特許第6138659号(P6138659)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6138659
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年5月31日
(54)【発明の名称】回路基板検査装置
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/302 20060101AFI20170522BHJP
【FI】
   G01R31/28 L
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-218149(P2013-218149)
(22)【出願日】2013年10月21日
(65)【公開番号】特開2015-81777(P2015-81777A)
(43)【公開日】2015年4月27日
【審査請求日】2016年8月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000227180
【氏名又は名称】日置電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104787
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 伸司
(72)【発明者】
【氏名】塩入 章弘
(72)【発明者】
【氏名】村山 林太郎
【審査官】 菅藤 政明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−343103(JP,A)
【文献】 実開昭61−89174(JP,U)
【文献】 特開平11−211799(JP,A)
【文献】 米国特許第4542333(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 31/302
G01R 31/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品が実装された回路基板における導体パターン上の検査ポイントに検査用信号を供給しているときに発生する磁界の磁界強度を検出する磁界検出部と、前記電子部品上の予め規定された規定位置に前記磁界検出部が対向している状態で当該磁界検出部によって検出された前記磁界強度に基づいて前記電子部品と前記導体パターンとの接続状態の良否検査を実行する検査部とを備えた回路基板検査装置であって、
前記磁界検出部を移動させる移動機構と、
前記移動機構による前記磁界検出部の移動を制御すると共に、前記磁界検出部によって検出された前記磁界強度に基づいて前記良否検査において用いる前記規定位置を予め規定する規定処理を実行する処理部とを備え、
前記処理部は、前記規定処理において、前記電子部品の表面を複数に分割した各分割区画に対向する各対向位置に前記磁界検出部を順次移動させて当該対向位置毎の前記磁界強度を特定する磁界強度特定処理を実行し、当該特定した磁界強度が予め規定された規定条件を満たすと判定した前記分割区画を前記規定位置として規定する回路基板検査装置。
【請求項2】
前記処理部は、前記規定処理において、
前記各分割区画の中から基準区画として設定した1つの分割区画の前記対向位置において前記磁界強度特定処理を実行すると共に、前記基準区画に隣接するいずれか1つの前記分割区画を比較区画として選択して当該比較区画の前記対向位置において前記磁界強度特定処理を実行して、前記比較区画の対向位置における前記磁界強度としての比較磁界強度と前記基準区画の対向位置における前記磁界強度としての基準磁界強度とを比較する比較処理を実行し、
前記比較処理において前記比較磁界強度が前記基準磁界強度以下と判定したときには、前記基準区画に隣接する他の1つの前記分割区画を新たな前記比較区画として選択して前記比較処理を実行し、
前記比較処理において前記比較磁界強度が前記基準磁界強度よりも大きいと判定したときには、前記比較区画を新たな前記基準区画として設定して前記比較処理を実行し、
前記比較処理において前記基準区画に隣接する全ての前記分割区画を前記比較区画として選択して実行した前記各比較処理の全てにおいて前記比較磁界強度が前記基準磁界強度以下と判定したときには、当該基準区画を前記規定条件を満たす前記分割区画と判定する請求項1記載の回路基板検査装置。
【請求項3】
前記処理部は、前記規定処理において、
