(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記スリーブは、ステンレス鋼、鉄、ニッケル、及びそれらの任意の組み合わせからなる合金のいずれかから選択された材料で構成されることを特徴とする請求項5に記載の結晶成長用装置。
前記少なくとも一つの環状セラミック部材は、希土類金属酸化物、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、酸化イットリウム、サイアロン(Si-Al-O-N)、窒化シリコン、オキシ窒化シリコン、ガーネット、クリストバライト、あるいはムライトの少なくとも一つまたは複数からなることを特徴とする請求項1に記載の結晶成長用装置。
前記少なくとも一つの環状セラミック部材は、希土類金属酸化物、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、酸化イットリウム、サイアロン(Si-Al-O-N)、窒化シリコン、オキシ窒化シリコン、ガーネット、クリストバライト、あるいはムライトの少なくとも一つまたは複数からなることを特徴とする請求項14に記載の結晶成長方法。
【背景技術】
【0003】
本発明は、一般に、超臨界流体で材料を処理するための方法に関する。より具体的には、本発明の実施形態は、高圧装置のエンクロージャ内に配置された材料処理カプセルに関連するパラメータを制御するための方法を含む。一例に過ぎないが、バルク基板又はパターンのある基板を製造するために、本発明を適用して、GaN、AlN、InN、InGaN、AlGaN、及びAlInGaNの結晶成長、並びに他の材料の成長をさせることができる。このようなバルク基板又はパターンのある基板は、光電子デバイス、レーザ、発光ダイオード、太陽電池、光電気化学水分解部及び水素発生部、光検出器、集積回路、及びトランジスタなどの類のデバイスを含む種々の用途に使用することができる。
【0004】
超臨界流体は、多様な材料を処理するために使用される。超臨界流体は、通常、その臨界点、すなわち臨界温度及び臨界圧力を超える物質として規定される。臨界点は、物質が蒸気及び液体として安定して存在することができる最大の温度及び圧力を意味する。いくつかの超臨界流体の用途において、処理される材料は圧力容器又は他の高圧装置の内部に配置される。いくつかの例では、最初に、材料を容器、ライナー、又はカプセルの内部に配置し、次に、それらを高圧装置の内部に配置することが望ましい。高圧装置は、動作時に、材料を保持する容器又はカプセル内に発生する高圧を支持する構造をもつ。容器、ライナー、又はカプセルは、プロセスに含まれているか又はプロセスによって発生する溶剤、溶質、及びガスに対して化学的に不活性であり、非透過性を有する閉じた/シールされた環境を具備している。
【0005】
科学者及び技術者は高圧技術を用いて結晶材料を合成してきた。一例として、高圧条件及び温度条件を用いて、合成ダイヤモンドが頻繁に製造される。合成ダイヤモンドは、工業目的で頻繁に使用されるが、宝石用途及び他の用途で十分に大きく成長させることもできる。さらに、科学者及び技術者は高圧を用いて、ゼオライトなどの複雑な材料を合成し、これらの材料を使用して毒素などを濾過することができる。さらに、地質学者も、地球の地殻の深部で生じている状態及び/又は過程をシミュレートするのに高圧技術を用いてきた。高圧技術は、多くの場合、超臨界流体(ここで、SCFと称する)に依存する。
【0006】
超臨界流体は、大量に及び低コストで高品質の結晶を成長させるために、とりわけ理想的な環境を提供する。多くの場合、超臨界流体は、ガスの輸送特性を有する液体の溶媒和能力を持っている。従って、一方では、超臨界流体は、再結晶化用の溶質を多量に溶解することができる。他方では、輸送特性に適した高い拡散係数を持つので、超臨界流体のバルクと成長する結晶との間、さらに低い粘度との間の境界層を介して溶質を迅速に輸送することが可能であり、その結果、境界層は極めて薄く、小さな温度勾配により、反応器の自己対流及び自己攪拌を容易にすることができる。これらの特性を組み合わせることにより、例えば、超臨界水の単一の成長行程における、数百又は数千の大きなαクォーツ結晶の成長が可能になる。
【0007】
