(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記切断部材は、近位部及び遠位部を有する細長い部材を更に含み、前記近位部は、前記ハンドピース内の前記電気機械ドライバと連結され、前記遠位部は、ブレード及び前記ジョークロージャ機構を含み、前記ブレード及び前記ジョークロージャ機構は、前記エンドエフェクタに位置付けられた、請求項1に記載の電気外科用装置。
前記第1ジョー及び前記第2ジョーはそれぞれ、対応する長手方向のスロットを画定し、前記ブレードは前記スロット内に配置され、前記ジョークロージャ機構は第1フランジ及び第2フランジを含み、前記第1フランジは、前記切断部材が前記シャフトに対して並進する際に、前記第1ジョーに対してカム動作し、それにより前記第1ジョーを前記第2ジョーに向かって動かすように構成された、請求項2に記載の電気外科用装置。
前記電気機械ドライバは、前記第1ジョーを前記第2ジョーの方に動かすために、前記ジョークロージャ機構を駆動するように更に動作可能である、請求項1に記載の電気外科用装置。
前記電気機械ドライバが、モーター、前記モーターと連結されたピニオン、及び前記切断部材の近位部と関連するラックを含み、前記ラックが前記ピニオンと係合する、請求項1に記載の電気外科用装置。
前記切断部材と関連する変換器を更に含み、前記制御モジュールは前記変換器と通信し、前記制御モジュールは、前記変換器からのデータに少なくとも部分的に基づき、前記電気機械ドライバの動作パラメーターをモニタリングするように構成された、請求項8に記載の電気外科用装置。
前記触覚的フィードバック機構は、クラッチ、ブレーキ、及び電気流動性流体作動装置からなる群から選択され、前記触覚的フィードバック機構は、前記トリガーの運動に選択的に抵抗するか、又は前記トリガーの運動を止めるように構成された、請求項13に記載の電気外科用装置。
前記電池パックが、電池充電インジケータ、及び前記電池充電インジケータを選択的に起動するように動作可能である問い合わせ機構を含む、請求項18に記載の電気外科用装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
技術の特定の実施例に関する以下の説明は、その範囲を限定するために使用されるべきでない。技術の他の実施例、特徴、態様、実施形態、及び利点が以下の説明から当業者には明らかとなろう。以下の説明は、実例として、技術を実施するために企図される最良の形態の1つである。理解されるであろう通り、本明細書で説明された技術は、いずれもこの技術から逸脱せずに、その他の様々で明白な態様も実施することができる。したがって、図面及び説明は、例示的な性質のものであり、限定的なものであると見なされるべきではない。
【0010】
更に、本明細書で述べる教示、表現、実施形態、例などのいずれの1つ又は複数と、本明細書で述べる他の教示、表現、実施形態、例などのいずれの1つ又は複数とも組み合わせることができることを理解されたい。したがって、下記に述べる教示、表現、実施形態、例などは、互いに独立であると考えられるべきでない。本明細書の教示を組み合わせることができる種々の適切な方法は、本明細書の教示を考慮して当業者には容易に明らかになるであろう。こうした修正及び変形は特許請求の範囲内に含まれるものとする。
【0011】
本明細書における様々な教示は、以下の特許出願のいずれかの様々な教示と容易に組み合わされ得、その全てが同日付で出願され、その全てが本明細書において参照として組み込まれることが理解されるべきである。米国特許出願番号第(代理人整理番号END6895USNP.0581496号)、表題「Medical Device Packaging with Charging Interface」、米国特許出願番号第(代理人整理番号第END6895USNP2.0581505号)、表題「Packaging for Reclaimable Component of a Medical Device」、米国特許出願番号第(代理人整理番号第END6895USNP3.0581538号)、表題「Sterile Housing for Non−Sterile Medical Device Component」、米国特許出願番号第(代理人整理番号第END6895USNP4.0581540号)、表題「Sterile Medical Instrument Charging Device」、米国特許出願番号第(代理人整理番号第END6895USNP5.0581543号)、表題「Medical Device Packaging with Window for Insertion of Reusable Component」、米国特許出願番号第(代理人整理番号第END6895USNP6.0581545号)、表題「Medical Device with Feature for Sterile Acceptance of Non−Sterile Reusable Component」、及び米国特許出願番号第(代理人整理番号第END6902USNP.0581498号)、表題「Sterile Package System for Medical Device」。本明細書における教示が上記の特許出願の教示と組み合わされ得る様々な方法、並びに、上記の特許出願の教示が本明細書による教示を含め、又は含めずに一緒に組み合わされる様々な方法が当業者には明らかになる。
【0012】
I.可動構成要素を備える、代表的な電気外科用装置
図1〜6は、その開示が本明細書において参照として組み込まれる、2002年12月31に発行される、米国特許番号第6,500,176号、表題「Electrosurgical Systems and Techniques for Sealing Tissue」の教示の少なくともいくつかのに構成され、かつ動作可能である、代表的な電気外科用器具(10)を示す。本明細書において記載され、以下でより詳細に記載される、電気外科用装置(10)は、組織を切断し、実質的に同時に組織(例えば、血管など)を封止及び溶接するように動作可能である。換言すると、電気外科用装置はエンドカッタータイプのステープラーと同様に動作するが、ただし電気外科用装置は、組織を接合するためにステープルの列の代わりに、双極RFエネルギーの適用を通じて組織溶接を提供する。電気外科用装置(10)は、Cincinnati,OhioのEthicon Endo−Surgery,Inc.による、ENSEAL(登録商標)Tissue Sealing Deviceと様々な構造的及び機能的類似性を有し得ることがまた理解される。更に、電気外科用装置(10)は、その開示が本明細書において参照として組み込まれる、2009年10月9日に出願された、米国特許出願番号第12/576,776号、表題「Surgical Instrument Comprising First and Second Drive Systems Actuatable by a Common Trigger Mechanism」において教示される装置と様々な構造的及び機能的類似性を有し得る。米国特許番号第6,500,176号の教示、Cincinnati,OhioのEthicon Endo−Surgery,Inc.によるENSEAL(登録商標)Tissue Sealing Device、及び/又は米国特許出願番号第12/576,776号と電気外科用装置(10)に関する以下の教示との間には一定の重複が存在する範囲において、以下の記載のいずれかが先行技術として想定されることを意図しない。以下のいくつかの教示は実際に、米国特許出願番号第6,500,176号の教示、Cincinnati,OhioのEthicon Endo−Surgery,Inc.によるENSEAL(登録商標)Tissue Sealing Device、及び米国特許出願番号第12/576,776号の教示の範囲を超えている。
【0013】
本実施例の電気外科用装置(10)は、ハンドピース(20)、ハンドピース(20)から遠位方向に延びるシャフト(40)、及びシャフト(40)の遠位端に配置されるエンドエフェクタ(50)を含む。いくつかの変化形態において、シャフト(40)は、ノブ(46)を介してハンドピース(20)に対して回転可能である。加えて、又は代わりに、シャフト(40)は、いくつかの変化形態において関節運動区分を含む。エンドエフェクタ(50)は、第1ジョー(52)及び第2ジョー(54)を含む。本実施例において、第2のジョー(54)は、シャフト(40)に対してしっかり固定され、他方、第1のジョー(52)は、シャフト(40)に対して、第2のジョー(52)に向かって、かつ、第2のジョー(52)から離れて旋回心軸で回転する。特に、
図2に示されるように、一対の作動ロッド(42)がシャフト(40)を通じて延び、枢動連結部(44)において第1ジョー(52)と接合され、それによりシャフト(40)を通じた作動ロッド(42)の長手方向の運動が、シャフト(40)に対する、及び第2ジョー(54)に対する、第1ジョー(52)の枢動をもたらす。当然ながら、ジョー(52、54)は、その代わりに、他の適切ないかなる種類の運動をも行うことができ、かつ、他の適切なあらゆる方法で駆動されてもよい。単に例として、かつ以下でより詳細に記載されるように、ジョー(52、54)は、細長い部材(70)の長手方向の並進により作動、及びしたがって閉鎖され、よって作動ロッド(42)は、いくつかの変化形態においては単純に排除されてもよい。
【0014】
図2〜5に最もよく示されるように、第1のジョー(52)は、長手方向に延びる細長いスロット(56)の範囲を限定し、また、第2のジョー(54)も、長手方向に延びる細長いスロット(58)の範囲を限定する。加えて、ジョー(52)の下面は第1電極表面(62)を提供し、一方で第2ジョー(54)の頂面は、第2電極表面(64)を提供する。部分的に円筒形の陥没部(66)は、第1ジョー(52)の第1電極表面(62)から細長いスロット(58)への遷移をもたらす。同様に、部分的に円筒形の陥没部(68)は、第2ジョー(54)の第2電極表面(64)から細長いスロット(58)への遷移をもたらす。本明細書において言及される、他の構成要素及び機構と同様に、円筒形の陥没部(66、68)は任意のものに過ぎない。電極表面(64)は、シャフト(40)の長さに沿って延びる、1つ又は2つ以上の導体(図示されない)を介して、電極表面(96)導通している。以下により詳細に記載されるように、電源(96)は、電気外科用装置(10)の外側にあってもよく、又は電気外科用装置(10)と一体であってもよい(例えば、ハンドピース(20)内など)。
【0015】
ジョー(52、54)が閉鎖位置にあれば、電気外科用器具(10)を低侵襲手術に使用し得るが、当然、電気的外科用(10)が、所望により開腹手術にも使用され得るように、シャフト(40)及びエンドエフェクタ(50)は、様々な内径を有するトロカールの内部に適合するような大きさであり、そのように構成される。単に例として、ジョー(52、54)が閉鎖位置にあるとき、シャフト(40)及びエンドエフェクタ(50)は、およそ5mmの外径を呈し得る。あるいは、シャフト(40)及びエンドエフェクタ(50)は、他の任意の好適な外径を呈し得る。
【0016】
図2〜5にも見られるように、本実施例の電気外科用装置(10)は、エンドエフェクタ(50)の長さの一部に沿って長手方向に可動である、細長い部材(70)を含む。本実施例において、細長い部材(70)は、シャフト(40)と同軸上に位置合わせされ、シャフト(40)の長さに沿って延び、シャフト(40)内で長手方向に並進するが、細長い部材(70)及びシャフト(40)は他の任意の好適な関係を有し得ることが理解さるべきである。細長い部材(70)は、細長いコア電極区分(72)、鋭い遠位ブレード(74)、上方フランジ(76)、及び下方フランジ(78)を含む。
図4に最もよく見られるように、遠位ブレード(74)はジョー(52、54)のスロット(56、58)を通じて延び、上方フランジ(76)は第1ジョー(52)の上に位置し、下方フランジ(78)は第2ジョー(54)の下に位置する。遠位ブレード(74)及びフランジ(76、78)の構成は、細長い部材(70)の遠位端において、「Iビーム」タイプの断面図を呈する。本実施例においては、フランジ(76、78)は、細長い部材(70)の長さの僅かな部分に沿って延び長手方向に延びるが、フランジ(76、78)は、細長い部材(70)の任意の好適な長さに沿って、長手方向に延び得ることが理解されるべきである。加えて、フランジ(76、78)は、ジョー(52、54)の外部に沿って位置付けられるが、フランジ(76、78)は代わりに、ジョー(52、54)内に形成される、対応するスロット内に配置されてもよい。例えば、各ジョー(52、54)は、「T」字形スロットを画定してもよく、遠位ブレード(74)の一部が各「T」字形スロットの一部内に配置され、フランジ(76、78)は、「T」字形スロットの他の部分内に配置される。様々な他の好適な構成及び関係が、本明細書の教示を考慮して、当業者に明らかとなる。
【0017】
