(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記年齢商品判断手段が前記年齢確認が必要な商品特定情報であると判断した場合、前記年齢確認手段により前記顧客の年齢が所定年齢以上であることを確認したことを条件に、前記商品特定情報に基づいて商品販売処理を実行する商品販売処理手段、
をさらに備えた請求項1に記載の商品販売データ処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、
図1〜
図10を参照して、実施形態に係る商品販売データ処理装置およびプログラムを詳細に説明する。実施形態では、商品販売データ処理装置としてPOS端末を用いて説明する。なお、以下に説明する実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0008】
図1は、実施形態のPOS端末の、例えば店舗の責任者や店員等の操作者側から見た外観を示す斜視図である。
図1において、POS端末1は、本体2と金銭収納箱3とを有する。金銭収納箱3は、ドロワを有し、顧客から預かった紙幣や貨幣の金銭や商品券等の有価証券類、および顧客に手渡す釣銭等を収納している。
【0009】
本体2は、キーボード等の操作部17、液晶表示器等で構成され、操作者に情報を表示する操作者用表示部18、液晶表示器等で構成され、顧客に情報を表示する顧客用表示部19を設置している。また、本体2は、商品に付されたバーコードや二次元コード等のコードを読取る読取部20を備えている。読取部20は、商品に付されたバーコードや2次元コードを読取って入力する。また、本体2は、内部に、商品情報を印字してレシートを発行する印字部21を備えている。
【0010】
図2は、実施形態のPOS端末の顧客側から見た外観を示す斜視図である。
図2において、顧客用表示部19の表示面側の上部には、CCD(Charge Coupled Devices)イメージセンサ等で構成されるカメラ221が設けられている。このカメラ221は、POS端末1の顧客側に位置する顧客の顔を撮像する撮像部22(
図3を参照)の一部である。
【0011】
次に、
図3〜
図6を用いて、POS端末1のハードウェアについて説明する。
図3は、POS端末1のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3において、POS端末1は、制御主体となるCPU(Central Processing Unit)11、各種プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)12、各種データを展開するRAM(Random Access Memory)13、各種プログラムを記憶するメモリ部14等を備えており、CPU11、ROM12、RAM13、メモリ部14は、互いにデータバス15を介して接続されている。CPU11とROM12とRAM13が、制御部100を構成する。すなわち、制御部100は、CPU11がROM12やメモリ部14に記憶されRAM13に展開された制御プログラム141に従って動作することによって、後述する制御処理を実行する。
【0012】
メモリ部14は、電源を切っても記憶情報が保持されるHDD(Hard Disc Drive)やフラッシュメモリ等の不揮発性メモリで構成され、制御プログラム141を含むプログラム等を記憶する。また、メモリ部14は、顔マスタ142(
図4を参照)と商品マスタ143(
図5を参照)を記憶している。
【0013】
また、データバス15には、操作部17、操作者用表示部18、顧客用表示部19、読取部20、印字部21、撮像部22が、コントローラ16を介して接続されている。
【0014】
操作部17は、締めキー171、置数キー、ファンクションキー等を含む種々のキーを備えている。締めキー171は、一取引を終了するために操作するキーである。
【0015】
操作者用表示部18は、表示面を店員等の操作者に向けて設置され、操作者に対して情報を表示する。顧客用表示部19は、表示面を顧客に向けて設置され、顧客に対して情報を表示する。
【0016】
読取部20は、CCDイメージセンサ等で構成され、商品に付されたバーコードや2次元コード等のコードをCCDで読取って、商品コードを入力する。実施形態では、ハンディタイプの読取部20を用いており、操作者は、手に取った読取部20を商品に付されたコードに近づけたり、接触させることでコードを読取る。なお、読取部20は、発光された光をポリゴンミラー等で走査し、コードで反射した光を受光する構成のスキャナであってもよい。
【0017】
印字部21は、本体2内に収納されたロール状のレシート用紙を引き出して、例えば熱転写型の印字ヘッドを備えたサーマルプリンタ等で商品情報や決済情報等を印字し、レシートとして発行する。
