(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数の中投入計量ホッパのそれぞれは、調整される重量の比率が公比2の等比数列となるように目標投入重量が設定される、請求項1〜4の何れかに記載の計量装置。
前記複数の中投入計量ホッパには、前記大投入計量ホッパに被計量物が投入された後、当該大投入計量ホッパに投入された被計量物の重量が計量されるまでの間に、被計量物が投入されるように構成されている、請求項1〜5の何れかに記載の計量装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、ロスイン排出は、微量の被計量物をある程度時間をかけて投入しないと計量精度が高くならない問題がある。言い換えると、計量を高速化しようとすると、計量精度が高くできないため、ロスイン排出を用いた構成は、計量の高速化が難しい。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、計量精度を高く維持しつつ計量速度の高速化を図ることができる計量装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明に係る計量装置は、目標重量未満の被計量物が供給されることにより、前記被計量物が計量されるとともに、計量後の前記被計量物が排出される大投入計量ホッパと、重量が異なる比率で調整された被計量物がそれぞれ供給されることにより、前記被計量物の重量に基づいた組合せ演算が行われ、前記組合せ演算の結果に基づいて前記被計量物が排出される複数の中投入計量ホッパと、を備え、前記複数の中投入計量ホッパのうち調整される重量の比率が最も小さい中投入計量ホッパの目標投入重量は、計量装置全体で排出される被計量物の重量と前記目標重量との間の許容誤差以下の重量に設定される。
【0008】
上記構成によれば、中投入計量ホッパの最小の目標投入重量を下限とし、中投入計量ホッパの目標投入重量の最大合計値をカバーするように異なる組合せ重量の種類を多く作ることができる。したがって、計量精度を高く維持しつつ計量速度の高速化を図ることができる。また、中投入計量ホッパの個数を最小にするための設計を容易に行うことができるため、装置の大型化および高コスト化を防止することができる。
【0009】
前記複数の中投入計量ホッパは、調整される重量の比率が7種類以上存在するように構成されてもよい。これによれば、大投入計量ホッパを用いて目標重量の大半を計量した後、7種類以上の重量比率となるように複数の中投入計量ホッパへそれぞれ投入された被計量物に基づいて組合せ演算が行われる。このように、7種類以上の重量比率から組合せ演算を行うことにより、別途ロスイン計量を行うことなく目標重量との誤差を小さくすることができる。
【0010】
前記複数の中投入計量ホッパのそれぞれは、調整される重量の比率が公比2の等比数列となるように目標投入重量が設定されてもよい。これにより、中投入計量ホッパの目標投入重量の最大合計値をカバーするように最小の目標投入重量の差で異なる組合せ重量の種類を最大限に作ることができる。
【0011】
前記複数の中投入計量ホッパは、当該複数の中投入計量ホッパのそれぞれの目標計量重量の合計値が前記複数の中投入計量ホッパによる組合せ演算の目標重量値の最大値と前記大投入計量ホッパにおいて許容される計量誤差の上限値との合計値以上となる最小の個数で構成されてもよい。これにより、組合せ演算を用いた計量において適正な計量を行うことを担保しつつ、中投入計量ホッパの個数をできる限り少なくすることができ、装置の大型化を防止し、コストを低減することができる。
【0012】
前記複数の中投入計量ホッパには、前記大投入計量ホッパに被計量物が投入された後、当該大投入計量ホッパに投入された被計量物の重量が計量されるまでの間に、被計量物が投入されるように構成されていてもよい。これにより、大投入計量ホッパの計量安定化期間を無駄にすることなく、パッカースケール全体の計量速度を高めることができる。
【0013】
前記複数の中投入計量ホッパは、それぞれが1つのロードセルと、2つの区画に分割された被計量物の保持部と、を有する4つ以上の計量ホッパで構成されてもよい。これによれば、7種類以上の重量比率となる被計量物を計量する中投入計量ホッパを略半分の計量ホッパで構成することができるため、計量装置の大型化を抑制することができる。
【0014】
前記計量装置は、前記大投入計量ホッパへ被計量物を供給する投入シュートと、前記投入シュートから前記複数の中投入計量ホッパのそれぞれへ被計量物を供給可能に構成された中継部と、を備え、前記中継部は、前記保持部の各区画へ投入する被計量物の投入を振り分けるカットゲートを備えてもよい。これによれば、投入シュートから供給される被計量物をカットゲートを用いて各中投入計量ホッパの各保持部に振り分け投入させる。これにより、簡単な構造で容易かつ確実に2分割された構造を有する中投入計量ホッパの各保持部に被計量物を投入することができる。
【0015】
前記中継部は、鉛直方向に被計量物が通過するように前記中投入計量ホッパごとに対応して設けられた中空の連通部を備え、前記連通部の下方において前記保持部のそれぞれに対応して設けられた排出口の面積は、組合せ演算で調整される重量の比率が大きい保持部に投入する排出口ほど大きい面積を有していてもよい。これにより、カットゲートを開状態にする時間(開放時間)を各保持部の被計量物の投入量(目標投入重量)によらず互いに近づけることができる。
【0016】
前記複数の中投入計量ホッパは、目標投入重量が小さい前記保持部ほど目標投入重量が大きい前記保持部と組み合わせられるように設定されていてもよい。これにより、1つの中投入計量ホッパの2つの保持部に投入される目標投入重量の合計が中投入計量ホッパによってなるべく大きく異ならないようにすることができる。
【0017】
