(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
更に、脊髄に対する前記埋込まれた神経刺激リードの既知の長手方向位置を定めるユーザ入力を受信するように構成されたユーザインタフェースを有する、請求項1に記載の神経刺激システム。
前記制御/処理回路は、前記長手方向位置が脊髄の頸部にあれば、前記2つのアノードのための刺激振幅値の第1の比を選択し、前記長手方向位置が脊髄の胸部にあれば、前記2つのアノードのための刺激振幅の第2の比を選択するように構成され、前記第1の刺激振幅比は、前記第2の刺激振幅比よりも1に近い、請求項1に記載の神経刺激システム。
前記制御/処理回路は、前記2つのアノードのうちの吻側のアノード及び前記2つのアノードのうちの尾側のアノードを決定するように構成され、前記吻側のアノードのための刺激振幅値は、前記尾側のアノードのための刺激振幅値よりも大きい、請求項4に記載の神経刺激システム。
前記制御/処理回路は、前記電極アレイの他の2つの活性電極をアノードとして構成するように前記神経刺激デバイスに命令し、前記他の2つの活性電極は、長手方向に隣接し且つ前記カソードから横方向にオフセットされ、
前記制御/処理回路は、脊髄に対する前記埋込まれた神経刺激リードの既知の長手方向位置に基づいて、前記他の2つのアノードのための刺激振幅値の別の比を選択し、選択された別の刺激振幅値比に従って、電気刺激エネルギを前記他の2つのアノードの間に分配するように神経刺激デバイスに命令するように構成される、請求項1に記載の神経刺激システム。
前記電極は、前記長手方向軸線に沿って延びる複数のコラムに配列され、前記カソードは、前記複数のコラムのうちの第1のコラムにあり、前記2つのアノードは、前記複数のコラムのうちの第2のコラムにある、請求項1に記載の神経刺激システム。
前記ユーザインタフェースは、脊髄に対する前記埋込まれた神経刺激リードの既知の長手方向位置を定める追加のユーザ入力を受信するように構成される、請求項15に記載の外部コントローラ。
前記制御/処理回路は、前記長手方向位置が脊髄の頸部にあれば、前記2つのアノードのための刺激振幅値の第1の比を選択し、前記長手方向位置が脊髄の胸部にあれば、前記2つのアノードのための刺激振幅の第2の比を選択するように構成され、前記第1の刺激振幅比は、前記第2の刺激振幅比よりも1に近い、請求項15に記載の外部コントローラ。
前記制御/処理回路は、前記2つのアノードのうちの吻側のアノード及び前記2つのアノードのうちの尾側のアノードを決定するように構成され、前記吻側のアノードのための刺激振幅値は、前記尾側のアノードのための刺激振幅値よりも大きい、請求項18に記載の外部コントローラ。
前記電極組合せは更に、他の2つの電極を指定し、前記他の2つの電極は、長手方向に隣接し且つ前記カソードから横方向にオフセットされ、前記刺激パラメータのセットは更に、前記他の2つのアノードのための刺激振幅値を含み、前記刺激振幅値は、脊髄に対する前記埋込まれた神経刺激リードの既知の長手方向位置に基づく別の比を有する、請求項15に記載の外部コントローラ。
前記電極のアレイは、患者の脊柱の前記長手方向軸線に沿って複数のコラムに配列され、前記カソードは、前記複数のコラムのうちの第1のコラムにカソードとしてあり、前記2つのアノードは、前記複数のコラムのうちの第2のコラムにアノードとしてある、請求項15に記載の外部コントローラ。
【背景技術】
【0003】
埋込み可能な神経刺激システムは、広範な病気及び疾患に治療効果を証明している。ペースメーカー及び埋込み可能な心臓除細動器(ICD)は、いくつかの心臓の病気(例えば、不整脈)の処置において非常に有効であることを示している。脊髄刺激(SCS)システムは、慢性疼痛症候群の処置のための治療法として長く受入れられており、組織刺激の用途は、狭心症及び失禁のような追加の用途に広がり始めている。脳深部刺激(DBS)も、難治性慢性疼痛症候群の処置のために10年以上治療に適用されており、脳深部刺激(DBS)はまた、近年運動障害及びてんかんのような追加の領域に適用されている。更に、最近の研究では、末梢神経刺激(PNS)システムは、慢性疼痛症候群及び失禁の処置において有効性を示しており、いくつかの追加の用途は、現在研究中である。更に、機能的電気刺激(FES)システムは、脊髄損傷患者の麻痺した四肢の何らかの機能を回復させるために適用されている。
【0004】
これらの埋込み可能な神経刺激システムの各々は、典型的には、望ましい刺激部位に埋込まれる1又はそれ以上の電極担持刺激リードと、刺激部位から遠隔に埋込まれるが、刺激リードに結合される神経刺激器とを含む。従って、電気パルスを神経刺激器から刺激リードに送出して、ある容積の神経組織を刺激又は活性化することができる。特に、少なくとも1つのカソード電極と少なくとも1つのアノード電極との間に送信された電気エネルギは、電界を生成し、電界は、十分強力な時に閾値レベルを超えてニューロンを脱分極させ(又は「刺激し」)、それによって神経繊維に沿って伝播する活動電位(AP)の発射を誘起する。
【0005】
電極がターゲット神経要素を刺激していることを検証して最も有効な刺激レジメを考案するために、リード配置工程中又は後に刺激エネルギを電極に送出することができる。レジメは、任意の所与の時点でどの電極が電流パルスのソース(アノード)になっているか、及びどの電極が電流パルスのシンク(カソード)になっているか、並びに電流パルスの大きさ及び持続期間を指示する。刺激レジメは、典型的には、治療利益を提供するために刺激する必要があるターゲット組織の全てに刺激エネルギを提供し、更に刺激される非ターゲット組織の容積を最小にするものとなる。脊髄刺激(SCS)の場合には、このような治療利益は、「異常感覚」、すなわち、電極を通して印加された電気刺激によって達成されるチクチクする感じである。
【0006】
患者内で不快感又は不随意運動を引き起こすことなく異常感覚感を生むために、多くの場合に、感覚神経繊維及び運動反射神経繊維の両方、並びに固有受容感覚に関わるものを含む後根中の神経繊維(DR神経繊維)よりも感覚神経繊維を主として含む後柱中の神経繊維(DC神経繊維)を優先的に刺激するのが望ましい。
【0007】
DC神経繊維は、従来の脊髄刺激(SCS)において意図するターゲットであるが、実際に、DR神経繊維は、多くの場合、幾何学的、電気的、解剖学的、及び生理的理由のために最初に動員される。例えば、DR神経繊維は、DC神経繊維の近くの最大のものよりも大きな直径の繊維を含み、従って、それらが励起されるより低い閾値を有するし。DR繊維のより低い閾値の一因となる他の要因は、DC繊維のものを上回るそれらの潜在的に好ましい向き、並びに脊髄へのDR神経繊維の入口における周囲媒体の不均質性及び異方性を含む。従って、DR神経繊維は、DC神経繊維の近くでよりも細胞外刺激レベルで依然として活動電位(AP)を生じると考えられる。結果として、刺激するのが望ましいDC神経繊維は、DR神経繊維よりも刺激の確率が低い可能性があり、従って、多くの場合、患者に不快感をもたらす固有受容繊維が動員される可能性がある。同様に、望ましくない運動動員をもたらす運動反射弓が活性化される可能性がある。いずれの場合も、患者の疼痛領域と調和する異常感覚を妨げる可能性がある。
【0008】
