特許第6138510号(P6138510)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6138510
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年5月31日
(54)【発明の名称】防塵装置
(51)【国際特許分類】
   E04G 21/32 20060101AFI20170522BHJP
【FI】
   E04G21/32 B
【請求項の数】9
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-26205(P2013-26205)
(22)【出願日】2013年2月14日
(65)【公開番号】特開2014-152589(P2014-152589A)
(43)【公開日】2014年8月25日
【審査請求日】2016年1月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】302060926
【氏名又は名称】株式会社フジタ
(74)【代理人】
【識別番号】100089875
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 茂
(72)【発明者】
【氏名】島多 義彦
(72)【発明者】
【氏名】田中 幸彦
【審査官】 星野 聡志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−062194(JP,A)
【文献】 特公昭47−045283(JP,B1)
【文献】 米国特許第04815562(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 21/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉塵が生じる工事域に沿って張設される防塵ネットと、
前記防塵ネットの一方の面の前方に配置され前記防塵ネットに散水する第1の散水ノズルと、前記防塵ネットの他方の面の前方に配置され前記防塵ネットに散水する第2の散水ノズルとを含んで構成される散水手段と、
風向を測定する風向計と、
前記防塵ネットへの散水を実施する散水実施条件が成立したか否かを判定し、前記散水実施条件が成立したらならば、予め定められた散水時間、前記防塵ネットに前記散水手段による散水を行なわせる制御手段とを備え、
前記制御手段による散水は、前記風向計で測定された風向に基いて、前記第1、第2の散水ノズルのうち前記防塵ネットの風上側に位置する方の散水ノズルから前記防塵ネットに向けて散水させることでなされる、
ことを特徴とする防塵装置。
【請求項2】
粉塵が生じる工事域に沿って張設される防塵ネットと、
前記防塵ネットに散水する散水ノズルと、前記散水ノズルを移動させる移動機構とを含んで構成される散水手段と、
風向を測定する風向計と、
前記防塵ネットへの散水を実施する散水実施条件が成立したか否かを判定し、前記散水実施条件が成立したらならば、予め定められた散水時間、前記防塵ネットに前記散水手段による散水を行なわせる制御手段とを備え
前記制御手段による散水は、前記風向計で測定された風向に基いて、前記移動機構を制御することにより、前記散水ノズルを前記防塵ネットの風上側に位置させ前記散水ノズルから前記防塵ネットに向けて散水させることでなされる、
ことを特徴とする防塵装置。
【請求項3】
前記散水時間を変更可能に設定する散水時間設定手段をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1または2記載の防塵装置。
【請求項4】
前記散水実施条件は、予め定められた時間帯において予め定められた設定時間が経過する毎に成立する、
ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項記載の防塵装置。
【請求項5】
前記時間帯および前記設定時間を変更可能に設定する条件設定手段をさらに備える、
ことを特徴とする請求項記載の防塵装置。
【請求項6】
前記防塵ネット上の水分を検出する水分検出手段をさらに備え、
前記散水実施条件は、予め定められた時間帯において前記水分検出手段で検出された水分の値が所定値以下となることで成立する、
ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項記載の防塵装置。
【請求項7】
前記時間帯を変更可能に設定する条件設定手段をさらに備える、
ことを特徴とする請求項記載の防塵装置。
【請求項8】
前記防塵ネット上の水分を検出する水分検出手段をさらに備え、
前記散水実施条件は、予め定められた時間帯において予め定められた設定時間が経過する毎に成立する第1の散水実施条件と、前記時間帯において前記水分検出手段で検出された水分の値が所定値以下となることで成立する第2の散水実施条件とを含み、
前記制御手段は、前記第1の散水実施条件および前記第2の散水実施条件の何れか一方が成立したらならば、予め定められた散水時間、前記防塵ネットに前記散水手段による散水を行なわせる、
ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項記載の防塵装置。
【請求項9】
前記散水には、界面活性剤が混合された水が使用される、
ことを特徴とする請求項1〜8の何れか1項記載の防塵装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、土木工事や建築工事で発生する粉塵の飛散を防止し、周辺の生活環境や自然環境に悪影響を与えないようにした防塵装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、盛土工事を行なう場合、民家や田畑などに土埃を含む粉塵が飛散しないように工事現場に沿って防塵ネットが張られる(特許文献1参照)。
防塵ネットには、目合が1〜2mmのポリエチレンなどの合成樹脂製のものが、高さが1〜3mとなるように張られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−121158号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の防塵ネットでは、粉塵の捕集効果が低い問題があった。
また、従来の防塵ネットでは、ネットで一旦捕集した粉塵が、風により巻き上げられ、ネットの上から回り込んで飛散するという不具合もあり、この不具合を解消するには、防塵ネットの高さを大きくしなければならない。
本発明は前記事情に鑑み案出されたものであって、本発明の目的は、防塵ネットを高くすることなく、粉塵の捕集効果に優れる防塵装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するため本発明の防塵装置は、粉塵が生じる工事域に沿って張設される防塵ネットと、前記防塵ネットの一方の面の前方に配置され前記防塵ネットに散水する第1の散水ノズルと、前記防塵ネットの他方の面の前方に配置され前記防塵ネットに散水する第2の散水ノズルとを含んで構成される散水手段と、風向を測定する風向計と、前記防塵ネットへの散水を実施する散水実施条件が成立したか否かを判定し、前記散水実施条件が成立したらならば、予め定められた散水時間、前記防塵ネットに前記散水手段による散水を行なわせる制御手段とを備え、前記制御手段による散水は、前記風向計で測定された風向に基いて、前記第1、第2の散水ノズルのうち前記防塵ネットの風上側に位置する方の散水ノズルから前記防塵ネットに向けて散水させることでなされることを特徴とする。
また、本発明の防塵装置は、粉塵が生じる工事域に沿って張設される防塵ネットと、前記防塵ネットに散水する散水ノズルと、前記散水ノズルを移動させる移動機構とを含んで構成される散水手段と、風向を測定する風向計と、前記防塵ネットへの散水を実施する散水実施条件が成立したか否かを判定し、前記散水実施条件が成立したらならば、予め定められた散水時間、前記防塵ネットに前記散水手段による散水を行なわせる制御手段とを備え、前記制御手段による散水は、前記風向計で測定された風向に基いて、前記移動機構を制御することにより、前記散水ノズルを前記防塵ネットの風上側に位置させ前記散水ノズルから前記防塵ネットに向けて散水させることでなされることでなされることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明では、防塵ネットを湿潤状態にすることで、防塵ネットを高くすることなく、粉塵の捕集効果が格段と高められる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1、第2の実施の形態の防塵装置10A、10Bが盛土工事の現場に設置された状態を示す説明図である。
