特許第6137584号(P6137584)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6137584
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年5月31日
(54)【発明の名称】充填包装機
(51)【国際特許分類】
   B65B 51/26 20060101AFI20170522BHJP
   B65B 51/10 20060101ALI20170522BHJP
   B65B 9/087 20120101ALI20170522BHJP
【FI】
   B65B51/26
   B65B51/10 220
   B65B9/087
   B65B51/10 M
   B65B51/10 A
【請求項の数】5
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-512124(P2016-512124)
(86)(22)【出願日】2015年10月1日
(86)【国際出願番号】JP2015077894
(87)【国際公開番号】WO2016052689
(87)【国際公開日】20160407
【審査請求日】2016年3月4日
(31)【優先権主張番号】特願2014-203563(P2014-203563)
(32)【優先日】2014年10月2日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000206233
【氏名又は名称】大成ラミック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001542
【氏名又は名称】特許業務法人銀座マロニエ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木暮 秀則
(72)【発明者】
【氏名】志田 敏昭
【審査官】 植前 津子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−169991(JP,A)
【文献】 特開2014−058338(JP,A)
【文献】 特開2003−175914(JP,A)
【文献】 特開2011−136773(JP,A)
【文献】 特開2008−273539(JP,A)
【文献】 特開2000−203530(JP,A)
【文献】 特開2005−138844(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 51/10−51/30
B65B 9/00−9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原反ロールから繰り出し走行される包装用フィルムを、接着層もしくはシーラント層が対向するように中央部で折り返し、その側縁部分に、包装用フィルムの長手方向に連続的に縦シール部を形成して筒状とする縦シール手段と、
該筒状の包装用フィルム内に液状の被包装物を充填しながら、包装用フィルムの長手方向に直交する方向に、包装用フィルムの全幅にわたって延在する横シール部を、包装用フィルムの長手方向に間隔をおいて形成して包装体を形成する横シール手段と、
を備え、前記縦シール部上に易剥離シールされてなる注出通路を有する包装体を製造するための充填包装機において、
前記縦シール手段は、第1縦シール部形成部と第2縦シール部形成部とを有し、
該第1縦シール部形成部によって包装用フィルムの側縁部分に連続的に易剥離シール部を形成した後、第2縦シール部形成部によって、該易剥離シール部上に一部にビン口形の非シール部分を有する縦シール部を形成するものであり、
かつ、前記第1縦シール部形成部は、少なくとも一方の表面が金属よりも軟質の弾性材料によって形成されていると共に、温度調整によって前記包装体の被包装物の充填スペースへの押圧によって剥離可能な2〜10N/15mmの融着強度を有する前記易剥離シール部の形成を可能とする一対のヒートシールロールまたはヒートシール板を有し
前記第2縦シール部形成部は、ビン口形の切欠きを有するヒートシールバーが設けられた一対のヒートシールロールまたはヒートシール板からなり、前記縦シール手段が、前記第2縦シール部形成部の後方位置に、第2縦シール部形成部によって形成されたシール部間をヒートシールするための第3縦シール部形成部を有していることを特徴とする充填包装機。
【請求項2】
前記第1縦シール部形成部は、一方の表面が金属よりも軟質の弾性材料からなり、他方が金属材料によって構成されてなる一対のヒートシールロールまたはヒートシール板からなり、金属材料からなる該ヒートシールロールまたはヒートシール板の表面が、研磨加工、ブラスト加工または孔加工されていることを特徴とする請求項1に記載の充填包装機。