さらに、超臨界流体は、溶剤を抽出するための、例えばコーヒーからカフェインを抽出するための、ゼオライトなどのような目新しい材料を合成するための媒質、そして一般的な条件下で比較的不活性である材料、例えば、バイオ燃料及び有毒な廃棄物を分解及び/又は溶解するための魅力的な媒質をもたらす。
【0008】
さらに、結晶成長などのいくつかの用途では、圧力容器又はカプセルは、内部を異なるチャンバに、例えば上半分と下半分とに分割するバッフルプレートを含む。一般的なバッフルプレートは、これらの異なるチャンバの間における流体の流れ及び加熱及び質量移動を可能にするための不規則な又は規則的な間隔で配置されている離間孔を有し、上記異なるチャンバは、超臨界流体と共に処理される異なる材料を保持する。例えば、一般的な結晶成長の用途において、カプセルの一方の部分は種結晶を含み、他方の半分は栄養材料を含む。処理される材料に加えて、カプセルは、上昇した温度及び圧力において超臨界流体を形成する固体又は液体、一般的には、さらに、超臨界流体で処理される材料の溶解性を向上させるための鉱化剤を含む。他の用途、例えば、ゼオライト又はナノ粒子の合成、あるいはセラミックの処理において、動作させるためにバッフルプレートを使用しなくてもよい。動作時に、カプセルが、臨界点に向かって又はそれを超えて加熱及び加圧され、これにより、固体及び/又は液体が超臨界流体に変わる。いくつかの用途では、流体は臨界未満のままである可能性があり、すなわち、圧力又は温度は臨界点よりも低い場合がある。しかし、本願で対象とするすべての場合において、流体は過熱され、すなわち、温度は大気圧における流体の沸点よりも高い。「超臨界」という用語は、圧力及び温度が、臨界点よりも高いかどうかに関係なく、「過熱された」という意味で全体にわたって用いるものとする。なお、溶解した溶質を有する特定の流体組成物に適したものとして認識されていなくともよい。
【0009】
従来の結晶成長に対してある程度有効ではあるが、従来の処理容器には欠点がある。一例として、従来の鋼製のホットウォール圧力容器(例えばオートクレーブ)の処理能力は、一般的に、摂氏約400度の最大温度及び0.2ギガパスカル(GPa)の最大圧力に制限される。ニッケルベースの超合金から従来の圧力容器を製造することにより、摂氏約550度の最大温度及び約0.5GPaの最大圧力における動作が可能になる。したがって、これらの従来のホットウォール圧力容器は、超臨界アンモニアにおける窒化ガリウム結晶の成長などのいくつかの処理に対しては、多くの場合に不十分なものになる。上記超臨界アンモニアは、1時間当たり約2〜4ミクロンよりも高い成長率を達成するために、この範囲よりも著しく高い範囲の圧力及び温度をしばしば必要とする。さらに、ニッケルベースの超合金は非常に高価であり、加工が困難であり、従来の鋼製圧力容器と比較して、実用的な最大サイズが制限され、コストを大幅に増加させる。
【0010】
従来の圧力容器の欠点を克服する試みがなされてきた。D’エブリン(D’Evelyn)らの米国特許出願第2003/0140845A1号明細書は、高圧及び高温を用いてダイヤモンドを合成するために使用されるベルト装置のタイプに適合された、いわゆるゼロストローク高圧装置を記載している。焼結炭化タングステンは金型材料として使用されるが、それはかなり高価であり、寸法が大きいものの製造が困難である。さらに、装置を収容するための油圧プレスを使用することにより、コストが増加し、さらに、最大容積が制限される。最後に、超臨界流体を収容するために使用されるカプセルを囲む圧力伝達媒体を使用することにより、材料を処理するための高温ゾーン内で利用可能な容積が減少する。
【0011】
D’エブリン(D’Evelyn)らの米国特許出願第2006/0177362A1号明細書には、従来のオートクレーブの圧力及び温度をかなり超える圧力及び温度に関する能力を有し、上記ゼロストロークプレス装置に関して改善されたスケーラビリティを有する複数のタイプの装置が記載されている。カプセルの対応する値と比較して、高強度エンクロージャの内径がさらされる圧力及び温度の両方を減少させるために、一連のくさび状の半径方向セラミックセグメントが、カプセルを囲むヒータと高強度エンクロージャとの間に配置される。しかし、これらのくさび状の半径方向セラミックセグメントの製造及び使用が困難かつ高価であることがある。従来の装置のこれら及び他の制限については本明細書全体にわたって説明していく。
【0012】
