特許第6138445号(P6138445)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6138445
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年5月31日
(54)【発明の名称】膝蓋切除アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/56 20060101AFI20170522BHJP
   A61B 17/14 20060101ALI20170522BHJP
【FI】
   A61B17/56
   A61B17/14
【請求項の数】2
【外国語出願】
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-213783(P2012-213783)
(22)【出願日】2012年9月27日
(65)【公開番号】特開2013-71009(P2013-71009A)
(43)【公開日】2013年4月22日
【審査請求日】2015年9月25日
(31)【優先権主張番号】61/540,058
(32)【優先日】2011年9月28日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/548,628
(32)【優先日】2012年7月13日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516312682
【氏名又は名称】デピュイ・アイルランド・アンリミテッド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】DEPUY IRELAND UNLIMITED COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・ピー・ベイル
(72)【発明者】
【氏名】アブラハム・ピー・ライト
【審査官】 中村 一雄
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第05021055(US,A)
【文献】 特表2005−518240(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/56
A61B 17/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
膝蓋切除アセンブリであって、
長手方向軸を有するハンドルと、
前記ハンドルから、前記ハンドルの前記長手方向軸を通じた長手方向平面に沿って位置合わせされた第1自由端まで延びる爪部材であって、前記爪部材は前記ハンドルに取り付けられた第2端部、及び鋸刃を案内するための平坦な表面を有する、爪部材と、
前記爪部材の前記第1自由端にあり、前記ハンドルに向かって延びる、第1把持部材と、
前記ハンドル上に可動に取り付けられた調節可能な部材であって、前記調節可能な部材は、前記爪部材の前記第1自由端に向かって、及びこれから離れるように、前記ハンドルの前記長手方向軸に沿って線形方向に、選択的に可動である、調節可能な部材と、
前記調節可能な部材上にあり、前記爪部材の前記第1自由端に向かって延びる、第2把持部材とを含み、
ここで、
前記爪部材の前記第1自由端は、前記ハンドルから離間され、
前記爪部材及び前記ハンドルは、前記爪部材の前記第1自由端と前記調節可能な部材との間の開口部を画定し、
前記調節可能な部材の線形移動は、前記爪部材の前記第1自由端と前記調節可能な部材との間の前記開口部の寸法を、前記長手方向軸に沿って変更し、
前記爪部材及び前記ハンドルは、第1配置及び第2配置において前記ハンドル上に前記爪部材を取り外し可能に取り付けるための、相補的な取り付け部材を有し、
前記第1配置において、前記爪部材の大部分は、前記長手方向平面の一方の側に位置し、前記第1把持部材の位置は、前記ハンドルに対して固定されており、
前記第2配置において、前記爪部材の大部分は、前記長手方向平面の他方の側に位置し、前記第1把持部材の位置は、前記ハンドルに対して固定されており
前記ハンドルは、一対の離間した取り付けフランジ、及び各フランジに隣接する縁部を含み、
前記爪部材の前記第2端部は縁部を含み、
前記取り付けフランジに隣接する前記ハンドルの前記縁部、及び前記爪部材の前記第2端部の前記縁部は相補的な形状を有する、膝蓋切除アセンブリ。
