(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6137630
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年5月31日
(54)【発明の名称】韓紙窓およびこれを備えた窓戸
(51)【国際特許分類】
E06B 3/70 20060101AFI20170522BHJP
【FI】
E06B3/70 C
E06B3/70 D
【請求項の数】5
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-530577(P2014-530577)
(86)(22)【出願日】2011年9月21日
(65)【公表番号】特表2014-526624(P2014-526624A)
(43)【公表日】2014年10月6日
(86)【国際出願番号】KR2011006983
(87)【国際公開番号】WO2013042806
(87)【国際公開日】20130328
【審査請求日】2014年3月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】510244710
【氏名又は名称】エルジー・ハウシス・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100122161
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 崇
(72)【発明者】
【氏名】ド・ヨン・イ
(72)【発明者】
【氏名】クァン・ビュム・メン
【審査官】
佐々木 崇
(56)【参考文献】
【文献】
登録実用新案第3046397(JP,U)
【文献】
韓国公開特許第10−2011−0089620(KR,A)
【文献】
実公平3−18633(JP,Y2)
【文献】
実開昭51−126944(JP,U)
【文献】
実公昭60−18649(JP,Y2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 3/54− 3/88
E06B 9/01− 9/04
E06B 3/96− 3/99
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数の水平部材と垂直部材とが互いに交差して構造体を形成する格子部と、
前記格子部の一方の側に貼り付けられた韓紙と、
を備え、前記格子部の中央が平らな組立具を用いて構成され、かつ前記格子部の各縁部が「フ」字状の組立具を用いて構成されたことを特徴とする韓紙窓。
【請求項2】
前記韓紙窓は、単窓、奥座敷二重窓、および外部二重窓のうちの1種であることを特徴とする請求項1に記載の韓紙窓。
【請求項3】
壁体に固定された窓枠と、
前記窓枠に設けられて左右にスライド変位する窓体と、
多数の水平部材と垂直部材とが互いに交差して構造体を形成する格子部および前記格子部の一方の側に貼り付けられた韓紙を有し、前記窓体に設けられた韓紙窓と、
を備え、前記格子部の中央が平らな組立具を用いて構成され、かつ前記格子部の各縁部が「フ」字状の組立具を用いて構成されたことを特徴とする韓紙窓付き窓戸。
【請求項4】
壁体に固定された窓枠と、
前記窓枠に設けられて左右にスライド変位する内窓および外窓と、
多数の水平部材と垂直部材とが互いに交差して構造体を形成する格子部および前記格子部の一方の側に貼り付けられた韓紙を有し、窓体に設けられた韓紙窓と、
を備え、前記格子部の中央が平らな組立具を用いて構成され、かつ前記格子部の各縁部が「フ」字状の組立具を用いて構成されたことを特徴とする韓紙窓付き窓戸。
【請求項5】
前記韓紙窓は、単窓、奥座敷二重窓および外部二重窓のうちのいずれか1種であることを特徴とする請求項3または4に記載の韓紙窓付き窓戸。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、韓紙窓およびこれを備えた窓戸に係り、さらに詳しくは、各種の建築物に配備される窓戸において、より差別化された感性デザインを実現することができ、インテリア効果に優れている他、スリム化が図れる韓紙窓およびこれを備えた窓戸に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、マンション、アパートや住宅、住商複合ビルなどの各種の建築物には窓戸が設けられている。すなわち、引違い窓戸の場合に、部屋や居間などの壁体に窓枠が設けられ、前記窓枠に窓体が設けられて左右にスライド変位するようになっている。
【0003】
また、前記窓枠には、通常、ガラスが嵌め込まれ、このようなガラスを介して部屋や居間の外部状況を覗き見るようになっており、機能性や断熱性には優れているとはいえ、見栄えが悪い。
【0004】
さらに、従来の窓戸は、前記ガラスが単に透明材質から形成されて窓枠に嵌め込まれる構造を有するため、より差別化された感性デザインを実現することが困難であるという欠点がある。
【0005】
すなわち、ガラスそのものが、硅砂、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウムなどを高温下で溶かした後に冷却して得られるものであり、環境にやさしい素材であるとはいえず、インテリア効果が期待し難い。