これらのような理由のために、多くの場合、DR神経繊維の励起を最小にしながらDC神経繊維の励起を最大にする仕方で、すなわち、DR/DC閾値比を増加させるために、神経組織を活性化する閾値を修正することにより、DR神経繊維よりもDC神経繊維を優先的に刺激することが望ましい。これは、脊髄の中心に位置するカソード電極に電気パルスを受容させてカソード電極に隣接するターゲット組織を脱分極し、それによってDC神経繊維に沿って活動電位(AP)を生成し、一方、電気パルスが、カソード電極の両側でアノード電極に供給されてアノード電極に隣接する非ターゲット組織を過分極し、それによってDR神経繊維の閾値を増加させることによって達成することができる。
【0009】
典型的な例では、DR神経繊維の刺激を防ぎながらDC神経繊維を刺激するために、脊髄刺激(SCS)システムは、内側−外側電界において単一カソードに隣接するアノードを活性化させることができ、単一カソードは、DC繊維に刺激エネルギを提供するが、隣接するアノードは閾値を増加させ、従って
図1に示すようにDR繊維の動員を防ぐ。
【0010】
脊髄の各側面のいくつかのDR神経繊維が、不注意に刺激されるほどカソードの十分近くにある場合があるので、カソードの各側面のいくつかのアノードは、これらのDR神経繊維の刺激に対する防御のために活性化することができる。例えば、1つの手法では、中心カソードは、刺激エネルギをDC繊維に提供し、2対のアノード(一方の対は、脊髄の一方の横側においてカソードの吻側−尾側に隣接し、他方の対は、脊髄の他方の側においてカソードの吻側−尾側に隣接する)は、
図2に示すようにDR神経繊維の刺激に対して防御する。典型的には、電流は、後根繊維の全ての場所が等しくアノードの影響を受けるという仮定の下に等しくアノードに分配される(すなわち、各アノードに25%の電流)。
【0011】
この仮定は、DR繊維が脊髄に垂直に入る時に適正であると考えられる。しかし、
図3に示すように、脊髄のDR神経繊維と長手方向軸線の間の角度は、一方が尾側方向に脊髄の下方へ移動すると増加する傾向があるのに対して(すなわち、より吻側脊椎分節に位置するDR神経繊維は、より狭い角度で(おそらくは更に垂直に)脊髄に入る)、より尾側垂直分節に位置するDR神経繊維は、より急角度で脊髄に入る。後者の場合に、
図2に示すアノード上の等しい電流分布は、最適でない場合がある。
【発明を実施するための形態】
【0030】
最初に
図4を見ると、例示的脊髄刺激(SCS)システム10は、一般的に、埋込み可能な刺激リード12、埋込み可能なパルス発生器(IPG)14(又はこれに代えてRF受信機−刺激器)、外部遠隔制御器(RC)16、臨床医用プログラミング装置(CP)18、外部試験刺激器(ETS)20、及び外部充電器22を含む。
【0031】
埋込み可能なパルス発生器(IPG)14は、アレイに配列された複数の電極26を担持する刺激リード12にリード延長部24を介して接続される。以下で更に詳細に説明するように、埋込み可能なパルス発生器(IPG)14は、一連の刺激パラメータに従ってパルス電気波形(すなわち、時間的に連続した電気パルス)の形態の電気刺激エネルギを電極アレイ26に送出するパルス発生回路を含む。
【0032】
埋込み可能なパルス発生器(IPG)14と同様のパルス発生回路を有する外部試験刺激器(ETS)20も、一連の刺激パラメータに従って電気刺激エネルギを電極アレイ26に提供する。外部試験刺激器(ETS)20と埋込み可能なパルス発生器(IPG)14の間の大きな違いは、ETS20は、刺激リード12を埋込んだ後かつ埋込み可能なパルス発生器(IPG)14の埋込み前に試験的に使用されて提供すべき刺激の有効性を試験する埋込み不能デバイスであるという点である。
【0033】
外部遠隔制御器(RC)16を使用して、双方向RF通信リンク32を介して外部試験刺激器(ETS)20を遠隔測定的に制御することができる。埋込み可能なパルス発生器(IPG)14及び刺激リード12が埋込まれた状態で、外部遠隔制御器(RC)16を使用して、双方向RF通信リンク34を介して埋込み可能なパルス発生器(IPG)14を遠隔測定的に制御することができる。そのような制御により、埋込み可能なパルス発生器(IPG)14をオン又はオフにし、埋込み後に異なる刺激プログラムを用いてプログラミングすることを可能にする。埋込み可能なパルス発生器(IPG)14をプログラムしてその電源を充電又はそうでなければ補充した状態で、埋込み可能なパルス発生器(IPG)14は、外部遠隔制御器(RC)16の存在なしにプログラミングされるように機能することができる。
【0034】
臨床医用プログラミング装置(CP)18は、手術室及び経過観察セッションにおいて埋込み可能なパルス発生器(IPG)14及び外部試験変調器(ETM)20をプログラミングするための臨床医用詳細刺激パラメータを提供する。臨床医用プログラミング装置(CP)18は、IR通信リンク36を介して外部遠隔制御器(RC)16を通して埋込み可能なパルス発生器(IPG)14又は外部試験変調器(ETM)20と間接的に通信することによってこの機能を実施することができる。これに代えて、臨床医用プログラミング装置(CP)18は、RF通信リンク(図示せず)を介して埋込み可能なパルス発生器(IPG)14又は外部試験変調器(ETM)20と直接に通信することができる。外部充電器22は、誘導リンク38を通じて埋込み可能なパルス発生器(IPG)14を経皮的に充電するのに使用する携帯式デバイスである。
【0035】
刺激パラメータをその後に独立モードで(すなわち、臨床医用プログラミング装置(CP)18の支援なしで)外部遠隔制御器(RC)16の作動によって修正することができるように、臨床医用プログラミング装置(CP)18によって提供される臨床医用詳細刺激パラメータも、外部遠隔制御器(RC)16をプログラミングするのに使用される。本発明では、以下で更に詳細に説明するように、臨床医用プログラミング装置(CP)18を用いて脊髄に対して電極26の長手方向位置を決定することができ、それに基づいて電気エネルギは、後柱中の神経繊維(DC神経繊維)が後根中の神経繊維(DR神経繊維)よりも優先的に刺激されるように電極に最適に送出される。
【0036】
本明細書の目的のために、用語「神経刺激器」、「刺激器」、及び「刺激」は、一般的に、神経組織の神経活性に影響を与える電気エネルギの送出を指し、これらは、例えば、活動電位を開始し、活動電位の伝播を抑制又は遮断し、神経伝達物質/神経変調物質の放出又は取込の変化に影響を与え、かつ脳組織の神経形成又は神経発生の変化を引き起こすことによって興奮性又は抑制性とすることができる。簡潔にするために、外部遠隔制御器(RC)16、外部試験刺激器(ETS)20、及び外部充電器22の詳細は、本明細書では以下に説明しない。これらのデバイスの例示的実施形態の詳細は、特許文献1に開示されており、この特許を本明細書に援用する。
【0037】
ここで
図5を参照して、神経刺激リード12の外部特徴及び埋込み可能なパルス発生器(IPG)14の内部構成要素を簡単に説明する。埋込み可能なパルス発生器(IPG)14は、電子及び他の構成要素(以下により詳細に説明する)を収容するための外側ケース40と、神経刺激リード12の近位端が電極26を外側ケース40内の電子機器に電気的に結合する仕方で嵌合するコネクタ42とを含む。外側ケース40は、チタン等の導電性の生体適合性材料から構成され、気密にされた区画を形成し、内部電子機器は、身体組織及び体液から保護される。いくつかの場合、外側ケース40は、電極として機能する。
