特許第6138317号(P6138317)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6138317
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年5月31日
(54)【発明の名称】皮膚外用剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/97 20170101AFI20170522BHJP
   A61Q 19/08 20060101ALI20170522BHJP
【FI】
   A61K8/97
   A61Q19/08
【請求項の数】1
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-94496(P2016-94496)
(22)【出願日】2016年5月10日
(62)【分割の表示】特願2012-224699(P2012-224699)の分割
【原出願日】2012年10月10日
(65)【公開番号】特開2016-138148(P2016-138148A)
(43)【公開日】2016年8月4日
【審査請求日】2016年5月10日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000135324
【氏名又は名称】株式会社ノエビア
(72)【発明者】
【氏名】上野 省一
(72)【発明者】
【氏名】宮地 伸幸
【審査官】 岩下 直人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−012445(JP,A)
【文献】 特開平08−092056(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/97
A61Q 19/08
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルテアと、カンゾウ葉抽出物を含有する皮膚外用剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は皮膚外用剤に関する。
【背景技術】
【0002】
加齢、疾患、ストレス、紫外線などによるシワ、シミ、皮膚の弾力低下といった皮膚症状の要因として、乾燥、細胞機能低下、紫外線によるメラニン産生や色素沈着、真皮マトリックス成分の減少や変性、紫外線等による細胞の酸化障害などが挙げられる。このような皮膚症状を防止・改善するために、これまでに様々な有効成分の検索および配合検討がなされてきた。
【0003】
くすみの原因の一つとして、表皮層のしみと共に真皮層の色調変化、すなわち糖とアルブミンやアミノ酸とのシッフ塩基の形成反応である糖化反応(メイラード反応)が考えられている。糖化反応の最終段階で形成されるアドバンスド・グリケーション・エンド・プロダクツ(以下AGEsと略す場合がある)は、蛍光、褐色、架橋形成などを特徴とする物質であり、この現象は、皮膚や生体内の様々な個所で起こる。コラーゲンやエラスチンなどの代謝が遅いタンパク質などがターゲットになり、特にエラスチンのようにアミノ基を側鎖にもつ物質では顕著である。AGEsの生成により、これらのタンパク質は架橋されて変性していく事から、弾力、ハリなどが失われる原因と考えられている。つまり、皮膚でAGEsが生成され蓄積されていくことによって、慢性的に弾力性、ハリがなくなり、またAGEsが褐色であることから、皮膚全体の色が褐変化、あるいは黄色化し、慢性的なくすみにつながる機構が考えられる。
【0004】
皮膚における糖化反応を抑制、あるいは阻害するものとして、スノキ属植物(特許文献1参照)や、ヤマブドウ植物およびカリン植物(特許文献2参照)、ボタン属植物抽出物、タツナミソウ属植物抽出物、セイヨウヤマハッカ属植物抽出物、ヒマワリ属植物抽出物、アロエ属植物抽出物、アマドコロ属植物抽出物、アマ属植物抽出物、バラ属植物抽出物、シナノキ属植物抽出物、カンアオイ属植物抽出物、ドクダミ属植物抽出物、カントウ属植物抽出物、ワレモコウ属植物抽出物、ハッカ属植物抽出物、ニワトコ属植物抽出物(特許文献3参照)などがすでに知られている。
【0005】
このように、抗糖化を目的として、これまでにも種々の成分に関して検討がなされてきた。しかし、生成したAGEsは容易に代謝できないため、産生されたAGEsを減少(脱糖化)させることについては、オリーブ抽出物(特許文献4参照)、ブドレジャアキシラリス葉抽出物(特許文献5参照)、サクラ抽出物など(特許文献6参照)など数件が知られていたが、その効果は十分なものではなかった。
【0006】
また、生成したAGEsは、代謝により対外に排出されるが、加齢や、各種疾患によりその代謝速度が遅くなることが知られている(非特許文献1参照)。これまでその代謝経路が判明していなかったAGEsを代謝する酵素としてフルクトサミン3キナーゼ(以下FN3Kと略す場合がある)が関与していることが報告されている(非特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−117700号公報