本実施例において、遠位ブレード(74)は、鋭く、かつ受動的であるが(例えば、電気的に導通していない)、遠位ブレード(74)は所望により電気的に導通していてもよい(例えば、RFエネルギー、超音波エネルギーなど)。遠位ブレード(74)は、コア電極区分(72)から電気的に絶縁していてもよい。コア電極区分(72)は、導体(図示されない)を介して、電源(96)と道通している。以下でより詳細に記載されるように、起動ボタン(26)及びコントローラー(98)は、コア電極区分(72)への電力の伝達を調節する。
図3に最もよくみられるように、テーパ状の部材(80)は、遠位ブレード(74)からコア電極区分(72)への構造的遷移をもたらす。
【0018】
いくつかの変化形態において、いずれかのジョー(52、54)、又はジョー(52、54)の両方が、電極表面(62、64)に隣接する歯(図示されない)を含む。このような歯は、組織を把持するジョー(52、54)の能力を更に増加させ得る。このような歯は、組織を必ずしも引き裂くことなく、組織を容易に把持するように構成され得る(例えば、丸くなっている)。このような歯はまた、例えば、電気的に非導電性の又は絶縁性の材料、例えば、プラスチック、ガラス、及び/又はセラミックから形成されてもよく、かつポリテトラフルオロエチレン、潤滑油、又は組織がジョー(52、54)に挟まることを防ぐ、他の何らかの処理などの、処理を含んでもよい。ジョー(52、54)のいずれか、又はジョー(52、54)の両方が、少なくとも1つのポート、経路、導管、並びに/又は手術部位から蒸気、スモーク、及び/若しくは他の気体/水蒸気などを引くように動作可能な、他の機構を含んでもよい。このような機構は、吸引源、例えば、外部源又はハンドピース(20)内の源などと連通していてもよい。ジョー(52、54)の他の好適な変化形態が、本明細書の教示を考慮して、当業者に明らかとなる。加えて、本実施例では、コア電極区分(72)は、ほぼ円形の断面図を有するが、コア電極区分(72)は、楕円形などを含むがこれに限定されない他の任意の好適な断面構造を有し得ることが理解される。更に別の単に例示的な変化形態において、コア電極区分(72)は、単純に排除されてもよく、その結果細長い部材(70)がRFエネルギーを印加されない。
【0019】
図1及び
図6に示されるように、ハンドピース(20)は、ピストルグリップ(22)、トリガー(24)、起動ボタン(26)、及びトリガー機構(28)を含む。トリガー(24)は、ピストルグリップ(22)に対して枢動可能であり、作動ロッド(42)及び細長い部材(70)を、ラック及びピニオン、並びにトリガー機構(28)内の他の構成要素のうち、1つ又は2つ以上を通じて遠位方向に、同時に駆動するように動作可能である。以下でより詳細に記載されるように、起動ボタン(26)は、電極(62、64、72)を起動するために、電極(62、64、72)を電源(96)と選択的に結合するように動作可能である。例えば、起動ボタン(26)は、起動ボタン(26)が押圧されていない状態であるときに、電極(62、64、72)と電源(96)との間に電流が流れないが、起動ボタン(26)が押圧されるときは、電極(62、64、72)と電源(96)との間に電流が流れるように構成されてもよく、それによって起動ボタン(26)はスイッチを提供する。トリガー(24)及び起動ボタン(26)に加えて、又はその代わりに提供され得る様々な好適な構成要素及び機構が、本明細書の教示を考慮して、当業者に明らかとなる。
【0020】
いくつかの変化形態において、電気外科用器具(10)は、電流が電極(62、64、72)に供給されるまで、細長い部材(70)が前進できないように構成されている。単に例として、トリガー(24)に対してロックアウトを提供することによって達成されてもよく、このようなロックアウトは、細長い部材(70)を遠位方向に十分に前進させるようにトリガー(24)を動かすために、起動ボタン(26)が押圧されることを必要とする。電気外科用器具(10)のいくつかの変化形態は、細長い部材(70)が遠位方向に前進させられる前に、電流が電極(62、64、72)に供給されることを可能にする。加えて、電気外科用器具(10)は、電流が電極(62、64、72)に同時に供給される間に、細長い部材(70)が遠位方向に前進し得るように構成されてもよい。いくつかの変化形態において、トリガー機構(28)は、米国特許出願番号第12/576,776号の教示のいくつかに従って構成されてもよいことが理解される。
【0021】
本実施例のトリガー(24)は、細長い部材(70)及び作動ロッド(42)の同時の遠位方向の並進を提供するが、細長い部材(70)及び作動ロッド(42)は、いくつかの他の変化形態においては別個に作動され得る。細長い部材(70)及び/又は作動ロッド(42)は、近位へと弾力的に付勢されてもよく、それによりユーザーがトリガー(24)をグリップ(22)の方に引くとき、細長い部材(70)及び作動ロッド(42)は遠位方向に並進し、更にユーザーがその後トリガー(24)を解放すると、細長い部材(70)及び作動ロッド(42)は遠位方向に並進する。同様に、ジョー(52、54)は、開放位置へと弾力的に付勢されてもよい。更に別の単に例示的な変化形態において、本発明の別の場所に記されるように、作動ロッド(42)は、いくつかの変化形態においては単純に排除されてもよい。いくつかのこのような変化形態において、細長い部材(70)はジョー(52、54)を閉鎖するために使用される。例えば、細長い部材(70)が長手方向の運動の第1範囲に沿って動く際に、細長い部材(70)はジョー(52、54)を閉じてもよく、細長い部材(70)が長手方向の運動の第2範囲に沿って動く際に、細長い部材(70)は遠位ブレード(74)(以下でより詳細に記載される)で組織を切断する。
【0022】
代表的な用途において、
図4〜
図5に最もよく示されるように、組織(90)の第1層、及び組織(92)の第2層が、ジョー(52、54)の間に捕捉される。特に、トリガー(24)をピストルグリップ(22)の方に引くことによって、作動ロッド(42)を作動し、第1ジョー(52)を第2ジョー(54)の方に枢動し、組織層(90、92)を強くクランプする。上記のように、作動ロッド(42)が排除される変化形態において、トリガー(24)をピストルグリップ(22)の方に引くことにより、細長い部材(70)が起動される際に、代わりにフランジ(76、78)が第1ジョー(52)を第2ジョー(54)の方に枢動させるように機能し得る。いくつかの設定において、組織層(90、92)は、患者内の解剖学的構造を画定する同じ天然のルーメン(例えば、血管、胃腸管の一部、生殖系の一部など)の一部である。例えば、血管の長さの同じ区域に沿って、第1組織層(90)が血管の上部を含み得る一方で、第2組織層(92)は、血管の下部を含んでもよい(例えば、電気外科用装置(10)の使用の前の血管を通じた流路は、
図4〜5に示される図の左右方向である)。換言すれば、ジョー(52、54)の長さは、血管の長さに対して垂直に(又は少なくともほぼ横に)方向を合わせることができる。組織層(90、92)がジョー(52、54)の間に捕捉され、ジョー(52、54)によりクランプされた状態で、ユーザーがトリガー(24)をピストルグリップ(22)の方に引くことによって細長い部材(70)が遠位方向に前進する。
【0023】
細長い部材(70)が遠位方向に前進すると、遠位ブレード(74)が組織層(90、92)を同時に切断し、結果として、分離された第1層部分(90a、90b)が、対応する分離された第2層部分(92a、93b)と並置される。幾つかのバージョンにおいて、このことによって、結果的に、血管は、血管の長さに対して概して横断する方向に切断される。ジョー(52、54)の、それぞれ真上及び真下にある、フランジ(76、78)の存在は、ジョー(52、54)を閉鎖した固定したクランプ位置に保持するのを助け得るものと理解されるべきである。とりわけ、フランジ(76、78)は、ジョー(52、54)の間に大きな圧縮力を維持するのに役立つことができる。上記のように、いくつかの変化形態において、フランジ(76、78)が、ジョー(52、54)を一緒に閉じるためにカムとして単独で使用され、よって作動ロッド(42)は単純に排除され得る。
図5に最もよく見られるように、一度コア電極区分(72)が切断された層部分(90a、90b、92a、92b)に到達すると、コア電極区分(72)は第1ジョー(52)の部分的に円筒形の陥没部(66)に対して第1層部分(90a、90b)を圧迫し、第2ジョー(54)の部分的に円筒形の陥没部(68)に対して第2層部分(92a、92b)を圧迫する。テーパ状の部材(80)の存在及び構成は、切断された層部分(90a、90b、92a、92b)の分離及び圧迫を促進し、
図4に示される構成から
図5に示される構成へと遷移させてもよいことが理解されるべきである。
【0024】
切断された層部分(90a、90b、92a、92b)がジョー(52、54)の間で圧迫され、コア電極区分(72)と部分的に円筒形の陥没部(66、68)との間で更に圧迫された状態で、電極表面(62、64、72)は、ユーザーが起動ボタン(26)を押圧することによって双極RFエネルギーにより活性化される。特に、電極(62、64、72)は電源(96)と選択的に連結され(例えば、ユーザーがボタン(26)を押圧することなどにより)、その結果、ジョー(52、54)の電極表面(62、64)が共通の第1極性により活性化される一方で、細長い部材(70)の電極表面(72)が第1極性と反対の第2極性により活性化される。切断された層部分(90a、90b、92a、92b)の圧迫された区域を通じて、細長い部材(70)の電極表面(72)とジョー(52、54)の電極表面(62、64)との間に双極RF電流が流れる。双極RFエネルギーは最終的には、組織層部分(90a、92a)を一緒に、かつ組織層部分(90b、92b)を一緒に、熱的に溶接する。ある特定の状況では、活性化された電極表面(62、64、72)によって生じた熱は、組織層部分(90a、90b、92a、92b)内部のコラーゲンを変性することができ、かつ、ジョー(52、54)によって提供されるクランピング圧力と相俟って、変性されたコラーゲンは、組織層部分(90a、90b、92a、92b)の内部に密封を形成することができる。このようにして、解剖学的構造を画定する天然ルーメンの切断された端部は、切断された端部が体液を漏らさないような具合に、止血されながら密封される。本明細書の他の場所に記載されるように、電極表面(62、64、72)は、細長い部材(70)が遠位方向に並進するよりも更に前に、したがって組織が切断されるよりも前に、双極RFエネルギーにより活性化されてもよい。
【0025】
いくつかの変化形態において、エンドエフェクタ(50)は、(図示されない)1つ又は2つ以上のセンサーであって、エンドエフェクタ(50)で様々なパラメーターを探知するように構成されているセンサーを含む。それらパラメーターは、近接する組織の温度、近接する組織の電気抵抗又はインピーダンス、近接する組織を伝搬する電圧、近接する組織によってジョー(52、54)にかかる力、等を包含するが、それらに限定されない。単に例として、エンドエフェクタ(50)は、1つ又は2つ以上の正の温度係数(PTC)サーミスタ(例えば、PTCポリマーなど)を含んでもよい。このセンサーからのデータは、コントローラー(98)に伝達され得る。制御装置(98)は、そのようなデータを、様々な方法で処理することができる。ほんの一例として、制御装置(98)は、少なくとも部分的に、エンドエフェクタ(50)における1つ又は2つ以上のセンサーから得られるデータに基づき、電極表面(62、64、72)に供給されるRFエネルギーを変調するか、又は変換することができる。加えて、又は別の方法で、制御装置(98)は、少なくとも部分的に、エンドエフェクタ(50)における1つ又は2つ以上のセンサーから得られるデータに基づき、1つ又は2つ以上の条件に対して使用者に、音声によるフィードバック・デバイス及び/又は視覚的フィードバック・デバイス(例えば、スピーカー、光、表示画面、等)によって警報を出すことができる。幾種類かのセンサーは、必ずしも制御装置(98)と連通する必要はなく、また、エンドエフェクタ(50)で純粋に局部的な効果を単純に提供することができるものと解釈されるべきである。例えば、エンドエフェクタ(50)におけるPTCサーミスタ本体は、組織及び/又はエンドエフェクタ(50)の温度が上昇するにつれて、電極表面(62、64、72)でのエネルギー供給を自動的に低減することができ、そうすることによって、過熱の可能性が低減される。そのようないくつかの変化形態において、PTCサーミスタ要素は、電源及び電極表面(62、64、72)と直列になっており、かつ、PTCサーミスタは、閾値を超える温度に応じて(電流を低減する)増大したインピーダンスを提供する。更に、電極表面(62、64、72)は、センサー(例えば、組織のインピーダンス等を探知するためのもの)として使用されることがあるものと解釈されるべきである。電気的外科用装置(10)の中に組み込むことのできる様々な種類のセンサーは、本明細書の教示を考慮して、当業者に明らかとなる。同様に、制御装置(98)によって、又は別の方法で、センサーからのデータを用いて行うことのできる様々なことは、本明細書の教示を考慮すれば当業者には明らかであると思われる。
