(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記エンジン(E)とエンジン(E)を循環する冷却水を冷やすラジエータ(50)の間に、駆動状態と停止状態に切換可能な外気吸入用のラジエータファン(20)と駆動状態と停止状態に切換可能な排気用の排塵ファン(30)を配置し、前記酸化触媒装置(11)の後側部とガイドプレート(42)の間に形成されてラジエータファン(20)によって吸引された外気が通過する上流口(A1)、通過口(A2)及び下流口(A3)のうち、最もラジエータファン(20)の送風の流れ方向で上流側の上流口(A1)を、通過口(A2)及び下流口(A3)よりも大きく形成した請求項1記載の作業車輌の原動部構造。
前記ガイドプレート(42)における通過口(A2)と、この通過口(A2)よりも前記ラジエータファン(20)の送風の流れ方向で下流側の下流口(A3)の間の部位を、正面視において左側下りの傾斜姿勢に形成した請求項2記載の作業車輌の原動部構造。
前記ラジエータファン(20)と排塵ファン(30)を同一軸心上に配置し、前記ラジエータファン(20)と排塵ファン(30)とを一方が駆動状態となり他方が非駆動状態となるように互いに背反的に切換える駆動状態切換手段(45)を設け、前記排塵ファン(30)を支持する筒状回転軸(34)内を貫通してラジエータファン(20)を支持する回転軸(24)を設け、前記回転軸(24)をラジエータ(50)の上下方向の中心よりも上側に配置した請求項2〜4のいずれか1項に記載の作業車輌の原動部構造。
前記回転軸(24)の軸心方向視において前記駆動状態切換手段(45)をラジエータファン(20)と排塵ファン(30)の外周部よりも外側に配置し、且つ、前記駆動状態切換手段(45)を酸化触媒装置(11)よりも機体後側に配置した請求項5又は6記載の作業車輌の原動部構造。
前記エンジン(E)とラジエータ(50)を接続するラジエータホース(50A)を、前記ラジエータファン(20)と排塵ファン(30)の外周部よりも上側に配置した請求項5〜7のいずれか1項に記載の作業車輌の原動部構造。
前記エンジン(E)の回転が伝動される後部伝動軸(110)をエンジン(E)の機体後側に設け、該後部伝動軸(110)に第1プーリ(121)と第2プーリ(131)を設け、前記回転軸(24)に第3プーリ(23)を設け、前記筒状回転軸(34)に第4プーリ(33)を設け、前記第1プーリ(121)と第3プーリ(23)に第1ベルト(122)を巻回し、前記第2プーリ(131)と第4プーリ(33)に第2ベルト(132)を巻回し、前記第1ベルト(122)を第2ベルト(132)よりもエンジン(E)側に配置した請求項5〜8のいずれか1項に記載の作業車輌の原動部構造。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の作業車輌の原動部構造では、排ガス浄化装置の左側部には遮熱カバーが設けられていないので、遮熱カバーを迂回して操縦部に伝わった排ガス浄化装置の熱により吸気室に配置されており電装部品が動作不良に陥る問題があった。また、排ガス浄化装置の機体内側部は、遮熱カバーから機体内側方向に突出しているので、操縦部に排ガス浄化装置で加熱された空気が送風され操縦部内の温度を上昇させる問題があった。
【0006】
特許文献2の作業車輌の原動部構造では、ファンの正転方向時における外気のエンジンルーム内への吸入能力に比べて、ファンの逆転方向時における内気のエンジンルーム外への排気能力が低いため、エンジンルームのカバーに装着された濾過体に付着した藁屑、塵埃等を十分除去することができず、除去できない藁屑、塵埃等により濾過体が目詰まりを起こし、ラジエータの冷却効率が低下し、その結果、エンジンがオーバヒートするという問題があった。また、伝動ベルトを備えるテンション操作体を回転させることにより、ファンを正転方向と逆転方向への切換えを行なっているために、伝動ベルトの劣化が著しく保守・点検作業の頻度が多いという問題があった。
そこで、本発明の主たる課題は、かかる問題点を解消することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
請求項1に係る発明は、
操縦部(6)の下側にエンジン(E)を配置し、
該エンジン(E)の上部における機体内側の部位に、エンジン(E)から排出される排気ガス中の未燃燃料を酸化する酸化触媒装置(11)を前後方向に沿って配置し、
該酸化触媒装置(11)の前部の上側に、前記操縦部(6)のサイドパネル(6A)と前記操縦部(6)の操縦席(6F)を支持する前プレート(40)を配置し、
前記酸化触媒装置(11)の後部の上側に、前記操縦部(6)の後部に設けられたエアクリーナ(6G)を支持する後プレート(41)から機体内側に延在するガイドプレート(42)を配置し、
前記サイドパネル(6A)に設けられた刈脱クラッチレバー(6B)を、前記酸化触媒装置(11)よりも機体内側に配置し
、
前記サイドパネル(6A)における機体外側に延出する延出部(12D)と前記後プレート(41)における機体前側に延出する前水平部(41A)を、前記ガイドプレート(42)よりも上側において同一高さに配置し、前記延出部(12D)と前水平部(41A)に、前記前プレート(40)を上載した作業車輌の原動部構造である。
【0008】
【0009】
請求項
2に係る発明は、前記エンジン(E)とエンジン(E)を循環する冷却水を冷やすラジエータ(50)の間に、駆動状態と停止状態に切換可能な外気吸入用のラジエータファン(20)と駆動状態と停止状態に切換可能な排気用の排塵ファン(30)を配置し、前記酸化触媒装置(11)の後側部とガイドプレート(42)の間に形成されてラジエータファン(20)によって吸引された外気が通過する上流口(A1)、通過口(A2)及び下流口(A3)のうち、最もラジエータファン(20)の送風の流れ方向で上流側の上流口(A1)を、通過口(A2)及び下流口(A3)よりも大きく形成した請求項
1記載の作業車輌の原動部構造である。
【0010】
請求項
3に係る発明は、前記ガイドプレート(42)における通過口(A2)と、この通過口(A2)よりも前記ラジエータファン(20)の送風の流れ方向で下流側の下流口(A3)の間の部位を、正面視において左側下りの傾斜姿勢に形成した請求項
2記載の作業車輌の原動部構造である。
【0011】
請求項
4に係る発明は、前記酸化触媒装置(11)の内部温度を計測する温度センサ(11D)を、前記酸化触媒装置(11)におけるラジエータファン(20)側の外周部位に配置した請求項
2又は3記載の作業車輌の原動部構造である。
【0012】
請求項
5に係る発明は、前記ラジエータファン(20)と排塵ファン(30)を同一軸心上に配置し、前記ラジエータファン(20)と排塵ファン(30)とを一方が駆動状態となり他方が非駆動状態となるように互いに背反的に切換える駆動状態切換手段(45)を設け、前記排塵ファン(30)を支持する筒状回転軸(34)内を貫通してラジエータファン(20)を支持する回転軸(24)を設け、前記回転軸(24)をラジエータ(50)の上下方向の中心よりも上側に配置した請求項