【請求項3】
前記縦シール部が背貼り接合部であると共に、
前記横シール手段が、第1横シール部形成部と第2横シール部形成部とを有し、
該第1横シール部形成部および第2横シール部形成部の少なくとも一方は、少なくとも背貼り接合部側の表面が金属よりも軟質の弾性材料によって形成されてなる一対のヒートシールロールまたはヒートシール板を有していることを特徴とする請求項1または2に記載の充填包装機。
【請求項4】
前記第1横シール部形成部および第2横シール部形成部の少なくとも一方は、一方の表面が金属よりも軟質の弾性材料からなり、他方が金属材料によって構成されてなる一対のヒートシールロールまたはヒートシール板からなり、該金属材料からなるヒートシールロールまたはヒートシール板の表面に、包装用フィルムの走行方向に対し垂直な方向に延在する溝加工が施されていることを特徴とする請求項に記載の充填包装機。
【請求項5】
前記金属よりも軟質の弾性材料が、2層以上の積層構造を有することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の充填包装機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、縦シール部上に易剥離シールされた注出通路を設けてなる包装体を製造するための充填包装機に関するものである。
【0002】
軟質の包装用フィルムを袋状に成形し、飲食物、調味液、医薬品、化粧品等の液状物、粘稠物もしくは粉、粒状物、その他の被包装物を充填包装した包装袋が広く利用されている。このような包装袋からの被包装物の取り出しを容易にするため、特許文献1には、注出口部分に易剥離開封性シール部を設けてなる包装袋が開示されている。
【0003】
また、出願人は特許文献2において、合掌状の背貼り接合部に易剥離シールが形成された被包装物の注出通路を設けると共に、該背貼り接合部を中心として2つに折り畳んだ状態で被包装物の充填スペースを押圧することで、小さな押圧力で簡単に前記易剥離シールを開封し、被包装物を注出することのできる包装袋を提案している。
【0004】
このような包装袋への易剥離シール部の形成方法としては、例えば、包装用フィルムのシーラント層表面にプラズマ照射処理を行ってその表面の濡れ性を向上させ、包装用フィルム同士の融着を抑制する方法(特許文献3)や、包装用フィルムのヒートシール面にインク塗膜層を形成する方法等が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−227796号公報
【特許文献2】特開2013−169991号公報
【特許文献3】特開2014−058338号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献3の方法では、プラズマ照射に必要な機器が高価であることや、プラズマ照射処理にバラツキが発生してしまうことに問題があり、またインク塗膜層を形成する方法では、被包装物にインクが混入するおそれがあり、とくに被包装物が飲食物である場合には使用することができなかった。
【0007】
また、特許文献2記載の包装袋では、背貼り接合部に設けた注出通路のみに正確に易剥離部を形成する必要があるが、従来の方法はいずれも精度が低く、他の部分まで易剥離処理されてしまったり、易剥離強度のコントロールが難しく、該易剥離部分から破袋が生じ、液漏れ等するおそれがあり、とくに充填包装機に適用し、高速充填包装することには至っていない。
【0008】
さらに、特許文献2の包装体を従来の3方もしくは4方シール型の充填包装機で製造しようとすると、背貼り接合部を一方に倒した状態で横シールを行うことから、背貼り接合部分(包装用フィルム4枚)と、その他の部分(包装用フィルム2枚)とに厚み差があるため、均一に融着接合させることができず、厚みの大きい背貼り接合部分のみが融着されて、その他の部分から液漏れが発生したり、厚み差を緩和するため強い押圧力が必要になる等の問題点があった。
【0009】