図2】第1、第2の実施の形態の防塵装置10A、10Bの構成を示す斜視図である。
図3】第1の実施の形態の防塵装置10Aの構成を示すブロック図である。
図4】第2の実施の形態の防塵装置10Bの構成を示すブロック図である。
図5】第3の実施の形態の防塵装置10Cの構成を示す斜視図である。
図6】第3の実施の形態の防塵装置10Cの構成を示すブロック図である。
図7】第4の実施の形態の防塵装置10Dの構成を示す斜視図である。
図8】第4の実施の形態の防塵装置10Dの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の実施の形態を、盛土工事を行なう場合について説明する。
防塵装置10Aは、図1図3に示すように、防塵ネット12と、散水手段14と、制御手段18Aとを備えている。
【0009】
図1図2に示すように、防塵ネット12は、盛土工事が行われる堤体2に沿って張設され、図中符号Fは、防塵ネット12を張設するためのパイプ材からなるフレームを示している。
防塵ネット12の目合は、例えば、1〜2mmであり、その素材は問わない。
【0010】
散水手段14は、防塵ネット12に散水し、防塵ネット12を濡らして防塵ネット12に水分を付着させるものである。
図2図3に示すように、散水手段14は、水源1402、ポンプ1404、給水管1406、散水ノズル1408を含んで構成されている。
水源1402としては、雨水あるいは水道水を溜めるタンクが使用される。
ポンプ1404は、タンク内の水を汲み上げ、給水管1406に圧送する。
給水管1406は、防塵ネット12の張設方向に沿って延設されている。
散水ノズル1408は、給水管1406の長手方向に間隔をおいた箇所に連結して複数設けられ、それら複数の散水ノズル1408により防塵ネット12の全域に散水する。散水ノズル1408は、固定式でも旋回機能付きのいずれの形式も適用可能である。
なお、散水ノズル1408に換え、給水管1406に多数の孔を設け、それら孔から散水させるようにしてもよい。
【0011】
制御手段18Aは、CPU、制御プログラム等を格納・記憶するROM、制御プログラムの作動領域としてのRAM、各種データを書き換え可能に保持するEEPROM、周辺回路等とのインターフェースをとるインターフェース部などを含むマイクロコンピュータあるいはPLC(プログラマブルロジックコントローラ)によって構成される。
制御手段18Aは、前記の制御プログラムを実行することにより、防塵ネットへの散水を実施する散水実施条件が成立したか否かを判定し、散水実施条件が成立したらならば、予め定められた散水時間、ポンプ1404の動作をオンとして防塵ネットに散水手段14による散水を行なわせるものである。
本実施の形態では、散水実施条件は、予め定められた時間帯において予め定められた設定時間が経過する毎に成立する。
制御手段18Aは、第1のタイマ1801と第2のタイマ1802とを備えている。
また、制御手段18Aに、防塵装置10Aの動作のオン、オフを操作するための操作スイッチ20と、第1のタイマ1801、第2のタイマ1802を設定する設定手段22Aとが接続されている。
【0012】
第1のタイマ1801は、設定手段22Aを用いて上記の散水実施条件における時間帯および設定時間が設定されることにより、起動されると、当該時間帯において設定時間が経過する毎に、設定時間が経過した旨の情報を生成するものである。なお、本明細書において、時間帯は、1週間のうちの曜日と、1日の0時〜24時のうち散水を実施する時間との双方を規定するものとする。
例えば、現場での工事がなされる曜日が月〜金であり、工事の時間帯が8:00から17:00まで、設定時間が10分であれば、それら曜日、時間帯、設定時間が第1のタイマ1801に設定手段22Aを用いて予め設定される。
第2のタイマ1802は、設定手段22Aを用いて予め散水時間が設定されることにより、第1のタイマ1801が設定時間が経過した旨の情報を生成する毎に散水時間の計時を行ない散水時間が経過したならば散水時間が経過した旨の情報を生成するものである。
