特許第6138723号(P6138723)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6138723多連型プレス装置の同期・同調システム及び同期・同調方法及び同期・同調プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6138723
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年5月31日
(54)【発明の名称】多連型プレス装置の同期・同調システム及び同期・同調方法及び同期・同調プログラム
(51)【国際特許分類】
   B30B 13/00 20060101AFI20170522BHJP
   B30B 15/00 20060101ALI20170522BHJP
   B30B 15/14 20060101ALI20170522BHJP
   B21D 5/02 20060101ALI20170522BHJP
   B30B 1/18 20060101ALN20170522BHJP
【FI】
   B30B13/00 C
   B30B15/00 B
   B30B15/14 H
   B21D5/02 S
   !B30B1/18 A
【請求項の数】8
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-81741(P2014-81741)
(22)【出願日】2014年4月11日
(65)【公開番号】特開2015-202500(P2015-202500A)
(43)【公開日】2015年11月16日
【審査請求日】2015年10月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】500419218
【氏名又は名称】株式会社吉野機械製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100105131
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 満
(74)【代理人】
【識別番号】100069431
【弁理士】
【氏名又は名称】和田 成則
(74)【代理人】
【識別番号】100154335
【弁理士】
【氏名又は名称】小松 秀彦
(72)【発明者】
【氏名】武石 功
(72)【発明者】
【氏名】峯下 和也
(72)【発明者】
【氏名】吉野 靖将
【審査官】 石川 健一
(56)【参考文献】
【文献】 特開平02−224821(JP,A)
【文献】 特開2000−005900(JP,A)
【文献】 特開2004−114063(JP,A)
【文献】 特開昭63−268599(JP,A)
【文献】 特公平03−053047(JP,B2)
【文献】 実開平06−041914(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B30B 13/00
B30B 15/00
B30B 15/14
B21D 5/02
B30B 1/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ACサーボモータの出力を加圧力に変換して金型を保持するラムに伝達し、ラムと一体に降下する金型によって被加工物であるワークを加工するプレス装置の複数台を横並びに接続し、一台の金型の長さを超える長尺のワークの加工に対応する多連型プレス装置の同期・同調システムであって、
前記プレス装置の一台ごとにラムの幅方向の複数個所に装着されてラム状態を検出するラム状態検出手段と、
前記プレス装置の一台に装着された前記ラム状態検出手段が検出したラム状態情報を基準にして、他のプレス装置のラムに装着したラム状態検出手段が検出したラム状態情報とのずれ誤差を算出し、該ずれ誤差の演算値に基づいて前記他のプレス装置のラム状態を修正することで前記プレス装置すべてのラム状態が同期・同調するように前記ACサーボモータをサーボ制御する同期・同調手段と、
前記ラム状態検出手段の配設位置における前記長尺ワークのそれぞれの板厚差を記憶する記憶手段、
を具備し、
前記同期・同調手段は、
前記ラム状態検出手段が検出したラム状態情報及び前記記憶手段に記憶した板厚差を前記ACサーボモータのフィードバック値に演算して、前記ACサーボモータをそれぞれサーボ制御する
ことを特徴とする多連型プレス装置の同期・同調システム。
【請求項2】
前記ラム状態検出手段が検出するラム状態情報は、前記ラムの上下位置であることを特徴とする請求項1に記載の多連型プレス装置の同期・同調システム。
【請求項3】
前記ラム状態検出手段が検出するラム状態情報は、前記ワークの板厚の寸法誤差に対応して変化する前記ラムの加圧トルクであることを特徴とする請求項1に記載の多連型プレス装置の同期・同調システム。
【請求項4】
前記ACサーボモータは、
前記複数のプレス装置の各ラムの幅方向の少なくとも2箇所に対応して配設され、
前記同期・同調手段は、
前記ラム状態検出手段が検出したラム状態情報を前記ACサーボモータのフィードバック値に演算して前記ACサーボモータをそれぞれサーボ制御することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の多連型プレス装置の同期・同調システム。
