【実施例】
【0051】
以下、本発明について、実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0052】
《製造例1:負極活物資用酸化物=Li
4Ti
5O
12》
[実施例1]
アナターゼ型TiO
2(関東化学(株)製) 1.768kg、Li
2CO
3(関東化学(株)製) 0.654kg、及びエタノール(関東化学(株)製、粉砕助剤) 6gを混合し、ボールミルで4時間粉砕した後、大気雰囲気下、800℃で10時間焼成してLi
4Ti
5O
12(平均粒子径100nm)を得た。
得られたLi
4Ti
5O
12を99.85g分取し、これにグラファイト(高純度黒鉛粉末、日本黒鉛工業(株)製) 0.15g(負極活物質中における炭素原子換算量で0.15質量%に相当)を添加してボールミルにより乾式で混合した。得られた複合体A
1に対し、ノビルタNOB130(ホソカワミクロン社製)を用いて40m/s(6000rpm)で5分間、複合化処理を行って複合体A
2を得た。得られた複合体A
2を10g分取し、これにグルコース(無水結晶ぶどう糖、日本食品化工(株)製) 0.037g(負極活物質中における炭素原子換算量で0.15質量%に相当)及び水 10gを添加し、混合して80℃で12時間乾燥を行った後、還元雰囲気下で750℃、1時間焼成して、二次電池用酸化物系負極活物質(Li
4Ti
5O
12/C、炭素量0.3質量%)を得た。
【0053】
[実施例2]
実施例1において焼成により得られたLi
4Ti
5O
12を97.5g分取し、これにグラファイト 2.5g(負極活物質中における炭素原子換算量で2.5質量%に相当)を添加してボールミルにより乾式で混合した。得られた複合体B
1に対し、実施例1と同様に複合化処理を行って複合体B
2を得た。得られた複合体B
2を10g分取し、これにグルコース 0.617g(負極活物質中における炭素原子換算量で2.5質量%に相当)及び水 10gを添加した後、実施例1と同様に焼成して、二次電池用酸化物系負極活物質(Li
4Ti
5O
12/C、炭素量5.0質量%)を得た。
【0054】
[実施例3]
実施例1において焼成により得られたLi
4Ti
5O
12を94.0g分取し、これにグラファイト 6.0g(負極活物質中における炭素原子換算量で6.0質量%に相当)を添加してボールミルにより乾式で混合した。得られた複合体C
1に対し、実施例1と同様に複合化処理を行って複合体C
2を得た。得られた複合体C
2を10g分取し、これにグルコース 1.5g(負極活物質中における炭素原子換算量で6.0質量%に相当)及び水 10gを添加した後、実施例1と同様に焼成して、二次電池用酸化物系負極活物質(Li
4Ti
5O
12/C、炭素量12.0質量%)を得た。
【0055】
[実施例4]
実施例1において焼成により得られたLi
4Ti
5O
12を1000g分取し、水 2000gとともに混合した後、グルコース 3.7g(負極活物質中における炭素原子換算量で0.15質量%に相当)を添加し、懸濁液D
1を得た。
得られた懸濁液D
1を噴霧乾燥して、複合体D
1(粉末)を得た後、これを99.85g分取し、グラファイト 0.15g(負極活物質中における炭素原子換算量で0.15質量%に相当)とともにボールミルにより乾式で混合して、複合体D
2を得た。得られた複合体D
2に対し、ノビルタNOB130を用いて40m/s(6000rpm)で5分間、複合化処理を行って複合体D
3を得た後、還元雰囲気下で750℃、1時間焼成して、二次電池用酸化物系負極活物質(Li
4Ti
5O
12/C、炭素量0.3質量%)を得た。
【0056】
[実施例5]
グルコースの添加量を61.7g(負極活物質中における炭素原子換算量で2.5質量%に相当)とした以外、実施例4と同様にして懸濁液E
1を得た後、噴霧乾燥して、複合体E
1(粉末)を得た。次いで、これを97.5g分取し、グラファイト 2.5g(負極活物質中における炭素原子換算量で2.5質量%に相当)と共に、複合化処理を行った以外、実施例4と同様にして、二次電池用酸化物系負極活物質(Li
4Ti
5O
12/C、炭素量5.0質量%)を得た。
【0057】
[実施例6]
