特許第6137635号(P6137635)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6137635破損・溶融燃料含有物質中の核物質量の計測装置及び計測方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6137635
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年5月31日
(54)【発明の名称】破損・溶融燃料含有物質中の核物質量の計測装置及び計測方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 23/04 20060101AFI20170522BHJP
   G01T 1/167 20060101ALI20170522BHJP
   G01N 23/10 20060101ALI20170522BHJP
【FI】
   G01N23/04 320
   G01T1/167 C
   G01N23/10
【請求項の数】6
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-90369(P2015-90369)
(22)【出願日】2015年4月27日
(65)【公開番号】特開2016-206099(P2016-206099A)
(43)【公開日】2016年12月8日
【審査請求日】2015年9月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】507250427
【氏名又は名称】日立GEニュークリア・エナジー株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】505374783
【氏名又は名称】国立研究開発法人日本原子力研究開発機構
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】深澤 哲生
(72)【発明者】
【氏名】星野 国義
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 記徳
(72)【発明者】
【氏名】矢澤 紀子
(72)【発明者】
【氏名】中村 友隆
(72)【発明者】
【氏名】堀 啓一郎
(72)【発明者】
【氏名】井上 尚子
(72)【発明者】
【氏名】中村 博文
(72)【発明者】
【氏名】勝山 幸三
(72)【発明者】
【氏名】石見 明洋
【審査官】 越柴 洋哉
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭64−065478(JP,A)
【文献】 特開昭62−080578(JP,A)
【文献】 特開2003−075540(JP,A)
【文献】 特開平07−159541(JP,A)
【文献】 特開2014−041079(JP,A)
【文献】 特開2014−070920(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0163988(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/84−21/958
G01T 1/00− 7/12
G21C 17/00−17/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料デブリを収納した燃料デブリ収納容器に対してX線を回転走査しながら照射して前記燃料デブリ収納容器を透過したX線を検知し、前記燃料デブリの密度の情報を得る第1の測定部と、前記燃料デブリ収納容器からの放射線を測定する第2の測定部と、第2の測定部で測定した放射線を第1の測定部で測定した前記燃料デブリの密度により第1の補正を行い、第1の補正後の放射線について、測定対象核種量による第2の補正を行い、前記燃料デブリの核物質量を定める処理部により構成されるとともに、前記測定対象核種は前記燃料デブリ収納容器内の核物質または該核物質と同様の挙動を示す核種であることを特徴とする破損・溶融燃料含有物質中の核物質量の計測装置。
【請求項2】
請求項1に記載の破損・溶融燃料含有物質中の核物質量の計測装置であって、
前記処理部の第1の補正では、第1の測定部からの密度を用いて質量吸収係数を求め、第2の測定部で測定した放射線を前記燃料デブリの密度と質量吸収係数により補正することを特徴とする破損・溶融燃料含有物質中の核物質量の計測装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の破損・溶融燃料含有物質中の核物質量の計測装置であって、
核物質と同様の挙動を示す核種を測定対象核種として、測定対象核種の放射線を計測するとき、前記処理部により求めた第1の補正後の放射線について、前記核物質と前記測定対象核種の間の相関関係に応じて第2の補正を実施することを特徴とする破損・溶融燃料含有物質中の核物質量の計測装置。
【請求項4】
請求項3に記載の破損・溶融燃料含有物質中の核物質量の計測装置であって、
