(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6138338
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年5月31日
(54)【発明の名称】カバー部品と車両ウィンドを結合するためのプロフィル部材、およびプロフィル部材モジュール
(51)【国際特許分類】
B60J 10/70 20160101AFI20170522BHJP
B60J 1/02 20060101ALI20170522BHJP
【FI】
B60J10/70
B60J1/02 111X
【請求項の数】7
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-504546(P2016-504546)
(86)(22)【出願日】2014年3月6日
(65)【公表番号】特表2016-514644(P2016-514644A)
(43)【公表日】2016年5月23日
(86)【国際出願番号】EP2014054294
(87)【国際公開番号】WO2014146902
(87)【国際公開日】20140925
【審査請求日】2017年2月28日
(31)【優先権主張番号】102013204820.3
(32)【優先日】2013年3月19日
(33)【優先権主張国】DE
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514159380
【氏名又は名称】エルカメット カンストストッフテクニーク ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】オルトミュラー、 ミハエル
【審査官】
高島 壮基
(56)【参考文献】
【文献】
独国実用新案第202008009712(DE,U1)
【文献】
特表2011−520694(JP,A)
【文献】
国際公開第2012/089309(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60J 1/02
1/10
1/18
10/00−10/90
B60R 13/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カバー部品(16)と車両ウィンド(14)を結合するためのプロフィル部材(12)であって、
前記車両ウィンド(14)と前記プロフィル部材(12)を結合するための第1の結合領域(42)と、
前記カバー部品(16)と前記プロフィル部材(12)を結合するための第2の結合領域(44)と、
前記車両ウィンド(14)および前記カバー部品(16)に対して封止をするように当接するための封止領域(62)と、
を含み、
前記封止領域(62)は、前記プロフィル部材(12)の組み付け状態のときに前記車両ウィンド(14)の外面(24)および前記カバー部品(16)の外面(30)と同一平面上に並ぶ、または少なくとも実質的に同一平面上に並ぶ外面(64)を有し、
前記封止領域(62)は互いに相対的に移動可能な少なくとも2つの部分区域(76、82)を有しており、
第1の部分区域(76)は前記車両ウィンド(14)に対して当接するための第1の封止面(78)を有しており、
第2の部分区域(82)は前記カバー部品(16)に対して当接するための第2の封止面(84)を有し、
前記部分区域(76、82)は前記外面(64)と反対を向いているほうの前記封止領域(62)の側に配置されており、
前記封止領域(62)は、前記部分区域(76、82)のうちの少なくとも1つが変形されて中に入ることが可能である自由空間(86)を有し、
前記自由空間(86)は円周側で開いた溝(88)によって区切られており、
前記溝(88)は、前記溝(88)の基端から、前記外面(64)から離間する方向へ開いている、
ことを特徴とするプロフィル部材。
【請求項2】
前記部分区域(76、82)は互いに一体的に製作されていることを特徴とする、請求項1に記載のプロフィル部材。
【請求項3】
前記部分区域(76、82)は断面で見て細くなった結合区域(80)によって互いに結合されていることを特徴とする、請求項1または2に記載のプロフィル部材。
【請求項4】
前記封止領域(62)はばね弾性的な少なくとも1つの材料から製作されており、
それにより前記部分区域(76、82)は応力解除された初期状態から始まって外部からの力作用により互いに相対的に中間状態へと移行可能であり、
