【課題を解決するための手段】
【0008】
(第一の発明)
第一の発明は、釣り針(30)と、その釣り針(30)と一体化させる錘(10)とを備えたジグヘッドに係る。
前記の釣り針(30)は、その釣り針(30)における胴部(34)に連続させてU字形をなす屈曲部(32)を備え、その屈曲部(32)は、U字形に屈曲させて形成した釣り糸係止部(31)と、その釣り糸係止部(31)に対して前記の胴部(34)とは反対側に位置するとともに、前記のU字形の内部幅を拡げる方向へ釣り針(30)における針先(35)と反対端を折り返すことで形成した引っ掛け部(33)と、を備える。
前記の錘(10)には、前記の屈曲部(32)を圧入させる貫通孔(11)と、前記の引っ掛け部(33)を収めて固定する引っ掛け収納部(12)と、を備える。
前記の貫通孔(11)の寸法は、前記の釣り針(30)の直径が収まる厚さ寸法であって、且つ前記の屈曲部(32)におけるU字形の幅を弾性変形させて狭めるとともにU字形の長手方向へ釣り針(30)を移動させることで釣り糸係止部(31)を貫通させることができる
前記の屈曲部(32)におけるU字形の幅よりも短い幅寸法であり、前記の引っ掛け収納部(12)に前記の引っ掛け部(33)が収まった状態において前記の釣り糸係止部(31)が釣り糸を結ぶのに適した長さが突出するように形成した。以上のようなジグヘッドである。
【0009】
(用語説明)
釣り針(30)は、対象魚によって多数の種類が存在する。また、対象魚が同じであっても、針先やそのイケ先の寸法、胴長の寸法、幅寸法などを異ならせた複数の種類が存在する。
錘(10)もまた、対象魚によって多数の種類が存在する。また、対象魚が同じであっても、大きさ、材質、重心の位置などを異ならせた複数の種類が存在する。
引っ掛け部(33)は、引っ掛け部(33)に収まった状態を強固にする形状としていると、より好ましい。たとえば、屈曲部(32)が形成するU字形で囲まれた領域から外側へ屈曲させてあると、引っ掛け部(33)との噛み合いによって収まった状態を強固にする。
引っ掛け収納部(12)は、錘(10)と一体で形成する場合に限られず、たとえば引っ掛け部(33)を適正位置へ収めたり、動かないように固定したりするために別部材を用いてもよい。
【0010】
(作用)
本発明に係る釣り針(30)は、胴長の寸法が大きく、且つチモトを形成していない釣り針の胴部分に対して、屈曲部(32)、釣り糸係止部(31)および引っ掛け部(33)を、屈曲させることで形成する。 一方、本発明に係る錘(10)に対しては、貫通孔(11)および引っ掛け収納部(12)を形成する。
釣り針(30)の屈曲部(32)を釣り人が指などでつまみ、U字形の幅を弾性変形させて狭めながら錘(10)の貫通孔(11)に圧入させる。そして変形させていた屈曲部(32)を離して押し込む。すると、釣り針(30)の引っ掛け部(33)が錘(10)の引っ掛け収納部(12)へ収まり、固定され、ジグヘッドとして使用できる。このとき、前記の釣り糸係止部(31)が釣り糸を結ぶのに適した長さが突出するので、釣り人は、その釣り糸係止部(31)へ釣り糸を結ぶ。
【0011】
釣り針(30)または錘(10)のいずれか一方を、異なるものに変更したい場合、釣り人が釣り糸係止部(31)から釣り糸(20)を外す。そして、釣り針(30)の引っ掛け部(33を錘(10)の引っ掛け収納部(12)から外し、屈曲部(32)を貫通孔(11)から引き抜く。そうして分離した釣り針(30)または錘(10)のいずれか一方を交換する。
以上のように、釣針(30)と錘(10)とを自在に選択して組み合わせ、簡単に変更可能である。
【0012】
(第一の発明のバリエーション1)
第一の発明に係るジグヘッドは、以下のようにも形成できる。
すなわち、前記の屈曲部(32)は、前記の釣り針(30)における胴部(34)から針先(35)側へL字形をなすように折り曲げることで形成し、
前記の引っ掛け部(33)は、その先端が胴部(34)の延長線上よりも針先(35)と反対側へ位置するように形成することができる。
【0013】