そこで、本発明では、高価な機器を使用する必要がなく、縦シール部に設けた注出通路のみに正確に易剥離シール部を形成することができる充填包装機を提供することを目的とし、さらには、引用文献2に示すような縦シール部が背貼り接合部からなる包装体を製造するため、包装袋の上側および下側横シール部を高い融着強度で均一に接合することができる横シール手段を有する充填包装機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的の実現に向けた研究の中で、発明者は、原反ロールから繰り出し走行される包装用フィルムを、接着層もしくはシーラント層が対向するように中央部で折り返し、その側縁部分に、包装用フィルムの長手方向に連続的に縦シール部を形成して筒状とする縦シール手段と、該筒状の包装用フィルム内に液状の被包装物を充填しながら、包装用フィルムの長手方向に直交する方向に、包装用フィルムの全幅にわたって延在する横シール部を、包装用フィルムの長手方向に間隔をおいて形成して包装体を形成する横シール手段と、を備え、前記縦シール部上に易剥離シールされてなる注出通路を有する包装体を製造するための充填包装機において、前記縦シール手段は、第1縦シール部形成部と第2縦シール部形成部とを有し、該第1縦シール部形成部によって包装用フィルムの側縁部分に連続的に易剥離シール部を形成した後、第2縦シール部形成部によって、該易剥離シール部上に一部にビン口形の非シール部分を有する縦シール部を形成するものであり、かつ、前記第1縦シール部形成部は、少なくとも一方の表面が金属よりも軟質の弾性材料によって形成されていると共に、温度調整によって前記包装体の被包装物の充填スペースへの押圧によって剥離可能な2〜10N/15mmの融着強度を有する前記易剥離シール部の形成を可能とする一対のヒートシールロールまたはヒートシール板を有し、前記第2縦シール部形成部は、ビン口形の切欠きを有するヒートシールバーが設けられた一対のヒートシールロールまたはヒートシール板からなり、前記縦シール手段が、前記第2縦シール部形成部の後方位置に、第2縦シール部形成部によって形成されたシール部間をヒートシールするための第3縦シール部形成部を有していることが有効であることを突き止め、本発明を開発するに到った。
【0011】
なお、本発明の充填包装機については、さらに下記のような構成にすることがより好ましい解決手段となる。即ち、
(1)前記第1縦シール部形成部は、一方の表面が金属よりも軟質の弾性材料からなり、他方が金属材料によって構成されてなる一対のヒートシールロールまたはヒートシール板からなり、金属材料からなる該ヒートシールロールまたはヒートシール板の表面が、研磨加工、ブラスト加工または孔加工されていること
(2)前記縦シール部が背貼り接合部であると共に、前記横シール手段が、第1横シール部形成部と第2横シール部形成部とを有し、該第1横シール部形成部および第2横シール部形成部の少なくとも一方は、少なくとも背貼り接合部側の表面が金属よりも軟質の弾性材料によって形成されてなる一対のヒートシールロールまたはヒートシール板を有していること、
)前記第1横シール部形成部および第2横シール部形成部の少なくとも一方は、一方の表面が金属よりも軟質の弾性材料からなり、他方が金属材料によって構成されてなる一対のヒートシールロールまたはヒートシール板からなり、該金属材料からなるヒートシールロールまたはヒートシール板の表面に、包装用フィルムの走行方向に対し垂直な方向に延在する溝加工が施されていること、
)前記金属よりも軟質の弾性材料が、2層以上の積層構造を有すること、
である。
【発明の効果】
【0012】
この発明の充填包装機によれば、まず第1縦シール部形成部によって包装用フィルムの、重ね合わせた側縁部分に易剥離シール部を形成した後、該易剥離シール部分を、第2縦シール部形成部によってビン口形の注出通路を残して高い強度でシールすることで、縦シール部上に注出通路を形成することができると共に、該注出通路内だけを易剥離シールされた状態とすることができる。
【0013】
しかも、この発明では、前記第1縦シール部形成部が、一対のヒートシールロールまたはヒートシール板からなり、それら一対のヒートシールロールまたはヒートシール板のうちのいずれか一方または両方の表面を金属よりも軟質の弾性材料によって構成したことにより、包装用フィルムに対する挟持力(押圧力)を小さくすることができるため、ヒートシールロールあるいはヒートシール板間のクリアランスと温度を調整することで簡単かつ安定して易剥離シール部を形成することができる。
【0014】
なお、前記第1縦シール部形成部を、一方の表面が金属よりも軟質の弾性材料からなり、他方が金属材料によって構成されてなる一対のヒートシールロールまたはヒートシール板によって構成する場合には、金属材料からなるヒートシールロールまたはヒートシール板の表面に研磨加工、ブラスト加工または孔加工をすることが好ましく、これによれば包装用フィルムへの接触面積が小さくなるため、包装用フィルムへの押圧力および熱の伝わりが弱くなり、易剥離シール部をより安定して形成することができる。
【0015】