さらに中間状態から始まってばね弾性的な材料の復帰力の作用により自動的に初期状態の方向へ戻るように変形可能である、
ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のプロフィル部材。
【請求項5】
前記第2の結合領域(44)は前記カバー部品(16)の係止体(34)を収容するための係止領域(50)を有しており、
前記係止領域(50)の内部には前記係止領域(50)で前記係止体(34)を係止する役目を果たす係止部材(54)が配置されており、
前記係止部材(54)は前記係止領域(50)へ前記係止体(34)を挿入するための挿入平面(57)に対して鋭角(59)に向いた係止部材平面(55)に沿って延びており、それにより前記係止部材(54)は逆鉤を形成する、
ことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のプロフィル部材。
【請求項6】
プロフィル部材モジュール(10)であって、
第1の結合領域(42)によって車両ウィンド(14)と結合された、請求項1〜5のいずれか1項に記載のプロフィル部材(12)を含んでおり、
封止領域(62)の第1の部分区域(76)は第1の封止面(78)によって前記車両ウィンド(14)の端面(28)に当接し、
前記封止領域(62)の第2の部分区域(82)は前記第1の部分区域(76)に対して相対的に可動である、
ことを特徴とするプロフィル部材モジュール。
【請求項7】
前記プロフィル部材(12)は第2の結合領域(44)によってカバー部品(16)と結合されており、
前記封止領域(62)の前記第2の部分区域(82)は第2の封止面(84)によって前記カバー部品(16)の対応面(66)に当接する、
請求項6に記載のプロフィル部材モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カバー部品と車両ウィンドを結合するためのプロフィル部材に関するものであり、車両ウィンドとプロフィル部材を結合するための第1の結合領域と、カバー部品とプロフィル部材を結合するための第2の結合領域と、車両ウィンドおよびカバー部品に対して当接するための封止領域とを含んでいる。
【背景技術】
【0002】
ドイツ実用新案登録出願公開第202008006986U1号から公知のプロフィル部材は最初に車両ウィンド(Fahrzeugscheibe)と結合され、その後に車両ウィンドが、これに接合されたプロフィル部材とともに車両に組み付けられる。引き続いてカバー部品が組み付けられ、このカバー部品は、たとえばプロフィル部材によって係止される水タンクカバー(Wasserkastenabdeckung)である。水タンクカバーは、車両ウィンドから流出する水を受容して外部に排出する水タンクをカバーする役目を果たす。水タンクは、車両ボディの構成要素であってよい。
【0003】
プロフィル部材と水タンクカバーとの係止は、通常、プロフィル長さ全体にわたって行われる。したがって水タンクカバーの係止のためには、水タンクカバーを組み付け中に、プロフィル部材に対して比較的正確にアライメントすることが必要である。このことは、設計スペースの理由により必ずしも可能ではなく、それは、たとえばエンジンルームにある集成装置が水タンクカバーに衝突して、最善のアライメントを妨げるような場合である。したがって組立者は、最善ではない位置および/またはアライメントからでも、水タンクカバーの組付けを実行できるようにするために、いっそう高い組付け力を印加する傾向にある。
【0004】
いっそう高い組付け力は、少なくとも時おり、プロフィル部材の破損および/または車両ウィンドからのプロフィル部材の脱落を生じさせる場合があることが判明しており、それは特に、プロフィル部材がボディ側の支持部により下方に向かって支持されていない場合である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】ドイツ実用新案登録出願公開第202008006986U1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以上を前提とした上で本発明の課題は、プロフィル部材へのカバー部品の組付けが簡素化されるプロフィル部材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は本発明によると、封止領域が互いに相対的に可動の少なくとも2つの部分区域を有しており、第1の部分区域は車両ウィンドに対して当接するための第1の封止面を有しており、第2の部分区域はカバー部品に対して当接するための第2の封止面を有していることによって解決される。