前記各分割区画の前記対向位置の全てにおいて前記磁界強度特定処理を実行し、特定した各磁界強度の中で磁界強度が最も高いと判定した前記対向位置に対応する前記分割区画を前記規定条件を満たす前記分割区画と判定する請求項1記載の回路基板検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路基板に実装されている電子部品と回路基板の導体パターンとの接続状態の良否検査を実行可能に構成された回路基板検査装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の回路基板検査装置として、下記特許文献1において出願人が開示した回路基板検査装置が知られている。この回路基板検査装置は、回路基板に実装されている電子部品(集積回路)上の予め規定された位置(電子部品の裏面に形成されている導体パターンとの接続用のパッドの形成位置)の上方に磁界センサを位置させた状態において、磁界センサによって検出された磁界強度に基づいて電子部品と回路基板の導体パターンとの接続状態の良否を検査可能に構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−343103号公報(第3−4頁、第1−2図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、従来の回路基板検査装置には、改善すべき以下の問題点がある。すなわち、この回路基板検査装置では、接続状態の良否検査を行う際に、電子部品上の予め規定された位置(規定位置)に磁界センサを位置させて磁界強度を検出させる必要がある。この場合、電子部品上の位置によって磁界強度が異なるため、正確な良否検査を行うためには、磁界強度が最も大きく検出される位置を規定位置として規定するのが好ましい。しかしながら、従来の回路基板検査装置には、このような規定位置を規定する機能が備えられていないため、電子部品におけるパッドの位置やパッドが接続されている導体パターンの位置等を電子部品や回路基板の設計図等に基づいて規定する作業を手作業で行い、その規定位置を回路基板検査装置に入力している。このように、従来の回路基板検査装置には、規定位置を規定する機能を備えていないことに起因して、検査効率の向上が困難であるという課題が存在し、その改善が望まれている。
【0005】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、回路基板に実装されている電子部品と導体パターンとの接続状態の良否検査の検査効率を向上し得る回路基板検査装置を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成すべく請求項1記載の回路基板検査装置は、電子部品が実装された回路基板における導体パターン上の検査ポイントに検査用信号を供給しているときに発生する磁界の磁界強度を検出する磁界検出部と、前記電子部品上の予め規定された規定位置に前記磁界検出部が対向している状態で当該磁界検出部によって検出された前記磁界強度に基づいて前記電子部品と前記導体パターンとの接続状態の良否検査を実行する検査部とを備えた回路基板検査装置であって、前記磁界検出部を移動させる移動機構と、前記移動機構による前記磁界検出部の移動を制御すると共に、前記磁界検出部によって検出された前記磁界強度に基づいて前記良否検査において用いる前記規定位置を予め規定する規定処理を実行する処理部とを備え、前記処理部は、前記規定処理において、前記電子部品の表面を複数に分割した各分割区画に対向する各対向位置に前記磁界検出部を順次移動させて当該対向位置毎の前記磁界強度を特定する磁界強度特定処理を実行し、当該特定した磁界強度が予め規定された規定条件を満たすと判定した前記分割区画を前記規定位置として規定する。
【0007】
また、請求項2記載の回路基板検査装置は、請求項1記載の回路基板検査装置において、前記処理部は、前記規定処理において、前記各分割区画の中から基準区画として設定した1つの分割区画の前記対向位置において前記磁界強度特定処理を実行すると共に、前記基準区画に隣接するいずれか1つの前記分割区画を比較区画として選択して当該比較区画の前記対向位置において前記磁界強度特定処理を実行して、前記比較区画の対向位置における前記磁界強度としての比較磁界強度と前記基準区画の対向位置における前記磁界強度としての基準磁界強度とを比較する比較処理を実行し、前記比較処理において前記比較磁界強度が前記基準磁界強度以下と判定したときには、前記基準区画に隣接する他の1つの前記分割区画を新たな前記比較区画として選択して前記比較処理を実行し、前記比較処理において前記比較磁界強度が前記基準磁界強度よりも大きいと判定したときには、前記比較区画を新たな前記基準区画として設定して前記比較処理を実行し、前記比較処理において前記基準区画に隣接する全ての前記分割区画を前記比較区画として選択して実行した前記各比較処理の全てにおいて前記比較磁界強度が前記基準磁界強度以下と判定したときには、当該基準区画を前記規定条件を満たす前記分割区画と判定する。