【請求項5】
前記サーボモータの負荷変動を検出する負荷変動検出手段、
を具備し、
前記記憶手段は、
前回の板金加工時における前記負荷変動検出手段の検知出力に基づき前記ラム状態検出手段の配設位置における前記長尺ワークのそれぞれの板厚差を検出して記憶することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の多連型プレス装置の同期・同調システム。
【請求項6】
前記長尺ワークの複数箇所における板厚を予め板厚検出手段で検出し、
前記記憶手段は、
前記板厚検出手段の検出出力を補間演算して前記ラム状態検出手段の配設位置における前記長尺ワークのそれぞれの板厚差を算出して記憶することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の多連型プレス装置の同期・同調システム。
【請求項7】
ACサーボモータの出力を加圧力に変換して金型を保持するラムに伝達し、ラムと一体に降下する金型によって被加工物であるワークを加工するプレス装置の複数台を横並びに接続し、一台の金型の長さを超える長尺のワークの加工に対応する多連型プレス装置の同期・同調方法であって、
前記複数のプレス装置の各ラムの幅方向の少なくとも2箇所で、該ラムのラム状態をラム状態検出手段でそれぞれ検出し、
前記プレス装置の一台に装着された前記ラム状態検出手段が検出したラム状態情報を基準にして、他のプレス装置のラムに装着したラム状態検出手段が検出したラム状態情報とのずれ誤差を算出し、
該ずれ誤差の演算値に基づいて前記他のプレス装置のラム状態を修正することで前記プレス装置すべてのラム状態が同期・同調するように前記ACサーボモータをサーボ制御し
前記ラム状態検出手段の配設位置における前記長尺ワークのそれぞれの板厚差を記憶手段に記憶し、
前記サーボ制御では、
前記ラム状態検出手段が検出したラム状態情報及び前記記憶手段に記憶した板厚差を前記ACサーボモータのフィードバック値に演算して、前記ACサーボモータをそれぞれ制御する
ことを特徴とする多連型プレス装置の同期・同調方法。
【請求項8】
ACサーボモータの出力を加圧力に変換して金型を保持するラムに伝達し、ラムと一体に降下する金型によって被加工物であるワークを加工するプレス装置の複数台を横並びに接続し、一台の金型の長さを超える長尺のワークの加工に対応する多連型プレス装置の同期・同調プログラムであって、
前記複数のプレス装置の各ラムの幅方向の少なくとも2箇所で、該ラムのラム状態をラム状態検出手段でそれぞれ検出する手段、
前記プレス装置の一台に装着された前記ラム状態検出手段が検出したラム状態情報を基準にして、他のプレス装置のラムに装着したラム状態検出手段が検出したラム状態情報とのずれ誤差を算出する手段、
該ずれ誤差の演算値に基づいて前記他のプレス装置のラム状態を修正することで前記プレス装置すべてのラム状態が同期・同調するように前記ACサーボモータをサーボ制御する手段、
前記ラム状態検出手段の配設位置における前記長尺ワークのそれぞれの板厚差を記憶する手段、
として機能させ
前記サーボ制御する手段は、
前記ラム状態検出手段が検出したラム状態情報及び前記記憶手段に記憶した板厚差を前記ACサーボモータのフィードバック値に演算して、前記ACサーボモータをそれぞれサーボ制御すること特徴とする多連型プレス装置の同期・同調プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長尺ワークの加工に対応するためにプレス装置の複数台を横並びに連結した多連型プレス装置に係り、詳しくは、それらプレス装置間における加圧トルク等の同期・同調を図るシステム、方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、鋼板等をワークとして所要の形状に曲げ加工するプレス装置は、このプレス装置の両側のサイドフレーム間距離で曲げ加工可能なワークの長さが決定される。この1台のプレス装置で曲げ加工可能なワークの最大長は、従来、6メートル程度が限界とされていた。
【0003】
その理由は、6メートル以上のワークの曲げ加工が可能なプレス装置を製造することは可能であるが、6メートル以上の曲げ加工を必要とするワークは稀であり、このようなワークの曲げ加工が可能なプレス装置を多額な開発費を投じて製品化しても、需要と共有の関係からコスト面で採算が合わないからである。
【0004】
そのため、従来、6メートル以上の長尺物を曲げ加工する場合は、単尺用プレス機械を用いて、2度曲げ、3度曲げの操作を繰り返していた。しかし、単尺用プレス機械を用いて、2度曲げ、3度曲げの操作を繰り返す操作は、手間がかかり、作業能率が非常に悪いという問題があった。
【0005】
従来、このような問題を解決するために、特許文献1に示されるように、単尺加工用のプレス機械を、2台、3台といったように横方向に複数台並べて接続し、長尺物ワークをそれら複数のプレス機械に横渡しにセットし、長尺物ワークを一度の操作で曲げ加工する装置が知られている。
【0006】
しかし、特許文献1に開示された「油圧プレス」は、以下に示すような理由により、高精度の曲げ加工ができないという問題点があった。
