特許第6137905号(P6137905)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6137905
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年5月31日
(54)【発明の名称】ジグヘッド
(51)【国際特許分類】
   A01K 85/00 20060101AFI20170522BHJP
   A01K 83/00 20060101ALI20170522BHJP
   A01K 95/00 20060101ALI20170522BHJP
【FI】
   A01K85/00 B
   A01K83/00 A
   A01K95/00 Z
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-70728(P2013-70728)
(22)【出願日】2013年3月28日
(65)【公開番号】特開2014-193129(P2014-193129A)
(43)【公開日】2014年10月9日
【審査請求日】2015年5月27日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002495
【氏名又は名称】グローブライド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101384
【弁理士】
【氏名又は名称】的場 成夫
(72)【発明者】
【氏名】古谷 英之
【審査官】 坂田 誠
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第5537775(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0163540(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 85/00
A01K 83/00
A01K 95/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
釣り針と、その釣り針と一体化させる錘とを備えたジグヘッドであって、
前記の釣り針は、その釣り針における胴部に連続させてU字形をなす屈曲部を備え、
その屈曲部は、U字形に屈曲させて形成した釣り糸係止部と、
その釣り糸係止部に対して前記の胴部とは反対側に位置するとともに、前記のU字形の内部幅を拡げる方向へ釣り針における針先と反対端を折り返すことで形成した引っ掛け部と、を備え、
前記の錘には、前記の屈曲部を圧入させる貫通孔と、
前記の引っ掛け部を収めて固定する引っ掛け収納部と、を備え、
前記の貫通孔の寸法は、前記の釣り針の直径が収まる厚さ寸法であって、且つ前記の屈曲部におけるU字形の幅を弾性変形させて狭めるとともにU字形の長手方向へ釣り針を移動させることで釣り糸係止部を貫通させることができる前記の屈曲部におけるU字形の幅よりも短い幅寸法であり、
前記の引っ掛け収納部に前記の引っ掛け部が収まった状態において前記の釣り糸係止部が釣り糸を結ぶのに適した長さが突出するように形成したジグヘッド。
【請求項2】
前記の屈曲部は、前記の釣り針における胴部から針先側へL字形をなすように折り曲げることで形成し、
前記の引っ掛け部は、その先端が胴部の延長線上よりも針先と反対側へ位置するように形成した請求項1に記載のジグヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シンカーおよび釣り針の組み合わせを自在に、素早く交換可能とするシンカー、シンカー用釣り針、およびシンカー付き釣り針に関する。
【背景技術】
【0002】
擬似餌(「ルアー」あるいは「ワーム」)または天然餌を釣針に装着して釣りをする場合、その釣針に錘を組み合わせたジグヘッド(Jig head)、テンヤ、カブラ(鏑)といった釣り用具が採用される。
【0003】
釣針に錘を組み合わせた錘付き釣針は、例えば、特許文献1あるいは特許文献2に記載の技術内容のものが知られている。
特許文献1に記載されたルアー用ジグヘッドは、釣針(2)と錘(3)とキーパー(4)と釣糸結束リング(5)とからなり、これら4つの部材を組み合わせて一体化して構成される。 釣果向上のために、当該ルアー用ジグヘッドにおける釣針を除いた部分に塗装を施す際、塗装の作業性を図るべく、4つの部材に分割しておき、塗装後に、それら4つの部材を組み合わせ、接着剤などにより、一体的に固着している。