【0008】
また、請求項3記載の回路基板検査装置は、請求項1記載の回路基板検査装置において、前記処理部は、前記規定処理において、前記各分割区画の前記対向位置の全てにおいて前記磁界強度特定処理を実行し、特定した各磁界強度の中で磁界強度が最も高いと判定した前記対向位置に対応する前記分割区画を前記規定条件を満たす前記分割区画と判定する。
【発明の効果】
【0009】
請求項1記載の回路基板検査装置では、処理部が、規定処理において、電子部品の表面を複数に分割した各分割区画に対向する各対向位置に磁界検出部を順次移動させて対向位置毎の磁界強度を特定する磁界強度特定処理を実行し、特定した磁界強度が予め規定された規定条件を満たすと判定した分割区画を検査の際に磁界検出部を位置させる規定位置として規定する。このため、この回路基板検査装置によれば、正確な良否検査を行うために好ましい規定位置として、磁界強度が大きく検出される規定位置を自動的に規定させることができる。したがって、この回路基板検査装置によれば、規定位置を電子部品や回路基板の設計図等に基板の設計データ等に基づいて規定する作業を省略することができる結果、回路基板に実装されている電子部品と導体パターンとの接続状態の良否検査の検査効率を十分に向上させることができる。
【0010】
また、請求項2記載の回路基板検査装置では、処理部が、規定処理において、基準区画に隣接する比較区画の対向位置における比較磁界強度と基準区画の対向位置における基準磁界強度とを比較する比較処理を実行し、比較処理において比較磁界強度が基準磁界強度以下と判定したときには、他の比較区画を選択して比較処理を実行し、比較処理において比較磁界強度が基準磁界強度よりも大きいと判定したときには、その比較区画を新たな基準区画として設定して比較処理を実行し、比較処理において基準区画に隣接する各分割区画を比較区画として選択して実行した比較処理の全てにおいて比較磁界強度が基準磁界強度以下と判定したときには、その基準区画を規定条件を満たす分割区画と判定する。このような処理を処理部が実行することで、全ての分割区画について磁界強度特定処理を実行することなく磁界強度が大きい分割区画を特定することができる。このため、この回路基板検査装置によれば、例えば、全ての分割区画について磁界強度特定処理を実行して磁界強度が最も大きい分割区画を特定する構成と比較して、少ない回数の磁界強度特定処理によって磁界強度が大きい分割区画を特定することができる結果、電子部品と導体パターンとの接続状態の良否検査の検査効率をさらに向上させることができる。
【0011】
また、請求項3記載の回路基板検査装置では、処理部が、規定処理において、各分割区画の対向位置の全てにおいて磁界強度特定処理を実行し、特定した各磁界強度の中で磁界強度が最も高いと判定した対向位置に対応する分割区画を規定条件を満たす分割区画と判定する。このため、この回路基板検査装置によれば、例えば、電子部品の表面における磁界強度が大きい分割区画が複数存在する場合において、それらの中から磁界強度が最も大きい分割区画を確実に特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】回路基板検査装置1の構成を示す構成図である。
図2】回路基板100の構成を示す構成図である。
図3】規定処理の手順を説明する第1の説明図である。
図4】規定処理の手順を説明する第2の説明図である。
図5】規定処理の手順を説明する第3の説明図である。
図6】規定処理の手順を説明する第4の説明図である。
図7】規定処理の手順を説明する第5の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、回路基板検査装置の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0014】
最初に、回路基板検査装置の一例としての図1に示す回路基板検査装置1の構成について説明する。この回路基板検査装置1は、例えば図2に示す回路基板100に実装されている電子部品103と回路基板100の導体パターン102との接続状態の良否検査を実行可能に構成されている。
【0015】