前記計量装置は、複数の前記大投入計量ホッパを備えてもよい。これによれば、大投入計量ホッパを複数備えるため、大投入計量ホッパごとに被計量物の投入、計量および排出のタイミングをずらすことができる。これにより、一の大投入計量ホッパにおける計量安定化期間において他の一の大投入計量ホッパにおける被計量物の投入または排出処理を行うことができるため、複数の大投入計量ホッパにおける全体的な計量速度を高めることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、上記のように構成され、計量精度を高めつつ短時間に計量を行うことができるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態における計量装置の具体的な構成例について、図面を参照しながら説明する。なお、以下では全ての図面を通じて同一または相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する場合がある。また、以下の具体的な説明は、本発明における計量装置の特徴を例示しているに過ぎない。例えば、上記計量装置を特定した用語と同じ用語または相当する用語に適宜の参照符号を付して以下の具体例を説明する場合、当該具体的な構成要素は、これに対応する上記計量装置の構成要素の一例である。したがって、上記計量装置の特徴は、以下の具体的な説明によって限定されない。
【0021】
<第1実施形態>
図1〜
図3を用いて本発明の第1実施形態について説明する。本実施形態の計量装置であるパッカースケール101は、包装機(図示せず)への被計量物(例えば、樹脂ペレット)の大投入(多量投入)が行われる大投入計量部10と、包装機への被計量物の中投入(中量投入)が行われる中投入計量部20と、大投入計量部10で計量された被計量物と中投入計量部20で計量された被計量物とを合わせて包装機へ排出する集合シュート30を備えている。
【0022】
なお、以下の説明の便宜上、
図1において、大投入計量部10の途中から中投入計量部20に、被計量物が振り分けられる方向を「左右方向」としている。また、
図1においては、理解容易のために、後述する大投入計量ホッパおよび中投入計量ホッパをすべて横一列に配列したように記載されているが、実際には後述する
図2および
図3に示すように三次元的に配置することが計量装置全体の小型化の観点では好ましい。
【0023】
[大投入計量部]
大投入計量部10は、目標重量未満の被計量物が供給されることにより、被計量物が計量されるとともに、計量後の被計量物が排出される複数(本実施形態においては2つ)の大投入計量ホッパ11L,11Rと、複数の大投入計量ホッパ11L,11Rへ被計量物を供給する投入シュート12と、を備えている。複数の大投入計量ホッパ11L,11Rは、それぞれ投入シュート12の下方において、パッカースケールの枠体(図示せず)に、ロードセル15(
図2参照)を介して吊り下げ保持されている。なお、
図2においては、大投入計量ホッパ11L,11Rの前方にそれぞれ2つずつ取り付けられたロードセル15が図示されているが、大投入計量ホッパ11L,11Rの後方にも同様にロードセル15が2つずつ取り付けられており、大投入計量ホッパ11L,11Rは、それぞれ計4つのロードセル15で吊り下げ保持されている。なお、ロードセル15の個数は、これに限られず、例えば3個以下でもよいし、5個以上でもよい。
【0024】
投入シュート12は、鉛直方向に被計量物が通過する中空の連通部13と、連通部13の下方において複数の大投入計量ホッパ11L,11Rのそれぞれへ投入する被計量物を振り分けるカットゲートとを備えている。本実施形態において、カットゲートは、複数(2つ)の大投入計量ホッパ11L,11Rに対応するように設けられた複数の(2つ)のカットゲート14L,14Rとして構成される。
【0025】
連通部13は、少なくとも下端部が各大投入計量ホッパ11L,11Rの被計量物の投入口11La,11Raに応じて区切られているように構成されている。具体的には、2つの大投入計量ホッパ11L,11Rが投入シュート12の連通部13の下方において左右に配置され、連通部13には、内部を左右に区切るための仕切り板13aが設けられている。
【0026】
さらに、連通部13の下端部は、下方に位置する各大投入計量ホッパ11L,11Rの被計量物の投入口11La,11Raの大きさに対応するように、仕切り板13aで区切られた連通部13の各内部空間における水平断面の面積が下方へ向かうほど小さくなるように漏斗形状(先細り形状)を有している。
【0027】
カットゲート14L,14Rは、それぞれ回動軸14La,14Ra回りに回動可能に構成されている。カットゲート14L,14Rが回動軸14La,14Ra回りに回動することにより、各カットゲート14L,14Rに対応する大投入計量ホッパ11L,11Rに被計量物を投入する開状態と、大投入計量ホッパ11L,11Rへの被計量物の投入を制限する閉状態とが切り換えられる(
図1においてはカットゲート14Lが開状態であり、カットゲート14Rが閉状態である場合を示している)。そして、カットゲート14L,14Rは、それぞれが択一的に開放される(開状態となる)よう構成されている。なお、本実施形態においては、カットゲート14L,14Rを独立してそれぞれの回動軸14La,14Ra回りに回動させるロータリアクチュエータ16L,16Rを有しており、独立して回動制御させることが可能となっている。
【0028】
大投入計量ホッパ11L,11Rは、それぞれ、上方の投入口11La,11Raから投入された被計量物が流通する連通部11Lb,11Rbと、連通部11Lb,11Rb内の被計量物を一時保持し、下方へ排出する排出ゲート11Lc,11Rcとを備えている。
【0029】
本実施形態における大投入計量ホッパ11L,11Rは、2つの同じ容量の計量ホッパで構成されている。例えば、大投入計量ホッパ11L,11Rは、それぞれ25kg程度の被計量物を計量可能に構成される。大投入計量ホッパ11L,11Rの計量誤差は、例えば±100gに設定される。このような大投入計量ホッパ11L,11Rにより被計量物の目標重量の約98%を計量する。
【0030】
