(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記省エネレベルは複数の図形で表され、省エネレベルが高いときは全ての前記図形を表示するようにし、省エネレベルが低いときは1つの前記図形を表示するようにしたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の空気調和機。
前記省エネレベルは複数の図形で表され、省エネレベルが高いときは1つの前記図形を表示するようにし、省エネレベルが低いときは全ての前記図形を表示するようにしたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の空気調和機。
前記制御手段は、前記送風手段の運転を行なうと共に前記湿度検出手段により検出された室内空気の湿度があらかじめ設定された所定の湿度より高いか否かを判定し、室内空気の湿度が前記所定の湿度より高い場合には、直ちに前記除湿手段の運転を開始することを特徴とする請求項1乃至請求項4何れかに記載の空気調和機。
前記制御手段は、前記送風手段の運転を行なうと共に前記温度検出手段により検出された室内空気の温度があらかじめ設定された所定の温度より低いか否かを判定し、室内空気の温度が前記所定の温度より低い場合には、直ちに前記除湿手段の運転を開始することを特徴とする請求項1乃至請求項4何れかに記載の空気調和機。
前記制御手段は、前記湿度検出手段により検出された室内空気の湿度から、前記除湿手段の運転が開始される前の前記送風手段の運転時間を決定することを特徴とする請求項1乃至請求項6何れかに記載の空気調和機。
前記制御手段は、前記送風ファンの回転数を変更したとき、変更した回転数に応じて前記送風手段の運転時間を変更することを特徴とする請求項1乃至請求項7何れかに記載の空気調和機。
前記制御手段は、前記温度検出手段により検出された室内空気の温度あるいは前記湿度検出手段により検出された室内空気の湿度あるいは当該温度及び湿度の両方の検出結果によって、前記除湿手段の運転が開始される前の前記送風手段の運転時間を変更することを特徴とする請求項1乃至請求項8何れかに記載の空気調和機。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1に係る空気調和機を示す外観斜視図、
図2は本発明の実施の形態1に係る空気調和機の表示手段及び操作部を上方からみた上面図、
図3は本発明の実施の形態1に係る空気調和機の内部を示す概略構成図、
図4は
図1の風向変更手段を拡大して示す概略斜視図、
図5は本発明の実施の形態1に係る空気調和機の赤外線センサーの検出範囲を示す概念図である。
【0010】
本発明の実施の形態1の空気調和機は、
図1に示すように自立可能に構成された空気調和機筐体100と、空気調和機筐体100内に室内空気Aを取り込むための吸込口101と、吸込口101に取り込まれた空気から除去された水分を溜める貯水タンク102と、水分が除去された乾燥空気Bを空気調和機筐体100から室内へ排出する排気口103とで構成されている。
【0011】
排気口103は、乾燥空気Bの風向を可変可能な風向可変手段1が設けられていて、風向可変手段1は、鉛直方向の風向を可変する縦方向ルーバー1aと、水平方向の風向を可変する横方向ルーバー1bとによって構成されている。貯水タンク102は、空気調和機筐体100に着脱可能に取り付けられている。
【0012】
さらに、
図2に示すように空気調和機筐体100の上面には操作部8と操作状況や温度、湿度等の各種情報を表示する表示手段12が設けられており、操作部8には例えば電源スイッチ9と除湿モードスイッチ10、乾燥モードスイッチ11が設けられている。
【0013】
また、前述の空気調和機には、
図3に示すように、吸込口101から室内空気Aを吸い込んで排気口103から乾燥空気Bを排出するという一連の気流を発生させる送風手段を構成する送風ファン2と、送風ファン2を回転させるファンモーター2aと、吸込口101から吸引された室内空気Aの温度を検出する温度センサー3(温度検出手段)と、室内空気Aの湿度を検出する湿度センサー4(湿度検出手段)と、室内空気Aに含まれる水分を除去して乾燥空気Bを生成する除湿手段5が備えられている。