【請求項2】
前記爪部材から、前記爪部材の前記自由端から離間した位置にある前記開口部に向かって延びる、第3把持部材を更に含む、請求項1に記載の膝蓋切除アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2011年9月28日に出願された、米国特許仮出願番号第61/540058号、表題「Patella Resection Assembly」に対する優先権を主張し、これは本明細書において、その全体は参照により組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、広義には整形外科用手術器具に関し、より具体的には膝蓋切除ガイドに関する。
【背景技術】
【0003】
関節形成術は、疾患及び/又は損傷した天然関節を人工関節で置き換える周知の外科手術である。通常の人工膝関節は、脛骨トレー、大腿骨コンポーネント、及び脛骨トレーと大腿骨コンポーネントとの間に配置されるポリマーインサート又はベアリングを含む。ある場合においては、人工膝関節は、人工膝蓋骨コンポーネントも含んでよく、このコンポーネントは、手術により準備された患者の膝蓋骨の後部側に固定される。膝蓋を準備するために、整形外科医は、患者の天然の膝蓋の後方ドーム側を切除して、そこにプロテーゼ構成要素を固定することがある。使用時、膝蓋骨コンポーネントは、患者の膝の伸張及び屈曲中に、患者の天然の又は人工の大腿骨と関節で繋がっている。
【0004】
天然関節を人工膝関節で置き換えることを容易にするために、整形外科医は、例えば切断ブロック、ドリル案内、ミリング案内、及び他の手術器具等の様々な整形外科用手術器具を使用する。通常、整形外科用手術器具は患者に関して一般的であるため、類似する整形外科手術中に、同一の整形外科用手術器具が多数の異なる患者に使用され得る。
【0005】
膝蓋を切除する際、外科医はしばしばフリーハンドで切除を実施する。しかしながら、フリーハンドでの膝蓋の切断は、ガイド付きの切除ほど正確なものではない。更に、膝蓋プロテーゼ用の定着手段を受容するために、また残存する膝蓋の完全性を維持するために十分な量の骨ストックが切除後にも残存することが重要である。膝蓋移植片が適切に配置され、適当な量の骨が切除後に残存するようにするためには、切除ガイドが必要となる。
【0006】
患者の体の大きさなどを含めた多数の要因により、天然の膝蓋は相当に大きさの異なるものである。したがって、切除ガイドが使用される場合、膝蓋の大きさの変動性に対応するようにガイドが複数の大きさで提供されるか、あるいは調節可能な切除ガイドが使用されなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、外科医が、膝蓋を確実に把持しながら、切除を行うことを補助する、調節可能な膝蓋切除ガイドを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
例示的な実施形態において、本発明は、ハンドルと、別個の爪部材とを含む、膝蓋切除アセンブリを提供する。ハンドルは長手方向軸を有する。爪部材は、ハンドルから、ハンドルの長手方向軸を通じた長手方向平面に沿って位置合わせされた第1自由端まで延びる。爪部材は、ハンドルに取り付けられた第2端部、及び鋸刃を案内するための平坦な表面を有する。第1把持部材は、爪部材の第1自由端にあり、ハンドルに向かって延びる。調節可能な部材は、ハンドル上に可動に取り付けられ、爪部材の第1自由端に向かって、及びこれから離れるように、ハンドルの長手方向軸に沿って線形方向に、選択的に可動である。第2把持部材は、調節可能な部材上にあり、爪部材の第1自由端に向かって延びる。爪部材の第1自由端は、ハンドルから離間している。爪部材及びハンドルは、爪部材の第1自由端と調節可能な部材との間に開口部を画定する。調節可能な部材の線形移動は、爪部材の第1自由端と調節可能な部材との間の開口部の寸法を、長手方向軸に沿って変更する。爪部材及びハンドルは、第1配置及び第2配置においてハンドル上に爪部材を取り外し可能に取り付けるための、相補的な取り付け部材を有する。第1配置において、爪部材の大部分は、長手方向平面の一方の側に位置し、第1把持部材の部分は、ハンドルに対して固定されている。第2配置において、爪部材の大部分は、長手方向平面の他方の側に位置し、第1把持部材の部分は、ハンドルに対して固定されている。