【0026】
エンドエフェクタ(50)は、電極表面(62、64、72)が活性化される際に、隣接する組織上でエンドエフェクタ(50)により生じる熱的な広がりの度合い又は程度を低減する、1つ又は2つ以上の冷却機構(図示されない)を含み得ることが理解されるべきである。そのような冷却機構が得る様々な適切な形態は、本明細書の教示を考慮すれば当業者には明らかであると思われる。
【0027】
更に単に例示的な変化形態において、コア電極表面(72)は単に排除されてもよく、それにより細長い部材(70)は単純に、電気的に受動的に並進するロッド、ビーム、又は他の種類の部材の遠位端に、ブレード(74)及びフランジ(76、78)を含む。いくつかのこのような変化形態において、RFエネルギーは第1極性の第1電極表面(62)に、第2(反対の)極性の第2電極(64)に供給され、それにより、RF電流が切断された層部分(90a、90b、92a、92b)を通じて電極表面(62、64)の間に流れる。電気外科用装置(10)に組み込まれ得る、更に好適な機構、構成要素、構成、変形、及び動作性が、本明細書の教示を考慮して、当業者に明らかとなる。
【0028】
以下のいくつかの教示は、電気外科用器具(10)の変形として記述されるが、以下の様々な教示もまた他の様々な種類の装置の中に組み込まれることが可能であるものと解釈されるべきである。単に例として、医療用装置(10)内に容易に組み込まれるだけではなく、以下の様々な教示は、米国特許番号第7,416,101号、同第7,738,971号、米国特許公開番号第2006/0079874号、同第2007/0191713号、同第2007/0282333号、同第2008/0200940号、同第2009/0209990号、同第2010/0069940号、及び/又は米国仮特許出願番号第61/410,603号に教示される装置にも容易に組み込まれ得る。次の教示を取り込むことのできる他の適切な装置は、本明細書の教示を考慮すれば当業者には明らかであると思われる。
【0029】
II.電気外科用装置のドライブ可動構成要素へのモーターの代表的な導入
上記のように、電気外科用装置(10)の細長い部材(70)は、トリガー(24)をグリップ(26)の方に引き、純粋な/又は専用の機械的な力の伝達によって手動トリガー機構(28)を作動させることによって手動で駆動される。いくつかの場合において、細長い部材(70)を駆動するために、モーター又は他のいくつかの装置を使用することが望ましい場合がある。これは、トリガー(24)を引くために必要な手動の力を低減することがあり、これは、例えば、ユーザーが比較的弱い握力を有する、電気外科用装置(10)が比較的長い手術の間使用されて外科医の疲労が要因となる、及び/又は比較的固いか若しくは密度の高い組織が含まれる場合において、有用性を著しく向上させることがある。以下のいくつかの例は、細長い部材(70)などの可動機構(及び、ジョー(52、54)などの可動機構など)の駆動が、純粋な/専用の手動による機械的作動によってもたらされるのではなく、モーター又は他の電気的に駆動する装置によって提供される、様々な方法を説明する。以下の例において、電気外科用装置は、作動ロッド(42)の同等物を有さない。代わりに、ジョー(52、54)を閉鎖するために、ジョー(52、54)の同等物に対して、細長い部材(70)の同等物がカム動作するが、所望により作動ロッド(42)の同等物が使用されてもよく、又はジョー(52、54)が、他のなんらかの方法で閉鎖されてもよい。
【0030】
図7は、モーター(102)を含む、代表的な電気外科用装置(100)の概略図を示す。モーター(102)は、ステッピングモータが挙げられるがこれに限定されない、任意の好適な種類の交流モーター又は直流モーターを含み得る。電気外科用装置(100)はまた、上記のジョー(52、54)と同様のジョー(152、154)、及び上記の細長い部材(70)と同様の細長い部材(170)を含む。上方ジョー(152)は、下方ジョー(154)の方に向かって、及び下方ジョー(154)から離れるように、枢動部(156)を中心に枢動する。この実施例の細長い部材(170)は更に、鋭い遠位ブレード(174)、上方横断フランジ(176)、及び下方横断フランジ(178)を含む。フランジ(176、178)は、細長い部材(170)が遠位方向に前進する際に、ジョー(152、154)の外側表面に対してカム動作して、ジョー(152、154)に組織を強くクランプさせる一方で、遠位ブレード(174)は、細長い部材(170)が遠位方向に前進する際にクランプされた組織(175)を切断する。モーター(102)は、細長い部材(170)を遠位方向に駆動するように動作可能である。モーター(102)が細長い部材(170)を遠位方向に駆動するために使用され得る様々な方法は、以下でより詳細に記載されるが、更に他の好適な方法が本明細書の教示を考慮して、当業者に明らかとなる。本実施例において、細長い部材(170)が電気的に受動的であり、上記のコア電極(72)と同様のコア電極を含まない。代わりに、ジョー(152、154)は、反対の極性を有する双極RF電極を呈する。いくつかの他の変化形態において、細長い部材(170)は、ジョー(152、154)の電極の間で共通の極性と反対の極性を備える、コア電極を有し得る。
【0031】
本実施例の電気外科用装置(100)、ユーザー入力機構(120)、エンコーダ(130)、制御モジュール(140)、電源(180)、及びセンサー(190)を更に含む。制御モジュール(140)は、以下でより詳細に記載される、電気外科用装置の様々な構成要素の動作可能なハブとして機能する。特に、制御モジュール(140)は、モーター(102)、ユーザー入力機構(120)、エンコーダ(130)、電源(180)、及びセンサ(190)と通信している。制御モジュール(140)は、1つ又は2つ以上のプリント回路基板、1つ又は2つ以上の記憶装置、1つ又は2つ以上のマイクロプロセッサなどが挙げられるがこれらに限定されない、様々な構成要素を含み得る。制御モジュール(140)に含まれ得る他の好適な構成要素は、本明細書の教示を考慮して、当業者に明らかとなる。
【0032】
ユーザー入力機構(120)は、ボタン、トリガー(例えば、上記のトリガー(24)などと同様)、及び/又は他の任意の好適な種類のユーザー入力機構を含み得る。いくつかの変化形態において、ユーザーがユーザー入力機構(120)を起動するとすぐに、制御モジュール(140)は、細長い部材(170)を完全に前進させて、同時に組織(175)をクランプ及び切断するようにモーター(102)起動し、同時にジョー(152、154)の電極を起動するように動作可能である。いくつかの他の変化形態において、ユーザーがユーザー入力機構(120)を起動すると、制御モジュール(140)は、モーター(102)を十分に起動させ、細長い部材(170)がジョー(152、154)を閉じて組織(175)をクランプするのに十分な距離を前進させる。いくつかのこのような変化形態において、制御モジュール(140)は、制御モジュール(140)がモーター(102)を起動して、モーターの細長い部材(170)を前進させ続け、クランプされた組織(175)を切断し、同時にジョー(152、154)内の電極を同時に起動するより前に、ユーザーがユーザー入力機構(120)を二度目に起動するのを待つ。いくつかの他の実施形態において、制御モジュール(140)は、クランプした組織(175)を切断し、同時にジョー(152、154)内の電極を起動するために、モーターの細長い部材(170)を前進させ続けるために、モーター(102)を起動する適切なとき/状況を示す、センサー(190)からのデータ、及び/又は制御アルゴリズム内の他の変数を待つ。いくつかの代表的な制御アルゴリズムが以下でより詳細に記載されるが、制御アルゴリズムを形成するために使用され得る、他の好適な変数及び関連する値/範囲は、本明細書の教示を考慮して、当業者に明らかとなる。
【0033】
本実施例のエンコーダ(130)は、モーター(102)の動作を追跡するように構成された、従来的なエンコーダアセンブリを含む。単に例として、エンコーダ(130)は、スロット、タブ、及び/又は他の光学的に追跡可能な機構を有する、ホイールを含み得る。このようなホイールは、ホイールがモーター(102)の駆動シャフトと一体的に回転するように、モーター(102)の駆動シャフトに固定して取り付けられてもよい。エンコーダ(130)は更に、電気外科用装置(100)内に固定して位置付けられ、かつホイールの運動をモニタリングするように動作可能な、光学センサーを含み得る。
図7に示されるように、エンコーダ(130)は、モーター(102)の駆動シャフトの回転位置、モーター(102)の駆動シャフトの回転速度、モーター(102)の駆動シャフトの回転数などを示す、データを制御モジュール(140)に提供してもよい。このようなデータは、細長い部材(170)の長手方向位置、ジョー(152)のジョー(154)に対する回転位置を更に表すものとして、解釈及び処理され得る。単に例として、いくつかの変化形態においては、エンコーダ(130)からのデータ(センサー(190)が両方のジョー(152、154)が組織に接触したことを示すときにとられる)は、ジョー(152、154)の間の組織(175)の厚さを表すために、制御モジュール(140)によって解釈される。このような組織の厚さのデータがどのように使用されるかの例が以下でより詳細に記載される。制御モジュール(140)は、エンコーダ(130)及び/又は他の源からのデータが、電気外科用装置(100)が処理するためには組織(175)が厚すぎることを示す際に、装置のユーザーに警告するか、又はジョー(152、154)のクランピングの継続を防いでもよいことが理解されるべきである。本明細書において言及される他の様々な構成要素におけるように、エンコーダ(130)は任意のものに過ぎない。
【0034】
本実施例の電源(180)は、1つ又は2つ以上の電池、コンデンサ、スーパーコンデンサ、及び/又は電気外科用装置(100)と一体の他の種類の電源を含む。例えば、電気外科用装置(100)がハンドピース又は手持ち式ハウジング/本体を含む限り、電源(180)は、このようなハンドピース又は手持ち式ハウジング/本体内に位置し得る。
図7に示される電気外科用装置(100)の構成要素の全てが、単一の内蔵型手持ち式ユニット内に統合され得ることが理解されるべきである。いくつかの他の変化形態において、電源(180)は、従来的な壁コンセント、及び/又は主要機器の一部を含み、電気外科用装置(100)が外部で電源(180)に接続される。同様に、制御モジュール(140)は、電気外科用装置(100)のハンドピース、又は手持ち式ハウジング/本体内に位置してもよく、又は1つ又は2つ以上のケーブルなどを介して、電気外科用装置(100)と接続された、主要機器の別個の部分内に提供されてもよい。いくつかのこのような変化形態において、電源(180)及び制御モジュール(140)は、電気外科用装置(100)に外部で接続される、主要機器の単一片内に一緒に統合されてもよい。
【0035】
センサー(190)は、多数の形態を取り得る。例えば、これは別個の構成要素として、
図7の概略的に示されるが、本実施例のセンサー(190)は、双極RFエネルギーを組織(175)に供給するために使用される、ジョー(152、154)の同じ電極により単純に形成される。この実施例のセンサー(190)は、組織(175)のインピーダンスを測定し、これを制御モジュール(140)に戻すように伝達するために使用される。例えば、制御モジュール(140)は、組織のインピーダンスを測定するために、ジョー(152、154)の電極を介して専用の電気パルスを送信してもよい。当然、様々な他の種類のデータが、エンドエフェクタ(150)又は他の場所にある1つ又は2つ以上のセンサー(190)から、制御モジュール(140)に戻すように伝達されてもよい。エンドエフェクタ(150)の1つ又は2つ以上のセンサー(190)により感知され得る他の種類のパラメーターが、本明細書の教示を考慮して、当業者に明らかとなる。
【0036】