【0004】
特許文献3には、釣針と錘とを着脱自在に構成して、釣りの対象となる各種ターゲットに応じて、釣針および錘の相互を選択し、その組み合わせを自在とした着脱可能な錘付き釣針が記載されている。 具体的には、錘本体(10)と、錘本体(10)に取り付け取り外し可能に設けられた取着部材(20)と、錘本体(10)と取着部材(20)との間にチモト(31)が挟まれて固定されることで取り付けられる釣針(30)と、を具備した構成としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−66479号公報
【特許文献2】特開2001−224280号公報
【特許文献3】特開2011−78353号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1や2に代表される現状の錘付き釣針は、釣針と錘とに分離することはできないが、 特許文献3に開示されたジグヘッド(錘付き釣針)は、釣針と錘とに分離することができる。
しかし、取着部材(20)としての固定ネジを釣り人が扱える大きさの限界がある。たとえば、タコ釣り用のテンヤくらいの大きさであれば形成可能であるが、釣り針の幅寸法(針先と胴部の距離)が10ミリメートル以下であるような対象魚が小さい場合のジグヘッドに適しているとは言えない。その釣り針の大きさに対応させて固定ネジを形成した場合、固定ネジが小さすぎて、釣り人の指で緩めたり締めたりすることができないからである。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、対象魚の大小にかかわらず、釣針と錘とを自在に選択して組み合わせ、簡易な動作で変更可能なジグヘッド、そのジグヘッドに用いる釣り針および錘を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(第一の発明)
第一の発明は、釣り針(30)と、その釣り針(30)と一体化させる錘(10)とを備えたジグヘッドに係る。
前記の釣り針(30)は、その釣り針(30)における胴部(34)に連続させてU字形をなす屈曲部(32)を備え、その屈曲部(32)は、U字形に屈曲させて形成した釣り糸係止部(31)と、その釣り糸係止部(31)に対して前記の胴部(34)とは反対側に位置するとともに、前記のU字形の内部幅を拡げる方向へ釣り針(30)における針先(35)と反対端を折り返すことで形成した引っ掛け部(33)と、を備える。
前記の錘(10)には、前記の屈曲部(32)を圧入させる貫通孔(11)と、前記の引っ掛け部(33)を収めて固定する引っ掛け収納部(12)と、を備える。
前記の貫通孔(11)の寸法は、前記の釣り針(30)の直径が収まる厚さ寸法であって、且つ前記の屈曲部(32)におけるU字形の幅を弾性変形させて狭めるとともにU字形の長手方向へ釣り針(30)を移動させることで釣り糸係止部(31)を貫通させることができる前記の屈曲部(32)におけるU字形の幅よりも短い幅寸法であり、前記の引っ掛け収納部(12)に前記の引っ掛け部(33)が収まった状態において前記の釣り糸係止部(31)が釣り糸を結ぶのに適した長さが突出するように形成した。以上のようなジグヘッドである。
【0009】
(用語説明)
釣り針(30)は、対象魚によって多数の種類が存在する。また、対象魚が同じであっても、針先やそのイケ先の寸法、胴長の寸法、幅寸法などを異ならせた複数の種類が存在する。
錘(10)もまた、対象魚によって多数の種類が存在する。また、対象魚が同じであっても、大きさ、材質、重心の位置などを異ならせた複数の種類が存在する。
引っ掛け部(33)は、引っ掛け部(33)に収まった状態を強固にする形状としていると、より好ましい。たとえば、屈曲部(32)が形成するU字形で囲まれた領域から外側へ屈曲させてあると、引っ掛け部(33)との噛み合いによって収まった状態を強固にする。
引っ掛け収納部(12)は、錘(10)と一体で形成する場合に限られず、たとえば引っ掛け部(33)を適正位置へ収めたり、動かないように固定したりするために別部材を用いてもよい。
【0010】
(作用)
本発明に係る釣り針(30)は、胴長の寸法が大きく、且つチモトを形成していない釣り針の胴部分に対して、屈曲部(32)、釣り糸係止部(31)および引っ掛け部(33)を、屈曲させることで形成する。 一方、本発明に係る錘(10)に対しては、貫通孔(11)および引っ掛け収納部(12)を形成する。