【0007】
1)油圧制御のために、応答性が悪い。
【0008】
2)油圧制御のために、横並びに接続したプレス装置間で、ラムの上下動などに、高精度の同期・同調ができない。
【0009】
3)長尺物ワークは、その長手方向で微妙な板厚差があり、この板厚差のために、そのワークを加圧加工する際に負荷のばらつきが生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開昭63−268599号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
そこで、本発明は、横並びに接続したプレス装置の間で、高精度の同期、同調を可能にして、一度の操作で長尺物ワークに対して高精度で曲げ加工等を行うことができるようにした多連型プレス装置の同期・同調システム及び同期・同調方法及び同期・同調プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するため、1の発明は、ACサーボモータの出力を加圧力に変換して金型を保持するラムに伝達し、ラムと一体に降下する金型によって被加工物であるワークを加工するプレス装置の複数台を横並びに接続し、一台の金型の長さを超える長尺のワークの加工に対応する多連型プレス装置の同期・同調システムであって、前記プレス装置の一台ごとにラムの幅方向の複数個所に装着されてラム状態を検出するラム状態検出手段と、前記プレス装置の一台に装着された前記ラム状態検出手段が検出したラム状態情報を基準にして、他のプレス装置のラムに装着したラム状態検出手段が検出したラム状態情報とのずれ誤差を算出し、該ずれ誤差の演算値に基づいて前記他のプレス装置のラム状態を修正することで前記プレス装置すべてのラム状態が同期・同調するように前記ACサーボモータをサーボ制御する同期・同調手段と、を具備することを特徴とする。
【0013】
2の発明は、1の発明において、前記ラム状態検出手段が検出するラム状態情報は、前記ラムの上下位置であることを特徴とする。
【0014】
3の発明は、1の発明において、前記ラム状態検出手段が検出するラム状態情報は、前記ワークの板厚の寸法誤差に対応して変化する前記ラムの加圧トルクであることを特徴とする。
【0015】
4の発明は、1乃至3のいずれかの発明において、前記ACサーボモータは、前記複数のプレス装置の各ラムの幅方向の少なくとも2箇所に対応して配設され、前記同期・同調手段は、前記ラム状態検出手段が検出したラム状態情報を前記ACサーボモータのフィードバック値に演算して前記ACサーボモータをそれぞれサーボ制御することを特徴とする。
【0016】
5の発明は、1乃至3のいずれかの発明において、前記ラム状態検出手段の配設位置における前記長尺ワークのそれぞれの板厚差を記憶する記憶手段、を具備し、前記同期・同調手段は、前記ラム状態検出手段が検出したラム状態情報及び前記記憶手段に記憶した板厚差を前記ACサーボモータのフィードバック値に演算して、前記ACサーボモータをそれぞれサーボ制御することを特徴とする。
【0017】
6の発明は、5の発明において、前記サーボモータの負荷変動を検出する負荷変動検出手段、を具備し、前記記憶手段は、前回の板金加工時における前記負荷変動検出手段の検知出力に基づき前記ラム状態検出手段の配設位置における前記長尺ワークのそれぞれの板厚差を検出して記憶することを特徴とする。
【0018】
7の発明は、5の発明において、前記長尺ワークの複数箇所における板厚を予め検出し、前記記憶手段は、前記ラム状態検出手段の検出出力を補間演算して前記ラム状態検出手段の配設位置における前記長尺ワークのそれぞれの板厚差を算出して記憶することを特徴とする。
【0019】
8の発明は、ACサーボモータの出力を加圧力に変換して金型を保持するラムに伝達し、ラムと一体に降下する金型によって被加工物であるワークを加工するプレス装置の複数台を横並びに接続し、一台の金型の長さを超える長尺のワークの加工に対応する多連型プレス装置の同期・同調方法であって、前記複数のプレス装置の各ラムの幅方向の少なくとも2箇所で、該ラムのラム状態をラム状態検出手段でそれぞれ検出し、前記プレス装置の一台に装着された前記ラム状態検出手段が検出したラム状態情報を基準にして、他のプレス装置のラムに装着したラム状態検出手段が検出したラム状態情報とのずれ誤差を算出し、該ずれ誤差の演算値に基づいて前記他のプレス装置のラム状態を修正することで前記プレス装置すべてのラム状態が同期・同調するように前記ACサーボモータをサーボ制御することを特徴とする。
【0020】