【特許文献2】特開2007−131599号公報
【特許文献3】特開2003−212749号公報
【特許文献4】特開2001−122758号公報
【特許文献5】特開2011−102270号公報
【特許文献6】特表2010−533143号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Anti−AgingMedicine7(10),112−119,2010
【非特許文献2】Biochem.J.,416,281−288,2008
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、この様な状況下でなされたものであり、脱糖化を促進することにより黄ぐすみ及び老化肌防止、改善作用を目的とした脱糖化剤を提供することを課題とする。また、肌の老化は黄ぐすみだけではなく、ハリ、弾力の低下、肌荒れを伴うものであり、それらを総合的に防止、改善する皮膚外用剤を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するにあたり、本発明者らは、種々の成分に関して脱糖化作用についての検討を行った。その結果、特定の植物抽出物に優れた脱糖化作用を見出し、また、これらの脱糖化剤と特定の成分を併用することにより皮膚の老化症状を総合的に防止、改善することを見出し、さらに検討を重ねて本発明を完成させるに至った。
【0011】
本発明は、アルテア、ビワから選択される1種又は2種と、カンゾウ葉抽出物、アシタバ抽出物、カミツレ抽出物、レスベラトロールから選択される1種又は2種以上を含有する皮膚外用剤に関する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、アルテア、ビワから選択される1種又は2種と、カンゾウ葉抽出物、アシタバ抽出物、カミツレ抽出物、レスベラトロールから選択される1種又は2種以上を含有する皮膚外用剤は、黄ぐすみ、ハリ、弾力の低下、肌荒れといった皮膚の老化症状に対し優れた予防、改善効果を発揮する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明で用いるライチ(Litchi chinensis)はムクロジ科(Sapindaceae)レイシ属の常緑高木であり、皮膚外用剤として用いることができるものであれば、その使用部位、抽出方法等は問わない。例えば、果実のエキスを酸、酵素又は他の方法で加水分解して得られる加水分解ライチエキス、果実のエキスであるライチエキス、果汁であるライチ果汁、果皮のエキスであるライチ果皮エキス、種子であるライチ種子、種子のエキスであるライチ種子エキス、果実を水蒸気蒸留して得られる水相であるライチー水等が挙げられる。本発明においては、脱糖化、AGEs分解促進効果、脱糖化酵素産生促進効果の点から、ライチ果皮エキスを用いることが好ましい。ライチとして市販の、LITCHIDERM LS9704(製造元:LABORATOIRES SEROBIOLOGIQUES Division de Cognis France)、ライチ抽出液(B)(製造元:池田糖化工業)等を用いることもできる。
【0014】
本発明で用いるミツマタ(Edgeworthia chrysantha)はジンチョウゲ科(Thymelaeaceae)ミツマタ属の落葉低木であり、皮は和紙の原料として用いられる。本発明においては、皮膚外用剤として用いることができるものであれば、その使用部位、抽出方法等は問わない。例えば、樹皮、葉、根、花、花蕾を用いることが好ましく、特に樹皮を用いることが好ましい。ミツマタとして市販の、ミツマタ抽出液BG(製造元:丸善製薬)等を用いることもできる。
【0015】
本発明で用いるスターフルーツ(Averrhoa carambola)は、カタバミ科(Oxalidaceae)ゴレンシ属の常緑の木本であり、皮膚外用剤として用いることができるものであれば、その使用部位、抽出方法等は問わないが、果実若しくは葉のエキスを用いることが好ましく、特に葉のエキスを用いることが好ましい。スターフルーツとして市販の、スターフルーツ葉抽出液BG30(製造元:丸善製薬)等を用いることもできる。
【0016】
本発明で用いるテンチャは、中国茶の中で植物学上の茶とは異なる木の葉から作られた甘いお茶の総称であり、バラ科キイチゴ属のテンヨウケンコウシ(甜葉懸鈎子) Rubus suavissimus S. Lee、アカネ科のギュウハクトウ(牛白籐) Oldenlandia hedyotidea、ブナ科のタスイカ(多穂柯)またはタスイセキカヨウ(多穂石柯葉) Lithocarpus polystachyus、、ロウレンシュウキュウ(臘蓮繍球) Hydrangea aspera ssp. strigosa、などの種が知られているが、本発明においては、バラ科キイチゴ属の葉から得られるテンチャを用いることが好ましい。テンチャとして市販の、甜茶抽出液BGW(製造元:丸善製薬)等を用いることもできる。