【0009】
より具体的な実施形態において、膝蓋切除アセンブリは、爪部材から爪部材の自由端から離間した位置にある開口部に向かって延びる、第3把持部材を更に含む。
【0010】
より具体的な実施形態において、ハンドルは、一対の離間した取り付けフランジ、及び各フランジに隣接する縁部を含み、爪部材の第2端部は縁部を含む。この実施形態において、取り付けフランジに隣接するハンドルの縁部及び爪部材の第2端部は相補的な形状を有する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
「発明を実施するための形態」においては、特に以下の図面を参照する。
図1】第1配置にあるモジュラー爪部材が第1配置にあり、調節可能な部材が中間位置にあるのを示す、本発明の原理を組み込む膝蓋切除アセンブリの一実施形態の斜視図。
図2図1の膝蓋切除アセンブリのモジュラーハンドル部の斜視図。
図3】爪部材の上面を示す、図1の膝蓋切除アセンブリのモジュラー爪部材の斜視図。
図4】第2配置にあり、爪部材の底面を示す、図3のモジュラー爪部材の斜視図。
図5】調節可能な部材が完全に後退した位置にあるものとして示される、図1の膝蓋切除アセンブリの斜視図。
図6】調節可能な部材が完全に延びた位置にあるものとして示される、図1の膝蓋切除アセンブリの斜視図。
図7】爪部材が第2配置にあり、調節可能な部材が中間位置にあるものとして示される、図1の膝蓋切除アセンブリの斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示の概念には様々な改変及び代替的形態が考えられるが、その特定の代表的な実施形態を図面に例として示し、本明細書において詳細に述べる。ただし、本開示の概念を開示される特定の形態に限定することを何ら意図するものではなく、その逆に、本発明は、添付の「特許請求の範囲」において定義される発明の趣旨及び範囲に包含されるすべての改変物、均等物及び代替物を網羅することを意図するものである点を理解すべきである。
【0013】
解剖学的参照を表す、前、後、内側、外側、上、下などの用語は、本明細書の全体を通じて、本明細書において述べられる整形外科用インプラント及び外科器具に関して、並びに患者の自然の解剖学的構造に関して使用されうる。これらの用語は、解剖学的構造の研究及び整形外科学の分野の両方において広く理解された意味を有するものである。明細書及び特許請求の範囲におけるこれらの解剖学的参照用語の使用は、特に断らないかぎりは、それらの広く理解されている意味と一貫性を有するものとする。
【0014】
図1を参照し、膝蓋切除アセンブリ10の第1実施形態が例示される。例示される膝蓋切除アセンブリ10は、ハンドル12及び別個の爪部材14を含む。ハンドル12は、中央長手方向軸16を有する。爪部材14は、ハンドル12から、ハンドルの長手方向軸16を通じて長手方向平面に沿って位置合わせされた自由端18まで外側に延びる。爪部材14はまた、ハンドル12に取り付けられた第2端部20、膝蓋を切除する間に鋸歯(図示されない)を案内するための平坦な表面22、及び第1自由端18における第1骨把持部材24を有する。例示される第1骨把持部材24は、ハンドル12に向かって延びる鋭利な歯を含む。図1及び図3〜7の実施形態において、爪部材14の自由端18はまた第2の鋭利な歯26を含む。
【0015】
図1の膝蓋切除アセンブリ10はまた、ハンドル12上に取り付けられた調節可能な部材28を含む。調節可能な部材28は、爪部材14の第1自由端18に向かって、及びここから離れるように、ハンドル12の長手方向軸16に沿って線形方向に選択的に可動である。調節可能な部材28は、第2骨把持部材30を含む自由端を有し、例示される実施形態において、第2骨把持部材30は、爪部材14の第1自由端18に向かって延びる鋭い歯を含む。
【0016】
図1、2及び5〜7に示されるように、調節可能な部材28は、ハンドル12の本体内に形成される開いたスロット34内で可動な起立タブ32を含む。第1の例示される実施形態において、図2及び図7に示されるように、調節可能な部材28のタブ32は、ハンドル12内に形成されるスロット又は区画内に受容され、長手方向に摺動可能な細長い本体36に接続されるか又はこれと一体である。細長い本体36は、ハンドル12の一端において、開口部(図示されない)から、端部へと延びる。第2骨把持部材又は歯30は、細長い本体36のこの端部に配置される。
