特許第6138178号(P6138178)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6138178中継装置、データ通信システム及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6138178
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年5月31日
(54)【発明の名称】中継装置、データ通信システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 13/00 20060101AFI20170522BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20170522BHJP
【FI】
   G06F13/00 520C
   H04Q9/00 301C
【請求項の数】8
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2015-10891(P2015-10891)
(22)【出願日】2015年1月23日
(65)【公開番号】特開2016-136297(P2016-136297A)
(43)【公開日】2016年7月28日
【審査請求日】2015年9月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルテクノサービス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川▲崎▼ 仁
(72)【発明者】
【氏名】田畠 広泰
【審査官】 北川 純次
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−085060(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/105106(WO,A1)
【文献】 特開2011−010077(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 13/00
H04Q 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバから第1ネットワークを介して送信されてきた機器からのデータ取得要求に応じて、前記第1ネットワークとは異なる第2ネットワークに接続された前記機器にデータの送信を要求し、その要求に対して前記機器から送信されてきたデータを前記サーバへ送信するデータ中継手段と、
前記データ取得要求により指定されたデータが前記機器から送信されてこない場合、前記データ中継手段に、前記データ取得要求により指定されたデータが前記機器から送信されてくるまで前記機器に更なるデータの送信を要求させ、前記データ取得要求により指定されたデータが前記機器から送信されてきてはじめて当該データを前記サーバへ送信させる応答制御手段と、
を有し、
前記応答制御手段は、前記データ中継手段が前記機器に保持されている複数のデータをグループ単位に取得する場合において、前記機器から取得したグループの中に前記サーバからのデータ取得要求に応じるデータが含まれていない場合、前記データ中継手段に、前記機器に他のグループの送信を要求させることを特徴とする中継装置。
【請求項2】
サーバから第1ネットワークを介して送信されてきた機器からのデータ取得要求に応じて、前記第1ネットワークとは異なる第2ネットワークに接続された前記機器にデータの送信を要求し、その要求に対して前記機器から送信されてきたデータを前記サーバへ送信するデータ中継手段と、
前記データ取得要求により指定されたデータが前記機器から送信されてこない場合、前記データ中継手段に、前記データ取得要求により指定されたデータが前記機器から送信されてくるまで前記機器に更なるデータの送信を要求させ、前記データ取得要求により指定されたデータが前記機器から送信されてきてはじめて当該データを前記サーバへ送信させる応答制御手段と、
前記機器がデータを、ウェブページを動的に生成するための動的コンテンツに含めて送信する場合、前記機器から送信されてきた動的コンテンツを処理する動的コンテンツ処理手段と、
を有し、
前記応答制御手段は、前記データ取得要求により指定されたデータが前記動的コンテンツから取得できない場合、前記動的コンテンツ処理手段に、前記データ取得要求により指定されたデータが前記動的コンテンツから取得できるまで前記機器に更なるデータの送信を要求させることを特徴とする中継装置。
【請求項3】
前記応答制御手段は、前記データ取得要求により指定されたデータが前記動的コンテンツ処理手段により生成されたウェブページ上に含まれていない場合、前記動的コンテンツ処理手段にウェブページを更新させることで、前記機器に更なるデータの送信を要求させることを特徴とする請求項に記載の中継装置。
【請求項4】
少なくとも前記応答制御手段に参照され、前記機器とデータをやり取りする際の仕様に関する情報を記憶する記憶手段と、
前記機器とデータをやり取りする際の仕様が変更された場合に変更後の仕様に関する情報を取得して前記記憶手段に記憶された仕様に関する情報を更新する更新手段と、
を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の中継装置。
【請求項5】
サーバと、
機器と、
前記サーバとは第1ネットワークを介して接続され、前記機器とは前記第1ネットワークとは異なる第2ネットワークを介して接続される中継装置と、
を有し、
前記中継装置は、
前記サーバから送信されてきた機器からのデータ取得要求に応じて前記機器にデータの送信を要求し、その要求に対して前記機器から送信されてきたデータを前記サーバへ送信するデータ中継手段と、
前記データ取得要求により指定されたデータが前記機器から送信されてこない場合、前記データ中継手段に、前記データ取得要求により指定されたデータが前記機器から送信されてくるまで前記機器に更なるデータの送信を要求させ、前記データ取得要求により指定されたデータが前記機器から送信されてきてはじめて当該データを前記サーバへ送信させる応答制御手段と、
を有し、
前記応答制御手段は、前記データ中継手段が前記機器に保持されている複数のデータをグループ単位に取得する場合において、前記機器から取得したグループの中に前記サーバからのデータ取得要求に応じるデータが含まれていない場合、前記データ中継手段に、前記機器に他のグループの送信を要求させることを特徴とするデータ通信システム。
【請求項6】
サーバと、
機器と、
前記サーバとは第1ネットワークを介して接続され、前記機器とは前記第1ネットワークとは異なる第2ネットワークを介して接続される中継装置と、
を有し、
前記中継装置は、