【0017】
本発明でアマチャは、アジサイ科アジサイ属のアマチャ(Hydrangea macrophylla oamacha;Hydrangea serrata thunbergii)の葉のエキスである。アマチャとして市販の、ファルコレックス アマチャ E(製造元:一丸ファルコス)、アマチャ抽出液(製造元:丸善製薬)等を用いることもできる。
【0018】
本発明において用いるアルテア(ビロウドアオイ)(Althaea officinalis L.)はアオイ科(Malvaceae)に属する多年草で、葉,茎,花,根等の各部位、全草等を用いることができるが、葉及び/又は根を用いることが好ましい。アルテアとして市販の、アルテア抽出液B(製造元:池田糖化工業)、EXTRAIT HG GUIMAUVE(池田物産)、VEGETOL MARSH MALLOW MCF 770 HY−DRO(池田物産)、ファルコレックス アルテア(製造元:一丸ファルコス)、フィトデセンシタイザーABBA(製造元:一丸ファルコス)、アルテア抽出液製造元:香栄興業)、オーガニックアルテアエキス BG−50(製造元:香栄興業)、アルテア抽出液−SH(製造元:丸善製薬)等を用いることもできる。
【0019】
本発明において用いるイブキジャコウソウ(ワイルドタイム)(Thymus serpyllum)は、シソ科イブキジャコウソウ属の小低木である。イブキジャコウソウの部位としては、特に限定されず、葉,茎,花,根等の各部位及び全草等を用いることができるが、葉又は茎、地上部位を用いることが好ましい。タイムとして、市販のGATULINE LIFTING(池田物産)、ファルコレックス ワイルドタイム B(製造元:一丸ファルコス)、タイム抽出液(製造元:香栄興業)、プランテージ<モイスト>(製造元:丸善製薬)、ワイルドタイム抽出液(製造元:丸善製薬)、ワイルドタイム抽出液BG(製造元:丸善製薬)等を用いることもできる。
【0020】
本発明において用いるブドウ(VITIS VINIFERA)は、ブドウ科ブドウ属のつる性落葉低木である。ブドウの使用部位としては特に限定されず、葉、果実、種子、芽、花、果皮等を用いることができるが、葉を用いることが好ましい。ブドウとして、市販のフィトセルテック ソーラー ヴィティス(製造元:Mibelle Biochemistry、ブドウ果実細胞エキス)、EXTRAIT ORIGINEL GRAPE(製造元:GATTEFOSSE、ブドウ果実エキス)、グラヴィノール(製造元:キッコーマン、ブドウ種子エキス)、ブドウリーフ抽出液(製造元:香栄興業、ブドウ葉エキス)、ファルコレックス グレープリーフ B(製造元:一丸ファルコス、ブドウ葉エキス)、オーデアロマ グレープ(製造元:一丸ファルコス)、ブドウ葉抽出液B−6(製造元:池田糖化工業)、ブドウ葉抽出液B(製造元:池田糖化工業)、EXTRAIT HG VIGNE ROUGE(池田物産)、VEGETOL RED GRAPEVINE MCF 1159 HYDRO(池田物産)、ファルコレックス グレープリーフ B(製造元:一丸ファルコス)、ファルコレックスBX43(製造元:一丸ファルコス、ブドウ葉エキス)、フィテレンEGX−243(BG)(伊那貿易)、アカブドウ抽出液BG(製造元:丸善製薬)等を用いることもできる。
【0021】
本発明に用いるメリアアザジラクタ(Melia azadirachta)は、センダン科センダン属の常緑高木である。メリアアザジラクタの使用部位としては特に限定されず、葉、花、種子、樹皮、根、芽等を用いることができるが、本発明の効果の点から葉又は花、特に葉を用いることが好ましい。メリアアザジラクタとして、市販のニームリーフリキッド B(製造元:一丸ファルコス)等を用いることもできる。
【0022】
本発明において用いるシークワーサー(Citrus depressa)は、ミカン科ミカン属の常緑低木である。シークワーサーの使用部位としては特に限定されず、葉、花、種子、果実、果皮等を用いることができるが、本発明の効果の点から、果皮又は果実、特に果皮を用いることが好ましい。シークワーサーとして、市販のシークワーサーエキスBG(製造元:日油)等を用いることもできる。
【0023】
本発明において用いるビワ(Eriobotrya japonica)は、バラ科ビワ属の常緑高木である。ビワの使用部位としては特に限定されず、葉、花、種子、果実、果皮等を用いることができるが、本発明の効果の点から、果実、葉又は種子を用いることが好ましく、特に葉を用いることが好ましい。ビワとして、市販のビワ葉抽出液B(製造元:池田糖化工業)、ファルコレックス ビワリーフ B(製造元:一丸ファルコス)、ファルコレックス ビワリーフ E(製造元:一丸ファルコス)、ビワ抽出液(製造元:香栄興業)、油要請ビワ葉抽出液(製造元:香栄興業)、ビワエキス<芒硝>(製造元:丸善製薬)、ビワ葉エキスCA(製造元:丸善製薬)、ビワ抽出液BG−J(製造元:丸善製薬)、ビワ抽出液−J(製造元:丸善製薬)、ビワ抽出液LA(製造元:丸善製薬)、ビワ抽出液SQ(製造元:丸善製薬)等を用いることもできる。