例えば、散水時間が10秒であれば、この散水時間が第2のタイマ1802に予め設定される。
【0013】
なお、第1のタイマ1801、第2のタイマ1802は、曜日情報、日付情報、時刻情報などを出力する機能、時間を計時する計時機能などを有するものであればよく、CPUがプログラムを実行することによりソフトウェアで実現してもよいし、マイクロコンピュータに含まれる専用のLSIによりハードウェアで実現してもよく、従来公知のさまざまな構成が使用可能である。
【0014】
設定手段22Aは、上述した時間帯、設定時間、散水時間を設定するための数値を入力するテンキー(置数キー)、入力した数値を表示する表示器、入力した数値を決定する決定キー、入力した数値をクリアするクリアキーなどを含んで構成されている。
したがって、本実施の形態において、設定手段22Aは、時間帯および設定時間を変更可能に設定する条件設定手段として機能すると共に、散水時間を変更可能に設定する散水時間設定手段として機能する。
【0015】
制御手段18Aは、操作スイッチ20がオンされると、第1のタイマ1801を起動させ、第1のタイマ1801から設定時間が経過した旨の情報を受け付ける毎に、防塵ネット12への散水を実施する散水実施条件が成立したと判定し、ポンプ1404の動作をオンとして散水手段14による散水を開始する。
また、制御手段18Aは、散水時間が経過して第2のタイマ1802から散水時間が経過した旨の情報を受け付けると、ポンプ1404の動作をオフとして散水手段14による散水を終了する。
したがって、前述のように曜日と時間帯が設定され、設定時間が10分、散水時間が10秒と設定されていれば、工事がなされる曜日の工事がなされる時間帯において、10分毎に10秒の散水が実施される。これにより防塵ネット12に散水により水分が付着され、その状態が維持される。
また、制御手段18Aは、操作スイッチ20がオフにされると、防塵装置10Aの全ての動作を停止する。
【0016】
なお、1回あたりの散水時間は、防塵ネット12の全域に水分を十分付着させるに足り、かつ、防塵ネット12上に付着した塵埃を洗い落とすに足る時間であればよい。
【0017】
本発明者らは、防塵ネット12無しの場合と、防塵ネット12がある場合と、水分を付着させた防塵ネット12がある場合について防塵効果の試験を行なった。
(試験設備)
内径300mmのダクトを3本用意し、粉塵として粉体(JIS試験用紛体1、7種 関東ローム)を用意した。
ダクトの一端である入口に送風機を配置した。
2本のダクトの他端である出口に、防塵ネット12(光陽マテリアル株式会社 1mm目合)を張った。
ダクトの出口から離れたダクトの出口の近傍箇所に、粉塵計(柴田科学レーザー粉塵計 LD−1H型)を配置した。
【0018】
(試験手順)
(1)防塵ネット12無しの場合、(2)防塵ネット12を張った場合、(3)防塵ネット12を張りスポンジで水を塗布した場合、(4)防塵ネット12無しの場合の順に、ダクトの入口から粉塵を均一の量で連続して供給し続け、ダクトの出口の風速が1.3m/secとなる状態を作り、粉塵計により粉塵濃度を測定した。
ダクトの供給する粉塵の量に若干のばらつきがあるため、1分間の粉塵濃度測定を10回ずつ繰り返して行い、最大値と最小値を除いて測定値とし、粉塵濃度を比較し粉塵捕集率を算出した。
【0019】
(試験結果)
出口に防塵ネット12を張った場合、粉塵濃度は安定し、防塵ネット12を張らない場合に比べて55〜72%低減(捕集)できた。
防塵ネット12に水を塗布した場合は、さらに粉塵濃度は安定し、防塵ネット12を張らない場合に比べて80〜88%低減(捕集)できた。また、水を塗布しない防塵ネット12の場合に比べて、捕集率は1.22〜1.45倍向上した。
【0020】
したがって、第1の実施の形態によれば、盛土工事時、制御手段18Aは、操作スイッチ20がオンされると、設定した時間に防塵ネット12に散水し、防塵ネット12に水分を付着させるので、防塵効果を高めることが可能となる。
そして、この散水により、防塵ネット12上で水分を吸収した粉塵が洗い落とされ、防塵ネット12の下方に流れ落ち、粉塵は散水された水により地面に付着し、防塵の飛散を防止できる。
また、同時に散水により防塵ネット12が洗浄され、防塵ネット12は優れた防塵効果が発揮される状態に戻される。