図7に示されるように、制御モジュール(140)は、電気外科用装置(100)の様々な入力及び出力を処理する。特に、上記のように、制御モジュール(140)は、ユーザー入力機構(120)からのユーザー入力、エンコーダ(130)からの位置データ、及びセンサー(190)からの組織インピーダンスデータを受信する。加えて、制御モジュール(140)は、モーター(102)の負荷を示す、モーター(102)からのデータを受信する。モーター(102)の負荷は、モーター(102)により消費される電流をモニタリングすることによって、モーター(102)により伝達される逆起電力(EMF)をモニタリングすることにより、モーター(102)と関連するコンデンサの電圧の変化をモニタリングすることにより、及び/又は他の好適な方法により、感知され得る。いくつかの変化形態において、モーター(102)の負荷は単純にモニタリングされない。上記の入力を受信することに加え、制御モジュール(140)は、2つのキー出力を提供するように動作可能である。特に、制御モジュール(140)は、モーター(102)に電力を供給してモーター(102)を起動し、それによってジョー(152、154)を閉じて組織(175)を切断するように、細長い部材(170)を遠位方向に駆動し、ジョー(152、154)に電力を供給してジョー(152、154)の電極を起動し、それによって双極RF電流を使用して切断された組織を溶接及び凝固するように動作可能である。制御モジュール(140)は、入力に基づいてそのような出力を変化させる、様々な種類の制御アルゴリズムを含み得る。例えば、センサー(190)からの組織インピーダンスデータは、ジョー(152、154)の電極に供給される電力に影響を与えるためだけでなく、またモーター(102)に供給される電力に影響を与えるためにも使用され得る。組織インピーダンスに基づく、モーター(102)制御の単に例示的な実施例が以下でより詳細に記載される。同様に、モーター(102)の負荷を表すデータは、モーター(102)に供給される電力、及び/又はジョー(152、154)の電極に供給されるRF電力に影響を与えるために使用され得る。制御モジュール(140)によって実行され得る更に他の様々な機能が、本明細書の教示を考慮して、当業者に明らかとなる。
【0037】
図8は、電気外科用装置(100)の動作中に、様々なフィードバックと、制御信号との間の代表的な関係を示し、これは、制御モジュール(140)による制御アルゴリズムの一部を形成し得る。特に、
図8は、グラフの上から順に、ジョー(152、154)の電極における電流(I)、ジョー(152、154)の電極における電圧(V)、ジョー(152、154)の電極における電力(P)、ジョー(152、154)の電極におけるインピーダンス(Z)、ジョー(152、154)の電極への電力(パルス)の供給、及びリミットスイッチへの制御信号(LIM SW)である。
図8に見られるように、ジョー(152、154)の電極へのエネルギーの供給は、本実施例ではパルス状になっている。以下でより詳細に記載されるように、いずれかのパルスにおいてインピーダンスが劇的に増加するとき、以降のパルスは短くなる。
【0038】
図8のグラフの曲線の最初の部分は3つのパルスを表す。動作の最初の段階において、ジョー(152、154)は、組織上でクランプされるが、細長い部材(170)の遠位端におけるナイフは、まだ組織と接触していない。サイクルが第3パルスに近づくと、電圧(V)及びインピーダンス(Z)は増加し、一方で電力(P)及び電流(I)は減少する。第3パルスにおいて、インピーダンス(I)は、急速に上昇し、その結果第4パルスが短くなる。インピーダンス(I)の急速な増加は、ナイフの直前の組織が処理され、ナイフこの組織を通じて前進させられるべきであることを示す。いくつかの設定において、これはおよそ、細長い部材(170)によって直線的に駆動されるナイフの圧力に組織が屈する時点において生じる。このような段階において、ナイフの直前の組織が処理された可能性があるが、組織のより遠位は未だ十分な量の熱エネルギーを受けていない可能性がある。したがって、ナイフが前進するに伴い、パルスの持続時間にかなりのばらつきがある場合があり、よって電気外科用装置の挙動は、電気外科用装置(100)が使用される度に異なることがある。より短い第4のパルスの開始に伴い、モーター(102)によって制御された既定の様式により、細長い部材(170)によって遠位方向にナイフが前進する。
図8のグラフの(LIM SM)に示されるように、ナイフが完全な切断ストロークで移動すると、リミットスイッチが閉じられる。この時点において、制御モジュール(140)は、短い終了パルスを提供する。連続した4つの終了パルスのシーケンスが受け取られ、インピーダンス(I)が上限に達し、制御モジュール(140)は、外科医に「終了」アラームを伝達し、切断及び封止手順が完了し、ナイフがその初期位置付近に後退したことを示す。いくつかの他の変化形態において、ジョー(152、154)の電極はこの段階において、既定の時間(例えば、15秒など)が経過するまで、作動し続ける。いずれにせよ、制御モジュール(140)は、外科医に「終了」アラームが伝達されるときに、ジョー(152、154)の電極への電力の供給を自動的に停止してもよい。
【0039】
いくつかの場合において、組織を切断する必要なく、組織を溶接及び/又は封止するか、又は組織を切断する前に組織を少なくとも一定程度クランプ及び加熱することが望ましい場合がある。単に例として、組織が特に厚い又は密度が高い、ないしは別の事情により電気外科用装置(100)が組織を同時にクランピング及び切断しにくいような環境において望ましい場合がある。このため、別の形態の電気外科用装置(100)はジョー(152、154)の閉鎖と、ブレード(174)により切断を、別個の動作段階でもたらす。例えば、電位外科用器具は、例えば、作動ロッドの対(例えば、作動ロッド(42)と同様)、エンドエフェクタ(150)の少なくとも一部に沿って摺動する外部クロージャスリーブ、又はカラーなどを有することにより、ジョー(152)及び細長い部材(170)の別個の運動を提供し得る。このようなジョークロージャ機構は、手動により、モーター(102)により、別個のモーターにより、ないしは別の方法により選択的に起動され得る。あるいは、細長い部材(170)は、細長い部材(170)が、ジョー(152、154)内の組織を未だ切断せずに単にジョー(152、154)を閉める、運動の第1段階又は範囲と、細長い部材(170)がジョー(152、154)内にクランプされた組織を切断する、運動の第2段階又は範囲との、2段階で可動であり得る。いずれにせよ、ジョー(152、154)内の電極は、組織が未だ切断されずに、組織上でジョー(152、154)が閉ざされる際に活性化され得る。活性化された電極が組織を加熱する際、組織は最終的に比較的切断しやすくなることがあり、よってその後、細長い部材(170)は、組織がクランプされ、ジョー(152、154)によって一定時間にわたり加熱/封止された後に組織を切断するために使用され得る。ジョー(152、154)の作動装置は更に、このプロセスのいずれかの段階において往復運動してもよく、これによって組織上でジョー(152、154)の「咀嚼」が生じ、これを更に柔軟にする、並びに/又は加熱/封止及び/若しくは切断の影響をより受けやすいものとする。
【0040】
ジョー(152、154)を閉じるためにモーター(102)が使用される変化形態においては、モーター(102)の負荷は制御モジュール(140)によってモニタリングされ、これがモーター(102)を遅くするか、ないしは別の方法によりモーター(102)の負荷に基づきモーター(102)への電力供給を変更し得ることが理解されるべきである。制御モジュール(140)はまた、センサー(190)によって感知される、組織自体のパラメーター(例えば、温度、インピーダンスなど)のパラメーターに少なくとも部分的に基づいて、モーター(102)への電力供給を調節してもよい。組織を切断する運動範囲を通じて、細長い部材(170)を前進させるときを決定するにあたり、制御モジュール(140)は、ジョー(152、154)が組織上にクランピングする際にモーター(102)上の負荷をモニタリングする、及び/又はセンサー(190)などを使用して、組織自体のパラメーター(例えば、温度、インピーダンスなど)をモニタリングしてもよい。
【0041】
別の単に例示的な動作の例として、血管組織の比較的厚い断片がジョー(152、154)の間に配置され得る。ジョー(152、154)の間の組織の存在を表す、負荷(例えば、電力の増加、電圧の変化、静電容量の変化など)を、制御モジュール(140)が検出するまで、組織上にジョー(152、154)を閉じるようにモーター(102)が起動される。この時点において、制御モジュール(140)は、ジョー(152、154)の間の組織のインピーダンスを感知するために、ジョー(152、154)の電極を通じて電気パルスを送信する。制御モジュール(140)はまた、どれだけジョー(152、154)が閉じたかを示す、エンコーダ(130)又は他の場所からのデータを受け取る。この点において、制御モジュール(140)は、組織の厚さ(ジョー(152、154)の閉鎖の度合いに基づく)、及び組織のインピーダンスを「知っている」。この情報により、制御モジュール(140)は、モーター(102)の速度、モーター(102)の動作パラメーター、及び/又はジョー(152、154)の電極に供給されたRFエネルギーを調節する。
【0042】
例えば、比較的厚い組織が感知される場合及び/又は組織のインピーダンスが比較的低い場合、制御モジュール(140)は、厚い組織に作用し始めるために、最初に比較的遅いモーター(102)速度、及び比較的高いRFエネルギーを提供し得、その逆もまた同様に提供し得る。いくつかの場合において、比較的厚い組織に反応してモーター(102)速度を低減させることは、最終的に、より良好な組織の封止、及び/又は組織に対する機械的外傷の低減に繋がる。加えて、又は代わりに、モーター(102)は、比較的厚い組織に反応して、及び/又は組織のインピーダンスが比較的低い場合(例えば、肝組織、又は肺組織など)にショートバーストにおいて順方向及び逆方向に反復的に起動されてもよく、組織上でジョー(152、154)の「咀嚼」を生じ、これらを更に柔軟にし、並びに/又はこれらを加熱/封止、及び/若しくは切断の影響を受けやすいものとする。いずれか、又は両方の場合において、ジョー(152、154)は、組織を圧迫及び加熱/封止し続けると、制御モジュール(140)は、フィードバック・ループの一部として、組織インピーダンス、モーター(102)の負荷、組織の厚さなどのパラメーターをモニタリングし続けてもよい。組織インピーダンスが増加し、及び/又は負荷が減少すると、制御モジュール(140)はモーター(102)を加速して圧迫を加速しまた、制御モジュール(140)は、ジョー(152、154)の電極に供給されるRFを低減させる。比較的厚い組織が含まれるときに、同様の制御アルゴリズムが続く場合があるが、制御モジュール(140)はこれが組織が薄いことを認識する際には、全プロセスを加速させ得ることが理解されるべきである。上記の制御アルゴリズムは組織密度、及び/又は他の組織特性などの他の要因に基づき、必ずしも組織厚さ及び/又はインピーダンスに基づかない場合があることが理解されるべきである。また、制御アルゴリズムは、1つのみの変数の関数、又は変数の組み合わせの関数を含む場合がある。
【0043】
更に、細長い部材(170)の駆動ストロークの完了、及び/又はジョー(152、154)内の電極の活性化が、制御モジュール(140)によって実行される制御アルゴリズムごとの一定の状況に依存するとき、電気外科用装置(100)は、細長い部材(170)、及び/又はジョー(152、154)内の電極の動作状態を表す指標をユーザーに提供するユーザーフィードバックを更に含むことがある。例えば、電気外科用装置(100)は、ブレード(174)に切断が完了するとき、組織がジョー(152、154)内の電極により封止されたとき、及び/又は他のなんらかの動作段階に到達したときをユーザーに示すために、1つ又は2つ以上のライト、ビープ機構、及び/又は図形レンダリングを含み得る。これは、ユーザーが、時期尚早に手術部位の組織からエンドエフェクタ(150)を引く可能性を低減し得る。
【0044】
以下の実施例は、電気外科用装置の可動構成要素を駆動するためのモーター及びソレノイドを含むが、電気外科用装置の可動構成要素を駆動するために、様々な他の種類の構成要素及び装置が使用され得ることが理解される。追加的な例は、空気式作動装置、液圧作動装置、電気活性化ポリマー、超音波モーターなどを含むが、これらに限定されない。これらの代替物は、モーター及び/又はソレノイドの代替又は補完物として、以下の実施例に容易に組み込まれ得る。
【0045】
上記は、一般的又は概念的用語における、代表的な電気外科用装置(100)を記載しているが、以下の教示は、電気外科用装置(100)のいくつかの機構が実際に使用される方法の単に例示的な例に関する更なる詳細を提供する。当然、本明細書の様々な教示を多くの方法で組み合わせることができ得ることが想到され、本明細書の教示はどれも、発明者の意図の制限を表わすものではないことが理解されるべきである。電気外科用装置(100)のいくつかの特徴を実際にどのように実行できるかの様々な他の例は、本明細書の教示を考慮すれば当業者に明らかになり、そのような例は、十分に発明者の企図の範囲内にある。
【0046】
A.代表的なラック及びピニオンドライバ