【0018】
撮像部22は、CCD等で構成されたカメラ221を含む。カメラ221は、顧客用表示部19の外枠上部に設けられている。撮像部22は、カメラ221の前に位置する物体(例えば顧客)を撮像する。
【0019】
また、データバス15は、店舗内に設置された店舗サーバ(図示せず)と電気的に接続する接続I/F(Interface)24を接続している。接続I/F24は、回線25と接続している。店舗サーバは、店舗に設置されているすべてのPOS端末1と電気的に接続しており、各POS端末1から商品情報や決済情報を収集する。店舗サーバは、POS端末1から収集した商品情報や決済情報を、本部に設置された本部サーバ(図示せず)に送信する。
【0020】
図4は、メモリ部14の顔マスタ142を示すメモリマップである。
図4において、顔マスタ142は、撮像部22によって撮像された顧客の顔画像を顔認識技術によって顔認識された顔情報のうち、所定年齢(実施形態では20才)以上であることを確認し、かつ顔情報を記憶することを了解した顧客の顔情報を、顧客毎に記憶している。すなわち、顔マスタ142は、20才以上であることを確認した人の顔情報のみを記憶している。顔情報は、顔の部分(例えば、目、鼻、ほお骨、あごの形状等)毎に、それぞれ特徴や相対関係を示す情報である。
【0021】
顔認識技術は、撮像した顔のデジタル画像から人を自動的に識別するための公知な技術であり、例えば次のようにして顔を認識する。すなわち、撮像した顔画像から目立つ特徴を抽出することで認識する。例えば、顔のパーツの相対位置や大きさ、目や鼻やほお骨やあごの形等の顔の部分を特徴として利用して人の顔を認識する。顔認識技術によって得られる顔のパーツ毎の特徴情報が顔情報である。
【0022】
図5は、メモリ部の商品マスタ143の構成を示すメモリマップである。
図5において、商品マスタ143は、商品コード部1431、商品名部1432、価格部1433、年齢確認部1434を有している。
【0023】
商品コード部1431は、商品を特定する商品コードを記憶している。商品名部1432は、商品コードで特定される商品の商品名を記憶している。価格部1433は、商品コードで特定される商品の商品名を記憶している。
【0024】
年齢確認部1434は、商品コードで特定される商品が年齢確認商品であるか否かの情報を記憶している。年齢確認商品とは、所定年齢以上の人にしか販売できない商品である。例えば、日本において、タバコや酒類等は、20才以上の人にしか販売できない年齢確認商品である。
図5の例の場合、商品コード「001」に対応した年齢確認部1434には、「0」が記憶されており、この商品は年齢確認商品ではないことを示している。すなわち、商品コード「001」は商品特定情報である。これに対して商品コード「002」の商品に対応した年齢確認部1434には、「1」が記憶されており、この商品は年齢確認商品であることを示している。すなわち、商品コード「002」は年齢商品特定情報である。
【0025】
図6は、RAM13の一部を示すメモリマップである。
図6において、RAM13は、商品情報記憶部131、顔情報記憶部132、年齢層部133、性別部134、文字サイズ記憶部135、顔認識フラグ部136、年齢確認フラグ部137を有する。
【0026】
商品情報記憶部131は、読取部20によって読取られたコードに基づいて入力された商品コードに対応して、商品マスタ143から読み出した商品情報(商品コード、商品名、商品価格、商品の属性情報等)を記憶する。
【0027】
顔情報記憶部132は、撮像部22によって撮像され、顔認識された顧客の顔情報を記憶している。
【0028】
年齢層部133は、撮像部22によって撮像され、顔認識された人の顔情報に基づいて、公知の年齢判断技術を用いて判断した当該人の年齢層情報を記憶する。公知の年齢判断技術は、当該人の顔情報と年齢層毎に記憶した過去の多数の人の顔情報と比較して、当該人がどの年齢層に含まれるかを判断する技術である。
【0029】
性別部134は、撮像部22によって撮像され、顔認識された人の顔情報に基づいて、公知の性別判断技術を用いて判断した当該人の性別情報を記憶する。公知の性別判断技術は、当該人の顔情報と男女別に記憶した過去の多数の人の顔情報と比較して、当該人の性別を判断する技術である。
【0030】
文字サイズ記憶部135は、年齢層部133に記憶した年齢層情報から、顧客用表示部19に情報を表示するための当該顧客に適した文字サイズを記憶する。高い年齢層の人には大きな文字で表示されるような文字サイズを記憶する。
【0031】
顔認識フラグ部136は、撮像部22によって撮像され、顔認識した顔情報が、顔マスタ142に記憶されている顔情報のいずれかと一致した場合に、顔認識フラグ「1」を記憶する。一致しない場合は顔認識フラグ「0」を記憶する。
【0032】