したがって、盛土工事を行なっている間、防塵ネット12により防塵効果を高めた状態に維持することが可能となり、防塵ネット12を高くすることなく、粉塵の捕集効果に優れる防塵装置10Aが得られる。
【0021】
なお、散水時間は、防塵ネット12の全域に水分を十分付着させるに足り、かつ、防塵ネット12上に付着した塵埃を洗い落とすに足る時間であればよい。したがって、防塵ネット12の高さや、散水ノズル1408の個数などに応じて予め散水時間を一定の時間に設定しておくことにより設定手段22Aを省いてもよい。
しかしながら、本実施の形態のように、散水時間を設定する設定手段22Aを設けると、汚れの度合によって、散水によって防塵ネット12を洗浄する時間を調節することができ、防塵ネット12を粉塵の付着していない当初の状態に復帰させ、防塵効果を高める上でより有利となる。
【0022】
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態について説明する。なお、以下の実施の形態において、第1の実施の形態と同様な箇所、部材に同一の符号を付して説明を省略し、第1の実施の形態と異なる箇所、部材を重点的に説明する。
第2の実施の形態の防塵装置10Bは、図1図2図4に示すように、防塵ネット12と、散水手段14と、水分検出手段16と、制御手段18Bを備え、防塵ネット12の付着水分が減少した場合に防塵ネット12に散水させるようにしたものである。
【0023】
水分検出手段16は、防塵ネット12上の水分を検出するものであり、電気伝導度の変化により水分を検出する接触式の水分センサ、あるいは、検出光の反射あるいは透過により水分を検出する非接触式の水分センサなど、さまざまな形式の市販品が使用可能である。
水分検出手段16は、防塵ネット12の代表的な1箇所、または、防塵ネット12の間隔をおいた複数箇所に設けられる。
【0024】
制御手段18Bは、第1の実施の形態と同様に、防塵ネットへの散水を実施する散水実施条件が成立したか否かを判定し、散水実施条件が成立したらならば、予め定められた散水時間、ポンプ1404の動作をオンとして防塵ネットに散水手段14による散水を行なわせるものである。
第2の実施の形態において、散水実施条件は、予め定められた時間帯において水分検出手段16で検出された水分の値が所定値以下となることである。
【0025】
制御手段18Bは、第3のタイマ1803と第4のタイマ1804とを備えている。
また、制御手段18に、防塵装置10Bの動作のオン、オフを操作するための操作スイッチ20と、第3のタイマ1803、第4のタイマ1804を設定する設定手段22Bとが接続されている。
【0026】
第3のタイマ1803は、設定手段22Bを用いて上記の散水実施条件における時間帯が設定されることにより、起動されると、現在時刻が当該時間帯であるか否かを示す散水時間帯情報を生成するものである。第1の実施の形態と同様に、時間帯は、曜日と、0時〜24時のうち散水を実施する時間との双方を規定する。
第4のタイマ1804は、設定手段22Bを用いて予め散水時間が設定されることにより、起動される毎に散水時間の計時を行ない散水時間が経過したならば散水時間が経過した旨の情報を生成するものである。
また、第3のタイマ1803、第4のタイマ1804は、第1の実施の形態の第1のタイマ1801、第2のタイマ1802と同様に、ソフトウェアであるいはハードウェアで実現することができ従来公知のさまざまな構成が使用可能である。
【0027】
設定手段22Bは、第1の実施の形態の設定手段22Aと同様に、上述した時間帯、散水時間を設定するための数値を入力するテンキー(置数キー)、入力した数値を表示する表示器、入力した数値を決定する決定キー、入力した数値をクリアするクリアキーなどを含んで構成されている。
したがって、第2の実施の形態において、設定手段22Bは、時間帯を変更可能に設定する条件設定手段として機能すると共に、散水時間を変更可能に設定する散水時間設定手段として機能する。
【0028】
制御手段18Bは、操作スイッチ20がオンされると、第3のタイマ1803を起動させ、第3のタイマ1803から現在時刻が当該時間帯であることを示す散水時間帯情報を受け付け、かつ、水分検出手段16で検出された水分の値が所定値以下であるという散水実施条件が成立したか否かを判定する。