グルコースの添加量を148.0g(負極活物質中における炭素原子換算量で6.0質量%に相当)とした以外、実施例4と同様にして懸濁液F
1を得た後、噴霧乾燥して、複合体F
1(粉末)を得た。次いで、これを94.0g分取し、グラファイト 6.0g(負極活物質中における炭素原子換算量で6.0質量%に相当)と共に、複合化処理を行った以外、実施例4と同様にして、二次電池用酸化物系負極活物質(Li
4Ti
5O
12/C、炭素量12.0質量%)を得た。
【0058】
[比較例1]
実施例1において焼成により得られたLi
4Ti
5O
12を95.0g分取し、これにグラファイト 5.0g(負極活物質中における炭素原子換算量で5.0質量%に相当)を添加してボールミルにより乾式で混合した。得られた複合体a
1に対し、実施例1と同様に複合化処理を行って複合体a
2を得た後、還元雰囲気下で750℃、一時間焼成して、二次電池用酸化物系負極活物質(Li
4Ti
5O
12/C、炭素量5.0質量%)を得た。
【0059】
[比較例2]
実施例1において焼成により得られたLi
4Ti
5O
12を1000g分取し、水 2000gとともに混合した後、グルコース 123.3g(負極活物質中における炭素原子換算量で5.0質量%に相当)を添加し、懸濁液b
1を得た。
得られた懸濁液b
1を噴霧乾燥して、複合体b
1(粉末)を得た後、これを還元雰囲気下で750℃、1時間焼成して、二次電池用酸化物系負極活物質(Li
4Ti
5O
12/C、炭素量5.0質量%)を得た。
【0060】
[比較例3]
実施例1において焼成により得られたLi
4Ti
5O
12を90.0g分取し、これにグラファイト 10.0g(負極活物質中における炭素原子換算量で10.0質量%に相当)を添加してボールミルにより乾式で混合した。得られた複合体c
1に対し、実施例1と同様に複合化処理を行って複合体c
2を得た。得られた複合体c
2を10g分取し、これにグルコース 2.5g(負極活物質中における炭素原子換算量で10.0質量%に相当)及び水 10gを添加した後、実施例1と同様に焼成して、二次電池用酸化物系負極活物質(Li
4Ti
5O
12/C、炭素量20.0質量%)を得た。
【0061】
[比較例4]
グルコースの添加量を246.8g(負極活物質中における炭素原子換算量で10.0質量%に相当)とした以外、実施例4と同様にして懸濁液d
1を得た後、噴霧乾燥して、複合体d
1(粉末)を得た。次いで、これを90.0g分取し、グラファイト 10.0g(負極活物質中における炭素原子換算量で10.0質量%に相当)と共に、複合化処理を行った以外、実施例4と同様にして、二次電池用酸化物系負極活物質(Li
4Ti
5O
12/C、炭素量20.0質量%)を得た。
【0062】
《製造例2:負極活物資用酸化物=Ti
2Nb
10O
29》
[実施例7]
500mLポリ容器に、アナターゼ型TiO
2(関東化学(株)製) 12.162g、Nb(OH)
5(H.C.Starck製) 144.44g、及び水100gと共にφ3mmのジルコニアボール 1300gを入れ、混合・粉砕処理を24時間行った。その後、湿式ふるいでジルコニアボールを洗浄、及び除去した後、フィルタープレスで固液分離した。得られたケーキは、−50℃で12時間凍結乾燥した。得られた固体を大気雰囲気下、1100℃で12時間焼成し、Ti
2Nb
10O
29を得た。
得られたTi
2Nb
10O
29を99.85g分取し、これにグラファイト0.15g(負極活物質中における炭素原子換算量で0.15質量%に相当)を添加してボールミルにより乾式で混合した。得られた複合体G
1に対し、ノビルタNOB130を用いて40m/s(6000rpm)で5分間、複合化処理を行って複合体G
2を得た。得られた複合体G
2を10g分取し、これにグルコース 0.037g(負極活物質中における炭素原子換算量で0.15質量%に相当)及び水 10gを添加し、混合して80℃で12時間乾燥を行った後、還元雰囲気下で750℃、1時間焼成して、二次電池用酸化物系負極活物質(Ti
2Nb
10O
29/C、炭素量0.3質量%)を得た。
【0063】
[実施例8]
実施例7において焼成により得られたTi
2Nb
10O
