特許第6138110号(P6138110)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6138110
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年5月31日
(54)【発明の名称】肝再生および肝不全の治療のための薬剤
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/113 20100101AFI20170522BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20170522BHJP
   A61K 48/00 20060101ALI20170522BHJP
   A61K 31/713 20060101ALI20170522BHJP
   A61K 35/407 20150101ALI20170522BHJP
   A61K 31/167 20060101ALI20170522BHJP
   A61K 31/166 20060101ALI20170522BHJP
   A61K 31/435 20060101ALI20170522BHJP
   A61K 31/41 20060101ALI20170522BHJP
   A61K 31/416 20060101ALI20170522BHJP
   A61K 31/4162 20060101ALI20170522BHJP
   A61K 31/519 20060101ALI20170522BHJP
   A61K 31/53 20060101ALI20170522BHJP
   A61K 31/517 20060101ALI20170522BHJP
   A61K 9/127 20060101ALI20170522BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20170522BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20170522BHJP
【FI】
   C12N15/00 GZNA
   C12N5/10
   A61K48/00
   A61K31/713
   A61K35/407
   A61K31/167
   A61K31/166
   A61K31/435
   A61K31/41
   A61K31/416
   A61K31/4162
   A61K31/519
   A61K31/53
   A61K31/517
   A61K9/127
   A61P1/16
   A61P43/00 111
【請求項の数】13
【全頁数】73
(21)【出願番号】特願2014-503179(P2014-503179)
(86)(22)【出願日】2012年4月10日
(65)【公表番号】特表2014-511690(P2014-511690A)
(43)【公表日】2014年5月19日
(86)【国際出願番号】EP2012056481
(87)【国際公開番号】WO2012136859
(87)【国際公開日】20121011
【審査請求日】2015年4月10日
(31)【優先権主張番号】11161588.6
(32)【優先日】2011年4月7日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】61/473,015
(32)【優先日】2011年4月7日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】11167373.7
(32)【優先日】2011年5月24日
(33)【優先権主張国】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】591081310
【氏名又は名称】ヘルムホルツ−ツェントルム フュア インフェクツィオンスフォルシュンク ゲーエムベーハー
(73)【特許権者】
【識別番号】506286582
【氏名又は名称】メディツィニシェ・ホフシューレ・ハノーバー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ラルス・ツェンダー
(72)【発明者】
【氏名】トルステン・ヴュステフェルト
【審査官】 西 賢二
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−234850(JP,A)
【文献】 特表平06−509476(JP,A)
【文献】 特表2005−514058(JP,A)
【文献】 特開2010−189387(JP,A)
【文献】 KIM, S. Y. et al.,"Butein suppresses bile acid-induced hepatocyte apoptosis through a JNK-dependent but ERK-independent pathway",Planta Med. ,2007年,Vol. 73,pp. 777-781
【文献】 TAKAMURA, M. et al.,"An inhibitor of c-Jun NH2-terminal kinase, SP600125, protects mice from D-galactosamine/lipopolysaccharide-induced hepatic failure by modulating BH3-only proteins",Life Sci. ,2007年,Vol. 80,pp. 1335-1344
【文献】 KUZU, N. et al.,"Protective role of genistein in acute liver damage induced by carbon tetrachloride",Mediators Inflamm.,2007年,Article ID 36381,pp. 1-6
【文献】 MALMLOF, M. et al.,"MEK-ERK-mediated phosphorylation of Mdm2 at Ser-166 in hepatocytes. Mdm2 is activated in response to inhibited Akt signaling",J. Biol. Chem. ,2007年,Vol. 282,pp. 2288-2296
【文献】 VAN GOMPEL, J. J. et al.,"ZM336372, a Raf-1 activator, suppresses growth and neuroendocrine hormone levels in carcinoid tumor cells",Mol. Cancer Ther. ,2005年,Vol. 4,pp. 910-917
【文献】 KIM, B. J. et al.,"JNK- and p38 kinase-mediated phosphorylation of Bax leads to its activation and mitochondrial translocation and to apoptosis of human hepatoma HepG2 cells",J. Biol. Chem. ,2006年,Vol. 281,pp. 21256-21265
【文献】 DEFINITION: Homo sapiens mitogen-activated protein kinase kinase 4 (MAP2K4), mRNA, Accession No. NM_003010.2, GenBank [online], 24-Dec-2010 uploaded, [retrieved on 2016-03-24],URL,http://www.ncbi.nlm.nih.gov/nuccore/24497520?sat=14&satkey=4293690