9の発明は、ACサーボモータの出力を加圧力に変換して金型を保持するラムに伝達し、ラムと一体に降下する金型によって被加工物であるワークを加工するプレス装置の複数台を横並びに接続し、一台の金型の長さを超える長尺のワークの加工に対応する多連型プレス装置の同期・同調プログラムであって、前記複数のプレス装置の各ラムの幅方向の少なくとも2箇所で、該ラムのラム状態をラム状態検出手段でそれぞれ検出する手段、前記プレス装置の一台に装着された前記ラム状態検出手段が検出したラム状態情報を基準にして、他のプレス装置のラムに装着したラム状態検出手段が検出したラム状態情報とのずれ誤差を算出する手段、該ずれ誤差の演算値に基づいて前記他のプレス装置のラム状態を修正することで前記プレス装置すべてのラム状態が同期・同調するように前記ACサーボモータをサーボ制御する手段、として機能させること特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、横並びに接続したプレス装置の間で、高精度の同期・同調制御が可能になるので、一度の操作で長尺物ワークに対して高精度で曲げ加工等を行うことができ、作業能率のよい安価なプレス装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、本発明に係る多連型プレス装置の同期・同調システムの概略構成を示すブロック図である。
図2図2は、図1に示した多連型プレス装置の同期・同調システムの一動作を説明するフローチャートである。
図3図3は、図2に示したフローチャートのラム下降制御処理の一例を示すフローチャートである。
図4図4は、図2に示したフローチャートのラム下降制御処理の他の例を示すフローチャートである。
図5図5は、図1に示した多連型プレス装置の同期・同調システムの他の動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を実施するための実施例について、願書に添付した図面を参照しながら詳細に説明する。
【0024】
図1は、本発明に係る多連型プレス装置の同期・同調システムの概略構成を示すブロック図である。
【0025】
この実施例の多連型プレス装置の同期・同調システムは、ラム状態を検出するラム状態検出手段として、リニアスケールからなる位置検出器が用いられ、この位置検出器をプレス装置の一台ごとにラムの幅方向の複数個所に装着し、プレス装置の一台に装着された位置検出器が検出したラムの上下位置を基準にして、他のプレス装置のラムに装着した位置検出器が検出したラムの上下位置とのずれ誤差を算出し、該ずれ誤差の演算値に基づいて他のプレス装置のラムの上下位置を修正することでプレス装置すべてのラムの上下位置が同期・同調するようにACサーボモータをサーボ制御する。
【0026】
なお、この位置検出器に代えて、または、この位置検出器に加えて、ワークの板厚の寸法誤差に対応して変化するラムの加圧トルクを検出する加圧トルク検出器を用い、この加圧トルク検出器をプレス装置の一台ごとにラムの幅方向の複数個所に装着し、プレス装置の一台に装着された加圧トルク検出器が検出したラムの加圧トルクを基準にして、他のプレス装置のラムに装着した加圧トルク検出器が検出したラムの加圧トルクとのずれ誤差を算出し、該ずれ誤差の演算値に基づいて他のプレス装置のラムの加圧トルクを修正することでプレス装置すべてのラムの加圧トルクが同期・同調するようにACサーボモータをサーボ制御するように構成してもよい。
【0027】
以下の実施例においては、ラム状態を検出するラム状態検出手段として、リニアスケールからなる位置検出器を用いた場合について説明するが、この位置検出器に代えて、または、この位置検出器に加えて、ワークの板厚の寸法誤差に対応して変化するラムの加圧トルクを検出する加圧トルク検出器を用いた場合の制御も同様である。
【0028】
図1に示す多連型プレス装置の同期・同調システムは、横並びに接続されたN台(Nは2以上の整数)プレス装置100−1、100−2、・・・100−N、及びこのN台のプレス装置100−1、100−2、・・・100−Nの同期・同調制御を行うプレス制御部200を具備して構成される。
【0029】
N台のプレス装置100−1、100−2、・・・100−Nのうちの1番機であるプレス装置100−1は、1番機ラム111と1番機ベッド121とを有し、加圧駆動源に用いるACサーボモータM1、M2の出力をボールネジ131a、131bにより1番機ラム111の上下動に変換して被加工物である長尺物ワーク300の、例えば、曲げ板金加工を行う。
【0030】
ここで、1番機であるプレス装置100−1の1番機ラム111には、ボールネジ131aの配設位置における1番機ラム111の上下方向位置を検出する位置検出器141a、ボールネジ131bの配設位置における1番機ラム111の上下方向位置を検出する位置検出器141bがそれぞれ設けられている。位置検出器141a、141bとしては、1番機ラム111の上下方向の絶対位置をそれぞれ検出するリニアスケールを用いることができる。
【0031】
2番機であるプレス装置100−2は、1番機であるプレス装置100−1と同様に、2番機ラム112と2番機ベッド122とを有し、加圧駆動源に用いるACサーボモータM3、M4の出力をボールネジ132a、132bにより2番機ラム112の上下動に変換して被加工物である長尺物ワーク300の曲げ板金加工を行う。
【0032】
ここで、2番機であるプレス装置100−2の2番機ラム112には、ボールネジ132aの配設位置における2番機ラム112の上下方向位置を検出する位置検出器142a、ボールネジ132bの配設位置における2番機ラム112の上下方向位置を検出する位置検出器142bがそれぞれ設けられている。位置検出器142a、142bとしては、1番機のプレス装置100−1と同様に、2番機ラム112の上下方向の絶対位置をそれぞれ検出するリニアスケールを用いることができる。