29を97.5g分取し、グラファイト 2.5g(負極活物質中における炭素原子換算量で2.5質量%に相当)とともにボールミルより乾式で混合した以外、実施例7と同様にして複合化処理を行って複合体H
1を得た。次いで、得られた複合体H
1を10g分取し、添加するグルコースを0.617g(負極活物質中における炭素原子換算量で2.5質量%に相当)とした以外、実施例7と同様にして、二次電池用酸化物系負極活物質(Ti
2Nb
10O
29/C、炭素量5.0質量%)を得た。
【0064】
[実施例9]
実施例7において焼成により得られたTi
2Nb
10O
29を94.0g分取し、グラファイト 6.0g(負極活物質中における炭素原子換算量で6.0質量%に相当)とともにボールミルより乾式で混合した以外、実施例7と同様にして複合化処理を行って複合体I
1を得た。次いで、得られた複合体I
1を10g分取し、添加するグルコースを1.5g(負極活物質中における炭素原子換算量で6.0質量%に相当)とした以外、実施例7と同様にして、二次電池用酸化物系負極活物質(Ti
2Nb
10O
29/C、炭素量12.0質量%)を得た。
【0065】
[実施例10]
実施例7において焼成により得られたTi
2Nb
10O
29を1000g分取し、水 2000gとともに混合した後、グルコース 3.7g(負極活物質中における炭素原子換算量で0.15質量%に相当)を添加して懸濁液水J
1を得た。
得られた懸濁液J
1を噴霧乾燥して、複合体J
1(粉末)を得た後、これを99.85g分取し、グラファイト 0.15g(負極活物質中における炭素原子換算量で0.15質量%に相当)とともにボールミルにより乾式で混合して、複合体J
2を得た。得られた複合体J
2に対し、ノビルタNOB130を用いて40m/s(6000rpm)で5分間、複合化処理を行って複合体J
3を得た後、還元雰囲気下で750℃、1時間焼成して、二次電池用酸化物系負極活物質(Ti
2Nb
10O
29/C、炭素量0.3質量%)を得た。
【0066】
[実施例11]
グルコースの添加量を61.7g(負極活物質中における炭素原子換算量で2.5質量%に相当)とした以外、実施例10と同様にして懸濁液K
1を得た後、噴霧乾燥して、複合体K
1(粉末)を得た。次いで、これを97.5g分取し、グラファイト 2.5g(負極活物質中における炭素原子換算量で2.5質量%に相当)と共に、複合化処理を行った以外、実施例10と同様にして、二次電池用酸化物系負極活物質(Ti
2Nb
10O
29/C、炭素量5.0質量%)を得た。
【0067】
[実施例12]
グルコースの添加量を148.0g(負極活物質中における炭素原子換算量で6.0質量%に相当)とした以外、実施例10と同様にして懸濁液L
1を得た後、噴霧乾燥して、複合体L
1(粉末)を得た。次いで、これを94.0g分取し、グラファイト 6.0g(負極活物質中における炭素原子換算量で6.0質量%に相当)と共に、複合化処理を行った以外、実施例10と同様にして、二次電池用酸化物系負極活物質(Ti
2Nb
10O
29/C、炭素量12.0質量%)を得た。
【0068】
[比較例5]
実施例7において焼成により得られたTi
2Nb
10O
29を95.0g分取し、これにグラファイト 5.0g(負極活物質中における炭素原子換算量で5.0質量%に相当)を添加してボールミルにより乾式で混合した。得られた複合体e
1に対し、実施例7と同様に複合化処理を行って複合体e
2を得た後、還元雰囲気下で750℃、一時間焼成して、二次電池用酸化物系負極活物質(Ti
2Nb
10O
29/C、炭素量5.0質量%)を得た。
【0069】
[比較例6]
実施例7において焼成により得られたTi
2Nb
10O
29を1000g分取し、水 2000gとともに混合した後、グルコース 123.3g(負極活物質中における炭素原子換算量で5.0質量%に相当)を添加し、懸濁液f
1を得た。
得られた懸濁液f
1を噴霧乾燥して、複合体f
1(粉末)を得た後、これを還元雰囲気下で750℃、1時間焼成して、二次電池用酸化物系負極活物質(Ti
2Nb
10O
29/C、炭素量5.0質量%)を得た。
【0070】
[比較例7]
実施例7において焼成により得られたTi
2Nb
10O