【0014】
さらに、風向可変手段1を構成する縦方向ルーバー1aを鉛直方向に可変する縦方向可変モーター1cと、風向可変手段1を構成する横方向ルーバー1bを水平方向に可変する横方向可変モーター1dと、表面温度検出手段である赤外線センサー6と、風向可変手段1を制御する制御手段を内包し、表面温度検出手段である赤外線センサー6などを制御する制御回路7とが備えられている。
【0015】
前述の温度センサー3、湿度センサー4、赤外線センサー6などの各種センサーは、制御回路7で制御され各種データを検出するようになっていて、さらに制御回路7は、それらの検出結果により除湿手段5やファンモーター2a、表示手段12などの駆動を制御している。
【0016】
除湿手段5は、空気中の水分を除去して凝縮させることができるものであれば良く、例えば、最も一般的なものとして、ヒートポンプ回路を構成し蒸発器において空気中の水分を凝縮させる方式や、吸着剤によって除去された空気中の水分を熱交換器で凝縮させるデシカント方式などが用いられている。除湿手段5によって室内空気Aから除去された水分は、凝縮水Cとして貯水タンク102に貯留される。
【0017】
縦方向ルーバー1aは、
図4に示すように、空気調和機筐体100の幅方向に延びる長方形状の開口を有し、前述した縦方向可変モーター1cの回転軸をほぼ軸として鉛直方向に可変可能に構成されている。横方向ルーバー1bは、縦方向ルーバー1a内に等間隔に配置され、縦方向ルーバー1aの開口の反対側の奧に水平方向に可変可能に軸支され、前述した横方向可変モーター1dの駆動に連動するように構成されている。
【0018】
赤外線センサー6は、縦方向ルーバー1a内に配置されたほぼ中央の横方向ルーバー1bの片面に取り付けられている。これにより、赤外線センサー6による表面温度の検出範囲は、風向可変手段1によって可変される乾燥空気Bの方向とほぼ同一となる。
【0019】
つまり、赤外線センサー6は、風向可変手段1が送風可能な範囲内の全領域にある物体、例えば洗濯後の濡れた衣類やタオル等(以下、これらを総称して「被乾燥物」という)の表面温度を検出することができる。
【0020】
前述の赤外線センサー6は、例えば熱起電力効果を利用したものが用いられており、所定領域の表面から発せられる熱放射(赤外線)を受ける赤外線吸収膜6aと、赤外線吸収膜6aの温度を検出するサーミスタ6bとで構成されている(
図3、
図4参照)。
【0021】
この赤外線センサー6は、熱放射を吸収することによって昇温する赤外線吸収膜6aの感熱部分の温度(温接点)と、サーミスタ6bによって検出される赤外線吸収膜6aの温度(冷接点)との差を電圧等の電気信号に変換し、制御回路7に入力する。この電気信号の大きさから所定領域の表面温度を検出できる。
【0022】
ここで、所定領域の表面温度の検出方法について
図5を用いて説明する。
図5に示すように、赤外線センサー6が検出可能な全領域を全走査範囲200とした場合、全走査範囲200は、横方向(水平方向)、縦方向(鉛直方向)に拡がる面状の範囲となる。
【0023】
この赤外線センサー6は、全走査範囲200を水平方向と鉛直方向に対して、複数に分割されたエリア(例えば一区画のエリアが201)毎に表面温度を検出するように制御される。これにより、広範囲の領域に対して詳細な温度マップを作成することができる。
【0024】
制御回路7は、
図2に示す電源スイッチ9の入力により動作が開始され、操作部8に設けられた除湿モードスイッチ10を操作することにより、除湿モードが選択されたことを検知すると、室内の湿度が最適湿度となるように風向可変手段1を駆動して排気口103から送風可能にし、ファンモーター2aを駆動して送風ファン2を回転させ、除湿手段5を駆動する。
【0025】
また、制御回路7は、室内の所望領域の方向に送風されるように、風向可変手段1の縦方向可変モーター1cと横方向可変モーター1dを駆動する。これにより、室内空気Aは、吸込口101から空気調和機筐体100内に取り込まれ、温度センサー3及び湿度センサー4によりそれぞれ室内の温度と湿度が検出された後、除湿手段5により除湿されて乾燥空気Bとなり、排気口103から室内に吹き出される。