【0017】
図1及び図5〜7に示されるように、爪部材14の第1自由端18がハンドル12から離間する。爪部材14及びハンドル12は、爪部材14の第1自由端18と、ハンドル12上の調節可能な部材28との間に開口部37を画定する。開口部37は、患者の膝蓋を受容し、より具体的には様々な大きさの膝蓋を受容するような、大きさ及び形状である。第1骨把持部材24及び第2の歯26は、ハンドル12に向かって開口部37へと延びる。調節可能な部材28の第2骨把持部材30は、爪部材14の第1自由端18向かって延びる。第1骨把持部材24、歯26及び第2骨把持部材30は、切除中に患者の膝蓋の周辺を把持して、膝蓋の位置を安定化するために提供される。以下でより詳細に記載されるように、第2骨把持部材30の長手方向位置は、膝蓋切除アセンブリ10が、様々な大きさの膝蓋の周辺部を把持するために使用され得るように、変化し得る。追加的な安定性を提供するため、骨把持部材は、第1骨把持部材24及び第2骨把持部材30の位置から離間した、第3位置が提供されてもよく、このような第3骨把持部材の例は、図1及び図3〜7の38に示され、爪部材14の側部に沿った位置から開口部37に向かって延びる。
【0018】
第2骨把持部材30の様々な位置が図1及び5〜6に例示される。図5に示されるように、爪部材14の自由端18から離れてオープンスロット34の一端までタブ32を摺動させることにより、第2骨把持部材又は歯30は、ハンドル12の内部に完全に後退させることができる。完全に後退した位置にある調節可能な部材28、爪部材14の第1自由端18によって画定される開口部37、及び調節可能な部材28は、図5に示されるように、寸法dにおいて最大化される。タブ32を爪部材14の自由端18に向かって、及びオープンスロット34の反対側の端部に摺動させることにより、調節可能な部材28は完全に延びることができる。調節可能な部材28が完全に延びた位置にあると、爪部材14の第1自由端18、及び調節可能な部材28によって画定される開口部37は、図6に示されるように、寸法dにおいて最小化される。調節可能な部材28はまた、例えば、図1及び図7に示される中間的な位置など、図5及び図6における2つの極端な状態の間のいずれかの位置に設定され得る。中間的な位置における調節可能な部材28において、爪部材18の第1自由端18と、調節可能な部材28によって画定される開口部37は、図1に示されるように、中間的な寸法dである。これらの位置において、爪部材14の位置は、ハンドル12に対して固定された状態にとどまる。
【0019】
例示されないが、ハンドル12及び調節可能な部材28は、事前に選択される位置において、調節可能な部材28を固定するために様々な構成を含み得る。例えば、解放式の線形ラチェット又は爪などが利用され得る。代替的に、又は加えて、ハンドル12及び調節可能な部材28は、調節可能な部材28を特定の位置に付勢する、様々な構成を含み得る。例えば、調節可能な部材を図5に示される完全に後退した位置、又は図6に示される完全に延びた位置に向かって付勢するために、ばねがハンドルの陥没部に把持され、調節可能な部材のいずれかの部分に位置してもよい。
【0020】
膝蓋切除アセンブリ10の例示される実施形態はモジュラーである。ハンドル12及び爪部材14は、容易に組み立て、かつ分解される、別個の構成要素である。図2は、モジュラーハンドル12に例示される。図3及び図4は、モジュラー爪部材14を例示する。ハンドル12及び爪部材14は、ハンドル12の爪部材14を第1及び第2配置に取り外し可能に取り付けるために、以下により詳細に記載される、相補的な取り付け部材を有する。以下により詳細に記載されるように、例示される実施形態において、相補的な取り付け部材は、ペグ及び孔を含むが、他の相補的な取り付け部材も使用され得ることが理解されるべきである。
【0021】
図2に示されるように、例示されるハンドル12は、湾曲した縁部54、56に隣接する一対の離間した取り付けフランジ50、52を含む。取り付けペグ58、60は、フランジ50、52から上方に延びる。ハンドル12は、長手方向軸16を通じた平面を中心に実質的に対称であり、そのため、フランジ50、52、湾曲した縁部54、56及び、ペグ58、60は互いに鏡像である。
【0022】