2〜4のいずれか1項に記載の作業車輌の原動部構造である。
【0013】
請求項
6に係る発明は、前記回転軸(24)の軸心方向視において前記酸化触媒装置(11)をラジエータファン(20)と排塵ファン(30)の外周部よりも外側に配置した請求項
5記載の作業車輌の原動部構造である。
【0014】
請求項
7に係る発明は、前記回転軸(24)の軸心方向視において前記駆動状態切換手段(45)をラジエータファン(20)と排塵ファン(30)の外周部よりも外側に配置し、且つ、前記駆動状態切換手段(45)を酸化触媒装置(11)よりも機体後側に配置した請求項
5又は6記載の作業車輌の原動部構造である。
【0015】
請求項
8に係る発明は、前記エンジン(E)とラジエータ(50)を接続するラジエータホース(50A)を、前記ラジエータファン(20)と排塵ファン(30)の外周部よりも上側に配置した請求項
5〜7のいずれか1項に記載の作業車輌の原動部構造である。
【0016】
請求項
9に係る発明は、前記エンジン(E)の回転が伝動される後部伝動軸(110)をエンジン(E)の機体後側に設け、該後部伝動軸(110)に第1プーリ(121)と第2プーリ(131)を設け、前記回転軸(24)に第3プーリ(23)を設け、前記筒状回転軸(34)に第4プーリ(33)を設け、前記第1プーリ(121)と第3プーリ(23)に第1ベルト(122)を巻回し、前記第2プーリ(131)と第4プーリ(33)に第2ベルト(132)を巻回し、前記第1ベルト(122)を第2ベルト(132)よりもエンジン(E)側に配置した請求項
5〜8のいずれか1項に記載の作業車輌の原動部構造である。
【発明の効果】
【0017】
請求項1記載の発明によれば、
操縦部(6)の下側にエンジン(E)を配置し、エンジン(E)の上部における機体内側の部位に、エンジン(E)から排出される排気ガス中の未燃燃料を酸化する酸化触媒装置(11)を前後方向に沿って配置し、酸化触媒装置(11)の前部の上側に、操縦部(6)のサイドパネル(6A)と操縦部(6)の操縦席(6F)を支持する前プレート(40)を配置し、酸化触媒装置(11)の後部の上側に、操縦部(6)の後部に設けられたエアクリーナ(6G)を支持する後プレート(41)から機体内側に延在するガイドプレート(42)を配置し、サイドパネル(6A)に設けられた刈脱クラッチレバー(6B)を、酸化触媒装置(11)よりも機体内側に配置しているので、サイドパネル(6A)の高さを低く設定することができ、サイドパネル(6A)に設けられた刈脱クラッチレバー(6B)の操作を容易に行なうことができる。後プレート(41)とガイドプレート(42)によって操縦部(6)に伝わる酸化触媒装置(11)で発生した熱を遮断し、操縦部(6)のエアクリーナ(6G)の近傍に配置された電装部品の作動不良を防止することができる。
【0018】
また、サイドパネル(6A)における機体外側に延出する延出部(12D)と後プレート(41)における機体前側に延出する前水平部(41A)を、ガイドプレート(42)よりも上側において同一高さに配置し、延出部(12D)と前水平部(41A)に、前プレート(40)を上載しているので、酸化触媒装置(11)で加熱された空気が延出部(12D)と前プレート(40)の隙間及び前水平部(41A)と前水平部(41A)の隙間から操縦部(6)に侵入するのを防止でき、操縦部(6)の操作環境を好適に維持することができる。
【0019】
請求項
2記載の発明によれば、請求項
1記載の発明の効果に加えて、エンジン(E)とエンジン(E)を循環する冷却水を冷やすラジエータ(50)の間に、駆動状態と停止状態に切換可能な外気吸入用のラジエータファン(20)と駆動状態と停止状態に切換可能な排気用の排塵ファン(30)を配置し、酸化触媒装置(11)の後側部とガイドプレート(42)の間に形成されてラジエータファン(20)によって吸引された外気が通過する上流口(A1)、通過口(A2)及び下流口(A3)のうち、最もラジエータファン(20)の送風の流れ方向で上流側の上流口(A1)を、通過口(A2)及び下流口(A3)よりも大きく形成しているので、ラジエータファン(20)により吸入された外気を酸化触媒装置(11)の後側部に効率良く送風でき酸化触媒装置(11)の後側部を効率良く冷却することができる。
【0020】
請求項
3記載の発明によれば、請求項
2記載の発明の効果に加えて、ガイドプレート(42)における通過口(A2)と、この通過口(A2)よりもラジエータファン(20)の送風の流れ方向で下流側の下流口(A3)の間の部位を、正面視において左側下りの傾斜姿勢に形成しているので、ラジエータファン(20)により吸入された外気を酸化触媒装置(11)の後側部の下部に誘導することができ、酸化触媒装置(11)の後側部をより効率良く冷却することができる。
【0021】
請求項
4記載の発明によれば、請求項
2又は3記載の発明の効果に加えて、酸化触媒装置(11)の内部温度を計測する温度センサ(11D)を、酸化触媒装置(11)におけるラジエータファン(20)側の外周部位に配置しているので、ラジエータファン(20)により吸入された外気により温度センサ(11D)を冷却することができるために、過度の温度上昇に伴う温度センサ(11D)の誤作動を防止することができる。
【0022】
請求項
5記載の発明によれば、請求項
2〜4のいずれか1項に記載の発明の効果に加えて、ラジエータファン(20)と排塵ファン(30)を同一軸心上に配置し、ラジエータファン(20)と排塵ファン(30)とを一方が駆動状態となり他方が非駆動状態となるように互いに背反的に切換える駆動状態切換手段(45)を設け、排塵ファン(30)を支持する筒状回転軸(34)内を貫通してラジエータファン(20)を支持する回転軸(24)を設け、回転軸(24)をラジエータ(50)の上下方向の中心よりも上側に配置しているので、ラジエータファン(20)によって吸入された外気がエンジン(E)の上側に配置されている酸化触媒装置(11)に効率良く送風され、酸化触媒装置(11)の温度上昇を抑制することができる。
【0023】
また、ラジエータファン(20)が非駆動状態時には、排塵ファン(30)が駆動状態となるので、エンジン(E)や酸化触媒装置(11)によって暖められた内気は外部に素早く排出できエンジン(E)のオーバヒートを抑制することができる。
【0024】
請求項
6記載の発明によれば、請求項
5記載の発明の効果に加えて、回転軸(24)の軸心方向視において駆動状態切換手段(45)をラジエータファン(20)と排塵ファン(30)の外周部よりも外側に配置し、且つ、駆動状態切換手段(45)を酸化触媒装置(11)よりも機体後側に配置しているので、排塵ファン(30)の駆動状態時に酸化触媒装置(11)が内気を外部に排出する障害となることを防止することができる。
【0025】
請求項
7記載の発明によれば、請求項