【0024】
本発明において用いるウスベニアオイは、アオイ科ゼニアオイ属に属する草本であり、ウスベニアオイ(Malva sylvestris)、若しくはその変種であるゼニアオイ(Malva sylvestris var. mouritiana;Malva mouritiana)である。ウスベニアオイの使用部位としては特に限定されず、葉、茎、花、種子等を用いることができるが、本発明の効果の点から、葉及び/又は花を用いることが好ましい。ウスベニアオイとして市販の、EXTRAIT HG MAUVE(池田物産)、VEGETOL FLOWERS MCF 1161 HYDRO(池田物産)、VEGETOL MALLOW 4142 OILY(池田物産)、VEGETOL MALLOW MCF 784 HYDRO(池田物産)、ファルコレックス ゼニアオイ B(製造元:一丸ファルコス)、ファルコレックスBX51(製造元:一丸ファルコス)、フィテレンEGX−251(BG)(伊那貿易)、ゼニアオイ抽出液(製造元:香栄興業)、マローモイスチャー(製造元:丸善製薬(株))、PHYSTROGENE F(製造元:COLETICA)、ウスベニアオイ抽出液BG(製造元:丸善製薬)、ウスベニアオイ抽出液LA(製造元:丸善製薬)、ウスベニアオイ抽出液SQ(製造元:丸善製薬)、ファルコレックス ゼニアオイ B(製造元:一丸ファルコス)花又は葉、エムエスエキストラクト<ノナコンプレックス>S(製造元:丸善製薬)、エムエスエキストラクト<ノナコンプレックス>SSQ(製造元:丸善製薬)、エムエスエキストラクト<VSコンプレックス>(製造元:丸善製薬)、等を用いることもできる。
【0025】
本発明において用いるザクロ(Punica granatum)は、ザクロ科ザクロ属に属する小高木である。ザクロの使用部位としては特に限定されず、葉、樹皮、果汁、果皮、果実、種子、花等を用いることができるが、本発明の効果の点から果汁、果皮、種子、樹皮、花の1部位以上を用いることが好ましく、特に果実を用いることが好ましい。ザクロとして市販の、ザクロ果実抽出液B(製造元:池田糖化工業(株))、ザクロエラグ酸(製造元:株式会社サビンサ ジャパン コーポレーション)、アミポリン(製造元:Alban Muller International)、コラーゲイン(製造元:Cosmetochem International AG)、ザクロ種子BGエキス(製造元:常磐植物化学研究所)等を用いることもできる。
【0026】
本発明において用いるドクダミ(Houttuynia cordata)は、ドクダミ科ドクダミ属に属する多年草である。ドクダミの使用部位としては特に限定されず、全草、地上部位、根、茎、葉、花等を用いることができるが、本発明の効果の点から全草若しくは地上部位を用いることが好ましく、特に開花期の地上部位を用いることが好ましい。ドクダミとして市販の、ドクダミ抽出液E(製造元:池田糖化工業)、ジュウヤク抽出液(製造元:香栄興業)、ジュウヤク抽出液ET−50(製造元:香栄興業)、ジュウヤクエキス<芒硝>(製造元:丸善製薬)、ジュウヤク抽出液(製造元:丸善製薬)、ジュウヤク抽出液LA(製造元:丸善製薬)、ジュウヤク抽出液BG(製造元:丸善製薬)、ファルコレックス ドクダミB(製造元:一丸ファルコス)、ファルコレックス ドクダミE(製造元:一丸ファルコス)、ファルコレックス ドクダミW(製造元:一丸ファルコス)、ドクダミエキス-BG(製造元:株式会社ヤマダ薬研)、ドクダミエキス-ET(製造元:株式会社ヤマダ薬研)等を用いることもできる。
【0027】
本発明において用いるアロエベラ(Aloe vera;Aloe barbadensis)は、アロエ科アロエ属に属する多肉植物である。アロエベラの使用部位としては特に限定されず、茎、葉、葉汁、花等を用いることができるが、本発明の効果の点から葉及び/又は葉汁を用いることが好ましい。アロエベラとして市販の、アロエベラゲル M(製造元:ミツバ貿易株式会)、アロエベラゲル M-1(製造元:ミツバ貿易株式会)、アロエベラパウダー(200:1)(製造元:ミツバ貿易株式会)、ベラゲル 200(製造元:一丸ファルコス)、アロエエキスベラ(製造元:一丸ファルコス)、アロエベラリキッド(BG)(製造元:一丸ファルコス)、ビオセルアクト アロエベラ B(製造元:一丸ファルコス)、ビオセルアクト アロエベラ E(製造元:一丸ファルコス)、バイオアンテージB(製造元:一丸ファルコス)、ビオセルアクトアロエベラE(製造元:一丸ファルコス)、ベラゲルリキッド(製造元:一丸ファルコス)、リピダミ アロエ ベラ(製造元:Alban Muller International)、アロエベラ抽出液(製造元:丸善製薬)、Aloe Extract 101−C(製造元:Florida Food Products)、アロエベラPB 5(製造元:デイリーフーズ)、BETA VERA(製造元:BROOKS)、オーガニックアロエベラ(製造元:香栄興業)、アロエベラ抽出液M(製造元:香栄興業)、アロエバラゲル−M(ミツバ貿易)、アロエベラゲル−M1(ミツバ貿易)、オーガニックアロエベラ(製造元:香栄興業)、アロエベラエキスパウダー(製造元:池田糖化工業)、アロエベラパウダー(200:1)(ミツバ貿易)、アロエクラッシュ30B(製造元:一丸ファルコス)Betavera(GSIクレオス)、アロエベラ抽出液B(製造元:池田糖化工業)、アロエベラ抽出液LE(製造元:池田糖化工業)、EXTRAIT HG ALOES FRAIS(池田物産)、Aloe Butter(伊那貿易)、アロエベラ抽出液M(製造元:香栄興業)、アロエベラ抽出液−JC(製造元:丸善製薬)等を用いることもできる。