前記サーバから送信されてきた機器からのデータ取得要求に応じて前記機器にデータの送信を要求し、その要求に対して前記機器から送信されてきたデータを前記サーバへ送信するデータ中継手段と、
前記データ取得要求により指定されたデータが前記機器から送信されてこない場合、前記データ中継手段に、前記データ取得要求により指定されたデータが前記機器から送信されてくるまで前記機器に更なるデータの送信を要求させ、前記データ取得要求により指定されたデータが前記機器から送信されてきてはじめて当該データを前記サーバへ送信させる応答制御手段と、
前記機器がデータを、ウェブページを動的に生成するための動的コンテンツに含めて送信する場合、前記機器から送信されてきた動的コンテンツを処理する動的コンテンツ処理手段と、
を有し、
前記応答制御手段は、前記データ取得要求により指定されたデータが前記動的コンテンツから取得できない場合、前記動的コンテンツ処理手段に、前記データ取得要求により指定されたデータが前記動的コンテンツから取得できるまで前記機器に更なるデータの送信を要求させることを特徴とするデータ通信システム。
【請求項7】
コンピュータを、
サーバから第1ネットワークを介して送信されてきた機器からのデータ取得要求に応じて、前記第1ネットワークとは異なる第2ネットワークに接続された前記機器にデータの送信を要求し、その要求に対して前記機器から送信されてきたデータを前記サーバへ送信するデータ中継手段、
前記データ取得要求により指定されたデータが前記機器から送信されてこない場合、前記データ中継手段に、前記データ取得要求により指定されたデータが前記機器から送信されてくるまで前記機器に更なるデータの送信を要求させ、前記データ取得要求により指定されたデータが前記機器から送信されてきてはじめて当該データを前記サーバへ送信させる応答制御手段、
として機能させ
前記応答制御手段は、前記データ中継手段が前記機器に保持されている複数のデータをグループ単位に取得する場合において、前記機器から取得したグループの中に前記サーバからのデータ取得要求に応じるデータが含まれていない場合、前記データ中継手段に、前記機器に他のグループの送信を要求させることを特徴とするプログラム。
【請求項8】
コンピュータを、
サーバから第1ネットワークを介して送信されてきた機器からのデータ取得要求に応じて、前記第1ネットワークとは異なる第2ネットワークに接続された前記機器にデータの送信を要求し、その要求に対して前記機器から送信されてきたデータを前記サーバへ送信するデータ中継手段、
前記データ取得要求により指定されたデータが前記機器から送信されてこない場合、前記データ中継手段に、前記データ取得要求により指定されたデータが前記機器から送信されてくるまで前記機器に更なるデータの送信を要求させ、前記データ取得要求により指定されたデータが前記機器から送信されてきてはじめて当該データを前記サーバへ送信させる応答制御手段、
前記機器がデータを、ウェブページを動的に生成するための動的コンテンツに含めて送信する場合、前記機器から送信されてきた動的コンテンツを処理する動的コンテンツ処理手段、
として機能させ
前記応答制御手段は、前記データ取得要求により指定されたデータが前記動的コンテンツから取得できない場合、前記動的コンテンツ処理手段に、前記データ取得要求により指定されたデータが前記動的コンテンツから取得できるまで前記機器に更なるデータの送信を要求させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中継装置、データ通信システム及びプログラム、特に外部ネットワークに接続されたサーバと、内部ネットワークに接続された機器との間のデータ通信に関する。
【背景技術】
【0002】
ビルの内部に設置された機器に保持されているデータを、保守管理や見える化など顧客向けサービス等のためにデータセンター等ビルの外部から取得することは従来から行われている。この場合、データセンターに設置されたサーバの通信プロトコルと機器の通信プロトコルとが同じとは限らないので、ゲートウェイ装置をサーバと機器の間であってビルに設置する場合が少なくない。ゲートウェイ装置は、一方の通信プロトコルに準じたコマンド等を他方の通信プロトコルに準じたコマンド等に変換することによってサーバと機器との間における情報交換を可能としている。
【0003】
ところで、近年では、通信手段を介してデータを提供するための機能としてウェブ機能しか持たない機器が登場している。データセンターがこのような機器からデータを取得するために、サーバは、目的とするデータを表示するためのウェブページを取得できるまで、機器に繰り返しアクセスする必要がある。この所望のデータを取得するまでの従来における処理の流れについて図1を用いて説明する。
【0004】
図1は、データ通信システムの全体構成図である。図1には、データセンター1に設置されたサーバ2とビル3に設置された機器4、設備5及びゲートウェイ装置10とが示されている。サーバ2とゲートウェイ装置10は、インターネット等の外部ネットワーク6により接続され、ゲートウェイ装置10と機器4は、LAN等のビルの内部に構築された内部ネットワーク7により接続される。機器4は、電気設備等の1又は複数の設備5を接続し、測定値、設定値等の信号データやオン/オフ等の制御データ、あるいは警報データ等を各設備5から収集し蓄積する管理装置やコントローラ等である。機器4は、通信手段を介した情報提供機能としてウェブ機能しか持っていない。データセンター1は、サーバ2を用いて、ビル3に設置された設備5の保守管理等のために機器4からデータを取得する。
【0005】
ここで、サーバ2が例えばデータID=256の信号データを機器から取得したいとする。この場合、サーバ2は、データID=256のデータの取得要求をゲートウェイ装置10へ送信する。
【0006】
ゲートウェイ装置10は、サーバ2からのデータ取得要求に応じてデータの取得を機器に要求する。ただ、ゲートウェイ装置10は、機器4の通信プロトコルの仕様に従い、複数のデータを含むブロック単位(例えば、100データずつ)で機器4からデータを取得することになる。それも、先頭のブロックから1ブロックずつ順番に取得することになる。
【0007】
従って、ゲートウェイ装置10は、サーバ2からのデータ取得要求に応じて最初のブロックの取得要求を機器へ送信する。機器4は、この要求に応じてデータID=1〜100のデータをゲートウェイ装置10へ送る。より詳細には、データID=1〜100のデータを画面表示するためのウェブページをゲートウェイ装置10へ送る。ゲートウェイ装置10は、このように機器4から取得したウェブページをサーバ2へ送信する。
【0008】
サーバ2は、データ取得要求に応じてウェブページをゲートウェイ装置10から取得するが、この取得したウェブページの中にはデータID=1〜100のデータが含まれており、データID=256のデータは含まれていない。サーバ2は、取得したウェブページにデータID=256のデータが含まれていないことを確認すると、そのウェブページに含まれている「次へ」ボタンを選択した旨を示すデータ取得要求をゲートウェイ装置10へ送信する。