【文献】 MARASA, B. S. et al.,"Increased MKK4 abundance with replicative senescence is linked to the joint reduction of multiple microRNAs",Sci. Signal. ,2009年,Vol. 2 (94),pp. ra69
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 15/00−15/90
C12N 1/00−7/08
A61K 31/33−33/44
A61K 35/00−35/768
A61K 36/06−36/068
A61P 1/00−43/00
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
GenBank/EMBL/DDBJ/GeneSeq
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者において、肝不全の治療のための、および/または肝機能障害の治療のための、および/または肝組織の再生を増加させるための薬剤であって、配列番号1204のmRNAによってコードされるMKK4の活性の阻害剤である化合物を含む薬剤(但し、SP600125、ミリシチン、ゲニステイン、及びPD98059からなる群から選択される化合物を含む薬剤を除く)。
【請求項2】
前記化合物が、生理的条件下で配列番号1204のmRNAにハイブリダイズするヌクレオチド配列を有するオリゴヌクレオチドを含有するsiRNAであることを特徴とする、請求項1に記載の薬剤。
【請求項3】
前記オリゴヌクレオチドが、配列番号1及び配列番号2を含む群から選択されることを特徴とする、請求項2に記載の薬剤。
【請求項4】
前記オリゴヌクレオチドが、第1セクションに逆相補的である第2セクションを含有する核酸構築物において第1セクションとして含まれることを特徴とする、請求項2または3に記載の薬剤。
【請求項5】
前記オリゴヌクレオチドが、発現カセットにおいてプロモーターの制御下に配置されることを特徴とする、請求項2から4のいずれか一項に記載の薬剤。
【請求項6】
前記オリゴヌクレオチドが、リポソーム製剤内、および/またはウイルス粒子もしくはウイルス様粒子内にパッケージングされるウイルスベクター内に含有されることを特徴とする、請求項2から5のいずれか一項に記載の薬剤。
【請求項7】
前記化合物が、ZM336372、BAS00525963、BAS00697444、SYN22174524、SYN22174787、SYN22175977、SYN22176267、SYN22176367、SYN22176842、SYN22176990、SYN22177890、BAS00896568、BAS00697462、及びBAS00368055からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の薬剤。
【請求項8】
前記化合物が、リポソームまたは脂質ナノ粒子として製剤化されていることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の薬剤。
【請求項9】
肝不全の治療のため、または肝再生のため、または血液精製のために用いる薬剤であって、前記薬剤が、配列番号1204によってコードされるMKK4の活性の阻害剤である化合物を含有する培養肝細胞を含むことを特徴とする薬剤(但し、SP600125、ミリシチン、ゲニステイン、及びPD98059からなる群から選択される化合物を含む培養肝細胞を含有する薬剤を除く)。
【請求項10】
患者の血液の流入のための入口、および血液を患者へ再循環させるための出口を有する容器内に前記肝細胞が配置されることを特徴とする、請求項9に記載の薬剤。
【請求項11】
前記化合物が、配列番号1及び配列番号2のオリゴヌクレオチド、ZM336372、BAS00525963、BAS00697444、SYN22174524、SYN22174787、SYN22175977、SYN22176267、SYN22176367、SYN22176842、SYN22176990、SYN22177890、BAS00896568、BAS00697462、及びBAS00368055の化合物からなる群から選択されることを特徴とする、請求項9又は10に記載の薬剤。
【請求項12】
患者において、肝不全の治療のための、および/または肝機能障害の治療のための、および/または肝組織の再生を増加させるための薬剤を製造するための、配列番号1204のmRNAによってコードされるMKK4の活性の阻害剤である化合物の使用(但し、SP600125、ミリシチン、ゲニステイン、及びPD98059からなる群から選択される化合物の使用を除く)。
【請求項13】
肝不全の治療のための、または肝再生のための、または血液精製のための薬剤を製造するための、配列番号1204によってコードされるMKK4の活性の阻害剤である化合物を含有する培養肝細胞の使用(但し、SP600125、ミリシチン、ゲニステイン、及びPD98059からなる群から選択される化合物を含む培養肝細胞の使用を除く)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、肝機能障害を患う患者の治療のための薬剤としての化合物の使用、急性/劇症もしくは慢性肝不全を含む肝不全の治療のための、および/または患者における肝組織の再生を増加させるための薬剤としての化合物の使用に関する。または、本発明は、細胞に基づいた治療を向上させるためにインビトロでの培養肝細胞の頑健性および再生を増加させるための化合物の使用、例えば、化合物の存在下で肝細胞を培養するための方法に関し、それぞれ肝不全を患う患者への、移植片として、および肝細胞移植のための培養肝細胞の使用を含む。さらに、本発明は、薬剤の生成のための化合物の使用、および肝細胞移植片の生成のための、化合物の存在下においてインビトロで培養された肝細胞の使用に関する。
【0002】
さらに、本発明は、薬剤として用いることができる化合物を含有する、またはそれに接触する培養肝細胞を含むバイオ人工肝臓に関する。さらに、本発明は、薬剤として用いられる化合物を含む肝細胞を生成するための方法、ならびに肝機能障害の治療における、肝不全の治療のための、および/または肝再生を支援するための薬剤として用いるための薬剤に接触する培養肝細胞の使用に関する。本発明に従って治療することができる肝不全には、肝指向性ウイルスの感染による急性および/または劇症肝炎、アルコール中毒、肥満、ウィルソン病のような遺伝性疾患、ヘモクロマトーシス、α1-アンチトリプシン欠損症、および関連状態が挙げられる。本発明に従って治療することができる肝不全にはまた、例えば、上記で示されているような原因によって引き起こされる、肝硬変を有する全ての型の慢性肝不全も挙げられる。
【背景技術】
【0003】
現在まで、肝不全は、ドナー肝臓の移植によって治療されているが、ドナー臓器の不足は深刻である。
【0004】
WO98/39352、WO99/14226、および米国特許第7,569,575号(B2)は、ロックド核酸(LNA)の使用および合成を記載する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】WO98/39352
【特許文献2】WO99/14226
【特許文献3】米国特許第7,569,575号(B2)