前記測定対象核種は、アクチノイド元素あるいはランタノイド元素あるいは希土類元素であることを特徴とする破損・溶融燃料含有物質中の核物質量の計測装置。
【請求項5】
請求項3または請求項4に記載の破損・溶融燃料含有物質中の核物質量の計測装置であって、
前記核物質と前記測定対象核種の間の相関関係は、これらの間の比であって、当該比を、燃焼度計算結果または燃焼度推定に用いられる核種の量比に応じて求めることを特徴とする破損・溶融燃料含有物質中の核物質量の計測装置。
【請求項6】
破損あるいは溶融した核燃料中の核物質または同様に挙動する核種のγ線測定結果を、X線CTによる密度測定結果で第1の補正を行い、第1の補正後の放射線について、前記核物質または同様に挙動する核種と測定対象核種の間の相関関係に応じて第2の補正を行い、核物質量を求めることを特徴とする破損・溶融燃料含有物質中の核物質量の計測方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、破損・溶融燃料含有物質中の核物質量の計測装置及び計測方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の大規模な炉心破損・溶融事故は、米国のスリーマイル島とロシア(ウクライナ)のチェルノブイリで発生している。これらの事故で発生した破損・溶融核燃料(以下、燃料デブリという)は、米国では機械的方法で回収して別の場所で保管し、ロシアではそのまま発電所サイトの石棺中で管理されており、将来回収の予定である。また、今回の福島第一原子力発電所事故では、1号機から3号機の圧力容器内及び格納容器内において被覆管、制御棒、炉心支持板、コンクリート等の容器内構造材料と混合・固溶した状態で存在しているものと考えられている。ロシアや福島でも、米国での経験を参考に、機械的方法により回収する計画である。
【0003】
福島第一原子力発電所で回収される燃料デブリに対しては、保管、長期貯蔵、前処理、再処理、処分等の処置方策が検討されているが、核兵器国(米国、ロシア等)でない日本には、国際原子力機関(IAEA)の核査察を受ける必要があり、正確な計量管理等による保障措置が必要になると考えられる。しかし、核物質(U、Pu)からの放射線が微弱なこと、及び多量に混在する構造材料等に放射線が吸収されることより、核物質量を正確に非破壊測定するのは困難な状況となっている。
【0004】
この点に関し、燃料デブリを対象として、燃料デブリ中の核物質量を計測する装置及び計測する方法についての具体的な提案はなされていないのが現状である。なお燃料デブリでは、核物質と炉心の構造材であるジルコニウム合金(主成分Zr)、ジルコニウム合金の酸化物(主成分ZrO2)、ステンレス鋼SUSなどが溶融し、混合した状態になっているものと推定できる。
【0005】
なお燃料デブリということではなく一般的に、被検体である放射性廃棄体の非破壊検査技術として高エネルギーX線CT装置を用いる手法が例えば特許文献1により知られている。特許文献1では、超ウラン核種を含み固体化された放射性廃棄体を、原子力発電所などから搬出する場合に、放射能や固化体の健全性を検認するために放射性廃棄物固化体の放射能や内部空隙の有無をX線CT装置で検査するものである。
【0006】
このために特許文献1は、「測定に必要なX線エネルギーに応じた電子線を発生させるエネルギー可変型電子線加速器10と、その電子線を透過させることで所要特性の放射線を発生させる放射線コンバータ12と、被測定物である廃棄体14を載せる試料台16と、放射線が廃棄体を透過あるいは反射することで発生する放射線の線種および強度を測定する放射線検出装置18を具備し、バックグラウンド測定、パッシブ中性子・γ線測定、X線CTスキャン測定、光核反応による難測定核種の測定、光中性子混合線による核分裂性物質・非核分裂性物質の弁別測定及び中性子放射化分析が選択測定可能になっている。」としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−82779号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1によれば、原子力発電所からの放射性廃棄物の測定にX線CT装置を利用するという思想は存在するものの、燃料デブリを対象とすることまでは想定していない。また単に放射能や内部空隙を測定するものにすぎず、核物質量の測定という観点を有するものではない。
【0009】
以上のことから本発明においては、燃料デブリを対象としたX線CT装置の利用により核物質量を計測することを可能とする破損・溶融燃料含有物質中の核物質量の計測装置及び計測方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以上のことから本発明においては、燃料デブリを収納した燃料デブリ収納容器に対してX線を回転走査しながら照射して前記燃料デブリ収納容器を透過したX線を検知し、燃料デブリの密度の情報を得る第1の測定部と、燃料デブリ収納容器からの放射線を測定する第2の測定部と、第2の測定部で測定した放射線を第1の測定部で測定した燃料デブリの密度により補正し、補正後の放射線から燃料デブリの核物質量を定める処理部により構成されたことを特徴とする。
