【実施例】
【0036】
以下の実施例は例示目的だけのためのものであり、本発明の範囲を限定することを意図していない。
【0037】
【表3】
【0038】
比較中間体1:抗凝集性モノマーを有さないラテックスの製造
脱イオン水(521.8g)、界面活性剤A(63.8g)、BA(957.6g)、MMA(919.3g)、およびMAA(38.3g)を容器内で混合することによりモノマーエマルションが製造された。別のフラスコに脱イオン水(995g)を入れ、次いでN
2パージ下で88℃にした。このフラスコにAPS(25gの脱イオン水中2.9g)の溶液およびポリマーシードA(53%EA/47%MMA、45%固形分量、45nm粒子サイズ、29.5g)を入れた。反応器の温度を85℃に維持しつつ、モノマーエマルションが12.5g/分の速度で10分間にわたって、次いで26.4g/分に上げて100分間反応器に供給された。この反応器に、モノマーエマルションフィードと同時に、72.0gの脱イオン水中の2.9gのAPSの混合物が0.75g/分の速度で添加された。
【0039】
添加完了後、モノマーエマルションラインは脱イオン水(20g)ですすがれ、反応器は80℃に冷却された。80℃で、脱イオン水(10g)中の硫酸鉄七水和物(10mg)の溶液が添加され、次いで、tBHP(30g脱イオン水中1.2g)およびIAA(30g脱イオン水中0.9g)の別々の溶液が30分間にわたって共供給された。次いで、この反応器は65℃に冷却され、第二のレドックス対がこのラテックスに30分間にわたって添加された。次いで、このケトルの内容物は40℃に冷却され、KORDEK
(商標)LX5000殺生物剤(ザダウケミカルカンパニーまたはその関連会社の商標;10gの水中で4.0g)が添加され、次いで、脱イオン水(50g)ですすがれた。このラテックスは100および325メッシュスクリーンを通されて、固形分、pHおよび粒子サイズの特性を明らかにした(表1)。
【0040】
比較中間体1について詳述されたのと実質的に同じ手順を用いて、ラテックスポリマー中間体1〜4および比較中間体2が製造された。使用された個々のモノマーの重量は表1に詳述される。重量平均粒子サイズは光散乱を用いて決定された。
【0041】
【表4】
【0042】
比較例1〜2および実施例1〜4:エポキシ樹脂を吸収されたラテックスの製造
以下の手順は本方法を説明し、他に示されない限りは報告される例の全てについて使用された。DER−331液体エポキシ樹脂、脱イオン水、およびトライトン(TRITON
(商標))X−405界面活性剤は表2に示される量でガラスジャー内で混合された。(実施例4については、エポキシ樹脂の添加の前にラテックスのpHはアンモニア溶液の添加によって調節された。)この混合物は磁気攪拌装置で〜15分間攪拌され、次いでPro250携帯型ホモジナイザー(プロサイエンティフィック(Pro Scientific)Inc.)を用いて〜10秒間均質化された。次いで、中間体ラテックス(比較中間体1および2、並びに中間体1〜4)はエポキシエマルションに攪拌しつつ2分間にわたって添加された。このブレンドは30分間攪拌され、30分の時点でさらなる脱イオン水(110g)が添加された。攪拌は30分間続けられ、そしてサンプルは一晩置いておかれた。
【0043】
コロイド安定性およびエポキシ樹脂の相分離(目に見える分離があるかないか)に関する評価が行われた。このサンプルを60℃のオーブン中で10日間おくことによって熱老化安定性が決定された。
【0044】
【表5】
表2が示すように、比較例1および2は熱老化安定性条件下では不合格であった。
【0045】
実施例5〜7:エポキシ樹脂を吸収したPEM/MAAラテックスの製造
脱イオン水(570g)、界面活性剤A(50.5g)、BA(1113.7g)、MMA(1042.5g)、PEM(17.8g〜71.3g)、MAA(0g〜53.5g)、nDDM(21.2g)およびデクエスト(Dequest)2016キレート剤(chelant)を容器内で混合することによりモノマーエマルション混合物が製造された。フラスコに脱イオン水(960g)および界面活性剤A(2.2g)を入れ、次いでN
