左右に摺動させ、着物の袖つけ部分と前記折り畳み部(5)とを合致させるようにした事を特徴とする着物用ハンガー。
【請求項2】
前記本体(3)に着物を掛けた際に、襟ぐり部分に皺が寄ることを防ぐ為に、該本体(3)の中央部に凸部(7)を設けた事を特徴とする請求項1に記載の着物用ハンガー。
【請求項3】
前記袖支持部材(2)及び前記伸縮部材(4)の厚みを0.5mm〜5mmとした事を特徴とする請求項1、2に記載の着物用ハンガー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、あらかじめ腰揚げをした着物が皺になったり型崩れしたりせず、コンパクトに収納する為の着物用ハンガーに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の着物用ハンガーは着物の身頃の中心部分から後ろに二つ折りしてコンパクトに収納できるというハンガーである。
【0003】
特許文献2の着物用ハンガーは着物の後身頃と前身頃とを人が着た状態と同じ状態にして前面で重ね合わせておく事が出来、後身頃と前身頃とを張って伸ばした状態とする事が出来るのでハンガーに吊るしておいても着物の後身頃や前身頃に皺を生じないという着物用ハンガーである。このハンガーであれば腰揚げをした着物をつるしてもある程度の劣化は軽減できると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3131686号
【特許文献2】特開平9−28544
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の着物用ハンガーに、着物を吊るす際には、身頃の中心から後方に二つ折りして吊るすようにしてあるが、襟ぐりも二つ折にするため襟ぐりに皺が寄ってしまうという課題がある。
【0006】
特許文献2の着物用ハンガーは、後身頃と前身頃とを前面で合わせて伸ばした状態で着物を吊るすことが出来るが袖の部分の支えが無いため袖が垂れた状態で吊るすので袖に皺が寄るという課題がある。
【0007】
本発明は、このような従来の着物用ハンガーが有していた課題を解決しようとするものであり、着物をハンガーに掛けた状態でクローゼットに吊るしても、袖や襟ぐりに皺が寄らない着物用ハンガーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明では、このような従来の着物用ハンガーが有していた問題を解決する為に、着物を手軽にクローゼットに収納する為に、袖つけ部分で左右に折り畳みが出来る、折り畳み部と着物の袖部を保持する為の
袖支持部材を設けたハンガーにおいて、着物の肩幅の違いに適応できるように袖支持部材の一端に伸縮部材を配置し、該伸縮部材を本体の両端に設けた中空部に挿入し、該伸縮部材を左右に摺動させ、着物の袖つけ部分と前記折り畳み部とを合致させるようにしたものである。【0009】
また、
第2の課題解決手段は、前記着物用ハンガーの本体に着物を掛けた際に、襟ぐり部分に皺が寄ることを防ぐ為に、該本体の中央部に凸部を設けたものである。
【0010】
また、
第3の解決手段は、前記着物用ハンガーにおいて袖付け部分で折り畳んだ際に皺が寄ることを防止する為に袖支持部材と伸縮部材の厚みを0.5mm〜5.5mmとしたものである。
【発明の効果】
【0011】
上述した通り、本発明の着物用ハンガーは着物をハンガーに掛けたままクローゼットに吊るした状態でも袖や襟ぐり部分に皺が寄らず、且つ着物の着衣、脱衣、収納、保管が容易に行える着物用ハンガーを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図2】
図1に記載の着物用ハンガーの留め具を示すB部詳細横面図
【
図3】
図1に記載の着物用ハンガーの折り畳み具を示すA部詳細正面図
【
図5】
図4記載の着物用ハンガーの伸縮部材を示すC部詳細正面図
【
図6】本発明の着物用ハンガーの折り畳み状態を示す平面図
【
図7】本発明の着物用ハンガーの使用状態を示す正面図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の着物用ハンガー(1)の実施形態を
図1〜
図7に基づいて詳述する。
図1は、本発明の着物用ハンガー(1)の正面図であり、本体(3)は平棒状をしており、該本体(3)の両端部には中空部を設けている。符号2は略平棒状をした袖支持部材であり、該袖支持部材(2)の一端側に略平棒状をした伸縮部材(4)を折り畳み具(6)により取り付けている。
【0014】
前記、本体(3)の左右の中空部に前記伸縮部材(4)を挿入して着物用ハンガー(1)を構成する。該着物用ハンガー(1)に着物を掛けて使用するものであるが、着物の肩幅は、60cm〜65cmと大きさが違うものであり、袖付けの位置も異なるため前記伸縮部材(4)をスライドさせて折り畳み部(5)の位置を袖付けの位置に合わせて袖支持部材(2)を折り畳むようにする。
【0015】
図2は
図1のB部詳細横面図である。符号は固定具(8)であり、前記袖支持部材(2)の両端部は本体(3)の中央部で先端部分が重なるようになっており、該重なり部を該固定具(8)によって前記袖支持部材(2)が開かないように固定する。
【0016】
図3は
図1のA部詳細正面図であり、折り畳み具(6)を示しており、折り畳み具(6)は実施例では蝶番を使用しているが、折り畳むことが可能な部材であればその限りではない。
【0017】
図4は本発明の着物用ハンガー(1)の背面図であり、符号7は、略半円柱状をした凸部であり、該着物用ハンガー(1)の中央部に設けてある。着物の襟ぐり部分はハンガーに掛けた際に伸張しておらず皺がよってしまう為、本体(3)の中央部に凸部(7)を設け、着物の襟ぐり部分を伸張状態に保持し皺が寄ることを防止するものである。
【0018】
図5は
図4のC部詳細正面図である。前記伸縮部材(4)には長穴(9)を設け、前記本体(3)の中空部の端部には貫通穴を設けている。前記伸縮部材(4)を前記中空部に挿入し前記貫通穴及び長穴(9)に留め具(10)を挿通すれば、前記伸縮部材(4)を外側にスライドさせても留め具(10)によって前記伸縮部材(4)が本体(3)から脱落する事がない。
【0019】
図6は、着物用ハンガー(1)の折り畳み状態を示す平面図であり、前記袖支持部材(2)を折り畳んでいる途中の状態である。
【0020】
図7は着物用ハンガー(1)に着物を掛けた使用状態を示す図であり、着物の前身頃と後見頃を前記本体(3)に掛け、袖部を袖支持部材(2)に掛けることで袖部をたるまないように支持する。袖付け部で折り畳めば全幅がクローゼットに収納できるサイズになるので着物を掛けた状態で保管でき脱衣、着衣、収納が容易になる。
【符号の説明】
【0021】
1 着物用ハンガー
2 袖支持部材
3 本体
4 伸縮部材
5 折り畳み部
6 折り畳み具
7 凸部
8 固定具
9 長穴
10 留め具
【要約】
【課題】従来の着物用ハンガーは、コンパクトに収納できない事やハンガーに掛けて収納していた際に袖や襟ぐり部分に皺が寄ってしまう問題点があった。それは、着物事態が繊細な物であり、従来の着物用ハンガーは襟ぐりを二つ折りして吊るしたり、袖部分の支えが無いまま吊るしたりする為である。
【解決手段】着物の袖部を袖支持部材(2)により支持し、袖付け部分で折り畳むようにした事で袖に皺が寄る事を防ぐことが出来る。また、襟ぐりを二つ折りにせずに吊るし、着物用ハンガー(1)に設けた凸部(7)により襟ぐり部分を伸張状態に保持することで襟ぐり部分に皺が寄る事を防止する事ができる。
【選択図】
図1