29を90.0g分取し、これにグラファイト 10.0g(負極活物質中における炭素原子換算量で10.0質量%に相当)を添加してボールミルにより乾式で混合した。得られた複合体g
1に対し、実施例7と同様に複合化処理を行って複合体g
2を得た。得られた複合体g
2を10g分取し、これにグルコース 2.5g(負極活物質中における炭素原子換算量で10.0質量%に相当)及び水 10gを添加した後、実施例7と同様に焼成して、二次電池用酸化物系負極活物質(Ti
2Nb
10O
29/C、炭素量20.0質量%)を得た。
【0071】
[比較例8]
グルコースの添加量を246.8g(負極活物質中における炭素原子換算量で10.0質量%に相当)とした以外、実施例7と同様にして懸濁液h
1を得た後、噴霧乾燥して、複合体h
1(粉末)を得た。次いで、これを90.0g分取し、グラファイト 10.0g(負極活物質中における炭素原子換算量で10.0質量%に相当)と共に、複合化処理を行った以外、実施例10と同様にして、二次電池用酸化物系負極活物質(Ti
2Nb
10O
29/C、炭素量20.0質量%)を得た。
【0072】
《製造例3:負極活物資用酸化物=TiNb
2O
7》
[実施例13]
5Lポリ容器に、アナターゼ型TiO
2(関東化学(株)製) 243.2g、Nb
2O
5(関東化学(株)製)797.4g、及び水1000gと共に、φ1mmのジルコニアボール 13kgを入れ、混合・粉砕処理を24時間行った。その後、湿式ふるいでジルコニアボールを洗浄、及び除去した後、フィルタープレスで固液分離した。得られたケーキ1質量部に対して1質量部の水を添加してスラリーとし、スプレードライ MDL−050M(藤崎電機社製)を用いて造粒体M
1を得た。得られた造粒体M
1を大気雰囲気下、1300℃で12時間焼成し、TiNb
2O
7を得た。
得られたTiNb
2O
7を99.85g分取し、これにグラファイト 0.15g(負極活物質中における炭素原子換算量で0.15質量%に相当)を添加してボールミルにより乾式で混合した。得られた複合体M
1に対し、ノビルタNOB130を用いて40m/s(6000rpm)で5分間、複合化処理を行って複合体M
2を得た。得られた複合体M
2を10g分取し、これにグルコース 0.037g(負極活物質中における炭素原子換算量で0.15質量%に相当)及び水10gを添加し、混合して80℃で12時間乾燥を行った後、還元雰囲気下で750℃、1時間焼成して、二次電池用酸化物系負極活物質(TiNb
2O
7/C、炭素量0.3質量%)を得た。
【0073】
[実施例14]
実施例13において焼成により得られたTiNb
2O
7を97.5g分取し、グラファイト 2.5g(負極活物質中における炭素原子換算量で2.5質量%に相当)とともにボールミルにより乾式で混合した以外、実施例13と同様にして複合化処理を行って複合体N
1を得た。次いで、得られた複合体N
1を10g分取し、添加するグルコースを0.617g(負極活物質中における炭素原子換算量で2.5質量%に相当)とした以外、実施例13と同様にして、二次電池用酸化物系負極活物質(TiNb
2O
7/C、炭素量5.0質量%)を得た。
【0074】
[実施例15]
実施例13において焼成により得られたTiNb
2O
7を94.0g分取し、グラファイト 6.0g(負極活物質中における炭素原子換算量で6.0質量%に相当)とともにボールミルにより乾式で混合した以外、実施例13と同様にして複合化処理を行って複合体O
1を得た。次いで、得られた複合体O
1を10g分取し、添加するグルコースを1.5g(負極活物質中における炭素原子換算量で6.0質量%に相当)とした以外、実施例13と同様にして、二次電池用酸化物系負極活物質(TiNb
2O
7/C、炭素量12.0質量%)を得た。
【0075】
[実施例16]
実施例13において焼成により得られたTiNb
2O
7を1000g分取し、水 2000gとともに混合した後、グルコース 3.7g(負極活物質中における炭素原子換算量で0.15質量%に相当)を添加して懸濁液P
1を得た。
得られた懸濁液P
1を、MDL−050Mを用いて噴霧乾燥して、複合体P