【0038】
図5に最も良く示すように、神経刺激リード12は、近位端46及び遠位端48を有する細長い本体44とリード本体44の遠位端48に形成されたパドル形膜50とを含む外科用パドルリードの形態を取る。パドルリードの構成及び製造の方法に関する更なる詳細は、「刺激リード及びリード製作のための方法」という名称の特許文献2に開示されており、この特許の開示は引用によって本明細書に明示的に組込まれる。
【0039】
図示の実施形態では、電極26は、刺激リード12の長手方向軸線に沿って3つのコラムに配列される。特に、電極26は、1つの内側電極コラム26’と内側電極コラム26’に近接している2つの外側電極コラム26’’に配列される。電極26の各々は、例えば、プラチナ、チタン、ステンレス鋼、又はこれらの合金等の導電性の非耐食性材料から構成される。
【0040】
変形実施形態では、電極26は、3つよりも多くのコラムに配列してもよいことを認めるべきである。例えば、4つのコラムを使用する場合、2つの内側電極コラムと内側電極コラムに隣接する2つの外側電極コラムが存在してもよい。刺激リード12が11の電極26を有するように示されているが、電極の数は、刺激リード12を使用することを意図する用途に適切な任意の数(例えば、5、8、14、その他)とすることができる。
図5に示す刺激パドルリード12の電極コラムは均一間隔を有するように示されているが、電極コラムの間の間隔は適切に変化してもよいことを認めるべきである。パドルリードの代替の構成に関する更なる詳細は、「電流ステアリングにより増大した内側−外側及び吻側−尾側可撓性に対してパドル上の複数の調整可能な中心カソード」という名称の特許文献3に開示されており、この特許の開示は引用によって本明細書に明示的に組込まれる。
【0041】
埋込み可能なパルス発生器(IPG)14は、メモリ52、コントローラ/プロセッサ(例えば、マイクロコントローラ)54、モニタ回路56、遠隔測定回路58、バッテリ60、刺激出力回路62、及び当業者に公知の他の適切な構成要素等の電子構成要素を含む。
【0042】
メモリ52は、プログラミングパッケージ、刺激パラメータ、及び埋込み可能なパルス発生器(IPG)14の適切な機能に必要な他の重要な情報を記憶するように構成される。マイクロコントローラ54は、埋込み可能なパルス発生器(IPG)14によって実施される神経刺激を指示及び制御するためにメモリ52に記憶された適切なプログラムを実行する。モニタ回路56は、埋込み可能なパルス発生器(IPG)14全体の様々なノード又は他のポイント、例えば、電源電圧、温度、バッテリ電圧等の状態をモニタするように構成される。モニタ回路58は、適切な変調搬送波信号で外部遠隔制御器(RC)16及び/又は臨床医用プログラミング装置(CP)18からプログラムデータ(例えば、作動プログラム及び/又は刺激パラメータ)を受信するように構成され、次に、プログラムデータは、メモリ52に記憶される。遠隔測定回路58も、適切な変調搬送波信号においてステータスデータを外部遠隔制御器(RC)16及び/又は臨床医用プログラミング装置(CP)18に送信するように構成される。再充電可能リチウムイオン又はリチウムイオンポリマーバッテリとすることができるバッテリ60は、作動電力を埋込み可能なパルス発生器(IPG)14に提供する。刺激出力回路62は、マイクロコントローラ54の制御下で、電極26の各々に対して電気パルス列の形態で電気エネルギを生成及び送出するように構成される。
【0043】
刺激出力回路62によって送出された電気エネルギに対して、電気エネルギを送信又は受信するように選択された電極は、本明細書では「活性化された」と呼ばれるが、電気エネルギを送信又は受信するように選択されていない電極は、本明細書では「非活性化された」と呼ばれる。電気エネルギ送出は、2つの(又はそれ以上の)電極の間で行われ、そのうちの1つは、上述のように埋込み可能なパルス発生器(IPG)ケースとすることができ、その結果、電流は、埋込み可能なパルス発生器(IPG)ケース内に収容されたエネルギ源から組織への経路及び組織からケース内に収容されたエネルギ源へのシンク経路を有するようになる。電気エネルギは、単極又は多極(例えば、2極、3極、その他)の様式で組織に送信される。
【0044】
単極送出は、電気エネルギが選択された電極とケースとの間で送信されるように、リード電極のうちの選択された1つ又は2つ以上が埋込み可能なパルス発生器(IPG)14のケースと共に作動する時に行われる。単極送出はまた、単極効果を作り出すように1つ又は2つ以上のリード電極から遠隔に位置する大きなグループのリード電極と共にリード電極のうちの1つ又は2つ以上が活性化される時に行われる場合があり、すなわち、電気エネルギは、比較的等方的仕方で1つ又は2つ以上のリード電極から送信される。多極送出は、電気エネルギが選択された電極の間で送信されるように、リード電極のうちの2つ又はそれ以上がアノード及びカソードとして活性化される時に行われる。
【0045】
図6に示すように、埋込み可能な神経刺激リード12は、患者66の脊柱64内に埋込まれる。神経刺激リード12の好ましい配置は、刺激すべき脊髄区域に隣接し、すなわち、その上方の硬膜外腔にある。神経刺激リード12が脊柱64を出る位置の近くの空間の不足により、埋込み可能なパルス発生器(IPG)14は、一般的に、腹部の中又は臀部の上のいずれかに外科的に作られたポケットに埋込まれる。埋込み可能なパルス発生器(IPG)14は、勿論、患者の身体の他の位置に埋込むこともできる。リード延長部24は、刺激リード12の出口点から離れた埋込み可能なパルス発生器(IPG)14の位置付けを容易にする。図示のように、臨床医用プログラミング装置(CP)18は、外部遠隔制御器(RC)16を介して埋込み可能なパルス発生器(IPG)14と通信する。
【0046】
本発明にとって重要な点は、患者のための神経刺激治療の行程中にDR神経繊維よりもDC神経繊維を優先的に刺激するために、脊髄刺激(SCS)システム10が、DR神経繊維の刺激を回避する仕方で戦略的に向けられた適切な内側−外側電界を生成するように構成される点である。本明細書の目的のために、「内側−外側電界」は、最強の電界成分が吻側−尾側軸線にほぼ平行に向けられることを意味する「吻側−尾側電界」と比べて、最強の電界成分が内側−外側軸線にほぼ平行に向けられることを意味する。内側−外側電界は、神経刺激リード12におけるカソード及びアノードの横方向形態とこれらの間の電気エネルギの伝達とによって生成される。
【0047】
この目的のために、
図7に示すように、神経刺激リード12は、DC神経繊維のすぐ上に配置された電極の中間コラム及びDR神経繊維のすぐ上に配置された外側電極コラムを有して、脊髄に隣接して電極26が配置されるように患者内に埋込むことができる。見ることができるように、電極26’の中間コラムは、DR神経繊維から離れて維持され、DR神経繊維の不注意な刺激を阻止する。
【0048】
特に、埋込み可能なパルス発生器(IPG)14は、カソードとアノードの間の埋込み可能なパルス発生器(IPG)14から送信された電気刺激エネルギが、DR繊維の刺激を阻止しながらDC繊維を刺激する内側−外側電界を生成するように、カソードとして中間コラム26’に電極のうちの少なくとも1つ及びアノードとして少なくとも1つの外側電極コラム26’’に電極のうちの少なくとも2つを構成することができる。