このような構成を備えた大投入計量部10においては、投入シュート12から仕切り板13aで区切られた各内部空間を介して大投入計量ホッパ11L,11Rのそれぞれに被計量物が投入される。この際、投入シュート12の各排出口に設けられたカットゲート14L,14Rは、目標重量未満の所定重量が投入されるように予め定められた時間開放されることにより、被計量物が大投入計量ホッパ11L,11R内に投入される。また、カットゲート14L,14Rは、交互に開放されるため、各大投入計量ホッパ11L,11Rには交互に被計量物が投入され、対応するロードセル15により順次計量される。すなわち、一方のカットゲート14Rを閉鎖した状態で他方のカットゲート14Lを所定時間開放して対応する大投入計量ホッパ11Lに被計量物を投入し、大投入計量ホッパ11Lに投入された被計量物の重量を計量する。
【0031】
ここで、特に、粉体(洗剤、肥料等)、粒体(樹脂ペレット、穀物、飼料等)の被計量物を所定の目標重量に調整するためのパッカースケール101においては、1袋あたりの充填量が例えば数10kgであるような重量物を計量する必要があるため、その大部分の計量を賄う大投入計量ホッパ11L,11Rにおいては、その大きさや強度確保のために大投入計量ホッパ11L,11Rの重量も重いものが多く、例えば大投入計量ホッパ11L,11R自体の重量が50kg以上あるものも存在する。したがって、大投入計量ホッパ11L,11Rに投入された被計量物による衝撃がある程度収まり、安定的に計量される状態となるまでには比較的時間を要する。
【0032】
そこで、例えば一方の大投入計量ホッパ11Lに被計量物が投入されてから当該大投入計量ホッパ11Lにおいて投入された被計量物が計量されるまでの計量安定化期間において、他方の大投入計量ホッパ11Rに対応するカットゲート14Rを開放し、当該大投入計量ホッパ11Rに被計量物を投入する処理を行う。そして、他方の大投入計量ホッパ11Rにおける計量安定化期間において、計量安定化期間を終えた大投入計量ホッパ11Lにおいて当該大投入計量ホッパ11Lに投入された被計量物を計量し、計量後、排出ゲート11Lcを開放して計量された被計量物を排出する。さらに、被計量物を排出した大投入計量ホッパ11Lにおいて次回用の被計量物を投入すべく、排出ゲート11Lcを閉鎖し、対応するカットゲート14Lを所定時間開放することにより、大投入計量ホッパ11Lに被計量物を投入する。また、この間に、大投入計量ホッパ11Rにおいて計量安定化期間が終了するため、結果として2つの大投入計量ホッパ11L,11Rから計量後の被計量物を交互に排出することができる。なお、各大投入計量ホッパ11L,11Rの排出ゲート11Lc,11Rcを開放することにより、計量後の被計量物が集合シュート30を介して包装機へ送られる。
【0033】
[中投入計量部]
中投入計量部20は、被計量物の重量が異なる比率で調整された被計量物がそれぞれ供給されることにより、被計量物の重量に基づいた組合せ演算が行われ、組合せ演算の結果に基づいて被計量物が排出される複数(
図1においては7つ)の中投入計量ホッパ21A〜21Gを備えている。そして、これらの7つの中投入計量ホッパ21A〜21Gは、調整される重量(目標投入重量)の比率が互いに異なるように構成されている。これにより、組合せ演算で調整される重量の比率(目標値)が7種類存在することとなる。
【0034】
さらに、中投入計量部20は、大投入計量部10の投入シュート12に投入された被計量物を各中投入計量ホッパ21A〜21Gへ供給する中継部22L,22Rを備えている。中継部22L,22Rは、それぞれ、上流側が投入シュート12の側方に連通され、下流側が各中投入計量ホッパ21A〜21Dおよび21E〜21Gの上方にそれぞれ排出口が位置するように分岐した中空の中継部本体22La,22Raを有している。また、中継部22L,22Rは、各排出口に設けられたカットゲート22Ab〜22Gbを有している。カットゲート22Ab〜22Gbは、それぞれ回動軸22Ac〜22Gc回りに回動可能に構成されている。カットゲート22Ab〜22Gbが回動軸22Ac〜22Gc回りに回動することにより、各カットゲート22Ab〜22Gbに対応する中投入計量ホッパ21A〜21Gに被計量物を投入する開状態と、中投入計量ホッパ21A〜21Gへの被計量物の投入を制限する閉状態とが切り換えられる。
【0035】
中投入計量ホッパ21A〜21Gは、それぞれ、中継部22L,22Rを介して被計量物が上方から投入される投入口21Aa〜21Gaを有する中空の連通部21Ab〜21Gbと、連通部21Ab〜21Gb内の被計量物を一時保持し、下方へ排出する排出ゲート21Ac〜21Gcとを備えている。
【0036】
複数の中投入計量ホッパ21A〜21Gは、それぞれが1つのロードセル23を有する7つの計量ホッパで構成されている。
【0037】
このような構成を備えた中投入計量部20においては、投入シュート12から中継部22L,22Rを介して中投入計量ホッパ21A〜21Gのそれぞれに被計量物が投入される。この際、各中投入計量ホッパ21A〜21Gには、投入される重量の比率が互いに異なるように所定重量の被計量物が投入されるように調整される。具体的には、中継部22L,22Rの各排出口に設けられたカットゲート22Ab〜22Gbが開放される時間を互いに異ならせること、および、中継部22L,22Rの各排出口の面積を、対応する中投入計量ホッパ21A〜21Gに投入される重量の比率に応じて(例えば当該比率に比例するように)異ならせることにより、これを実現している。
【0038】
本実施形態において、複数の中投入計量ホッパ21A〜21Gのうち調整される重量の比率が最も小さい中投入計量ホッパは、パッカースケール全体で排出される被計量物の重量と目標重量との間の許容誤差以下の重量を目標投入重量として設定されている。本実施形態において、パッカースケール101の許容誤差は5gに設定されており、最小の目標投入重量は、許容誤差と同じ5gに設定されている。
【0039】