【0033】
なお、3番機からN番機のプレス機械も、1番機、2番機のプレス装置と同様に構成される。
【0034】
プレス制御部200は、I/Oポート210、メモリ220、制御盤230、制御演算部240を具備して構成され、N台のプレス装置100−1、100−2、・・・100−Nを制御する。
【0035】
ここで、I/Oポート210は、N台のプレス装置100−1、100−2、・・・100−NのそれぞれのACサーボモータM1、M2,M3、M4,・・・に対してサーボ制御信号V1、V2,V3、V4,・・・を出力するとともに、N台のプレス装置100−1、100−2、・・・100−Nのそれぞれの位置検出器141a、141b,142a、142b,・・・の検出出力を入力する。
【0036】
メモリ220には、この多連型プレス装置の同期・同調システムの制御プログラムとともに、長尺物ワーク300の曲げデータ等の各種データが記憶されている。また、このメモリ220には、位置検出器141a、141b,142a、142b,・・・の配設位置に対応する長尺物ワーク300の厚さデータも記憶されている。
【0037】
制御盤230は、長尺物ワーク300の曲げデータ等の各種データを設定するとともに、プレス装置100−1、100−2、・・・100−Nに対する運転開始指示等を行う。
【0038】
演算制御部240は、制御盤230からの運転開始指示により、メモリ220に記憶された各種データ及びI/Oポート210から入力された位置検出器141a、141b,142a、142b,・・・の検出出力に基づきACサーボモータM1、M2,M3、M4,・・・の回転速度を指令するサーボ制御信号V1、V2,V3、V4,・・・を演算してI/Oポート210から各ACサーボモータM1、M2,M3、M4,・・・に出力する。
【0039】
ここで、サーボ制御信号V1、V2,V3、V4,・・・には、位置検出器141a、141b,142a、142b,・・・の検出出力の検出位置ずれデータがフィードバック演算されるので、N台のプレス装置100−1、100−2、・・・100−Nのそれぞれのラムの上下位置の高精度の同期・同調制御を行うことが可能になる。
【0040】
更に、サーボ制御信号V1、V2,V3、V4,・・・には、位置検出器141a、141b,142a、142b,・・・の配設位置に対応する長尺物ワーク300の板厚差に関するデータもフィードバック演算されるので、長尺物ワーク300の板厚による長尺物ワーク300の曲げ精度のばらつきも修正することが可能になる。
【0041】
図2は、図1に示した多連型プレス装置の同期・同調システムの一動作を説明するフローチャートである。
【0042】
図1に示した多連型プレス装置の同期・同調システムの動作が開始されると、N台のプレス装置100−1、100−2、・・・100−Nの各ラムである1番機ラム111、2番機ラム112、・・・を上死点である原点に復帰させる原点復帰動作が行われる(ステップ141)。
【0043】
次に、制御盤230から運転開始指示が与えられたかを調べ(ステップ142)、運転開始指示が与えられていないと(ステップ142でNO)、ステップ142に戻り運転開始指示を待つが、運転開始指示が与えられると(ステップ142でYES)、ACサーボモータM1、M2,M3、M4,・・・のサーボ指令をオンにして(ステップ243)、N台のプレス装置100−1、100−2、・・・100−Nの各ラムである1番機ラム111、2番機ラム112、・・・を下降制御するラム下降制御処理(ステップ250)が行われる。
【0044】
ステップ250におけるラム下降制御処理においては、位置検出器141a、141b,142a、142b,・・・の検出出力をフィードバック値として、ACサーボモータM1、M2,M3、M4,・・・の回転速度が、各フィードバック値に対応した所望の速度になるように制御されるが、この実施例においては、位置検出器141a、141b,142a、142b,・・・の中の1つの検出出力、例えば、位置検出器141aの検出出力を基準として、他の位置検出器141b,142a、142b,・・・の検出出力とのずれを算出して、これらのずれがなくなるように他の位置検出器141b,142a、142b,・・・の検出出力であるフィードバック値を修正してACサーボモータM1、M2,M3、M4,・・・をサーボ制御する。
【0045】
図2に示したフローチャートにおけるステップ250のラム下降制御処理の一例を図3にフローチャートで示す。
【0046】
このステップ250のラム下降制御処理が開始されると、1号機のプレス装置100−1の位置検出器141a(以下、センサS1という)を基準として、他の位置検出器141b,142a、142b,・・・(以下、センサS2、・・・という)との検出位置ずれ値ΔSi(iは1〜N)をそれぞれ算出する(ステップ251)。
【0047】
次に、このステップ251で算出した位置ずれ値ΔSiを各センサS1、S2、・・・で検出したフィードバック値にそれぞれ演算してフィードバック値の修正を行う(ステップ252)。そして、このステップ252で演算したフィードバック値に基づき、各ACサーボモータMi(iは、1〜N)をそれぞれサーボ制御する(ステップ253)。そしてステップ251に戻って、ステップ251〜253の処理を繰り返す。