2パージ下で83℃に加熱した。このフラスコに脱イオン水中のAPS(5.5g)の混合物およびモノマーエマルション混合物の一部分(137.5g)を入れた。反応器の温度を85℃に維持しつつ、10分後、フラスコの内容物は17.1g/分の速度で20分間にわたって反応器に供給され、同時に脱イオン水(98g)中のAPS(2.35g)の溶液を0.63g/分の速度で添加し;次いで、これら供給速度はそれぞれ、39.83g/分および1.46g/分に上げられて60分間供給された。
【0046】
添加完了後、モノマーエマルションラインは脱イオン水(60g)ですすがれ、反応器は80℃に冷却された。この反応器に脱イオン水(15g)中の水酸化アンモニウム(7.3g)が添加され、次いで、脱イオン水(11g)中の硫酸鉄七水和物(15mg)およびEDTA(10mg)の溶液が添加され、次いで、脱イオン水(15g)中のtBHP(1.95g)および脱イオン水(15g)中のIAA(1.3g)の別々の溶液が同時に添加された。この反応器は75℃に冷却され、第二のレドックス対がこの混合物に30分間にわたって添加された。この反応器の内容物は50℃に冷却され、脱イオン水(30g)中の水酸化アンモニウム(42g)の溶液が10分間にわたってこの混合物に供給され、次いで脱イオン水(20g)でのすすぎが行われた。次いで、この反応器は室温まで冷却されて、水(12.5g)中のROCIMA
(商標)(ロシマ)BT2S殺生物剤(ザダウケミカルカンパニーまたはその関連会社の商標;10.58g)が添加され、次いで、脱イオン水(10g)ですすがれた。得られたラテックスは100および325メッシュスクリーンを通されて、固形分、pHおよび粒子サイズの特性を明らかにした。次いで、このラテックスはD.E.R.
(商標)331液体エポキシ樹脂と一緒にされて、上述の熱老化安定性試験にかけられた。
【0047】
表3に示されるように、全てのサンプルは、比較的多量のMAAを含むものでさえ、分離に対して安定でありかつ熱老化安定であった。
【0048】
【表6】
【0049】
中間体5
脱イオン水(1085g)および界面活性剤A(18.5g)をフラスコに入れ、次いでN
2パージ下で87℃に加熱した。さらに、このフラスコに脱イオン水(25g)中のAPS(2.9g)の溶液、およびポリマーシードA(29.5g)を入れ、次いで、水すすぎ(10.6g)を行った。脱イオン水(521.8g)、界面活性剤A(45.3g)、BA(957.6g)、MMA(900.2g)、MAA(38.3g)、AM(19.1g)およびnDDM(9.6g)を容器内で混合することにより製造されたモノマーエマルション混合物が、12g/分の速度でこのフラスコに供給され、同時に、脱イオン水(72g)中のAPS(2.9g)の溶液が0.74g/分の速度で添加された。85℃の反応器温度を維持しつつ、10分後に、モノマーエマルション供給速度は90分間25g/分に上げられた。
【0050】
添加完了後、モノマーエマルションラインは脱イオン水(25g)ですすがれ、反応器は70℃に冷却された。次いで、脱イオン水(10g)中の硫酸鉄七水和物(10mg)の溶液がこの反応器に添加され、次いで、脱イオン水(30g)中のtBHP(1.2g)およびAPS(1.2g)の溶液と、脱イオン水(30g)中のNaBS(1.2g)の溶液とが30分間にわたって同時に添加された。次いで、この反応器は60℃に冷却され、脱イオン水(30mL)中のtBHP(1.20g)の溶液と、脱イオン水(30g)中のNaPS(1.3g)の溶液とが30分間にわたって同時に共供給された。次いで、反応器の内容物は室温まで冷却され、脱イオン水(15g)中のKORDEK
(商標)LX5000殺生物剤(ザダウケミカルカンパニーまたはその関連会社の商標)(4g)の溶液がこのエマルションに10分間にわたって供給され、次いで5gすすぎが行われた。このラテックスは100および325メッシュスクリーンを通されて、50.8%固形分、pH=1.9および230nm粒子サイズを有すると特徴付けられた。
【0051】
実施例8:D.E.R.