【0008】
本発明によると封止領域は、互いに相対的に可動である互いに別々の2つの部分区域を有している。それぞれの部分区域の相対運動性は、封止領域の少なくとも1つの部分区域が、カバー部品の(特に水タンクカバーの)組み付け中に退避することを可能にし、それにより、組み付け中に封止領域と衝突するカバー部品区域を自由に位置決めすることができる。このように、封止領域の部分区域が互いに相対的に可動であることによって、カバーにとっての追加の運動空間が提供される。
【0009】
部分区域の相対運動性は、カバー部品の取付姿勢が不都合な場合でも組み付け力を低減することができ、それと同時に、プロフィル部材の損傷や破損のリスクが減るという利点を有している。これらの利点は、特に、カバー部品の組付けの枠内で、プロフィル部材の第2の封止面に当接するよう定められているカバー部品の領域が、カバー部品の最善でないアライメントに基づき、プロフィル部材およびカバー部品が相応の係止相手により互いに係止される前に、プロフィル部材の封止領域の上に載ってしまう場合にもたらされる。
【0010】
冒頭に述べたとおり、たとえば水タンクカバーの組付けを最善でない位置からでも強いて行うために、組立者がいっそう高い組付け力を印加すると、このことは、プロフィル部材が標準姿勢から外れて変形し、プロフィル部材の長手方向を中心として傾動するという帰結につながることがある。そのために、プロフィル部材と水タンクカバーの相対的なミスアライメントが拡大し、それによって係止相手の係止がいっそう困難になったり、完全に妨げられることさえある。本発明の枠内では、水タンクカバーを、このようなミスアライメントにもかかわらずプロフィル部材と係止し、それと同時に、これに伴う組付け力の増大や、それによって引き起こされるプロフィル部材と水タンクカバーの相対的なミスアライメントの拡大を回避することが可能である。
【0011】
特別に簡素に構成された封止領域のために、部分区域は互いに一体的に製作されているのが好ましい。
【0012】
さらに、部分区域が断面で見て細くなった結合区域によって互い結合されていると好ましい。このことは、細くなった結合区域を中心とする部分区域の相対運動性を可能にする。
【0013】
さらに封止領域は、部分区域のうち少なくとも1つが中に入るように変形可能である自由空間を有していると好ましい。このようにして、カバー部品を組み付けるときに、部分区域の相対運動のために必要な力を低減することができる。
【0014】
自由空間はたとえば円周側で開いた溝によって区切られており、それにより、比較的簡単なプロフィル部材の製作が可能となる。
【0015】
自由空間が円周側で閉じた中空スペースによって区切られていることも可能であり、それにより、それ自体として変形可能ではあるが、同時に安定した封止領域を提供することができる。
【0016】
封止領域は、ばね弾性的な少なくとも1つの材料から製作されているのが好ましく、それにより、部分区域は応力解除された初期状態から始まって、外部からの力作用によって互いに相対的に中間状態へと移行可能であり、さらに中間状態から始まって、ばね弾性的な材料の復帰力の作用により自動的に初期状態の方向へ戻るように変形可能である。ばね弾性的な材料の復帰力は、封止面の、特にカバー部品の対応面に接する第2の封止面の、封止をする当接をサポートする。
【0017】
封止領域の好ましい材料はエラストマー、熱可塑性エラストマー、熱可塑性発泡エラストマー、および発泡ゴムである。
【0018】
本発明による封止領域は、第2の結合領域が、カバー部品の係止体を収容するための係止領域を有しているプロフィル部材に特別に良く適しており、係止領域の内部には係止領域で係止体を係止する役目を果たす係止部材が配置されており、係止部材は、係止領域へ係止体を挿入するための挿入平面に対して鋭角に向いた係止部材平面に沿って延びており、それにより、係止部材は逆鉤を形成する。逆鉤状の係止部材は、係止領域へ係止体を挿入するとき(すなわちカバー部品を組み付けるとき)わずかにしか変形しない(すなわち、側方へ押圧され、もしくは湾曲する)。係止領域から係止体を取り出すとき(すなわちカバー部品を取り外すとき)、逆鉤状の係止部材は圧縮され、そのようにして、カバー部品の組み付け中よりも高い程度に変形する。このような係止は、たとえば同一出願人の特許文献1から公知である。したがって、前掲の文献に記載されているプロフィル部材の構造と機能形態に関しては、前掲の文献の内容も援用する。