なお、回路基板100は、一例として、図2に示すように、基板101と、基板101の表面に形成された導体パターン102と、基板101上に実装された電子部品103とを備えて構成されている。
【0016】
一方、回路基板検査装置1は、図1に示すように、信号出力部2、プロービング機構3、磁界検出部4、移動機構5、記憶部6および処理部7を備えて構成されている。
【0017】
信号出力部2は、処理部7の制御に従って検査用信号Saを出力する。プロービング機構3は、導体パターン102上に規定されている図外の検査ポイント(プロービングポイント)に対して、信号出力部2に接続されているプローブ21をプロービング(接触)させるプロービング処理を処理部7の制御に従って実行する。
【0018】
磁界検出部4は、一例として、MR素子(磁気抵抗効果素子)を備えて構成されて、回路基板100の導体パターン102上の検査ポイントに対して検査用信号Saが供給されているときに発生する磁界の磁界強度Mを検出して、検出信号Ssを出力する。この場合、この回路基板検査装置1では、感磁方向(MR素子が磁界を最もよく検出する配置方向)が互いに90°だけ異なるように配置された2つのMR素子を備えて磁界検出部4が構成されている。
【0019】
移動機構5は、処理部7の制御に従い、回路基板100の上方において磁界検出部4を移動させる。記憶部6は、回路基板100を構成する基板101や導体パターン102の形状および電子部品103の配置位置を特定可能な基板データDb、並びに電子部品103の形状を特定可能な電子部品データDeを記憶する。また、記憶部6は、処理部7によって生成される後述する規定位置データDrおよび規定磁界強度データDmを記憶する。
【0020】
処理部7は、信号出力部2による検査用信号Saの出力を制御する。また、処理部7は、プロービング機構3によるプロービング処理を制御する。また、処理部7は、移動機構5による磁界検出部4の移動を制御する。また、処理部7は、検査部として機能し、電子部品103上の規定位置Pr(図6参照)に磁界検出部4が対向している状態で磁界検出部4によって検出された磁界の磁界強度M(磁界検出部4から出力される検出信号Ss)に基づいて電子部品103と導体パターン102との接続状態の良否検査を実行する。
【0021】
さらに、処理部7は、良否検査において用いる上記した規定位置Prを、磁界検出部4によって検出された磁界強度Mに基づいて予め(検査対象の回路基板100に対する検査に先立って)規定する規定処理を実行する。
【0022】
次に、回路基板検査装置1を用いて回路基板100の電子部品103と導体パターン102との接続状態の良否検査を実行する方法、およびその際の回路基板検査装置1を構成する各部の動作について、図面を参照して説明する。
【0023】
検査対象の回路基板100に対する良否検査の実行に先立ち、回路基板検査装置1を用いて上記した規定位置Pr(良否検査を行う際に磁界検出部4を対向させる電子部品103上の位置)を規定する規定処理を実行させる。具体的には、まず、導体パターン102に断線や短絡がなく、かつ導体パターン102と電子部品103とが良好に接続されている回路基板100(以下、「良品の回路基板100」ともいう)を図外の基板保持部に保持させる。次いで、図外の操作部を操作して、規定処理の開始を指示する。これに応じて、処理部7が、規定処理を実行する。
【0024】
この規定処理では、処理部7は、まず、記憶部6から基板データDbおよび電子部品データDeを読み出して、これらの各データDb,Deに基づいて良品の回路基板100の基板101上における電子部品103の位置、および電子部品103の形状(平面形状)を特定する。
【0025】
続いて、処理部7は、図2に示すように、電子部品103の表面(電子部品103を平面視した状態における平面領域)を予め決められた長さを1辺とする正方形の複数の分割区画B1〜B35(以下、区別しないときには「分割区画B」ともいう)に分割する。次いで、処理部7は、プロービング機構3を制御して、良品の回路基板100の導体パターン102上に規定されている図外の検査ポイントに対してプローブ21をプロービングさせる。続いて、処理部7は、信号出力部2を制御して、検査用信号Saを出力させる。これにより、導体パターン102の検査ポイントにプローブ21を介して検査用信号Saが供給される。また、検査用信号Saの供給に伴い、導体パターン102や、導体パターン102に接続されている電子部品103の接続端子等に磁界が発生する。
【0026】