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】BMC Bioinformatics、2006年11月30日、7(1)、520頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
不十分な肝機能、例えば、肝不全の治療に適した薬剤を提供すること、および、例えば血液の精製において用いるための、バイオ人工肝臓において用いるための、または肝機能障害を有する患者への移植のための、培養で維持することができる培養肝細胞を提供することが、本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、特許請求の範囲の特徴により、特に、マイトジェン活性化プロテインキナーゼキナーゼ4(MAP2K4、MKK4とも呼ばれる)を阻害または不活性化する化合物を提供することにより、上記目的を達成する。受託番号NM_003010によるヒトMKK4をコードするmRNAのヌクレオチド配列は、配列番号1204として示されている。MKK4の活性の阻害または不活性化は、例えば、siRNA、特に、MKK4をコードするmRNAにハイブリダイズするshRNAもしくはミクロRNAによって誘導されるRNA干渉による、または肝細胞に存在するMKK4の、例えば、SP600125、ミリシチン(myricitine)、ゲニステイン、およびPD98059のようなキナーゼ特異的阻害化合物による阻害による、MKK4の発現の低下によるものであり得る。
【0009】
本発明は、インビトロでの培養肝細胞でも、動物またはヒト患者の肝臓の肝細胞でもあり得る肝細胞における活性MKK4の低下または欠失が、結果として、肝細胞の再生の増加、例えば、長時間の培養期間、およびインビボでの、例えばヒト患者における肝不全を表す実験的肝不全の誘導後の実験動物における、損傷性または障害性肝臓の再生の増加を生じるという発見に基づいている。肝細胞における活性MKK4の低下または欠失が、結果として、より早い細胞周期移行による増殖能の増加、およびアポトーシスに対する抵抗性の増加を生じ得ることが見出されている。要約すれば、MKK4を阻害または不活性化する化合物にインビボで肝細胞を接触させることが、結果として、肝不全の実験モデルにおいてマウスの生存率の増加を生じる。さらに、MKK4を阻害または不活性化する化合物にインビトロで培養肝細胞を接触させることが、結果として、長時間の培養期間、および薬剤として、例えば、移植片として用いることができ、または患者から採取され、かつ戻される、血液の連続的精製のための装置の一部として用いることができる培養肝細胞の生成を生じる。
【0010】
MKK4の不活性化または欠失は、肝臓細胞において機能性MKK4の発現を阻止することにより、例えばMKK4をコードする内因性遺伝子を不活性化することにより、例えばMKK4をコードする内因性遺伝子の挿入変異により、例えば、MKK4をコードする内因性遺伝子の破壊のために、少なくとも1つのヌクレオチドを含むヌクレオチド配列を挿入することにより、MKK4をコードするmRNAの翻訳を阻止することにより、または薬理学的手段により、例えば、インビボもしくはインビトロで肝細胞を、MKK4のキナーゼ機能を阻害する化合物に接触させることにより、得ることができる。
【0011】
好ましくは、MKK4の不活性化は、例えばMKK4をコードするmRNAにハイブリダイズするオリゴヌクレオチドである、RNA干渉(RNAi)を通しての阻害性RNAの投与によるMKK4の発現の低下または阻止により得られ、その阻害性RNAは、例えば、siRNA、shRNA、またはミクロRNAに含有される任意の型のshRNA、例えば、ミクロRNAに基づいたshRNA、アンチセンスオリゴヌクレオチド、またはこれらの混合物であり得る。好ましくは、MKK4をコードするmRNAにハイブリダイズするオリゴヌクレオチドは、MKK4をコードするmRNA配列に、特に生理的条件および細胞条件下で、相補的である19個、21個、または22個のヌクレオチド、およびその第1セクションと配列が相補的である第2セクション、例えば、アンチセンス鎖を含む、またはそれらからなる。そのような二本鎖siRNA分子から、細胞環境において、第1セクションは、第2セクションから遊離され、MKK4をコードするmRNAに結合して、このmRNAの分解を誘導し、または翻訳の阻害を誘導する。mRNA標的化のために、後で一方のセクションを遊離する二本鎖RNA分子(siRNA)は、肝臓または肝臓細胞へ直接送達することができるが、その二本鎖RNAが細胞RNAi機構による酵素的プロセシングにより後で遊離されるshRNAまたはmiRNA内に含まれることもできる。MKK4をコードするmRNAにハイブリダイズして、その分解を誘導し、またはその翻訳を阻止するオリゴヌクレオチドの配列は、通常、siRNAまたはshRNAに関する場合のように、配列が100%相補的であり得るが、しばしば、内因性miRNA、例えば、内因性miR-15b、miR-24、miR-25、およびmiR-141(それらもまた、本発明に用いられる化合物として挙げられる)に関する場合のように、ミスマッチを含有することもでき、配列が部分的にのみ相補的であるMKK4 mRNAを標的化することができる。本説明において、MKK4をコードするmRNAにハイブリダイズする例示的なオリゴヌクレオチド配列が示され、そのオリゴヌクレオチドは、siRNA内に、例えば、好ましくはsiRNA内に含有される逆相補的な第2セクションと二本鎖を形成する、第1セクションとして含有され得る。
【0012】
好ましくはMKK4をコードするmRNAにハイブリダイズするオリゴヌクレオチドの存在によるMKK4の発現の低下または阻害による、MKK4活性の不活性化が、インビボまたはインビトロでの肝細胞を、MKK4をコードするmRNAへ特異的にハイブリダイズする少なくとも1つのオリゴヌクレオチドと接触させることにより、得ることができることが見出されている。肝細胞を、MKK4をコードするmRNAと接触させることは、siRNAの一過性インビボトランスフェクションによるsiRNAによるRNAiを用いて、MKK4をコードするmRNAにハイブリダイズするRNAをヒトもしくは動物の患者へ投与することにより、または代替として、例えば、薬剤として、MKK4をコードするmRNAにハイブリダイズするsiRNA、例えば、shRNA、特にミクロRNAに基づいたshRNA、もしくはアンチセンスオリゴヌクレオチドの安定的送達の任意の手段を用いること、例えば、発現カセットからのshRNAの転写のための、shRNAをコードする発現カセットを含有するウイルスもしくはトランスポゾンに基づいた核酸構築物の使用により、得ることができる。siRNA、またはsiRNAをコードする発現カセットを含有する核酸構築物は、薬剤として用いられる。核酸構築物は、例えば、組込み型安定的形質導入のためのトランスポザーゼを追加としてコードする核酸構築物を含有するウイルスベクターまたはトランスポゾンであり得る。
【0013】
一般的に、肝臓細胞においてMKK4の発現を低下させ、または阻止するための、MKK4をコードするmRNAにハイブリダイズするオリゴヌクレオチドは、生理的条件下、例えば、肝臓細胞の細胞環境において、MKK4をコードするmRNAにハイブリダイズする配列、特に配列番号1204にハイブリダイズする配列を有するオリゴヌクレオチドである。配列は、完全に相補的であり得、すなわち、配列番号1204のmRNAのセクションに逆相補的であり得、または翻訳のミクロRNA媒介性阻害においてしばしば見られるように、配列はミスマッチを有することができ、例えば、オリゴヌクレオチド配列は、配列番号1204の逆相補的セクションとの少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%または95%の同一性のヌクレオチド配列を有し、それらには、例として、内因性miRNA、miR-15b、miR-24、miR-25、およびmiR-141が挙げられる。