【0019】
さらに封止領域は、プロフィル部材の組み付け状態のときに車両ウィンドの外面およびカバー部品の外面と同一平面上に並ぶ、または少なくとも実質的に同一平面上に並ぶ外面を有していると好ましく、それにより、全体として少なくとも実質的に一貫した車両外面を創出することができる。したがって、外面と反対を向いているほうの封止領域の側に部分区域を配置するのが好ましい。
【0020】
さらに本発明は、第1の結合領域によって車両ウィンドと結合された、上に説明したプロフィル部材を含むプロフィル部材モジュールを対象としており、封止領域の第1の部分区域は第1の封止面によって車両ウィンドの端面に当接し、封止領域の第2の部分区域は第1の部分区域に対して相対的に可動である。
【0021】
本発明によるプロフィル部材モジュールの利点と実施形態は、本発明によるプロフィル部材との関連ですでに上に説明したとおりである。これをもって上記の説明を援用する。
【0022】
本発明によるプロフィル部材および本発明によるプロフィル部材モジュールのさらに別の利点と実施形態、ならびに本発明のその他の構成要件は、好ましい実施形態についての以下の説明および付属の図面の対象となっている。
【0023】
図面には次のものが示されている:
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】組み付け状態のプロフィル部材モジュールの実施形態を示す側面図である。
【
図2】
図1のプロフィル部材モジュールを組付けが完了した状態で示す側面図である。
【
図3】プロフィル部材モジュールの別の実施形態を示す側面図である。
【
図4】発泡ゴム材料から製作された封止領域を有するプロフィル部材モジュールの別の実施形態を示す側面図である。
【
図5】アンダーカットのある自由空間を有する封止領域を備えたプロフィル部材モジュールの一部の別の実施形態を示す側面図である。
【
図6】断面で見て平坦な封止領域を有するプロフィル部材モジュールの一部の別の実施形態を示す側面図である。
【
図7】円周側で閉じた中空スペースをもつ自由空間を有する封止領域を有するプロフィル部材モジュールの一部の別の実施形態を示す側面図である。
【
図8】円周側で閉じた中空スペースをもつ自由空間を有する封止領域を有するプロフィル部材モジュールの一部の別の実施形態を示す側面図である。
【
図9】簡素化された組付けの観点から改変されたカバー部品を有する、プロフィル部材モジュールないしプロフィル部材モジュールの一部の別の実施形態を示す側面図である。
【
図10】簡素化された組付けの観点から改変されたカバー部品を有する、プロフィル部材モジュールないしプロフィル部材モジュールの一部の別の実施形態を示す側面図である。
【
図11】簡素化された組付けの観点から改変されたカバー部品を有する、プロフィル部材モジュールないしプロフィル部材モジュールの一部の別の実施形態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
プロフィル部材モジュールの1つの実施形態が、
図1に全体として符号10で示されている。モジュール10はプロフィル部材12を含んでおり、ならびに、区域的にのみ図示する車両ウィンド14(特に自動車のフロントウィンド)と、特に水タンクカバーとして構成された、区域的にのみ図示するカバー部品16とを含んでいる。したがって、以下においてはカバー部品16を水タンクカバー16と表記する。
【0026】
車両ウィンド14は、結合層22によって互いに結合された互いに平行なウィンド層18および20を備える複合体構造であるのが好ましい。車両ウィンド14は、外面24と、内面26と、車両ウィンド14の縁部に沿って外面24と内面26との間に延びる端面28とを有している。
【0027】
水タンクカバー16は、水タンクカバー16の組み付け状態のとき(
図2参照)少なくとも実質的に車両ウィンド14の外面24と同じ高さに配置される外面30を有している。外面30は、いわゆるディフレクタ部材またはカウルグリルであってよい水タンク区域32によって形成されている。
【0028】