図9は、ハンドピース(320)、ハンドピース(320)から遠位方向に延びるシャフト(340)、シャフト(340)内に摺動自在に配置される細長い部材(370)を含む、代表的な電気外科用装置(300)を表す。ハンドピース(320)は、ピストルグリップ(322)及びトリガー(324)を含む。本明細書の別の部分に記載されるエンドエフェクタ(50、150)と同様のエンドエフェクタ(図示されない)は、シャフト(340)の遠位端に配置され、一体型の電極を備える一対のジョーを含む。細長い部材(370)は、上記の細長い部材(170)と同様である。特に、
図10に示されるように、細長い部材(370)は、ブレード(374)、及びその遠位端のフランジの対(376、378)を有する。細長い部材(370)は、遠位方向に動いてエンドエフェクタの端部のジョーを閉じ、ジョーの間にクランプされる組織を切断する。モーター(302)は、ハンドピース(320)内に位置する。モーター(302)は、モーター(302)が、ドライブピニオン(304)を回転させるために動作可能であるように、一体型ドライブピニオン(304)を含む。細長い部材(370)の近位部は、ドライブピニオン(304)と係合するラック(372)を含む。特に、ラック(372)は複数のスロット(373)を含み、ドライブピニオン(304)の歯(305)は、スロット(373)内に配置される。あるいは、ラック(372)は、ドライブピニオンの歯(305)と係合する歯を含み得る。ドライブピニオン(304)がモーター(302)によって回転させられると、ドライブピニオン(304)とラック(372)との間の係合により、細長い部材(370)は長手方向に並進することが理解されるべきである。
【0047】
やはり
図9に示されるように、電気外科用装置(300)はトリガー運動センサー(310)、制御モジュール(340)、及び電源(380)を含む。本実施例のトリガー運動センサー(310)は、トリガー(324)と通信しており、それにより、トリガー運動センサー(310)は、トリガー(324)のグリップ(322)に向かう及びこれから離れる運動を感知する。単に例として、トリガー運動センサー(310)は、近接センサー、エンコーダ、ホール効果センサー、加減抵抗器などを含む場合がある。トリガー運動センサー(310)が取り得る他の好適な形態は、本明細書の教示を考慮して、当業者に明らかとなる。トリガー運動センサー(310)はまた、制御モジュール(340)と通信し、これはモーター(302)を起動し、エンドエフェクタのジョー内の電極を起動し、制御アルゴリズムを開始し、及び/又は別の方法により、トリガー運動センサー(310)により感知され、ここから伝達される、トリガー(324)の運動に反応する。したがって、トリガー(324)及びトリガー運動センサー(310)は一緒に、上記の入力機構(120)と同様に機能し得る。更に、制御モジュール(340)は、トリガー(324)が引かれているかどうかを単純に検出するだけではなく、制御アルゴリズムに影響する、グリップ(322)に対するトリガー(324)の異なる位置をも司ることがある。例えば、トリガー(324)が部分的にのみ引かれるとき、制御モジュール(340)は、トリガー(324)が完全に引かれるまで、組織を切断及びクランプせずに、エンドエフェクタにおいてジョーを単純にクランプし得る。戻り止め機構又は他の機構は、このような作動段階の間の遷移を示すために、トリガー(324)を介して外科医に触覚的フィードバックを提供し得る。制御モジュール(340)がトリガー(324)の部分的作動を司る他の好適な方法は、本明細書の教示を考慮して、当業者に明らかとなる。
【0048】
トリガー運動センサー(310)を組み込み、モーター(302)を使用することにより、外科医の手による把持が、エンドエフェクタのジョー又はブレードにもはや直接的に力をもたらさないことが理解されるべきである。換言すると、トリガー(324)は、ドライブトレインの機械的部分から取り出され、かわりに容易に起動される電気外科用構成要素として機能する。したがって電気外科用装置(300)は、電気外科用装置(10)のトリガー機構(28)などの、純粋に機械的なドライブトレインの不在により、電気外科用装置(10)よりも比較的容易に動作し得る。当然、トリガー(324)は、ボタン、スライダーなどが挙げられるがこれらに限定されない、様々な別の形態を取り得る。
【0049】
制御モジュール(340)及び電源(380)の他の態様は、制御モジュール(140)及び電源(180)に関して先に記載されたものと同様の様式で提供され得る。単に例として、制御モジュール(340)は、本明細書において記載される様々な制御アルゴリズムを実施してもよく、制御モジュール(340)及び/又は電源(380)は、ハンドピース(320)内に一体化され、ハンドピース(320)の外部にあってもよい。同様に、電気外科用装置(10、100)と関連する、本明細書における他の教示が、電気外科用装置(300)に容易に組み込まれてもよく、その反対も同様である。
【0050】
B.代表的なソレノイドドライバ
図11は、細長い部材(370)、モーター(302)、及びピニオン(304)に代わりに使用され得る構成要素を表す。特に、
図11は、細長い部材(470)を駆動するために使用され得る、ソレノイドアセンブリ(402)を示す。本実施例の細長い部材(470)は、本明細書で言及される他の同様の細長い部材(70、170、370)と非常によく似た、鋭いブレード(474)及びフランジ(476、478)を含む。しかしながら、細長い部材(470)の近位部は、ソレノイドアセンブリ(402)のコア要素(472)を画定する。制御モジュールないしは別のものにより、ソレノイドアセンブリ(402)を選択的に起動することにより、細長い部材(370)を長手方向に並進させることができることが理解されるべきである。当然、細長い部材(470)及びソレノイドアセンブリ(402)は、本明細書において言及される、いずれかの電気外科用装置(10、100、300)に容易に組み込まれてもよい。
【0051】
C.代表的な主ネジトライバー
図12は、ハンドピース(520)、ハンドピース(520)から遠位方向に延びるシャフト(540)、シャフト(540)内に摺動自在に配置される細長い部材(570)を含む、別の代表的な電気外科用装置(500)を表す。ハンドピース(520)は、ピストルグリップ(522)、トリガー(524)、及びボタン(526)を含む。本明細書の別の部分に記載されるエンドエフェクタ(50、150)と同様のエンドエフェクタ(図示されない)は、シャフト(540)の遠位端に配置され、一体型の電極を備える一対のジョーを含む。細長い部材(570)は、上記の細長い部材(170)と同様である。特に、細長い部材(570)は、ブレード(図示されない)、及びその遠位端のフランジの対(図示されない)を有する。細長い部材(570)は、遠位方向に動いてエンドエフェクタの端部のジョーを閉じ、ジョーの間にクランプされる組織を切断する。モーター(502)は、ハンドピース(520)内に位置し、上記のエンコーダ(130)と同様のエンコーダ(図示されない)を含む。モーター(502)は、ケーブル(580)と連結されるものとして示されるが、これは更に、組み合わされた制御モジュール及び電源(図示されない)と組み合わされるが、制御モジュール及び/又は電源が、所望によりハンドピース(520)内に一体化されてもよいことが理解されるべきである。以下でより詳細に記載されるように、主ネジ(504)はモーター(502)から遠位方向に延び、かつモーター(502)により回転可能であり、細長い部材(570)を駆動する。
【0052】
力変換機(550)又はロードセルが細長い部材(570)と係合し、細長い部材(570)とインラインで位置付けられ、電気外科用装置(500)の動作中に細長い部材(570)が受ける負荷を感知するように構成されている。力変換器(550)からのデータは、ケーブル(580)によって遠隔制御モジュールに伝達されてもよく、及び/又はハンドピース(520)内の制御モジュールに伝達されてもよい。データ力変換器(550)は、モーター(502)への電力の供給に影響し、及び/又はシャフト(540)の遠位端のエンドエフェクタの電極へのRFエネルギーの供給に影響する、制御アルゴリズムの一部として使用されてもよいことが理解されるべきである。細長い部材(570)が受ける負荷は、モーター(502)の負荷のモニタリングが挙げられるがこれに限定されない様々な他の方法で検出され得ることが理解されるべきである。
【0053】
ナット(572)はまた、細長い部材(570)及び主ネジ(504)と係合する。特に、モーター(502)が起動されて主ネジ(504)を回転させると、主ネジ(504)はナット(572)を長手方向に駆動し、これはひいては、細長い部材(570)を長手方向に駆動する。しかしながら、細長い部材(570)とナット(572)との間の長手方向の隙間(574)により提供される、一定程度の空動きが存在し、それによって、細長い部材(570)は、一定範囲の動きを通じて、ナット(572)に対してナッが手方向に可動である。このような空動きは、様々な方法で提供され得る。例えば、ナット(572)は、フランジの対の間の細長い部材(570)の上に配置されてもよく、このようなフランジは細長い部材(570)に沿ってナット(572)の長さよりも大きな距離で分離している。別の単に例示的な例において、ナットは円筒形の陥没部内の細長い部材(570)上に配置されてもよく、このような陥没部は、細長い部材(570)に沿って、ナット(572)の長さよりも大きな長さを有する。空動きが提供され得る他の好適な方法は、本明細書の教示を考慮して、当業者に明らかとなる。
【0054】
細長い部材(570)とナット(572)との間に空動きを提供すると、細長い部材(570)が、1つの運動範囲に沿って手動で、別の運動範囲に沿って電気機械的に並進することを可能にし得る。特に本実施例の空動き構成は、ユーザーが、トリガー(524)をグリップ(522)の方に引くことにより、シャフト(570)の端部のエンドエフェクタのジョーを閉じるために、細長い部材(570)を遠位方向に十分に手動で並進させることを可能にする。しかしながら、空動き構成は更に、ジョーが閉じた後に、ナット(572)が細長い部材(570)の手動による遠位方向への更なる移動を防ぎ、それにより細長い部材(570)が更に駆動されてジョーの間にクランプされた組織を切断できないように、構成される。本実施例のジョーの間でクランプされる組織を切断するために、ユーザーはボタン(526)を押し、同時にトリガー(524)をグリップ(522)の方にトリガー(524)を引かなくてはならない。トリガー(524)及びボタン(526)の組み合わせた入力は、モーター(502)を起動して主ネジ(504)を回転させ、それにより細長い部材(570)を遠位方向に前進させてクランプされた組織を切断する。ボタン(526)及びトリガー(524)はしたがって、ボタン(526)及びトリガー(524)の作動を検出するように動作可能なセンサー(528)を含んでもよく、よってこれが制御モジュールに伝達されてもよい。
【0055】
いくつかの環境において、ユーザーは単純な組織把持具として、及び/又は鈍的切開を実行するために、電気外科用装置(500)を使用することを所望してもよい。この目的のため、ユーザーは、ボタン(526)を押さずに、トリガー(524)をグリップ(522)の方に引き、エンドエフェクタのジョーを閉じてもよい。これは、ジョーを閉じるために、細長い部材(570)を十分に前進させるが、これはジョーの間にクランプされた組織を切断するために細長い部材(570)を十分に前進させない。したがって、本実施例において押されるボタン(526)がなく、電気的又は電気機械構成要素がいずれもまだ起動されていない。
【0056】
同様に、ユーザーは、組織を切断せずに、組織を単純にクランプ及び封止又は溶接することを所望し得る。この目的のため、電気外科用装置(500)は、ユーザーが最初にトリガー(524)をグリップ(522)の方に引いてエンドエフェクタの端部のジョーで組織を手動でクランプし、その後ボタン(526)を押して、エンドエフェクタのジョー内の電極を通じた組織へのRFエネルギーの供給を起動するように構成され得る。この段階において、モーター(502)は、トリガー(524)及びボタン(526)が同時に作動しているにもかかわらず、無効であり得、それにより細長い部材(570)は未だ、ジョーの間でクランプされる組織を切断するために遠位方向に十分に前進されていない。いくつかの変化形態において、組織を切断するために適切な時間を決定し、自動的に細長い部材(570)を前進させて、適切な時間及び適切な速度/力で組織を切断するために、この段階において制御アルゴリズムを実行するにあたり、電気外科用装置(500)は、フィードバック(例えば、負荷、組織インピーダンス、組織厚さなど)に依存する。いくつかの他の形態において、電気外科用装置(500)は単に、ユーザーが、未だトリガー(524)を引いている間に、ボタン(526)を放して、ボタン(526)を再び押すのを待ち、電気外科用装置(500)はその後、モーター(502)を起動して、細長い部材(570)を更に前進させて組織を切断する。更に別の単に例示的な変化形態において、トリガー(524)を使用して組織が手動によりクランプされた後に、組織を切断するために、細長い部材(570)を前進させるために、モーター(502)を選択的に起動するために、別のボタン(図示されない)が提供されてもよい。このような追加的なボタンは、ボタン(526)が押圧されない限り、及び押圧されるまで、動作不能にされてもよく、必ずしも即座に細長い部材(570)を前進させるのではなく、細長い部材(570)を前進さえるために、フィードバックに基づく制御アルゴリズムを開始してもよい。上記の例といずれかにおいて、細長い部材(570)は、トリガー(524)が解放されるとき、ボタン(526)が解放されるとき、及び/又は様々な他の条件に反応して、モーター(502)により後退してもよい。