また、この発明では、第2縦シール部形成部をビン口形の注出通路を形成するための縦シール手段とし、その後方位置に第3縦シール部形成部を設けて、該第2縦シール部形成部によって形成された縦シール部間をヒートシールできるようにすることで、製造する製品の縦方向長さ(製品ピッチ)に合わせて、適宜、縦シール部長さを変更できるようになり、製品ピッチに合わせて装置を取り替える必要がなく、製品ピッチの異なる各種の製品を同じ装置を使って製造することができる。
【0016】
さらに、この発明では、縦シール部が背貼り接合部からなる場合において、横シール手段を第1横シール部形成部と、第2横シール部形成部とによって構成し、第1横シール部形成部および第2横シール部形成部の少なくとも一方を、少なくとも背貼り接合部側の表面が金属よりも軟質の弾性材料からなる一対のヒートシールロールまたはヒートシール板によって構成することで、横シールする際に、背貼り接合部が弾性材料に埋め込まれて、厚みの異なる背貼り接合部(包装用フィルム4枚)とその他の部分(包装用フィルム2枚)との厚み差が緩和されることになり、該横シール手段によって包装袋の上側および下側横シール部を均一かつ強固に融着接合させることができる。
【0017】
また、前記第1横シール部形成部および第2横シール部形成部の少なくとも一方を、一方の表面が金属よりも軟質の弾性材料からなり、他方が金属材料によって構成されてなる一対のヒートシールロールまたはヒートシール板によって構成し、金属材料からなる該ヒートシールロールまたはヒートシール板の表面に、包装用フィルムの走行方向とは垂直な方向に延在する溝加工を施すことにより、横シール部内に噛み込まれた被包装物や気泡を押し出すことができると共に、面圧の上昇により、凸部のエッジ部分における線圧力が高くなり、縦シール部と重なる横シール部の部分の上下端部をしっかりと融着させることができる。
【0018】
なお、前記金属よりも軟質の弾性材料を、基材と被覆材との2層以上の積層構造によって構成した場合には、基材の変形や摩耗等を被覆材によって抑制することができるので、種々の基材を用いることができると共に、ヒートシールロールまたはヒートシール板を長期に亘って使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】この発明の充填包装機の一実施形態としての縦型充填包装機の構成を示す図である。
図2】縦シール部上に易剥離シール部を有する注出通路を形成する方法を説明する図である。
図3】(a)は、第1横シール部形成部および第2横シール部形成部のヒートシールロールの構成の一実施形態、および(b)は、第2横シール部形成部の金属材料からなるヒートシールロールの表面形状を示す図である。
図4】(a)は、第1横シール部形成部および第2横シール部形成部のヒートシールロールの構成を示す他の実施形態および(b)は第1横シール部形成部の弾性材料部分を拡大して示す断面図である。
図5】第3横シール部形成部を用いた場合の縦シール部の形成状態を示す図である。
図6】易剥離シール部の開封強度の試験態様を例示する図である。
【0020】
図1は、本発明の充填包装機の一実施形態としての縦型充填包装機の構成を示す模式図である。図1の縦型充填包装機は、例えば、2軸延伸したナイロンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム等からなるベースフィルム層と、例えば各種ポリエチレン樹脂等からなるシーラント層とを積層した積層フィルムからなる1枚の長尺の包装用フィルムをその長手方向に連続的に走行させながら、そのシーラント層が互いに向かい合わせになるように幅方向に折り返してその両側縁部同士を重ね合わせて、その包装用フィルムから多数の包装袋を連続的に製袋しつつ、各包装袋内に飲食物、調味料、医薬品、化粧品その他の液状ないし粘稠状あるいはゼリー状等の流動性物質からなる被包装物を自動的に充填するものである。
【0021】
図1に示す充填包装機では、図示しないフィルムロールから連続的に繰出されて走行する1枚の長尺の包装用フィルムFをフィルム案内部1を介して上方から下方へ連続的に走行させながら、その走行中にU字状および逆L字状のガイドロッド(上部)からなるフィルム折返し部2で案内しつつ、包装用フィルムFをそのシーラント層が互いに向かい合わせになるように幅方向に折り返して、包装用フィルムFの両側縁部同士を重ね合わせる。
【0022】
次に、第1縦シール部形成部3において、図2(a)に示すように包装用フィルムFの折り返して重ね合わせた両側縁部同士を一対の縦シールロール3aによって包装用フィルムFの長手方向(縦方向)に連続的に加熱および加圧して易剥離シール部4aを形成して筒状とする。なお、易剥離シール部4aは、包装用フィルムFの両側縁端から一定の幅で設ける他、両側縁端から離隔した位置に線状に設けることや、縦縞状に設ける等、適宜変更することができる。第1縦シール部形成部3としては、一対のシールロールの他、一対のシール板を用いてもよい。