5又は6記載の発明の効果に加えて、回転軸(24)の軸心方向視において駆動状態切換手段(45)をラジエータファン(20)と排塵ファン(30)の外周部よりも外側に配置し、且つ、駆動状態切換手段(45)を酸化触媒装置(11)よりも機体後側に配置しているので、ラジエータファン(20)の駆動状態時に駆動状態切換手段(45)が吸入された外気の送風の障害となることを防止することができる。
【0026】
請求項
8記載の発明によれば、請求項
5〜7のいずれか1項に記載の発明の効果に加えて、エンジン(E)とラジエータ(50)を接続するラジエータホース(50A)を、ラジエータファン(20)と排塵ファン(30)の外周部よりも上側に配置しているので、ラジエータファン(20)の駆動状態時にラジエータホース(50A)が吸入された外気の送風の障害となることを防止することができ、排塵ファン(30)の駆動状態時にはラジエータホース(50A)が内気を外部に排出する障害となることを防止することができる。
【0027】
請求項
9記載の発明によれば、請求項
5〜8のいずれか1項に記載の発明の効果に加えて、エンジン(E)の回転が伝動される後部伝動軸(110)をエンジン(E)の機体後側に設け、後部伝動軸(110)に第1プーリ(121)と第2プーリ(131)を設け、回転軸(24)に第3プーリ(23)を設け、筒状回転軸(34)に第4プーリ(33)を設け、第1プーリ(121)と第3プーリ(23)に第1ベルト(122)を巻回し、第2プーリ(131)と第4プーリ(33)に第2ベルト(132)を巻回し、第1ベルト(122)を第2ベルト(132)よりもエンジン(E)側に配置しているので、駆動時間が長い第1ベルト(122)の保守・点検作業を容易に行なうことができる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しつつ詳説する。なお、理解を容易にするために、操縦席6Fに搭乗した操縦者から見て、前方を前側、後方を後側、右手側を右側、左手側を左側として便宜的に方向を示して説明しているが、これらにより構成が限定されるものではない。
【0030】
図1,2に示すように、コンバインは、機体フレーム1の下方には、左右一対のクローラからなる走行装置2が設けられ、機体フレーム1の上部左側には、脱穀・選別を行う脱穀装置3が設けられ、脱穀装置3の前側には、圃場の穀
稈を収穫する刈取装置4が設けられている。脱穀装置3で脱穀・選別された穀粒は、脱穀装置3の右側に設けられたグレンタンク5に貯留され、貯留された穀粒は、排出筒7によって外部に排出される。
【0031】
機体フレーム1の上部右側には、操作者が搭乗する操縦席6Fを備えた操縦部6が設けられ、操縦部6の下側には、エンジンEを搭載するエンジンルーム8が設けられている。また、エンジンルーム8の右側には、エンジンルーム8の保守・点検用のエンジンルームカバー8Aが装着されており、エンジンルームカバー8Aの上下方向における中間部と下部には、目抜き鉄板等から形成された濾過体8Bが取付けられている。
【0032】
図3〜5に示すように、エンジンルーム8の内側には、エンジンEが設けられている。
また、
図11〜14に示すように、エンジンEの上部左側には、エンジンEから排出された排気ガス中の未燃燃料を酸化するDOC等の酸化触媒装置11が設けられている。これにより、酸化触媒装置11により加熱された内気を効率的に脱穀装置3に向かって送風し、脱穀装置3内の脱穀穀粒の乾燥を促進させることができる。
【0033】
酸化触媒装置11は、エンジンEの上部左側に設けられたステー11Bに、前後2本の支持部材11Aにより着脱自在に取付けられている。また、前側の支持部材11Aの左側部は、エンジンEの上部右側から左右方向に向かって延在するステー11Eに連結されている。これにより、支持部材11A、ステー11Bの剛性が高まりエンジンEの振動等により支持部材11A、ステー11Bの変形を防止でき、酸化触媒装置11を確実に支持することができる。
【0034】
酸化触媒装置11の内部温度を所定の使用温度内に維持して、排気ガス中の未燃燃料を効率的に酸化処理するために、酸化触媒装置11の内部温度を計測する温度センサ11Dは、酸化触媒装置11の外周部のラジエータファン20側に設けられている。これにより、ラジエータファン20で吸引された外気が温度センサ11Dに送風されて温度上昇に伴う誤計測を防止することができる。
【0035】
エンジンEの右側には、所定の間隔を隔ててエンジンEに供給される冷却水を冷却するラジエータ50が設けられ、エンジンEとラジエータ50を接続するゴム製のラジエータホース50Aは、エンジンルーム8における酸化触媒装置11と同一高さに設けられている。これにより、エンジンEとラジエータ50の間の空間にラジエータホース50Aを設ける必要がなく、エンジンEとラジエータ50の間に大きな空間を確保することができる。
【0036】
エンジンEとラジエータ50の間には、エンジンルーム8の外部から内部に向かって外気を吸入するラジエータファン20と、ラジエータファン20の左側に、エンジンルーム8の内部から外部に向かって内気を排気して濾過体8B上に付着した粉塵を除去する排塵ファン30が設けられている。
【0037】
ラジエータファン20の回転時には、エンジンルームカバー8Aの濾過体8Bを介して、外気をエンジンルーム8の内側に吸入して、ラジエータ50等の表面に送風することにより、ラジエータ50の冷却効率を高めることができる。また、排塵ファン30の回転時には、エンジンルームカバー8Aの濾過体8Bを介して、内気を外部に排気して、内気を濾過体8Bに送風することにより、濾過体8Bに付着した粉塵を除去することができ、ラジエータファン20による外気の吸入効率を一定に維持することができる。なお、便宜上、ラジエータファン20、排塵ファン30の回転時を駆動状態といい、ラジエータファン20、排塵ファン30の回転の停止時を停止状態という。
【0038】
ラジエータファン20は、回転軸24に取付けられる中心部と、中心部から径方向に向かって延出する羽根から形成されている。ラジエータファン20による外気の吸入効率を高めるために、本実施形態では羽根は、中心部の円周方向に所定の間隔を隔てて8枚設けているが、所望の吸入能力が得られる範囲で任意の枚数に変更することができる。
【0039】
同様に、排塵ファン30は、筒状回転軸34に取付けられる中心部と、中心部から径方向に向かって延出する羽根から形成されている。ラジエータファン20による外気の吸入効率の低下を防止するために、排塵ファン30の羽根の外径は、ラジエータファン20の羽根の外径よりも小さく形成されている。また、ラジエータファン20と、排塵ファン30の伝動構成を簡易にし、エンジンルーム8内の空間を有効に活用するために、排塵ファン30の羽根の翼角度は、ラジエータファン20の羽根の翼角度とは逆の翼角度を持って中心部に立設されている。これにより、排塵ファン30が取付けられた筒状回転軸34に伝動された回転方向と、ラジエータファン20が取付けられた回転軸24に伝動された回転方向が同一回転方向であっても、ラジエータファン20においては、外気を吸入してエンジンルーム8の内側に送風でき、排塵ファン30においては、内気をエンジンルーム8の外側に排気することができる。なお、排塵ファン30の羽根は、中心部の円周方向に所定の間隔を隔てて8枚設けているが、所望の送風能力が得られる範囲で任意の枚数に設定することができる。