制御手段18Bは、散水実施条件が成立したと判定したならば、ポンプ1404の動作をオンとして散水手段14による散水を開始する。
また、制御手段18Bは、散水実施条件が成立したと判定すると同時に第4のタイマ1804を起動させる。制御手段18Bは、第4のタイマ1804から散水時間が経過した旨の情報を受け付けると、ポンプ1404の動作をオフとして散水手段14による散水を終了する。
したがって、第1の実施の形態の場合と同様に曜日と時間帯が設定され、散水時間が10秒と設定されていれば、工事がなされる曜日の工事がなされる時間帯において、水分検出手段16で検出された水分の値が所定値以下であることが検出される毎に10秒の散水が実施される。これにより防塵ネット12に散水により水分が付着され、その状態が維持される。
また、制御手段18Bは、操作スイッチ20がオフにされると、防塵装置10Bの全ての動作を停止する。
【0029】
第2の実施の形態によれば、盛土工事時、制御手段18Bは、水分検出手段16で検出された水分の値が所定値以下となると、ポンプ1404が一定の時間駆動され、散水ノズル1408から散水される。すなわち、防塵ネット12上の水滴が乾燥することにより防塵ネット12上の水分が蒸発した場合、あるいは粉塵が付着して粉塵が水分を吸収した場合に散水ノズル1408から散水される。
そして、この散水により、防塵ネット12上で水分を吸収した粉塵が洗い落とされ、防塵ネット12の下方に流れ落ち、粉塵は散水された水により地面に付着し、防塵の飛散を防止できる。
また、同時に散水により防塵ネット12が洗浄され、防塵ネット12は優れた防塵効果が発揮される状態に戻される。
したがって、盛土工事を行なっている間、防塵ネット12により防塵効果を高めた状態に維持することが可能となり、防塵ネット12を高くすることなく、粉塵の捕集効果に優れる防塵装置10Bが得られる。
【0030】
なお、設定手段22Bを省いてもよいが、散水時間を設定する設定手段22Bを設けると、汚れの度合によって、散水によって防塵ネット12を洗浄する時間を調節することができ、防塵ネット12を粉塵の付着していない当初の状態に復帰させ、防塵効果を高める上でより有利となることは第1の実施の形態と同様である。
【0031】
また、第1の実施の形態と第2の実施の形態とを組み合わせてもよい。
この場合、散水実施条件は、予め定められた時間帯において予め定められた設定時間が経過する毎に成立する第1の散水実施条件と、予め定められた時間帯において水分検出手段で検出された水分の値が所定値以下となることで成立する第2の散水実施条件とを含む。
制御手段は、第1の散水実施条件および第2の散水実施条件の一方が成立したらならば、予め定められた散水時間、防塵ネット12に散水手段14による散水を行なわせる。
このようにすれば、盛土工事時、制御手段は、操作スイッチ20がオンされると、設定時間が経過する毎に防塵ネット12に散水し、防塵ネット12に水分を付着させるので、防塵効果を高めることが可能となる。
さらに、水分検出手段16で検出された水分の値が所定値以下となった場合もポンプ1404が一定の時間駆動され、散水ノズル1408から散水される。
したがって、防塵ネット12により防塵効果を高めた状態に維持する上でより有利となり、防塵ネット12を高くすることなく、粉塵の捕集効果に優れる防塵装置を得る上でより一層有利となる。
【0032】
(第3の実施の形態)
次に第3の実施の形態について説明する。
第3の実施の形態の防塵装置10Cは、第2の実施の形態の変形例であり、風があるときに、防塵ネット12の風上側に配置された散水ノズル1408から防塵ネット12に散水させるようにしたものである。
第3の実施の形態の防塵装置10Cは、図5図6に示すように、防塵ネット12と、散水手段14と、水分検出手段16と、制御手段18Cとに加え、更に風向計24を備え、散水手段14は、防塵ネット12の両面の前方にそれぞれ配置された散水ノズル1408を備えている。
【0033】
より詳細に説明すると、散水手段14は、防塵ネット12の張設方向に間隔をおいて配置された複数箇所において、防塵ネット12の両面のうちの一方の面側に配置された第1の散水ノズル1408Aと、防塵ネット12の両面のうちの他方の面側に配置された第2の散水ノズル1408Bとを備えている。