【0011】
また本発明は、破損あるいは溶融した核燃料中の核物質または同様に挙動する核種のγ線測定結果を、X線CTによる密度測定結果で補正し、核物質量を求めることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、燃料デブリを対象としたX線CT装置の利用により核物質量を計測することを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明による計測手法の全体構成を示す図。
図2】本発明で使用する高エネルギーX線CT装置の概略構成を示す図。
図3】本発明による計測処理フローを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0015】
なお以下に説明する本発明においては、検査の対象とする燃料デブリの密度の情報をX線CT装置の利用により得ることに着目したものである。また他方において燃料デブリの放射線(計数率)を測定し、計測した放射線(計数率)を密度で補正することにより真の放射線(計数率)を得るものである。さらに計測する燃料デブリの放射線(計数率)は、燃料デブリ中の核物質(ウランUやプルトニウムPu)と同様に挙動する核種が放出する放射線を用いて補正するものである。
【実施例】
【0016】
図1に本発明による計測手法の全体構成を示す。ここでは、異なる2種類の計測を実行する。その一つは、高エネルギーX線CT装置による被検体内部の密度測定Aである。他方は、同じ被検体を対象とした例えばGe半導体検出装置による放射線測定Bである。
【0017】
密度測定Aは、燃料デブリを収納した燃料デブリ収納容器3に対してX線発生装置1からX線を照射し、コリメータ12を介して放射線検出器2で燃料デブリ収納容器3を透過したX線を検知する。検知信号から燃料デブリ収納容器3内各部の燃料デブリDBの密度ρ(g/cm)の情報を得る。なお、燃料デブリ収納容器3に対してX線発生装置1は、横行(並進)、回転移動することにより、内部断層の情報を得ている。
【0018】
このように密度測定Aでは、高エネルギーX線CT装置を用いて燃料デブリ収納容器中の密度分布を測定する。本装置は、使用済FBR燃料集合体の測定実績を有し、密度を約1%の精度で測定可能である。密度ρが求まれば、構造材料のおおよその組成がわかり、質量吸収係数μが求まる。
【0019】
放射線測定Bは、燃料デブリ収納容器3を設置した台の周囲、あるいは高さ方向における燃料デブリの放射線(計数率)Iを測定する。この場合に本発明における放射線測定Bでは、本来測定すべき核物質(ウランUやプルトニウムPu)から放出される放射線が微弱なことから、核物質(ウランUやプルトニウムPu)と同様の挙動を示し強い放射性(γ線)を放出する核種、例えばEu−154やCe−144等の放射線を測定対象とする。このケースでは、放射線検出器として例えば、Ge半導体検出器を用いれば、核種弁別と放射線強度Iの測定が可能である。
【0020】
図2に本発明で使用する高エネルギーX線CT装置の概略構成を示している。図1の実施例におけるX線CT装置は、ファン状ビームでX線を発生するX線発生装置1、放射線検出器2(多数の放射線センサの並んだものからなる)、被検体である燃料デブリ収納容器3に対してX線発生装置1と放射線検出器2を回転走査するターンテーブル4とその回転駆動機構6、燃料デブリ収納容器3に対してX線発生装置1と放射線検出器2を並進走査する並進スキャナー5とその並進駆動機構7、回転駆動機構6と並進駆動機構7を制御するスキャナーコントローラ8、放射線検出器2からの信号を処理する信号処理装置9、信号処理回路9からのデータをもとに画像を作成する画像処理装置10、画像を表示するCRT11を備えている。そしてX線発生装置1より出たX線は、放射線検出器2に入射し、入射強度に比例した信号が信号処理装置9に送られ、収集したデータに基づいて画像を作成してCRT11に表示する。
【0021】
X線発生装置1は、1MeV以上の高エネルギーX線を発生させるために、電子を例えば12MeVに加速する電子線加速器およびこの電子線が衝突する金属ターゲットから構成されている。金属ターゲットは、高密度な物であればなんでもよく、例えばタングステンが好ましい。金属ターゲットから放射された高エネルギーX線は、燃料デブリ収納容器3を透過した後、放射線検出器2に入射する。X線発生装置1と放射線検出器2を収納している並進スキャナー5はターンテーブル4上で並進用駆動機構7により並進運動可能であり、ターンテーブル4は燃料デブリ収納容器3に対してその周りに回転用駆動機構6により回転運動可能であり、これによって、X線発生装置1および放射線検出器2は燃料デブリ収納容器3に対して並進および回転せしめられ.X線発生装置1の金属ターゲットから放射された高エネルギーX線は、水平方向においてあらゆる角度で被検体である燃料デブリ収納容器3の内部を透過し、放射線検出器2からのそのデータが信号処理装置9に送られて画像処理装置10によってCRT11に表現される。
【0022】