図7に示す電極配列では、埋込み可能なパルス発生器(IPG)14は、電極26’の中間コラムの中心電極をカソードとして構成し、カソードに隣接する外側電極の2つの横列(すなわち、中間コラムのカソードに隣接する左外側コラム26’’の2つの近接した電極及び右外側コラム26’’の2つの近接した電極)をアノードとして構成する。活性化電極の正確な構成及びこれらに送出される電気エネルギは、内側−外側電界の望ましいサイズ及び位置に基づいて修正することができる。
【0049】
より具体的には、内側−外側電界のサイズは、一部は神経刺激リード12のカソードとアノードの間の間隔に基づいている。カソードとアノードの間のより大きな間隔は、より大きな内側−外側電界を生じることになり、同様に、カソードとアノードの間のより小さな間隔は、より小さな内側−外側電界を生じることになる。例示を目的として、以下の考察は、
図7に示すようにカソードとアノードの間の緊密間隔に焦点を当てることになるが、カソードとアノードの間の間隔を広げて(例えば、外側電極コラム26’’の電極の上部及び下部の対は、電極の中間の2つの対の代わりにアノードとして構成することができる)、内側−外側電界のサイズを変更することができ、間隔は、いずれか又は全ての電極の間で対称的である必要はないことを認めるべきである。
【0050】
内側−外側電界の中心は、活性化電極の間のカソード電流分布に基づいている。例えば、カソードエネルギの100%が
図7に示すように単一カソードに割り当てられる場合、内側−外側電界の中心は、単一カソードにある。カソードエネルギの50%が1つのカソードに割り当てられ、カソードエネルギの他の50%が別のカソード(例えば、内側電極コラム26’’においてカソードとして構成されたいずれか2つの隣り合う電極)に割り当てられる場合、内側−外側電界の中心は、2つのカソードの間にある。第1のカソードにここで他方よりも多くのカソードエネルギが割り当てられるように、2つのカソードの間のカソードエネルギの分配が変化する場合、内側−外側電界の中心は、第1のカソードの近くに位置することを認めるべきである。例示を目的として、以下の考察は、
図7に示すように1つの中心カソードに焦点を当てることになるが、1つよりも多くの電極が、内側コラム26’においてカソードとして構成され、内側−外側電界の中心を変化させることができることを認めるべきである。
【0051】
神経刺激治療のターゲット区域に応じて、神経刺激リード12は、脊髄の中心に又は脊髄の特定の側に向けて斜めに置かれる場合があることを認めるべきである。神経刺激リード12が特定の側に向けて斜めである時に、その特定の外側電極コラム26’’上の2つの電極のみをアノードとして構成することができるのは(例えば、右の中心カソードに隣接する右電極コラム26’’の2つの中間アノード、又は左の中心カソードに隣接する左電極コラム26’’の2つの中間アノード)、生成された内側−外側電界が、遠く離れすぎて脊髄の他方の側のDR神経繊維に影響を与えないと考えられるからである。神経刺激リード12が、脊髄の中心に置かれる時に、両外側電極コラム26’’上の電極の各々は、アノードとして構成され(例えば、
図7に示すように、両側の中心カソードに隣接する右電極コラム26’’の2つの中間アノード、及び左電極コラム26’’の2つの中間アノード)、脊髄の両側のDR神経繊維の刺激を防ぐことができる。例示を目的として、以下の考察は、
図7に示すように中心カソードとその両側において中心カソードに隣接する4つのアノードとを有する電極のこの後者の構成に焦点を当てることになる。内側−外側電界を生成かつ修正する方法に関する更なる詳細は、特許文献3に開示されており、この特許は引用によって本明細書に予め組込まれる。
【0052】
電極のこの形態の目標は、カソードから生じた電気エネルギがDC神経繊維を刺激し、カソードに隣接するアノードが、隣接したアノードの側においてカソードに起因する脱分極効果を低減することによって、電気エネルギをDR神経繊維から「押しのける」ことを保証することである。具体的には、カソードの左側において長手方向に隣接するアノードは、電気エネルギを左のDR神経繊維から押しのけ、同様に、カソードの右側において長手方向に隣接するアノードは、電気エネルギを右のDR神経繊維から押しのける。
【0053】
特定のアノードによる電気エネルギの「押しのけ」の大きさは、どのくらいアノード電流をその特定の電極に割り当てるかに直接に関連している(すなわち、より多くのアノード電流を割り当てたアノードは、アノード電流をあまり割り当てていないアノードと比べる時に、より強力な押しのけを可能にすることになる)。例えば、アノード電流の25%が
図7に示すように全ての4つのアノードに等しく割り当てられる場合、特定の電極コラム26’’の吻側アノード及び尾側アノードは、カソードの電気エネルギに対して等しい押しのけを示すことになる。アノード電流のこの割り当ては、
図7に示すように、ほとんど垂直に脊髄に入るDR神経繊維の刺激を阻止するのに十分に働くが、それは、脊髄に入るDR神経繊維の角度がより急傾斜である脊髄の異なるセクションにおいては働かない場合がある(
図3に示すように)。従って、長手方向アノード(長手方向DC神経繊維に平行して走る同じコラムのアノード)の各対の間のアノード電流の割り当ては、脊髄(すなわち、埋込まれた神経刺激リードに最も近い特定の脊椎(例えば、C1−C7、T1−12、その他))に対する神経刺激リード12の長手方向位置に基づいて修正すべきである。
【0054】
その目的のために、同量のアノード電流を特定の外側電極コラム26’’の両アノードに送出する代わりに、長手方向アノードの各対の間のアノード電流分布は、DR神経繊維の角度を補償する仕方で修正される。より具体的には、一方が尾側方向に移動するにつれて脊髄に入るDR神経繊維の角度がより急に傾斜すると、アノードの各長手方向対に対する刺激振幅比は、より尾側アノードと比べてより吻側アノードにより多くのアノードが割り当てられるように増加する。右コラムの長手方向アノードの刺激振幅比は、治療の標的にする区域に応じて左コラムのものと異なる場合があるが、以下の考察では、例示を目的として両方の比が同じになると仮定にすることになることを認めるべきである。
【0055】
特に、
図8aに示すように、埋込み可能なパルス発生器(IPG)14は、DR神経繊維がほとんど垂直に脊髄に入る時に(例えば、脊髄の頸部)、アノードの各長手方向対の間で低い比(1に近づく)を維持するように構成される(例えば1:1、すなわち、吻側及び尾側アノードの両方に25%各々の等しいアノード電流が割り当てられる)。このような電極形態は、
図8dに示すように、対称的にカソードを丸で囲む等電位線を有する電界を生成する。見ることができるように、アノードの間の垂直に向けられたDR神経繊維の多くは、等電位線に対して比較的斜めの角度で電界を通って延びる。結果として、これらのDR神経繊維に沿った電圧差は緩和され、それによってDR神経繊維が活性化される機会を低下させる。
【0056】
図8bに示すように、埋込み可能なパルス発生器(IPG)14は、DR神経繊維がかなり急角度で脊髄に入る時に(例えば、脊髄の胸部)、適度の比を維持するように構成される(例えば2:1、すなわち、それぞれ33.3%及び16.6%である吻側アノードに尾側アノードの2倍のアノード電流が割り当てられる)。このような電極形態は、