【0048】
このような処理により、複数台のプレス装置100−1、100−2、・・・100−Nの1番機ラム111、2番機ラム112、・・・の上下位置を高精度に同期・同調制御することが可能になる。
【0049】
ステップ250におけるラム下降制御処理は、各プレス装置100−1、100−2、・・・100−Nの各ラムである1番機ラム111、2番機ラム112、・・・が長尺物ワーク300の加工開始点に達するまで続けられ、1番機ラム111、2番機ラム112、・・・が長尺物ワーク300の加工開始点に達すると(ステップ234でYES)、次に、長尺物ワーク300の加工制御処理が開始される(ステップ260)。
【0050】
このステップ260における加工制御処理は、メモリ220に記憶された、例えば、長尺物ワーク300の曲げデータ等の各種データに基づき行われる。
【0051】
ステップ260における加工制御処理が、長尺物ワーク300の曲げ制御処理であると、メモリ220に記憶された所望のデータに基づき1番機ラム111、2番機ラム112、・・・を加圧下降制御して長尺物ワーク300を所望の角度まで曲げる処理となる。
【0052】
ここで、各プレス装置100−1、100−2、・・・100−Nの1番機ラム111、2番機ラム112、・・・の上下位置は、ラム下降制御処理250で高精度に同期・同調制御されているので、各プレス装置100−1、100−2、・・・100−Nのばらつきに依存しない高精度の曲げ加工等が可能になる。
【0053】
次に、ステップ260の加工制御処理が終了したかを調べ(ステップ235)、ステップ260の加工制御処理が終了していないと(ステップ235でNO)、ステップ260に戻り、ステップ260の加工制御処理を続けるが、ステップ235で、ステップ260の加工制御処理が終了したと判断されると(ステップ235でYES)、N台のプレス装置100−1、100−2、・・・100−Nの1番機ラム111、2番機ラム112、・・・を上死点である原点に復帰させる原点復帰動作が行われ(ステップ236)、このワーク加工処理を終了する。
【0054】
なお、上記実施例においては、各センサS1、S2、・・・の検出位置ずれをフィードバック値にそれぞれ演算してACサーボモータM1、M2,M3、M4,・・・をサーボ制御することにより複数台のプレス装置100−1、100−2、・・・100−Nの1番機ラム111、2番機ラム112、・・・の上下位置を同期・同調制御して、長尺物ワーク300を加工制御するようにしたが、この種の長尺物ワーク300は、その長手方向でその厚さに微小のばらつきがあることが知られている。このばらつきがこの種の長尺物ワーク300の加工に際して負荷のばらつきを生じ、これが長尺物ワーク300の加工精度の低下の一因となっている。
【0055】
そこで、この長尺物ワーク300の長手方向の厚さのばらつきを加味した制御を図4に示す。
【0056】
図4は、図2に示したフローチャートのラム下降制御処理の他の例を示すフローチャートである。
【0057】
図4に示すフローチャートにおいては、各センサS1、S2、・・・の検出位置ずれの修正に加えて、各センサS1、S2、・・・の検出位置における長尺物ワーク300の板厚差を各センサS1、S2、・・・で検出したフィードバック値にそれぞれ演算して各ACサーボモータMiをサーボ制御する。
【0058】
この処理が開始されると、1号機のプレス装置100−1のセンサS1を基準として、他のセンサS2、・・・との検出位置ずれ値ΔSiをそれぞれ算出する(ステップ254)。
【0059】
次に、メモリ220に記憶した各センサS1、S2、・・・の検出位置における長尺物ワーク300の板厚値を読み出して、例えば、センサS1の検出位置における長尺物ワーク300の板厚値を基準として、他のセンサS2、・・・の検出位置における長尺物ワーク300の板厚差Δti(iは1〜N)を算出する(ステップ255)。
【0060】
そして、このステップ254で算出した位置ずれ値ΔSi及びステップ255で演算した板厚差Δtiを各センサS1、S2、・・・で検出したフィードバック値にそれぞれ演算し(ステップ256)、このステップ256で演算したフィードバック値に基づき、各ACサーボモータMiをそれぞれサーボ制御する(ステップ257)。そして、ステップ254に戻って、ステップ254〜257の処理を繰り返す。
【0061】
このような処理により、複数台のプレス装置100−1、100−2、・・・100−Nの1番機ラム111、2番機ラム112、・・・の上下位置を長尺物ワーク300の板厚のばらつきを加味して負荷のばらつきが生じない更に高精度な同期・同調制御が可能になる。
【0062】
なお、長尺物ワーク300の板厚のばらつきを加味した制御を行うために、メモリ220に各センサS1、S2、・・・の検出位置に対応して記憶される厚さデータは、各センサS1、S2、・・・の検出位置における長尺物ワーク300の板厚値を予め検出して、制御盤230からメモリ220に記憶することができるが、長尺物ワーク300の2乃至複数位置の板厚値を検出し、この検出値を補演算して各センサS1、S2、・・・の検出位置における長尺物ワーク300の板厚値を求めて、この求めた板厚値をメモリ220に記憶するように構成してもよい。