【0009】
ゲートウェイ装置10、サーバ2からのデータ取得要求に応じて次のブロックの取得を機器4に要求する。機器4は、この要求に応じて次のデータID=101〜200のデータを画面表示するためのウェブページをゲートウェイ装置10へ送る。そして、ゲートウェイ装置10は、機器4から取得したウェブページをサーバ2へ送信する。
【0010】
サーバ2は、データ取得要求に応じてウェブページをゲートウェイ装置10から取得するが、この取得したウェブページの中にはデータID=101〜200のデータが含まれており、データID=256のデータは含まれていない。サーバ2は、取得したウェブページにデータID=256のデータが含まれていないことを確認すると、そのウェブページに含まれている「次へ」ボタンを選択した旨を示すデータ取得要求をゲートウェイ装置10へ送信する。
【0011】
ゲートウェイ装置10は、サーバ2からのデータ取得要求に応じて次のブロックの取得を機器4に要求する。機器4は、この要求に応じて次のデータID=201〜300のデータを画面表示するためのウェブページをゲートウェイ装置10へ送る。そして、ゲートウェイ装置10は、機器4から取得したウェブページをサーバ2へ送信する。
【0012】
サーバ2は、データ取得要求に応じてウェブページをゲートウェイ装置10から取得するが、この取得したウェブページの中にはデータID=201〜300のデータが含まれており、よってデータID=256のデータが含まれている。このようにして、サーバ2は、取得対象のデータを取得することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2008−158716号公報
【特許文献2】特開2006−42164号公報
【特許文献3】特開2009−224852号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
従来においては、サーバは、前述したようにデータ取得要求を発してから取得対象のデータが取得できるまでゲートウェイ装置との間で無駄なデータ通信を実施しなければならない場合があった。つまり、従来においては、サーバに無用な負荷がかかり、また、ネットワーク通信量を増大させてしまう可能性があった。
【0015】
本発明は、サーバが目的とするデータを取得するまでの間にサーバにかかる負荷及びサーバとゲートウェイ装置との間のネットワークにかかる負荷の増大を回避することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明に係る中継装置は、サーバから第1ネットワークを介して送信されてきた機器からのデータ取得要求に応じて、前記第1ネットワークとは異なる第2ネットワークに接続された前記機器にデータの送信を要求し、その要求に対して前記機器から送信されてきたデータを前記サーバへ送信するデータ中継手段と、前記データ取得要求により指定されたデータが前記機器から送信されてこない場合、前記データ中継手段に、前記データ取得要求により指定されたデータが前記機器から送信されてくるまで前記機器に更なるデータの送信を要求させ、前記データ取得要求により指定されたデータが前記機器から送信されてきてはじめて当該データを前記サーバへ送信させる応答制御手段と、を有し、前記応答制御手段は、前記データ中継手段が前記機器に保持されている複数のデータをグループ単位に取得する場合において、前記機器から取得したグループの中に前記サーバからのデータ取得要求に応じるデータが含まれていない場合、前記データ中継手段に、前記機器に他のグループの送信を要求させるものである。
【0018】
本発明に係る中継装置は、サーバから第1ネットワークを介して送信されてきた機器からのデータ取得要求に応じて、前記第1ネットワークとは異なる第2ネットワークに接続された前記機器にデータの送信を要求し、その要求に対して前記機器から送信されてきたデータを前記サーバへ送信するデータ中継手段と、前記データ取得要求により指定されたデータが前記機器から送信されてこない場合、前記データ中継手段に、前記データ取得要求により指定されたデータが前記機器から送信されてくるまで前記機器に更なるデータの送信を要求させ、前記データ取得要求により指定されたデータが前記機器から送信されてきてはじめて当該データを前記サーバへ送信させる応答制御手段と、前記機器がデータを、ウェブページを動的に生成するための動的コンテンツに含めて送信する場合、前記機器から送信されてきた動的コンテンツを処理する動的コンテンツ処理手段と、を有し、前記応答制御手段は、前記データ取得要求により指定されたデータが前記動的コンテンツから取得できない場合、前記動的コンテンツ処理手段に、前記データ取得要求により指定されたデータが前記動的コンテンツから取得できるまで前記機器に更なるデータの送信を要求させるものである。
【0019】
また、前記応答制御手段は、前記データ取得要求により指定されたデータが前記動的コンテンツ処理手段により生成されたウェブページ上に含まれていない場合、前記動的コンテンツ処理手段にウェブページを更新させることで、前記機器に更なるデータの送信を要求させるものである。
【0020】
また、少なくとも前記応答制御手段に参照され、前記機器とデータをやり取りする際の仕様に関する情報を記憶する記憶手段と、前記機器とデータをやり取りする際の仕様が変更された場合に変更後の仕様に関する情報を取得して前記記憶手段に記憶された仕様に関する情報を更新する更新手段と、を有するものである。
【0021】
本発明に係るデータ通信システムは、サーバと、機器と、前記サーバとは第1ネットワークを介して接続され、前記機器とは前記第1ネットワークとは異なる第2ネットワークを介して接続される中継装置と、を有し、前記中継装置は、前記サーバから送信されてきた機器からのデータ取得要求に応じて前記機器にデータの送信を要求し、その要求に対して前記機器から送信されてきたデータを前記サーバへ送信するデータ中継手段と、前記データ取得要求により指定されたデータが前記機器から送信されてこない場合、前記データ中継手段に、前記データ取得要求により指定されたデータが前記機器から送信されてくるまで前記機器に更なるデータの送信を要求させ、前記データ取得要求により指定されたデータが前記機器から送信されてきてはじめて当該データを前記サーバへ送信させる応答制御手段と、を有し、前記応答制御手段は、前記データ中継手段が前記機器に保持されている複数のデータをグループ単位に取得する場合において、前記機器から取得したグループの中に前記サーバからのデータ取得要求に応じるデータが含まれていない場合、前記データ中継手段に、前記機器に他のグループの送信を要求させるものである。