また、中投入計量ホッパで計量すべき重量の最大値を600gに設定している。前述したように、パッカースケール101全体の目標重量を25kgとした場合に、大投入計量ホッパ11L,11Rで目標重量の98%を計量すると、中投入計量ホッパ21A〜21Gが投入すべき重量は目標重量の2%である500gとなる。大投入計量ホッパ11L,11Rの計量誤差を±100gとすると、結局、中投入計量ホッパ21A〜21Gで計量すべき重量の最大値(目標投入重量の最大合計値)は、500+100=600gとなる。
【0040】
このようにして設定された中投入計量ホッパの最小の目標投入重量5gを下限とし、中投入計量ホッパで計量すべき重量の最大値600gをカバーしつつ、最小の目標投入重量(5g)の差で異なる組合せ重量の種類を最大限に作るためには、各中投入計量ホッパの目標投入重量を、調整される重量の比率が公比2の等比数列となるように設定することが好ましい。上記のように、複数の中投入計量ホッパのうち調整される重量の比率が最も小さい中投入計量ホッパの目標投入重量が5gである場合、本実施形態における中投入計量ホッパ21A〜21Gは、目標投入重量が小さい順に5g、10g、20g、40g、80g、160g、320gとなるように構成される。この際、中投入計量ホッパ21A〜21Gの目標投入重量の合計値は、635gとなり、中投入計量ホッパ21A〜21Gが投入すべき重量を大投入計量ホッパ11L,11Rの計量誤差を考慮に入れても十分カバーできる。
【0041】
以上のように、組合せ演算に用いられる複数の中投入計量ホッパは、当該複数の中投入計量ホッパのそれぞれの目標計量重量の合計値(上記の例においては635g)が複数の中投入計量ホッパによる組合せ演算の目標重量値の最大値(上記の例においては500g)と大投入計量ホッパ11L,11Rにおいて許容される計量誤差の上限値(上記の例においては100g)との合計値(上記の例においては600g)以上となる最小の個数(上記の例においては7個)で構成される。これにより、組合せ演算を用いた計量において適正な計量を行うことを担保しつつ、中投入計量ホッパの個数をできる限り少なくすることができ、装置の大型化を防止し、コストを低減することができる。また、このような考えに基づいて中投入計量ホッパの個数およびそれぞれの目標計量重量を設定することにより、目標計量重量に応じて最適な設計を容易に行うことができる。
【0042】
本実施形態において、各カットゲート22Ab〜22Gbは、対応する中投入計量ホッパ21A〜21Gに被計量物を投入する際、上記目標計量重量および単位時間当たりに落下する被計量物重量に応じて設定されるゲート開放時間だけゲートを開放するように構成される。この場合、中投入計量部20は、中投入計量ホッパ21A〜21Gに被計量物を投入する際、まず、対応するカットゲート22Ab〜22Gbに設定されたゲート開放時間の間、当該カットゲート22Ab〜22Gbを開き、中投入計量ホッパ21A〜21Gに被計量物を投入する。ゲート開放時間経過後、カットゲート22Ab〜22Gbはゲートを閉鎖する。中投入計量部20は、被計量物の投入後、所定の計量安定化期間経過後に被計量物が投入された中投入計量ホッパ21A〜21G内の被計量物の重量を計量して、組み合わせ演算を行う。
【0043】
さらに、本実施形態においては、上記目標投入重量を実現するために、例えば各中投入計量ホッパ21A〜21Gに対応する各カットゲート22Ab〜22Gbのゲート開放時間を目標投入重量が小さいほど短くするように設定される。さらに、中継部22L,22Rの各排出口の面積を、対応する中投入計量ホッパ21A〜21Gに投入される重量の比率に応じて(例えば当該比率に比例するように)異ならせている。このように、7つの中投入計量ホッパ21A〜21Gにおいて目標投入重量を異ならせることにより、計量される(組合せ演算の対象となる)被計量物の目標投入重量の比率が1:2:4:8:16:32:64となる。
【0044】
なお、中投入計量ホッパ21A〜21Gの最大容量自体は全て同じ(少なくとも最大の320gが計量可能な容量を有する限り)であってもよいが、目標投入重量に応じて中投入計量ホッパ21A〜21Gの最大容量を異ならせることとしてもよい。例えば5g、10g、20gおよび40gを計量するための中投入計量ホッパ21A〜21Dは、0.5リッタの最大容量を有する計量ホッパを用い、80gおよび160gを計量するための中投入計量ホッパ21E,21Fは、1リッタの最大容量を有する計量ホッパを用い、320gを計量するための中投入計量ホッパ21Gは、2リッタの最大容量を有する計量ホッパを用いることとしてもよい。このように目標投入重量に応じて最大容量の異なる計量ホッパを中投入計量ホッパ21A〜21Gとして用いることにより、パッカースケール101の大型化を防止することができる。
【0045】
また、本実施形態においては7つの中投入計量ホッパ21A〜21Gのうち、最大容量が小さい計量ホッパとして構成される4つの中投入計量ホッパ21A〜21Dを
図2および
図3に示すように大投入計量部10の向かって左側において前後方向に一列となるように配置し、これらより最大容量が大きい残り3つの中投入計量ホッパ21E〜21Gを大投入計量部10の向かって右側において前後方向に一列となるように配置している。このように、中投入計量ホッパ21A〜21Gを大投入計量部10の側方において左右両側の前後方向に一列となるように効率的に配置することにより、パッカースケール101の設置面積を小さくすることができる。
【0046】
そして、各中投入計量ホッパ21A〜21Gのそれぞれに投入された被計量物が計量され、当該計量された重量を用いて組合せ演算を行い、目標重量から大投入計量ホッパ11L,11Rのうちのいずれか1つで計量された被計量物の重量を引いた残りの重量に最も近い組み合わせを算出する。組合せ演算の結果、組み合わせに選ばれた中投入計量ホッパの排出ゲート21Ac〜21Gcを開放し、組み合わせに選ばれた被計量物が集合シュート30を介して包装機へ送られる。上記例のような目標投入重量とした中投入計量ホッパ21A〜21Gによれば、大投入計量ホッパ11L,11Rと合わせて目標重量に対して±5gの精度で計量排出が可能となる。
【0047】