引っ掛け部(33)の先端が胴部(34)の延長線上よりも針先(35)と反対側へ位置しているので、針先(35)に掛かった対象魚が引っ張る力の方向と、釣り糸係止部(31)に結ばれた釣り糸(20)が引っ張る方向とがほぼ正反対となる。したがって、錘(10)と釣り針(30)とが分離してしまう可能性はほとんどない。
胴部(34)から針先(35)側へ突出するように前記の胴部(34)を折り曲げて屈曲部(32)を形成しているジグヘッドは、例えばマダイ、タコ、イカなどを対象魚とするテンヤを形成するのに適している(
図5(a)参照)。
反対に、胴部(34)を釣り糸係止部(31)まで折り曲げずに形成した釣り針(30)を備えるジグヘッドは、対象魚が比較的小さい場合のジグヘッドに適している(
図5(b)参照)。
【0014】
(第一の発明のバリエーション2)
第一の発明に係るジグヘッドは、 前記の錘(10)の外表面と貫通孔(11)との間には、釣り針(30)の釣り糸係止部(31)に結ばれた釣り糸(20)を通過させることによって錘(10)を外すためのスリット(13)を備えることとしてもよい。
そのスリット(13)の幅は、釣り糸(20)の直径と同じかやや大きい程度であり、釣り針(30)の直径よりも必ず小さい。
【0015】
(作用)
錘(10)を交換したい場合、釣り人は、まず釣り針(30)の引っ掛け部
(33)を錘(10)の引っ掛け収納部(12)から外し、屈曲部(32)を貫通孔(11)から引き抜く(
図4(b))。続いて、スリット(13)へ釣り糸(20)を通すことで、釣り針(30)および釣り糸(20)から錘(10)を分離する。そして、異なる錘(10)のスリット(13)を介して、前記の釣り糸(20)における結び目(21)付近を貫通孔(11)へ位置させる。その後、釣り針(30)の引っ掛け部
(33)を錘(10)の引っ掛け収納部(12)へ納める。
結び目が付いたままの釣り針(30) から釣り糸(20)を切らずに、錘(10)を交換することができる。
【0016】
(第二の発明)
第二の発明は、釣り針(30)と一体化させる錘(10)を備えたジグヘッドに用いる釣り針(30)に係る。
前記の釣り針(30)は、その釣り針(30)における胴部(34)に連続させてU字形をなす屈曲部(32)を備えるとともに、その屈曲部(32)は、U字形に屈曲させて形成した釣り糸係止部(31)と、その釣り糸係止部(31)に対して前記の胴部(34)とは反対側に位置する
とともに、前記のU字形の内部幅を拡げる方向へ釣り針(30)における針先(35)と反対端を折り返すことで形成した引っ掛け部(33)と、を備える。
【0017】
(第二の発明のバリエーション1)
第二の発明に係る釣り針は、以下のように形成しても良い。
すなわち、前記の屈曲部(32)は、前記の釣り針(30)における胴部(34)から針先(35)側へL字形をなすように折り曲げることで形成し、 前記の引っ掛け部(33)は、その先端が胴部(34)の延長線上よりも針先(35)と反対側へ位置するように形成することができる。
換言すれば、胴部(34)を釣り糸係止部(31)まで折り曲げずに前記の屈曲部(32)を形成した釣り針(30)も、第二の発明のバリエーションである。
【0018】
(第三の発明)
第三の発明は、釣り針(30)と一体化させる錘(10)を備えたジグヘッドに用いる錘(10)に係る。
その錘(10)は、前記の釣り針(30)の直径が収まる厚さ寸法およびその厚さ寸法よりも大きな幅寸法の貫通孔(11)と、 その貫通孔(11)における一端に、貫通孔(11)の開口の幅を狭める部位として形成した引っ掛け部(12)と、 その引っかけ部(12)とは貫通孔(11)の開口を挟んだ反対側に、貫通孔(11)の開口を拡げて前記の釣り針(30)の胴部(34)を接触させる胴当接部(14)と、を備える。
【0019】
(第三の発明のバリエーション1)
第三の発明に係る錘は、錘(10)の外表面と貫通孔(11)との間には、釣り針(30)の釣り糸係止部(31)に結ばれた釣り糸(20)を通過させることによって錘(10)を外すためのスリット(13)を備えることとしてもよい。