上記のことから、結晶成長用の高圧装置を改良するための方法が非常に望ましいことが理解される。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明には、超臨界流体で材料を処理するための方法が含まれる。より具体的には、本発明の実施形態は、高圧装置/エンクロージャ内に配置された材料処理カプセルに関連するパラメータを制御するための方法を含む。一例に過ぎないが、バルク基板又はパターンが形成された基板を製造するために、本発明を適用して、GaN、AlN、InN、InGaN、AlGaN、及びAlInGaNの結晶を成長させることができる。このようなバルク基板又はパターンが形成された基板は、光電子デバイス、レーザ、発光ダイオード、太陽電池、光電気化学水分解部及び水素発生部、光検出器、集積回路、及びトランジスタを含む種々の用途のために使用することができる。
【0024】
特定の実施形態では、本発明は、材料を処理するための高圧装置を提供する。実施形態に応じて、重力方向に対して特定の方向に関連して本装置を説明する。一例として、本装置は垂直に向けられているものとして説明される。代わりに、他の実施形態では、本装置は、水平に向けられるか又は垂直と水平との間の中間斜角に向けられ、カプセル内の超臨界流体の対流を起こすように揺動することが可能である。当然、他の変形例、修正例、及び代替例であってもよい。
【0025】
基準となるものを提供するために、本明細書全体で参照される、D’エブリン(D’Evelyn)らによる米国特許出願第2006/0177362A1号明細書に記載されているフォースウェッジ装置が、
図1に示されている。米国特許7,125,453号明細書に記載されているようなカプセルが、米国特許出願第2008/0083741A1号明細書に記載されているようなヒータ内に配置されており、これらの各々のものが本明細書において参照される。カプセル及びヒータの両方が、SA 723圧力容器鋼から製造され得る高強度エンクロージャ内に収容される。ここで、段落51から、「本方法は...高強度エンクロージャとカプセルとの間に複数の半径方向セグメントを配置するステップ(ブロック126)を含む。これらの半径方向セグメントは、各半径方向セグメントが、分割されたシリンダのくさび状の部分であるようにカプセルの周囲に連続的に配置される。半径方向セグメントは、アルミナ、窒化シリコン、炭化シリコン、ジルコニアなどのようなセラミックを含み得る。代わりに、半径方向セグメントは、タングステン、モリブデン、又はTZM合金などの難溶性金属、あるいはコバルト焼結炭化タングステンなどのサーメットを含んでもよい」。上記のように、従来のフォースウェッジ装置には制限がある。すなわち、多数の半径方向セグメントを有する装置を製造すると高価になってしまう。さらに、半径方向セグメントの各々を正確に製造すること、及びそれらのセグメントを装置内に組み立てることが困難である。半径方向セグメントに1つ以上のクラックを設けることは、それらのクラックが、相互に接続されたネットワークを形成しない限り、半径方向セグメントの性能を低下させることが確認されている。セグメントに1つ以上のクラックを導入することを可能にするか又は意図することにより、より少数のセグメントを有する装置の製造が可能になる。さらに、クラック内に成長し得るセラミック部分の小さな割れ目を今や許容することができるので、セグメントに1つ以上のクラックが存在することを可能にすることにより、セグメントの製造コストが低減され得る。
【0026】
図2は、本発明の一実施形態による高圧装置の概略図である。この図面は実施例に過ぎず、本明細書の特許請求の範囲を不当に限定すべきではない。当業者は、他の変形例、修正例、及び代替例を理解するであろう。図示したように、本発明は、高圧結晶又は材料処理、例えば、GaN、AlN、InN、InGaN、AlGaN、及びAlInGaN用の装置を提供する。他の処理方法は、酸化物及び他の結晶材料の熱水結晶成長、熱水合成又は熱アンモニア合成、及び熱水分解、並びに他のものを含む。当然、他の変形例、修正例、及び代替例であってもよい。
【0027】