【0026】
さらに制御回路7は、
図2に示す電源スイッチ9の入力により動作が開始され、操作部8に設けられた乾燥モードスイッチ11を操作することにより、例えば衣類等の洗濯物に代表される被乾燥物の乾燥モードの中から標準乾燥モードが選択されたことを検知すると、風向可変手段1を駆動して排気口103から送風可能にし、ファンモーター2aを駆動して送風ファン2を回転させ、除湿手段5を駆動する。
【0027】
その後、制御回路7は、空気調和機筐体100内に取り込まれた室内空気Aから、室内の湿度を湿度センサー4を介して読み込み、その湿度があらかじめ設定された所定の湿度より高いかどうかを判定する。
【0028】
ここで所定の湿度とは、温度センサー3によって検出される室内の温度に対応してあらかじめ設定されている数値データのことであり、数値データとして制御回路7に内包された図示しない記憶手段に収容されていて、必要に応じて制御回路7に読み出されるようになっている。
【0029】
湿度判定の結果、室内の湿度が所定の湿度より高いときには、室内の湿度が所定の湿度と同じ値以下に低下するまで除湿手段5の除湿能力が最大となるようにファンモーター2a及び風向可変手段1を制御する。
【0030】
制御回路7は、前述の制御によって室内の湿度が所定の湿度と同じ値以下まで低下したときには、赤外線センサー6を用いて前述の複数に分割されたエリア(201)毎に表面温度を検出し、表面温度の検出結果から被乾燥物が配置されている範囲を特定し、その範囲に乾燥空気Bが当たるように縦方向可変モーター1cと横方向可変モーター1dを制御し、各ルーバー1a、1bを被乾燥物の方向に向ける。
【0031】
次に、乾燥モードの中から消費電力を抑制しながら被乾燥物を乾燥させる省エネ乾燥モードが選択されたときの動作について
図6から
図9を用いて説明する。
図6は本発明の実施の形態1に係る空気調和機における省エネ乾燥モードのときの動作を示すフローチャートのステップ0からステップ18及びステップ71を示す部分図、
図7は本発明の実施の形態1に係る空気調和機における省エネ乾燥モードのときの動作を示すフローチャートのステップ19からステップ38を示す部分図、
図8は本発明の実施の形態1に係る空気調和機における省エネ乾燥モードのときの動作を示すフローチャートのステップ39からステップ70を示す部分図、
図9は本発明の実施の形態1に係る空気調和機における省エネ乾燥モードのときの動作を示すフローチャートのステップ42からステップ54を示す部分図、
図10(a)は本発明の実施の形態1に係る空気調和機における省エネレベル大を表す表示例を示す概念図、
図10(b)は本発明の実施の形態1に係る空気調和機における省エネレベル中を表す表示例を示す概念図、
図10(c)は本発明の実施の形態1に係る空気調和機における省エネレベル小を表す表示例を示す概念図である。
【0032】
標準乾燥モードが運転開始当初から除湿手段5を動作させるのに対し、省エネ乾燥モードは運転開始当初除湿手段5を動作させず、送風手段であるファンモーター2aを動作させ送風ファン2を回転させて送風運転のみ行うようになっている。
なお、ここでいう省エネとは電力消費を抑えていることを表しているが、この表現に限定されるものではなく、他に電力消費を抑えていることを表わす表現、節電や省電力という表現で置き換えてもよい。例えば、省エネ乾燥モードとしている表現を節電乾燥モードや省電力乾燥モードとしても使用者が同様の認識をすることができる。
【0033】
制御回路7は、電源スイッチ9の入力により動作が開始され、操作部8に設けられた乾燥モードスイッチ11を操作することにより、被乾燥物の乾燥モードの中から省エネ乾燥モードが選択されたことを検知すると、運転開始からの総運転時間Tの測定を開始する(S0)と共に、風向可変手段1を駆動して排気口103から送風可能にし、ファンモーター2aを駆動して送風ファン2を回転させて送風運転を開始する(S1)。前述の通り、この段階では除湿手段5の運転は開始されていない。
【0034】
送風運転の開始にあわせ、被乾燥物の配置を検知するための準備に入り、縦方向可変モーター1cと横方向可変モーター1dを制御し、各ルーバー1a、1bを可動し送風方向を調整する(S2)。