【0028】
本発明において用いるキダチアロエ(Aloe arborescens)は、アロエ科アロエ属に属する多肉植物である。キダチアロエの使用部位としては特に限定されず、茎、葉、葉汁、花等を用いることができるが、本発明の効果の点から花、葉、葉汁を用いることが好ましい。キダチアロエとして市販の、キダチアロエ抽出液BGND(製造元:丸善製薬)、キダチアロエBGFR(製造元:丸善製薬)、アロエ抽出ゲル〈キダチ〉(製造元:丸善製薬)、アロエ抽出ゲルBG<キダチ>(製造元:丸善製薬)、キダチアロエ抽出液BG−N(製造元:丸善製薬)、キダチアロエエキス−BG(製造元:ヤマダ薬研)、有機キダチアロエエキス−HBG(製造元:ヤマダ薬研)、ファルコレックス アロエ KB(製造元:一丸ファルコス)、キダチアロエ抽出液B(製造元:池田糖化工業)、キダチアロエ抽出液LE−A(製造元:池田糖化工業)等を用いることもできる。
【0029】
本発明において用いるカムカム(Myrciaria dubia)は、フトモモ科キブドウ属に属する低木である。カムカムの使用部位としては特に限定されず、樹皮、茎、葉、花、果実、種子、果皮、果汁等を用いることができるが、本発明の効果の点から果実若しくは種子を用いることが好ましく、特に果実を用いることが好ましい。カムカムとして市販の、ニチレイ・カムカムエキスB30(製造元:ニチレイバイオサイエンス)等を用いることもできる。
【0030】
本発明において用いるセイヨウスモモ(Prunus domestica;Prunus communis)は、バラ科サクラ属に属する木本である。セイヨウスモモの使用部位としては特に限定されず、樹皮、茎、葉、花、果実、種子、果皮、果汁等を用いることができるが、本発明の効果の点から、果実、種子、花を用いることが好ましく、特に果実、また果実の酵素分解物を用いることが好ましい。セイヨウスモモとして市販のプルーン抽出液WC(製造元:丸善製薬)、クレアージュ(製造元:一丸ファルコス)等を用いることもできる。
【0031】
本発明においては、上記植物をそのまま用いることもできるが、溶媒抽出物を用いることもできる。
【0032】
抽出の際は、植物を生のまま用いてもよいが、抽出効率を考えると、細切、乾燥、粉砕等の処理を行った後に抽出を行うことが好ましい。
【0033】
抽出は、任意の抽出溶媒に所定時間浸漬して行うことができる。抽出溶媒は、必要に応じて加熱してもよい。あるいは、超臨界流体や亜臨界流体を用いた抽出方法でも行うことができる。抽出効率を上げるため、攪拌したり抽出溶媒中でホモジナイズしたりしてもよい。抽出温度としては、5℃程度から抽出溶媒の沸点以下の温度とするのが適切である。抽出時間は、抽出溶媒の種類や抽出温度によっても異なるが、1時間〜14日間程度とするのが適切である。
【0034】
抽出溶媒としては、水の他、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等の低級アルコール;1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール;エチルエーテル、プロピルエーテル等のエーテル類;酢酸ブチル、酢酸エチル等のエステル類;アセトン、エチルメチルケトン等のケトン類などの溶媒を用いることができる。これらは、単独で用いられる他、任意の2種以上を組み合わせて用いてもよい。生理食塩水、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水等を用いてもよい。さらに、水や二酸化炭素、エチレン、プロピレン、エタノール、メタノール、アンモニアなどの1種または2種以上の超臨界液体や亜臨界液体を用いてもよい。
【0035】
植物の上記溶媒による抽出物は、そのままでも使用することができるが、一定期間そのまま静置して熟成させて用いてもよいし、濃縮、乾固したものを水や極性溶媒に再度溶解して使用することもできる。あるいは、これらの生理作用を損なわない範囲で、脱色、脱臭、脱塩等の精製処理や、カラムクロマトグラフィー等による分画処理を行った後に用いてもよい。植物の前記抽出物やその処理物及び分画物は、各処理及び分画後に凍結乾燥し、用時に溶媒に溶解して用いることもできる。また、リポソーム等のベシクルやマイクロカプセル等に内包させて用いることもできる。
【0036】