このような組合せ演算は、大投入計量ホッパ11L,11Rへの被計量物の投入および計量処理と時間的にオーバーラップして行われる。具体的には、大投入計量ホッパ11L,11Rの投入サイクルは、中投入計量ホッパ21A〜21Gにおける計量サイクルに基づいて設定される。例えば一の大投入計量ホッパ11Lに被計量物が投入された後、計量安定化期間を経過することにより当該大投入計量ホッパ11Lに投入された被計量物の重量が計量されるまでの間に、各中投入計量ホッパ21A〜21Gには被計量物が投入された状態にする。大投入計量ホッパ11Lに投入された被計量物の重量が計量されることにより、中投入計量ホッパ21A〜21Gで計量すべき重量(目標重量から大投入計量ホッパ11Lにおける計量値を差し引いた値)が演算され、当該重量となるように組合せ演算が行われる。この間、大投入計量ホッパ11Lでは被計量物の排出が行われるとともに、他方の大投入計量ホッパ11Rにおいて被計量物が投入され、計量安定化期間が開始されている。組合せ演算に選ばれた1または複数の中投入計量ホッパ21A〜21Gは被計量物を排出し、その後、対応するカットゲート22Ab〜22Gbを開放することにより、空になった中投入計量ホッパ21A〜21Gに新たな被計量物が投入される。これにより、次回以降も必ず7つの中投入計量ホッパ21A〜21Gのすべてを用いて組合せ演算が行われる。そして、次回は計量安定化期間が終了した他方の大投入計量ホッパ11Rに投入された被計量物の重量に基づいて(目標重量から大投入計量ホッパ11Rにおける計量値を差し引いた値となるように)組合せ演算が行われる。
【0048】
上記構成によれば、大投入計量ホッパ11L,11Rを複数備えるため、大投入計量ホッパ11L,11Rごとに被計量物の投入、計量および排出のタイミングをずらすことができる。これにより、一の大投入計量ホッパ(11Lおよび11Rのうちの一方)における計量安定化期間において他の一の大投入計量ホッパ(11Lおよび11Rのうちの他方)における被計量物の投入または排出処理を行うことができるため、複数の大投入計量ホッパ11L,11Rにおける全体的な計量速度を高めることができる。また、大投入計量ホッパ11L,11Rに投入された被計量物の重量が計量されるまでの間に、中投入計量ホッパ21A〜21Gへ被計量物が投入されることにより、大投入計量ホッパ11L,11Rの計量安定化期間を無駄にすることなく、パッカースケール101全体の計量速度を高めることができる。
【0049】
さらに、上記構成によれば、投入シュート12において被計量物が通過する連通部13を複数の大投入計量ホッパ11L,11Rで共有しつつ、カットゲート14L,14R近傍の下端部において各大投入計量ホッパ11L,11Rの被計量物の投入口11La,11Raに応じて区切られた形状となっている。これにより、大投入計量ホッパ11L,11Rの上部の構造を簡略化することができ、パッカースケール101全体の大型化を抑制しつつ計量速度を高速化することができる。
【0050】
例えば、大投入計量ホッパを2つ設ける場合に、それぞれの大投入計量ホッパの上方に単純に2つの投入シュートを設けるとするとパッカースケール全体の設置面積が大幅に大きくなる。これを解消するために、投入シュートの内部空間の水平断面積を小さくすることも考えられるが、これを行うと、各投入シュートの内部空間に一時蓄えられる被計量物の容積が小さくなるため、投入シュートの高さを高くして各投入シュートの容積を維持する必要がある。投入シュートの高さが高くなると、パッカースケールの設置場所が制限される問題や、より高所から被計量物を投入する必要が生じることによって作業の危険性および非効率性が増大する問題が生じ得る。そこで、投入シュート12自体は1つの径を有し(大投入計量ホッパが1つの場合に比べてその径はやや大きくなる)、その内部空間を大投入計量ホッパ11L,11Rごとに区切ることにより、投入シュートの高さを高くすることなく、パッカースケールの設置面積の増大を抑制することができる。
【0051】
また、カットゲート14L,14Rが個別に択一的に開放されるため、被計量物を各大投入計量ホッパ11L,11Rに迅速に振り分け投入することができる。そして、このような大投入計量ホッパ11L,11Rへの被計量物の振り分け投入と時間的にオーバーラップするように中投入計量ホッパ21A〜21Gにおける組合せ演算を行うことにより、2回分の計量処理が時間的にオーバーラップすることとなり、複数回における計量処理全体にかかる時間をより短縮することができる。
【0052】
また、上記構成のような中投入計量部20を備えていることにより、大投入計量ホッパ11L,11Rを用いて目標重量の大半を計量した後、7種類以上の重量比率となるように複数の中投入計量ホッパ21A〜21Gへそれぞれ投入された被計量物に基づいて組合せ演算が行われる。このように、7種類以上の重量比率から組合せ演算を行うことにより、別途ロスイン計量を行うことなく目標重量との誤差を小さくすることができる。したがって、計量精度を高く維持しつつ計量速度の高速化を図ることができる。
【0053】
さらに、上記構成においては、複数の中投入計量ホッパ21A〜21Gのそれぞれが1つのロードセル23を有する7つの計量ホッパで構成されているため、7種類の重量比率となる被計量物を複数の中投入計量ホッパ21A〜21Gに同じタイミングで投入させることができ、計量速度をより高速化することができる。
【0054】
なお、本実施形態においては、中投入計量ホッパ21A〜21Gを7つ備えた構成について説明したが、本発明の態様はこれに限られない。例えば、中投入計量ホッパを8つ以上備えることとしてもよい。また、各中投入計量ホッパの配置態様は、上記実施形態の態様に限られず、種々好適に配置され得る。また、7つ以上の中投入計量ホッパで実現される7種類以上の重量比率についても、種々好適に設定される。なお、7種類以上の重量比率が存在する限り、複数の中投入計量ホッパにおいて、同じ重量比率に設定される中投入計量ホッパが存在してもよい。
【0055】