図8eに示すように、非対称的にカソードを丸で囲む等電位線を有する電界を生成し、等電位の上方領域は圧縮されている。見ることができるように、アノードの間に適度に角度をなすDR神経繊維の多くは、等電位線の上方領域に対して比較的斜めの角度で電界を通って延びる。結果として、これらのDR神経繊維に沿った電圧差は緩和され、それによってDR神経繊維が活性化される機会を低下させる。
【0057】
最後に、
図8cに示すように、埋込み可能なパルス発生器(IPG)14は、DR神経繊維が非常に急角度で脊髄に入る時に(例えば、脊髄の腰部)、高い比を維持するように構成される(例えば4:1、すなわち、40%及び10%である吻側アノードに尾側アノードの4倍の多くのアノード電流が割り当てられる)。このような電極形態は、
図8fに示すように、非対称的にカソードを丸で囲む等電位線を有する電界を生成し、等電位の上方領域はなお一層圧縮されている。見ることができるように、アノードの間に急角度をなすDR神経繊維の多くは、等電位線の上方領域に対して比較的斜めの角度で電界を通って延びる。結果として、これらのDR神経繊維に沿った電圧差は緩和され、それによってDR神経繊維が活性化される機会を低下させる。
【0058】
上記に基づいて、脊髄に対して神経刺激リード12の長手方向位置を決定することは、長手方向アノードの各対の間に割り当てるべきアノード電流の適切な比を決定する上で極めて重要である。好ましい実施形態では、脊髄刺激(SCS)システム10は、埋込まれた神経刺激リード12の長手方向位置を自動的に決定するように構成される。より具体的には、脊髄刺激(SCS)システム10は、患者の脊髄の記憶された医用画像(例えば、MRIスキャン、CTスキャン、蛍光透視法、その他)に画像認識技術を適用し、脊髄に対して埋込まれた神経刺激リード12の長手方向位置を識別するように構成することができる。
【0059】
変形実施形態では、脊髄刺激(SCS)システム10は、埋込まれた神経刺激リードの長手方向位置を決定する上でユーザを支援するように構成される。より具体的には、ユーザは、臨床医用プログラミング装置(CP)18上の患者の脊髄の記憶された医用画像を見て、臨床医用プログラミング装置(CP)18のユーザインタフェースにより神経刺激リードの長手方向位置を手動で入力することができる。本発明のこの態様に関するより詳細は、以下で更に考察される。
【0060】
埋込まれた神経刺激リード12の長手方向位置が決定された状態で、脊髄刺激(SCS)システム10は、埋込まれた神経刺激リード12の決定された長手方向位置に基づいて長手方向アノードの各対の刺激振幅の適切な比を自動的に選択するように構成される。
【0061】
この目的のために、脊髄刺激(SCS)システム10は、神経刺激リード12の異なる長手方向位置のリストを収容する記憶されたルックアップテーブルを参照することができ、これらの各々は、その特定の長手方向位置においてDR神経繊維の角度を最も良く補償する長手方向のアノードの対に対する刺激振幅の適切な比に対応する。DR神経繊維の角度は、典型的には、全ての単一脊椎において大幅に増加することはないので、ルックアップテーブルは、典型的には、刺激振幅の同じ比に対応するいくつかの脊椎を各々が含む脊椎レベルのリストを収容する。
【0062】
例えば、頸椎レベル(C1〜C7)、胸椎レベル(T1〜T12)、及び腰椎レベル(L1〜L5)の3つの脊椎レベルが存在し得る。あるいは、別の例では、脊髄に入るDR神経繊維の角度のより微妙な差を説明するために、3つではなく、頸椎レベル1(C1〜C3)、頸椎レベル2(C4〜C7)、胸椎レベル1(T1〜T6)、胸椎レベル2(T7〜T12)、腰椎レベル1(L1〜L2)、及び腰椎レベル2(L3〜L4)の6つの脊椎レベルが存在してもよい。更に別の例では、より正確に言うと、脊柱の全ての脊椎は、それ自体の脊椎レベル(C1レベル、C2レベル、C3レベル、その他)を構成してもよい。これに代えて、ルックアップテーブルに比を記憶せずに、それらは、数学的定式化に基づいて動的に決定することができる。
【0063】
ここで
図9に戻ると、埋込まれた神経刺激リード12の長手方向位置に基づいてアノードの刺激振幅比を選択する1つの例示的実施形態が示されている。埋込まれた神経刺激リード12の決定された長手方向位置が、脊柱(C1〜C7)の頸部である場合、中心カソードに隣接するアノードの各コラムの吻側アノードと尾側アノードの間の比は、1:1になるように自動的に構成される。埋込まれた神経刺激リード12の決定された長手方向位置が、脊柱(T1〜T12)の胸部である場合、中心カソードに隣接するアノードの各コラムの吻側アノードと尾側アノードの間の比は、2:1になるように自動的に構成される。同様に、埋込まれた神経刺激リード12の決定された長手方向位置が、脊柱(L1〜L5)の腰部である場合、中心カソードに隣接するアノードの各コラムの吻側アノードと尾側アノードの間の比は、4:1になるように自動的に構成される。
【0064】
実際に、電極の長手方向対に対する刺激振幅比の上記で詳述した自動選択は、臨床医用プログラミング装置(CP)18を用いて活性化電極の刺激パラメータをプログラムする間のユーザを支援する。以下で更に詳細に説明するように、ユーザが臨床医用プログラミング装置(CP)18を用いて刺激振幅のこの自動選択を修正することができることを認めるべきである。
【0065】
図6に示すように、臨床医用プログラミング装置(CP)18の全体の外観は、ラップトップパーソナルコンピュータ(PC)の外観であり、実際に、方向プログラミングデバイスを含むように適正に構成され、本明細書に説明する機能を実施するようにプログラミングされているPCを使用して実施することができる。これに代えて、臨床医用プログラミング装置(CP)18は、ミニコンピュータ、携帯情報端末(PDA)、その他、又は更に拡張機能を備えた遠隔制御器(RC)の形態を取ることができる。従って、プログラミング手法は、臨床医用プログラミング装置(CP)18に収容されたソフトウエア指示を実行することによって実施することができる。これに代えて、そのようなプログラミング手法は、ファームウエア又はハードウエアを使用して実施することができる。いずれの場合も、臨床医用プログラミング装置(CP)18は、最適刺激パラメータを患者フィードバックに基づいて決定することを可能にし、その後に最適刺激パラメータで埋込み可能なパルス発生器(IPG)14をプログラミングするように、埋込み可能なパルス発生器(IPG)14によって生成される電気刺激の特性を能動的に制御することができる。電極の刺激振幅は自動的に選択することができるが、ユーザは、以下で更に詳細に説明するように、選択された値を手動的に書き換えることができることを認めるべきである。
【0066】
ユーザがこれらの機能を実施することを可能にするために、臨床医用プログラミング装置(CP)18は、ユーザ入力デバイス(例えば、マウス76及びキーボード78)及びケース82に収容されたプログラミング表示画面80を含む。マウス76に加えて又はその代わりに、トラックボール、タッチパッド、ジョイスティック、又はキーボード78に関連付けられたキーの一部として含まれる方向キーのような他の方向プログラミングデバイスを使用することができることを理解すべきである。
【0067】