(商標)331液体エポキシ樹脂を吸収したAM/MAAラテックスの製造
機械式攪拌装置、N
2インレットおよび凝縮器を備えた5Lの四つ口フラスコにD.E.R.
(商標)(165g)、TRITON(トライトン)X−405界面活性剤(23.8g)および脱イオン水(159.3g)を入れた。この混合物が15分間攪拌され、次いで60℃に加熱された。中間体5(734.2g)をこのフラスコに添加し、温度を50℃で1時間保持した。この混合物は室温まで冷却され、加熱老化の前に一晩置いておかれた。少量の液体エポキシ樹脂がこのジャーの底に相分離したことが観察された。最終サンプルは50.2%固形分およびpH=5.6を有すると決定された。
【0052】
実施例9〜11は、表4に示されること以外は実施例8に記載されるのと実質的に同じ手順を用いて製造された。表4は、AMおよびMAAの組み合わせを用いて、非常に異なるpH値で熱老化安定ラテックスが製造されうることを示す。
【0053】
【表7】
【0054】
実施例12:D.E.R.
(商標)331液体エポキシ樹脂を吸収したEHA/MAAラテックスの製造
脱イオン水(800g)、界面活性剤A(43.6g)、EHA(477.3g)、MMA(758.2g)、スチレン(462.5)、AAEM(92.5)およびPEM(59.2g)を容器内で混合することによりモノマーエマルションが製造された。別のフラスコに脱イオン水(600g)および界面活性剤A(0.9g)を入れ、次いでN
2パージ下で87℃にした。このフラスコに50gの脱イオン水中のAPS(5.8g)とモノマーエマルション混合物の一部分(60.0g)との混合物を入れた。10分後、フラスコの内容物は12.1g/分の速度で10分間にわたって反応器に供給され、同時に脱イオン水(125g)中のAPS(2.5g)の溶液を0.54g/分の速度で添加し、次いで、86℃の反応器温度を維持しつつ、これら供給速度はそれぞれ24.2g/分および1.09g/分に上げられ、100分間継続された。
【0055】
添加完了後に、モノマーエマルションラインは脱イオン水(40g)ですすがれ、フラスコの内容物は86℃で15分間保持され、そして反応器は80℃に冷却された。水酸化アンモニウム(20g)がこの反応器に添加され、次いで脱イオン水(14g)中の硫酸鉄七水和物(18mg)およびEDTA(19mg)の溶液が添加され、次いで、脱イオン水(15g)中のtBHP(1.3g)の溶液が添加され、次いで脱イオン水(20g)中のIAA(0.9g)の溶液が15分間にわたって供給された。この反応器は65℃に冷却され、第2のレドックス対(10gの脱イオン水中の0.8gのtBHP、10gの脱イオン水中の0.56gのIAA)がすべて一度に添加され、そしてこの容器は65℃で15分間保持された。反応器の内容物は45℃に冷却され、そして水酸化アンモニウムの溶液(32g)が5分間にわたってこの混合物に供給され、次いで脱イオン水(5g)ですすがれた。次いで、この反応器は室温まで冷却され、そして40gの脱イオン水が添加された。得られたラテックスは100および325メッシュスクリーンを通されて、固形分(49.8%)、pH(9)および粒子サイズ(178nm)について特徴付けられた。次いで、このラテックスはD.E.R.
(商標)331液体エポキシ樹脂と一緒にされ、実施例1〜4において上述した様な熱老化安定性試験にかけられ、48.8%の最終固形分を達成した。
【0056】
実施例13:D.E.R.