次いで、処理部7は、移動機構5を制御して、各分割区画Bに対向する各対向位置(基準区画Bsの上方の位置)に磁界検出部4を順次移動させて、対向位置毎の磁界強度Mを磁界検出部4から出力される検出信号Ssに基づいて特定する磁界強度特定処理を実行し、特定した磁界強度Mが予め規定された規定条件を満たすと判定した分割区画Bを規定位置Prとして規定する。
【0027】
具体的には、処理部7は、各分割区画Bの中の1つの分割区画B(例えば、図3に示す分割区画B13)を基準区画Bsとして設定する。続いて、処理部7は、この基準区画Bsとしての分割区画B13に対向する対向位置において磁界強度特定処理(対向位置に磁界検出部4を移動させて、磁界検出部4から出力される検出信号Ssに基づいて対向位置の磁界強度Mを特定する処理)を実行する。この場合、基準区画Bsの対向位置において磁界強度特定処理によって特定した磁界強度Mを、以下「基準磁界強度Ms」ともいう。
【0028】
次いで、処理部7は、基準区画Bsに隣接する(基準区画Bsを取り囲む)各分割区画B(図3に示す分割区画B1〜B3,B12,B14,B15〜B17)のうちのいずれか1つの分割区画B(例えば、同図に示す分割区画B14)を比較区画Bcとして選択して、比較区画Bcとしての分割区画B14の対向位置において磁界強度特定処理を実行する。この場合、比較区画Bcの対向位置において磁界強度特定処理によって特定した磁界強度Mを、以下「比較磁界強度Mc」ともいう。続いて、処理部7は、比較磁界強度Mcと基準磁界強度Msとを比較する比較処理を実行する。
【0029】
処理部7は、上記の比較処理において、比較磁界強度Mcが基準磁界強度Ms以下と判定したときには、基準区画Bsに隣接する分割区画B1〜B3,B12,B14,B15〜B17のうちの他の1つの分割区画B(分割区画B14以外の分割区画Bであって、例えば分割区画B17)を新たな比較区画Bcとして選択して比較処理(2回目の比較処理)を実行して、新たな比較区画Bcについての比較磁界強度Mcと基準磁界強度Msとを比較する。
【0030】
この場合、処理部7は、2回目の比較処理において、比較磁界強度Mcが基準磁界強度Ms以下と判定したときには、分割区画B1〜B3,B12,B14,B15〜B17のうちのさらに他の1つの分割区画Bを新たな比較区画Bcとして選択して比較処理(3回目の比較処理)を実行する。つまり、処理部7は、比較処理において比較磁界強度Mcが基準磁界強度Ms以下と判定する限り、比較区画Bcとする分割区画Bを変更して比較処理を繰り返して実行する。
【0031】
一方、処理部7は、比較処理において、例えば、比較区画Bcとしての分割区画B17(図4参照)についての比較磁界強度Mcが基準磁界強度Msよりも大きいと判定したときには、同図に示すように、その分割区画B17を新たな基準区画Bsとして設定して比較処理を実行する。また、この比較処理では、上記したように新たな基準区画Bsに隣接する各分割区画B(同図に示す分割区画B11〜B13,B16,B18,B25〜B27)のうちのいずれか1つの分割区画Bを比較区画Bcとして選択して磁界強度特定処理を実行し、この比較区画Bcについての比較磁界強度Mcと基準区画Bsについての基準磁界強度Msとを比較する比較処理を実行する。以下、処理部7は、このような比較処理を繰り返して実行する。
【0032】
次いで、処理部7は、比較処理において、例えば、比較区画Bcとしての分割区画B18(図4参照)についての比較磁界強度Mcが基準区画Bsとしての分割区画B17についての基準磁界強度Msよりも大きいと判定したときには、図5に示すように、分割区画B18を新たな基準区画Bsとして設定して、基準区画Bsに隣接する分割区画B10〜B12,B17,B19,B24〜B26のうちのいずれか1つの分割区画Bを比較区画Bcとして選択して比較処理を実行する。
【0033】
続いて、処理部7は、分割区画B10〜B12,B17,B19,B24〜B26を1つずつ比較区画Bcとして選択して実行した比較処理の全て(8回の比較処理の全て)において比較磁界強度Mcが基準磁界強度Ms以下と判定したときには、そのときの基準区画Bsとしての分割区画B18(以下、この基準区画Bsを「最後の基準区画Bs」ともいう)を規定条件を満たす分割区画Bと判定する。この場合、上記のようにして比較処理を繰り返すことによって最後の基準区画Bsとなった分割区画B18についての磁界強度Mは、それまでに基準区画Bsとして設定し、または比較区画Bcとして選択した全ての分割区画Bについての各磁界強度Mの中で最大の値であるということができる。つまり、上記のようにして比較処理を繰り返すことで、磁界強度Mが十分に大きい分割区画B18を特定できることが理解される。