【0014】
好ましい阻害性オリゴヌクレオチド、例えば、shRNAは、以下のオリゴヌクレオチド:配列番号1〜配列番号1203の1つまたは複数を含み、またはそれらからなる。これらの配列の設計について、70のスコア閾値でのsiRNAおよびshRNA標的設計のためのDSIRツール(BMC Bioinformatics、2006年11月30日、7(1)、520頁)を用い、したがって、配列番号1〜1203の全ては、少なくとも70のスコアを有する。より高いスコアを有する阻害性オリゴヌクレオチド配列および阻害性オリゴヌクレオチド配列の群が好ましい。配列は、スコア値の降順で示されており、例えば、配列番号1は最も高いスコア(107.1)を有し、配列番号1200、配列番号1201、配列番号1202、および配列番号1203は、最も低いスコア(それぞれ70.0)を有し、配列番号1〜配列番号11は、少なくとも100のスコアを有し、配列番号12〜配列番号55は、少なくとも95.1、例えば、99.8〜95.1のスコアを有し、配列番号56〜配列番号136は、少なくとも90.0、例えば、94.8〜90.0のスコアを有し、配列番号137〜配列番号317は、少なくとも85、例えば、89.9〜85.0のスコアを有し,配列番号318〜配列番号593は、少なくとも80、例えば、84.9〜80.0のスコアを有し、配列番号594〜配列番号915は、少なくとも75.0、例えば、79.9〜75.0のスコアを有し、および配列番号916〜配列番号1203は、74.9と70.0との間のスコアを有する。さらに、shRNAまたはミクロRNA分子は、MKK4をコードするmRNAに相補的であるこれらのオリゴヌクレオチドの1つを含むことができ、例えば、siRNAにおける第1セクションおよび相補的な第2セクションとして、またはミクロRNAにおけるハイブリダイズセクションとして、これらのオリゴヌクレオチドの1つを含む。
【0015】
肝組織の再生のための、または肝不全、肝機能不全(liver insufficiency)、および/もしくは肝硬変の治療のための薬剤として用いるための、MKK4をコードするmRNAにハイブリダイズするオリゴヌクレオチドは、好ましくは、一本鎖、好ましくは、RNAi酵素機構による細胞内プロセシングにより、MKK4をコードするmRNAへのハイブリダイゼーションのために一本鎖オリゴヌクレオチドを遊離する二本鎖の、RNA、DNA、またはDNAとRNAのハイブリッド、ペプチド結合核酸(PNA)、および2'炭素原子と4'炭素原子を、例えばオキシメチレン基もしくはアミノメチレン基によって、架橋する置換基を有するリボース部分を含有する核酸誘導体(その誘導体はロックド核酸(LNA)と呼ばれる)(リン酸-糖バックボーンのさらなる誘導体を含む)の形態とすることができる。
【0016】
例えば、薬剤としての直接的使用として、MKK4をコードするmRNAにハイブリダイズする核酸配列の使用からなるものに代わるものとして、阻害性RNAは、発現カセットにおけるプロモーターの制御下でのコード配列として含有することができる。構成的プロモーターまたは誘導性プロモーターであり得るプロモーターに依存して、肝細胞への導入により、阻害性RNAは転写によって産生される。
【0017】
活性MKK4の発現を低下または欠失させる核酸構築物、例えば、肝細胞のMKK4をコードする内因性遺伝子を妨害する核酸構築物、またはMKK4をコードするmRNAにハイブリダイズする阻害性RNAの導入について、核酸構築物は、好ましくは、薬学的に許容される担体製剤内の1つもしくは複数のオリゴヌクレオチドの形態で、またはウイルス粒子内もしくはウイルス様粒子内にパッケージングされたウイルスベクターの形態で提供される。ウイルスベクターは、レトロウイルスベクター、レンチウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、またはアデノウイルスベクターであり得る。
【0018】
薬学的に許容される担体における、MKK4を阻害または不活性化するための本発明の化合物または組成物の製剤は、例えば、(例えば、Alnylam Pharmaceuticals、USAから入手できるもののような)脂質ナノ粒子(LNP)の製剤、リポソーム製剤中、ならびに/または少なくとも1つのトランスフェクション増強剤、例えば、リポフェクタミンとの組み合わせを含有する製剤、および/もしくはカルシウム複合体としての製剤中にあり得る。
【0019】
MKK4をコードするmRNAにハイブリダイズする配列を有するオリゴヌクレオチド、例えば、MKK4をコードするmRNAにハイブリダイズするRNAiの代わるものとして、またはそれに加えて、MKK4の活性を不活性化する作用物質、例えば、MKK4タンパク質の機能を遮断する作用物質が、本発明による薬剤として用いられる化合物として用いることができる。MKK4を不活性化するのに適した例示的な化合物は、特に、肝不全の治療のための薬剤、および肝組織の再生のための薬剤として、それぞれ用いられる、例えば、SP600125、ミリシチン、ゲニステイン、およびPD98059である。
【0020】
MKK4をコードするmRNAにハイブリダイズするshRNAについての発現カセットを含有する核酸構築物でのトランスフェクションにより実験的に作製された、MKK4の安定的ノックダウンを有するマウス肝臓の組織学的解析は、正常な組織像を示した。さらに、その実験動物において、新生物の増加は検出されず、MKK4の欠失が癌発生のリスクを増大させないことを示した。
【0021】
本発明は、今、以下に示す図面を参照して、例としてより詳細に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】阻害性RNAを生成するための核酸構築物の概略図である。
図2】本発明の阻害性RNA(ミクロRNAに基づいたshRNA)をコードする発現カセットのトランスポゾン媒介性肝内導入の概略図である。
図3】阻害性RNAおよび対照についての発現カセットの安定的なトランスポゾン媒介性肝内導入後のマウスの体重の時間経過を示す図であり、体重の増加は、その構築物での肝臓再増殖の増加と相関する。
図4】MKK4を不活性化するのに特異的なshRNAを安定的に発現する肝細胞による再増殖の過程における外植されたマウス肝臓のGFP画像化を示す図である。
図5】MKK4を不活性化するのに特異的なshRNAをコードする発現カセットを安定的にトランスフェクションされたマウスの肝臓試料のMKK4に特異的なウェスタンブロットを示す図である。
図6】MKK4を不活性化するのに特異的なshRNAをコードする発現カセットを安定的にトランスフェクションされたマウスの肝臓の免疫蛍光分析を示す図である。
図7】MKK4に特異的なshRNAを安定的に発現する肝細胞のより早い細胞周期移行を示す、部分肝切除後の示された時間経過における、トランスフェクションされたマウス肝臓の核肝臓抽出物のサイクリンAおよびEについてのウェスタンブロットを示す図である。
図8】部分肝切除後の示された時点における、MKK4に特異的なshRNAまたは対照shRNAを発現するマウス肝臓のKi67染色を示す図である。
図9図8に示されたKi67陽性肝細胞の定量化グラフである。
図10】保護されている、MKK4のRNAに特異的なshRNAを発現する肝細胞と比較した、対照shRNAをトランスフェクションされた肝細胞における急性/劇症肝不全の誘導後の肝臓切片上のTUNEL(上方パネル)およびH&E染色(下方パネル)を示す図である。
図11図10に示されているTUNEL染色によるアポトーシス肝細胞の定量化グラフである。