年齢確認フラグ部137は、当該顧客が所定年齢(実施形態では20才)以上であることが確認された場合に、年齢確認フラグ「1」を記憶する。所定年齢以上であることが確認できない場合は年齢確認フラグ「0」を記憶する。
【0033】
続いて、
図7〜
図10を用いて、POS端末1の制御処理について説明する。
図7は、POS端末の機能構成を示す機能ブロック図である。制御部100が、ROM12やメモリ部14に記憶された制御プログラム141を含む各種プログラムに従うことで、年齢商品判断手段101、顔情報入力手段102、年齢確認手段103、商品販売処理手段104、顔情報記憶手段105、確認手段106、属性判断手段107、表示制御手段108を機能させる。
【0034】
年齢商品判断手段101は、商品販売処理に際して入力された商品を特定する商品特定情報が、年齢確認が必要な商品特定情報であるか否かを判断する機能を有する。
【0035】
顔情報入力手段102は、商品販売処理に際して撮像装置で撮像した顧客の顔画像から得られた顔情報を入力する機能を有する。
【0036】
年齢確認手段103は、年齢商品判断手段101が年齢確認が必要な商品特定情報であると判断した場合、顔情報入力手段102によって入力された顔情報が予め顔情報記憶部に記憶された所定年齢以上の顧客の顔情報のいずれとも一致しない場合に、顧客用表示部に年齢確認画面を表示して顧客の年齢が所定年齢以上であることを確認し、顔情報入力手段102によって入力された顔情報が所定年齢以上の複数の顧客の顔情報のいずれかと一致する場合に顧客用表示部に年齢確認画面を表示せずに顧客の年齢が所定年齢以上であることを確認する機能を有する。
【0037】
商品販売処理手段104は、年齢商品判断手段101が年齢確認が必要な商品特定情報であると判断した場合、年齢確認手段103により顧客の年齢が所定年齢以上であることを確認したことを条件に、商品特定情報に基づいて商品販売処理を実行する機能を有する。
【0038】
顔情報記憶手段105は、年齢確認手段103が、入力された顔情報が所定年齢以上の複数の顧客の顔情報のいずれとも一致しない場合であって顧客の年齢が前記所定年齢以上であることを確認した場合に、入力された顔情報を顔情報記憶部に記憶させる機能を有する。
【0039】
確認手段106は、顔情報入力手段102によって入力された顔情報を顔情報記憶部に記憶することを確認する機能を有する。
【0040】
属性判断手段107は、顔情報入力手段102によって入力された顔情報に基づいて、当該顧客の属性を判断する機能を有する。
【0041】
表示制御手段108は、属性判断手段107によって判断された当該顧客の属性に基づいて顧客用表示部に表示する表示の形態を異ならせる(例えば、年齢層に応じた文字サイズで表示したり、年齢層・性別に応じたコマーシャルを表示する)機能を有する。
【0042】
図8は、POS端末の制御処理の流れを示すフローチャートである。
図8において、制御部100は、人を検出したか否かを判断する(ステップS11)。人の検出は、例えば、撮像部22が受光した画像から検出するか、または図示しない別途請けられた人を検知する公知の人センサの出力から検出する。
【0043】
検出するまで待機し(ステップS11のNo)、検出したと判断した場合は(ステップS11のYes)、制御部100は、撮像部22を使用して人の顔を撮像する(ステップS12)。そして制御部100は、撮像した顔画像に基づいて、顔認識を実行する(ステップS13)。そして制御部100(顔情報入力手段102)は、顔認識した顔情報を顔情報記憶部132に記憶する(ステップS14)。
【0044】
次に制御部100は、顔情報記憶部132に記憶した顔情報に基づいて、撮像した人の性別を判断する(ステップS15)。そして制御部100は、判断した性別情報を性別部134に記憶する(ステップS16)。
【0045】
次に制御部100は、顔情報記憶部132に記憶した顔情報に基づいて、撮像した人の年齢層を判断する(ステップS17)。そして制御部100は、判断した年齢層情報を年齢層部133に記憶する(ステップS18)。
【0046】
次に制御部100は、年齢層部133に記憶した年齢層情報に基づいて、顧客用表示部19に表示する情報の文字サイズを判断し、文字サイズ記憶部135に記憶する(ステップS19)。そして制御部100(属性判断手段107)は、文字サイズ記憶部135に記憶した文字サイズにしたがって顧客用表示部19に表示する情報の文字サイズを調節する(ステップS20)。この場合、操作者用表示部18に表示される文字サイズは変更しない。操作者用表示部18に表示される文字サイズは、当該操作者がPOS端末1に対してサインインしたときに設定される。
【0047】
