特許第6138356号(P6138356)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6138356固体酸化物形燃料電池発電システムにおけるスタックアレイ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6138356
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年5月31日
(54)【発明の名称】固体酸化物形燃料電池発電システムにおけるスタックアレイ
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/24 20160101AFI20170522BHJP
   H01M 8/2484 20160101ALI20170522BHJP
   H01M 8/12 20160101ALI20170522BHJP
   H01M 8/02 20160101ALI20170522BHJP
   H01M 8/0612 20160101ALI20170522BHJP
   H01M 8/04 20160101ALI20170522BHJP
【FI】
   H01M8/24 E
   H01M8/24 R
   H01M8/24 M
   H01M8/24 Z
   H01M8/12
   H01M8/02 R
   H01M8/06 G
   H01M8/04 Z
【請求項の数】14
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-515596(P2016-515596)
(86)(22)【出願日】2013年6月5日
(65)【公表番号】特表2016-520976(P2016-520976A)
(43)【公表日】2016年7月14日
(86)【国際出願番号】CN2013076751
(87)【国際公開番号】WO2014190564
(87)【国際公開日】20141204
【審査請求日】2015年12月16日
(31)【優先権主張番号】201310212920.5
(32)【優先日】2013年5月30日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515329850
【氏名又は名称】ニンポー インスティテュート オブ マテリアルズ テクノロジー アンド エンジニアリング, チャイニーズ アカデミー オブ サイエンシズ
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100107733
【弁理士】
【氏名又は名称】流 良広
(74)【代理人】
【識別番号】100115347
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 奈緒子
(74)【代理人】
【識別番号】100163038
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 武志
(72)【発明者】
【氏名】王蔚国
(72)【発明者】
【氏名】彭▲軍▼
(72)【発明者】
【氏名】茹浩磊
(72)【発明者】
【氏名】叶爽
【審査官】 山内 達人
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−196197(JP,A)
【文献】 特開2001−110439(JP,A)
【文献】 特開昭62−024570(JP,A)
【文献】 特開2010−113981(JP,A)
【文献】 特開2007−213926(JP,A)
【文献】 特開2007−018855(JP,A)
【文献】 特開2005−149995(JP,A)
【文献】 特開2001−342002(JP,A)
【文献】 特開2001−328801(JP,A)
【文献】 特開2005−166355(JP,A)
【文献】 特開平08−171926(JP,A)
【文献】 特開昭58−161272(JP,A)
【文献】 特開昭60−235365(JP,A)
【文献】 特開昭57−180876(JP,A)
【文献】 特開2006−127908(JP,A)
【文献】 国際公開第94/022179(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0196704(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0011757(US,A1)
【文献】 中国特許出願公開第102694191(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/24