【0023】
ここで易剥離シール部4aとは、袋内の被包装物の流出を抑制することができる一方、袋内の被包装物の充填スペースへの押圧によって簡単に剥離できる、2〜10N/15mmの融着強度を有するものである。このような易剥離シール部4aは、一対の縦シールロール3aの温度、圧力等を調整することで形成することができるが、従来は、金属製の一対の縦シールロールを用いていたため、好適な温度範囲が1〜2℃と狭く、その調整が非常に難しかった。これに対し、本発明では、一対の縦シールロール3aの、少なくとも一方の表面を金属よりも軟質の弾性材料(以下、単に「弾性材料」と言う。)によって構成したことにより、一対の縦シールロール3a同士の押圧力を極低圧(0〜15MPa程度)とすることができるため、該縦シールロール3aの温度や一対の縦シールロール間のクリアランス等を調整することで、易剥離強度を調整しながら、易剥離シール部4aを安定して形成することができる。
【0024】
一対の縦シールロール3aは各々、その外周面上に1つの環状フランジを有するとともに、その内部に環状フランジを加熱する図示しないヒータを有するが、縦シールロール3aが弾性材料からなる場合には、熱伝導率が小さいため、縦シールロール3a内部と外表面との温度差が大きくなってしまう。そのため、縦シールロール3aのヒータ温度は、該ロール3a表面の温度を、放射温度計や赤外線カメラ等を利用して測定し、該測定値に基づいて調整することが好ましい。なお、弾性材料としては、シリコンゴム、フッ素ゴム、エチレンプロピレンゴム、ハイパロンゴム、ニトリルブタジエンゴム等のゴム材料や、ポリテトラフルオロエチレン、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド、ポリエステル等からなり、弾性率が金属よりも低いものであればどのようなものでもよい。なお、厚みは1.0〜5.0mmであることが好ましい。
【0025】
また、一対の縦シールロール3aのいずれか一方を金属材料によって構成した場合には、金属材料からなる縦シールロール3aの表面に研磨加工やブラスト加工、φ0.2〜0.8mm程度の孔加工を施して、包装用フィルムFへの接触面積を小さくすることが好ましく、これによれば、縦シールロール3aからの押圧力および熱の伝わりが弱くなり、易剥離シール部4aの形成に際する温度や押圧力等の調整が容易になる。
【0026】
次に、第2縦シール部形成部5において、先に形成した易剥離シール部4a上を一対の縦シールロール5aによって連続的に加熱および加圧して、包装体として必要とされるヒートシール強度(40N/15mm以上 ナイロン厚み15μm/直鎖状低密度ポリエチレン厚み40μmの場合)を有する縦シール部4bを形成する。
【0027】
なお、この一対の縦シールロール5aの表面には、一定の間隔をおいてビン口(くち)形の切欠きが形成されてなり、これによって該切欠き位置には縦シール部4bが形成されないことから、図2(b)に示すように、包装用フィルムFの側縁部分に、縦シール部4bと、ビン口形の易剥離シール部4aを持つ注出通路20とが交互に形成されることになる。なお、図2(b)では、ビン口形の注出通路20が包装用フィルムFの側縁に向かって先細りの形状となっているが、これに限定されるものではなく、例えば同幅や先太り形状等であっても良い。
また、この第2縦シール部形成部5もまた、一対のシールロールの他、一対のシール板を用いてもよい。
【0028】
なお、第2縦シール部形成部5は、例えば充填包装機のメインコンピュータとして機能する制御手段に入力された包装用フィルムFの走行速度や第1縦シール部形成部3の回転数、ヒートシールバーの長さや製品ピッチなどの生産条件に基づいて、駆動モータを回転制御させることにより適宜の長さに形成することができる。
【0029】
この実施形態においては、筒状とした包装用フィルムF内に、フィルム折返し部2から例えば2本のガイドロッド(下部)18を挿入し、それらのガイドロッド(下部)18で、包装用フィルムFをその走行方向に対して垂直な方向に広げて、縦シール部4bを中央部(背貼り接合位置)に位置させた後、被包装物供給部6から被包装物を、筒状に形成した包装用フィルムFの内側へ連続的に、または所定量ずつ間欠的に充填する。
【0030】