図12】肝不全の誘導後の、対照マウス(shCtr.)と比較した、MKK4を不活性化するshRNA(shMKK4)を発現するマウスの生存曲線である。
図13】MKK4活性が不活性化されたマウス培養肝細胞(FAHIG-shMKK4)、および対照肝細胞(FAHIG-shCtr)へのEdU取り込みの定量化グラフであり、挿入図が、これらの肝細胞の位相差顕微鏡写真を示している。
図14】29日目(d29)におけるMKK4が不活性化された培養肝細胞(shMKK4)、および12日目(d12)における対照肝細胞(shCtr)、および15日目に再プレーティングされた肝細胞の3日目においての(再プレーティング)、位相差顕微鏡写真である。
図15】MKK4を特異的に不活性化するshRNAまたは対照shRNAを発現する、培養で1週間維持された肝細胞の移植後のFAH-/-マウスの生存曲線である。
図16】MKK4を特異的に不活性化するshRNAを安定的に発現する肝細胞の移植後1年間、加齢したマウスの肝臓の写真、GFP画像化、α-FAH免疫染色、およびH&E染色を示す図である。
図17】好ましい阻害性低分子化合物の阻害効果の概観を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
例として、それぞれ、ヒト患者およびヒト肝組織およびヒト肝細胞を特に表す、マウスおよびマウス肝組織およびマウス肝細胞を用いて、インビボおよび培養肝細胞の両方においてMKK4活性を不活性化することにより、肝再生が増加し得ることが見出された。MKK4活性が低下した肝臓を有するマウスは、肝不全の状態下で再生能の増加を示し、それはまた、結果として、生存率の増加を生じた。MKK4活性の不活性化は、インビボおよびインビトロにおいて、肝細胞中に存在する阻害性RNAによって効率的に達成することができ、その阻害性RNAは、生理的条件下でMKK4のmRNAにハイブリダイズする少なくとも1つのRNAをコードする発現カセットを含有する、安定的に、または一過性にトランスフェクションされた核酸構築物からの転写によって作製することができた。
【0024】
あるいは、阻害性RNAは、例えば、好ましくは、例えば、リポソーム調製物または脂質ナノ粒子調製物として製剤化された、適切な製剤中に、siRNA、shRNA、またはミクロRNAの形態として、インビボおよび培養中の肝細胞へ導入、例えば、トランスフェクションすることができた。肝臓および肝細胞の治療のための薬剤として用いられる阻害性RNAの使用に代わるものとして、SP600125、ミリシチン、ゲニステイン、PD98059、3-(ジメチルアミノ)-N-[3-[(4-ヒドロキシベンゾイル)-アミノ]-4-メチルフェニル]ベンズアミド(ZM 336372)、2-ヒドロキシ-1-メチル-4-オキソ-N-ピリジン-4-イルキノリン-3-カルボキサミド(BAS00525963)、2-(1H-インダゾール-5-イルイミノメチル)-6-ニトロフェノレート(BAS00697444)、5-[2-(3,5-ジメチル-1H-ピラゾール-4-イル)エチル]-7-オキソ-N-フェニル-1H-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド(SYN22174524)、5-[2-(3,5-ジメチル-1H-ピラゾール-4-イル)エチル]-3-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-オン(SYN22174787)、5-[2-(3,5-ジメチル-1H-ピラゾール-4-イル)エチル]-3-(4-メチルフェニル)-1H-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-オン(SYN22175977)、3-(4-クロロフェニル)-5-[2-(3,5-ジメチル-1H-ピラゾール-4-イル)エチル]-2-(メトキシメチル)-1H-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-オン(SYN22176267)、-[2-(3,5-ジメチル-1H-ピラゾール-4-イル)エチル]-2-(メトキシメチル)-3-(4-メチルフェニル)-1H-イラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-オン(SYN22176367)、5-[2-(3,5-ジメチル-1H-ピラゾール-4-イル)エチル]-2-(3-メトキシフェニル)-3-メチル-ピラゾロ[5,1-b]ピリミジン-7-オール(SYN22176842)、5-[2-(3,5-ジメチル-1H-ピラゾール-4-イル)エチル]-2-(2-メトキシフェニル)-3-メチル-ピラゾロ[5,1-b]ピリミジン-7-オール(SYN22176990)、3-(4-クロロフェニル)-5-[2-(3,5-ジメチル-1H-ピラゾール-4-イル)エチル]-2-メチル-1H-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-オン(SYN22177890)、5-アミノ-3-[(Z)-1-シアノ-2-[3-[(4-メトキシ-6-ピペリジン-1-イル-1,3,5-トリアジン-2-イル)オキシ]フェニル]エテニル]-1-(2-ヒドロキシエチル)ピラゾール-4-カルボニトリル(BAS00896568)、2-(1H-インダゾール-5-イルイミノメチル)-6-メトキシ-4-ニトロフェノレート(BAS00697462)、7-オキソベンゾ[e]ペリミジン-4-カルボン酸(BAS00368055)、本明細書に示されたTable 1(表1)に含まれるさらなる化合物、およびそれらの組み合わせを薬剤として用いることができ、それらの存在が、MKK4活性を少なくとも部分的に不活性化し、またその結果として、肝細胞増殖の増加、誘導されるアポトーシスからの保護、および肝機能の回復を生じた。MKK4に対する特異的阻害活性を有するこれらの化合物はまた、まとめて阻害性低分子化合物と呼ばれる。したがって、MKK4をコードするRNAに対する特異性を有する阻害性RNA、およびMKK4タンパク質に対する特異性を有する阻害性低分子化合物はどちらもそれぞれMKK4を阻害し、それゆえ、肝不全の治療における、および/またはアポトーシスに対する肝細胞の保護のためおよび/または肝細胞の再生のための薬剤として用いられる。阻害性低分子化合物は、例えば、緩衝物質および担体物質、加えて、例えば静脈内、筋肉内、肝内投与、または経口投与のための、薬剤師に知られているような製剤添加物を含む薬学的に許容される製剤中に製剤化することができる。
【0025】
FAH、GFP、およびshRNAを安定的に発現する核酸構築物を含有する肝細胞の機能性インビトロ試験において、肝細胞をマウス肝臓から単離し、培養した。MKK4をコードするmRNAを標的化する、すなわち、それと特異的にハイブリダイズする阻害性RNAをコードする発現カセットをトランスフェクションされた肝細胞だけが、長期間、例えば、30日間を超える期間、培養され得ることが見出された。加えて、これらの肝細胞を、標準方法に従って、トリプシン処理し、再プレーティングすることができた。培養1週間後のMKK4に対するshRNAを発現する初代肝細胞のFAHノックアウトマウスへの移植により、MKK4が不活性化された肝細胞の、これらのマウスの肝臓を再増殖させ、生存を可能にする能力が示された。対照的に、この結果は、非特異的対照shRNAを発現する初代肝細胞によっては得ることができなかった。この結果はまた、MKK4に対するshRNAを発現する初代肝細胞が、培養時間中、大きな脱分化を起こさないことを示している。
【実施例1】
【0026】