また、散水手段14は、給水管1406の長手方向に間隔をおいた箇所にそれぞれ設けられた電磁弁1410を備え、防塵ネット12の張設方向に間隔をおいて配置された複数箇所において、第1の散水ノズル1408Aと第2の散水ノズル1408Bは電磁弁1410に接続されている。
そして、制御手段18Cは風向計24により測定した風向きから電磁弁1410を作動させ、防塵ネット12の風上側に位置する第1の散水ノズル1408Aあるいは第2の散水ノズル1408Bから防塵ネット12に向けて散水させる。
このような第3の実施の形態によれば、風があるときに、散水による防塵ネット12への水分の付着を効率良く行なえ、また、粉塵が付着した防塵ネット12の洗浄も効率良く行なえるので、防塵効果を高める上でより一層有利となる。
また、第3の実施の形態と第1の実施の形態を組み合わせ、第1の散水実施条件および第2の散水実施条件の一方が成立したらならば、予め定められた散水時間、防塵ネット12に散水手段14による散水を行なわせるようにしてもよい。
【0034】
(第4の実施の形態)
次に、第4の実施の形態について説明する。
第4の実施の形態の防塵装置10Dも、第2の実施の形態の変形例であり、第3の実施の形態の防塵装置10Cと同様に、風があるときに、防塵ネット12の風上側に配置された散水ノズル1408から防塵ネット12に散水させるようにしたものである。
第4の実施の形態では、第3の実施の形態のように散水ノズル1408を防塵ネット12の両面の前方にそれぞれ配置せず、移動機構により散水ノズル1408を防塵ネット12の風上側に移動させるようにしたものである。
第4の実施の形態の防塵装置10Cは、図7図8に示すように、防塵ネット12と、散水手段14と、水分検出手段16と、制御手段18Dと、風向計24を備え、散水手段14は、散水ノズル1408を防塵ネット12の風上側に移動させる移動機構26を備えている。
【0035】
より詳細に説明すると、移動機構26は、図7図8に示すように、給水管1406の長手方向に間隔をおいた箇所に対応した箇所に配置された複数の旋回台2602と、各旋回台2602を旋回させるアクチュエータ2604を含んで構成されている。
旋回台2602は、地面に設置される基台2606の上に旋回可能に配置され、基台の内部に収容された電動モータなどのアクチュエータ2604により180度旋回される。
給水管1406に接続された散水ノズル1408は各旋回台2602の上に取着されている。
そして、制御手段18Dは風向計24により測定した風向きからアクチュエータ2604を制御することにより旋回台2602を旋回させ、散水ノズル1408を防塵ネット12の風上側に位置させ、散水ノズル1408から防塵ネット12に向けて散水させる。
このような第4の実施の形態によれば、第3の実施の形態と同様に、風があるときに、散水による防塵ネット12への水分の付着を効率良く行なえ、また、粉塵が付着した防塵ネット12の洗浄も効率良く行なえるので、防塵効果を高める上でより一層有利となる。
また、第4の実施の形態と第1の実施の形態とを組み合わせ、第1の散水実施条件および第2の散水実施条件の一方が成立したらならば、予め定められた散水時間、防塵ネット12に散水手段14による散水を行なわせるようにしてもよい。
【0036】
なお、前記の実施の形態において、界面活性剤が混合された水を散水させると、防塵ネットに水分がなじみやすく乾燥しにくくなるため、水分による粉塵捕集効果が高まり、防塵効果を高める上でより一層有利となる。
界面活性剤としては、陽イオン系のものや陰イオン系のものなど種類を問わず、1リットルあたり1〜10ミリリットル程度混合させれば十分である。特に、陰イオン系の石鹸等は生分解速度が高く、環境影響が低く、低コストであるため、工事現場では使用しやすい。
【符号の説明】
【0037】
10A、10B、10C、10D……防塵装置、12……防塵ネット、14……散水手段、1408……散水ノズル、16……水分検出手段、18A、18B、18C、18D……制御手段、22……設定手段。
図1
図2
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図5
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図7
図8