(商標)331液体エポキシ樹脂を吸収した、グリジジルメタクリラートを使用したコア−シェルラテックスの製造
脱イオン水(244g)、界面活性剤A(20g)、BMA(206.3g)、MMA(585.8g)、およびグリシジルメタクリラート(33.0g)を容器内で混合することにより第1のモノマーエマルションが製造された。脱イオン水(245.3g)、界面活性剤A(20.0g)、BA(453.8g)、MMA(344.9g)、およびPEM(15.8g)を混合することにより第2のモノマーエマルションが製造された。別のフラスコに脱イオン水(691.2g)を入れ、次いでN
2パージ下で87℃にした。このフラスコに44.6gの脱イオン水中のAPS(5.2g)とポリマーシードA(87.5g)との混合物を入れた。86℃の反応器温度を維持しつつ、第一のモノマーエマルションは13.6g/分の速度で10分間にわたって反応器に供給され、同時に脱イオン水(40.1g)中のAPS(2.2g)の溶液の0.53g/分の速度での添加が行われ、次いで、これら供給速度はそれぞれ27.2g/分および1.06g/分に増大させられ、45分間この供給速度を継続した。
【0057】
第一のモノマーエマルションの添加完了後に、タンクおよびラインは脱イオン水(17.8g)ですすがれ、フラスコの内容物は86℃で15分間保持された。この保持期間の終わりに、10gの水酸化アンモニウム溶液(30%)がこの反応器に添加された。次いで、第2のモノマーエマルションをこの反応器に24.2g/分の速度で供給し、これと同時に0.9g/分の速度で脱イオン水(40.1g)中のAPS(2.1g)の溶液を添加した。第2のモノマーエマルションの添加の完了時に、ラインは35.7gの脱イオン水ですすがれ、温度が86℃で15分間保持された。この反応器は80℃に冷却され、脱イオン水(13g)中の硫酸鉄七水和物(17mg)およびEDTA(17mg)の溶液が添加され、次いで、脱イオン水(15g)中のtBHP(1.2g)の溶液が添加され、次いで脱イオン水(20g)中のIAA(0.8g)の溶液が15分間にわたって供給された。この反応器は65℃に冷却され、第2のレドックス対(13gの脱イオン水中の0.7gのtBHP、13gの脱イオン水中の0.5gのIAA)がすべて一度に添加され、そしてこの容器は65℃で10分間保持された。反応器の内容物は45℃に冷却され、Kathon(ケーソン)LX
(商標)(21gの脱イオン水中の7.0g)の溶液が5分間にわたってこの混合物に供給され、次いで脱イオン水(5g)でのすすぎが行われた。次いで、この反応器は室温まで冷却され、そして脱イオン水(36g)が添加された。得られたラテックスは100および325メッシュスクリーンを通されて、固形分(51%)、pH(6.4)および粒子サイズ(184nm)について特徴付けられた。
【0058】
このラテックス(1100g)は反応器に入れられ、60℃に加熱され、次いでDisponil(ディスポニル)AFX−4070乳化剤(36g)および脱イオン水(96g)で均質化されたD.E.R.
(商標)331液体エポキシ樹脂(251g)と一緒にされて、次いで脱イオン水(193g)のすすぎを行った。反応器の内容物は50℃で1時間保持され、次いで室温まで冷却された。この複合体粒子は49.9%の固形分、および196nmの粒子サイズを有していた。このサンプルは60℃のオーブン内に10日間置かれた。粒子サイズが再測定され(198nm)、安定性を確認した。
【0059】
実施例14:金属コーティングにおけるエポキシ樹脂を吸収したラテックスの適用
金属への直接コーティング(direct−to−metal coating)のための実施例12の吸収ラテックスを使用するこの2成分(2k)配合物が表5に示される。ベンチトップオーバーヘッドミキサーを使用してパートAが配合された。このpHは14%アンモニア水溶液で7〜8.5に調節された。この粘度はストーマー粘度計を用いて測定された。パートBはコーレス溶解機(Cowless dissolver)を用いてグラインドすることにより配合された。Byk(ビック)−019脱泡剤および35%Anquamine(アンクアミン)401硬化剤が攪拌を伴ってグラインドポット(grind pot)内に入れられた。次いで、Ti−Pure(タイ−ピュア)R−706顔料が添加され、コーレス溶解機の速度を約2500RPMまで増大させた。25分後、ヘグマン(Hegman)7+評定が観察され、そのときに追加の硬化剤が、TERGITOL(テルジトル)TMN−3界面活性剤(ザダウケミカルカンパニーまたはその関連会社の商標)および水と共に添加された。このブレンドはさらに15分間攪拌された。次いで、パートBがパートAに添加され、そしてこのブレンドが15分間攪拌され、その時点で最終塗料配合物についてのpHおよびストーマー粘度が測定された。