【0034】
次いで、処理部7は、図6に示すように、規定条件を満たす分割区画Bと判定した基準区画Bsとしての分割区画B18(具体的には、分割区画B18の中心部)を規定位置Prとして規定し、その規定位置Prを示す規定位置データDrを生成して記憶部6に記憶させる。また、処理部7は、規定位置Prについての磁界強度M(つまり、分割区画B18についての磁界強度Mであって、以下、「規定磁界強度Mr」ともいう)を示す規定磁界強度データDmを生成して記憶部6に記憶させる。
【0035】
続いて、処理部7は、移動機構5を制御して磁界検出部4を初期位置に移動させる。また、処理部7は、信号出力部2を制御して検査用信号Saの出力を停止させると共に、プロービング機構3を制御してプローブ21を初期位置に移動させる。
【0036】
次いで、処理部7は、導体パターン102上に他の検査ポイントが規定されているときには、プロービング機構3を制御して、その検査ポイントに対してプローブ21をプロービングさせると共に、信号出力部2を制御して、検査用信号Saを出力させる。続いて、処理部7は、上記した規定処理を実行して規定位置Prを規定し、規定位置データDrおよび規定磁界強度データDmを生成して記憶部6に記憶させる。以下、処理部7は、検査ポイント毎に同様の処理を実行して規定位置Prを規定し、規定位置データDrおよび規定磁界強度データDmを生成して記憶部6に記憶させる。以上により、規定処理が終了する。
【0037】
次に、検査対象の回路基板100における電子部品103と導体パターン102との接続状態の良否検査を実行させる。具体的には、検査対象の回路基板100を図外の基板保持部に保持させ、次いで、図外の操作部を操作して、良否検査の開始を指示する。これに応じて、処理部7が、良否検査を実行する。
【0038】
この良否検査では、処理部7は、プロービング機構3を制御して、導体パターン102上に規定されている検査ポイントに対してプローブ21をプロービングさせ、続いて、信号出力部2を制御して、検査用信号Saを出力させる。これにより、導体パターン102の検査ポイントにプローブ21を介して検査用信号Saが供給され、検査用信号Saの供給に伴って導体パターン102や電子部品103の接続端子等に磁界が発生する。
【0039】
次いで、処理部7は、記憶部6から規定位置データDrおよび規定磁界強度データDmを読み出す。続いて、処理部7は、移動機構5を制御して、規定位置データDrによって特定される規定位置Prの対向位置に磁界検出部4を移動させる。この際に、磁界検出部4が磁界強度Mを検出して検出信号Ssを出力する。次いで、処理部7は、規定位置Prについての磁界強度Mを磁界検出部4から出力される検出信号Ssに基づいて特定する。続いて、処理部7は、特定した磁界強度Mと規定磁界強度データDmによって示される良品の回路基板100における規定位置Prについての規定磁界強度Mrとを比較する。
【0040】
ここで、この回路基板100の接続端子と導体パターン102との接続状態が不良で検査用信号Saが流れない箇所が存在するときには、良品の回路基板100に対して検査用信号Saを供給したときと比較して磁界強度Mが小さくなったり、大きくなったりする。このため、処理部7は、特定した検査対象の回路基板100における規定位置Prについての磁界強度Mが規定磁界強度Mrを中心値とした範囲基準範囲外のときには、検査対象の回路基板100に実装されている電子部品103と導体パターン102との接続状態が不良であると判定する。次いで、処理部7は、判定結果(検査結果)を図外の表示部に表示させる。
【0041】
続いて、処理部7は、移動機構5を制御して磁界検出部4を初期位置に移動させる。また、処理部7は、信号出力部2を制御して検査用信号Saの出力を停止させると共に、プロービング機構3を制御してプローブ21を初期位置に移動させる。
【0042】
次いで、処理部7は、導体パターン102上に他の検査ポイントが規定されているときには、プロービング機構3を制御して、その検査ポイントに対してプローブ21をプロービングさせると共に、信号出力部2を制御して、検査用信号Saを出力させる。続いて、処理部7は、上記した良否検査を実行する
【0043】