本発明に係るデータ通信システムは、サーバと、機器と、前記サーバとは第1ネットワークを介して接続され、前記機器とは前記第1ネットワークとは異なる第2ネットワークを介して接続される中継装置と、を有し、前記中継装置は、前記サーバから送信されてきた機器からのデータ取得要求に応じて前記機器にデータの送信を要求し、その要求に対して前記機器から送信されてきたデータを前記サーバへ送信するデータ中継手段と、前記データ取得要求により指定されたデータが前記機器から送信されてこない場合、前記データ中継手段に、前記データ取得要求により指定されたデータが前記機器から送信されてくるまで前記機器に更なるデータの送信を要求させ、前記データ取得要求により指定されたデータが前記機器から送信されてきてはじめて当該データを前記サーバへ送信させる応答制御手段と、前記機器がデータを、ウェブページを動的に生成するための動的コンテンツに含めて送信する場合、前記機器から送信されてきた動的コンテンツを処理する動的コンテンツ処理手段と、を有し、前記応答制御手段は、前記データ取得要求により指定されたデータが前記動的コンテンツから取得できない場合、前記動的コンテンツ処理手段に、前記データ取得要求により指定されたデータが前記動的コンテンツから取得できるまで前記機器に更なるデータの送信を要求させるものである。
【0022】
本発明に係るプログラムは、コンピュータを、サーバから第1ネットワークを介して送信されてきた機器からのデータ取得要求に応じて、前記第1ネットワークとは異なる第2ネットワークに接続された前記機器にデータの送信を要求し、その要求に対して前記機器から送信されてきたデータを前記サーバへ送信するデータ中継手段、前記データ取得要求により指定されたデータが前記機器から送信されてこない場合、前記データ中継手段に、前記データ取得要求により指定されたデータが前記機器から送信されてくるまで前記機器に更なるデータの送信を要求させ、前記データ取得要求により指定されたデータが前記機器から送信されてきてはじめて当該データを前記サーバへ送信させる応答制御手段、として機能させ、前記応答制御手段は、前記データ中継手段が前記機器に保持されている複数のデータをグループ単位に取得する場合において、前記機器から取得したグループの中に前記サーバからのデータ取得要求に応じるデータが含まれていない場合、前記データ中継手段に、前記機器に他のグループの送信を要求させるものである。
本発明に係るプログラムは、コンピュータを、サーバから第1ネットワークを介して送信されてきた機器からのデータ取得要求に応じて、前記第1ネットワークとは異なる第2ネットワークに接続された前記機器にデータの送信を要求し、その要求に対して前記機器から送信されてきたデータを前記サーバへ送信するデータ中継手段、前記データ取得要求により指定されたデータが前記機器から送信されてこない場合、前記データ中継手段に、前記データ取得要求により指定されたデータが前記機器から送信されてくるまで前記機器に更なるデータの送信を要求させ、前記データ取得要求により指定されたデータが前記機器から送信されてきてはじめて当該データを前記サーバへ送信させる応答制御手段、前記機器がデータを、ウェブページを動的に生成するための動的コンテンツに含めて送信する場合、前記機器から送信されてきた動的コンテンツを処理する動的コンテンツ処理手段、 として機能させ、前記応答制御手段は、前記データ取得要求により指定されたデータが前記動的コンテンツから取得できない場合、前記動的コンテンツ処理手段に、前記データ取得要求により指定されたデータが前記動的コンテンツから取得できるまで前記機器に更なるデータの送信を要求させるものである。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、サーバが目的とするデータを取得するまでの間にサーバにかかる負荷及びサーバとゲートウェイ装置との間のネットワークにかかる負荷の増大を回避することができる。
【0024】
また、機器がデータを動的コンテンツに含めて送信する場合にも対応可能である。
【0025】
また、機器とデータをやり取りする際の仕様が変更された場合にも対応可能である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明に係るデータ通信システムの一実施の形態を示す全体構成図である。
図2】実施の形態1におけるゲートウェイ装置のハードウェア構成図である。
図3】実施の形態1におけるゲートウェイ装置のブロック構成図である。
図4】実施の形態1におけるコマンド記憶部に予め設定されているコマンド情報の一例を示した図である。
図5】実施の形態1における判断規則記憶部に予め設定されている判断規則情報の一例を示した図である。
図6】実施の形態1における応答規則記憶部に予め設定されている応答規則情報の一例を示した図である。
図7】実施の形態1におけるゲートウェイ装置が実施する処理全体の概要を示したフローチャートである。
図8】実施の形態1におけるコマンド変換処理を示したフローチャートである。
図9】実施の形態1においてコマンドに含まれる変数の初期規則を示した図である。
図10】実施の形態1における応答判断処理を示したフローチャートである。
図11】実施の形態1において応答メッセージに含まれる変数の初期規則を示した図である。
図12】実施の形態1における応答生成処理を示したフローチャートである。
図13】実施の形態2におけるゲートウェイ装置のブロック構成図である。
図14】実施の形態3におけるゲートウェイ装置のブロック構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面に基づいて、本発明の好適な実施の形態について説明する。
【0028】
実施の形態1.
図1は、本発明に係るデータ通信システムの一実施の形態を示す全体構成図である。本実施の形態におけるデータ通信システムの全体構成は従来と同じでよい。本実施の形態におけるデータ通信システムは、ゲートウェイ装置10が持つ機能に特徴を有している。図1には、データセンター1に設置されたサーバ2と、ビル3に設置された機器4、設備5及びゲートウェイ装置10と、が示されている。サーバ2とゲートウェイ装置10は、インターネット等の第1ネットワークとしての外部ネットワーク6により接続される。また、ゲートウェイ装置10と機器4は、LAN等のビルの内部に構築された、第1ネットワークとは異なる第2ネットワークとしての内部ネットワーク7により接続される。機器4は、電気設備等の1又は複数の設備5を接続し、測定値、設定値等の信号データやオン/オフ等の制御データ、あるいは警報データ等を設備5から収集し蓄積する管理装置やコントローラ等により実現される。機器4は、通信手段を介した情報提供機能としてウェブ機能しか持たないものとする。
【0029】