【0040】
ラジエータ50とエンジンルームカバー8Aの間には、刈取装置4を昇降する油圧シリンダに供給されるオイルを冷却するオイルクーラ51と、エンジンEに供給される燃焼用の混合気体を冷却するインタークーラ52が設けられている。
【0041】
オイルクーラ51の前部は、蝶版53を介してプレート1Fの前部に取付けられ、オイルクーラ51と油圧シリンダを接続するゴム製のホース54は、プレート1Gに形成された開口部55内に挿通している。これにより、ラジエータ50の保守・点検作業時には、オイルクーラ51を蝶版53により回動し、ラジエータ50の右面を開放してラジエータ50の保守・点検を容易に行なうことができる。
【0042】
インタークーラ52の上下部は、それぞれ支持部材56を介してプレート1Fに取付けられ、インタークーラ52とエンジンEを接続するプレート1Fの右側に位置する金属製の配管57Aは、プレート1Gに形成された開口部58の外周部に固着されている。
【0043】
また、インタークーラ52とエンジンEを接続するプレート1Fの左側に位置する金属製の配管57Bは、エンジンルーム8における酸化触媒装置11と同一高さに設けられている。これにより、エンジンEとラジエータ50の間の空間に配管57Bを設ける必要がなく、エンジンEとラジエータ50の間に大きな空間を確保することができる。
【0044】
プレート1Fは、操縦部6を支持するフレーム1A〜1Dの右前側フレーム1Aと右後側フレーム1Bに支持部材59Aを介して取付けられている。同様に、プレート1Gは、右前側フレーム1Aと右後側フレーム1Bに支持部材59Bを介して取付けられている。
【0045】
図10に示すように、エンジンEの回転動力は、エンジンEから右側に向かって延出するクランクシャフト60に伝動され、クランクシャフト60に伝動された回転動力は、プーリ61、ベルト62、プーリ63を介して、プーリ63を支持する後部伝動軸110に伝動される。
なお、クランクシャフト60に替えてエンジンEのクランクシャフト60の上側に位置するウオータポンプシャフト60Aや、クランクシャフト60の左上側に位置するオルタネータシャフト60Dや、エンジンEから左側に向かって延出するフライホイールシャフト60Bに伝動された回転動力をプーリ、ベルト等を介して後部伝動軸110に伝動させることもできる。また、クランクシャフト60と、ウオータポンプシャフト60Aと、オルタネータシャフト60Dに軸支されたプーリには、ベルト60Eが巻回されており、クランクシャフト60の回転動力は、ベルト60Eを介して、ウオータポンプシャフト60Aと、オルタネータシャフト60Dに伝動される。
【0046】
後部伝動軸110に伝動された回転動力は、プーリ(請求項における「第1プーリ」)121、ベルト(請求項における「第1ベルト」)122、プーリ(請求項における「第3プーリ」)23を介して、プーリ23を支持する回転軸24に伝動され、回転軸24の右側端部に支持されたラジエータファン20を回転させる。
【0047】
同様に、後部伝動軸110に伝動された回転動力は、プーリ(請求項における「第2プーリ」)131、ベルト(請求項における「第2ベルト」)132、プーリ(請求項における「第4プーリ」)33を介して、プーリ33を支持する筒状回転軸34に伝動され、筒状回転軸34の右側端部に支持された排塵ファン30を回転させる。なお、回転軸24は、ベアリングを介して支持部25の内側に内嵌されており、筒状回転軸34は、ベアリングを介して支持部25の外側に外嵌されている。
【0048】
プーリ121とプーリ23に巻回されたベルト122には、テンションローラ26が備えられており、テンションローラ26によりベルト122の張力を変化させ回転動力の伝動の接続と遮断を行う。
【0049】
同様に、プーリ131とプーリ33に巻回されたベルト132には、テンションローラ36が備えられており、テンションローラ36によりベルト132の張力を変化させ回転動力の伝動の接続と遮断を行う。
【0050】
ラジエータファン20に回転動力を伝動するベルト122は、排塵ファン30に回転動力を伝動するベルト132よりもエンジンE側に設けられている。これにより、駆動時間が長いためにベルト132よりも早く劣化するベルト122の保守・点検作業を容易に行なうことができる。
【0051】
また、後部伝動軸110に伝動された回転動力は、一対の対向するベベルギヤを備えた伝動ギヤボックス70を介して、伝動ギヤボックス70から後側に向かって延出する軸71に伝動される。
【0052】
軸71に伝動された回転動力は、プーリ72、ベルト73、プーリ74を介して、プーリ74を支持する排出螺旋軸75に伝動される。排出螺旋軸75は、グレンタンク5の下部に前後方向に延在して設けられており、グレンタンク5に貯留された穀粒を排出筒7へ移送すると共に、排出筒7に内装された螺旋軸を駆動する。なお、プーリ72とベルト73に巻回されたベルト73には、テンションローラ(図示省略)が備えられており、テンションローラによりベルト73の張力を変化させ回転動力の伝動の接続と遮断を行う。
【0053】
本明細書において、中間伝動部150とは、プーリ61、ベルト62、プーリ63、後部伝動軸110、プーリ121、プーリ131、伝動ギヤボックス70、軸71、及びプーリ72から構成される部位をいい、ファン伝動部160とは、ベルト122、テンションローラ26、プーリ23、回転軸24、ラジエータファン20、ベルト132、テンションローラ36、プーリ33、筒状回転軸34、及び排塵ファン30から構成される部位をいい、排出伝動部170とは、ベルト73、プーリ74、及び排出螺旋軸75から構成される部位をいう。
【0054】
図3〜5に示すように、中間伝動部150は、エンジンルーム8の後部に設けられている。中間伝動部150のプーリ63、後部伝動軸110、プーリ121、プーリ131、伝動ギヤボックス70、軸71、及びプーリ72は、側面視において右後側フレーム1Bと左後側フレーム1Dよりも後側で、且つ、グレンタンク5の前壁5Aよりも前側の空間Sに設けられている。
【0055】
ファン伝動部160のベルト122、テンションローラ26、プーリ23、ベルト132、テンションローラ36、及びプーリ33は、エンジンEよりも右側で、且つ、ラジエータファン20の左側に並設された排塵ファン30よりも左側の間隔部Bに設けられている。すなわち、ファン伝動部160は、エンジンルーム8の後側に設けられた中間伝動部150から、間隔部Bに入り込んで設けられている。
【0056】