釣り針(30)の屈曲部(32)を釣り人が指などでつまみ、U字形の幅を弾性変形させて狭めながら錘(10)の貫通孔(11)に圧入させる。そして変形させていた屈曲部(32)を離して押し込む。すると、釣り針(30)の引っ掛け部(33)が錘(10)の引っ掛け収納部(12)へ収まり、固定され、ジグヘッドとして使用できる。このとき、前記の釣り糸係止部(31)が釣り糸を結ぶのに適した長さが突出するので、釣り人は、その釣り糸係止部(31)へ釣り糸を結ぶ。
【0011】
釣り針(30)または錘(10)のいずれか一方を、異なるものに変更したい場合、釣り人が釣り糸係止部(31)から釣り糸(20)を外す。そして、釣り針(30)の引っ掛け部(33を錘(10)の引っ掛け収納部(12)から外し、屈曲部(32)を貫通孔(11)から引き抜く。そうして分離した釣り針(30)または錘(10)のいずれか一方を交換する。
以上のように、釣針(30)と錘(10)とを自在に選択して組み合わせ、簡単に変更可能である。
【0012】
(第一の発明のバリエーション1)
第一の発明に係るジグヘッドは、以下のようにも形成できる。
すなわち、前記の屈曲部(32)は、前記の釣り針(30)における胴部(34)から針先(35)側へL字形をなすように折り曲げることで形成し、
前記の引っ掛け部(33)は、その先端が胴部(34)の延長線上よりも針先(35)と反対側へ位置するように形成することができる。
【0013】
引っ掛け部(33)の先端が胴部(34)の延長線上よりも針先(35)と反対側へ位置しているので、針先(35)に掛かった対象魚が引っ張る力の方向と、釣り糸係止部(31)に結ばれた釣り糸(20)が引っ張る方向とがほぼ正反対となる。したがって、錘(10)と釣り針(30)とが分離してしまう可能性はほとんどない。
胴部(34)から針先(35)側へ突出するように前記の胴部(34)を折り曲げて屈曲部(32)を形成しているジグヘッドは、例えばマダイ、タコ、イカなどを対象魚とするテンヤを形成するのに適している(図5(a)参照)。
反対に、胴部(34)を釣り糸係止部(31)まで折り曲げずに形成した釣り針(30)を備えるジグヘッドは、対象魚が比較的小さい場合のジグヘッドに適している(図5(b)参照)。
【0014】
(第一の発明のバリエーション2)
第一の発明に係るジグヘッドは、 前記の錘(10)の外表面と貫通孔(11)との間には、釣り針(30)の釣り糸係止部(31)に結ばれた釣り糸(20)を通過させることによって錘(10)を外すためのスリット(13)を備えることとしてもよい。
そのスリット(13)の幅は、釣り糸(20)の直径と同じかやや大きい程度であり、釣り針(30)の直径よりも必ず小さい。
【0015】
(作用)
錘(10)を交換したい場合、釣り人は、まず釣り針(30)の引っ掛け部(33)を錘(10)の引っ掛け収納部(12)から外し、屈曲部(32)を貫通孔(11)から引き抜く(図4(b))。続いて、スリット(13)へ釣り糸(20)を通すことで、釣り針(30)および釣り糸(20)から錘(10)を分離する。そして、異なる錘(10)のスリット(13)を介して、前記の釣り糸(20)における結び目(21)付近を貫通孔(11)へ位置させる。その後、釣り針(30)の引っ掛け部(33)を錘(10)の引っ掛け収納部(12)へ納める。
結び目が付いたままの釣り針(30) から釣り糸(20)を切らずに、錘(10)を交換することができる。
【0016】
(第二の発明)
第二の発明は、釣り針(30)と一体化させる錘(10)を備えたジグヘッドに用いる釣り針(30)に係る。
前記の釣り針(30)は、その釣り針(30)における胴部(34)に連続させてU字形をなす屈曲部(32)を備えるとともに、その屈曲部(32)は、U字形に屈曲させて形成した釣り糸係止部(31)と、その釣り糸係止部(31)に対して前記の胴部(34)とは反対側に位置するとともに、前記のU字形の内部幅を拡げる方向へ釣り針(30)における針先(35)と反対端を折り返すことで形成した引っ掛け部(33)と、を備える。
【0017】
(第二の発明のバリエーション1)
第二の発明に係る釣り針は、以下のように形成しても良い。
すなわち、前記の屈曲部(32)は、前記の釣り針(30)における胴部(34)から針先(35)側へL字形をなすように折り曲げることで形成し、 前記の引っ掛け部(33)は、その先端が胴部(34)の延長線上よりも針先(35)と反対側へ位置するように形成することができる。
換言すれば、胴部(34)を釣り糸係止部(31)まで折り曲げずに前記の屈曲部(32)を形成した釣り針(30)も、第二の発明のバリエーションである。