データセンター1は、サーバ2を用いて、ビル3に設置された設備5の保守管理や見える化など顧客向けサービス等のために機器4からデータを取得する。なお、データセンター1は、1又は複数のビル3から情報を取得するが、各ビル3は同等の装置構成を有しているので便宜的に1つのビル3のみ図示した。また、内部ネットワーク7には、複数の機器4が接続されているかもしれないが、各機器4とも同等の構成を有しているので便宜的に1台のみ図示した。
【0030】
図2は、本実施の形態におけるゲートウェイ装置10のハードウェア構成図である。本実施の形態におけるゲートウェイ装置10は、コンピュータを搭載し、従前から存在する汎用的なハードウェア構成で実現できる。すなわち、ゲートウェイ装置10は、図2に示したようにCPU31、ROM32、RAM33、ハードディスクドライブ(HDD)34、通信手段として設けられ、外部ネットワーク接続用の外部ネットワークインタフェース(IF)35及び内部ネットワーク接続用の内部ネットワークインタフェース(IF)36を内部バス37に接続して構成される。なお、図示していないが、環境設定等のためにコンピュータを接続可能なインタフェースを設けてもよい。
【0031】
図3は、本実施の形態におけるゲートウェイ装置10のブロック構成図である。なお、本実施の形態において説明に用いない構成要素に関しては図から省略している。本実施の形態におけるゲートウェイ装置10は、上位通信部11、下位通信部12、中継部13、応答判断部14、コマンド記憶部21、判断規則記憶部22及び応答規則記憶部23を有している。上位通信部11、下位通信部12及び中継部13は、データ中継手段として設けられており、サーバ2から送信されてきた機器4からのデータ取得要求に応じて、機器4にデータの取得を要求し、その要求に対して機器4から応答されてきたデータをサーバ2へ送信する。このうち、上位通信部11は、外部ネットワーク6を介してサーバ2との間でデータ通信を行う。下位通信部12は、内部ネットワーク7を介して機器4との間でデータ通信を行う。
【0032】
サーバ2の通信プロトコルと機器4の通信プロトコルとは必ずしも同じでない。そこで、中継部13は、サーバ2の通信プロトコルに準じたコマンドを機器4の通信プロトコルに準じたコマンドに変換するなどして機器用のコマンドを生成するコマンド生成部131と、機器4の通信プロトコルに準じた応答メッセージをサーバ2の通信プロトコルに準じた応答メッセージに変換するなどして、サーバ2からのデータ取得要求に対する応答メッセージを生成する応答生成部132と、応答判断部14からの指示に応じてコマンド生成部131あるいは応答生成部132にコマンド等を生成させるよう実行制御する生成制御部133と、を有する。
【0033】
応答判断部14は、応答制御手段として設けられ、サーバ2からのデータ取得要求により指定されたデータが機器4から送信されてこない場合、中継部13に、データ取得要求により指定されたデータが機器4から送信されてくるまで機器4に更なるデータの送信を要求させ、データ取得要求により指定されたデータが機器4から送信されてきてはじめてデータ取得要求により指定されたデータをサーバ2へ送信させるよう指示する。なお、本実施の形態における機器4は、中継部13からのデータ取得要求に応じて、1又は複数のデータを表示するためのウェブページ(HTML(HyperText Markup Language)文書)を応答メッセージとして返信するが、本実施の形態では、上記のように機器4がゲートウェイ装置10へ送信するのは単に「データ」と簡略して説明する場合もある。
【0034】
図4は、本実施の形態におけるコマンド記憶部21に予め設定されているコマンド情報の一例を示した図である。コマンド情報には、サーバ2の通信プロトコルに準じたコマンドを識別する上位コマンド番号、当該コマンドにおけるサブ番号及び当該コマンドを機器4の通信プロトコルに準じたコマンドに変換するためのコマンド雛形が含まれている。コマンド生成部131は、このコマンド情報を参照して機器用のコマンドの変換、生成を行う。
【0035】
図5は、本実施の形態における判断規則記憶部22に予め設定されている判断規則情報の一例を示した図である。判断規則情報には、前述した上位コマンド番号及びサブ番号、機器4から送信されてくる応答メッセージの構文により表される判断規則、次処理及び次サブ番号が含まれている。各項目の詳細については動作と合わせて説明する。応答判断部14は、この判断規則情報を参照して機器4から受け取ったデータ(応答メッセージ)を解析し、機器4から別のデータを取得するか、あるいは取得したデータをサーバ2へ送信するかを判断して中継部13に次の処理を指示する。
【0036】
図6は、本実施の形態における応答規則記憶部23に予め設定されている応答規則情報の一例を示した図である。応答規則情報には、前述した上位コマンド番号、当該コマンドに対する応答メッセージの雛形(応答雛形)が含まれている。応答生成部132は、この応答規則情報を参照して機器4から送信されてきたデータを含む応答メッセージをサーバ2の通信プロトコルに準じた応答メッセージに変換することで生成する。
【0037】
ゲートウェイ装置10における各構成要素11〜14は、ゲートウェイ装置10に搭載されたコンピュータと、コンピュータに搭載されたCPU31で動作するプログラムとの協調動作により実現される。また、各記憶部21〜23は、ゲートウェイ装置10に搭載されたHDD34にて実現される。あるいは、RAM33又は外部にある記憶手段をネットワーク経由で利用してもよい。
【0038】
また、本実施の形態で用いるプログラムは、通信手段により提供することはもちろん、CD−ROMやUSBメモリ等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して提供することも可能である。通信手段や記録媒体から提供されたプログラムはコンピュータにインストールされ、コンピュータのCPUがプログラムを順次実行することで各種処理が実現される。
【0039】
次に、本実施の形態における動作について説明する。ここでは、サーバ2が機器4に保存されているデータID=256で識別される信号データを取得する場合を例にして説明する。
【0040】
サーバ2は、データID=256の信号データを取得するためにデータ取得要求としてコマンド“GET/signal?no=256 HTTP/1.1”をゲートウェイ装置10へ送信する。なお、このコマンドに含まれる“256”はデータIDを示している。以下、コマンドを受信したゲートウェイ装置10における処理全体の概要について図7に示したフローチャートを用いて説明する。
【0041】