図3及び図4に示されるように、例示される別個の爪部材14は、第2端部20の近くに孔62を含み、これはペグ58、60の一方を受容するような大きさ及び形状である。例示される別個の爪部材14の第2端部20はまた、ハンドル12の湾曲した縁部54、56を補完する形状である、湾曲した縁部64を有する。したがって、爪部材14は、ハンドル12の両側に選択的に取り付けられてもよく、それによって爪部材14は、図1、5及び6に示される第1配置、及び図7に示される第2配置に選択的に配置され得る。第1配置において、ハンドルの長手方向軸16を通じた長手方向平面の一方の側に位置する爪部材14の大部分、ペグ58及び孔62の相互作用、加えて相補的な縁部54、64が、爪部材14の位置をハンドル12に対して固定し、それによって第1把持部材24の位置がハンドル12に対して固定される。第2配置において、ハンドルの長手方向軸16を通じた長手方向平面の一方の側に位置する爪部材14の大部分、ペグ60及び孔62の相互作用、加えて相補的な縁部56、64が、爪部材14の位置をハンドル12に対して固定し、それによって第1把持部材24の位置がハンドル12に対して固定される。
【0023】
ペグ58、60及び孔62は逆であってもよく、その際フランジ50、52内に孔が提供され、ペグが爪部材14の第2端部20の両側から外に延びる。ハンドル12の、上記の相補的な取り付け機構及び爪部材14は、単に例示的なものであることが理解されるべきである。ハンドル12に爪部材14を取り付けるための1つの構造が使用されてもよく、ハンドル12に爪部材14を一時的に保持する固定機構が含まれてもよい。
【0024】
上記のハンドル12の相補的な取り付け機構及び爪部材14は、単に例示的なものであることが理解されるべきである。ハンドル12上に爪部材14を取り付けるための他の構造が使用されてもよく、解放式固定機構がまた含まれ得る。
【0025】
例示的な爪部材14は、上面70及び下面72を有する。これらの表面70、72は平面的かつ平坦であり、膝蓋を切除する際、外科医は鋸刃の平坦な部分を、爪部材14のこれらの表面70、72の一方に対して配置することにより、平面的な切断部を形成するように鋸刃を案内することができる。鋸刃を案内するために頂面70又は底面72のいずれかが使用されてもよく、したがって、爪部材14は長手方向軸16を通じた長手方向平面のいずれかの側の上に取り付けられ得る。
【0026】
所望により、爪部材14の表面70、72に沿って1つ以上の案内スロットを画定するように、追加的な機構が含まれ得ることが理解されるべきである。
【0027】
本発明の膝蓋切除アセンブリ10を使用するために、外科医は、標準的な切開を行い、次いで患者の膝蓋を部分的にあるいは完全に裏返して、膝蓋の後方側を露出させる。事前に組み立てられていない場合、外科医は、爪部材14の孔62にペグ58又は60を挿入することにより、爪部材14及びハンドル12を組み立てる。調節可能な部材28が後退した状態で、アセンブリの爪部材14の部分が手術部位に導入され、例えば、膝蓋の縁部(例えば、上方縁部)が、把持部材(例えば、把持部材38)の1つに接触するまで、上方から下方へと横断するように移動する。爪部材14の自由端18と、ハンドル12の調節可能な部材28との間の開口部37は、膝蓋が骨把持部材24と30との間に受容されることを可能にする。調節可能な部材28はその後、膝蓋の縁部の対向する部分が、対向する骨把持部材24と30との間に保持されるまで拡張し得る。したがって、膝蓋は3点の接触部によってクランプすることができ、膝蓋はこれが確実に保持される間に切除され得る。
【0028】
例示される膝蓋切除アセンブリ10の設計が、低侵襲的な外科技術におけるその使用を可能にすることが理解される。切除案内アセンブリは、膝蓋の一部に接触するのみであるため、後方から前方への方向ではなく、上方から下方への方向において導入され、より低侵襲な手法を可能にする。
【0029】
例示される膝蓋切除アセンブリ10のモジュラー設計は、右膝及び左膝に対し、それぞれにつき同じ手法により、同じ器具が使用されることを可能にすることが理解される。したがって、在庫が低減され得る。
【0030】