このように、この回路基板検査装置1では、処理部7が、規定処理において、電子部品103の表面を複数に分割した各分割区画Bに対向する各対向位置に磁界検出部4を順次移動させて対向位置毎の磁界強度Mを特定する磁界強度特定処理を実行し、特定した磁界強度Mが予め規定された規定条件を満たすと判定した分割区画Bを検査の際に磁界検出部4を位置させる規定位置Prとして規定する。このため、この回路基板検査装置1によれば、正確な良否検査を行うために好ましい規定位置Prとして、磁界強度Mが大きく検出される規定位置Prを自動的に規定させることができる。したがって、この回路基板検査装置1によれば、規定位置Prを電子部品や回路基板の設計図等に基板の設計データ等に基づいて規定する作業を省略することができる結果、回路基板100に実装されている電子部品103と導体パターン102との接続状態の良否検査の検査効率を十分に向上させることができる。
【0044】
また、この回路基板検査装置1では、処理部7が、規定処理において、基準区画Bsに隣接する比較区画Bcの対向位置における比較磁界強度Mcと基準区画Bsの対向位置における基準磁界強度Msとを比較する比較処理を実行し、比較処理において比較磁界強度Mcが基準磁界強度Ms以下と判定したときには、他の比較区画Bcを選択して比較処理を実行し、比較処理において比較磁界強度Mcが基準磁界強度Msよりも大きいと判定したときには、その比較区画Bcを新たな基準区画Bsとして設定して比較処理を実行し、比較処理において基準区画Bsに隣接する各分割区画Bを比較区画Bcとして選択して実行した比較処理の全てにおいて比較磁界強度Mcが基準磁界強度Ms以下と判定したときには、その基準区画Bsを規定条件を満たす分割区画Bと判定する。このような処理を処理部7が実行することで、全ての分割区画Bについて磁界強度特定処理を実行することなく磁界強度Mが大きい分割区画Bを特定することができる。このため、例えば、全ての分割区画Bについて磁界強度特定処理を実行して磁界強度Mが最も大きい分割区画Bを特定する構成と比較して、少ない回数の磁界強度特定処理によって磁界強度Mが大きい分割区画Bを特定することができる結果、電子部品103と導体パターン102との接続状態の良否検査の検査効率をさらに向上させることができる。
【0045】
なお、回路基板検査装置は、上記した構成に限定されない。例えば、処理部7が、規定処理において、各分割区画Bの全てについて磁界強度特定処理を実行し、特定した各磁界強度Mの中で磁界強度Mが最も高いと判定した分割区画Bを規定条件を満たす分割区画Bと判定する構成を採用することもできる。この構成によれば、例えば、電子部品103の表面における磁界強度Mが大きい分割区画Bが複数存在する場合において、それらの中から磁界強度Mが最も大きい分割区画Bを確実に特定することができる。この場合、図7に示すように、上記の回路基板100の端部に位置する分割区画Bの対向位置を始点として隣接する分割区画Bの対向位置に磁界検出部4を順次移動させて磁界強度特定処理を実行することで、規定処理を効率的に行うことができる。
【0046】
また、各分割区画Bに対向する各対向位置に磁界検出部4を順次移動させて磁界強度特定処理を実行する過程において、磁界強度Mが予め決められた値以上のときに、その分割区画Bを規定条件を満たす分割区画Bと判定して規定位置Prに規定する構成を採用することもできる。
【0047】
また、感磁方向が互いに90°だけ異なるように配置された2つのMR素子を備えた磁界検出部4を用いる例について上記したが、MR素子を1つだけ備えた磁界検出部4を用いる構成を採用することもできる。この場合、1つの分割区画Bの対向位置において磁界検出部4(MR素子)の向きを90°だけ異ならせた2回の磁界強度特定処理を実行し、2回の磁界強度特定処理において特定した各磁界強度Mの合計値や平均値を用いて比較処理を行うこともできる。また、MR素子に代えて、他の磁界検出素子(例えば、磁気インピーダンス素子(MI素子)やフラックス・ゲートセンサ等)で構成した磁界検出部4を用いることもできる。
【0048】
また、規定処理において、電子部品103の表面を正方形の分割区画Bで分割した例について上記したが、分割区画Bの形状としは、正方形以外の四角形や、四角形以外の多角形などの任意の形状を採用することができる。また、分割区画Bの大きさは、必ずしも互いに同じ大きさである必要はなく、異なっていても良い。
【符号の説明】
【0049】
1 回路基板検査装置
2 信号出力部
4 磁界検出部
5 移動機構
7 処理部
100 回路基板
102 導体パターン
103 電子部品
B 分割区画
Bc 比較区画
Bs 基準区画
M 磁界強度
Mc 比較磁界強度
Ms 基準磁界強度
Pr 規定位置
Sa 検査用信号
Ss 検出信号
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7