図2に記載の上記装置によれば、信号処理装置9には燃料デブリ収納容器3内の燃料デブリについて、燃料デブリ各点における密度ρの情報(密度分布を含む)が得られている。また信号処理装置9では、密度ρが求まっており、これがわかれば、構造材料のおおよその組成がわかり、質量吸収係数μ(cm/g)が求まる。燃料デブリは、核物質と炉心などの構造材が破損、溶融した状態のものであり、質量吸収計数μ(cm/g)は、構造材であるジルコニウム合金(主成分Zr)、ジルコニウム合金の酸化物(主成分ZrO2)、ステンレス鋼SUSなどのおおよその組成がわかれば質量吸収係数μ(cm/g)が求まる。
【0023】
他方、放射線測定Bにより燃料デブリの放射線(計数率)Iが得られているが、これは本来計測すべき核物質の放射線(計数率)、つまり真の放射線(計数率)Iを燃料デブリ中の燃料成分及び構造材、燃料デブリ収納容器3、半導体検出装置までの空間などを介して得られたものである。
【0024】
このため演算部13では、計測した放射線(計数率)Iを、構造材の質量吸収計数μ(cm/g)、密度ρ(g/cm)、放射線の物質中等科距離x(cm)の関数として補正して、真の放射線(計数率)Iを得る。以上のI、ρ、μの情報より、関係式により正確な計数率Iが求まり、測定対象核種の正確な量が求まる。
【0025】
放射線は燃料デブリの密度に比例して減衰するので、ここではX線CT装置により燃料デブリの密度を測定して放射線の減衰を補正したものである。また放射線の減衰率は放射線エネルギーにも依存するため、測定する放射線に対する減衰率の密度依存性を予め把握しておくのがよい。
【0026】
なお、上記の計測した放射線(計数率)Iは、核物質であるウランUやプルトニウムPuではなく、核物質(ウランUやプルトニウムPu)と同様の挙動を示し強い放射性(γ線)を放出する核種として、例えばEu−154やCe−144等の放射線を測定対象としていた。この場合に、測定対象核種量と核物質量の相関関係(比)は、ORIGEN等の燃焼解析コード(燃焼度計算)から計算できるので、最終的に正確な核物質量を求めることができる。図1の補正部14では、測定対象核種量と核物質量の比を用いて、最終的に核物質量を求める。
【0027】
ここでは、核物質からの放射線の強度やエネルギーが低い場合を想定しているので、核物質からの放射線に十分な大きさの強度やエネルギーがあるのであれば測定対象核種を設定せずとも好い。不十分な場合に利用可能な測定対象核種量としては、核物質と同じ挙動を示す核分裂生成物FP、マイナーアクチニドMAの放射線を測定するのがよい。一般的には、核種がアクチノイド元素あるいはランタノイド元素あるいは希土類元素が測定対象核種量として好適であり、Eu−154やCe−144等であれば十分な大きさの強度やエネルギーがあるので計測に好適である。
【0028】
図3は、本発明による計測処理フローを示す図である。図3の最初の処理ステップS1では燃料デブリを収納缶に入れ、処理ステップS2では収納缶ごと外部から放射線測定装置で対象核種のγ線強度Iを非破壊測定する。この際、γ線強度Iは全体的な平均値で良く、収納容器(線源)からの平均的なγ線の物質中透過距離xを記録する。
【0029】
次に、処理ステップS3では、高エネルギーX線CT装置で収納缶中の燃料デブリの平均的な密度ρを測定する。この際測定された密度ρ及び炉内構造から予想される燃料デブリ組成より質量吸収係数μを求める。
【0030】
処理ステップS4では、以上の測定で得られたγ線強度I、物質中透過距離x、密度ρ、質量吸収係数μより、式I=I×exp(μρx)を用いて対象核種から放出される真のγ線強度Iを求める。これにより、対象核種のγ線放出率等の物性データより対象核種の存在量が分かる。
【0031】
処理ステップS5では、対象核種量と核物質量の関係による補正を行う。対象核種量と核物質量の関係は、燃焼度計算により分かるので、比例計算により正確な核物質量を求めることができる。
【0032】
なお上記の説明においては、核物質以外を対象核種としたが、直接核物質から放出される微弱γ線を測定しても、同様の手順で正確な核物質量を求めることができる。但しこの場合には、処理ステップS5の処理を要しない。
【0033】
また上記の説明においては、平均的なγ線強度I、距離x、密度ρで評価したが、収納容器中の燃料デブリの線源や組成のバラツキがある場合は、それらを考慮した距離ごとのγ線強度と密度を求めて加重平均を取ることにより、正確な核物質量を求めることができる。
【0034】
本発明によれば、核物質量を非破壊で簡便に比較的高精度で測定することができる。サンプリングや化学的、物理的、機械的な処理が不要であり、燃料デブリを収納し、容器内に封入した状態での測定が可能である。また非接触測定が可能であり、遠隔で核物質量を測定可能である。また多量の不純物が共存する場合の核物質の量を、簡便に比較的高精度で測定することができる。
【符号の説明】
【0035】
1:X線発生装置
2:放射線検出器
3:燃料デブリ収納容器
4:ターンテーブル
5:並進スキャナー
6:回転駆動機構
7:並進駆動機構
8:スキャナーコントローラ
9:信号処理装置
10:画像処理装置
11:CRTデスプレー
12:コリメータ
図1
図2
図3