次に制御部100(属性判断手段107)は、顧客用表示部19に表示する情報の種類を判断して選定する(ステップS21)。顧客用表示部19に表示する情報の種類は、性別部134に記憶された性別情報と年齢層部133に記憶された年齢層情報に基づいて選定される。そして制御部100(表示制御手段108)は、選定した情報を顧客用表示部19に表示する(ステップS22)。このことによって、顧客用表示部19には、例えば、性別や年齢層に応じたコマーシャル等の情報が自動的に選定されて、表示される。
【0048】
続いて制御部100は、商品コードが入力されたか否かを判断する(ステップS31)。読取部20が、商品に付されたバーコードや2次元コード等のコードを読取ったときに、当該コードに含まれている商品コードが入力される。
【0049】
商品コードが入力されたと判断した場合は(ステップS31のYes)、制御部100(年齢商品判断手段101)は、入力された商品コードで特定される商品が年齢確認商品であるか否かを判断する(ステップS32)。実施形態の場合、制御部100は、商品マスタ143の年齢確認部1434を参照して、商品特定情報である商品コード「001」の商品は年齢確認部1434に「0」が記憶されているため年齢確認商品ではないと判断し、年齢商品特定情報である商品コード「002」の商品は年齢確認部1434に「1」が記憶されているため年齢確認商品であると判断する。
【0050】
年齢確認商品であると判断した場合は(ステップS32のYes)、制御部100は、
顔認識フラグ部136に記憶されている顔認識フラグが「1」であるか否か(すなわち「1」であるか「0」であるか)を判断する(ステップS33)。一致していないと判断した場合(ステップS33のNo)、すなわち、制御部100が、顔情報記憶部132に記憶された顔情報が、顔マスタ142に記憶している多数の顔情報のいずれとも一致しないことが判断した場合は、次に制御部100は、年齢確認フラグ部137に記憶された年齢確認フラグが「1」であるか否かを判断する(ステップS34)。
【0051】
年齢確認フラグ部137に記憶されている年齢確認フラグが「1」である場合に、制御部100は、当該顧客が20才以上であることを確認したと判断する。年齢確認フラグ部137に記憶されている年齢確認フラグが「0」である場合に、制御部100は、当該顧客が20才以上であることを確認していないと判断する。
【0052】
年齢確認フラグが「1」であると判断した場合は(ステップS34のNo)、制御部100は、顔情報記憶部132に記憶された顔情報と、顔マスタ142に記憶している多数の顔情報とを比較する(ステップS35)。そして制御部100は、比較した結果として、顔情報記憶部132に記憶された顔情報が、顔マスタ142に記憶している多数の顔情報のいずれかと一致したか否かを判断する(ステップS36)。
【0053】
いずれかの顔情報と一致したと判断した場合は(ステップS36のYes)、制御部100は、顔情報記憶部132に記憶された顔情報は、顔マスタ142に記憶している顔情報であるとして、顔認識フラグ部136に、顔マスタ142に一致した顔情報があることを示す顔認識フラグ「1」を記憶(ステップS37)する。これによって、顔情報記憶部132に記憶された顔情報の顧客は20才以上であることを確認する。
【0054】
次に制御部100は、ステップS31で入力された商品コードに基づいて、商品マスタ143から読み出した商品情報を操作者用表示部18と顧客用表示部19に表示する(ステップS38)。そして制御部100(商品販売処理手段104)は、読み出した商品情報を商品情報記憶部131に記憶する(ステップS39)。そして制御部100は、ステップS31に戻って待機する。
【0055】
一方、ステップS36において、顔情報記憶部132に記憶された顔情報が、顔マスタ142に記憶している多数の顔情報のいずれとも一致していないと判断した場合は(ステップS36のNo)、制御部100は、顧客用表示部19に、顧客の年齢が20才以上であることを確認するための年齢確認画面191を表示する(ステップS41)。
【0056】
図9に、顧客用表示部19に表示された年齢確認画面191の一例を示す。
図9において、年齢確認画面191には、顧客の年齢が20才以上である場合に当該顧客が操作する20才以上ボタン1911と、顧客の年齢が20才未満の未成年である場合に、当該顧客が操作する未成年ボタン1912が表示される。顧客用表示部19に表示された年齢確認画面191を見て、顧客は、年齢が20才以上であれば20才以上ボタン1911を操作する。また、顧客は、年齢が20才未満であれば未成年ボタン1912を操作する。なお、顧客用表示部19の表示面には、タッチパネル(図示せず)が設けられており、顧客が、20才以上ボタン1911または未成年ボタン1912が表示された位置のタッチパネルをタッチすることで、制御部100は、20才以上ボタン1911または未成年ボタン1912が操作されたことを認識する。なお、年齢確認画面191において、20才以上ボタン1911と未成年ボタン1912を表示する例に限らない。例えば、年齢確認画面191に、20才以上であるか否かのメッセージ及びOKボタンを表示するようにしてもよい。この時、OKボタンが押下された場合に20才以上であると判断し、OKボタンが押下されなければ、未成年と判断する。