図2を参照すると、超臨界流体を処理するための高圧装置200及びそれに関連する方法が示されている。特定の実施形態では、本装置200は、カプセル210と加熱部材又はヒータ212と少なくとも1つのセラミックリング214とを含むが、このセラミックリングは、複数のリングであってもよく、選択的に、1つ以上のスクライブマーク及び/又はクラックが存在する。特定の実施形態では、本装置は、選択的に、各セラミックリングを含む1つ以上の金属スリーブ(図示せず)を有する。さらに、本装置は、高強度エンクロージャ218と、関連する断熱材を有する端部フランジ221、228と、電力制御システム230とを有する。本装置は、非常に大きな容積までスケーラブルであり、費用面で効果的である。特定の実施形態では、本装置は、0.2〜2GPaの圧力及び400〜1200℃の温度のそれぞれにすることができる。さらに、特定の実施形態では、本装置は温度コントローラ232を含む。当然、他の変形例、修正例、及び代替例であってもよい。
【0028】
特定の実施形態では、装置200は、少なくとも1つの加熱ゾーン、選択的に、より多くの、例えば、2つ以上を含む複数の加熱ゾーンを備える。加熱ゾーンは、特定の実施形態によれば、最上の第1のゾーン220、成長ゾーン222、バッフルゾーン224、及び充填ゾーン又は栄養ゾーン226を含む。特定の実施形態によれば、カプセルが、ヒータ内面によって規定された容積に挿入されるときに、内部バッフル(図示せず)がバッフル間隙ゾーンに整列する。バッフルは、特定の実施形態によれば、カプセル内部の2つのチャンバ、すなわち、栄養チャンバ及び成長チャンバを規定する。2つのチャンバは、種々の形状及び形態を有することができる穿孔されたバッフルを介して連通する。再結晶化されるべき材料の溶解性が温度の増加関数である場合の結晶成長に適切な例示した実施形態では、成長ゾーンが栄養ゾーンの上方に配置される。再結晶化されるべき材料の溶解性が温度の減少関数、すなわち、低下する溶解性である場合の結晶成長に適切な他の実施形態では、成長ゾーンが栄養ゾーンの下方に配置される。さらに他の実施形態では、装置200は、垂直ではなくほぼ水平であり、揺動機構(図示せず)を備えることが可能である。
【0029】
一実施形態では、ヒータ内部への挿入に適切なカプセルは貴金属から形成される。貴金属の例は白金、パラジウム、ロジウム、金、又は銀を含む。他の金属は、チタン、レニウム、銅、ステンレス鋼、ジルコニウム、タンタル、それらの合金などを含むことができる。一実施形態では、金属は酸素ゲッターとして機能する。適切なカプセルの寸法は直径が2cmよりも大きく、長さが4cmよりも長くてもよい。一実施形態では、直径の寸法は、2〜4cm、4〜8cm、8〜12cm、12〜16cm、16〜20cm、20〜24cm、及び24cmよりも大きい任意のものから選択される範囲にある。第2の実施形態では、カプセルの長さと直径の比率は2よりも大きい。さらに他の実施形態では、長さと直径の比率は、2〜4、4〜6、6〜8、8〜9、9〜10、10〜11、11〜12、12〜14、14〜16、16〜18、18〜20、及び20よりも大きい任意の範囲にある。当然、他の変形例、修正例、及び代替例であってもよい。
【0030】
一実施形態では、成長ゾーン222の容積は充填ゾーン226の容積の2倍である。各加熱素子のセグメント用の電気回路は独立して制御される。独立した制御は、カプセル高さに沿った熱蒸着プロファイルを実現及び維持するように柔軟に行われる。第2のヒータセグメントと第3のヒータセグメントとの間における、頂部からの物理的な不連続部は、カプセルに配置されかつ充填ゾーン226と成長ゾーン222とを分離するバッフルプレートに近い温度で、局所的なディップを形成する。一実施形態では、充填ゾーン及び成長ゾーンは、互いに異なる温度の等温線である。バッフルゾーンは、充填ゾーンの等温線と成長ゾーンの等温線との間の比較的短い距離にわたる温度勾配を有する。加熱素子の巻線パターン、及び加熱素子間の距離にわたる最小温度勾配を有する、結果として得られる等温線は、カプセル内部における及びバッフル内又はその上における壁の核形成を最小にするか又はなくす。一実施形態では、成長ゾーンは底部にあり、充填ゾーンは頂部にあってもよい。このような構成は特定の化学的性質及び成長パラメータに基づくことが可能である。
【0031】
特に
図2を参照すると、ヒータ212は、容器又は高強度エンクロージャ218を含む装置200に配置される。容器の頂端部には第1の端部フランジ228を取り付けることができ、底端には第2の端部フランジ226を取り付けることができる。複数のファスナー216(1つのみが符号で示されている)により、端部フランジが容器端部に固定される。
【0032】