これにより、間隔部Bに設けられる部品を少なくし、エンジンEとラジエータファン20を接近して設けることができ、ラジエータファン20によって吸入された外気によりエンジンEを効率良く冷却させることができる。
また、エンジンEのクランクシャフト60と中間伝動部150のプーリ63を接近して設けることができ、ベルト62に起因する回転動力の伝動ロスを少なくすることができる。
さらに、中間伝動部150の保守・点検作業も容易に行なうことができ、中間伝動部150を小型・軽量に製作することが可能となる。
【0057】
次に、ラジエータファン20と排塵ファン30の駆動状態を切換える駆動状態切換手段45について説明する。
図6等に示すように、駆動状態切換手段45は、エンジンルーム8の左後側に位置する左後側フレーム1Dの後側に設けられている。より詳細には、駆動状態切換手段45は、左後側フレーム1Dから後側に向かって延出するエンジンEやラジエータ50を循環する冷却水の一部を一時的に貯留するリザーバタンク92を支持するするステー90の上部にボルト等の締結手段によって着脱自在に連結されたブラケット91に取付けられている。これにより、駆動状態切換手段45の保守・点検作業を容易に行うことができ、また、駆動状態切換手段45がラジエータファン20や排塵ファン30の送風を妨げることを防止できる。
【0058】
ブラケット91は、ステー90にリザーバタンク92を支持する締結手段を利用して共締めすることによりステー90に連結され、駆動状態切換手段45は、リザーバタンク92と反対側のブラケット91の左側面に取付けられている。これにより、部品点数を削減し、リザーバタンク92の破損時にリザーバタンク92から飛び散った冷却水により駆動状態切換手段45が故障することを防止できる。
【0059】
モータと減速機を備えた駆動状態切換手段45の出力軸45Dには、略長方形状のプレート45Eが支持されている。
図6に示すように、プレート45Eには、出力軸45Dから前後に所定間隔を隔てて2本のピン45Cが立設されている。2本のピン45Cにはそれぞれ連繋手段80のアウターケーブル80Aに内装されたインナーケーブル80Bの後端部が接続される。なお、出力軸45Dは、駆動状態切換手段45から右側に向かって延出し、プレート45E、インナーケーブル80B等は、リザーバタンク92の上側に設けられている。これにより、リザーバタンク92の上側の空間を有効活用することができる。
【0060】
次に、連繋手段80とベルト122,132の張力を変化させ回転動力の伝動の接続と遮断を行うテンションローラ26,36の接続について説明する。
図7,8に示すように、一側の連繋手段80のアウターケーブル80Aの前端部は、後述するブラケット140の後アーム部142の後側上部に設けられたステー81に支持され、ステー81は、回転軸24の軸心方向視においてラジエータファン24と排塵ファン30の外周よりも外側に設けられている。これにより、連繋手段80とステー81が、ラジエータファン20と排塵ファン30の送風の障害にならずラジエータファン20と排塵ファン30の送風効率を向上させることができる。
【0061】
連繋手段80のインナーケーブル80Bの前端部は、プーリ23とプーリ121に巻回されたベルト122の張力を変化させ回転動力の伝動の接続と遮断を行うテンションローラ26のベルトストッパ26Cにスプリング等の弾性部材82を介して接続されている。これにより、過度の負荷が駆動状態切換手段45に加わる回数を減少させ、駆動状態切換手段45の耐久性を向上させることができる。
なお、ベルトストッパ26Cは、回転軸24の軸心方向視において略く字形状に形成され、ベルト122に接触する先端側のベルト接触部と、テンションアーム26Bに固着される接続部とを備えている。また、接続部の中間部には、弾性部材82を介してインナーケーブル80Bの前端部が接続されている。
【0062】
テンションローラ26は、後述するブラケット140の後アーム部142の後側下部に左右方向に設けられた支軸86に回転自在に取付けられたテンションアーム26Bと、テンションアーム26Bの先端部に回転自在に支持されたローラ26Aと、テンションアーム26Bの基部に固着されたベルトストッパ26Cを備えて構成されている。なお、支軸86は、ラジエータファン24と排塵ファン30の外周よりも外側に設けられている。これにより、支軸86が、ラジエータファン20と排塵ファン30の送風の障害にならずラジエータファン20と排塵ファン30の送風効率を向上させることができる。
【0063】
また、テンションローラ26のテンションアーム26Bとステー81の下部は、テンションローラ26をベルト122に向かって付勢するスプリング85で接続されている。
【0064】
同様に、
図7,8に示すように、他側の連繋手段80のアウターケーブル80Aの前端部は、後述するブラケット140の後アーム部142の後側上部に設けられたステー81に支持され、ステー81は、回転軸24の軸心方向視においてラジエータファン24と排塵ファン30の外周よりも外側に設けられている。
【0065】
連繋手段80のインナーケーブル80Bの前端部は、プーリ33とプーリ131に巻回されたベルト132の張力を変化させ回転動力の伝動の接続と遮断を行うテンションローラ36のベルトストッパ36Cにスプリング等の弾性部材82を介して接続されている。なお、ステー81は、回転軸24の軸心方向視においてラジエータファン24の外周よりも外側に設けられている。また、ベルトストッパ36Cは、回転軸24の軸心方向視において略く字形状に形成され、ベルト132に接触する先端側のベルト接触部と、テンションアーム36Bに固着される接続部とを備えている。また、接続部の中間部には、弾性部材82を介してインナーケーブル80Bの前端部が接続されている。
【0066】
テンションローラ36は、後述するブラケット140の後アーム部142の後側下部に左右方向に設けられた支軸86に回転自在に取付けられたテンションアーム36Bと、テンションアーム36Bの先端部に回転自在に支持されたローラ36Aと、テンションアーム26Bの基部に固着されたベルトストッパ36Cを備えて構成されている。
【0067】
また、テンションローラ36のテンションアーム36Bとステー81の下部は、テンションローラ36をベルト132に向かって付勢するスプリング85で接続されている。
【0068】
図8は、ラジエータファン20が駆動状態であり、排塵ファン30が停止状態であるテンションローラ26,36の状態が図示されている。
図8に示すように、駆動状態切換手段45によりプレート45Eを回転させて、連繋手段80のインナーケーブル80Bを引込みテンションローラ26のベルトストッパ26Cが時計方向に回転した場合には、テンションローラ26のローラ26Aは、ベルト122を押圧し、テンションローラ26のベルトストッパ26Cは、ベルト122から離間して非制動状態となり、プーリ121に伝動されたエンジンEの回転動力をプーリ23に伝動する。
【0069】