1(粉末)を得た後、これを99.85g分取し、グラファイト 0.15g(負極活物質中における炭素原子換算量で0.15質量%に相当)とともにボールミルにより乾式で混合して、複合体P
2を得た。得られた複合体P
2に対し、ノビルタNOB130を用いて40m/s(6000rpm)で5分間、複合化処理を行って複合体P
3を得た後、還元雰囲気下で750℃、1時間焼成して、二次電池用酸化物系負極活物質(TiNb
2O
7/C、炭素量0.3質量%)を得た。
【0076】
[実施例17]
グルコースの添加量を61.7g(負極活物質中における炭素原子換算量で2.5質量%に相当)とした以外、実施例16と同様にして懸濁液Q
1を得た後、噴霧乾燥して複合体Q
1(粉末)を得た。次いで、これを97.5g分取し、グラファイト 2.5g(負極活物質中における炭素原子換算量で2.5質量%に相当)とともに複合化処理を行った以外、実施例16と同様にして、二次電池用酸化物系負極活物質(TiNb
2O
7/C、炭素量5.0質量%)を得た。
【0077】
[実施例18]
グルコースの添加量を148.0g(負極活物質中における炭素原子換算量で6.0質量%に相当)とした以外、実施例16と同様にして懸濁液R
1を得た後、噴霧乾燥して複合体R
1(粉末)を得た。次いで、これを94.0g分取し、グラファイト 6.0g(負極活物質中における炭素原子換算量で6.0質量%に相当)とともに複合化処理を行った以外、実施例16と同様にして、二次電池用酸化物系負極活物質(TiNb
2O
7/C、炭素量12.0質量%)を得た。
【0078】
[比較例9]
実施例13において焼成により得られたTiNb
2O
7を95.0g分取し、グラファイト 5.0g(負極活物質中における炭素原子換算量で5.0質量%に相当)とともにボールミルにより乾式で混合して、複合体i
1を得た。得られた複合体i
1に対し、ノビルタNOB130を用いて40m/s(6000rpm)で5分間、複合化処理を行って複合体i
2を得た後、還元雰囲気下で750℃、一時間焼成して、二次電池用酸化物系負極活物質(TiNb
2O
7/C、炭量5.0質量%)を得た。
【0079】
[比較例10]
実施例13において焼成により得られたTiNb
2O
7を1000g分取し、水 2000gとともに混合した後、グルコース 123.3g(負極活物質中における炭素原子換算量で5.0質量%に相当)を添加し、懸濁液j
1を得た。
得られた懸濁液j
1を噴霧乾燥して、複合体j
1(粉末)を得た後、これを還元雰囲気下で750℃、1時間焼成して、二次電池用酸化物系負極活物質(TiNb
2O
7/C、炭素量5.0質量%)を得た。
【0080】
[比較例11]
実施例13において焼成により得られたTiNb
2O
7を90.0g分取し、これにグラファイト 10.0g(負極活物質中における炭素原子換算量で10.0質量%に相当)を添加してボールミルにより乾式で混合した。得られた複合体k
1に対し、実施例13と同様に複合化処理を行って複合体k
2を得た。得られた複合体k
2を10g分取し、これにグルコース 2.5g(負極活物質中における炭素原子換算量で10.0質量%に相当)及び水 10gを添加した後、実施例13と同様に焼成して、二次電池用酸化物系負極活物質(TiNb
2O
7/C、炭素量20.0質量%)を得た。
【0081】
[比較例12]
グルコースの添加量を246.8g(負極活物質中における炭素原子換算量で10.0質量%に相当)とした以外、実施例16と同様にして懸濁液m
1を得た後、噴霧乾燥して、複合体m
1(粉末)を得た。次いで、これを90.0g分取し、グラファイト 10.0g(負極活物質中における炭素原子換算量で10.0質量%に相当)と共に、複合化処理を行った以外、実施例16と同様にして、二次電池用酸化物系負極活物質(TiNb
2O
7/C、炭素量20.0質量%)を得た。
【0082】
《製造例4:負極活物資用酸化物=ブルッカイト型TiO
2》
[実施例19]
水 4000gに、硫酸チタニル(キシダ化学(株)製) 2656gを添加した後、50℃に加温しながら、24時間攪拌して溶液S
1を得た。また、水4000gに、シュウ酸二水和物(関東化学(株)製) 633gを添加し、50℃に加温しながら溶解して溶液S
2を得た。次に、溶液S
1に、溶液S