【0060】
【表8】
【0061】
実施例14の光沢、硬度および耐衝撃性特性が表6に示される。光沢は試験方法ASTM D−523−89(1999年再承認)に従って決定された。上記配合物は、ASTM D−823−95、手順Eに従って10milの湿潤膜厚さで、処理されたアルミニウムパネルに適用されて、約2milの乾燥膜厚さをもたらした。周囲温度および50%相対湿度でのこの塗膜の1週間の乾燥/硬化後に、20、60および85度での光沢が測定された。同じパネル上で、試験方法ASTM D4366−95を用いて、振幅制限6°〜3°および振動周期1.4秒でペンデュラム(Pendulum)(Koening;コーニグ)硬度が試験された。光沢測定のためのと同じであるが、周囲温度および50%相対湿度での2週間の硬化/乾燥後のパネルを用いて、試験方法ASTM D3363−05を用いて鉛筆強度が決定された。
【0062】
【表9】
【0063】
化学物質耐性(スポットテスト)は、周囲温度および50%相対湿度でのこの塗膜の1週間の乾燥/硬化後の光沢測定におけるように、処理されたアルミニウムパネル上になされたドローダウン上で測定された。この試験は以下のように行われた:円形の繊維ディスクが10種類の異なる化学物質に浸漬され、塗膜上に配置され、蓋で覆われた。〜1時間後、蓋およびディスクが取り除かれ、そしてそのパネルはワイプで軽く拭われた。この塗膜は以下の基準を用いて膜のダメージについて評価された:5=ダメージなし、4=わずかな膨潤、膨れ、または、しわ、曇り、黄変、3=中程度の膨潤、膨れ、または、しわ、2=重度の膨潤、膨れ、または、しわ、1=溶解、剥離。個々の化学物質および平均の双方についての評価が表7に示される。
【0064】
【表10】
【0065】
試験方法ASTMB−117−97に従って塩噴霧環境(5%塩化ナトリウム霧)にパネルを曝すことにより耐腐蝕性が試験された。パネルは、塗料を10cm×30cm(4”×12”)のサンドブラストホットロールおよびコールドロールスチールパネル上にドローダウンし、そして24℃(75°F)/50%相対湿度で2週間乾燥させて、5×10
−3cm(2mil)の最終乾燥膜厚さを生じさせることにより製造された。曝露される金属は、曝露前にテープ(3Mプラスチックテープ#471)で覆われた。曝露直前にパネルの下半分にスクライブマーク(scribe mark)が刻み込まれた。パネルは周期的に取り出されて、錆および膨れを評価した。膨れ評価は試験方法ASTM D714−87(1994年再承認)に従って行われ、数と1以上の文字がわり当てられた。この数は膨れのサイズを示し、1が最も大きなサイズである。この文字は密度の定性的表示であり、「D」は密であることを表し、「VD」が非常に密であることを表し、および「M」は中程度であることを表す。錆評価はパネル上の錆のパーセンテージとして示される。膨れサイズ、錆パーセンテージおよび錆びたスクライブの幅は表8に示される。
【0066】
【表11】
【0067】
本発明は下記の態様を含み得る。
[1]: 少なくとも2つのオキシラン基を有する熱硬化性化合物を吸収した熱可塑性ポリマー粒子の安定な水性分散物を含む組成物であって、
前記ポリマー粒子が凝集に対してラテックスを安定化するのに充分な濃度の抗凝集性官能基を有することにより特徴付けられ、
当該組成物が硬化剤を実質的に含まない、
組成物。
[2]: 前記熱可塑性ポリマー粒子がアクリルベースのポリマー粒子であり、かつ前記熱硬化性化合物の濃度が、前記熱可塑性ポリマー粒子および前記熱硬化性化合物の全重量を基準にして20重量%〜60重量%であり、当該組成物が硬化剤を含まない、[1]に記載の組成物。