肝組織に組み込まれた発現カセットからの阻害性RNAの転写によるMKK4の不活性化
発現カセットにおける阻害性RNAをコードする核酸構築物からの阻害性RNAの発現によりインビボでMKK4を不活性化するための、阻害性RNAの肝細胞への、すなわち、患者の肝臓への導入は、MKK4をコードするmRNAにハイブリダイズするshRNAの生成のための阻害性RNAをコードする発現カセットを用いるマウス(C57BL/6)の例において示されている。阻害性RNAの転写を制御するプロモーターは構成的であった。
【0027】
簡単に述べると、ホモ接合FAH-陰性マウス(FAH-/-)を、NTBCを投与しなければ肝臓において毒性代謝産物の蓄積をもたらすであろう、4-ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼを遮断するためにNTBCの恒常的に投与して飼育した。阻害性RNAとして、配列番号1、または代わりとして、配列番号2を用い、そのどちらも、MKK4をコードするmRNAとハイブリダイズする。PGKプロモーターの制御下でトランスポザーゼスリーピングビューティ(Sleeping beauty 13)(SB13)をコードする第2の核酸構築物と組み合わせて、水力学的尾静脈注射によって、発現によるFAH-/-遺伝子型の補完のためのFAHについての発現カセットを含有する、両末端にトランスポザーゼ特異的逆方向反復セクション(IR)を有する核酸構築物とインビボで肝臓細胞を接触させることにより、各阻害性RNAを導入した。
【0028】
核酸構築物は図1に示されている。図2は、遺伝子操作のステップを概略的に示す。第1の対照構築物p/T-FAHIGは、補完するFAH発現カセット、およびIRESエレメントの制御下のGFPコード配列を含む緑色蛍光タンパク質(GFP)発現カセットを含有するが、阻害性RNAをコードしない。GFP発現カセットに加えて、GFPコード配列の3'側にミクロRNAをコードする、対照として標的をもたない阻害性RNAをコードする配列が、構築物p/T-FAHIG-shCtr内に含まれた。本発明による阻害性RNAをコードする配列は、構築物p/T-FAHIG-shMKK4内に含まれ、それは、GFP発現カセットに加えて、GFPコード配列の3'側に、阻害性RNAの例としてshRNAを含むミクロRNA(ループとして描かれている)をコードする。例において、配列番号1、あるいは配列番号2を、阻害性RNA配列の好ましい代表として用いた。核酸構築物の導入後、補完された肝細胞を有する動物を選択するためにNTBCの非存在下でマウスを飼育した。同時トランスフェクションされた細胞において、SB13の一過性発現は、ゲノムにおける発現カセットの安定的組込みをもたらす。
【0029】
核酸構築物の導入後のマウスの分析により、核酸構築物からの阻害性RNAの安定的転写が確認された。詳細には、図3のマウスの体重の分析により、対照構築物p/T-FAHIG (5)を投与されている動物、および非特異的RNAを発現する対照構築物p/T-FAHIG-shCtr. (1)を投与されている動物が、肝機能を効果的に再構成することができずに、死亡したことが示されている。
【0030】
配列番号1に特異的である阻害性RNAについての発現カセットを含有する核酸構築物、すなわち、p/T-FAHIG-shMKK4.A (2, 4)およびp/T-FAHIG-shMKK4.B (3)を投与されている群の動物は、生存および体重の回復によって示されているように、肝機能を再構成することができた。
【0031】
この結果は、核酸構築物の投与後20日目における外植された肝臓を示す図4によってさらに支持され、肝臓は、FAHおよびGFPについての発現カセットを含有し、かつMKK4をコードするmRNAに特異的な阻害性RNAについての発現カセット(p/T-FAHIG-shMKK4、左手の両方の写真)を含み、または非特異的阻害性RNAをコードする発現カセット(p/T-FAHIG-shCtr、右手の両方の写真)を含む核酸構築物をインビボで同時トランスフェクションされた肝細胞による再増殖の過程にある。図4の外植された肝臓は、標的をもたない阻害性RNAをコードする発現カセットを含む核酸構築物を同時トランスフェクションされた動物と比較して、MKK4をコードするmRNAに特異的な阻害性RNAをコードする発現カセットを含む核酸構築物を同時トランスフェクションされた動物からの、インビボでの時間経過に対するGFP蛍光のより速い増加を示している。
【0032】
蛍光からの結果は、この場合、完全に再増殖したマウス肝臓において、図5に示されたウェスタンブロットにおけるMKK4についての免疫特異的染色により、および図6に示されている外植されたマウス肝臓の組織試料におけるMKK4の発現についての免疫蛍光分析により、確認されている。
【0033】
図5において、shMKK4-224は、MKK4に対する阻害性RNAをコードする発現カセットで再増殖したマウス肝臓からのタンパク質抽出物を表し、shMKK4-3553は、MKK4に対する別個の阻害性RNAをコードする発現カセットで再増殖したマウス肝臓からのタンパク質抽出物を表す。チューブリンは、負荷対照としての役割を果たし、特異的抗体によって検出され(α-tub)、MKK4は、抗MKK4抗体によって検出された(α-MKK4)。図6において、FAHIG-shCtrは、補完するFAHについて、およびGFPについての発現カセットを含有し、かつ非特異的阻害性RNA(shCtr)を含む核酸構築物を表す。shMKK4-AおよびshMKK4-Bは、MKK4のmRNAに特異的にハイブリダイズするshRNAについての発現カセットを含有する核酸構築物を表す。
【0034】
両方の分析により、MKK4をコードするmRNAに特異的な阻害性RNAをコードする発現カセットを含む核酸構築物のみが、肝細胞においてMKK4発現の減少を生じることが示されている。
【0035】
図7は、MKK4 mRNAにハイブリダイズするshRNA(shMKK4、+)を発現する核酸構築物、および非特異的shRNA (shCtr、+)を発現する核酸構築物、それぞれと接触した、部分肝切除後0時間目、24時間目、38時間目、および48時間目における、α-サイクリンA抗体(α-Cyc.A)およびα-サイクリンE抗体(α-Cyc.E)で検出された、マウス肝臓からの核抽出物のサイクリンAおよびEについてのウェスタンブロットを示す。この分析は、例えば、MKK4をコードするmRNAにハイブリダイズする阻害性RNAの発現によって得られる、MKK4の不活性化が、部分肝切除後の細胞周期のより早い移行をもたらすことを示している。
【0036】
図8は、MKK4 mRNAに特異的な阻害性RNAを発現する核酸構築物を投与されている実験動物(shMKK4)、および非特異的shRNAを発現する構築物を投与されている動物(shCtr)、それぞれの部分肝切除後0時間目、38時間目、および48時間目における肝臓のKi67の染色を示す。MKK4の不活性化(その例において、MKK4 mRNAに特異的であり、かつ肝細胞へ導入された核酸構築物から発現するshRNAの存在によって得られている)が、結果として、インビボで肝細胞増殖の増加を生じることを分析は示している。
【0037】
図9は、図8の分析からのKi67-陽性細胞の定量化を示す。MKK4の発現を阻害するshRNAを含有する肝細胞(p/t-FAHIG-shMKK4)についての肝細胞増殖の増加は、非特異的shRNA対照(p/t-FAHIG-shCtr)と比較して有意である。
【0038】