また、本実施形態においては、中投入計量ホッパ21A〜21Gに異なる重量の被計量物を投入するために、カットゲート22Ab〜22Gbが開放される時間を互いに異ならせることとしたが、本発明はこれに限られない。例えば、カットゲート22Ab〜22Gbが開放される時間は何れも同じとし、カットゲート22Ab〜22Gbの開度を互いに異ならせることとしてもよい。
【0056】
<第2実施形態>
次に、
図4〜
図7を用いて本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態において第1実施形態と同様の構成については同じ符号を付し説明を省略する。本実施形態のパッカースケール102が第1実施形態と異なる点は、中投入計量部25において、複数の中投入計量ホッパ24A〜24Dは、それぞれが1つのロードセル23と、中空の連通部の内部がそれぞれ仕切り板24Ac〜24Dcによって2つの区画に分割された被計量物の保持部24Aa〜24Da,24Ab〜24Dbと、を有する4つの計量ホッパで構成されていることである。
【0057】
本実施形態においては4つの中投入計量ホッパ24A〜24Dのうちの2つを、
図6に示すように、大投入計量部10の向かって左側において前後方向に一列となるように配置し、残りの2つを大投入計量部10の向かって右側において前後方向に一列となるように配置している。このように、中投入計量ホッパ24A〜24Dを大投入計量部10の側方において左右両側の前後方向に一列となるように効率的に配置することにより、パッカースケール102の設置面積を小さくすることができる。
【0058】
また、各保持部24Aa〜24Da,24Ab〜24Dbは、当該保持部24Aa〜24Da,24Ab〜24Db内の被計量物を一時保持し、下方へ排出する排出ゲート24Ad〜24Dd,24Ae〜24Deを備えている。1つの中投入計量ホッパ24A〜24Dに2つずつ設けられた排出ゲート24Ad〜24Dd,24Ae〜24Deは、互いに独立して開閉可能に構成される。排出ゲート24Ad〜24Ddは、回動軸24Af〜24Df回りに回動可能に構成され、排出ゲート24Ae〜24Deは、回動軸24Ag〜24Dg回りに回動可能に構成される。一方の保持部24Aa〜24Daに対応する排出ゲート24Ad〜24Ddと、他方の保持部24Aa〜24Daに対応する排出ゲート24Ae〜24Deは、それぞれ、別個のロータリアクチュエータ(図示せず)により駆動される。これにより、同じ中投入計量ホッパ24A〜24Dに設けられた2つの保持部24Aa〜24Da,24Ab〜24Dbは、それぞれ独立して駆動することが可能となっている。
【0059】
そして、これらの4つの中投入計量ホッパ24A〜24Dで構成される8つの保持部24Aa〜24Da,24Ab〜24Dbは、調整される重量(目標投入重量)の比率が互いに異なるように構成されている。これにより、本実施形態における中投入計量部25は、組合せ演算で調整される重量の比率(目標値)が8種類存在することとなる。
【0060】
本実施形態における中投入計量ホッパ24A〜24Dにおいても、各保持部24Aa〜24Da,24Ab〜24Dbへの目標投入重量が小さい順に5g、10g、20g、40g、80g、160g、320g、640gとなるように構成される。このように、4つの中投入計量ホッパ24A〜24Dが有する8つの保持部24Aa〜24Da,24Ab〜24Dbの目標投入重量を異ならせることにより、計量される(組合せ演算の対象となる)被計量物の目標投入重量の比率が1:2:4:8:16:32:64:128となる。
【0061】
本実施形態においては、1つの中投入計量ホッパ24A〜24Dの2つの保持部24Aa〜24Da,24Ab〜24Dbに投入される目標投入重量の合計が中投入計量ホッパ24A〜24Dによってなるべく大きく異ならないように、目標投入重量が小さい保持部ほど目標投入重量が大きい保持部と組み合わせられるように設定されている。例えば、中投入計量ホッパ24Aの保持部24Aaの目標投入重量が5gで保持部24Abの目標投入重量が640gとされ、中投入計量ホッパ24Bの保持部24Baの目標投入重量が10gで保持部24Bbの目標投入重量が320gとされ、中投入計量ホッパ24Cの保持部24Caの目標投入重量が20gで保持部24Cbの目標投入重量が160gとされ、中投入計量ホッパ24Dの保持部24Daの目標投入重量が40gで保持部24Dbの目標投入重量が80gとされる。これにより、中投入計量ホッパ24A〜24Dの大きさおよびロードセル23の計量可能重量をなるべく小さくすることができ、計量装置全体を小型化することができる。
【0062】
さらに、中投入計量部25は、大投入計量部10の投入シュート12に投入された被計量物を各中投入計量ホッパ24A〜24Dへ供給する中継部26L,26Rを備えている。中継部26L,26Rは、それぞれ、上流側が投入シュート12の側方に連通され、下流側が各中投入計量ホッパ24A〜24Dの上方にそれぞれ排出口が位置するように分岐した中空の中継部本体26La,26Raを有している。中継部本体26La,26Raの下流側には、鉛直方向に被計量物が通過するように中投入計量ホッパ24A〜24Dごとに対応して設けられた連通部26Ae〜26Deが設けられている。連通部26Ae〜26Deのそれぞれは、中投入計量ホッパ24A〜24Dの保持部24Aa〜24Da,24Ab〜24Dbの各投入口に応じた位置に排出口が形成されている。具体的には、連通部26Ae〜26Deの下流側端部には、中投入計量ホッパ24A〜24Dの各仕切り板24Ac〜24Dcと上面視において略同一面となるように設けられた仕切り板26Ad〜26Ddが設けられている。
【0063】
また、中継部26L,26Rは、各排出口に設けられたカットゲート26Ab〜26Dbを有している。カットゲート26Ab〜26Dbは、それぞれ回動軸26Ac〜26Dc回りに回動可能に構成されている。カットゲート26Ab〜26Dbが回動軸26Ac〜26Dc回りに回動することにより、中投入計量ホッパ24A〜24Dの一対の保持部24Aa〜24Daおよび24Ab〜24Dbのうち何れか一方に対応するカットゲート26Ab〜26Dbの排出口領域を開放して当該保持部24Aa〜24Daおよび24Ab〜24Dbの何れか一方に被計量物を投入する開状態と、中投入計量ホッパ24A〜24Dへの被計量物の投入を制限する閉状態とが切り換えられる。