H01M 8/2484
H01M 8/04
H01M 8/0612
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体(5)と、スタックグループ(2)とを備えている固体酸化物形燃料電池発電システムにおけるスタックアレイであって、
前記支持体(5)が層状構造であり、1層又は2層以上の支持ユニット(6)を有し、
各層の支持ユニット(6)が、少なくとも1つのスタックグループ(2)を支持しており、
各スタックグループ(2)が、複数のシングルスタック(4)からなり、各シングルスタック(4)が横置き状態となっており、
シングルスタック(4)同士の間には締付具(7)が設けられており
前記締付具(7)の内部には、改質器(3)が設けられており、
前記スタックグループ(2)において、複数のシングルスタック(4)が順次に配列され閉ループ構造を形成している、
ことを特徴とする固体酸化物形燃料電池発電システムにおけるスタックアレイ。
【請求項2】
前記改質器(3)とシングルスタック(4)との間を結ぶガス通路(8)が、締付具(7)の内部に設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池発電システムにおけるスタックアレイ。
【請求項3】
前記スタックグループ(2)において、複数のシングルスタック(4)が円周方向に沿って配列され閉ループ構造を形成している、
ことを特徴とする請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池発電システムにおけるスタックアレイ。
【請求項4】
前記スタックグループ(2)において、複数のシングルスタック(4)が円周方向に沿って配列され閉ループ構造を形成している、
ことを特徴とする請求項2に記載の固体酸化物形燃料電池発電システムにおけるスタックアレイ。
【請求項5】
前記締付具(7)がセラミック製又はステンレス製である、
ことを特徴とする請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池発電システムにおけるスタックアレイ。
【請求項6】
前記締付具(7)がセラミック製又はステンレス製である、
ことを特徴とする請求項2に記載の固体酸化物形燃料電池発電システムにおけるスタックアレイ。
【請求項7】
前記改質器(3)が、単管式の改質器、多管式の改質器、又はチップ式の改質器である、
ことを特徴とする請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池発電システムにおけるスタックアレイ。
【請求項8】
前記改質器(3)が、単管式の改質器、多管式の改質器、又はチップ式の改質器である、
ことを特徴とする請求項2に記載の固体酸化物形燃料電池発電システムにおけるスタックアレイ。
【請求項9】
前記スタックグループ(2)におけるシングルスタック(4)の数が3〜12個である、
ことを特徴とする請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池発電システムにおけるスタックアレイ。
【請求項10】
前記スタックグループ(2)におけるシングルスタック(4)の数が3〜12個である、
ことを特徴とする請求項2に記載の固体酸化物形燃料電池発電システムにおけるスタックアレイ。
【請求項11】
前記支持体(5)が2〜10層の支持ユニット(6)を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池発電システムにおけるスタックアレイ。
【請求項12】
前記支持体(5)が2〜10層の支持ユニット(6)を有する、
ことを特徴とする請求項2に記載の固体酸化物形燃料電池発電システムにおけるスタックアレイ。
【請求項13】
請求項1に記載のスタックアレイを備えた、
ことを特徴とする固体酸化物形燃料電池発電システム。
【請求項14】
請求項2に記載のスタックアレイを備えた、
ことを特徴とする固体酸化物形燃料電池発電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体酸化物形燃料電池(SOFC:Solid oxide fuel cell)発電システムに関し、特に、固体酸化物形燃料電池発電システムにおけるスタックアレイに関する。
【背景技術】
【0002】
固体酸化物形燃料電池発電システムは、化学エネルギーを電気エネルギーに直接変換する装置であり、一般的には、天然ガスなどの軽質炭化水素を燃料として、燃料に含まれている化学エネルギーを効率かつ清潔的に電気エネルギーに変換する。SOFC発電システムに基づく分散型発電所は、既存の天然ガスネットワークにより提供される天然ガスを便利に利用して発電することができ、送電網に送電することができるため、SOFC発電システムは極めて前途有望な発電方式である。