【0057】
III.モーター駆動電気外科用装置内への触覚的フィードバックの代表的な導入
ユーザー入力機構の機械的作動が、この装置の可動構成要素の動きへと電気機械的に変換される一定の環境において、ユーザーにとって、可動構成要素にかかる、又はこれが受ける力の量を知ることは難しい場合がある。これは、ユーザーによりユーザー入力機構にかけられる力よりも、著しくより大きな力で可動構成要素が電気機械的に動かされる際に特に妥当し得る。この問題は、ある人が同じ装置の手動により起動される変化形態の操作に経験的に慣れており、したがってこの人が、ユーザー入力機構による一定程度の機械的抵抗、及び/又はユーザー入力機構に働く力と、関連する可動構成要素によりかかる力との間の一定の比例関係を期待する状況においてより深刻となる。したがって、いくつかの状況において、1つ又は2つ以上の電気機械的に作動される装置の構成要素にかかる、及び/又はこれが受ける力をリアルタイムで示すために、電気機械的に作動する装置のユーザーに一定程度の触覚的フィードバックをもたらすことが望ましい場合がある。このような触覚的フィードバックのいくつかの例は以下でより詳細に記載されるが、更なる実施例が、本明細書の教示を考慮して、当業者に明らかとなる。以下の実施例は、電気外科用装置との関連において提供されるが、以下の教示の少なくともいくつかは、電気外科用装置のみではなく、電気機械的に作動される可動部材を含む、様々な他の装置に容易に適用され得ることがまた理解されるべきである。
【0058】
A.トリガーの代表的なクラッチ機構
図13は、ハンドピース(620)、ハンドピース(620)から遠位方向に延びるシャフト(640)、シャフト(640)内に摺動自在に配置される細長い部材(670)を含む、代表的な電気外科用装置(600)を表す。ハンドピース(620)は、ピストルグリップ(622)及びトリガー(624)を含む。本明細書の別の部分に記載されるエンドエフェクタ(50、150)と同様のエンドエフェクタ(図示されない)は、シャフト(640)の遠位端に配置され、一体型の電極を備える一対のジョーを含む。細長い部材(670)は、上記の細長い部材(170)と同様である。特に、細長い部材(670)は、ブレード(図示されない)、及びその遠位端のフランジの対(図示されない)を有する。細長い部材(670)は、遠位方向に動いてエンドエフェクタの端部のジョーを閉じ、ジョーの間にクランプされる組織を切断する。モーター(602)は、ハンドピース(620)内に位置する。モーター(602)は、モーター(602)が、ドライブピニオン(604)を回転させるために動作可能であるように、一体型ドライブピニオン(604)を含む。細長い部材(670)の近位部は、ドライブピニオン(604)と係合するラック(672)を含む。したがって、ドライブピニオン(604)がモーター(602)によって回転させられると、ドライブピニオン(604)とラック(672)との間の係合により、細長い部材(670)は長手方向に並進する。
【0059】
電気外科用装置(600)はまた、トリガー運動センサー(610)、トリガークラッチ(612)、制御モジュール(640)、及び電源(680)を含む。本実施例のトリガー運動センサー(610)は、トリガー(624)と通信しており、それにより、トリガー運動センサー(610)は、トリガー(624)のグリップ(622)に向かう及びこれから離れる運動を感知する。トリガー運動センサー(610)はしたがって、上記のトリガー運動センサー(310)と同様である。同様に、制御モジュール(340)と、トリガー運動センサー(310)と、モーター(302)との間の上記の関係と同様の様式で制御モジュール(640)は、トリガー運動センサー(610)及びモーター(602)と通信する。
【0060】
制御モジュール(640)はまた、トリガークラッチ(612)と通信してもよい。特に、制御モジュール(640)は、制御モジュール(640)によって検出される1つ又は2つ以上の条件に反応して、トリガークラッチ(612)を操作する。トリガークラッチ(612)は、制御モジュール(640)からの制御信号に基づき、トリガー(624)を通じてユーザーに触覚的フィードバックを提供するように動作可能である。例えば、ユーザーがトリガー(624)をグリップ(622)の方に引き、制御モジュール(640)がジョーが厚い又は密度の高い組織と接触していることを感知する際、制御モジュール(640)は、トリガークラッチ(612)を起動してトリガー(624)の運動を止めるか、又はトリガー(624)を通じて他の形態の触覚的フィードバックを提供し、ユーザーに、組織がエンドエフェクタ内の電極などにより十分に加熱/封止されるまで、細長い部材(670)が遠位方向に並進しないことを伝える。別の単なる代表的な例として、トリガークラッチ(612)はトリガー(624)の運動に抵抗力をもたらしてもよく、このような抵抗力は細長い部材(670)を遠位方向に前進させることにより受ける、抵抗力の関数である。ユーザーはしたがって、クランプ/切断される組織の硬さ又は厚さを「感じる」ことができる場合があり、更にトリガークラッチ(612)を通じてもたらされる抵抗力は、電気外科用装置(600)が上記の電気外科用装置(10)のように完全に手動のトリガー機構(28)を有していたのであれば感じられるであろう抵抗力よりも更に小さいことがある。いくつかの変化形態において、トリガークラッチ(612)は、線形ソレノイド、トーションソレノイド、又は他の種類の装置を含む。
【0061】
B.トリガーの代表的なクランプブレーキ
図14は、ハンドピース(720)、ハンドピース(720)から遠位方向に延びるシャフト(740)、シャフト(740)内に摺動自在に配置される細長い部材(770)を含む、別の電気外科用装置(700)を表す。ハンドピース(720)は、ピストルグリップ(722)及びトリガー(724)を含む。本明細書の別の部分に記載されるエンドエフェクタ(50、150)と同様のエンドエフェクタ(図示されない)は、シャフト(740)の遠位端に配置され、一体型の電極を備える一対のジョーを含む。細長い部材(770)は、上記の細長い部材(170)と同様である。特に、細長い部材(770)は、ブレード(図示されない)、及びその遠位端のフランジの対(図示されない)を有する。細長い部材(770)は、遠位方向に動いてエンドエフェクタの端部のジョーを閉じ、ジョーの間にクランプされる組織を切断する。モーター(702)は、ハンドピース(720)内に位置する。モーター(702)は、本明細書又は他の場所に記載されるいずれかの方法で、細長い部材(770)を長手方向に選択的に駆動するように動作可能である。
【0062】
電気外科用装置(700)はまた、センサー(704)、線形可変差動変圧器(LVDT)(706)、サーボ(708)、及びブレーキ(710)を含む。センサー(704)は、圧力、力、位置、速度、加速、及び/又は細長い部材(770)の動作と関連する他のパラメーターを測定するように位置付けられ、かつ構成される。当然、本明細書の別の場所に記載されるように、このようなパラメーターの少なくともいくつかは、代わりにモーター(702)をモニタリングすることによってモニタリングされ得る。LVDT(706)は、突起部(726)と連結され、これはトリガー(724)から後方に突出し、トリガー(724)と一体的に動く。LVDT(706)は、トリガー(724)の運動(例えば、位置、速度、加速)を感知するように動作可能である。当然、本明細書において記載される様々なトリガー運動感知装置が挙げられるがこれらに限定されない、他のいずれかの好適な種類の装置が、トリガー(724)の運動を感知するために使用され得る。LVDT(706)はまた、モーター(702)と連結され、モーター(702)は、LVDT(706)により感知されるトリガー(724)の運動に基づいて起動される。LVDT(706)は、モーター(702)に直接接続されるものとして示されるが、様々な構成要素(例えば、制御モジュールなど)が、LVDT(706)とモーター(702)との間に通信可能に位置付けられてもよいことが理解されるべきである。
【0063】
ブレーキ(710)もまた突起部(726)と連結され、トリガー(724)の運動に摩擦抵抗を選択的に提供するために、パッド(図示されない)と共に、突起部(726)上に選択的にしっかりとクランプするように動作可能である。ブレーキ(710)はサーボ(708)と通信可能に連結され、これはブレーキ(710)を駆動するように動作可能であり、更にセンサー(704)と通信可能に連結すされる。したがって、サーボ(708)は、細長い部材(770)の動作可能なパラメーターに少なくとも部分的に基づき、ブレーキ(710)を駆動するように動作可能である。また、様々な他の構成要素(例えば、制御モジュールなど)が、これらの構成要素のいずれかの間に通信可能に位置付けられてもよい(例えば、制御アルゴリズムなどを保存及び実行する)。ブレーキ(710)及びセンサー(704)の使用により、トリガー(724)の運動が、少なくとも部分的に細長い部材(770)の前進により受ける抵抗に基づいて、可変的に抵抗を受けることが理解されるべきである。ブレーキ(710)の性質は、例えば、僅かな抵抗から完全な抵抗までなど、このような抵抗が段階的に提供されることを可能にしてもよく、これは、細長い部材(770)の前進により受ける変動する抵抗を表すか、ないしは別の様式でこれと対応する。本明細書において参照される触覚的フィードバック機構におけるように、ブレーキ(710)はまた、リアルタイムでこのような触覚的フィードバックをもたらし得る。加えて、本明細書において言及される触覚的フィードバックにおけるように、ブレーキ(710)によりもたらされる抵抗力は、電気外科用装置(700)が、上記の電気外科用装置(10)のような完全に手動のトリガー機構(28)を有する場合に感じられるであろう抵抗力よりも更に小さい場合がある。
【0064】
C.トリガーの代表的なERF作動
図15は、本明細書において言及されるいずれかの電気外科用装置(10、100、300、500、600、700)で使用され得る、ドライブ及びフィードバックシステム(800)の更なる代表的な構成要素を示す。この実施例において、ドライブ及びフィードバックシステム(800)は、細長い部材(170)と同様の、細長い部材(図示されない)を駆動するために使用される、モーター(802)を含む。システム(800)は、本明細書の別の場所に記載されるトリガー(24,324、524、624、724)と同様の、トリガー(824)の運動に反応する。システム(800)は、電気外科用装置のハンドピース(820)と一体である、電源(880)により電力を提供されるが、外部電源が使用されてもよいことが理解されるべきである。この実施例の電源(880)は、1つ又は2つ以上の電池及びRF回路を含む。
【0065】
エンコーダ(810)は、この実施例のトリガー(824)と連結され、トリガー(824)の位置、したがってトリガー(824)の運動を感知するように動作可能である。また、トリガー(824)の位置/運動を感知するために、他の任意の好適な種類のセンサーが使用され得る。エンコーダ(810)からの信号は、制御モジュール(840)と通信し、これは更にモーター(802)と通信する。制御モジュール(840)はしたがって、トリガー(824)の位置/運動に基づいてモーター(802)を起動する。また
図15に示されるように、信号通信経路(842)が制御モジュール(840)とモーター(802)との間からフィルター(816)提供され、加算器(818)、その後電気流動性流体(ERF)作動装置(812)へと流れる。フィルター(816)は、比較的滑らかに、ゆっくりと変化する交流信号を提供し、これは、モーター(802)の回転位置又は回転数を表す。フィルター(816)は位置情報を識別し、位置変化の速度を得る。いくつかの変化形態において、速度はセンサーによって直接検出され、フィルター(816)はノイズを排除するために主に使用される。加算器(818)は、エラー信号を得るために、フィルター(816)からの信号と、所望の/既定の速度を比較する。ERF作動装置(812)は、トリガー(824)と係合する、ピストン(814)を含む。ERF作動装置(812)は、加算器(818)から伝達される信号に基づき、トリガー(824)に対してピストン(814)を選択的に駆動するように動作可能である。本実施例において、この信号は、細長い部材が受ける力を表すか、これと対応し、これはモーター(802)が受ける機械的抵抗力となり、これはひいては、経路(842)を通る信号を通じて認識可能である。例えば、モーター(802)の速度が所定/既定の速度を超える場合、ERF作動装置(812)は、トリガー(824)に対してピストン(814)を駆動し、トリガー(824)に対する抵抗力を提供する。ERF作動装置(812)はしたがって、外科医に触覚的フィードバックを提供し得る。