図10は、非特異的shRNAについての発現カセット(shCtr.)、またはMKK4のmRNAに特異的にハイブリダイズするshRNAについての発現カセット(shMKK4.224またはshMKK4.355、それぞれ、MKK4のRNAにハイブリダイズするマウス特異的siRNAを発現する)を含有する組込み核酸構築物によってトランスフェクションされたマウス由来の肝組織におけるアポトーシス細胞の同定のためのTUNEL染色を示す。アポトーシスを、インビボで分析の9時間前に、実験的に、CD95と相互作用して劇症肝不全を誘導するJo2抗体の注射によって誘導した。TUNEL染色により、MKK4-特異的shRNA (shMKK4.224、shMKK4.355)を発現する肝組織において、対照(shCtr.)においてより少ないアポトーシス肝細胞が明らかになった。写真の上方の列は、TUNEL分析の蛍光顕微鏡写真を示し、下方の列は、H&E染色組織試料の明視野顕微鏡写真を示す。
【0039】
肝不全の誘導後のTUNEL分析の定量化は、図11に示されており、非特異的shRNAを有する対照(shCtr.)と比較して、MKK4のmRNAにハイブリダイズするshRNAを含有する肝臓組織(shMKK4.224およびshMKK4.3553)においてアポトーシス肝細胞の数が有意に低いことを実証している。
【0040】
図12は、肝不全の実験的誘導後の、MKK4のmRNAにハイブリダイズするshRNAを発現する核酸構築物でトランスフェクションされたマウス(shMKK4.224およびshMKK4.3553)、および対照マウス(shCtr.)のカプランマイヤーによる生存率を示す。MKK4の不活性化(その例における不活性化は、核酸構築物の発現カセットからの阻害性RNA(shRNA)の発現によって得られている)が、インビボで肝細胞をアポトーシスから効果的に保護することを結果は実証している。
【実施例2】
【0041】
shRNAをコードする発現カセットからの阻害性RNAの転写によるインビボでのMKK4の阻害
肝細胞の一過性トランスフェクションについて、MKK4をコードするmRNAに特異的にハイブリダイズする阻害性RNAをコードする、例えば、配列番号1または配列番号2(どちらも、ヒトおよびマウスのMKK4のmRNAに特異的である)を含有する発現カセットを含有し、またはそれからなる核酸構築物を、肝細胞へ一過性に導入した。インビボでの一過性トランスフェクションについて、核酸構築物を、リポソーム内に製剤化し、実験動物に投与した。リポソーム製剤は、脂質の3-N-[(メトキシポリ(エチレングリコール)2000)カルバモイル]-1,2-ジミリスチルオキシ-プロピルアミン(PEG-C-DMA)、1,2-ジリノレイルオキシ-N,N-ジメチル-3-アミノプロパン(DLinDMA)、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DSPC)、およびコレステロールを、2:40:10:48のモルパーセント比で含有した。
【0042】
実施例1においてshRNAの安定的発現について提示されているように、肝細胞の増殖の増加、アポトーシスの誘導に対する保護の効果を示すことができ、実施例1に記載されているような分析方法を用いて、効果が、shRNAが肝細胞内に存在している期間に限定されることを示した。これは、MKK4活性が、阻害性RNA、例えば、shRNAまたはミクロRNAの、肝細胞へ組み込まれていない核酸構築物の発現カセットからの一過性発現によって、効果的に阻害または不活性化することができることを示している。
【実施例3】
【0043】
肝細胞へトランスフェクションされた阻害性RNAによるインビボでのMKK4の阻害
MKK4のmRNAに特異的にハイブリダイズする阻害性RNAをインビボで肝組織へトランスフェクションすることによって、薬剤として用いられる阻害性RNAの適合性を示すことができた。阻害性RNAは、好ましくはリポソームまたは脂質ナノ粒子として製剤化された、shRNAまたはミクロRNAであり得た。一般的に、MKK4の低下または除去は、実施例1に記載されているような分析方法を用いて、阻害性RNAの製剤に接触した肝組織の少なくとも一部分において得ることができた。これは、MKK4のmRNAに特異的な阻害性RNAが、薬剤として、特に肝機能障害の治療のために、用いられ得ることを示している。
【実施例4】
【0044】
肝細胞におけるSP600125、ミリシチン、ゲニステイン、またはPD98059によるインビボでのMKK4の阻害
阻害性RNAによる肝組織におけるMKK4活性の阻害に代わるものとして、SP600125、ミリシチン、ゲニステイン、またはPD98059を、肝臓においてMKK4を不活性化するために用いた。一般的に、SP600125、ミリシチン、ゲニステイン、またはPD98059を、MKK4のインビボでの不活性化に効率的な用量でマウスに投与した。好ましくは、用量は、平均インビボMKK4活性の少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%または95%を不活性化するのに効率的であった。
【0045】
薬剤としてのSP600125、ミリシチン、ゲニステイン、またはPD98059の投与による肝臓におけるMKK4の不活性化が、実施例1に記載されているような分析方法を用いて、肝再生の有意な増加、増殖の増加、および誘導されたアポトーシスに対する保護を生じることを見出すことができた。
【実施例5】
【0046】
shRNAをコードする発現カセットからの阻害性RNAの安定的または一過性転写による、インビトロで培養された初代肝細胞におけるMKK4の阻害
インビトロトランスフェクションについて、実施例1または実施例2に記載されているように、実験動物から得られた培養初代肝細胞を、核酸構築物に接触させた。一般的に、核酸構築物は、実施例2によりリポソームとして製剤化することができた。一般的に、阻害性RNAの安定的または一過性発現は、培養肝細胞において得ることができ、MKK4の低下または除去は、実施例1に記載されているような分析方法を用いて検出することができた。
【0047】
実験目的のために、実験動物から生じた初代肝細胞のインビトロトランスフェクションに代わるものとして、MKK4 mRNAに特異的なshRNAを発現する安定的にトランスフェクションされた肝細胞を、実施例1により作製された実験マウスから単離した。培養肝細胞の分析は、フローサイトメトリーによる、初代肝細胞によるEdUの取り込みの定量化によった。3日間の培養後、トランスフェクションされた培養肝細胞の結果は、図13に示されている。挿入の位相差顕微鏡写真、およびトランスフェクションされた発現カセットからの発現によって作製された、MKK4のmRNAに特異的なshRNAを含有する肝細胞の関係により、不活性化MKK4を有する培養肝細胞(FAHIG-shMKK4)が、培養中MKK4活性の阻害なしの対照(FAHIG-shCtr)と比べて、増殖のマーカーとしてのEdU取り込みの劇的な向上を示すことが示されている。
【0048】
図14の顕微鏡写真に示されているように、新鮮な培養培地における培養肝細胞の再プレーティングにより、MKK4活性が、例えば、MKK4のmRNAに特異的にハイブリダイズする阻害性RNA(shMKK4)の存在によって、本質的に阻害されている培養肝細胞の長期生存率の増加が示されている。MKK4が不活性化されている肝細胞(shMKK4)は、少なくとも29日目(d29)まで有効に培養することができ、15日目にトリプシン処理して、新鮮な培地へ再プレーティングすることにより培養することができる;右手の顕微鏡写真は、15日間の最初の培養後に再プレーティングされた細胞の3日目を示す。対照的に、非特異的shRNAでトランスフェクションされた細胞(shCtr)は、培養中、より低い長期生存率を示し、15日間の最初の培養後の再プレーティングでは成長しなかった。これらの結果は、MKK4活性の不活性化が、長期生存率および培養肝細胞の再プレーティング効率を劇的に増加させることを示している。一般的に、一般的に知られたイーグル培地を肝細胞培養に用いた。