【0003】
SOFC発電システムのコア部品はスタックアレイである。スタックアレイは、複数のスタックからなり、一定な分布パターンを有しており、発電用の反応がスタックアレイの内部で行われる。天然ガスなどの軽質炭化水素原料がSOFC発電システムに供給されると、まず改質器に入って改質反応し、そして改質反応した後の排出ガス燃料がスタックアレイに供給されて発電する。よって、SOFC発電システムのスタックアレイは発電する場所である。
スタックアレイの設計は、SOFC発電システム設計の重要な技術の一つである。従来のSOFC発電システムの設計案、例えば、特許文献1及び2では、スタックアレイ1′の構造は、図1に示すように、複数列のスタックグループ2′が円周方向に沿って配列されて形成された環状アレイであり、各列のスタックグループ2′は、複数のシングルスタック4′が上下に積層されたものである。図2に示すように、各シングルスタック4′は縦置き状態となり、すなわち、各シングルスタック4′の吸気孔と排気孔とで定められた平面は水平面と略平行している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第7659022号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2012/0178003号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、SOFC発電システムにおける新型スタックアレイを提供する。このスタックアレイは、支持体と、スタックグループと、を備え、前記支持体は層状構造であり、1層又は2層以上の支持ユニットを有し、前記スタックアレイは1つ又は2つ以上のスタックグループにより構成され、各層の支持ユニットは少なくとも1つのスタックグループを支持しており、各スタックグループは複数のシングルスタックからなり、図3に示すように各シングルスタックは横置き状態となり、すなわち、各シングルスタックの吸気孔と排気孔とで定められた平面は水平面と略直交しており、シングルスタック同士の間には締付具が設けられている。
【0006】
上記した技術案では、前記各スタックグループにおける複数のシングルスタックがなした形状は限定されず、開ループ構造(すなわち一端と他端が繋がない)、例えば複数のシングルスタックは直線に配列されるように形成していてもよく、閉ループ構造(すなわち無端形状)、例えば複数のシングルスタックが円周方向に沿って配列されるように形成していてもよい。好ましくは、前記スタックグループは、複数のシングルスタックが順次に配列されて閉ループ構造を形成している。さらに好ましくは、前記スタックグループは、複数のシングルスタックが順次に配列されて円周構造に形成されている。
【0007】
上記した技術案では、スタックアレイにガスを供給するための改質器の構成及び位置は、特に限定されない。改質器は、単管式の改質器、多管式の改質器、チップ式の改質器のうちの1種類又は複数の種類を含んでもよいが、好ましくはチップ式の改質器である。改質器の位置は、特に限定されないが、改質器、及び改質器とスタックとの間を結ぶガス通路を締付具の内部に設けることで、改質器から発生した排出ガスをガス通路を通してスタックに供給することが好ましい。このような好適なスタックアレイ構造では、各締付具の内部に改質器とガス通路が設けられていてもよく、好適には下記の(a)〜(d)に従って改質器とガス通路を設けてもよく、これにより改質器の数を削減して、コストの低減を図る。
【0008】
(a)スタックグループが閉ループ構造であり、かつ締付具の数が2N(Nは自然数)である場合、そのうちのいずれかの締付具を始点として、少なくとも2n番目(nはN以下の全ての自然数)の締付具の内部に改質器とガス通路を設ける。
【0009】
(b)スタックグループが閉ループ構造であり、かつ環状配列された締付具の数が2N+1(Nは自然数)である場合、そのうちのいずれかの締付具を始点として、少なくとも2n番目(nはN以下の全ての整数)の締付具の内部に改質器とガス通路を設けるとともに、1番目又は2N+1番目の締付具の内部に改質器とガス通路を埋め込む。
【0010】
(c)スタックグループが開ループ構造であり、かつ締付具の数が2N(Nは自然数)である場合、そのうちの一端に設けられている先頭の締付具を始点として、少なくとも2n−1番目及び2n番目(nはN以下の全ての自然数)の締付具の内部に改質器とガス通路を設ける。