水タンクカバー16の組付けが完了した状態のとき、水タンク区域32と車両ウィンド14は実質的に互いに同一平面上に配置される。水タンク区域32を起点として、特に係止アームの形態で構成された係止体34が突き出している。係止体34は、水タンクカバー16の長さ全体に沿って延びているのが好ましい(すなわち、水タンクカバー16が自動車に組み付けられた状態のとき、実質的に車両ウィンド14の幅全体にわたって、すなわち車両横方向に延びる)。
【0029】
係止体34は、第1の係止面36と第2の係止面38とを有している。係止面36および38は、係止体34の互いに反対を向いている側に配置される。
【0030】
プロフィル部材12は本体40を有しており、これを起点として、車両ウィンド14とプロフィル部材12を結合するための第1の結合領域42と、水タンクカバー16とプロフィル部材12を結合するための第2の結合領域44とが延びている。
【0031】
第1の結合領域42は、たとえば車両ウィンド14の下面26と担持区域46を接着結合するための接着層48を担持するための、車両ウィンド14と平行な担持区域46を含んでいる。
【0032】
第2の結合領域44は、好ましくは断面で見て実質的にU字型、L字型、またはフック型であり、水タンクカバー16の係止体34を収容する役目を果たす係止領域50を含んでいる。
【0033】
第2の結合領域44は、水タンクカバー16の係止体34の第1の係止面36と協働作用する係止エッジ52を有している。
【0034】
係止エッジ52と向かい合う側では、水タンクカバー16の係止体34の第2の係止面38と協働作用する係止部材54が係止領域50に配置されている。係止部材54の構造と機能形態に関しては、同一出願人の特許文献1の内容も援用する。係止部材54は、水タンクカバー16の係止体34の挿入平面57に対して鋭角59で方向づけられた係止部材平面55に沿って延びている。角度59は、約20°から約70°の間、特に約30°から約60°の間であるのが好ましい。
【0035】
プロフィル部材12は、たとえばアルミニウムからなる金属のインサート56、58によって機械的に補強された弾性的な材料から製作されているのが好ましい。
【0036】
さらにプロフィル部材12は、封止領域62を支持するために本体40から延びる支持区域60を含んでいる。封止領域62は、水タンクカバー16の組み付け状態のとき(
図2参照)、車両ウィンド14の外面24および水タンクカバー16の外面30に対して少なくとも実質的に平行かつ同一平面上に延びる外面64を有している。
【0037】
封止領域62は、車両ウィンド14の端面28と水タンクカバー16の対応面66との間に延びている。対応面66は、水タンク区域32の端面によって形成されている。対応面66は、水タンク区域の外面30に対して垂直の方向に対して傾いているのが好ましく、それにより、対応面66と外面30はそれぞれの間で約10°から85°の間、好ましくは約30°から約70°の間、特に約40°から約60°の間の角度68をなしている。対応面66と外面30は、組み付けエッジ70のところで合流する。
【0038】
水タンク区域32が、車両ウィンド14と平行な姿勢72に対して、傾斜角74だけ外方に向かって傾くようにアライメントされていると、プロフィル部材12の係止領域50への水タンクカバー16の係止体34の挿入は、組み付けエッジ70と封止領域62の衝突を伴うことになる。
【0039】
封止領域62は、第1の封止面78によって車両ウィンド14の端面28に封止をするように当接する第1の部分区域76を有している。
【0040】
第1の部分区域76は、断面で見て細くなった結合区域80によって第2の部分区域82と結合されており、第2の部分区域は、水タンクカバー16の対応面66に対して封止をするように当接するための第2の封止面84を有している。第2の部分区域82は、結合区域80を中心として、第1の部分区域76に対して相対的に旋回可能である。
【0041】
図1では、第2の部分区域82は組み付けエッジ70の押圧によって変形した状態で示されており、この状態では第2の部分区域は、部分区域76と82の間に形成される自由空間86(
図2参照)に入り込んでいる。
【0042】
図1と
図2に示す実施例では、自由空間86は、円周側で開いた溝88によって区切られている。
【0043】
封止領域62はばね弾性的な材料で製作され、たとえば熱可塑性エラストマーで製作される。係止エッジ52および係止部材54の両方と水タンクカバー16の係止体34が完全に係止された後、封止領域62のばね弾性的な材料の復帰力が、自由空間86から対応面66へ向かう方向への第2の部分区域82の戻り変形を惹起し、それにより、第2の封止面84と水タンクカバー16の対応面66が封止をするように互いに当接する。