一方、駆動状態切換手段45によりプレート45Eを回転させて、連繋手段80のインナーケーブル80Bを押出しテンションローラ36のベルトストッパ36Cが反時計方向に回転した場合には、テンションローラ36のローラ36Aは、ベルト132から離間し、テンションローラ36のベルトストッパ36Cは、ベルト132を押圧して制動状態となり、プーリ131に伝動されたエンジンEの回転動力のプーリ23への伝動を速やかに遮断する。これにより、
図8においては、排塵ファン30の回転を速やかに停止し、ラジエータファン20の送風を妨げることを防止することができる。
【0070】
なお、駆動状態切換手段45の駆動は、制御装置(図示省略)によりラジエータ50の冷却水の温度等の状態に合わせて自動的に行なわれるものであるが、操縦者が駆動状態切換手段45の切換えを手動操作できるように、操縦部6や、エンジンルーム8とグレンタンク5の前壁5Aの空間Sに切換えレバーを設けることもできる。
【0071】
次に、ラジエータファン20が取付けられた回転軸24と、排塵ファンが取付けられた筒状回転軸34を支持するブラケット140について説明する。
図7,8に示すように、ブラケット140は、ブラケット140の中心部に回転軸24を内嵌し、筒状回転軸34を外嵌する支持部25が固着され、
図3に示すように、ブラケット140における支持部25は、ラジエータ50の上下方向の中心部よりも上側に偏倚した位置に設けられている。これにより、ラジエータファン20により吸入された外気がエンジンEの上側に送風され、エンジンEや、エンジンEの上側に設けられた酸化触媒装置11を効率良く冷却することができる。
【0072】
ブラケット140は、回転軸24の軸心方向視で支持部25を中心に放射状に径方向に延在する3つのアーム部を有する三又形状に形成されている。すなわち、ブラケット140は、支持部25から略上前側に延在する前アーム部141と、支持部25から略後側に延在する後アーム部142と、支持部25から略下側に延在する下アーム部143を有している。
【0073】
前アーム部141は、先端側に延在するに従って右側(機体外側)に傾斜し、先端部は、右前側フレーム1Aに連結されている。後アーム部142は、回転軸24と直交する方向へ延在し、先端部は、右後側フレーム1Bと連結されている。下アーム部143は、先端側に延在するに従って右側(機体外側)に傾斜し、先端部は、機体フレーム1の上側に固着されたブラケット1Eに連結されている。
これにより、ラジエータファン20と排塵ファン30の送風の障害にならずラジエータファン20と排塵ファン30の送風効率を向上させることができる。また、ブラケット140の剛性が高まり、回転軸24、筒状回転軸34を安定して支持することができ、ラジエータファン20、排塵ファン30を安定して回転させることができる。さらに、前アーム部141と下アーム部143の先端側は、右側(機体外側)に向かい傾斜しているので、ブラケット140の前側、下側において間隔部Bを広く形成できるので、ラジエータファン20、排塵ファン30、エンジンE等の保守・点検作業が容易に行なうことができる。なお、ブラケット140の耐振性を高めるために、ブラケット140を鋳物で形成するのが好適である。
【0074】
次に、プーリ63の後部伝動軸110における取付け位置を変更する手段について説明する。
図9に示すように、エンジンEの回転動力が伝動されるプーリ63は、後部伝動軸110にキー64により固定されている。後部伝動軸110の外周面にキー溝111が形成されている。キー溝111内に挿入されたキー64が、プーリ63と後部伝動軸110の間に介在することで、プーリ63が、後部伝動軸110に相対回転不能な状態で固定される。なお、キー溝111は、後部伝動軸110の軸心方向に間隔をおいて、後部伝動軸110の外周面の2箇所に形成されている。
また、後部伝動軸110の外周面には、カラー112,113が外嵌されている。カラー112,113は、プーリ63が後部伝動軸110の軸心方向に移動することを規制する部材である。なお、
図9におけるカラー113の左右方向の長さは、カラー112の左右方向の長さよりも大きく形成されている。
【0075】
これにより、
図9(a),(b)に示すように、プーリ63の後部伝動軸110の軸心方向における取付け位置を容易に変更することができる。
図9(a)は、プーリ63が後部伝動軸110の軸心方向の左側部に取付けられた状態を示し、
図9(b)は、プーリ63が後部伝動軸110の軸心方向の右側部に取付けられた状態を示している。プーリ63の取付け位置を変更する場合には、キー64の挿入位置を変更し、プーリ63の左右側に配置されるカラー112,113を左右入替えて後部伝動軸110に外嵌する。また、プーリ63の位置変更に伴って、プーリ61とプーリ63に巻回されたベルト62を押圧するテンションローラ115A,115Bの位置を変更する。
【0076】
テンションローラ115A,115Bは、ローラ118と、ローラ118を支持するテンションアーム117を備えて構成されている。テンションローラ115A,115Bは、機体フレーム1にボルト等の締結手段により取付けられた支持部116に、テンションアーム117の基部に設けられたピン117Aが回転自在に支持されている。なお、テンションローラ115A,115Bをベルト62に付勢するために、テンションアーム117には、スプリング(図示省略)が接続されている。
【0077】
図9(a)に示すように、プーリ63を後部伝動軸110の軸心方向の左側部に取付けた場合は、ローラ118の右側にテンションアーム117が設けられている左側用テンションローラ115Aを使用し、
図9(b)に示すように、プーリ63を後部伝動軸110の軸心方向の右側部に取付けた場合には、ローラ118の左側にテンションアーム117が設けられている右側用テンションローラ115Bを使用するのが好適である。
【0078】
左側用テンションローラ115Aのテンションアーム117は、後部伝動軸110の軸心方向に屈曲しながら後部伝動軸110から離れる方向に延在している。一方、右側用テンションローラ115Bのテンションアーム117は、後部伝動軸110の軸心方向に屈曲せずに後部伝動軸110から離れる方向に延在し、テンショアーム117の基部に設けられたピン117Aは、左側用テンションローラ115Aのピン117Aよりも左右方向に長く形成されている。なお、右側用テンションローラ115Bは、左側用テンションローラ115Aよりも右側に設けるのが好適である。
【0079】
次に、エンジンルーム8の上側に設けられた操縦部6について説明する。
【0080】