以下に説明する図示の実施形態において、表示画面80は、従来の画面の形態を取り、その場合、マウス、ジョイスティック、トラックボール、その他によって制御されるカーソルのような仮想ポインティングデバイスを使用して、表示画面80上のグラフィックオブジェクトを操作することができる。変形実施形態において、表示画面80は、デジタイザタッチ画面の形態を取り、デジタイザタッチ画面は、受動的又は能動的のいずれかとすることができる。プログラミングするためのデジタイザ画面の使用を考察する更なる詳細は、「神経刺激システムのプログラミング中に互いに電極をリンクするための技術」という名称の特許文献4に説明され、この明細書を本明細書に援用する。
【0068】
ここで
図10を参照して、臨床医用プログラミング装置(CP)18は、コントローラ/プロセッサ68(例えば、中央演算処理ユニット(CPU))と、コントローラ/プロセッサ68によって実行してユーザが埋込み可能なパルス発生器(IPG)14及び外部遠隔制御器(RC)16をプログラミングし、並びに神経刺激リード12の長手方向位置に基づいてアノードの各長手方向対に対する刺激振幅比を選択する際にルックアップテーブル使用することを可能にすることができるプログラミングパッケージ72を記憶するメモリ70とを含む。本発明に対して重要な点は、コントローラ/プロセッサ68が、埋込まれた神経刺激リード12の決定された長手方向位置に基づいてアノードの各長手方向対に対する刺激振幅比を選択し、かつアノードの各長手方向対に対して選択された比に基づいてアノードの間に電気エネルギを分配するように構成される点である。
【0069】
これに加えて、臨床医用プログラミング装置(CP)18は、ユーザ入力デバイス74(上述したマウス76又はキーボード78等)を更に含み、ユーザ指令を提供する。注意すべきことに、コントローラ/プロセッサ68は単一デバイスとして
図10に示されているが、処理機能及び制御機能は、個別のコントローラ及びプロセッサによって実施することができる。従って、臨床医用プログラミング装置(CP)18によって実施される時の以下に説明する制御機能は、コントローラによって実施することができ、かつ臨床医用プログラミング装置(CP)18によって実施される時の以下に説明する処理機能は、埋込み可能なパルス発生器(IPG)14のマイクロコントローラ54又は外部遠隔制御器(RC)16のプロセッサによって実施することができることを認めることができる。
【0070】
コントローラ/プロセッサ68によるプログラミングパッケージ72の実行は、マウス76の使用を通してナビゲートすることができる多くの表示画面(図示せず)を提供する。これらの表示画面は、機能の中でも臨床医が患者プロファイル情報(例えば、名前、誕生日、患者識別、医師、診断、及び住所)を選択又は入力し、手順情報(例えば、プログラミング/経過観察、インプラント試行システム、インプラントIPG、インプラントIPG及びリード、交換IPG、交換IPG及びリード、交換又は改定リード、外植、その他)を入力し、リードの構成及び向きを定め、神経刺激リード12によって出力された電気変調エネルギを開始して制御し、かつ手術設定及び臨床設定の両方において刺激パラメータで埋込み可能なパルス発生器(IPG)14を選択してプログラミングすることを可能にする。上述のCP機能を考察する更なる詳細は、「電流ステアリングナビゲータによって利用可能な形式で組織刺激プログラムを変換するためのシステム及び方法」という名称の特許文献5及び「複数の神経変調電極の中でも変調エネルギを分配するために適切なステアリングテーブルを決定するためのシステム及び方法」という名称の特許文献6に開示されており、この2つの明細書を本明細書に援用する。プログラミングパッケージ72の実行は、ユーザが埋込み可能なパルス発生器(IPG)14をプログラミングすることを便利に可能にするユーザインタフェースを提供する。
【0071】
ここで
図11を参照して、ユーザが埋込み可能なパルス発生器(IPG)14をプログラミングすることを可能にするように臨床医用プログラミング装置(CP)18によって生成することができるプログラミング画面100を説明する。図示の実施形態において、プログラミング画面100は、プログラム選択パネル102、リード表示パネル104、及び刺激パラメータ調節パネル106の3つのパネルを含む。プログラミング画面100の幾つかの実施形態は、タブ108(パラメータ調節パネル106を示すか又は隠すための)又はタブ110(リード選択パネル104及びパラメータ調節パネル106の両方の全貌を示すか又は隠すための)をクリックすることによってリード表示パネル102及びパラメータ調節パネル106の一方又は両方の閉鎖及び拡張を可能にすることができる。
【0072】
プログラム選択パネル102は、埋込み可能なパルス発生器(IPG)14に対して定められているか又は定めることができる刺激プログラム及びカバレージ区域に関する情報を提供する。特に、プログラム選択パネル102は、複数の刺激プログラム114(この場合、16まで)を表示して選択することができるカルーセル112を含む。プログラム選択パネル102は、現在選択されている刺激プログラム114の数(「1」から「16」の任意の数)を示す選択されたプログラムステータス電界116を更に含む。図示の実施形態において、プログラム1は、電界116に数字「1」によって示すように現在選択されている単に1つのものである。プログラム選択パネル102は、現在選択されている刺激プログラム114にユーザが固有の名前を関連付けることができる名前電界118を更に含む。
【0073】
プログラム選択パネル102は、複数の刺激パラメータセットをそれぞれ関連付けて現在選択されている刺激プログラム114(この場合、プログラム1)を生成することができる複数のカバレージ区域120(この場合、4つまで)を更に含む。定められている各カバレージ区域120は、そのカバレージ区域に関連付けられた刺激パラメータセットの指定電界122(文字「A」〜「D」のうちの1つ)と、電気パルスパラメータ、具体的にはパルス振幅、パルス幅、及びパルス速度を表示する電気パルスパラメータ電界124とを含む。この例において、カバレージ区域Aのみが、指定電界122において「A」に示すようにプログラム1に対して定められる。電気パルスパラメータ電界124は、5mAのパルス振幅、210μsのパルス幅、及び40Hzのパルス速度がカバレージ区域Aに関連していることを示している。
【0074】
予め決められたカバレージ区域120の各々はまた、交互に作動してそれぞれのカバレージ区域120を活性化又は非活性化することができる選択アイコン126を含む。カバレージ区域が活性化される時に、電気パルス列は、カバレージ区域に関連付けられた刺激パラメータセットに従って埋込み可能なパルス発生器(IPG)14から電極アレイ26に送出される。注意すべきは、カバレージ区域120の複数のものが、それぞれのカバレージ区域に対して選択アイコン126を作動することによって同時に活性化することができる。この場合、複数の電気パルス列は、カバレージ区域120に関連付けられたそれぞれの刺激パラメータセットに従って交互配置様式でタイミングチャネル中に埋込み可能なパルス発生器(IPG)14から電極アレイ26に同時に送出される。従って、各カバレージ区域120は、タイミングチャネルに対応する。
【0075】
カバレージ区域120のいずれかが定められていない限り(この場合、3つが定められていない)、これらは、「クリックして別のプログラム区域を追加する」テキストを含み、これらの残りのカバレージ区域120のいずれも刺激パラメータセットに関連付けて選択することができることを示している。選択される時に、カバレージ区域120には、指定電界122、電気パルスパラメータ電界124、及び選択アイコン126が投入されることになる。