【0011】
(d)スタックグループが開ループ構造であり、かつ締付具の数が2N+1(Nは自然数)である場合、そのうちの一端に設けられている先頭の締付具を始点として、少なくとも2n−1番目(nはN以下の全ての整数)の締付具の内部に改質器とガス通路を設ける。
【0012】
上記した技術案では、前記スタックグループにおけるシングルスタックの数は限定されず、必要に応じて決めてもよいが、好ましくは、スタックグループ毎に3〜12個である。
【0013】
上記した技術案では、前記支持体における支持ユニットの層数は限定されず、必要に応じて決めてもよいが、好ましくは、2〜10層である。
【0014】
上記した技術案では、前記締付具の材質は限定されないが、好ましくは、セラミック製又はステンレス製である。一実施形態としては、締付ねじ孔で締付具と支持ユニットを締め付けて結合する。
前記ガス通路を締付具の内部に設けることによって、改質器とスタックとの間のガスの流れを実現して、外部に露出した外部接続パイプラインを削減することにより、スタックアレイがより簡単でコンパクトになる。
【発明の効果】
【0015】
以上によって、本発明は、SOFC発電システムにおける新型スタックアレイを提供する。この構成では、シングルスタックが層状構造の支持体に横置き状態で配置され、各層の支持ユニット上に、複数の横置き状態で配置されたシングルスタックが順次に配列されてスタックグループを構成し、シングルスタック同士の間に締付具を設けることで、支持ユニット上に安定して配置するようになる。この構成は以下のような利点がある。
【0016】
(1)シングルスタックの配置を改善するとともに、層状構造の支持体を用いて支持することで、スタックアレイをより簡単で強固にすることができ、かつ、層状構造の支持体での支持により、支持ユニットの数及び各層の支持ユニット上に配置されるシングルスタックの数を必要に応じて調整することができるため、より柔軟に制御することができる。
【0017】
(2)スタックアレイの安定性、強固性をさらに向上させるために、必要に応じてシングルスタック同士の間に締付具を設けてもよい。
(3)この好適な構造では、ホットゾーン構造体の改質器及びガス通路を締付具の内部に配置することにより、改質器とガス通路をスタックアレイに内蔵することで、空間を有効かつ適切に利用でき、ホットゾーンにおいての数多くの外部接続パイプラインの配置を回避でき、ホットゾーンにおいて各機能部品への接続構造がよりコンパクトになり、従来の技術のような、改質器が環状のスタックアレイの中央に設置されたため改質器と各スタックの吸排気孔との間を結ぶガス通路が中心から放射状に接続され、ガス通路の接続が複雑で且つ外部に露出して、システムの統合に不利となっていた課題を効果的に解決することができる。また、この好適な構造では、改質器を各層の支持ユニットに柔軟に配置可能であり、改質器を各締付具の内部に設けてもよく、これによりシングルの改質器から発生した排出ガスをガス通路を通して各シングルスタックに供給して発電することができる。
また、環状配列された締付具の内部に間隔で改質器を設けてもよく、これによりシングルの改質器から発生した排出ガスをガス通路を通して隣接する二つのシングルスタックに供給して発電することができ、改質器の数を減少し、コストの低減と作業効率の向上に有利である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、既存のSOFC発電システムにおけるスタックアレイの模式図である。
図2図2は、図1に示す縦置きのシングルスタックの模式図である。
図3図3は、本発明に係るスタックアレイにおける横置きのシングルスタックの模式図である。
図4図4は、本発明の実施例1に係るスタックアレイ構造の模式図である。
図5図5は、本発明の実施例1に係るスタックアレイ構造における各支持ユニット上のスタックグループの配置を模式的に示す図の一つである。
図6図6は、本発明の実施例1に係るスタックアレイ構造における各支持ユニット上のスタックグループの他の配置を模式的に示す図である。
図7図7は、本発明の実施例2に係るスタックアレイ構造における各支持ユニット上のスタックグループの他の配置を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら実施例を説明することにより、本発明を詳細に説明する。なお、以下の実施例は、本発明を容易に理解するためのものであり、発明の内容を限定するものではない。
【実施例】
【0020】
図1から図7において、1′はスタックアレイ、2′はスタックグループ、3′は改質器、4′はシングルの縦置きのスタック、1はスタックアレイ、2はスタックグループ、3は改質器、4はシングルの横置きのスタック、5は支持体、6は支持ユニット、7は締付具、8はガス通路を示す。