【0018】
(第三の発明)
第三の発明は、釣り針(30)と一体化させる錘(10)を備えたジグヘッドに用いる錘(10)に係る。
その錘(10)は、前記の釣り針(30)の直径が収まる厚さ寸法およびその厚さ寸法よりも大きな幅寸法の貫通孔(11)と、 その貫通孔(11)における一端に、貫通孔(11)の開口の幅を狭める部位として形成した引っ掛け部(12)と、 その引っかけ部(12)とは貫通孔(11)の開口を挟んだ反対側に、貫通孔(11)の開口を拡げて前記の釣り針(30)の胴部(34)を接触させる胴当接部(14)と、を備える。

【0019】
(第三の発明のバリエーション1)
第三の発明に係る錘は、錘(10)の外表面と貫通孔(11)との間には、釣り針(30)の釣り糸係止部(31)に結ばれた釣り糸(20)を通過させることによって錘(10)を外すためのスリット(13)を備えることとしてもよい。
【発明の効果】
【0020】
第一の発明によれば、対象魚の大小にかかわらず、釣針と錘とを自在に選択して組み合わせ、簡易な動作で変更可能なジグヘッドを提供することができた。
第二の発明によれば、対象魚の大小にかかわらず、釣針と錘とを自在に選択して組み合わせ、簡易な動作で変更可能なジグヘッドに用いる釣り針を提供することができた。
第三の発明よれば、対象魚の大小にかかわらず、釣針と錘とを自在に選択して組み合わせ、簡易な動作で変更可能なジグヘッド、そのジグヘッドに用いる錘を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明に係る第一の実施形態を示す組立斜視図である。
図2】本発明に係る第一の実施形態を示す組立断面図である。
図3】本発明に係る第二の実施形態(スリットを備えたタイプ)を示す組立斜視図である。
図4】本発明に係る第二の実施形態(スリットを備えたタイプ)を示す組立断面図である。
図5】本発明に係る第三の実施形態を示す組立断面図である。
図6】本発明に係る第四の実施形態を示す組立断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を図面および実施形態に基づいて、更に説明する。ここで使用する図面は、図1から図6である。
なお、第一から第四の実施形態は、発明を実施した場合の形態である。
【0023】
図1
図1に示すのは、釣り針30、およびその釣り針30と一体化させる錘10からなるジグヘッドである。図1(a)には、そのジグヘッドに道糸20を結んだ状態を示し、図1(b)には、組み立てる状態を示している。
前記の釣り針30は、その釣り針30における胴部34に連続させてU字形をなす屈曲部32を備えている。すなわち、釣り針30における胴部34から針先35側へL字形をなすように前記の胴部34を折り曲げることで、屈曲部32を形成している。そして、屈曲部32は、U字形に屈曲させて形成した釣り糸係止部31と、 その釣り糸係止部31に対して前記の胴部34とは反対側に位置してU字形にて囲まれた領域から外側へ屈曲した引っ掛け部33と、を備える。
引っ掛け部33の先端は、胴部34の延長線上よりも針先35と反対側へ位置している。
【0024】
一方の錘10は、ほぼ球形をなしており、釣り針30の屈曲部32を圧入させる貫通孔11と、 釣り針30の引っ掛け部13を収めて固定する引っ掛け収納部12と、胴部34における屈曲部32側が当接する胴当接部14(図2(a)参照)と、を形成している。
錘10の貫通孔11の寸法は、釣り針30の屈曲部32におけるU字形の幅を弾性変形させて狭めることによって釣り糸係止部31を貫通させることができる大きさとしている。
また、錘10の引っ掛け収納部12に釣り針30の引っ掛け部33が収まった状態においては、前記の釣り糸係止部31が釣り糸を結ぶのに適した長さが突出するように形成している。 以上のようなジグヘッドである。
【0025】
図2
図2に基づいて、前記の錘10と前記の釣り針30とから、ジグヘッドを組み立てる手順を説明する。
釣り針30は、胴長の寸法が大きく、且つチモトを形成していない釣り針の胴部分に対して、屈曲部32、釣り糸係止部31および引っ掛け部33を、屈曲させることで形成してある。 一方、錘10に対しては、貫通孔11、引っ掛け収納部12および胴当接部14を予め形成してある。
【0026】