[3]: a)前記熱硬化性化合物がビスフェノールAのジグリシジルエーテル、ビスフェノールFのジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、フタル酸のジグリシジルエステル、1,4−シクロヘキサンドメタノールジグリシジルエーテル、1,3−シクロヘキサンドメタノールジグリシジルエーテル、ヘキサヒドロフタル酸のジグリシジルエステル、もしくはノボラック樹脂、またはこの組み合わせであり;
b)抗凝集性官能基が、アクリルアミド、アセトアセトキシエチルメタクリラート、アセトアセトキシエチルメタクリラートエナミン、p−スチレンスルホン酸ナトリウム、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸もしくはその塩、ホスホエチルメタクリラートもしくはその塩、またはこの組み合わせの官能基であり;並びに
c)前記熱硬化性化合物の濃度が前記熱可塑性ポリマー粒子および前記熱硬化性化合物の全重量を基準にして30重量%〜50重量%である、
[1]または[2]のいずれかに記載の組成物。
[4]: 抗凝集性官能基の濃度が前記ポリマー粒子の重量を基準にして0.5〜10重量パーセントである[1]〜[3]のいずれか1つに記載の組成物。
[5]: 前記熱可塑性ポリマー粒子が前記ポリマーの重量を基準にして0.1〜5重量パーセントのカルボン酸基もしくはその塩をさらに含む[1]〜[4]のいずれか1つに記載の組成物。
[6]: 前記ポリマー粒子の重量平均粒子サイズが150nm〜350nmの範囲である、[1]〜[5]のいずれか1つに記載の組成物。
[7]: a)[1]〜[6]のいずれか1つに記載の組成物を硬化剤と接触させて、硬化性組成物を形成する工程、b)前記硬化性組成物を基体に適用する工程、およびc)前記適用された組成物を硬化させる工程を含み、前記工程a)とb)とが逐次的であるかまたは同時に起こる、硬化した複合体を形成する方法。
[8]: 基体が金属、プラスチック、コンクリート、木材、アスファルト、髪、紙、皮革、ゴム、発泡体または布地である[7]に記載の方法。
[9]: 硬化した複合体がコーティング、接着剤、シーラント、プライマー、コーキング剤または充填剤を形成し、硬化した複合体が揮発性有機化合物を実質的に含まない、[7]または[8]のいずれか1つに記載の方法。
[10]: a)抗凝集性基で官能化されたポリマーの安定な水性分散物を形成するのに充分な条件下で、抗凝集性基を含むエチレン性不飽和モノマーの水性分散物を重合する工程;および
b)抗凝集性基で官能化されたポリマーと、少なくとも2つのオキシラン基を有する熱硬化性化合物とを混合して、60℃で10日間熱老化安定である、50〜400nmの範囲の重量平均粒子サイズを有する吸収ポリマー粒子の安定な水性分散物を形成する工程;
を含む方法。
[11]: a)前記熱硬化性化合物が水性分散物として混合され、かつビスフェノールAのジグリシジルエーテル、ビスフェノールFのジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、フタル酸のジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸のジグリシジルエステル、もしくはノボラック樹脂であり;
b)抗凝集性官能基が、アクリルアミド、アセトアセトキシエチルメタクリラート、アセトアセトキシエチルメタクリラートエナミン、p−スチレンスルホン酸ナトリウム、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸もしくはその塩、ホスホエチルメタクリラートもしくはその塩、またはこの組み合わせの官能基であり;
c)前記熱硬化性化合物の濃度が前記熱可塑性ポリマー粒子および前記熱硬化性化合物の全重量を基準にして30重量%〜50重量%であり;
d)前記吸収ポリマー粒子の安定な水性分散物の粒子サイズが、150nm〜350nmの範囲の重量平均粒子サイズを有し;並びに
e)抗凝集性官能基の濃度が前記ポリマー粒子の重量を基準にして0.5〜10重量パーセントである;
[10]に記載の方法。
[12]: 前記熱硬化性化合物が
マイクロ化された水性分散物として混合される[10]または[11]のいずれか1つに記載の方法。
[13]: ポリマー封入または部分封入された不透明化顔料粒子をさらに含む[1]に記載の組成物。