【0021】
(実施例1)
本実施例では、SOFC発電システムにおけるスタックアレイは、図4図5に示すように、支持体5とスタックグループ2とを備えている。支持体5は層状構造であり、6層の支持ユニット6を有する。支持ユニット6の材質はステンレスである。
図5に示すように、各層の支持ユニット6には、8つのシングルスタック4が円周方向に沿って配列され、環状配列されたスタックグループ2を形成しており、6層の支持ユニット6上に配置されたスタックグループ2である48個のシングルスタック4は、スタックアレイを構成している。
図3に示すように、各シングルスタック4は横置き状態となり、すなわち、各シングルスタックの吸気孔と排気孔とで定められた平面は水平面と略直交している。
図5に示すように、隣接する二つのシングルスタック4同士の間には、締付具7が設けられている。締付具7は、ステンレス製のくさび形部品とセラミック製のくさび形部品のうちの1種類又は2種類からなり、セラミック製のくさび形部品は絶縁のために用いられている。
図5に示すように、当該スタックアレイにガスを供給する改質器3は各締付具7の内部に設けられ、改質器3とシングルスタック4との間を結ぶガス通路8も締付具7の内部に設けられており、これにより各改質器3から発生した排出ガスをガス通路8を通してシングルスタック4に供給して発電する。
上記したスタックアレイを動作させた後、安定した運行になると、出力電力は40kWに達する。
別の実施形態として、図6に示すように、この場合、各層の支持ユニット6に環状配列された締付具7の数は8つであり、1つの改質器3から発生した排出ガスをガス通路8を通して隣接する二つのシングルスタック4に供給して発電するように、いずれかの締付具7を始点の1として、改質器3が2番目、4番目、6番目、8番目の締付具の内部にのみ設けられ、ガス通路8も2番目、4番目、6番目、8番目の締付具の内部にのみ設けられていてもよい。これにより、改質器の数を削減することができ、コストの低減と作業効率の向上に有利である。
【0022】
(実施例2)
本実施例では、SOFC発電システムにおけるスタックアレイは、図4図5に似たように、支持体5とスタックグループ2とを備えている。支持体5は層状構造であり、5層の支持ユニット6を有する。支持ユニット6の材質はステンレスである。
図5に似たように、各層の支持ユニット6には、7つのシングルスタック4が円周方向に沿って配列され、環状配列されたスタックグループ2を形成している。6層の支持ユニット6上に配置されたスタックグループ2である35個のシングルスタック4は、スタックアレイを構成している。
図3に示すように、各シングルスタック4は横置き状態となり、すなわち、各シングルスタックの吸気孔と排気孔とで定められた平面は水平面と略直交している。
図5に似たように、隣接する二つのシングルスタック4同士の間には、締付具7が設けられている。締付具7は、ステンレス製のくさび形部品とセラミック製のくさび形部品のうちの1種類又は2種類からなり、セラミック製のくさび形部品は絶縁のために用いられている。
図5に似たように、改質器3は各締付具7の内部に設けられ、改質器3とシングルスタック4との間を結ぶガス通路8も締付具7の内部に設けられており、これにより各改質器3から発生した排出ガスをガス通路8を通してシングルスタック4に供給して発電する。
上記したスタックアレイを動作させた後、安定した運行になると、出力電力は30kWに達する。
別の実施形態として、図7に示すように、この場合、各層の支持ユニット6に環状配列された締付具7の数は7つであり、1つの改質器3から発生した排出ガスをガス通路8を通して隣接する二つのシングルスタック4に供給して発電するように、いずれかの締付具7を始点の1として、改質器3が1番目、2番目、4番目、6番目の締付具の内部にのみ設けられ、或いは2番目、4番目、6番目、7番目の締付具の内部にのみ設けられ、ガス通路8も1番目、2番目、4番目、6番目の締付具の内部にのみ設けられ、或いは2番目、4番目、6番目、7番目の締付具の内部にのみ設けられていてもよい。これにより、改質器の数を削減することができ、コストの低減と作業効率の向上に有利である。
【0023】
以上の実施例により、本発明の技術案を詳しく説明したが、上記の内容は本発明の具体的な実施例であり、本発明を限定することは意図していない。本発明の要旨を逸脱しない範囲で行われた変更、補足、置き換えなどは、本発明の範囲に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7