図2(a)に示すように、釣り針30の屈曲部32を釣り人が指などでつまみ、U字形の幅を弾性変形させて狭めながら錘10の貫通孔11に圧入させる。そして、変形させていた屈曲部32を離して押し込む。すると、図2(b)および(c)に示すように、胴部34における屈曲部32側が胴当接部14へ当接し、釣り針30の引っ掛け部33が錘10の引っ掛け収納部12へ収まる。そうして釣り針30が錘10に対して固定され、ジグヘッドとして使用できる。このとき、前記の釣り糸係止部31が釣り糸(道糸)20を結ぶのに適した長さが突出するので、釣り人は、その釣り糸係止部31へ釣り糸を結ぶ。
【0027】
引っ掛け部33の先端が胴部34の延長線上よりも針先35と反対側へ位置しているので、針先35に掛かった対象魚が引っ張る力の方向と、釣り人が釣り糸20が引っ張る方向とがほぼ正反対となる。したがって、錘10と釣り針30とが分離してしまう可能性はほとんどない。
【0028】
釣り針30または錘10のいずれか一方を、異なるものに変更したい場合、まず、釣り糸係止部32から釣り糸20を外す(図示は省略)。そして、釣り針30の胴部34辺りをつまんで引っ掛け部33を弾性変形させ、釣り針30の引っ掛け部33を錘10の引っ掛け収納部12から外し、屈曲部32を貫通孔11から引き抜く。そうして分離した釣り針30または錘10のいずれか一方を交換する。
以上のように、釣り針30と錘10とを自在に選択して組み合わせ、簡単に変更可能である。
【0029】
図3
続いて、図3に基づいて、第二の実施形態について説明する。
この第二の実施形態に係るジグヘッドは、釣り針30が第一の実施形態と同じであるが、錘10が異なる。すなわち、錘10の貫通孔11における引っ掛け収納部12とは反対側には、釣り針30の釣り糸係止部31に結ばれた釣り糸20を外すためのスリット13を備えている。
このスリット13は、釣り糸20を切る(または結び目をほどく)ことなく、錘10を交換するためのものである。スリット13の幅は、釣り糸20の直径と同じかやや大きい程度であり、釣り針30の直径よりも必ず小さい。
【0030】
図4
図4に基づいて、第二の実施形態に係るジグヘッドから錘30を外す手順を説明する。
図4(a)が、釣りをする場面での使用状態であり、釣り糸20は、釣り針30の釣り糸係止部31に収まっている。
図4(b)に示すように、錘10を交換したい場合、釣り人は、まず釣り針30の引っ掛け部14を錘10の引っ掛け収納部12から外し、屈曲部32を貫通孔11から引き抜く。続いて、スリット13へ釣り糸20を通すことで、釣り針30および釣り糸20から錘10を分離する(図4(b)における想像線)。
【0031】
次に、図示は省略するが、異なる錘への交換作業をする。すなわち、前記の釣り糸20における結び目21付近を錘10のスリット13を横切らせることによって貫通孔11へ位置させる。その後、釣り針30の引っ掛け部14を錘10の引っ掛け収納部12へ納める。
以上によって、結び目が付いたままの釣り針30から釣り糸20を切らずに、錘10を交換することができる。
【0032】
図5
図5には、第三の実施形態を示している。
この第三の実施形態に係るジグヘッドは、いわゆる「テンヤ」と呼ばれるジグヘッドである。釣り針30が第一の実施形態と形状は同じであるが、寸法が第一の実施形態に示したものより、大きなサイズとなっている。また、錘10Aは、その形状が異なる。
この錘10Aは、円錐台形をなしており、先細りする側に釣り針30の釣り糸係止部31が位置するような貫通孔11、引っ掛け収納部12、胴当接部14を形成している。
【0033】
図6
図6には、第四の実施形態を示している。
この第四の実施形態に用いる釣り針30Aは、第一および第二の実施形態と異なり、胴部34を折り曲げることなく屈曲部32を形成している。
また、この錘10Bは、半球形をなしており、その平面側から前記の釣り針30Aの屈曲部32が挿入されるように、貫通孔11、引っ掛け収納部12を形成している。第一から第三の実施形態に備えていた胴当接部14は存在しない
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明は、釣り具の製造業、釣り具のレンタル業、アウトドアスポーツのインストラクター事業などにおいて、利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0035】
10; 錘 10A;錘(テンヤ)
10B;錘
11; 貫通孔 12; 引っ掛け収納部
13; 割り孔 14; 胴当接部
20; 釣り糸(道糸)
30; 釣り針 30A;釣り針(ストレートタイプ)
31; 釣り糸係止部 32; 屈曲部
33; 引っ掛け部 34; 胴部
35: 針先
図1
図2
図3
図4
図5
図6