また、背貼り接合部として位置する縦シール部4bを、いずれか一方側へ倒し、その状態で第1横シール部形成部7において、包装用フィルムFをその長手方向に一定間隔をおいて、一対の横シールロール7aによって全幅に亘り加熱しつつ加圧して互いに溶着させて、間欠的に横シール部8を形成する。その後、第2横シール部形成部9の一対の横シールロール9aで、横シール部8を再押圧して該横シールを確実なものとし、これにより多数の包装袋Wを包装用フィルムFの長手方向へ繋がった状態で連続的に製袋する。なお、第1横シール部形成部7の横シールロール7aによる加熱温度は、第2横シール部形成部9の横シールロール9aによる加熱温度よりも高く設定することが好ましい。次いで、連続包装された包装袋Wの、横シール部8の略中間部を切断部10によって切断することで、個々の包装袋Wが得られることになる。なお、第1横シール部形成部7および第2横シール部形成部9としてはそれぞれ、一対の横シールロールの他、一対の横シール板を用いてもよい。
【0031】
ここで、前記一対の横シールロール7aおよび9aの少なくとも一方は、少なくとも背貼り接合部となる縦シール部4b側の横シールロールの外周面から突設した複数のシールバー17、19の表面が弾性材料11からなることが好ましい。図3(a)では一実施形態として、一対の横シールロール7aおよび9aの背貼り接合部側となる複数のシールバー17、19(図では4方)の表面が弾性材料11からなり、他方側の対応する複数のシールバー17’、19’(図では4方)が金属材料からなる場合を示している。これによれば、背貼り接合部となる縦シール部4bを一方へ折り倒した状態で、筒状の包装用フィルムF上に包装袋の上端部および下端部となる横シール部8を形成する際に、4枚の包装用フィルムFが重なってなる縦シール部4b(背貼り接合部分)が、弾性材料からなるヒートシールロールまたはヒートシール板の表面に埋め込まれることになり、包装用フィルムFの他の部分との厚み差が緩和され、押圧力を高くすることなく、均一かつ強固に横シール部8を形成することができる。なお、弾性材料11としては、シリコンゴム、フッ素ゴム、エチレンプロピレンゴム、ハイパロンゴム、ニトリルブタジエンゴム等のゴム材料や、ポリテトラフルオロエチレン、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド、ポリエステル等、弾性率が金属材料よりも低いものであればよい。また、厚みは1.0〜5.0mmであることが好ましい。
【0032】
なお、図3(b)に拡大して示したように、第2横シール部形成部9の、横シールロール9aの金属材料からなるシールバー19’の表面に包装用フィルムFの走行方向とは垂直な方向に溝加工12を施すことが好ましく、これによれば、シールバー19’の面圧の上昇により、横シール部8内に噛み込まれた被包装物や気泡を押し出すことができると共に、横シールロール9aのシールバー19’エッジ部分における線圧力が高くなるため、縦シール部4bと重なる横シール部8部分の上下端部をしっかりと融着させることができる。
【0033】
横シールロール7aおよび9aの他の実施形態を図4に示す。この実施形態の第1横シール部形成部7を形成する一対の横シールロール7aは、背貼り接合部側となるシールバー17の表面がポリテトラフルオロエチレン等の弾性材料11からなり、他方側の対応する複数のシールバー17’が金属材料からなり、一方、第2横シール部形成部9を形成する一対の横シールロール9aのシールバー19、19’はいずれも金属材料からなる。また、横シールロール9aの背貼り接合部側のシールバー19の表面には、図3(b)に示すような包装用フィルムFの走行方向とは垂直な方向に溝加工12が施されている。
【0034】
これによれば、上記と同様に、第1横シール部形成部7の一対の横シールロール7aの、弾性材料からなるシールバー17による効果によって均一かつ強固に横シール部8を形成することができ、該横シール部8は、さらに第2横シール部形成部9の金属材料からなる一対の横シールロール9aによって、横シール部8内に介在する被包装物を押し出しながら加熱・加圧されるため、シール強度を一層向上させることができる。
【0035】
なお、横シールロール7aのシールバー17表面の弾性材料11は、その断面を図4(b)に拡大して示したように、基材21と、該基材21を被覆するための被覆材22との積層構造とすることもできる。また、被覆材22を、図4(b)に示すように積層構造(図では2層:22a、22b)としてもよい。この場合、例えば、トリフルオロエチレン等の弾性材料からなる基材21上に、被覆材22aとしてPET層等を積層して、基材21の変形や摩耗等を抑制し、最外層となる被覆材22bには、フッ素含浸層等を積層して、挟持する包装用フィルムの摩耗や破袋等を抑制すると共に、包装用フィルムとシールバー17との付着を防止する等、基材21の種類や包装用フィルムの種類等の様々な条件に合わせて被覆材22を適宜選定することが好ましい。これにより、種々の基材21を用いることができると共に、ヒートシールロールやヒートシール板を長期に亘って使用することができるようになる。なお、上記した縦シールロール3aに用いられる弾性材料11についても、基材21と被覆材22とからなる積層構造とすることができ、上記と同様の作用効果が期待できる。