【0076】
リード表示パネル104は、11のグラフィック電極130各々(ラベル付けした電極E1〜E11)と共に示されているグラフィックパドルリード128を含む。リード表示パネル104はまた、埋込み可能なパルス発生器(IPG)14のケース40を表すグラフィックケース132を含む。
【0077】
パラメータ調節パネル106はまた、パルス振幅調節制御器136(ミリアンペア(mA)で表される)、パルス幅調節制御器138(マイクロ秒(μs)で表される)、及びパルス速度調節制御器140(ヘルツ(Hz)で表される)を含み、これらは、全てのプログラミングモードで表示され、かつ作動可能である。制御器136〜140の各々は、それぞれの刺激パラメータの値を低減するように作動することができる第1の矢印と、それぞれの刺激パラメータの値を増加させるように作動することができる第2の矢印とを含む。制御器136〜140の各々はまた、現在選択されているパラメータを表示するための表示領域を含む。パラメータ調節パネル106におけるグラフィック制御器の操作による電気パルスパラメータのいずれかの調節に応答して、コントローラ/プロセッサ68は、対応する刺激パラメータセット(新しいパルス振幅、新しいパルス幅、又は新しいパルス速度を有する)を生成し、刺激エネルギを電極26に送出するのに使用するための遠隔測定回路58を介して埋込み可能なパルス発生器(IPG)14に刺激パラメータセットを送信する。
【0078】
パラメータ調節パネル106は、手動プログラミングモード、電子トローリングプログラミングモード、及びナビゲーションプログラミングモードの間でユーザが切換えることを可能にするプルダウンプログラミングモード電界142を含む。これらのプログラミングモードの各々は、上述のパラメータ調節パネル106におけるグラフィック制御器、並びに以下に説明する様々なグラフィック制御器の操作により現在選択されているプログラム114の現在選択されているカバレージ区域120に対して刺激パラメータセットをユーザが定めることを可能にする。
【0079】
手動プログラミングモードは、ユーザが電極アレイの分割電流を最大の柔軟性で手動で定めることを可能にするように設計され、電子トロールプログラミングモードは、ターゲット刺激部位を位置付けるまで刺激リードに対して電界を徐々にステアリングするように限定された数の電極形態を使用して電極アレイを迅速に掃引するように設計され、ナビゲーションプログラミングモードは、広範な電極形態を使用して電極アレイを掃引して電界を成形するように構成され、それによって患者の快適性のために刺激カバレージを微調節して最適化する。
【0080】
図11に示すように、手動プログラミングモードが選択されている。手動プログラミングモードにおいて、グラフィックリード128の電極130、並びにグラフィックケース132の各々は、個々に選択することができ、パラメータ調節パネル106の振幅/極性区域144に位置するグラフィック制御器を使用してその電極130、132に割り当てられた極性(カソード又はアノード)及び電流の大きさ(パーセント)を臨床医が設定することを可能にする。
【0081】
特に、振幅/極性区域144に位置するグラフィック極性制御器146は、「+」アイコン、「−」アイコン、及び「オフ」アイコンを含み、これらをそれぞれ作動して正の分極(アノード)、負の分極(カソード)、及びオフ状態の間で選択された電極130、132を切換えることができる。振幅/極性区域144における振幅制御器148は、選択された電極130、132の分割電流の大きさを低減するように作動することができる矢印と、選択された電極130、132の分割電流の大きさを増加させるように作動することができる矢印とを含む。振幅制御器148はまた、選択された電極134に対する分割電流の調節された大きさを示す表示領域を含む。振幅制御器148は、好ましくは、電極が見えない場合、無効にされ、かつリード表示パネル104において選択される。振幅/極性区域144におけるグラフィック制御器の操作による分割電極組合せの調節に応答して、コントローラ/プロセッサ68は、対応する刺激パラメータセット(新しい分割電極組合せを有する)を生成し、それを電極26への刺激エネルギの送出に使用するための遠隔測定回路を通じて埋込み可能なパルス発生器(IPG)14に送信する。
【0082】
図示の実施形態において、電極E6は、100%のカソード電流が割り当てられたカソードとして選択されており、電極E2、E3、E9、E10それぞれ、その各々に25%のアノード電流が割り当てられたアノードとして選択されている。電極E10は、それに振幅/極性区域144に位置するグラフィック制御器を通じて極性及び分割電流をユーザが実質的に割り当てることを可能にするように選択されているように示されている。振幅/極性区域144に位置するグラフィック制御器は、電極のいずれに対しても操作することができるが、極性及び分割電流値を選択するための専用グラフィック制御器は、「オンエフェクタプログラミング装置制御器を有する神経変調システム」という名称の特許文献7に説明されており、これを本明細書に援用する。1つの特定の実施形態では、ユーザは、グラフィック電極130(電極130の間に含まれる)内の任意のスポットを選択することができ(例えば、スポットをクリックするか又は触れることにより)、コントローラ68は、電極130に対して理想の多極を生成して理想の多極を模倣する電極組合せを決定することができる。この場合、仮想多極のカソードは、触れるか又はクリックしたスポットに位置する。この場合の仮想多極は、中心カソード及び中心カソードの両側に長手方向に配置された1対のアノードを有する理想の長手方向3極になる。仮想多極の使用の更なる詳細な考察は、「仮想多極から電極電流分布を決定するためのコンピュータ的に効率的な技術」という名称の特許文献8に説明されており、これを本発明に援用する。
【0083】
パラメータ調節パネル106はまた、手動プログラミングモードを選択する時に、電流割り当てをそれぞれの「アノード+」及び「カソード−」アイコンによって選択された極性の全ての電極に自動的に等しくするように作動することができる等化制御器150を含む。
【0084】
本発明に対して重要な点は、パラメータ調節パネル106が、中心カソードに隣接するアノードの間でアノード電流の割り当てを自動的に決定するように作動させることができるアノード比選択制御器180を含む点である。図示の実施形態では、ユーザは、アノード比選択制御器180を作動させる前に神経刺激治療のために指定されたカソード及びアノードを手動的に選択することができる。変形実施形態では、ユーザは、カソードを単に選択し、選択されたカソードの周囲のアノードの構成及びこれらの間のアノード電流分布を決定する臨床医用プログラミング装置(CP)18を有することができる。
【0085】
アノード比選択制御器180を作動する時に、コントローラ68は、ルックアップテーブルを参照し、神経刺激リード12の長手方向位置に基づいてアノードの各長手方向対の刺激振幅の適切な比を自動的に選択する。前述のように、神経刺激リード12の長手方向位置は、本明細書で説明するプログラミング段階の前に自動的又は手動的のいずれかで決定されて臨床医用プログラミング装置(CP)18の中に入力されることを認めるべきである。