本発明の脱糖化剤は、ライチ、ミツマタ、スターフルーツ、テンチャ、アマチャ、アルテア、イブキジャコウソウ、ブドウ、メリアアザジラクタ、シークワーサー、ビワ、ウスベニアオイ、ザクロ、ドクダミ、アロエベラ、キダチアロエ、カムカム、セイヨウスモモから選択される1種又は2種以上を有効成分とする。本発明の脱糖化剤は、アドバンスド・グリケーション・エンド・プロダクツ分解促進作用及び/又は脱糖化酵素酸性促進効果を有する。
【0037】
本発明のアドバンスド・グリケーション・エンド・プロダクツ分解促進剤は、ライチ、ミツマタ、スターフルーツ、テンチャ、アマチャ、アルテア、イブキジャコウソウ、ブドウ、メリアアザジラクタ、シークワーサー、ビワ、ウスベニアオイから選択される1種又は2種以上を有効成分とする。本発明のアドバンスド・グリケーション・エンド・プロダクツ分解促進剤は、生成したAGEsを分解する作用を有する。
【0038】
本発明の脱糖化酵素産生促進剤は、ライチ、スターフルーツ、アマチャ、アルテア、ビワ、ザクロ、ドクダミ、アロエベラ、キダチアロエ、カムカム、セイヨウスモモから選択される1種又は2種以上を有効成分とする。本発明の脱糖化酵素酸性促進剤は、フルクトサミン3キナーゼ及び/又はフルクトサミン3キナーゼ関連タンパク質(以下FN3KRPと略す場合がある)の産生を促進する作用を有する。
【0039】
本発明の脱糖化剤、アドバンスド・グリケーション・エンド・プロダクツ分解促進剤、脱糖化酵素産生促進剤は、飲食品および医薬品、医薬部外品、化粧品の素材として用いられ、例えば、糖尿病合併症(血管症、腎症、網膜症など)、神経障害、アルツハイマー病、動脈硬化症、悪性腫瘍、骨疾患、神経変性疾患、皮膚の老化などの疾患や症状の予防または治療のために用いられ得る。
【0040】
また本発明は、アルテア、ビワから選択される1種又は2種と、カンゾウ葉抽出物、アシタバ抽出物、カミツレ抽出物、レスベラトロールから選択される1種又は2種以上を含有する皮膚外用剤を提供するものである。
【0041】
カンゾウ葉抽出物、アシタバ抽出物、カミツレ抽出物、レスベラトロールについて詳細に記載する。
【0042】
本発明において用いるカンゾウ葉抽出物は、甘草の葉部からの抽出物である。甘草は、マメ科グリチルリーザ(Glycyrrhiza)属に属する多年生草本である。甘草には、グリチルリーザ・グラブラ(Glychyrrhiza glabra)、グリチルリーザ・インフラータ(Glychyrrhiza inflata)、グリチルリーザ・ウラレンシス(Glychyrrhiza uralensis)、グリチルリーザ・アスペラ(Glychyrrhiza aspera)、グリチルリーザ・ユーリカルパ(Glychyrrhiza eurycarpa)、グリチルリーザ・パリディフロラ(Glychyrrhiza pallidiflora)、グリチルリーザ・ユンナネンシス(Glychyrrhiza yunnanensis)、グリチルリーザ・レピドタ(Glychyrrhiza lepidota)、グリチルリーザ・エキナタ(Glychyrrhiza echinata)、グリチルリーザ・アカンソカルパ(Glychyrrhiza acanthocarpa)等、様々な種類のものがあり、これらのうち、いずれの種類の甘草を抽出原料として使用してもよいが、特にグリチルリーザ・グラブラ(Glychyrrhiza glabra)、グリチルリーザ・ウラレンシス(Glychyrrhiza uralensis)、及びグリチルリーザ・インフラータ(Glychyrrhiza inflata)を抽出原料として使用することが好ましい。抽出原料として使用し得る甘草の構成部位としては、葉部である。抽出方法に関しては、上記記載の通りである。カンゾウ葉抽出物として市販の、甘草葉抽出液BG(製造元:丸善製薬)等を用いることもできる。
【0043】
アシタバ抽出物は、セリ科の植物であって、学名「Angelica keiskei」である明日葉からの抽出物である。抽出原料として使用し得る部位としては、例えば、葉部、茎部、花(蕾)部、種子、根部などが挙げられる。これらの中でも、本発明の効果の点から、葉部が特に好ましい。抽出方法に関しては、上記記載の通りである。明日葉抽出物として市販の、ファルコレックスアシタバB(製造元:一丸ファルコス)、アシタバ抽出液(製造元:香栄興業)、アシタバ抽出液BG(製造元:丸善製薬)、エルゴプラセンタエキス(製造元:ホルス)等を用いることもできる。
【0044】