【0035】
その後、制御回路7は赤外線センサー6を作動する。赤外線センサー6による表面温度の検出範囲(全走査範囲200)は、前述したように、縦方向ルーバー1aと横方向ルーバー1bによって可変される乾燥空気Bの方向とほぼ同一で、各ルーバー1a、1bが送風可能な範囲内の全領域の表面温度を検出できるようになっていて、赤外線センサー6の全走査範囲200に対して複数に分割されたエリア(例えば一区画のエリアが201)毎の表面温度を検出する(S3〜S4)。
【0036】
例えば濡れた衣類のような被乾燥物は、送風を受けることにより水分が気化し表面温度が周囲の温度より低くなる。この低くなった温度の範囲を赤外線センサー6で検知することにより、その範囲に被乾燥物が配置されていることを検知している。
【0037】
初期の省エネレベルが表示手段12に省エネレベル表示マーク14として表示(S6)され、被乾燥物の初期の乾燥度合いが、表示手段12に被乾燥物表示マーク13として表示(S5)される。
【0038】
省エネレベル表示マーク14は
図10(a)に示すように、省エネレベルを3つの星形状14a〜14cで表していて、最高の省エネレベルのときは14a〜14cの星3つ全てを表示するようになっている。
【0039】
なお、前述のように省エネレベルが高いと表示するマークの数を多くする例を示したが、省エネレベルが異なることが分かるように表示できればよく、省エネレベルが高くなるにつれて表示するマークの数を減らすようにしても同様に認識させることが可能である。
【0040】
また、省エネレベル表示マーク14の形状は省エネレベルを示していることが分かる形状であればよく、この星形状に限定されるものではない。よって他の図形または文字、例えば省エネレベル高、省エネレベル中、省エネレベル低のように表示してもよく、さらに省エネではなく節電、省電力という表現にしても使用者が同様に認識することが可能である。
【0041】
被乾燥物表示マーク13も同様この形状に、限定されるものではなく、被乾燥物を示すことが分かる形状であればよく、乾燥状態の進行に応じて表示を変化させるようにしてもよい。
【0042】
それから、省エネレベル表示マーク14だけでなく
図2に示すように、文字表示15で省エネの横に例えば三角マークを点灯させ省エネ運転中であることを表示させる、あるいは省エネの表示を点滅させるようにすることで、使用者に消費電力を抑えた運転をしていることを認識させることが可能である。
【0043】
制御回路7は被乾燥物の位置が検出できた段階で、送風ファン2の回転数を決定するための動作(S7)に移り、被乾燥物が配置されている分割されたエリア数をカウント(S8)し、被乾燥物の量を算出する(S9)。カウントされたエリア数が多ければ被乾燥物の量が多く、少なければ被乾燥物の量は少ないと判断できる。
【0044】
制御回路7は、カウントされたエリア数に応じて送風ファン2の回転数を変化(S10a〜S10d)させ、消費電力の抑制を行う。送風ファン2の回転数は、例えば検出可能な範囲の全分割エリア数をX1、被乾燥物が配置されているとしてカウントされた分割エリア数をX2、最大風量をQ、あらかじめ用意された補正係数m及びnから、被乾燥物に必要な風量、F=m×(X1/X2)×Q+nの式により算出された風量Fを満足する送風量を発生する回転数として設定される。
【0045】
次に、室内空気Aの温度と湿度を測定する工程に入るが、温度と湿度を安定的に検出できるように、あらかじめ設定された所定の時間が経過(S11〜S12)するまで初期湿度の判定に移行しない。
【0046】
例えば10分で設定された所定の時間が経過した後、初期環境判定(S13)のため、前述の送風ファン2の回転により室内空気Aが吸込口101から空気調和機筐体100内に取り込まれ、この時に制御回路7は、温度センサー3により検出された室内の温度RTを読み込み、湿度センサー4により検出された室内の湿度RH1を読み込む(S14)。
【0047】
次に制御回路7は、検知した室内空気Aの温度RTとあらかじめ設定されている所定の温度と比較する(S15)。所定の温度は、例えば15℃に設定されていて、S15でRTが15℃以下のときはS71に移行して除湿運転を開始するようになり、S15でRTが15℃以上のときはS16へ移行する。