ゲートウェイ装置10における上位通信部11がサーバ2から送信されてきたコマンドを受信すると(ステップ100)、中継部13におけるコマンド生成部131は、コマンド記憶部21に設定されたコマンド情報を参照して、受信したコマンドを機器4の通信プロトコルに準じたコマンドに変換することで機器用のコマンドを生成する(ステップ200)。下位通信部12は、中継部13において生成されたコマンドを機器4に送信することで、サーバ2により要求されたデータの送信を要求する(ステップ300)。機器4は、コマンドを実行することで取得したデータ(実行結果)をゲートウェイ装置10へ送信する。具体的には、機器4は、ゲートウェイ装置10からの要求に応じてデータを画面表示するためのウェブページを送信することになる。
【0042】
下位通信部12が機器4から送信されてきたデータを取得すると(ステップ400)、応答判断部14は、判断規則記憶部22に記憶された判断規則を参照して、受信したデータを解析し、次に実施すべき処理を決定する(ステップ500)。決定した処理が機器4からのデータ取得の場合、すなわち、サーバ2により要求されたデータ(データID=256のデータ)が機器4から取得したデータの中に含まれていない場合(ステップ600でN)、応答判断部14は、中継部13における生成制御部133に機器4からのデータ取得を指示する。生成制御部133は、応答判断部14からの指示に応じてコマンド生成部131にコマンドの生成を指示する。コマンド生成部131は、この指示に応じて機器4からデータを取得するためのコマンドを生成する(ステップ200)。なお、上記ステップ200〜500は、サーバ2により要求されたデータが機器4から取得できるまで繰り返し実行される。
【0043】
一方、決定した処理がサーバ2への応答の場合、すなわち、サーバ2により要求されたデータが機器4から取得したデータの中に含まれていた場合(ステップ600でY)、応答判断部14は、中継部13における生成制御部133にサーバ2へのデータ送信のための応答メッセージの生成を指示する。生成制御部133は、応答判断部14からの指示に応じて応答生成部132に応答メッセージの生成を指示する。応答生成部132は、この指示に応じて応答規則記憶部23に記憶された応答規則情報を参照して、当該データをサーバ2へ送信するための応答メッセージを生成する(ステップ700)。そして、上位通信部11は、応答生成部132により生成されたコマンドをサーバ2へ送信する(ステップ800)。このようにして、ゲートウェイ装置10は、サーバ2からのデータ取得要求に応じて、要求されたデータを送信する。
【0044】
以上がゲートウェイ装置10における処理の概要であるが、次に、ステップ200を実施するコマンド生成部131におけるコマンド変換処理の詳細について図8に示したフローチャートを用いて説明する。
【0045】
上位通信部11が受信したコマンドを受け取ると(ステップ201)、コマンド生成部131は、まず、コマンドの生成に用いる各種変数を適宜初期化する(ステップ203)。コマンド生成時における初期化規則を図9に示す。コマンド生成部131は、信号データの取得要求に対しては、サブ番号=1、pp(ページ番号)=1、そして変数noを“256”で初期化する。警報データを取得するためのコマンド“GET/alarm?no=x HTTP/1.1”に対しても信号データと同様の初期化を実施する。なお、図9に示した変数dataは、“GET/startstop?no=x&data=y HTTP/1.1”というフォーマット(構文)で表される制御用のコマンドに含まれている。
【0046】
続いて、コマンド生成部131は、コマンド記憶部21を参照し、受け取ったコマンド“GET/signal?no=256 HTTP/1.1”を解析することで“signal”という上位コマンドに該当するコマンドであることを特定すると、上位コマンド番号=1、サブ番号=1及びコマンド雛形を取得する(ステップ204)。なお、この例では、初期値及びステップ204で取得したサブ番号は共に1であるが、初期値を、取得したサブ番号で更新する。そして、コマンド生成部131は、コマンド雛形に変数を代入することで機器用のコマンドを生成する(ステップ205)。具体的には、“/kanrilist?page=1”と生成する。
【0047】
なお、コマンド生成部131は、前述したように上位通信部11がサーバ2からのコマンドを受信した場合と、応答判断部14からの指示に応じて処理を実行するが、後者の処理については追って説明する。また、ステップ204においてコマンド生成部131により取得されたデータは、RAM33等に記憶し、ゲートウェイ装置10における他の構成要素からも参照可能に保持しておく。
【0048】
下位通信部12が以上のようにして生成されたコマンドを機器4に送信すると(ステップ300)、機器4は、内部に蓄積しているデータの中からコマンドにより指定されたデータを抽出して返信する。本実施の形態における機器4は、内部に保持しているデータそれぞれに識別情報(データID)を割り当てて管理している。そして、データをページ(グループ)単位に提供する。本実施の形態における機器4は、データをデータIDの順番に並べ、1ページに100データが含まれるようにページ画面を生成する。ここでは、コマンドにページ番号=1が設定されているので、機器4は、1ページ目に含まれるデータ、すなわちデータID=1〜100のデータを抽出し、そのデータを含むウェブページを応答メッセージとしてゲートウェイ装置10へ送信することになる。ゲートウェイ装置10は、機器4からデータをグループ単位に取得するが、このグループというのは、機器4が生成するページと同義である。
【0049】
送信したコマンドに対する実行結果を含む応答メッセージを下位通信部12が機器4から取得すると(ステップ400)、応答判断部14は、次に処理すべき処理を決定する(ステップ500)。以下、ステップ500を実施する応答判断部14における応答判断処理の詳細について図10に示したフローチャートを用いて説明する。なお、サーバ2から送られてきたコマンドがサブ番号=2のときのstartstopコマンドの場合にはステップ500,600は実行する必要がないので、この処理は実行されない。
【0050】
応答判断部14は、まずコマンド生成部131が取得した上位コマンド番号及びサブ番号を取得し(ステップ501)、この上位コマンド番号及びサブ番号で判断規則記憶部22を検索することで上位コマンド及びサブ番号の組に対応する判断規則情報を取得する(ステップ502)。そして、後述する変数“next”の初期値として、判断規則情報に含まれる次処理の設定値を設定する(ステップ503)。信号データを取得するこの例では、“request”が設定される。なお、応答判断部14が取り扱う変数を図11に示している。
【0051】
ところで、機器4からのデータは、図5に示した判断規則情報に含まれる判断規則に示したフォーマットに従って送られてくる。例えば、信号データは、“kanriid=“no”&shingou=“signal””という構文に従い記載されて送られてくる。本実施の形態の場合、1ページ内に100データが含まれているので、機器4からは、“kanriid=“1”&shingou=“12.3””から“kanriid=“100”&shingou=“45.6””までの100データがリスト形式でまとめて送られてくる。なお、shingouに対応付けされるデータ値“12.3”と“45.6”は一例である。