カミツレ抽出物は、キク科(Compositae)の植物であり、学名「Matricaria chamomilla L.」であるカミツレからの抽出物である。抽出原料となる構成部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができ、例えば、葉、茎、根、花、果実、果皮、果核、全草、又はこれらの混合物が挙げられ、これらの中でも、花が特に好ましい。抽出方法に関しては、上記記載の通りである。カミツレ抽出物として市販の、カミツレ抽出液B(製造元:池田糖化工業)、カミツレ抽出液E(製造元:池田糖化工業)、EXTRAIT HGCAMOMILLE MATRICAIRE(製造元:池田物産)、カミツレリキッド(製造元:一丸ファルコス)、カミツレリキッドMD(製造元:一丸ファルコス)、ファルコレックスBX44(製造元:一丸ファルコス)、ビオセルアクト カモミラ B(製造元:一丸ファルコス)、オーガニックカミツレエキスBG−50(製造元:香栄興業)、カミツレ抽出液(製造元:香栄興業)、カミツレ抽出液BG−30(製造元:香栄興業)、カミツレ抽出液LS(製造元:香栄興業)、VEGETOL MATRICARIA 4140OILY(製造元:池田物産)、VEGETOL MATRICARIA GR 337 HYDRO(製造元:池田物産)、VEGETOL MATRICARIA MCF 793 HYDRO(製造元:池田物産)、VEGETOL MATRICARIA ME 106 HYDRO(製造元:池田物産)、VEGETOL Sp GR 051 HYDRO(製造元:池田物産)、Cosmelene of Chamomile(製造元:伊那貿易商会)、EXTRAPONE CAMOMILE SPECIAL(製造元:シムライズ)、カミツレエキス<芒硝>(製造元:丸善製薬)、カミツレ抽出液(製造元:丸善製薬)、カミツレ抽出液BG−J(製造元:丸善製薬)、カミツレ抽出液LA(製造元:丸善製薬)、カミツレ抽出液SQ−J(製造元:丸善製薬)等を用いることもできる。
【0045】
本発明で使用するレスベラトロールは別名5−パラヒドロキシスチリルレゾルシノール又は3,4′,5−スチルベントリオールとしても知られており、例えばシグマ社(Sigma)から試薬として入手することができる。また、ブドウやイタドリ等の植物から抽出して用いることもできる。植物からの抽出方法については、特に制限されず一般的な抽出方法を利用できる。また、抽出用溶媒としては水系溶媒でも有機溶媒であってもよい。有機溶媒としてはメタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、1,3−ブチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、酢酸エチル、エーテル、ヘキサン等を用いることができる。また、超臨界状態の二酸化炭素等を用いることもできる。これらの溶媒は単独で用いてもよいし2種類以上を混合して用いてもよい。本発明で用いるレスベラトロールは、試薬でも、合成品でも、植物から抽出したもののいずれも使用することができる。植物から抽出したレスベラトロール含有抽出物として市販の、Resveratrox(製造元:サンブライト)、Viniferol(製造元:サンブライト)、REGU−FADE(製造元:DSM)等を用いることもできる。
【0046】
本発明の、皮膚外用剤は、アルテア、ビワから選択される1種又は2種と、カンゾウ葉抽出物、アシタバ抽出物、カミツレ抽出物、レスベラトロールから選択される1種又は2種以上を有効成分として含む限り、その形態及びその他成分の配合の有無等については、なんら制限されない。形態については、液状、ペースト状、ゲル状、固体状、粉末状等の任意の形態を、その用途等に応じて選択でき、その形態とするために必要なビヒクル(賦形剤)、溶剤、その他の一般的な添加剤(酸化防止剤、着色剤、分散剤等)を任意に含むことができる。
【0047】
ここで、皮膚外用剤とは、化粧料、医薬部外品、外用医薬品等の、皮膚または毛髪に外用される全ての外用組成物を意味している。皮膚外用剤の剤型は任意であり、例えば、ローションなどの可溶化系やカラミンローション等の分散系、クリームや乳液などの乳化系として提供することができる。さらに、噴射剤と共に充填するエアゾール形態、軟膏剤、パップ剤などの種々の剤型で提供することもできる。
【0048】
具体的には、乳液、クリーム、ローション、化粧水、パック、美容液、洗浄料、メイクアップ化粧料等の各種化粧料;液剤、軟膏、粉末、顆粒、エアゾール剤、貼付剤、パップ剤等の様々な形態の化粧料、医薬部外品や外用医薬品などが例示できる。
【0049】
皮膚外用剤には、アルテア、ビワから選択される1種又は2種と、カンゾウ葉抽出物、アシタバ抽出物、カミツレ抽出物、レスベラトロールから選択される1種又は2種以上の他に、その用途と必要に応じて、医薬品、医薬部外品、皮膚化粧料、毛髪用化粧料、及び洗浄料等に通常配合される任意の成分、例えば水、油性成分、保湿剤、粉体、色素、乳化剤、可溶化剤、ゲル化剤、洗浄剤、紫外線吸収剤、抗炎症剤、増粘剤、pH調整剤、キレート剤、薬剤(薬効成分)、香料、樹脂、防菌防かび剤、抗酸化剤、アルコール類等を適宜配合することができる。さらに、本発明の効果を損なわない範囲において、他の保湿剤、抗老化剤、美白剤、抗酸化剤、及び痩身剤あるいは上記以外の植物またはその抽出物との併用も可能である。
【0050】