【0064】
本実施形態において、中継部本体26La,26Raの下流側に設けられ、中投入計量ホッパ24A〜24Dの各保持部24Aa〜24Da,24Ab〜24Dbに対応する各排出口の面積は、組合せ演算で調整される重量の比率(目標値)が大きい保持部に投入する排出口ほど大きい面積を有している。これにより、カットゲート26Ab〜26Dbを開状態にする時間(ゲート開放時間)を各保持部24Aa〜24Da,24Ab〜24Dbへの被計量物の投入量(目標値)によらず互いに近づけることができる。なお、中継部本体26La,26Raに設けられた排出口の面積は、必ずしもすべての保持部24Aa〜24Da,24Ab〜24Dbに対応するカットゲート26Ab〜26Dbにおいて開放時間を同一にしなくてもよい。すなわち、大投入計量ホッパ11L,11Rの計量が完了するまでの間に、各保持部24Aa〜24Da,24Ab〜24Dbに投入される被計量物の重量が予め設定された重量となるように、カットゲート26Ab〜26Dbの開放時間と排出口の面積とを決めればよい。排出口の面積をすべて同じにしてカットゲート26Ab〜26Dbの開放時間のみを異ならせることとしてもよい。
【0065】
なお、パッカースケール全体の計量時間を増加させることなく中投入計量ホッパ24A〜24Dにおける計量を安定的に行うために中投入計量ホッパ24A〜24Dの安定化期間をなるべく長くとるためには、中投入計量ホッパ24A〜24Dへの被計量物の投入時間は短いほど好ましい。したがって、カットゲート26Ab〜26Dbの開閉時間を短くすることが好ましい。ただし、カットゲート26Ab〜26Dbを閉じる速度を速くし過ぎると、騒音が生じたり、機器損傷が生じるおそれがある。このため、カットゲート26Ab〜26Dbを閉じる際には、閉じる直前の速度をそれ以前より遅くすることが好ましい。したがって、カットゲート24A〜24Dは、開状態から閉状態へ向かう所定の位置から閉状態に到達するまでにおける速度が、開状態から所定の位置に到達するまでにおける速度より遅くなるように構成されることが好ましい。さらに、カットゲート24A〜24Dは、閉状態から開状態へ向かう際の速度が、閉状態から所定の位置に到達するまでの速度以上であることが好ましい。
【0066】
このような構成を備えた中投入計量部25においては、投入シュート12から中継部26L,26Rを介して中投入計量ホッパ24A〜24Dの保持部24Aa〜24Da,24Ab〜24Dbのそれぞれに被計量物が投入される。例えば、
図7に示す中投入計量ホッパ24Dを例にとると、保持部24Da,24Dbがともに空の状態で、まず、保持部24Da,24Dbの一方(ここでは24Daとする)に被計量物を投入する。この際、閉状態となっているカットゲート26Dbが回動軸26Dc回り保持部24Db側方向に回動し、保持部24Dbに対応する中継部本体26Raの投入口を閉状態としたままで、保持部24Daに対応する中継部本体26Raの投入口を開状態とすることにより、保持部24Daにのみ所定量(目標値)の被計量物が投入される。
【0067】
中投入計量ホッパ24D自体の重量は既知であるため、中投入計量ホッパ24Dを支持しているロードセル23で計量される重量から中投入計量ホッパ24Dの重量を差し引くことにより保持部24Daに投入された被計量物の重量が計測される。
【0068】
その後、カットゲート25Daが回動軸26Dc回り保持部24Da側方向に回動し、保持部24Da,24Dbの他方(ここでは24Db)に対応する中継部本体26Raの投入口のみを所定の時間、開状態とすることにより、保持部24Dbにも所定量の被計量物が投入される。
【0069】
中投入計量ホッパ24Dおよび保持部24Daに投入された被計量物の重量は既知となっているため、ロードセル23で計量される重量から中投入計量ホッパ24dの重量および保持部24Daに投入された被計量物の重量を差し引くことにより、保持部24Dbに投入された被計量物の重量が計測される。
【0070】
すべての保持部24Aa〜24Da,24Ab〜24Dbに投入された被計量物の重量の計測が行われ、これらの値が制御装置(図示せず)に送られる。制御装置は、所定の比率に基づいて計量された8種類の被計量物の重量を用いて組合せ演算を行う。そして、組合せ演算に選ばれた重量に対応する保持部24Aa〜24Da,24Ab〜24Dbの排出ゲート24Ad〜24Dd,24Ae〜24Deを開放し、組合せ演算に選ばれた重量を有する被計量物を排出する。
【0071】
被計量物が排出された保持部24Aa〜24Da,24Ab〜24Dbには、新たに被計量物が投入され、投入された被計量物の重量が計測され、次回以降も8種類の被計量物の重量を用いて組合せ演算が行われる。
【0072】
上記構成においても、大投入計量ホッパ11L,11Rを複数備えるため、大投入計量ホッパ11L,11Rごとに被計量物の投入、計量および排出のタイミングをずらすことができる。これにより、一の大投入計量ホッパ(11Lおよび11Rのうちの一方)における計量安定化期間において他の一の大投入計量ホッパ(11Lおよび11Rのうちの他方)における被計量物の投入または排出処理を行うことができるため、複数の大投入計量ホッパ11L,11Rにおける全体的な計量速度を高めることができる。
【0073】
また、上記構成のような中投入計量部25を備えていることにより、大投入計量ホッパ11L,11Rを用いて目標重量の大半を計量した後、7種類以上の重量比率となるように複数の中投入計量ホッパ24A〜24Dの各保持部24Aa〜24Da,24Ab〜24Dbへそれぞれ投入された被計量物に基づいて組合せ演算が行われる。このように、7種類以上の重量比率から組合せ演算を行うことにより、別途ロスイン計量を行うことなく目標重量との誤差を小さくすることができる。したがって、計量精度を高く維持しつつ計量速度の高速化を図ることができる。しかも、本実施形態においては、7種類以上の重量比率となる被計量物を計量する中投入計量ホッパを略半分の4つの計量ホッパ24A〜24Dで構成することができるため、計量装置の大型化を抑制することができる。