図15に示すように、操縦部6には、操縦席6Fを支持する前プレート40と、前プレート40の後側にエンジンEに供給される空気を浄化するエアクリーナ6Gを支持する後プレート41が設けられている。また、操縦部6の前部には、コンバインの駆動状態を表示するパネル6Cが装着されたフロントパネル6Dが設けられ、フロントパネル6Dの上側には、操作者が操作姿勢を維持するために把持する左右方向に延在する把持フレーム6Eが設けられている。さらに、操縦部6の機体内側である左側には、走行用油圧式無段変速装置1Kを遠隔操作する主変速レバー6Hと、植立穀桿の倒伏状態に応じてトランスミッション内の伝動機構に備えた有段式の副変速装置を切換操作する副変速レバー6Iと、エンジンEから脱穀装置3、刈取装置4に伝動される回転動力の接続及び接続を解除する刈脱クラッチレバー6Bが装着されたサイドパネル6Aが設けられている。なお、前後方向に長手方向を配置した酸化触媒装置11は、前プレート40の左側部、サイドパネル6Aの後右側部と後プレート41の傾斜部41から左側に向かって延在するガイドプレート42の右側部の下側に配置されている。
【0081】
図15,16,18に示すように、前プレート40の右側部は、エンジンルーム8のエンジンルームカバー8Aにボルトにより着脱自在に固定されている。また、エンジンルーム8のエンジンルームカバー8Aは、エンジンルームカバー8Aの下部を支持する前後方向に延在する支軸(図示省略)を中心として、開閉時には左右方向に揺動する。
【0082】
前プレート40の左側部は、サイドパネル6Aの右側下部から右側に向かって延出する延出部12Dの上面に取付けられたシール材12Eの上部に上載されている。これにより、酸化触媒装置11によって加熱された空気が、前プレート40の左側部とサイドパネル6Aの延出部12Dの隙間から操縦席6Fに侵入するのを防止することができる。
【0083】
前プレート40の左側部の下面には、前後方向に延在する支軸13Aを支持するブラケット13が設けられている。支軸13Aには、フック15の基部が回転自在に取付けられており、フック部15は、後述する左後側水平フレーム1Hの前部に基部が固定された固定ピン14に係合する。固定ピン14にフック15の先端部が係合している場合は、エンジンルーム8のエンジンルームカバー8Aの開閉作業を行なうことはできず、エンジンルーム8のエンジンルームカバー8Aの開閉作業を行なう場合には、固定ピン14にフック15の先端部が係合を解除する必要がある。
【0084】
前プレート40の後部は、後プレート41の前水平部41Aの前部の上面に取付けられたシール材16の上部に上載されている。これにより、酸化触媒装置11によって加熱された空気が、前プレート40の後部と後プレート41の前水平部41Aの前部の隙間から操縦席6Fに侵入するのを防止することができる。
【0085】
図21に示すように、上記の前プレート40に替えて、右側部が酸化触媒装置11の左側部を超えて延在する前プレート40Aをエンジンルームカバー8Aにボルトにより着脱自在に固定装着することもできる。これにより、酸化触媒装置11の前部の上側を前プレート40Aの左側部で覆うことができ、酸化触媒装置11の前部から操縦席6Fに伝わる熱を抑制することができる。なお、前プレート40Aの左側部に対向するサイドパネル6Aの右側部には、前プレート40Aを開閉するために切欠部6aが形成されている。
【0086】
図15,17,18に示すように、後プレート41は、エアクリーナ6Gを上載する後水平部41Cと、後水平部41Cの前端部から上側に向かって延在する前垂直部41Bと、前垂直部41Bの上端部から前側に向かって延在する前水平部Aと、後水平部41Cの後端部から下側に向かって延在する後垂直部41Dから形成されている。また、前垂直部41Bの左側端部は、下部から上部に向かって左側に向かって傾斜して形成されており、後水平部41Cの左側端部と前垂直部41Bの左側端部には、前垂直部41Bの左側端部から後側に延在する傾斜部41Eが設けられている。なお、上下方向において、前水平部Aは、前プレート40と略同一位置に配置されており、傾斜部41Eの上側部には、傾斜部41Eから左方向に向かって延在するガイドプレート42の右側端部が固定されている。
【0087】
後水平部41Cの右側部は、右前側フレーム1Aと右後側フレーム1Bを連結する前後方向に延在する右側水平フレーム1aの上面に固定され、後水平部41Cの左側部は、左後側フレーム1Dから前後方向に延在する中間水平フレーム1Jに固定されている。
【0088】
図15,17に示すように、ガイドプレート42は、酸化触媒装置11の後部の上側に所定の間隔を隔てて配置されており、ガイドプレート42の左側部は、左後側水平フレーム1Hの下面に固定され、且つ、左後側水平フレーム1Hを超えて左側に延出している。なお、左後側水平フレーム1Hは、機体フレーム1に取付けられた走行用油圧無段変速装置1Kに基部が固定され、側面視において酸化触媒装置11の前側に上下方向に延在する左前側フレーム1Cの上部に固定され、左前側フレーム1Cの上部から後側に向かって延在している。
【0089】
ガイドプレート42は、正面視において前プレート40よりも下側に配置され、酸化触媒装置11の後部とガイドプレート42の間を送風される右側から左側に向かって外気の上流口A1は、外気の通過口A2と、外気の下流口A3よりも大きく形成されている。これにより、酸化触媒装置11の上側にラジエータファン20によって吸引された外気を送風し、酸化触媒装置11により加熱された周辺の空気を外部に効率良く排出することができ、周辺温度の上昇に伴う電装基盤6Jやコントローラ6Lの誤作動を防止することができる。なお、本明細書において上流口A1の大きさとは、正面視において酸化触媒装置11の中心と傾斜部41Eの下端部を結ぶ線上の酸化触媒装置11の外周面と傾斜部41Eの下端部の長さを言い、通過口A2の大きさとは、正面視において酸化触媒装置11の中心と酸化触媒装置11の中心に対向するガイドプレート42の部位を結ぶ線上の酸化触媒装置11の外周面とガイドプレート42の下面の長さを言い、下流口A3の大きさとは、正面視において酸化触媒装置11の中心と左後側水平フレーム1Hの右側下端部に対向するガイドプレート42の部位を結ぶ線上の酸化触媒装置11の外周面とガイドプレート42の下面の長さを言う。
【0090】
また、ガイドプレート42における通過口A2から左後側水平フレーム1Hの右側下端部の間の部位は、通過口A2から左後側水平フレーム1Hの右側下端部に向かって下側に傾斜して形成されている。これにより、酸化触媒装置11の後部の左側外周面にラジエータファン20によって吸引された多くの外気を誘導することができ、酸化触媒装置11を効率良く冷却することができる。なお、酸化触媒装置11の後部の左側外周面にラジエータファン20によって吸引された多くの外気を誘導するためにガイドプレート42における左後側水平フレーム1Hより左側に延在する部位を下側に向けて延出させても良い。
【0091】