容器218内において、セラミック製の連続的な環状部材214は、容器内面に沿って並び、ヒータ212の外面に接触する。環状材料の例は、酸化ジルコニウム又はジルコニアを含むが、それらに限定されない。第1及び第2の端部キャップ223(図中では、第1および第2の1つのみが図示されている)は、容器内部のヒータ212の端部に近接して配置される。環状プラグ234は、積層されたディスクとして示されているが、端部キャップ223を囲む環状体であってもよい。環状プラグ234は、軸方向の熱損失を低減するために、選択的に、少なくとも1つの端部に及びカプセルと端部フランジとの間のキャビティ内に配置されることができ、酸化ジルコニウム又はジルコニアを含むことが可能である。代わりのプラグ材料は、特定の実施形態によれば、酸化マグネシウム、塩類、及び水酸化ケイ酸アルミニウム又はピロフィライトなどのフィロケイ酸塩鉱物を含んでもよい。
【0033】
装置200は、特定の実施形態によれば、カプセルの軸方向端部(符号106を参照)と、端部キャップ及び/又は環状プラグとの間に圧力伝達媒体を含み得る。圧力伝達媒体は、特定の実施形態によれば、塩化ナトリウム、他の塩類、又は水酸化ケイ酸アルミニウム又はピロフィライトなどのフィロケイ酸塩鉱物、あるいは他の材料を含むことが可能である。さらに、摩擦を低減して、動作後にカプセルをスライドさせて取り外すことを容易にするためのコーティング又は箔が選択的に存在するにもかかわらず、カプセルの外径と加熱部材の内径との間の界面は、実質的に、圧力伝達媒体を含まなくてもよい。加熱部材の外径と、連続的な環状リングの内径との間の界面も、実質的に、圧力伝達媒体を含まない。
【0034】
図示した装置200を使用して、結晶成長に望ましい圧力条件及び温度条件下で、結晶を成長させることができ、例えば、関連するプロセス条件下で、窒化ガリウム結晶を成長させることができる。高圧装置200は、ヒータ212を半径方向に、軸方向に、又は半径方向及び軸方向の両方に支持するように動作可能な1つ以上の構造を含むことができる。一実施形態の支持構造は周囲環境から装置200を断熱し、このような断熱により、プロセス安定性が向上又は改善し、所望の温度プロファイルが維持及び制御され得る。当然、他の変形例、修正例、及び代替例であってもよい。
【0035】
特定の実施形態では、本装置は、第1の領域及び第2の領域と、それらの間に規定された長さとを含む(例えば円筒形状を有する)カプセル領域を含む。特定の実施形態では、カプセル領域内にカプセルが配置される。一例として、カプセルは、化学的に不活性である適切な材料から製造され、圧力に耐えることができ、そして他の特徴においても取扱いを容易にすることが可能である。実施形態に応じて、カプセルは、金、白金、銀、又はパラジウムから選択される材料から製造される。当然、特定の実施形態に応じて、合金、コーティング、及び/又は多層構造を含むこともできる他の適切な材料であってもよい。他の金属は、チタン、レニウム、銅、ステンレス鋼、ジルコニウム、タンタル、それらの合金などを含むことができる。特定の実施形態では、カプセルは、変形可能な材料によって特徴付けられ、実質的に、カプセル領域内の1つ以上の反応物に対して化学的に不活性である。カプセルの一例が、米国特許7,125,453号明細書に記載されており、これは、全ての目的のために参照により本明細書に援用される。当然、他の変形例、修正例、及び代替例であってもよい。
【0036】
特定の実施形態では、本装置は、カプセル領域を囲む環状加熱部材を有する。加熱部材の他の例が、米国特許出願第2008/0083741A1号明細書に記載されており、これも本明細書で参照される。加熱部材は、独立して制御可能な少なくとも2つの高温ゾーンを有することが可能であり、3キロワット、10キロワット、30キロワット、100キロワット、300キロワット、又は1000キロワットと同様の大きさの加熱電力を発生させることができ得る。当然、他の変形例、修正例、及び代替例であってもよい。
【0037】