2を10分間かけて滴下した後、90℃に加温しながら12時間攪拌した。得られた沈殿物をフィルタープレスで分離した後、80℃で24時間乾燥してオキシシュウ酸チタンを得た。得られたオキシシュウ酸チタンを、600℃で2時間焼成して、ブルッカイト型TiO
2を得た。
得られたブルッカイト型TiO
2を97.5g分取し、これにグラファイト2.5g(負極活物質中における炭素原子換算量で2.5質量%に相当)を添加してボールミルにより乾式で混合して複合体S
1を得た。得られた複合体S
1に対し、ノビルタNOB130を用いて40m/s(6000rpm)で5分間、複合化処理を行って複合体O
2を得た。得られた複合体O
2を10g分取し、これにグルコース 0.617g(負極活物質中における炭素原子換算量で2.5質量%に相当)及び水 10gを混合して、80℃で12時間乾燥を行った後、還元雰囲気下で750℃、1時間焼成して、二次電池用酸化物系負極活物質(TiO
2/C、炭素量5.0質量%)を得た。
【0083】
[実施例20]
実施例19において焼成により得られたブルッカイト型TiO
2を1000g分取し、水 2000gとともに混合した後、グルコース 61.7g(負極活物質中における炭素原子換算量で2.5質量%に相当)を添加し、懸濁液T
1を得た。
得られた懸濁液T
1を噴霧乾燥して、複合体T
1(粉末)を得た。得られた複合体T
1を97.5g分取し、グラファイト 2.5g(負極活物質中における炭素原子換算量で2.5質量%に相当)とともにボールミルにより乾式で混合して、複合体T
2を得た。得られた複合体T
2に対し、ノビルタNOB130を用いて40m/s(6000rpm)で5分間、複合化処理を行って複合体T
3を得た後、還元雰囲気下で750℃、1時間焼成して、二次電池用酸化物系負極活物質(TiO
2/C、炭素量5.0質量%)を得た。
【0084】
[比較例7]
実施例19において焼成により得られたブルッカイト型TiO
2を95.0g分取し、グラファイト 5.0g(負極活物質中における炭素原子換算量で5.0質量%に相当)とともにボールミルにより乾式で混合して、複合体n
1を得た。得られた複合体n
1に対し、ノビルタNOB130を用いて40m/s(6000rpm)で5分間、複合化処理を行って複合体n
2を得た後、還元雰囲気下で750℃、1時間焼成して、二次電池用酸化物系負極活物質(TiO
2/C、炭素量5.0質量%)を得た。
【0085】
[比較例8]
実施例19において焼成により得られたブルッカイト型TiO
2を1000g分取し、水 2000gとともに混合した後、グルコース 123.3g(負極活物質中における炭素原子換算量で5.0質量%に相当)を添加し、懸濁液o
1を得た。
得られた懸濁液o
1を噴霧乾燥して、複合体o
1(粉末)を得た。得られた複合体o
1を、還元雰囲気下で750℃、1時間焼成して、二次電池用酸化物系負極活物質(TiO
2/C、炭素量5.0質量%)を得た。
【0086】
《製造例5:負極活物資用酸化物=SiO》
[実施例21]
市販のSiO粉末((株)大阪チタニウムテクノロジーズ製) 100gをボールミルで24時間粉砕し、平均粒径200nmのSiO粉末を得た。
得られたSiO 97.5gを分取し、これにグラファイト2.5g(負極活物質中における炭素原子換算量で2.5質量%に相当)を添加してボールミルにより乾式で混合して複合体U
1を得た。得られたU
1に対し、ノビルタNOB130を用いて40m/s(6000rpm)で5分間、複合化処理を行って複合体U
2を得た。得られた複合体U
2を10g分取し、これにグルコース 0.617g(負極活物質中における炭素原子換算量で2.5質量%に相当)及び水 10gを混合して、80℃で12時間乾燥を行った後、還元雰囲気下で750℃、1時間焼成して、二次電池用酸化物系負極活物質(SiO/C、炭素量5.0質量%)を得た。
【0087】
[実施例22]
実施例21において粉砕により得られたSiOを1000g分取し、水 2000gとともに混合した後、グルコース 61.7g(負極活物質中における炭素原子換算量で2.5質量%に相当)を添加し、懸濁液V
1を得た。
得られた懸濁液V
1を噴霧乾燥して、複合体V
1(粉末)を得た。得られたV