【0048】
S16へ移行すると制御回路7は、検知した室内空気Aの湿度RH1とあらかじめ設定されている所定の湿度と比較する(S16)。所定の湿度は、例えば80%に設定されていて、S16でRH1が80%以上のときはS71に移行して除湿運転を開始するようになり、S16でRH1が80%以下のときはS17へ移行する。
【0049】
このS16からS17に移行する状況における室内空気Aの状態は、湿度が低くかつ温度が高い状態であるので、例えば濡れているような被乾燥物が比較的乾燥しやすい状態であるといえる。
【0050】
また、S15及びS16においてS71に移行する状況における室内空気Aの状態は、送風では十分に乾燥できない状態であるので、送風運転を継続せず直接除湿運転に移行し、被乾燥物が未乾燥とならないよう乾燥を促進する制御に切り換え、運転終了時には被乾燥物を乾燥させることができるようにしている。
【0051】
次に制御回路7は、湿度RH1が所定湿度より低く、かつ、温度RTが所定温度より高い場合は、湿度の最大値RHMaxを検出する制御を実行する(S17〜S18)。そして制御回路7は、湿度の最大値RHMaxを検出した場合はS33へ移行し、湿度の最大値RHMaxを検出していない場合はS22に移行する。
【0052】
湿度の最大値RHMaxの検出は、あらかじめ設定された所定の時間、例えば10分間の平均湿度RHAveが下降しはじめた否かで検知(S19〜S20)していて、その下降状態が2回連続して検知(S31〜S32)されると湿度の最大値RHMaxを検出したと判断している。
【0053】
なお、湿度の最大値RHMaxの検出方法としては、検知した湿度RH1の内、最も大きい湿度を湿度の最大値RHMaxとしてもよく、また、湿度RH1が上昇から下降に転じたときの湿度RHMaxを湿度の最大値RHMaxとしてもよい。
【0054】
S22に移行した場合は、湿度の最大値RHMaxが検出できるまで温度や湿度を測定しながら室内空気Aの状態を確認(S22〜S30)し送風運転を継続する。但し、その過程で制御回路7が送風運転を継続せず直接除湿運転に移行した方が良いと判断(S24、S25)するとS71に移行して除湿運転を開始する。
【0055】
次に、S33から送風運転時間を決定する工程に入り、制御回路7は湿度の最大値RHMaxを確定し、その時の室内空気Aの温度RTを測定(S34)、被乾燥物が配置されている分割されたエリア数を再度カウント(S35)する。このカウントされたエリア数から回転数に応じて送風運転時間を設定するための変数Hを決定(S36a〜S36d)する。
【0056】
変数Hは、S35でカウントされたエリア数から設定され、例えば検出されたエリア数が全分割エリア数の3/4以上であればH=1.0、2/4(1/2)以上であればH=1.1というようにカウントされたエリア数が多いほど変数Hの値を小さくなるように設定される。これは、回転数を下げて送風運転した場合に同じ送風運転時間では乾燥の進行具合が異なるため、乾燥状態に不具合が生じないよう、回転数に応じて送風運転時間を設定するための工程である。
【0057】
次に制御回路7は、湿度の最大値RHMaxの変化状態を検知(S37)して残りの送風運転時間Tfの計算を行い(S38)、S39に移行する。ここで送風時間Tfは、湿度の最大値RHMaxが大きいほど長く設定されるようになっていて、これにより、湿度が高くても電力消費の大きい除湿運転の時間を短くすることができ、より省エネ効果を得られるようになっている。
【0058】
その後、S38で計算されたTfの1/2以上送風時間が経過(S39)していたら乾燥度表示を変更する(S40)。そして残りの送風運転時間が終了するまで送風運転(S41)を継続した後、除湿運転(S55)へ移行する。
【0059】
なお、S41で残りの送風運転時間が終了するまで送風運転を続けることにより、湿度が高い状態に保たれ、住空間に湿害を発生させる可能性がある。これを回避するため、前述の送風運転時間には、最大500分の上限時間が設定されている。
【0060】