特定の実施形態では、本装置は、環状加熱部材の周囲に連続的に配置された所定の厚さを有するセラミック又は金属又はサーメット製の少なくとも1つの連続的な環状部材を有する。特定の実施形態では、連続的な環状部材は、約0.5GPaよりも大きな圧縮強度と、メートルケルビン当たり約4ワットよりも低い熱伝導率とを有する材料から製造される。一例として、セラミック材料は、希土類金属酸化物、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、酸化イットリウム、sialon(Si−Al−O−N)、窒化シリコン、オキシ窒化シリコン、ガーネット、クリストバライト、及びムライトを含むことができる。セラミック材料は、2つ以上の相を含む複合物であり得る。代わりに、一例として、金属は、タングステン、モリブデン、TZM合金などの難溶性金属、及び他のものであってもよい。サーメットはコバルト焼結炭化タングステン、及び他のものであることができる。以下にさらに説明する代替実施形態では、セラミック、金属、又はサーメット製の連続的な環状部材は、非対称に配置されかつセラミック、金属、又はサーメット製の連続的な環状部材の内径と、セラミック、金属、又はサーメット製の連続的な環状部材の外径との間に配置された複数のクラック領域を含むように構成される。特定の実施形態では、環状部材は、互いの頂部に積層される複数の部材の1つである。当然、他の変形例、修正例、及び代替例であってもよい。
【0038】
さらに、特定の実施形態では、本装置は、セラミック、金属又はサーメット製の少なくとも環状の部材上に配置された円筒状スリーブ部材を有する。一例として、円筒状スリーブ部材は、ステンレス鋼、鉄、鋼、鉄合金、ニッケル又はニッケル合金、コバルト又はコバルト合金、あるいはそれらの任意の組み合わせから選択される材料から製造される。特定の実施形態では、円筒状スリーブ部材は第1の端部と第2の端部とを備える。特定の実施形態では、円筒状スリーブは寸法を規定している。
【0039】
実施形態に応じて、円筒状スリーブ部材の軸線と円筒状スリーブ部材の外部領域との間に約0.1〜5度の範囲のテーパー角を形成するために、第1の端部が第1の外径によって特徴付けられ、第2の端部が、第1の外径よりも小さな第2の外径によって特徴付けられる。当然、他の変形例、修正例、及び代替例であってもよい。
【0040】
さらに、円筒状スリーブ部材は、特定の実施形態によれば、第1の端部から第2の端部までほぼ一定の内径を有するが、その内径は、実施形態に応じて様々であることもできる。好ましい実施形態では、円筒状スリーブ部材は、高圧エンクロージャ材料と協働して、セラミック製の連続的な環状部材を圧縮するように構成される。好ましい実施形態では、円筒状スリーブ部材は、機械的支持体を設けて、セラミック製の連続的な環状部材の規定された形状を維持するように構成される。より好ましい実施形態では、円筒状スリーブは、高圧エンクロージャ材料と協働して、セラミック製の連続的な環状部材を圧縮するように構成され、機械的支持体を設けて、セラミック製の連続的な環状部材の規定された形状を維持するように構成される。当然、他の変形例、修正例、及び代替例であってもよい。
【0041】
特定の実施形態では、本装置は、セラミック製の環状部材上に配置された高強度エンクロージャ材料を有する。特定の実施形態では、高強度エンクロージャは、他の要素の間において、カプセル、ヒータ、スリーブを含む内部内容物を収容するように、適切な材料から製造される。特定の実施形態では、高強度エンクロージャは、鋼、低炭素鋼、SA 723鋼、SA 266炭素鋼、4340鋼、A−286鋼、鉄ベースの超合金、304ステンレス鋼、310ステンレス鋼、316ステンレス鋼、340ステンレス鋼、410ステンレス鋼、17−4析出硬化ステンレス鋼、ジルコニウム及びその合金、チタン及びその合金、並びにMonel
(登録商標)、Inconel
(登録商標)、Hastelloy
(登録商標)、Udimet
(登録商標) 500、Stellite
(登録商標)、Rene 41
(商標)、及びRene 88
(商標)として一般に知られている他の材料からなる群から選択される材料から製造される。好ましい実施形態では、高強度エンクロージャは、1平方インチ当たり50,000ポンドよりも大きな圧力における圧力容器の連続動作に関して、米国機械学会によって定格付けされているような最大の引張強度及び降伏強度の特性を有する材料を含む。当然、当業者は、他の変形例、修正例、及び代替例を理解するであろう。
【0042】