【実施例6】
【0049】
肝再生のための薬剤として用いられる、MKK4活性が不活性化された培養肝細胞
適合性または同一の血液型をもつ患者を表すマウス由来の肝細胞、好ましくは、後でのレシピエント(例えば、患者)と免疫学的に適合性である肝細胞、好ましくは、自己肝細胞を培養した。MKK4活性を、上記実施例に記載されているように、好ましくは、MKK4をコードするmRNAにハイブリダイズする阻害性RNAについての発現カセットを含有する核酸構築物での培養肝細胞のトランスフェクションにより、阻害性RNAでの、好ましくは繰り返しの、トランスフェクションにより、またはSP600125、ミリシチン、ゲニステイン、もしくはPD98059と接触させることにより、阻害した。
【0050】
補完するFAHおよびGFP(FAHIG)、ならびにMKK4をコードするmRNAに特異的な阻害性RNAまたは非特異的shRNA(ctrl)、それぞれを発現する核酸構築物を安定的にトランスフェクションされたマウス培養肝細胞を、トリプシン処理によって収集した。これらの肝細胞を、薬学的に許容される担体中に懸濁し、FAH-/-マウスの脾臓または肝臓へ移植し、その後、マウスをNTBCなしで飼育した。培養肝細胞の脾臓内移植後のカプランマイヤー生存分析が図15に示されている。37〜38日目に死亡した(鉛直線)、非特異的shRNAを含有する肝細胞を投与されているマウス(shRNA.Ctrl)と比較して、shRNAをコードする発現カセットからの発現によるMKK4のmRNAに特異的なshRNA MKK4を含有する肝細胞を投与されているマウスは、生存率が劇的に増加している。
【0051】
MKK4をコードするmRNAに特異的なshRNA(shRNA.MKK4)を含むGFPについての発現カセットを有する肝細胞で肝臓を再増殖している実験的FAH-/-マウスを、再増殖後、12ヶ月間、飼育した。肝臓切片の明視野写真(Bright)、GFP画像化(GFP)(図16の左手写真)、ならびに抗FAH免疫蛍光およびH&E染色(図16の右手写真)による外植された肝臓の分析により、GFP、およびMKK4を特異的に不活性化するshRNAの安定的肝内発現での腫瘍発生がないことが示されている。これらのデータは、MKK4阻害が、腫瘍成長を誘発することなく、再生を増加させるために用いられ得ることを強調している。
【実施例7】
【0052】
体外血液精製のための装置として用いられる、MKK4活性が不活性化された培養肝細胞
上記のように、好ましくは、MKK4をコードするmRNAに特異的なshRNAを発現する核酸構築物を安定的にトランスフェクションされた初代肝細胞を培養することにより、得られた培養肝細胞を、担体基質、例えば、ポリマー担体上で成長させた。担体基質に付着した培養肝細胞を容器内に配置し、その容器を、マウスまたはラットによって例示される、患者から引き出された血液で灌流した。容器を出た血液を、すぐに患者へ戻すことができた。最初の実験において、MKK4をコードするmRNAを不活性化するshRNAを安定的に発現するように遺伝子操作されている肝細胞が、担体基質上で成長した場合、安定していること、およびこれらの培養肝細胞が血液精製装置として用い得ることを示すことができた。
【実施例8】
【0053】
インビトロ分析におけるMKK4の不活性化
MKK4に対する化合物の阻害効果を、例えば、コード配列としてヌクレオチド配列、配列番号1204を含有する発現カセットからMKK4を過剰発現するように遺伝子操作された細胞系、および、例えば、MKK4タンパク質に対して方向づけられた抗体を用いる、親和性精製から得られた、精製MKK4タンパク質を用いるインビトロアッセイにおいて分析した。
【0054】
アッセイにおいて、精製された活性MKK4タンパク質を、その基質JNK1a1および32P標識gATP (5μCi、約10μM)と、追加の活性化合物なしで、阻害性低分子化合物と共に、または陽性対照としてゲニステインと共に、インキュベートした。アッセイについて、キナーゼアッセイ緩衝液(20mM HEPES pH 7.5、10mM MgCl2、1mg/ml BSA、1mM Na3VO4、1mM DTT)を用いた。阻害性低分子化合物(最終濃度50μM)の阻害効果を、JNK1a1における放射活性(32P)ホスフェートの量を測定することにより、MKK4タンパク質のその基質JNK1a1へのリン酸化活性の低下として検出した。JNK1a1のリン酸化を、シンチレーションカウンター(Wallac、Liquid Scintillation Counter)を用いることにより、試料あたり2mlのシンチレーションカクテルの存在下で測定した。このアッセイにおいて、ゲニステインは、追加の活性化合物なしでのアッセイと比較して約80%活性への阻害を示した。
【0055】
【表1A】
【0056】
【表1B】
【0057】
【表1C】
【0058】
【表1D】
【0059】
【表1E】
【0060】
【表1F】
【0061】
【表1G】
【0062】
【表1H】
【0063】
【表1I】
【0064】
【表1J】
【0065】
【表1K】
【0066】
【表1L】
【0067】
【表1M】
【0068】
【表1N】
【0069】
【表1O】
【0070】
【表1P】
【0071】
【表1Q】
【0072】
【表1R】
【0073】
【表1S】
【0074】
【表1T】
【0075】
【表1U】
【0076】
【表1V】
【0077】
【表1W】
【0078】
【表1X】
【0079】
【表1Y】
【0080】
【表1Z】
【0081】
【表2A】
【0082】
【表2B】
【0083】
【表2C】
【0084】
【表2D】
【0085】
【表2E】
【0086】
【表2F】
【0087】
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【表2I】
【0090】
【表2J】
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【表2L】
【0093】
【表2M】
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【表2O】
【0096】
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【表2Q】
【0098】
【表2R】
【0099】
【表2S】
【0100】
【表2T】
【0101】
【表2U】
【0102】
【表2V】
【0103】
【表2W】
【0104】
【表2X】
【0105】
【表2Y】
【0106】
【表2Z】
【0107】
【表3A】
【0108】
【表3B】
【0109】
【表3C】
【0110】
Table 1(表1)の化合物は、http://zinc.docking.orgに見出すことができる。
【0111】
図17は、ゲニステインによる阻害との関連で、これらの阻害性低分子化合物のMKK4タンパク質への阻害効果の概観を示す。
【0112】
実施例4によるインビトロ試験および実施例6によるインビボ試験により、これらの阻害性低分子化合物が、肝不全の治療のための、および/またはアポトーシスに対する肝細胞の保護のための、および/または肝細胞の再生のための薬剤として用いるのに適していることを示すことができた。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
【配列表】
[この文献には参照ファイルがあります.J-PlatPatにて入手可能です(IP Forceでは現在のところ参照ファイルは掲載していません)]