【0052】
ここで、応答判断部14は、サーバ2から送られてきた取得対象のデータ(データID=256)と、機器4から取得した100データそれぞれの“no”に設定されたデータIDとを比較する。
【0053】
ここでは、ゲートウェイ装置10は、データID=1〜100のデータを取得していることになるので、取得対象のデータ(データID=256)と合致するデータが機器4から取得したデータに含まれていない。この場合(ステップ504でN)、応答判断部14は、機器4からのデータ取得が継続して実行可能かどうかを判断する。例えば、機器4が保持している全ページをすでに取得した場合や、機器4から今までと異なる構文(図5に示した判断規則)のHTML文書が送信されてきた場合などは、継続して実行することはできない。継続して実行できないと判断した場合(ステップ507でN)、応答判断部14は、正常に処理できないことを示す“NG”を変数responsecodeに、、サーバ2へ応答する旨の“response”を変数nextに、それぞれ設定する(ステップ510)。そして、応答判断部14は、生成制御部133に対して、応答生成部132による応答メッセージの生成を指示する(ステップ511)。
【0054】
一方、機器4からのデータ取得を継続して実行できると判断した場合(ステップ507でY)、応答判断部14は、正常に処理できたことを示す“OK”を変数responsecodeに設定する(ステップ508)。なお、機器4へデータ取得を要求する旨の“request”は変数nextに初期設定済みである。ここでは、ゲートウェイ装置10は、データID=1〜100のデータを取得しているので、変数responsecodeには“OK”が、変数nextには“request”が、それぞれ設定されている。そして、応答判断部14は、生成制御部133に対して、コマンド生成部131によるコマンドの生成を指示する(ステップ509)。
【0055】
図8において、生成制御部133が応答判断部14からコマンドの生成の指示を受けた場合(ステップ201,202でN)、コマンド生成部131は、変数ppに1加算することで取得するページ番号を更新する(ステップ206)。そして、コマンド生成部131は、コマンド雛形に変数を代入することで機器用のコマンドを生成する(ステップ205)。具体的には、“/kanrilist?page=2”と、2ページ目に含まれるデータを取得するためのコマンドを生成する。
【0056】
下位通信部12がコマンドを機器4に送信し、その送信されたコマンドによって機器4が得たデータ(実行結果)をゲートウェイ装置10に送信する処理(ステップ300,400)は上記と同様なので説明を省略するが、ここでは、ゲートウェイ装置10は、データID=101〜200のデータを取得することになる。また、データID=101〜200のデータには、取得対象のデータ(データID=256)と合致するデータが含まれていないので、応答判断部14は、前述したデータID=1〜100のデータを取得した場合と同じ処理を行う。この場合の処理の説明は省略する。
【0057】
そして、図8において、生成制御部133が応答判断部14からコマンドの生成の指示を受けた場合(ステップ201,202でN)、コマンド生成部131は、変数ppに1加算することでページ番号を更新することで(ステップ206)、“/kanrilist?page=3”という機器用のコマンドを生成する(ステップ205)。
【0058】
このようにして、ゲートウェイ装置10がデータID=201〜300のデータを機器4から取得すると、この取得したデータの中には取得対象のデータ(データID=256)と合致するデータが含まれている。この場合(ステップ504でY)、応答判断部14は、サーバ2への応答に必要な各変数に値を設定する(ステップ505)。この例のように取得対象のデータが信号データの場合、受信結果のkanriidに設定されたno(データID、この例では、256)を変数noに、受信結果のshingouに設定されたsignal(データID=256のデータ値)を変数signalに、正常に処理できたことを示す“OK”を変数responsecodeに、そして、サーバ2へ応答する旨の“response”を変数nextに、それぞれ設定する。そして、応答判断部14は、生成制御部133に対して、応答生成部132による応答メッセージの生成を指示する(ステップ506)。
【0059】
サーバ2に応答メッセージを送信する場合(ステップ600でY)、換言すると変数nextに“response”が設定されている場合、応答生成部132は、応答メッセージを生成するが(ステップ700)、この応答生成部132における応答生成処理について図12に示したフローチャートを用いて説明する。
【0060】
応答生成部132は、コマンド生成部131が抽出している上位コマンド番号に基づき応答規則記憶部23を検索することで応答雛形を取得する(ステップ701)。そして取得した雛形の各変数に応答判断部14により設定された値をそれぞれ設定することでサーバ2へ送信する応答メッセージを生成する(ステップ702)。本実施の形態において例示している信号データの場合、サーバ2からのデータ取得要求に対し、データID=256のデータ値が“23.4”の場合、応答生成部132は、“responsecode=OK&no=256&result=23.4”という応答メッセージを生成する。
【0061】
そして、上位通信部11は、サーバ2からのデータ取得要求に対して応答生成部132により生成された応答メッセージを送信する(ステップ800)。
【0062】
本実施の形態によれば、以上のようにしてサーバ2からのデータ取得要求に応じて要求されたデータを送信する。前述した例のようにデータID=256のデータを取得対象とした場合、従来においては、サーバ2はデータID=1〜100,101〜200に対するウェブ画面がゲートウェイ装置10から送られてくるので、これらに対応する必要があった。すなわち、取得対象のデータを取得するまでにゲートウェイ装置10との間で3回情報の授受を行う必要があった。
【0063】
これに対し、本実施の形態においては、サーバ2は、データ取得要求をしてから取得対象のデータを取得するまでの間に何の対応もする必要がない。すなわち、送信したデータ取得要求に対してダイレクトに取得対象のデータを取得することができる。これにより、サーバ2は、従来に比してデータを取得するのにかかる負荷を軽減できる。また、サーバ2が取得対象のデータを取得するまでの間にサーバ2とゲートウェイ装置10との間で何のデータ通信も発生しないので、従来に比して外部ネットワーク6にかかる負荷を軽減することができる。
【0064】
実施の形態2.