【0066】
ERF作動装置(812)及び経路(842)を通じた信号の使用により、トリガー(824)の運動が、細長い部材の前進により受ける抵抗力に部分的に基づき、可変的に抵抗を受けることがあることを理解されるべきである。ERF(812)の性質は、例えば、僅かな抵抗から完全な抵抗までなど、このような抵抗が段階的に提供されることを可能にしてもよく、これは、細長い部材の前進により受ける変動する抵抗を表すか、ないしは別の様式でこれと対応する。本明細書において参照される触覚的フィードバック機構におけるように、ERF作動装置(812)はまた、リアルタイムでこのような触覚的フィードバックをもたらし得る。加えて、本明細書において言及される触覚的フィードバックにおけるように、ERF作動装置(812)によりもたらされる抵抗力は、電気外科用装置が、上記の電気外科用装置(10)のような完全に手動のトリガー機構(28)を有する場合に感じられるであろう抵抗力よりも更に小さい場合がある。
【0067】
IV.電気外科用装置内の視覚的フィードバックの代表的な導入
ユーザーにフィードバックを提供することに加え、又はその代替として、いくつかの場合において、電気的外科用装置が、ユーザーに視覚的フィードバックを提供することが望ましい場合がある。単に例として、特に使用中にエンドエフェクタのジョーが大きく加熱するとき、いくつかの場合において、電気外科用装置のエンドエフェクタのジョーの外面が組織に接触していることをユーザーに知らせることが望ましい場合がある。これは手術部位で組織が意図せずして焦げることを回避するために望ましい場合がある。換言すれば、一定の環境においてエンドエフェクタのジョーの間でクランプされた組織を焦がすことが望ましい場合があるが、エンドエフェクタのジョーの間にクランプされない組織が焦げないようにすることが望ましい場合もある。このため、
図16〜17は、エンドエフェクタにより意図せずして組織を焦がすことを避けるようにユーザーに警告するために、使用され得る代表的な機構を示す。具体的に、
図16は、シャフト(940)の遠位端に配置される、エンドエフェクタ(950)を示す。エンドエフェクタ(950)は、本明細書において言及される、他のジョーと同様の、上方ジョー(952)、及び下方ジョー(954)を含む。ジョー(52)のスロット(56)と同様に、細長いスロット(966)が上方ジョー(952)に見られる。加えて、細長い部材の上方フランジ(976)が見られる。この実施例の細長い部材は、本明細書において言及される他の細長い部材と同様である。
【0068】
図17に示されるように、シャフト(940)はハンドピース(920)から遠位方向に延び、ハンドピースは、細長い部材を作動させて、ジョー(952、954)でクランプするために、ピストルグリップ(922)及びトリガー(924)を含む。ハンドピース(920)はまた、一体的な制御モジュール(940)を含み、かつ一体的な電源(図示されない)を更に含み得る。当然、制御モジュール(940)及び/又は電源は、所望により外部に(例えば、主要機器の一部に)提供されてもよい。
図16を再び参照し、光電性材料(960)が、ジョー(952、954)の外部に適用される。エンドエフェクタ(950)が照明される手術部位で使用される限り、光電性材料(960)は、暗さを検出することにより、ジョー(952、954)のいずれかの外側が組織に対して配置されるときを検出することができる。換言すれば、ジョー(952、954)の外側に接触する組織が、元来光電性材料(960)に当たるはずの光を遮断し得る。光電性材料(960)は、制御モジュール(940)と更に通信してもよく、これは光電性材料(960)により検出される光レベルが、ジョー(952、954)の外部が組織に接触する際に、所定の反応をもたらすように構成され得る。特に、制御モジュール(940)が、ジョー(952、954)が組織に接触していることを示す、光電性材料(960)からの指標に反応して、光(930)(例えば、赤い光)を活性化し得る。
【0069】
一定の環境において、少なくとも1つのジョー(952、954)の外部が外科手術中に偶発的に影になることがあり、その結果、ジョー(952、954)の外面が実際には組織に接触していないにもかかわらず光電性材料(960)の当たる光が減る。このような「誤ったアラーム」を生じる状況を避けるため、制御モジュール(940)は、光電性材料(960)により感知される光レベルが一定の閾値を下回った後にのみ光(930)を活性化するようにしてもよい。この目的のための適切な閾値は、本明細書の教示を考慮して、当業者に明らかとなる。
【0070】
加えて、制御モジュール(940)は、1つ又は2つ以上の他の条件が満たされたときに、ジョー(952、954)の外部が組織に接していることを示す、光電性材料(960)からの指標に反応するときのみ、ライト(930)を活性化するように構成されてもよい。例えば、制御モジュール(940)は、いずれかのジョー(952、954)の温度がまた一定の閾値を上回るときのみ、このような反応を提供するように構成されてもよい。したがって、ジョー(952、954)は更に、1つ又は2つ以上の温度センサーを含み得る。加えて、又は代わりに、制御モジュール(940)が、ライト(930)を活性化するかどうかを決定するために、ジョー(952、954)の電極により感知される組織インピーダンスを要因としてもよい。光電性材料(960)からのみ入力に加えて、少なくとも1つの追加的な入力を必要とすることにより、ジョー(952、954)の外部が隣接する組織を焦がすほど高くもないときに、ユーザーに不当な警告を与える可能性を避けることができる。
【0071】
本実施例の光電性材料(960)は、光の不在下で電圧を生じるように構成され、このような電圧は制御モジュール(940)に伝達されてもよい。別の方法として、光電性材料(960)は、光の存在下において電圧を生じるように構成され、制御モジュール(940)は、このような電圧の低下を検出するように構成され得る。例えば、光電性材料(960)は、太陽光発電フィルムを含み得る。加えて、又は代わりに、光電性材料(960)は、フォトレジスタ(例えば、硫酸カドミウムセルなど)、フォトトランジスタ、フォトダイオード、及び/又は他の何らかの種類の構成要素を含む場合がある。代表的なフォトレジスタは、Ann Arbor,MichiganのAdvanced Photonix,Inc.からの、PDV−P9200である。代表的なフォトトランジスタは、Golden Valley,MinnesotaのHoneywell Sensing and Controlによる、SDP8406−003である。代表的なフォトダイオードは、Golden Valley,MinnesotaのHoneywell Sensing and Controlによる、SMD211−021である。別の単に代表的な例として、光電性材料(960)を含む回路は、光の不在下において比較的高い電圧を提供し、光の存在下において比較的低い電圧を提供するように構成され得る。光電性材料(960)のために使用され得る様々な好適な材料が、本明細書の教示を考慮して、当業者に明らかとなる。また、光電性材料(960)は、フォトレジスタ、光起電力セル、フォトダイオードなどが挙げられるがこれらに限定されない、光(及び/又は光の不在)に反応する、様々な構成要素及び装置と置換されるか、又はこれにより補完され得ることが理解される。
【0072】
光(930)は、ユーザーに視覚的なフィードバックを提供するために使用されるが、他の任意の好適な形態の視覚的指標がユーザーに提供されてもよいことが理解されるべきである。加えて、又は代替的に、ビープ音又はアラームなどの、1つ又は2つ以上の形態の聴覚的フィードバックがユーザーに提供されてもよい。聴覚的フィードバック装置が、光(930)に関して先に記載されたものと同様の方法で、制御モジュール(940)によって駆動されてもよい。
【0073】
視覚的及び聴覚的フィードバックに関する上記の教示は、可動部材(例えば、本明細書において言及された様々な形態の細長い部材など)が純粋に手動により/機械的に起動される電気外科用装置、加えて同じ種類の可動部材が電気機械的に機動されるものなどに、容易に適用され得ることが理解されるべきである。したがって、視覚的及び聴覚的フィードバックに関連する上記の教示は、本明細書において言及される電気外科用装置のいずれか、あるいは様々な他の種類の装置に容易に適用され得る。
【0074】
V.電気外科用装置内への電池パックの代表的な導入
上記のように、電気外科用装置は、従来的な壁コンセント又は主要機器の別個の部分から電力を受け取ることに加え、又はその代わりに、その独自の一体型の電源を含んでもよい。
図18A〜18Bは、(とりわけ)例えば、本明細書において参照される、いずれかの電気外科用装置など、携帯可能な電源が電気外科用装置と統合される方法の単に代表的な例を示す。特に、
図18A〜18Bは、携帯可能な電池パック(1080)と連結する電気外科用装置のハンドピース(1020)を示す。この実施例の電池パック(1080)は、1つ又は2つ以上の電池セル、及び接触子の対(1082)を含む。電池パック(1080)の電池セルは充電可能であり得、リチウムイオン電池(例えば、CR123Aタイプの電池、リチウムポリマー(LIPo)タイプの電池、リチウムリン酸鉄(LiPO4)タイプの電池、プリズムセルタイプのリチウムイオン電池など)、アルカリ電池、ニッケルカドミウム電池が挙げられるがこれらに限定されない任意の好適な種類の電池を含み得る。いくつかの変化形態において、電池セルは、比較的低い内部インピーダンスを含み、電池パック(1080)を望ましくないほどに大きくすることなく、及び/又は電池パック(1080)が通常使用中に望ましくないほど熱くならないようにして、電池パック(1080)から比較的高い電流を供給することを可能にする。本実施例において、電池パック(1080)は、少なくとも30,000ジュールのエネルギーを保存し、およそ5.3Cで電流を供給するように動作可能な能力を有する。いくつかの環境において、このような電池パック(1080)は、本明細書において記載される電気外科用装置を通じて100回の組織応接に電力を供給するように動作可能であり得、各横切は、およそ300ジュールのエネルギーを供給するか又は引く。
【0075】
上記の種類の電池セルに加えて、又はこれの代わりに、電池パック(1080)は、1つ又は2つ以上のコンデンサ、1つ又は2つ以上のスーパーコンデンサ、及び/又は他の種類の電源を含み得る。電池パック(1080)は、接触子(1082)を通じて電気外科用装置の電子構成要素に電力を供給するように構成される。電池パック(1080)はまた、例えば、1つ又は2つ以上のラッチ、弾力的なタブ、返し部、クリップ、クランプなどを通じて、ハンドピース(1020)と機械的に連結するように構成されている。
【0076】
本実施例の電池パック(1080)は更に、電池パック(1080)の充電状態を示すように動作可能な、インジケータ(1084)を更に含む。したがって、電池パック(1080)は、インジケータ(1084)を駆動するために動作可能な回路(図示されない)を更に含む場合がある。本実施例のインジケータ(1084)は、完全な充電を示す緑色、充電途中を示す黄色、及び消耗しきっているときを示す赤色という、3色の別個のLEDライト(1086)を含む。当然、インジケータ(1084)は代替的に様々な他の形態を取り得る。単に例として、インジケータ(1084)は、エレクトロクロミックディスプレイ、又は他の任意の好適なディスプレイを含み得る。インジケータ(1084)は、本実施例の電池パック(1080)の一部であるが、インジケータ(1084)は、代わりにハンドピース(1020)及び/又は他の任意の好適な構成要素の一部であり得ることが理解されるべきである。
【0077】
本実施例の電池パック(1080)は更に、問い合わせボタン(1088)を含む。問い合わせボタン(1088)は、電池パック(1080)の充電状態を示す、インジケータ(1084)を選択的に起動するように動作可能である。したがって、問い合わせボタン(1088)が押圧されない場合、インジケータ(1084)は、電池パック(1080)の充電状態を示さない。問い合わせボタン(1088)はしたがって、電池パック(1088)の電力を節約し得る。問い合わせボタン(1088)が本実施例の電池パック(1080)の一部である一方で、問い合わせボタン(1088)は、ハンドピース(1020)及び/又は任意の他の好適な構成要素の一部であり得る。当然、インジケータ(1084)におけるように、問い合わせボタン(1088)は、所望により単純に省略されてもよい。例えば、インジケータ(184)は、電池パック(1080)の充電状態を連続的に示してもよい。