例示的な膝蓋切除アセンブリ10のモジュラー設計の別の利点は、構成要素を形成するために使用される最も適切かつ経済的な材料の選択を可能にするという点である。例えば、ハンドル12は、金属、プラスチック又は他の材料から作製され得る。例えば、ハンドル12及び調節可能な部材28は、好適なポリマーの射出成形により、比較的安価に作製され得る。爪部材14はまた金属、プラスチック又は他の材料から作製され得るが、これは、鋸刃に適切な支持が提供されるように、少なくとも表面70及び72が金属であるような、爪部材を構成することが望ましいことがある。加えて、ポリマー−金属混合型の爪部材14を作製するため、米国特許出願公開番号第2010168753(A1)号、表題「Orthopaedic Cutting Block Having a Chemically Etched Metal Insert and Method of Manufacturing」(その全開時は本明細書において参照により組み込まれる)に記載されるものなどのプロセスが使用され得る。
【0031】
例示される膝蓋切除アセンブリ10に追加的な機構が追加され得る。例えば、適切な切除レベルを設定するために、開口部37にわたって取り付けるために、スタイラスアセンブリが提供され得る。このようなスタイラスは、例えば、爪部材14の自由端18、及びハンドル12の一部によって、取り外し可能に支持され得る。
【0032】
以上、図面及び上記の説明文において本開示内容を詳細に図示、説明したが、こうした図示、説明はその性質上、例示的なものとみなすべきであって、限定的なものとみなすべきではなく、あくまで例示的実施形態を示し、説明したものにすぎないのであって、本開示の趣旨の範囲に含まれる変更及び改変はすべて保護されることが望ましい点は理解されるであろう。
【0033】
本開示は、本明細書において述べた方法、装置、及びシステムの様々な特徴に基づく多くの利点を有するものである。本開示の方法、装置、及びシステムの代替的実施形態は、ここで述べた特徴のすべてを含むわけではないが、こうした特徴の利点の少なくとも一部から利益を享受するものであることに留意されよう。当業者であれば、本発明の1つ以上の特徴を取り入れた、「特許請求の範囲」において定義される本開示の趣旨及び範囲に包含される方法、装置、及びシステムを独自に実施することが容易に可能であろう。
【0034】
〔実施の態様〕
(1) 膝蓋切除アセンブリであって、
長手方向軸を有するハンドルと、
前記ハンドルから、前記ハンドルの前記長手方向軸を通じた長手方向平面に沿って位置合わせされた第1自由端まで延びる爪部材であって、前記爪部材は前記ハンドルに取り付けられた第2端部、及び鋸刃を案内するための平坦な表面を有する、爪部材と、
前記爪部材の前記第1自由端にあり、前記ハンドルに向かって延びる、第1把持部材と、
前記ハンドル上に可動に取り付けられた調節可能な部材であって、前記調節可能な部材は、前記爪部材の前記第1自由端に向かって、及びこれから離れるように、前記ハンドルの前記長手方向軸に沿って線形方向に、選択的に可動である、調節可能な部材と、
前記調節可能な部材上にあり、前記爪部材の前記第1自由端に向かって延びる、第2把持部材とを含み、
ここで、
前記爪部材の前記第1自由端は、前記ハンドルから離間され、
前記爪部材及び前記ハンドルは、前記爪部材の前記第1自由端と前記調節可能な部材との間の開口部を画定し、
前記調節可能な部材の線形移動は、前記爪部材の前記第1自由端と前記調節可能な部材との間の前記開口部の寸法を、前記長手方向軸に沿って変更し、
前記爪部材及び前記ハンドルは、第1配置及び第2配置において前記ハンドル上に前記爪部材を取り外し可能に取り付けるための、相補的な取り付け部材を有し、
前記第1配置において、前記爪部材の大部分は、前記長手方向平面の一方の側に位置し、前記第1把持部材の位置は、前記ハンドルに対して固定されており、
前記第2配置において、前記爪部材の大部分は、前記長手方向平面の他方の側に位置し、前記第1把持部材の位置は、前記ハンドルに対して固定されている、膝蓋切除アセンブリ。
(2) 前記爪部材から、前記爪部材の前記自由端から離間した位置にある前記開口部に向かって延びる、第3把持部材を更に含む、実施態様1に記載の膝蓋切除アセンブリ。
(3) 前記ハンドルは、一対の離間した取り付けフランジ、及び各フランジに隣接する縁部を含み、
前記爪部材の前記第2端部は縁部を含み、
前記取り付けフランジに隣接する前記ハンドルの前記縁部、及び前記爪部材の前記第2端部の前記縁部は相補的な形状を有する、実施態様1に記載の膝蓋切除アセンブリ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7