1を97.5g分取し、グラファイト 2.5g(負極活物質中における炭素原子換算量で2.5質量%に相当)とともにボールミルにより乾式で混合して、複合体V
2を得た。得られた複合体V
2に対し、ノビルタNOB130を用いて40m/s(6000rpm)で5分間、複合化処理を行って複合体V
3を得た後、還元雰囲気下で750℃、1時間焼成して、二次電池用酸化物系負極活物質(SiO/C、炭素量5.0質量%)を得た。
【0088】
[比較例15]
実施例21において粉砕により得られたSiOを95.0g分取し、グラファイト 5.0g(負極活物質中における炭素原子換算量で5.0質量%に相当)とともにボールミルにより乾式で混合して、複合体p
1を得た。得られた複合体p
1に対し、ノビルタNOB130を用いて40m/s(6000rpm)で5分間、複合化処理を行って複合体p
2を得た後、還元雰囲気下で750℃、1時間焼成して、二次電池用酸化物系負極活物質(SiO/C、炭素量5.0質量%)を得た。
【0089】
[比較例16]
実施例21において粉砕により得られたSiOを1000g分取し、水 2000gとともに混合した後、グルコース 123.3g(負極活物質中における炭素原子換算量で5.0質量%に相当)を添加し、懸濁液q
1を得た。
得られた懸濁液q
1を噴霧乾燥して、複合体q
1(粉末)を得た。得られた複合体q
1を、還元雰囲気下で750℃、1時間焼成して、二次電池用酸化物系負極活物質(SiO/C、炭素量5.0質量%)を得た。
【0090】
《負極活物質のBET比表面積の測定》
測定装置としてアサップ2420((株)島津製作所製)を用い、窒素吸着法により、得られた各負極活物質のBET比表面積を測定した。
結果を表1〜2に示す。
【0091】
《吸着水分量の測定》
得られた各負極活物質を温度20℃、相対湿度50%の環境に1日間静置して平衡に達するまで水分を吸着させ、温度150℃まで昇温して20分間保持した後、さらに温度250℃まで昇温して20分間保持したときの、150℃から昇温を再開するときを始点とし、及び250℃での恒温状態を終えたときを終点とし、始点から終点までの間に揮発した水分量を、カールフィッシャー水分計(京都電子工業(株)製MKC−610)を用いて測定し、負極活物質における吸着水分量として求めた。
結果を表1〜2に示す。
【0092】
《二次電池を用いた充放電特性の評価》
得られた各負極活物質、アセチレンブラック(導電剤)、ポリフッ化ビニリデン(粘結剤)を質量比85:10:5の配合割合で混合し、これにN−メチル−2−ピロリドンを加えて充分混練し、負極スラリーを調製した。
得られた負極スラリーを厚さ10μmの銅箔からなる集電体に塗工機を用いて塗布し、80℃で12時間の真空乾燥を行った。その後、φ14mmの円盤状に打ち抜いてハンドプレスを用いて16MPaで2分間プレスし、負極とした。
次いで、φ15mmに打ち抜いたLi箔を対極とし、電解液としてエチレンカーボネート及びエチルメチルカーボネートを体積比3:7の割合で混合した混合溶媒にLiPF
6を1mol/Lの濃度で溶解したものを用い、セパレータに高分子多孔フィルム(ポリプロピレン製)を用いて、露点が−50℃以下の雰囲気で常法により組み込み収容し、コイン型リチウム二次電池(CR−2032)を製造した。
【0093】
作成した各リチウム二次電池について、気温30℃環境下、充放電試験における上限電圧、下限電圧、及び2通りの充放電レート(レートA及びレートB)を各々表1に示す値に設定し、各レートで50サイクルの繰返し充放電試験を行い、初回放電容量(mAh/g)と50サイクル後の放電容量(mAh/g)を測定し、下記式(2)により容量保持率(%)を求めた。
容量保持率(%)=(50サイクル後の放電容量)/(1サイクル後の放電容量) ×100 ・・・(2)
結果を表1に示す。
なお、これらの値は、数値が大きいほど好ましく、また電池特性への吸着水分量による影響は、より速い充放電レートにおける容量保持率に現れやすい。
【0094】
【表1】
【0095】
【表2】
【0096】
上記結果より、実施例の負極活物質は、比較例の負極活物質に比して、確実に吸着水分量を低減することができるとともに、得られる電池においても優れた性能を発揮できることがわかる。