【0086】
例えば、
図12に示すように、神経刺激リード12の長手方向位置が腰部(L1〜L5)にあると想定すると、アノードの各長手方向対の間の刺激振幅の適切な比は、4:1になり(
図9に示す例示的ルックアップテーブルのように)、それに基づいて、電極の間の適切なアノード電流分布は、リード表示104に自動的に反映される(アノード電流の40%を各吻側アノードに及びアノード電流の10%を各尾側アノードに)。
【0087】
これに代えて、アノード比選択制御器180を有するのではなく、グラフィック電極におけるスポットを選択することができ(例えば、スポットをクリックするか又は触れることにより)、その場合には、コントローラ68は、簡単に上で考察したように、電極130に対して理想の多極を生成して理想の多極を模倣する電極組合せを決定する。コントローラ68は、理想の多極のカソードの長手方向位置に基づいてアノードの各長手方向対の刺激振幅の適切な比を選択する。
【0088】
振幅制御器148を用いることによってユーザが電流分布を変更し、活性化電極に送出されるエネルギの大きさ及び/又は割合を増加又は減少させることができることを認めるべきである。例えば、
図13に示すように、推奨されているアノード電流分布に留意して、ユーザは、振幅制御器148を用いて分布をわずかに変更することができる(アノード電流の38%を各吻側アノードに及びアノード電流の12%を各尾側アノードに)。
【0089】
神経刺激リード12の長手方向位置が、ルックアップテーブルの2つの脊椎レベルの間に該当する場合、1つのカソードの周囲のアノード電流分布は、そのすぐ下の別のカソードの周囲のアノード電流分布と異なる場合があることを認めるべきである。換言すると、脊髄に対して望ましいカソードの長手方向位置は、その周囲のアノード電流の割り当てを決定することができる。例えば(図示せず)、神経刺激リード12の長手方向位置が、電極E5が胸部(T1〜T12)に入るが電極E6及びE7は腰部(L1〜L5)に入るようなものであると想定すると、長手方向アノードの各対の間の刺激振幅の適切な比は、電極E5が手動的に選択される場合に2:1、電極E6又はE7のいずれかが手動的に選択される場合に4:1になる。従って、神経刺激リード12の長手方向位置とルックアップテーブルの細かさとに応じて、中間電極コラム26’の隣接するカソードの周囲のアノード電流分布は、異なる場合がある。表面上は、このシナリオは、ルックアップテーブルがより高い精度である(例えば、全ての脊椎が、長手方向アノードの各対の間で異なる比を有する別個の脊椎レベルを構成する)時に起こる可能性が高い。
【0090】
電子トローリングモードも、埋込まれた神経刺激リード12の長手方向位置に基づいてアノードの刺激振幅比を自動的に決定するのに使用することができることを認めるべきである。
【0091】
図14に示すように、電子トローリングプログラミングモードが選択されている。電子トローリングモードにおいて、手動プログラミングモードで個々に選択可能及び構成可能であったリード表示パネル104に示された電極130は、表示のためにのみ使用され、直接に選択可能又は制御可能ではない。振幅/極性区域144に代えて、パラメータ選択パネル106は、電界を電極26に対して上、下、左、又は右にステアリングすることを可能にするステアリング矢印アレイ152〜158を含む。
【0092】
電子トローリングモードは、カソードを徐々に移動させることによって電極アレイを掃引する迅速な方法である。本発明に対して重要な点は、カソードを電極アレイの下で移動させるとき、カソードの周囲のアノードの構成及びこれらの中のアノード電流分布も、前に説明したように、カソードの長手方向装置の長手方向位置に基づいて変えることができる点である。電子トローリングモードにおいては、手動プログラミングモードの場合と異なり、活性化電極の数は予め決められることを認めるべきである。これに代えて、仮想多極は、電極アレイに対して平行移動することができ、理想の多極を模倣する電極組合せは、上で簡単に考察した同じ仕方で決定することができる。
【0093】
例えば、
図14に示すように、神経刺激リード12が脊柱の頸部に埋込まれると想定すると、電子トローリング工程は、電極E5を単独のカソードとして指定し且つ電極E1、E2、E8、E9をアノードとして指定することによって始めることができる。図示のように、電極E5は、100%の分割カソード電流値を有し、電極E1、E2、E8、E9の各々は、25%の分割アノード電流値を有する。ダウンボタン152をクリックすると、カソード電流は、電極E5から電極E6に徐々にシフトされ、アノード電流は、徐々にシフトダウンされ、このゆっくりとしたシフトは、10%の変化分で起こる。例えば、
図15に示すように、電流は、電極E5が50%の分割カソード電流値を有し且つ電極E6が50%の分割カソード電流値を有するようにシフトされる。同様に、アノード電流も、電極E3及びE10も活性化されるようにシフトダウンされ、アノード電流は、ここで全ての6つのアノードにわたって等しく分配され、これらの各々は、16.6%の分割アノード電流値を有する。
【0094】
図16に示すように、電流は、電極E6が100%の分割カソード電流値を有し、かつ電極E2、E3、E9、E10の各々が25%の分割アノード電流値を有するように更にシフトされる。ダウンボタン152の更なるクリックは、同様の仕方で電極アレイのカソード電流及びアノード電流を更に下方にシフトさせる。同様に、アップボタン154、左ボタン156、又は右ボタン158をクリックすることによりそれぞれ、同様の仕方で電極アレイのカソード電流及びアノード電流を上、左、及び右にシフトさせる。
【0095】
手動プログラミングモードの場合と同様に、神経刺激リード12の長手方向位置が2つの脊椎レベルの間にある場合、1つのカソードの周囲のアノード電流分布は、そのすぐ下のカソードの周囲のアノード電流分布とは異なる場合がある。例えば(図示せず)、神経刺激リード12の長手方向位置が、電極E5が頸部(C1〜C7)に入るが電極E6及びE7は腰部(T1〜T12)に入るようなものであると想定すると、長手方向アノードの各対の間の刺激振幅の適切な比は、分割カソード電流(100%又は50%)が電極E5に割り当てられる時に電極アレイの上部において1:1になるが(
図9に示す例示的ルックアップテーブルのように)、ダウンボタン152をクリックすることによって電極アレイを下方へ移動する際に、長手方向アノードの各対の間の刺激振幅の適切な比は、分割カソード電流の100%が電極E6に割り当てられる時に2:1になることになる。
【0096】
ステアリングテーブルが、電子トローリングモードでの各神経刺激リード12に対する分割電極形態を生成するのに使用されることを認めるべきである。ステアリングテーブルに関する更なる詳細は、特許文献6に開示されており、これはすでに援用している。
【0097】
本発明の特定の実施形態を図示して説明したが、本発明を好ましい実施形態に限定するように意図していないことは理解されるであろうし、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく様々な変形及び修正を行うことができることは当業者には明らかであろう。すなわち、本発明は、特許請求の範囲によって定められるような本発明の精神及び範囲に含めることができる代替物、修正物、及び均等物を網羅するように意図している。