【0006】
また、前記ガラスが嵌め込まれる窓枠の主素材がポリ塩化ビニール(PVC)であり、ガラスを支えるために所定以上の大きさ(幅Wおよび高さH)を有さなければならないため、スリム化が図り難いという欠点がある。
【0007】
この理由から、より差別化された感性デザインが実現可能であり、インテリア効果に優れている他、スリム化が図れる窓戸の開発が至急望まれるのが現状である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ユーザの温もり、心地よさおよび親しさを刺激して既存のガラスに比べてより差別化された感性デザインが実現可能であり、インテリア効果を向上させることのできる韓紙窓およびこれを備えた窓戸を提供することである。
【0009】
本発明の他の目的は、窓枠や内窓の大きさ(幅Wおよび高さH)を縮小することができてスリム化が図れる韓紙窓およびこれを備えた窓戸を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した目的を達成するために、本発明は、多数の水平部材と垂直部材とが互いに交差して構造体を形成する格子部と、前記格子部の一方の側に貼り付けられて感性デザインを向上させる韓紙と、を備える韓紙窓を提供する。
【0011】
好ましくは、本発明において、前記格子部が設けられる窓体または内窓は、ポリ塩化ビニール(PVC)とアルミニウム(Al)との複合素材から形成される。
【0012】
また、好ましくは、本発明において、前記韓紙窓は、単窓、奥座敷二重窓および外部二重窓のうちの1種である。
【0013】
また、上述した目的を達成するために、本発明は、壁体に固定された窓枠と、前記窓枠に設けられて左右にスライド変位する窓体と、多数の水平部材と垂直部材とが互いに交差して構造体を形成する格子部および前記格子部の一方の側に貼り付けられて感性デザインを向上させる韓紙を有し、前記窓体に設けられた韓紙窓と、を備える韓紙窓付き窓戸を提供する。
【0014】
さらに、上述した目的を達成するために、本発明は、壁体に固定された窓枠と、前記窓枠に設けられて左右にスライド変位する内窓および外窓と、多数の水平部材と垂直部材とが互いに交差して構造体を形成する格子部および前記格子部の一方の側に貼り付けられて感性デザインを向上させる韓紙を有し、前記窓体に設けられた韓紙窓と、を備える韓紙窓付き窓戸を提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る韓紙窓およびこれを備えた窓戸によれば、下記の効果が得られる。
【0016】
先ず、第一に、窓体または内窓の内部に設けられた格子部の一方の側に貼り付けられた伝統的な素材である韓紙によってユーザの温もり、心地よさおよび親しさを刺激して既存のガラスに比べてより差別化された感性デザインが実現可能であり、しかも、インテリア効果を向上させることができる。
【0017】
第二に、窓枠または内窓の素材としてポリ塩化ビニール(PVC)とアルミニウム(Al)との複合素材を採用することにより、ポリ塩化ビニール(PVC)のみからなる従来の比べて素材の多変化がなされて、窓枠や内窓の大きさ(幅Wおよび高さH)を縮小することができてスリム化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明に係る韓紙窓付き窓戸を示す写真である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る韓紙窓付き窓戸を示す断面図である。
【
図3】本発明の他の実施形態に係る韓紙窓付き窓戸を示す断面図である。
【
図4】本発明のさらに他の実施形態に係る韓紙窓付き窓戸を示す断面図である。
【
図5】
図2に示す韓紙窓付き窓戸の部分切欠斜視図である。
【
図6】
図3に示す韓紙窓付き窓戸の部分切欠斜視図である。
【
図7】
図4に示す韓紙窓付き窓戸の部分切欠斜視図である。
【
図8】格子の加工および組立てを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面に基づき、本発明の好適な実施形態に係る韓紙窓およびこれを備えた窓戸について説明する。
【0020】
以下で用いられる用語や単語は通常的または辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者は、自分の発明を最良の方法により説明するために用語の概念を適切に定義することができるという原則に即して、本発明の技術的思想に見合う意味と概念として解釈さるべきである。
【0021】
第1実施形態
図1は、本発明に係る韓紙窓付き窓戸を示す写真であり、
図2は、本発明の一実施形態に係る韓紙窓付き窓戸を示す断面図であり、
図5は、
図2に示す韓紙窓付き窓戸の部分切欠斜視図である。
【0022】
本発明の一実施形態に係る
図2および
図5の韓紙窓付き窓戸は、表窓なし一重窓、すなわち、単窓である。
【0023】
図2および
図5を参照すると、窓枠10の長手方向に沿って敷設されるレール12の上に窓体14がスライド変位可能に設けられている。