【0036】
また、本発明では、第2縦シール部形成部5の後方位置に第3縦シール部形成部を設けることが好ましく、この場合には、例えば第2縦シール部形成部5の縦シールロール5a表面にビン口形の切欠きを有するヒートシールバーを設けて、そのヒートシールバーを、図5に示すように一定の間隔でビン口形の注出通路20を有する縦シール部4bを形成するためのシール手段として機能させ、第3縦シール部形成部を、その縦シール部4b間に生じた隙間13を覆うようにヒートシールして各縦シール部4bを繋ぐ、繋ぎシール部14を形成するためのシール手段として機能させる。
この場合には、第3縦シール部形成部によるヒートシール部の長さを適宜変更することで、製造する製品の縦方向長さ(製品ピッチ)に合わせて装置を取り替える必要がなく、製品ピッチの異なる各種の製品を同じ装置を使って製造することができる。
【0037】
なお、第3縦シール部形成部は、例えば充填包装機のメインコンピュータとして機能する制御手段に入力された包装用フィルムFの走行速度や第2縦シール部形成部5の回転数、ヒートシールバーの長さや製品ピッチなどの生産条件に基づいて、駆動モータを回転制御させることにより適宜の長さに縦シール部を形成することができる。
【実施例】
【0038】
第1ヒートシールロール(金属製ヒートシールロールと、表面がシリコンゴムからなるヒートシールロールとの組み合わせ)と第2ヒートシールロール(一対の金属製ヒートシールロール)を用いて下記の各条件下で、包装体Wの縦シール部4bからなる背貼り接合部上に、易剥離シール部4aを有する注出通路20を形成した。
なお、包装体Wはいずれも、袋幅:54mm、袋ピッチ:50mm(上下横シール部:6mm×2を含む、内寸38mm)であり、被包装物として水を5g充填した。
各包装体Wについて、図6に示すように平坦な下面板15上に背貼り接合部(縦シール部4b)を中心として2つに折り畳んで載置するとともに、これを平坦な上面板16によって注出通路20内の易剥離シール部4aが剥離するまで押圧することにより開封強度を測定した。その結果を表1および2に示す。なお、評価基準は下記とした。
×:液漏れ発生
△:2.0kgf未満
〇:2.0kgf以上5.0kgf未満
▲:5.0kgf以上
【0039】
(条件1)
包装用フィルム:NY15μm/LLDPE40μm
シリコンゴム:厚み3mm、硬度90度
充填速度:12m/min
第1ヒートシールロールのロール間距離:調整なし
(条件2)
包装用フィルム:NY15μm/LLDPE40μm
シリコンゴム:厚み3mm、硬度90度
充填速度:12m/min
設定温度:95℃
第1ヒートシールロールのロール間距離:調整あり
シール幅:2.4mm、1.0mm、0.5mm
第1ヒートシールロールの押圧力 :調整あり
上記において、ロール間距離がマイナスとなっているのは、金属ロールがゴムロールに食い込んだ状態を示している。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
上記実施形態の充填包装機によれば、表1の結果から、易剥離シール部4aの形成可能な温度幅が広く、ヒートシール温度を調整することで安定して易剥離シール部を形成することができることがわかった。また表2の結果から、ロール間のクリアランス調整を行うことにより低い押圧力で易剥離シール部を形成することができること、また押圧力を上げることでロール間のクリアランス調整を行わなくても易剥離シール部を形成することができることがわかった。
【符号の説明】
【0043】
1 フィルム案内部 2 フィルム折返し部 3 第1縦シール部形成部 3a 縦シールロール 4a 易剥離シール部 4b 縦シール部 5 第2縦シール部形成部 5a 縦シールロール 6 被包装物供給部 7 第1横シール部形成部 7a 横シールロール 8 横シール部 9 第2横シール部形成部 9a 横シールロール 10 切断部 11 弾性材料 12 横シールロール表面 13 隙間 14 繋ぎシール部 15 下面部 16 上面部 17、17’ シールバー 18 ガイドロッド 19、19’ シールバー 20 注出通路 21 基材 22、22a、22b 被覆材 F 包装用フィルム W 包装袋
図1
図2
図3
図4
図5
図6