【0057】
図8の説明に戻る。制御部100は、20才以上ボタン1911が操作されたか否かを判断する(ステップS42)。20才以上ボタン1911が操作されたと判断した場合は(ステップS42のYes)、制御部100は、年齢確認フラグ部137に年齢確認フラグ「1」を記憶する(ステップS43)。これによって、当該顧客が20才以上であることを確認する。そして制御部100は、次回から、年齢確認商品の商品コードが入力された場合に顧客用表示部19に年齢確認画面191を表示して、顧客の年齢を確認することをスキップするために、顧客の顔情報を顔マスタ142に登録することを承認するための情報が表示された顔情報登録画面192を、顧客用表示部19に表示する(ステップS44)。
【0058】
図10に、顔情報登録画面192の一例を示す。
図10において、顔情報登録画面192には、顔マスタ142への顔情報の登録することに対する説明1921、顔情報を登録する場合に顧客が操作する登録ボタン1922、顔登録しない場合に顧客が操作する非登録ボタン1923が表示される。顧客は、顔情報登録画面192を見て、顔マスタ142に自身の顔情報を記憶する場合は登録ボタン1922を操作する。また、顔マスタ142に自身の顔情報を記憶しない場合は非登録ボタン1923を操作する。
【0059】
図8の説明に戻る。制御部100(確認手段106)は、登録ボタン1922が操作されたか否かを判断する(ステップS45)。登録ボタン1922が操作されたと判断した場合は(ステップS45のYes)、制御部100(顔情報記憶手段105)は、顔情報記憶部132に記憶している顧客の顔情報を、顔マスタ142に新たに記憶する(ステップS46)。そして制御部100は、ステップS38とステップS39の処理を実行し、ステップS31に戻って待機する。
【0060】
一方、登録ボタン1922が操作されていないと判断した場合は(ステップS45のNo)、制御部100は、非登録ボタン1923が操作されたか否かを判断する(ステップS47)。操作されたと判断した場合は(ステップS47のYes)、制御部100は、ステップS38とステップS39とを処理し、ステップS31に戻って待機する。また、非登録ボタン1923が操作されていないと判断した場合は(ステップS47のNo)、制御部100は、ステップS45に戻って待機する。
【0061】
また、ステップS42において、20才以上ボタン1911が操作されていないと判断した場合は(ステップS42のNo)、制御部100は、未成年ボタン1912が操作されたか否かを判断する(ステップS48)。操作されたと判断した場合は(ステップS48のYes)、制御部100は、当該年齢確認商品の販売が許可されたか否かを判断する(ステップS49)。なお、未成年ボタン1912が操作されていないと判断した場合は(ステップS48のNo)、制御部100は、ステップS42に戻って待機する。
【0062】
何らかの理由で、顧客が未成年であっても年齢確認商品を購入したい場合がある。例えば、未成年者が成年から頼まれて年齢確認商品を購入する場合や、未成年者が贈答品として年齢確認商品を購入する場合等がある。このような場合、POS端末1の操作者である店員が、未成年の顧客に事情を聞いて、納得できる事情である場合には、当該未成年の顧客に年齢確認商品を販売する場合がある。このような場合、操作者は、操作部17に設けられた販売許可ボタン(図示せず)を操作する。制御部100は、販売許可ボタンが操作された場合、年齢確認商品の販売が許可されたと判断する。
【0063】
年齢確認商品の販売が許可されたと判断した場合は(ステップS49のYes)、制御部100は、ステップS38とステップS39を実行して、当該年齢確認商品の販売処理を実行する。また、年齢確認商品の販売が許可されていないと判断した場合は(ステップS49のNo)、制御部100は、操作者用表示部18と顧客用表示部19に、当該年齢確認商品が販売できないことを示すメッセージを表示する(ステップS50)。そして制御部100は、当該年齢確認商品の商品情報処理を実行することなくステップS31に戻って待機する。すなわち、20才以上であることが確認できなく、かつ年齢確認商品の販売が許可されていない顧客に対して、POS端末1は年齢確認商品の販売処理を実行しない。なお、実施形態では、上記のステップS41〜ステップS50の処理が年齢確認手段である。
【0064】