【0078】
電池パック(1080)又は他の補助電源が電気外科用装置、又は他の種類の装置に組み込まれ得る様々な他の好適な方法は、本明細書の教示を考慮して、当業者に明らかとなる。
【0079】
VI.結論
本明細書に援用されると言われるいかなる特許、刊行物、又は他の開示内容も、その全体又は一部において、援用文献が現行の定義、見解、又は本開示に記載された他の開示内容とあくまで矛盾しない範囲で本明細書に援用するものであることが認識されるべきである。このように及び必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載されている開示は、参照により本明細書に組み込んだ任意の矛盾する事物に取って代わるものとする。本明細書に参照により組み込むと称されているが現行の定義、記載、又は本明細書に記載されている他の開示物と矛盾するいずれの事物、又はそれらの部分は、組み込まれた事物と現行の開示事物との間に矛盾が生じない範囲でのみ組み込まれるものとする。
【0080】
本発明の実施形態は、従来の内視鏡及び開腹手術器具、並びにロボット支援手術における応用が可能である。
【0081】
本明細書で開示した装置の実施形態は、1回の使用後に処分されるように設計されることができ、又はそれらの実施形態は、複数回使用されるように設計されることができる。諸実施形態は、いずれの場合も、少なくとも1回の使用後に再利用のために再調整されることができる。再調整することは、装置を分解する工程、それに続いて特定の部品を洗浄及び交換する工程、並びにその後の再組み立てする工程の任意の組み合わせを含んでよい。特に、装置の実施形態は分解されてもよく、また、装置の任意の数の特定の部片又は部品が、任意の組み合わせで選択的に交換されるか、又は取り外されてもよい。特定の部品の洗浄及び/又は交換の際、装置の実施形態は、再調整用の施設で、又は外科的処置の直前に外科チームによって、その後の使用のために再組み立てされてよい。デバイスの再調整が、分解、洗浄/交換、及び再組立のための様々な技術を利用できることが、当業者には理解されよう。このような技術の使用、及びその結果として得られる再調整された装置は、全て、本出願の範囲内にある。
【0082】
一例に過ぎないが、本明細書で説明した実施形態は、手術前に処理されてもよい。まず、新品又は使用済みの器具が入手され、必要に応じて洗浄されてもよい。器具は次いで、滅菌されてもよい。1つの滅菌法では、プラスチック又はTYVEKバッグなどの閉鎖かつ密封された容器に器具を入れる。次いで、容器及び器具は、γ放射線、x線、又は高エネルギー電子など、容器を透過し得る放射線場に置かれてもよい。放射線は、器具上及び容器内の細菌を死滅させることができる。次いで、滅菌された器具は、滅菌容器内で保管されてもよい。密封容器は、医療施設で開けられるまで、器具を滅菌状態に保つことができる。装置はまた、限定されるものではないが、ベータ若しくはガンマ放射線、エチレンオキシド、又は水蒸気を含めて、当該技術分野で既知の任意の他の技術を使用して滅菌されてもよい。
【0083】
本発明の様々な実施形態について図示し説明したが、本明細書で説明した方法及びシステムの更なる改作が、当業者による適切な変更により、本発明の範囲を逸脱することなく達成され得る。そうした可能な改変例の幾つかについて述べたが、その他の改変も当業者には明らかであろう。例えば、上で議論した実施例、実施形態、幾何学的図形、材料、寸法、比率、工程などは、例示的なものであり、必須ではない。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲から考慮されるべきであり、本明細書及び図面に示し説明した構造及び操作の細部に限定されると解釈されるものではない。
【0084】
〔実施の態様〕
(1) 電気外科用装置であって、
(a)ハンドピースと、
(b)前記ハンドピースから遠位方向に延びるシャフトであって、前記シャフトは遠位端を有する、シャフトと、
(c)前記シャフトの前記遠位端のエンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタは、
(i)第1ジョーであって、前記第1ジョーは第1電極を含む、第1ジョー、及び
(ii)第2ジョーであって、前記第2ジョーは第2電極を含む、第2ジョーを含み、
前記第1ジョーは、前記第1ジョーと前記第2ジョーとの間で組織をクランプするために、前記第2ジョーの方に向かって可動であり、
前記第1電極及び前記第2電極は、前記第1ジョーと前記第2ジョーとの間でクランプされた組織にRFエネルギーを供給するように動作可能である、エンドエフェクタと、
(d)前記第1ジョーと前記第2ジョーとの間でクランプされた組織を切断するように動作可能な切断部材と、
(e)前記第1ジョーと前記第2ジョーとの間でクランプされた組織を切断するために前記切断部材を駆動するように動作可能な電気機械ドライバとを含む、電気外科用装置。
(2) 前記切断部材は、前記第1ジョーを前記第2ジョーの方に動かすように動作可能なジョークロージャ機構を更に含む、実施態様1に記載の電気外科用装置。
(3) 前記切断部材は、近位部及び遠位部を有する細長い部材を更に含み、前記近位部は、前記ハンドピース内の前記電気機械ドライバと連結され、前記遠位部は、ブレード及び前記ジョークロージャ機構を含み、前記ブレード及び前記ジョークロージャ機構は、前記エンドエフェクタに位置付けられた、実施態様2に記載の電気外科用装置。
(4) 前記第1ジョー及び前記第2ジョーはそれぞれ、対応する長手方向のスロットを画定し、前記ブレードは前記スロット内に配置され、前記ジョークロージャ機構は第1フランジ及び第2フランジを含み、前記第1フランジは、前記切断部材が前記シャフトに対して並進する際に、前記第1ジョーに対してカム動作し、それにより前記第1ジョーを前記第2ジョーに向かって動かすように構成された、実施態様3に記載の電気外科用装置。
(5) (a)制御モジュールと、
(b)前記制御モジュールと通信するユーザー警告機構とを更に含み、
前記第1ジョー又は前記第2ジョーのいずれか又は両方が前記制御モジュールと通信する、対応する光電性機構を含み、
前記光電性機構は、前記第1ジョー又は前記第2ジョーの前記対応する一方の外部と、組織との間の接触を感知するように構成されており、
前記制御モジュールは、前記光電性機構により検出される、組織の前記第1ジョー又は前記第2ジョーの前記対応する一方の外部との接触に反応し、前記ユーザー警告機構を起動するように構成された、実施態様1に記載の電気外科用装置。
【0085】
(6) 前記電気機械ドライバは、前記第1ジョーを前記第2ジョーの方に動かすために、前記ジョークロージャ機構を駆動するように更に動作可能である、実施態様1に記載の電気外科用装置。
(7) 前記電気機械ドライバが、モーター、前記モーターと連結されたピニオン、及び前記切断部材の近位部と関連するラックを含み、前記ラックが前記ピニオンと係合する、実施態様1に記載の電気外科用装置。
(8) 前記電気機械ドライバがソレノイドを含み、前記切断部材の近位領域が前記ソレノイドのコアを画定する、実施態様1に記載の電気外科用装置。
(9) 前記電気機械ドライバと通信する制御モジュールを更に含み、
前記制御モジュールが、前記第1電極及び前記第2電極と更に通信し、
前記制御モジュールが、前記第1電極及び前記第2電極、又は前記電気機械ドライバの一方又は両方の動作パラメーターをモニタリングするように構成されており、
前記制御モジュールは、前記第1電極及び前記第2電極、又は前記電気機械ドライバの一方又は両方の動作パラメーターに少なくとも部分的に基づき、前記電極を通じてRFエネルギーの供給を調節するように更に構成された、実施態様1に記載の電気外科用装置。
(10) 前記制御モジュールは、
(i)電力、電流、又は電圧の少なくとも1つを表す、前記電気機械ドライバからの信号、又は
(ii)前記電気機械ドライバと関連するエンコーダからの信号、の1つ又は2つ以上に少なくとも部分的に基づき、前記電気機械ドライバの動作パラメーターをモニタリングするように構成された、実施態様9に記載の電気外科用装置。
【0086】
(11) 前記切断部材と関連する変換器を更に含み、前記制御モジュールは前記変換器と通信し、前記制御モジュールは、前記変換器からのデータに少なくとも部分的に基づき、前記電気機械ドライバの動作パラメーターをモニタリングするように構成された、実施態様9に記載の電気外科用装置。
(12) 前記制御モジュールは、前記第1電極、及び前記第2電極を介して感知される組織インピーダンスに少なくとも部分的に基づき、
(i)前記電極を通じたRFエネルギーの供給、又は
(ii)前記電気機械ドライバの起動、の一方又は両方を調節するように更に構成された、実施態様9に記載の電気外科用装置。
(13) 前記電気機械ドライバと通信する制御モジュールを更に含み、
前記制御モジュールが、前記第1電極及び前記第2電極と更に通信し、
前記制御モジュールは、前記第1電極及び前記第2電極の動作パラメーターをモニタリングするように構成され、
前記制御モジュールは、前記第1電極及び前記第2電極の動作パラメーターに少なくとも部分的に基づき、前記電気機械ドライバの動作を調節するように更に構成された、実施態様1に記載の電気外科用装置。
(14) (a)前記ハンドピースと関連するトリガーであって、前記トリガーは、前記電気機械ドライバを選択的に起動するように動作可能である、トリガーと、
(b)前記トリガーと関連する触覚的フィードバック機構であって、前記触覚的フィードバック機構は、前記切断部材が受ける負荷に少なくとも部分的に基づき、前記トリガーを通じて触覚的フィードバックを提供するように構成された、触覚的フィードバック機構とを更に含む、実施態様1に記載の電気外科用装置。
(15) 前記触覚的フィードバック機構は、クラッチ、ブレーキ、及び電気流動性流体作動装置からなる群から選択され、前記触覚的フィードバック機構は、前記トリガーの運動に選択的に抵抗するか、又は前記トリガーの運動を止めるように構成された、実施態様14に記載の電気外科用装置。
【0087】
(16) (a)前記第1ジョーを前記第2ジョーの方に手動により動かすように動作可能であるトリガーと、
(b)前記電気機械ドライバを作動させるように動作可能であるボタンとを更に含む、実施態様14に記載の電気外科用装置。
(17) 電気外科用装置であって、
(a)ハンドピースと、
(b)前記ハンドピースから遠位方向に延びるシャフトであって、前記シャフトは遠位端を有する、シャフトと、
(c)前記シャフトの前記遠位端のエンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタは、
(i)第1ジョーであって、前記第1ジョーは第1電極を含む、第1ジョー、及び
(ii)第2ジョーであって、前記第2ジョーは第2電極を含む、第2ジョーを含み、
前記第1ジョーは、前記第1ジョーと前記第2ジョーとの間で組織をクランプするために、前記第2ジョーの方に向かって可動であり、
前記第1電極及び前記第2電極は、前記第1ジョーと前記第2ジョーとの間でクランプされた組織にRFエネルギーを供給するように動作可能である、エンドエフェクタと、
(d)前記第1ジョーを前記第2ジョーの方に動かすように動作可能であるジョークロージャ機構と、
(e)前記第1ジョーを前記第2ジョーの方に動かすように、前記ジョークロージャ機構を駆動するように動作可能である、電気機械ドライバとを含む、電気外科用装置。
(18) 電気外科用装置であって、
(a)ハンドピースと、
(b)前記ハンドピースから遠位方向に延びるシャフトであって、前記シャフトは遠位端を有する、シャフトと、
(c)前記シャフトの前記遠位端のエンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタは、
(i)第1ジョーであって、前記第1ジョーは第1電極を含む、第1ジョー、及び
(ii)第2ジョーであって、前記第2ジョーは第2電極を含む、第2ジョーを含み、
前記第1ジョーは、前記第1ジョーと前記第2ジョーとの間で組織をクランプするために、前記第2ジョーの方に向かって可動であり、
前記第1電極及び前記第2電極は、前記第1ジョーと前記第2ジョーとの間でクランプされた組織にRFエネルギーを供給するように動作可能である、エンドエフェクタと、
(d)前記ハンドピースと一体である電源であって、前記電源は、前記第1ジョー及び前記第2ジョーの前記電極に電力を供給し、これにより外部電源からの電力を必要とせずに、前記第1ジョーと前記第2ジョーとの間にクランプされる組織に提供される、RFエネルギーを提供するように動作可能である、電源とを含む、電気外科用装置。
(19) 前記電源が、前記ハンドピースに取り外し可能に留められた電池パックを含む、実施態様18に記載の電気外科用装置。
(20) 前記電池パックが、電池充電インジケータ、及び前記電池充電インジケータを選択的に起動するように動作可能である問い合わせ機構を含む、実施態様19に記載の電気外科用装置。