【0063】
また、各センサS1、S2、・・・の検出位置における長尺物ワーク300の板厚値を複数台のプレス装置100−1、100−2、・・・100−Nによる動作時に検出してメモリ220に記憶するか、メモリ220に記憶した値を更新するように構成してもよい。
【0064】
図5は、図1に示した多連型プレス装置の同期・同調システムの他の動作を説明するフローチャートである。
【0065】
図5におけるフローチャートにおいては、複数台のプレス装置100−1、100−2、・・・100−Nによる加工処理に基づき、メモリ220に記憶した各センサS1、S2、・・・の検出位置における長尺物ワーク300の板厚値を記憶、更新するように構成される。
【0066】
図1に示した多連型プレス装置の同期・同調システムの動作が開始されると、N台のプレス装置100−1、100−2、・・・100−Nの各ラムである1番機ラム111、2番機ラム112、・・・を上死点である原点に復帰させる動作が行われる(ステップ501)。
【0067】
次に、制御盤230から運転開始指示が与えられたかを調べ(ステップ502)、運転開始指示が与えられていないと(ステップ502でNO)、ステップ502に戻り運転開始指示を待つが、運転開始指示が与えられると(ステップ502でYES)、ACサーボモータM1、M2,M3、M4,・・・のサーボ指令をオンにして(ステップ503)、N台のプレス装置100−1、100−2、・・・100−Nの各ラムである1番機ラム111、2番機ラム112、・・・を下降制御するラム下降制御処理(ステップ510)が行われる。
【0068】
このステップ510におけるラム下降制御処理は、図4に示したラム下降制御処理と同様である。
【0069】
次に、ステップ510におけるラム下降制御処理により、1番機ラム111、2番機ラム112、・・・が長尺物ワーク300の加工開始点に達したかを調べる(ステップ504)。1番機ラム111、2番機ラム112、・・・が長尺物ワーク300の加工開始点に達したかは、ACサーボモータM1、M2,M3、M4,・・・の負荷変動を検知する負荷変動検知手段を設けることにより容易に検知することができる。
【0070】
ステップ504で、1番機ラム111、2番機ラム112、・・・が長尺物ワーク300の加工開始点に達していないと判断されると(ステップ504でNO)、ステップ510に戻り、ラム下降制御処理を続ける。
【0071】
ステップ504で、1番機ラム111、2番機ラム112、・・・が長尺物ワーク300の加工開始点に達したと判断されると(ステップ504でYES)、このときの各センサS1、S2、・・・の検出位置に基づき各センサS1、S2、・・・の検出位置における長尺物ワーク300の板厚値を検出する。そして、この検出した各センサS1、S2、・・・の検出位置における長尺物ワーク300の板厚値で、メモリ220に記憶されている各センサS1、S2、・・・の検出位置における長尺物ワーク300の板厚値を更新する板厚値更新処理を実行する(ステップ505)。
【0072】
この処理により、センサS1、S2、・・・の検出位置における長尺物ワーク300の板厚値を常に最適な値に保持することができる。
【0073】
各センサS1、S2、・・・の検出位置における長尺物ワーク300の板厚値を更新する板厚値更新処理が終了すると、長尺物ワーク300の加工制御処理を開始する(ステップ520)。このステップ520における加工制御処理は、図2に示した加工制御処理260と同様である。
【0074】
次に、ステップ520の加工制御処理が終了したかを調べ(ステップ506)、加工制御処理が終了していないと判断されると(ステップ506でNO)、ステップ520に戻り、加工制御処理を続けるが、ステップ506で加工制御処理が終了が終了したと判断されると(ステップ506でYES)、N台のプレス装置100−1、100−2、・・・100−Nの1番機ラム111、2番機ラム112、・・・を上死点である原点に復帰させる原点復帰動作が行われ(ステップ507)、このワーク加工処理を終了する。
【0075】
なお、上記実施例においては、複数台のプレス装置100−1、100−2、・・・100−Nによる加工処理動作時に、センサS1、S2、・・・の検出位置における長尺物ワーク300の板厚値を検出して、メモリ220に記憶されている各センサS1、S2、・・・の検出位置における長尺物ワーク300の板厚値を更新するように構成したが、複数台のプレス装置100−1、100−2、・・・100−Nによる加工処理に先立って複数台のプレス装置100−1、100−2、・・・100−Nの下降制御処理のみを行い、この下降制御処理に基づき各センサS1、S2、・・・の検出位置における長尺物ワーク300の板厚値を検出して、この検出した検出値をメモリ220に記憶するように構成してもよい。
【0076】
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内であれば、当業者の通常の創作能力によって多くの変形が可能である。
下記は、本願の出願当初に記載の発明である。
<請求項1>