なお、ステップS32において、年齢確認商品ではないと判断した場合は(ステップS32のNo)、当該商品は、年齢確認が不要な通常商品であるため、制御部100は、一連の年齢確認処理を実行することなくステップS38とステップS39の処理を実行して商品情報処理を実行する。
【0065】
また、ステップS33において、顔認識フラグが「1」であると判断した場合は(ステップS33のYes)、制御部100は、当該取引において、すでに当該顧客の顔情報が顔マスタ142に記憶されている多数の20才以上の人の顔情報のいずれかと一致したことを確認しているため、当該顧客は20才以上であるとして、年齢確認商品について再度20才以上であることの確認をすることなくステップS38とステップS39の処理を実行する。
【0066】
また、ステップS34において、年齢確認フラグが「1」であると判断した場合は(ステップS34のYes)、顧客によって20才以上ボタン1911が操作され、当該顧客が所定年齢である20才以上であることをすでに確認したと判断しているため、制御部100は、再度20才以上であることを確認することなく、ステップS38とステップS39の処理を実行して商品情報処理を実行する。
【0067】
また、ステップS31において、商品コードの入力ではないと判断した場合は(ステップS31のNo)、次に制御部100は、操作部17の締めキー171が操作されたか否かを判断する(ステップS61)。操作されたと判断した場合は(ステップS61のYes)、制御部100は、商品情報記憶部131に記憶されている商品情報と、操作部17から入力された預かり金情報に基づいて決済処理を実行する(ステップS62)。決済処理では、合計金額、釣銭金額等を算出して操作者用表示部18と顧客用表示部19に表示し、商品情報、決済情報等を印字部21で印字したレシートを発行する。そして制御部100は、処理を終了する。また、締めキー171が操作されていないと判断した場合は(ステップS61のNo)、制御部100は、ステップS31に戻って待機する。
【0068】
このような実施形態によれば、顧客の顔情報と顔マスタ142に記憶した所定年齢(実施形態では20才)以上である顧客の顔情報とを比較して、一致する顔情報がある場合は年齢確認画面191を表示して顧客の年齢を確認する処理(すなわち年齢確認処理)を行わずに商品情報処理を実行するため、20才以上の顧客が年齢確認商品を購入する際に、顧客が年齢確認操作を行わなくてもよい。
【0069】
また、実施形態によれば、20才以上ボタン1911を操作し、20才以上であることを確認した人の顔情報を顔マスタ142に新たに記憶させることができるため、簡単な操作で顔マスタ142に顔情報を記憶させることができる。
【0070】
また、実施形態によれば、顔認識した顔情報に基づいて、当該顧客の年齢層や性別を判断して、当該顧客に合った文字サイズで情報を表示することや、当該顧客に合った種類の情報をコマーシャル等として提供することができる。
【0071】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0072】
例えば、実施形態では、顔マスタ142をPOS端末1のメモリ部14が備えているとして説明したが、顔マスタ142は、上述の店舗サーバ、あるいは本部サーバ(いずれも図示せず)が備えていてもよい。この場合、POS端末1は、ステップS46において、顔情報を、当該顔情報を記憶させるコマンドを付して店舗サーバや本部サーバに送信する。
【0073】
また、実施形態では、所定年齢を20才として説明したが、例えば18才や15才や30才等の、他の年齢を所定年齢としてもよい。
【0074】
また、実施形態では、ステップS41〜ステップS50の処理を年齢確認手段としたが、これに限定されるものではない。例えば、ステップS43〜ステップS45の処理とステップS47の処理、あるいはステップS49の処理を省略してもよい。
【0075】
また実施形態では、ハンディタイプの読取部20を用いて説明したが、読取部20は、発光された光をポリゴンミラー等で走査し、コードで反射した光を受光する構成のスキャナであってもよい。
【0076】
なお、実施形態の商品販売データ処理装置で実行されるプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0077】
また、実施形態の商品販売データ処理装置で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、実施形態の商品販売データ処理装置で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0078】
また、実施形態の商品販売データ処理装置で実行されるプログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。