【0044】
本発明による封止領域62の好ましい作用は、特に、上で
図1と
図2を参照して説明したように、係止部材54を有する係止領域50を備えた第2の結合領域44で得られる。あるいは封止領域62の利点は、第2の結合領域44が係止部材54を有していない場合にも得られ、その様子は一例として
図3に示されている。
【0045】
プロフィル部材12の結合領域42および44を備える本体40、ならびに封止領域62のための支持区域60は同一の材料で製作されているのが好ましく、たとえばアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン−コポリマーとポリ塩化ビニルの配合物(ABS/PVC)、またはポリプロピレン(PP)、またはその他の熱可塑的に処理可能なプラスチックでできている。封止領域62の材料と、場合により設けられる係止部材54の材料は異なる材料であってよく、たとえば熱可塑性エラストマー(TPE)であってよい。封止領域62および場合により設けられる係止部材54は、本体40、結合領域42および44、および支持区域60と一緒に(同時)押出成形法によって製作されるのが好ましい。
【0046】
封止領域62および場合により設けられる係止部材54は、熱可塑性エラストマーで製作されていることが可能である。特別に軟質で特別に容易に変形可能である発泡ゴム材料または発泡TPEで封止領域62を製作することも考えられる。このような封止領域62は
図4に示されている。
【0047】
次に、封止領域62のさまざまな幾何学形態の例について説明する。
図5に示す封止領域62は、
図1から
図4の封止領域62に類似する構造を有している。しかし封止領域62の自由空間86は、アンダーカット90を有する、円周側で開いた溝88によって区切られている。このようにして、結合区域80を中心とする第1の部分区域76に対して相対的な第2の部分区域82の特別に良好な運動性を実現することができる。
【0048】
図6に示す封止領域62は、封止領域62の外面64に対して実質的に平行に延びる、平坦化された第1の部分区域76を有している。支持区域60のほうを向いている第1の部分区域76の区切り92は、プロフィル部材12への水タンクカバー16の組付けが完了した状態のとき、水タンクカバー16の外面30に対して実質的に平行に延びている。このことは、第1の部分区域76の圧力負荷を、区切り92を介して、簡単な仕方でプロフィル部材12の本体40の支持区域60へ逃がすことができるという利点がある。
【0049】
図7と
図8に示す実施形態では、円周側で閉じた中空スペースによって区切られる自由空間86を有する封止領域62が設けられている。
【0050】
結合区域80と向かい合う側での第1の部分区域76と第2の部分区域82との間の結合は、本体40の支持区域60との広い面積の結合を可能にする追加区域94によって行われる。
【0051】
中空スペースの区切りと封止領域62の外面とは、少なくとも実質的に互いに平行に延びていることが可能である(
図7参照)。中空スペースの区切りの形状と封止領域62の外面の形状とが互いに独立していることも可能である(
図8参照)。
【0052】
以下に
図9と
図10を参照して説明するプロフィル部材モジュール10は、プロフィル部材12に関して、および車両ウィンド14に関して、
図1および
図2のプロフィル部材モジュール10と同一である。
図9および
図10のプロフィル部材モジュール10の特殊性は、水タンクカバー32の係止体34が連結領域96で水タンク区域32と固定的に結合されるのではなく、細くなった連結区域98(
図9参照)ないし弾性的な連結区域100(
図10参照)によって結合されるという点にある。
【0053】
図11に示すプロフィル部材モジュール10は、互いに別々の部分区域がなく、部分区域を結合するための結合区域がなく、部分区域のうち少なくとも1つが中へ入るように変形可能である自由空間もない、それ自体で閉じた断面を備える封止領域62を含んでいる。この封止領域62は、水タンクカバー16の対応面66に当接するための第2の封止面84を有している。対応面66は、水タンク区域32の弾性的に変形可能な追加区域102によって形成されている。追加区域102は、特にばね弾性的な材料で製作されており、たとえば変形空間104を含んでいる。