【0024】
このとき、前記窓体14は、ポリ塩化ビニール(PVC)とアルミニウム(Al)との複合素材から製作される。すなわち、室内側においてユーザの手と直接的に接触される窓体はアルミニウム(Al)素材から製作され、且つ、室外側においてユーザと直接的に接触されない窓体はポリ塩化ビニール(PVC)素材から製作される。
【0025】
これにより、ポリ塩化ビニール(PVC)のみからなる従来の比べて素材の多変化がなされて、窓枠や内窓の大きさ(幅Wおよび高さH)を縮小することができてスリム化が図れる。
【0026】
また、前記窓枠10や窓体14のアルミニウム表面に木模様付きフィルムを被覆する場合に、天然木の感じを与えることができる。
【0027】
さらに、前記窓体14の内部には、多数の水平部材16aと垂直部材16bとが互いに交差して構造体を形成する格子部16が設けられ、前記格子部の一方の側に感性デザインを向上させるための韓紙18が貼り付けられている。
【0028】
前記水平部材16aおよび垂直部材16bは、公知の格子加工機(図示せず)を用いて格子組立溝を加工した後に、格子組立具を用いて格子を組み立てる。
【0029】
図8は、格子の加工および組立を示す模式図であり、同図を参照すると、格子部16の中央は平らな組立具を用いて格子を組み立て、各縁部は「フ」字状の組立具を用いて格子を組み立てる。
【0030】
前記韓紙は調湿性に優れているため四季の湿度の変化が激しい韓国の気候に適しており、通気性がよく、しかも、有害空気および悪臭の除去にも有効であるため、最近、環境にやさしい建築仕上げ材として脚光を浴びている。
【0031】
何よりも、前記韓紙は伝統的な素材であって、ユーザの温もり、心地よさおよび親しさを刺激して既存のガラスに比べてより差別化された感性デザインが実現可能であり、しかも、インテリア効果を向上させることができる。
【0032】
第2実施形態
図3は、本発明の他の実施形態に係る韓紙窓付き窓戸を示す断面図であり、
図6は、
図3に示す韓紙窓付き窓戸の部分切欠斜視図である。
【0033】
図3および
図6に示すように、本発明の他の実施形態に係る韓紙窓付き窓戸は、二重窓、特に、奥座敷二重窓(内窓二重窓)である。
【0034】
図3および
図6を参照すると、窓枠20の長手方向に沿って敷設されたレール22の上に内窓24および外窓26がスライド変位可能に設けられている。
【0035】
このとき、室内側に設けられる前記内窓24は、ポリ塩化ビニール(PVC)とアルミニウム(Al)との複合素材から製作される。これにより、素材の多変化がなされて内窓24の大きさ(幅Wおよび高さH)を縮小することができてスリム化が図れる。
【0036】
また、前記内窓24のアルミニウム表面に木模様付きフィルムを被覆する場合に、天然木の感じを与えることができる。
【0037】
さらに、前記内窓24の内部には多数の水平部材24a−1と垂直部材24a−2とが互いに交差して構造体を形成する格子部24aが設けられ、前記格子部の一方の側に感性デザインを向上させるための韓紙28が貼り付けられている。
【0038】
前記水平部材24a−1および垂直部材24a−2は、上述した公知の格子加工機を用いて格子組立溝を加工した後に格子組立具を用いて格子を組み立てる。
【0039】
第3実施形態
図4は、本発明のさらに他の実施形態に係る韓紙窓付き窓戸を示す断面図であり、
図7は、
図4に示す韓紙窓付き窓戸の部分切欠斜視図である。
【0040】
図4および
図7に示すように、本発明のさらに他の実施形態に係る韓紙窓付き窓戸は、二重窓、特に、外部二重窓(外窓二重窓)である。
【0041】
図4および
図7を参照すると、窓枠30の長手方向に沿って敷設されたレール32の上に内窓34および外窓36がスライド変位可能に設けられている。
【0042】
このとき、室内側に設けられる前記内窓34は、ポリ塩化ビニール(PVC)とアルミニウム(Al)との複合素材から製作される。これにより、素材の多変化がなされて内窓34の大きさ(幅Wおよび高さH)を縮小することができてスリム化が図れる。
【0043】
また、前記内窓34のアルミニウム表面に木模様付きフィルムを被覆する場合に、天然木の感じを与えることができる。
【0044】
さらに、前記内窓34の内部には、多数の水平部材34a−1と垂直部材34a−2とが互いに交差して構造体を形成する格子部34aが設けられ、前記格子部の一方の側に感性デザインを向上させるための韓紙38が貼り付けられている。
【0045】
前記水平部材34a−1および垂直部材34a−2は、上記の公知の格子加工機を用いて格子組立溝を加工した後に格子組立具を用いて格子を組み立てる。
【0046】
以上、本発明に係る韓紙窓およびこれを備えた窓戸について上述したが、本明細書に開示されている実施形態と図面によって本発明は何ら限定されるものではなく、その発明の技術思想の範囲内において当業者によって種々の変形がなされうるということはいうまでもない。
【符号の説明】
【0047】
10、20、30 窓枠
12、22、32 レール
14 窓体
16、24a、34a 格子部
24、34 内窓
26、36 外窓
18、28、38 韓紙