さらに、高強度エンクロージャは、特定の実施形態によれば、所望の長さ及び幅を有する。特定の実施形態では、高強度エンクロージャは、約2〜約25のアスペクト比を規定するための長さ及び内径を有する。高強度エンクロージャは、約10〜約12のアスペクト比を規定するための長さ及び内径を有する。特定の実施形態では、内径は約2インチ〜約50インチである。特定の実施形態では、高強度エンクロージャの高さは6インチ〜500インチである。高強度エンクロージャの外径と内径との比率は1.2〜5であり得る。特定の実施形態では、直径比は約1.5〜約3であり得る。当然、他の変形例、修正例、及び代替例であってもよい。本装置のさらなる詳細は、本明細書全体にわたって、より詳しくは以下に見出すことができる。
【0043】
特定の実施形態では、
図3には、本装置300が示されている。この図面は実施例に過ぎず、本明細書の特許請求の範囲を不当に限定すべきではない。当業者は、他の変形例、修正例、及び代替例を理解するであろう。装置内に連続的に配置される個々の半径方向セグメントの代わりに、装置内に1つ以上のリング307を積層してもよい。リングは、本明細書に記載されている並びに本明細書以外の当業者に公知の他の材料を含む、アルミナ、窒化シリコン、炭化シリコン、ジルコニアなどのようなセラミックを含み得る。代わりに、リングは、タングステン、モリブデン、又はTZM合金などの難溶性金属、あるいはコバルト焼結炭化タングステンなどのサーメットを含んでもよい。リングは、0.5インチ〜24インチの内径と、1インチ〜48インチの外径と、1インチ〜96インチの高さとを有することが可能である。特定の実施形態では、内径は約1.5インチ〜約8インチであり、高さは1.5インチ〜8インチである。リングの外径と内径との比率は1.05〜60であり得る。特定の実施形態では、直径比は約1.5〜約3であり得る。リングは理論密度の95%よりも高い密度を有し得る。リング材料の破断係数は200又は450MPaよりも大きくてもよい。リング材料の破壊靱性は9MPa−m
1/2よりも大きくてもよい。リングの及び高強度エンクロージャの寸法に応じて、高強度エンクロージャの内部で、1個〜200個のリングを互いの頂部に積層することが可能である。
【0044】
特定の実施形態では、0.001インチ〜0.1インチの厚さを有するスペーサをスタックの連続的なリングの間に配置して、熱膨張を許容することが可能である。スリーブ309は各リングの周囲に配置され得る。スリーブは、特定の実施形態によれば、鋼又は他の適切な材料を含むことが可能である。スリーブは0.020インチ〜0.5インチの厚さであってもよく、スリーブの高さは、実施形態に応じて、リングの高さよりも低い0.25インチから、リングの高さよりも高い0.1インチまでの範囲であってもよい。さらに、本装置は、他の要素の間において、カプセル301、温度コントローラ及び/又は電力コントローラに電気的に接続される熱電対303、ヒータ305、高強度エンクロージャ311を含む。当然、他の変形例、修正例、及び代替例であってもよい。
【0045】
特定の実施形態では、セラミックリングは、
図3に示したように、動作状態下においてほとんど割れない。例えば、リングの破壊強度はカプセルの動作圧力よりも大きいことが可能である。他の実施形態では、高強度エンクロージャによる締まり嵌めによって、リングの半径方向の圧縮荷重がもたらされる。一実施形態では、組立前における高強度エンクロージャの加熱及びリングの冷却の少なくとも一方によって、締まり嵌めが実現される。他の実施形態では、高強度エンクロージャの内径において並びにリング及び/又はそれを囲むスリーブにおいて、わずかなテーパーに、例えば約1度に研削し、次に、リング及びスリーブを高強度エンクロージャに押し付けて、締まり嵌めを実現することによって、その締まり嵌めが実現される。
【0046】
他の実施形態では、リングは、
図4に示したように、装置400の動作状態下において少なくとも1つのクラックを有する。特定の実施形態では、リング407が、高強度エンクロージャに挿入され、初期動作中に割れることが可能になる。所望のクラック開始点でリングの内径をスクライブすることによって、特定の位置におけるクラッキングが促進され得る。結果として得られたクラックは、内径から外径までずっと延びることが可能であるか、又はリングの容積内に終端し、及び/又はこれらの構造の任意の組み合わせを有することが可能である。他の実施形態では、リングは、高強度エンクロージャに挿入する前に割れる。リングよりも高い熱膨張係数を有する精密回転ロッドをリングの内径内に摺動させて加熱することにより、プレクラッキングが実現され得る。クラックが種々の半径方向位置でリングを完全に貫通する場合には、リングを囲むスリーブ409が、共に及び互いに正確に配向されるようにリングの全ての部分を保持及び維持する。他の実施形態では、クラックは、リングの容積内に存在するが、リングの内径にも外径にも接触しない。さらに、装置400は、他の要素の間において、カプセル401、温度コントローラ及び/又は電力コントローラに電気的に接続される熱電対403、ヒータ405、高強度エンクロージャ411を含む。当然、他の変形例、修正例、及び代替例であってもよい。