送風運転時間中において、湿度が高くなるほど湿害が発生しやすくなるため、湿度に応じて送風運転時間を短縮することが必要となり、湿度が高くなるほど送風運転時間を短縮するために湿度を細かく測定(S42〜S50)し、送風を行っている間、カウントされたエリア数から送風ファン2の回転数を変化させる制御を続けて行っている(S54a〜S54d)。
【0061】
次に、制御回路7はS55に移行し除湿運転を開始して送風ファン2と除湿手段5を動作させ、除湿運転開始からの除湿運転時間TJの計測を開始(S56)して,S57に移行する。
【0062】
送風ファン2の回転数を決定するための動作(S57)に移り、被乾燥物が配置されている分割されたエリア数をカウント(S58)し、被乾燥物の量を算出する(S59)。制御回路7は、カウントされたエリア数に応じて送風ファン2の回転数を変化(S60a〜S60c)させ、消費電力の抑制を行う。
【0063】
送風ファン2の回転数は、送風運転のときと同様、検出可能な範囲の全分割エリア数をX1、被乾燥物が配置されているとしてカウントされた分割エリア数をX2、最大風量をQ、あらかじめ用意された補正係数m及びnから、被乾燥物に必要な風量、F=m×(X1/X2)×Q+nの式により算出された風量Fを満足する送風量を発生する回転数として設定される。
【0064】
それから、制御回路7は送風ファン2の回転数変化に応じて、表示手段12に省エネレベル表示マーク14の表示を変更する(S61a〜S61c)。例えば、送風ファン2の回転数が810rpmのときは省エネレベルが低いため、
図10(c)に示す省エネレベル表示マーク表示例のように14aのみ1つを表示させる。また、送風ファン2の回転数が680rpmのときは省エネレベルが中程度のため、
図10(b)に示す省エネレベル表示マーク表示例のように14aと14bの2つを表示させる。
【0065】
次に制御回路7は、除湿運転開始から10分経過(S62)した後室内空気Aの湿度RH1が50%以下になったか否かを判定(S63)し、室内空気Aの湿度RH1が50%以下になっていたらS64に移行する。
【0066】
S64に移行し除湿運転の終了時間Yを算出する工程に入り、終了時間Yを除湿運転開始からの除湿運転時間TJと室温RTより算出(S65)、S66に移行し除湿運転の残りの運転時間TYを計測する。
【0067】
除湿運転の残りの運転時間TYが除湿運転の終了時間Yの1/2以上(S67)になったら、表示手段12に表示されている乾燥度合いを示す被乾燥物表示マーク13の表示を変化、例えば3つ表示がある内の1つだけ点灯させる(S68)。これにより乾燥が進んで終了が近いことを使用者に知らせることができる。
【0068】
そして、運転を継続し除湿運転の残りの運転時間TYが除湿運転の終了時間Y以上(S69)となったらS70へ移行し運転を終了、省エネ乾燥モードの運転が完了する。
【0069】
以上のように本発明の実施の形態1によれば、室内空気の湿度、被乾燥物の表面温度、被乾燥物の配置エリア数から送風ファンの回転数を変更するようにしたので、被乾燥物の量に適した効率のよい送風制御を行うことで消費電力を抑えることができ、それに応じて省エネレベルを表示することができるので行われている運転の省エネレベルを確認することができ、省エネレベルが高いことを表す表示がされていれば、消費電力を抑えた運転が行われていることを使用者が容易に認識できるので利便性を向上することができる。
【0070】
なお、本発明の実施の形態1では1つの運転モードの中で省エネレベル表示マーク14a〜14cの表示を変更して表す例を示したが、各運転モードの選択時にあらかじめ各運転モードの省エネレベルを、例えば省エネ乾燥モードのときは省エネレベル表示マーク14a〜14cの3つを表示、除湿運転のときには省エネレベル表示マーク14aのみ1つを表示するように設定、運転モードに応じて省エネレベルを変更して表示することで使用者が運転モードを選択する際の基準とすることも可能である。
【0071】
それから、本実施の形態1の説明に用いた制御の基準となる所定の時間、温度、湿度等の数値は一例であり、これらの数値に限定されるものではない。これらの基準となる所定数値は、空気調和機を使用する環境や使用者の好みに応じて、本発明の範囲を逸脱しない範囲で適宜設定することが可能である。