上記実施の形態1では、機器4は、HTMLで記載された文書をゲートウェイ装置10へ送信し、ゲートウェイ装置10における応答判断部14がその文書を解析し、サーバ2により要求されたデータが取得できていないときにはコマンド生成部131にデータ取得のコマンドを再度生成させるようにした。本実施の形態では、機器4が動的コンテンツの一例としてスクリプトを送信する場合を例にして説明する。
【0065】
図13は、本実施の形態におけるゲートウェイ装置10のブロック構成図である。なお、実施の形態1と同じ構成要素には同じ符号を付け説明を適宜省略する。本実施の形態におけるゲートウェイ装置10は、実施の形態1にページ処理部15を追加した構成を有している。ページ処理部15は、動的コンテンツ処理手段として設けられ、機器4がデータを、ウェブページを動的に生成するための動的コンテンツに含めて送信する場合、前記機器から送信されてきた動的コンテンツを処理する。なお、本実施の形態におけるハードウェア構成及び各構成要素における処理は、以下に説明する以外は実施の形態1と同じでよいので説明を省略する。
【0066】
続いて、本実施の形態における動作について説明すると、サーバ2からのデータ取得要求に応じてコマンド生成部131が生成したコマンドを機器4へ送るところまでは実施の形態1と同じでよい。本実施の形態では、機器4がコマンドの実行結果をスクリプトで返す場合である。この場合、下位通信部12が機器4からスクリプトを受信すると、ページ処理部15は、そのスクリプトを処理して機器4から取得したデータを表示するウェブページを生成して仮想的に表示する。
【0067】
応答判断部14は、仮想的に表示された内容を参照して、サーバ2から要求されたデータが表示されているかを確認する。そして、表示されていないと判断した場合、換言すると機器4からのスクリプトに、データ取得要求により指定されたデータが含まれていない場合、ウェブページ上の「次へ」ボタンを選択することをページ処理部15に指示する。ページ処理部15は、この指示に応じてボタン操作を行うことで、その操作指示を下位通信部12を介して機器4へ送信する。これをサーバ2から要求されたデータが表示されるまで繰り返し実行する。そして、サーバ2から要求されたデータが画面表示されると、換言するとサーバ2から要求されたデータを機器4から取得できた後の処理は実施の形態1と同じでよいので説明を省略する。
【0068】
なお、本実施の形態では、ページ処理部15にスクリプトを処理させることによってウェブページを仮想的に生成させるようにしたが、スクリプトの構文を解析してサーバ2から要求されたデータの有無を確認するようにしてもよい。また、本実施の形態では、データ取得要求により指定されたデータをスクリプトに直接含める場合を想定したが、スクリプトに含まれているデータをスクリプトに含まれている計算式に代入し算出するなどしてもデータ取得要求により指定されたデータを間接的に得るようにしてもよい。いずれにしても、本実施の形態では、データ取得要求により指定されたデータがスクリプトから取得できるまで機器4に更なるデータの送信を要求させることになる。また、本実施の形態では、動的コンテンツとしてスクリプトを例にして説明したが、FLASH(登録商標)やHTML(HyperText Markup Language)5などを用いてもよい。
【0069】
実施の形態3.
上記各実施の形態では、応答判断部14が機器4から送信されてくるウェブ画面(HTML文書)を解析することによってサーバ2により要求されたデータが送信されてきたかを判断している。ただ、機器4が送信するウェブ画面(HTML文書)の構文の変更等機器4とやり取りする際の仕様が変更されると、応答判断部14は、HTML文書の解析を正常に行うことができなってしまう可能性が生じてくる。そこで、本実施の形態においては、このような仕様の変更にも対応できるようにしたことを特徴としている。
【0070】
図14は、本実施の形態におけるゲートウェイ装置10のブロック構成図である。なお、実施の形態1と同じ構成要素には同じ符号を付け説明を適宜省略する。本実施の形態におけるゲートウェイ装置10は、実施の形態1に更新データ取得部16を追加した構成を有している。更新データ取得部16は、更新手段として設けられ、機器4とデータをやり取りする際の仕様が変更された場合に変更後の仕様に関する情報を取得して判断規則記憶部22に記憶された仕様に関する情報を更新する。なお、本実施の形態におけるハードウェア構成及び各構成要素における処理は、以下に説明する以外は実施の形態1と同じでよいので説明を省略する。
【0071】
続いて、本実施の形態における動作について説明すると、例えば機器4が送信するHTML文書の仕様が変更されたことにより、応答判断部14がHTML文書を正常に解析できなくなったとする。これは、図10におけるステップ507において次の処理の実行が不可能な場合に該当する。実施の形態1では、異常が発生したとして応答判断部14は処理を終了するが、本実施の形態では、更新データ取得部16にその旨を伝える。そして、更新データ取得部16は、サーバ2に最新の仕様情報の送信を要求する。なお、データセンター1では、ビル3の機器4においてウェブ画面の仕様が変更されていることを事前に認識しており、その変更後の最新のウェブ画面に対応した仕様情報を保持している。従って、サーバ2は、更新データ取得部16からの送信要求に応じて機器4の仕様情報をゲートウェイ装置10へ送信する。
【0072】
サーバ2から送信されてきた仕様情報を取得すると、更新データ取得部16は、その仕様情報で判断規則記憶部22に記憶されている判断規則情報、具体的には判断規則に設定されている構文を更新する。判断規則情報が更新されたことを認識すると、応答判断部14は、図10におけるステップ504から処理を継続して実行する。
【0073】
本実施の形態によれば、以上のようにして機器4が送信するウェブ画面の仕様が変更された場合にも自動的に対応することが可能である。
【0074】
なお、本実施の形態では、機器4が送信するHTML文書の変更に着目して説明したが、機器4の通信プロトコルのバージョンアップや変更等が実施された場合、更新データ取得部16は、サーバ2からその変更後の通信プロトコルに関する仕様情報を取得して、判断規則記憶部22のみならず、必要に応じてコマンド記憶部21に設定されているコマンド雛形を更新するようにしてもよい。なお、サーバ2の通信プロトコルの仕様が変更された場合もサーバ2と機器4との間のデータ通信が継続してできるように、更新データ取得部16は、応答規則記憶部23に設定されている応答雛形を適宜変更する。
【0075】
本実施の形態によれば、以上説明したように、サーバ2が要求するデータを、サーバ2及び外部ネットワーク6に負荷をかけることなくサーバ2に提供することができる。上記各実施の形態においては、ゲートウェイ装置10を設備5の監視、管理のためのビル監視システム等のデータ通信システムに適用した場合を例にして説明したが、他の目的のデータ通信システムに適用してもい。
【符号の説明】
【0076】
1 データセンター、2 サーバ、3 ビル、4 機器、5 設備、6 外部ネットワーク、7 内部ネットワーク、10 ゲートウェイ装置、11 上位通信部、12 下位通信部、13 中継部、14 応答判断部、15 ページ処理部、16 更新データ取得部、21 コマンド記憶部、22 判断規則記憶部、23 応答規則記憶部、31 CPU、32 ROM、33 RAM、34 ハードディスクドライブ(HDD)、35 外部ネットワークインタフェース(IF)、36 内部ネットワークインタフェース(IF)、37 内部バス、131 コマンド生成部、132 応答生成部、133 生成制御部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14