ACサーボモータの出力を加圧力に変換して金型を保持するラムに伝達し、ラムと一体に降下する金型によって被加工物であるワークを加工するプレス装置の複数台を横並びに接続し、一台の金型の長さを超える長尺のワークの加工に対応する多連型プレス装置の同期・同調システムであって、
前記プレス装置の一台ごとにラムの幅方向の複数個所に装着されてラム状態を検出するラム状態検出手段と、
前記プレス装置の一台に装着された前記ラム状態検出手段が検出したラム状態情報を基準にして、他のプレス装置のラムに装着したラム状態検出手段が検出したラム状態情報とのずれ誤差を算出し、該ずれ誤差の演算値に基づいて前記他のプレス装置のラム状態を修正することで前記プレス装置すべてのラム状態が同期・同調するように前記ACサーボモータをサーボ制御する同期・同調手段と、
を具備することを特徴とする多連型プレス装置の同期・同調システム。
<請求項2>
前記ラム状態検出手段が検出するラム状態情報は、前記ラムの上下位置であることを特徴とする請求項1に記載の多連型プレス装置の同期・同調システム。
<請求項3>
前記ラム状態検出手段が検出するラム状態情報は、前記ワークの板厚の寸法誤差に対応して変化する前記ラムの加圧トルクであることを特徴とする請求項1に記載の多連型プレス装置の同期・同調システム。
<請求項4>
前記ACサーボモータは、
前記複数のプレス装置の各ラムの幅方向の少なくとも2箇所に対応して配設され、
前記同期・同調手段は、
前記ラム状態検出手段が検出したラム状態情報を前記ACサーボモータのフィードバック値に演算して前記ACサーボモータをそれぞれサーボ制御することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の多連型プレス装置の同期・同調システム。
<請求項5>
前記ラム状態検出手段の配設位置における前記長尺ワークのそれぞれの板厚差を記憶する記憶手段、
を具備し、
前記同期・同調手段は、
前記ラム状態検出手段が検出したラム状態情報及び前記記憶手段に記憶した板厚差を前記ACサーボモータのフィードバック値に演算して、前記ACサーボモータをそれぞれサーボ制御することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の多連型プレス装置の同期・同調システム。
<請求項6>
前記サーボモータの負荷変動を検出する負荷変動検出手段、
を具備し、
前記記憶手段は、
前回の板金加工時における前記負荷変動検出手段の検知出力に基づき前記ラム状態検出手段の配設位置における前記長尺ワークのそれぞれの板厚差を検出して記憶することを特徴とする請求項5に記載の多連型プレス装置の同期・同調システム。
<請求項7>
前記長尺ワークの複数箇所における板厚を予め検出し、
前記記憶手段は、
前記板厚検出手段の検出出力を補間演算して前記ラム状態検出手段の配設位置における前記長尺ワークのそれぞれの板厚差を算出して記憶することを特徴とする請求項5に記載の多連型プレス装置の同期・同調システム。
<請求項8>
ACサーボモータの出力を加圧力に変換して金型を保持するラムに伝達し、ラムと一体に降下する金型によって被加工物であるワークを加工するプレス装置の複数台を横並びに接続し、一台の金型の長さを超える長尺のワークの加工に対応する多連型プレス装置の同期・同調方法であって、
前記複数のプレス装置の各ラムの幅方向の少なくとも2箇所で、該ラムのラム状態をラム状態検出手段でそれぞれ検出し、
前記プレス装置の一台に装着された前記ラム状態検出手段が検出したラム状態情報を基準にして、他のプレス装置のラムに装着したラム状態検出手段が検出したラム状態情報とのずれ誤差を算出し、
該ずれ誤差の演算値に基づいて前記他のプレス装置のラム状態を修正することで前記プレス装置すべてのラム状態が同期・同調するように前記ACサーボモータをサーボ制御する
ことを特徴とする多連型プレス装置の同期・同調方法。
<請求項9>
ACサーボモータの出力を加圧力に変換して金型を保持するラムに伝達し、ラムと一体に降下する金型によって被加工物であるワークを加工するプレス装置の複数台を横並びに接続し、一台の金型の長さを超える長尺のワークの加工に対応する多連型プレス装置の同期・同調プログラムであって、
前記複数のプレス装置の各ラムの幅方向の少なくとも2箇所で、該ラムのラム状態をラム状態検出手段でそれぞれ検出する手段、
前記プレス装置の一台に装着された前記ラム状態検出手段が検出したラム状態情報を基準にして、他のプレス装置のラムに装着したラム状態検出手段が検出したラム状態情報とのずれ誤差を算出する手段、
該ずれ誤差の演算値に基づいて前記他のプレス装置のラム状態を修正することで前記プレス装置すべてのラム状態が同期・同調するように前記ACサーボモータをサーボ制御する手段、
として機能させること特徴とする多連型プレス装置の同期・同調プログラム。
【符号の説明】
【0077】
100−1、100−2、・・・100−N…プレス機械
111…1番機ラム
112…2番機ラム
121…1番機ベッド
122…2番機ベッド
131a、131b、132a、132b…ボールネジ
141a、141b、142a、142b…位置検出器
200…プレス制御部
210…I/Oポート
220…メモリ
230…制御盤
240…制御演算部
M1、M2、M3、M4…ACサーボモータ
図1
図2
図3
図4
図5