【0074】
また、投入シュート12から供給される被計量物を各中投入計量ホッパ24A〜24Dごとに形成された連通部26Ae〜26Deに通過させ、当該連通部26Ae〜26Deの下方においてカットゲート26Ab〜26Dbを用いて各中投入計量ホッパ24A〜24Dの各保持部24Aa〜24Da,24Ab〜24Dbに振り分け投入させる。これにより、簡単な構造で容易かつ確実に2分割された構造を有する中投入計量ホッパ24A〜24Dの各保持部24Aa〜24Da,24Ab〜24Dbに被計量物を投入することができる。
【0075】
なお、本実施形態においては、それぞれ2つの保持部24Aa〜24Da,24Ab〜24Dbを有する中投入計量ホッパ24A〜24Dを4つ備えた構成について説明したが、本発明の態様はこれに限られない。例えば、それぞれ2つの保持部を有する中投入計量ホッパを5つ以上備えることとしてもよい。また、各中投入計量ホッパの配置態様は、上記実施形態の態様に限られず、種々好適に配置され得る。また、それぞれ2つの保持部を有する4つ以上の中投入計量ホッパで実現される7種類以上の重量比率についても、種々好適に設定される。なお、7種類以上の重量比率が存在する限り、複数の保持部において、同じ重量比率に設定される保持部が(同じ重量比率に設定される保持部が同じ中投入計量ホッパ内に存在するか別の中投入計量ホッパにおいて存在するかに拘わらず)存在してもよい。
【0076】
<第3実施形態>
次に、
図8を用いて本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態において第1実施形態と同様の構成については同じ符号を付し説明を省略する。本実施形態のパッカースケール104が第1実施形態と異なる点は、大投入計量部40を構成する大投入計量ホッパ41が1つのみ存在することである。
【0077】
これに合わせて、大投入計量部40は、大投入計量ホッパ41へ被計量物を供給する投入シュート42を備えている。投入シュート42は、鉛直方向に被計量物が通過する中空の連通部43と、連通部43の下方において大投入計量ホッパ41への被計量物の投入可否を切り替えるカットゲート44L,44Rとを備えている。本実施形態において、カットゲート44L,44Rは、それぞれ回動軸44La,44Ra回りに回動可能に構成されている。カットゲート44L,44Rが回動軸44La,44Ra回りに回動することにより、各カットゲート44L,44Rに対応する大投入計量ホッパ41に被計量物を投入する開状態と、大投入計量ホッパ41への被計量物の投入を制限する閉状態とが切り換えられる。カットゲート44L,44Rは、同時に開放される(開状態となる)よう構成されている。なお、カットゲート44L,44Rの回動軸は同軸に構成されてもよい。
【0078】
大投入計量ホッパ41は、上方の投入口41aから投入された被計量物が流通する連通部41bと、連通部41b内の被計量物を一時保持し、下方へ排出する排出ゲート41cとを備えている。
【0079】
上記構成においても、大投入計量ホッパ41を用いて目標重量の大半を計量した後、7種類以上の重量比率となるように複数の中投入計量ホッパ21A〜21Gへそれぞれ投入された被計量物に基づいて組合せ演算が行われる。このように、7種類以上の重量比率から組合せ演算を行うことにより、別途ロスイン計量を行うことなく目標重量との誤差を小さくすることができる。したがって、計量精度を高く維持しつつ計量速度の高速化を図ることができる。
【0080】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変更、修正が可能である。例えば、複数の上記実施形態における各構成要素を任意に組み合わせることとしてもよい。例えば、第3実施形態の大投入計量部40と第2実施形態の中投入計量部25とを組み合せることとしてもよい。また、上記実施形態においては、1つまたは2つの大投入計量ホッパを備えた大投入計量部に基づいて説明したが、大投入計量ホッパを3つ以上備えてもよい。
【0081】
また、上記実施形態においては、中投入計量部20において、各中投入計量ホッパ21A〜21Gに投入する被計量物の量を対応するカットゲート22Ab〜22Gbのゲート開放時間で制御する態様について説明したが、これに限られない。例えば、各中投入計量ホッパ21A〜21Gへの被計量物の投入制御態様として、被計量物を投入しながら中投入計量ホッパ21A〜21Gの重量を計量することにより制御する態様を採用してもよい。例えば、カットゲート22Ab〜22Gbの開放中に、所定時間間隔ごとに中投入計量ホッパ21A〜21G内の被計量物の重量を計量し、これによって得られた複数の計量値から目標計量重量に到達する時間を予測する。例えば、複数の計量値に移動平均等の平滑化処理を行うことにより、計量重量の経時変化の割合が求められ、当該割合から目標計量重量に到達する時間が演算により求められる。このようにして予測された目標計量重量に到達する時間に基づいてカットゲート22Ab〜22Gbの閉鎖制御が行われる。なお、このような場合でも、最終的に中投入計量ホッパ21A〜21Gに投入された被計量物が安定化期間経過後に計量される。
【0082】
上記実施形態のように、中投入計量ホッパ21A〜21Gへの被計量物の投入制御をゲート開放時間のみで制御する場合、被計量物の品種の変更等による被計量物の比重の変化や外部の衝撃等の影響により投入される被計量物の重量にはばらつきが比較的大きい場合がある。これに対し、投入中の被計量物の重量に基づいて被計量物の投入制御を行うことにより、被計量物の投入重量のばらつきを抑え、計量装置全体の処理速度を落とすことなく高精度な計量を行うことができる。
【0083】
また、大投入計量ホッパ11L,11Rまたは41に対して、上記のような投入中の被計量物の重量に基づく被計量物の投入制御を行うこととしてもよい。