図15,17,19に示すように、サイドパネル6Aは、フロントパネル6Dの左側後部に固定されている。サイドパネル6Aは、正面視において上下方向に延在する左側壁12Aと、上下方向に延在する右側壁12Cと、左側壁12Aと右側壁12Cの上部を連結する右側壁12Cの上部から左側壁12Aの上部に向かって上側に傾斜して設けられた上壁12Bから形成され、右側壁12Cの下端部には、右側方向に向かって延出する延出部12Dが形成されている。サイドパネル6Aの上壁12Bの前部の左側には、主変速レバー6Hを挿通する主変速レバー用開口部17Aが開口され、主変速レバー用開口部17Aの右側には、副変速レバー6Iを挿通する副変速レバー用開口部17Bが開口され、サイドパネル6Aの上壁12Bの後部の左側であって、酸化触媒装置11よりも左側に位置する部位には、刈脱クラッチレバー6Bを挿通する刈脱クラッチレバー用開口部17Cが開口されている。酸化触媒装置11よりも左側に偏倚した位置に刈脱クラッチレバー6Bを設けることにより、サイドパネル6Aの上下方向の高さを低く設定することができ、また、操縦席6Fから離間した位置に刈脱クラッチレバー用開口部17Cが開口されているために、刈脱クラッチレバー用開口部17Cを通過した酸化触媒装置11によって加熱された空気が操縦席6Fに到達するのを抑止することができる。
【0092】
主変速レバー6Hの基部は、左前側水平フレーム1Lの左面に横設された支軸(図示省略)に回転自在に支持され、副変速レバー6Iの基部は、左前側水平フレーム1Lの右面に横設された支軸18Aに回転自在に支持され、刈脱クラッチレバー6Bの基部は、左後側水平フレーム1Hの左面に横設された支軸18Bに回転自在に支持されている。なお、左前側水平フレーム1Lは、側面視において酸化触媒装置11の前側に上下方向に延在する左前側フレーム1Cの上部の中間部に固定され、左前側フレーム1Cの上部の中間部から前側に向かって延在している。
【0093】
図15,17,18に示すように、後プレート41の後水平部41Cの上面には、長手方向の左右方向に向けて配置したエアクリーナ6Gが上載されている。また、エアクリーナ6Gは、後プレート41の上側に着脱自在に取付けられた下部に開口部が形成された略直方体の吸気室6Kにより覆われている。
【0094】
後プレート41は、正面視において酸化触媒装置11の中心部よりも上側であって、酸化触媒装置11の上部よりも下側に配置されており、また、エアクリーナ6Gの下部は、正面視において酸化触媒装置11の中心部よりも上側であって、酸化触媒装置11の上部よりも下側に配置されている。これにより、エアクリーナ6Gを収納する吸気室6Kの上下方向の高さを低く設定することができる。
【0095】
エアクリーナ6Gの吸気口76Aに接続された吸気ホース77は、正面視においてエアクリーナ6Gの上側を通過した後に下方に向かって湾曲して、エンジンルームカバー8Aの濾過体8Bとラジエータ50の間に配置される。これにより、濾過体8Bによって粉塵等が除去された清浄な外気をエアクリーナ6Gに吸引することができ、外気に混在する粉塵等を除去する機器であるプレクリーナを設ける必要がない。
また、同様にエアクリーナ6G内で除去された外気中の微細な粉塵等を排出する排出口76Bは、エンジンルームカバー8Aの濾過体8Bとラジエータ50の機体外側である右側に張設させたネット(図示省略)の間に配置される。これにより、エアクリーナ6Gの排出口76Bから排出された微細の粉塵をネットによって捕獲し、ラジエータ50,エンジンE等への粉塵の付着を防止することができる。
【0096】
吸気室6Kのエアクリーナ6Gの上側の左側には、エンジンE,酸化触媒装置11等の作動を制御するコントローラ6Lが配置され、右側にはヒューズケース6Mが配置され、コントローラ6Lとヒューズケース6Mの間には、複数の電装基盤6Jが配置されている。これにより、コントローラ6Lと酸化触媒装置11に取付けられた温度センサ11D等の接続を容易に行なうことができ、ヒューズケース6M内のヒューズの交換も容易に行なうことができる。
【0097】
図15,17,19に示すように、吸気室6Kの左側には、脱穀装置3の後側に設けられた脱穀処理された穀桿を裁断するカッタ66を駆動させる駆動手段(図示省略)を操作する作業レバー68が取り付けられた作業室67が着脱自在に設けられている。なお、作業レバー68の基部は、作業室67の左右側壁に架設された左右方向に延在する回転軸68Aに支持されている。
【0098】
酸化触媒装置11を後側に搬出する場合には、作業レバー68とカッタ66を駆動させる駆動手段を接続しているワイヤ69の接続を外した後に、作業室67を取り外して行なうことができる。これにより、酸化触媒装置11を機外に搬出して容易に酸化触媒装置11の保守・点検作業を行なうことができる。
【0099】
図20に示すように、操縦部6の前部には、操縦席6Fに着席した操縦者の足を上載するステップ部6Qが設けられている。ステップ部6Qの上側の左側部には、走行装置2に伝動されるエンジンEの回転を遮断する掻込ペダル93と、走行装置2の走行を停止するブレーキペダル94が設けられている。
【0100】
掻込ペダル93の基部は、ステップ部6Qの下側に左右方向に延在して設けられた支軸93Aに回転自在に支持され、ブレーキペダル94の基部は、ステップ部6Qの上側に左右方向に延在して設けられた支軸94Aに回転自在に支持されている。これにより、ステップ部6Qの上側にブレーキペダル94を容易に取付けることができる。
【0101】
サイドパネル6Aに取り付けられた主変速レバー6Hの基部は、サイドパネル6Aの下部に左右方向に延在して設けられた支軸95Aに回転自在に支持されている。掻込ペダル93の後部とプレート95の前部はアーム96で連結され、ブレーキペダル94の後部とプレート95の前部は前側リンク97で連結され、ブレーキペダル94の後部とプレート95の後部は後側リンク98で連結されている。これにより、主変速レバー6Hの位置によって掻込ペダル6Nの踏み込み操作等を制限することができる。
【0102】
図21に示すように、ラジエータファン20と排塵ファン30を並設する形態に替えて、ファン用油圧無段変速装置100によってラジエータファン20を正転方向に回転させて外気をエンジンルーム8内に吸引し、ラジエータファン20を逆転方向に回転させてエンジンルーム8内の内気を外部に排気する形態とすることができる。この場合、ファン用油圧無段変速装置100の出力軸105の右側部の近傍に回転センサ(図示省略)を設けてファン用油圧無段変速装置100の作動状況を検査するのが好適である。これにより、回転センサによってファン用油圧無段変速装置100の異常が検出された場合、エンジンEを停止してエンジンEのオーバーヒート等を防止することができる。また、出力軸105を軸支するベアリング等にグリスを供給するグリスニップル106を出力軸105の右側部の近傍に設けるのが好適である。これにより、ベアリング等にグリスを供給することができる。なお、エンジンEの回転は、ベルト(図示省略)を介してプーリ101Aに伝動され、プーリ101Aの回転は、回転軸101を介してプーリ101Bに伝動され、プーリ101Bの回転は、ベルト(図示省略)を介してファン用油圧無段変速装置100のプーリ103に伝動され、プーリ103の回転は、ファン用油圧無段変速装置100内で増減されて出力軸105を介してプーリ104に伝動される。なお、プーリ104の回転は、ベルト等を介してラジエータファン20に伝動される。