本発明において、アルテア、ビワから選択される1種又は2種は、カンゾウ葉抽出物、アシタバ抽出物、カミツレ抽出物、レスベラトロールから選択される1種又は2種以上とともに皮膚外用剤に配合する場合、皮膚外用剤全量に対し0.001〜1質量%配合することが好ましく、更に好ましくは0.001〜0.5質量%配合する。0.001質量%未満の配合ではその効果を発揮できない場合がある。また1質量%を超えて配合しても、その効果にこれ以上の改善は認められないことがある。アルテア、ビワから選択される1種又は2種は、カンゾウ葉抽出物、アシタバ抽出物、カミツレ抽出物、レスベラトロールから選択される1種又は2種以上とともに配合しない場合と比較して、より少ない量で脱糖化効果を発揮することができる。
【0051】
本発明において、カンゾウ葉抽出物、アシタバ抽出物、カミツレ抽出物、レスベラトロールから選択される1種又は2種以上は、皮膚外用剤全量に対し0.001〜1質量%配合することが好ましく、更に好ましくは0.001〜0.5質量%配合する。0.001質量%未満の配合ではその効果を発揮できない場合がある。また1質量%を超えて配合しても、その効果にこれ以上の改善は認められないことがある。
【実施例】
【0052】
以下に実施例を示し本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれによってなんら限定されるものではない。
【0053】
[AGEs分解促進作用]
メチルグリオキサール10mMとコラーゲン0.3重量%水溶液を混合し、50℃で2週間反応させ、AGEs溶液を作製する。AGEs溶液2mLに、表1記載の植物エキスを1mL添加し、6週間50℃で反応させ、分光蛍光光度計(POWERSCAN HT:DSファーマバイオメディカル社製)を用いて、励起波長360nm、蛍光波長460nmにて測定した。植物エキスの変わりに精製水を用いて反応させたものをコントロールとし、コントロールに対する比率にてAGEs分解促進作用を評価した。結果を表1にあわせて示す。
【0054】
【表1】
【0055】
表1に示したとおり。ライチ、ミツマタ、スターフルーツ、テンチャ、アマチャ、アルテア、イブキジャコウソウ、ブドウ、メリアアザジラクタ、シークワーサー、ビワ、ゼニアオイは、いずれも高いAGEs分解促進作用を示した。
【0056】
[脱糖化酵素遺伝子産生促進作用]
ヒト正常線維芽細胞を1ウェル当り3.0×105個となるように24ウェルマイクロプレートに播種した。播種培地にはダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)にウシ胎児血清(FBS)を1質量%加えたものを用いた。
24時間後1質量%FBS添加済みのDMEMによって1%濃度に調整したサンプル培養液(表2参照)に交換し37℃でさらに24時間培養した。細胞上清を捨て洗浄し、細胞中のtRNAを抽出し、逆転写酵素処理により得られたcDNAをリアルタイムPCR測定器(CFX96 real time PCR system:Bio Rad社製)にて測定し、脱糖化酵素(FN3K及びFN3KRP)遺伝子の発現量を定量した。精製水を添加して培養した場合の脱糖化酵素遺伝子の発現量を100%とした場合の比率にて、脱糖化酵素遺伝子の発現量を表2に示した。
【0057】
【表2】
【0058】
表2に示したとおり、ザクロ、ライチ、ドクダミ、アマチャ、アルテア、ビワ、アロエベラ、カムカム、プルーン、スターフルーツの各抽出物は高い脱糖化酵素遺伝子産生促進作用を有していた。
【0059】
下記に本発明の処方例を示すが、特に限定しない限り、植物は、表1若しくは表2に記載したエキスを使用した。また、カンゾウ葉抽出物としては甘草葉抽出物(丸善製薬製)、アシタバ抽出物としてはアシタバ抽出液BG(丸善製薬製)、カミツレ抽出物としてはビオセルアクト カモミラ B(一丸ファルコス製)、レスベラトロールとしては、REGUR-FADE(DSM社製)をそれぞれ使用した。
【0060】
表3〜5に示した処方で、本発明に係る皮膚外用剤(美容液)を定法により調製し、連続使用試験を行った。
【0061】
[連続使用試験]
加齢による「くすみ」、「弾力の低下」、「ハリの低下」、「肌荒れ」の悩みを有する40歳代〜50歳代の女性10名を一群として、実施例若しくは比較例を、朝夕2回、30日間連続して使用させた。30日終了後聞き取り調査を行い、各評価項目について非常に効果がある「◎」、効果がある「○」、少し効果がある「△」、効果が無い「−」として評価させ、人数分布の最も多い結果を連続使用試験結果とした。
【0062】
【表3】
【0063】
【表4】
【0064】
【表5】
【0065】
表3、4に示したとおり、脱糖化剤であるアルテアエキス、ビワ葉エキスをそれぞれ単独で配合した参考例1〜6においては、くすみ、弾力の低下、ハリの低下に対しそれぞれ効果を有していた。またかかる脱糖化剤と甘草葉抽出物を併用した実施例1、2においては、脱糖化剤の配合量が2分の1量であるにもかかわらず、くすみ、弾力の低下、ハリの低下に対し顕著な効果を発揮するとともに、肌荒れ改善効果もあわせて示していた。
【0066】
に示す処方にて定法によりクリームを調製した。
【0067】
【表6】