【0047】
図4Aは、本発明の代替実施形態である別の高圧装置の概略断面図である。特定の実施形態では、連続的なリング構造を形成する2つ以上の環状セグメント457が、高強度エンクロージャに挿入され、初期動作中に割れることが可能になる。特定の実施形態では、2つ以上の環状セグメント、又は3つ以上の環状セグメント、又は4つ以上の環状セグメント、又は他の組み合わせが存在し、この場合、セグメントの各々が、同様の長さ又は異なる長さを有してもよい。所望のクラック開始点で2つ以上の環状セグメントの内径をスクライブすることによって、特定の位置におけるクラッキングが促進され得る。結果として得られたクラックは、内径から外径までずっと延びることが可能であるか、又は2つ以上の環状セグメントの容積内に終端し、及び/又はこれらの構造の任意の組み合わせを有することが可能である。
【0048】
他の実施形態では、2つ以上の環状セグメントは高強度エンクロージャに挿入する前に割れる。2つ以上の環状セグメントよりも高い熱膨張係数を有する精密回転ロッドを、分割されたリングの内径内に摺動させて加熱することにより、プレクラッキングが実現され得る。クラックが種々の半径方向位置でセグメントを完全に貫通する場合には、セグメントを囲むスリーブ409が、共に及び互いに正確に配向されるようにセグメントの全ての部分を保持及び維持する。他の実施形態では、クラックは、セグメントの容積内に存在するが、セグメントの内径にも外径にも接触しない。さらに、装置450は、他の要素の間において、カプセル451、温度コントローラ及び/又は電力コントローラに電気的に接続される熱電対453、ヒータ455、高強度エンクロージャ461を含む。
【0049】
特定の実施形態では、本方法及びそれに関連する環状セグメントは、わずかな凸凹及び/又は欠陥を含む。特定の実施形態では、セグメントは、クラッキングによってそれ自体が適合することができる適切な材料から製造される。さらに、セラミック部材の各々の寸法がわずかに変化することもクラックによって受け入れられ、これにより、組立体をほぼ連続的に加熱部材の周囲に配置することが可能になる。特定の実施形態では、本装置及びそれに関連するデバイスが、カプセルと高強度エンクロージャとの間にバッファ領域及び/又は断熱領域を設けることによって、カプセル及び/又は高強度エンクロージャの破断を防止する。当然、他の変形例、修正例、及び代替例であってもよい。
【0050】
垂直寸法は
図3、
図4、及び
図4Aの紙面に垂直方向の寸法である。リングの内径によって規定されたキャビティの頂部及び底部は、
図2に示したように、端部フランジに近接して位置決めされる断熱プラグによって終端される。ボルトによって、端部フランジを高強度エンクロージャに取り付けることが可能である。キャビティの長さ対直径の比が、少なくとも2:1であり、より好ましくは、5:1〜15:1の範囲にあるべきである。
【0051】
カプセルの外径の種々の高さで温度を測定するために、組立前に、少なくとも1つの軸方向の凹部又は溝が、特定の半径方向位置でカプセルの外径に配置される。
図3及び
図4に示した例において、4つの凹部又は溝は、カプセルの外径に沿って90度に配置される。溝又は凹部は、カプセルの全高にわたって延びることが可能であるか、又はカプセルに沿った高さに終端することが可能であり、ここで温度測定が望まれる。溝又は凹部の幅及び深さは約0.025インチ〜0.130インチであり得る。熱電対の直径よりもわずかに大きな直径を有する孔が、一方又は両方の端部フランジに配置され得る。さらに、孔又は溝が、端部フランジとカプセルとを分離する少なくとも1つの断熱シリンダに配置され得る。カプセルをヒータに挿入した後に、熱電対を溝又は凹部に挿入し、次に、端部フランジを高強度エンクロージャ上に配置することが可能である。代わりに、端部フランジを配置する前に、1つ以上の熱電対を溝又は凹部に挿入し、端部フランジを配置する前に及び電気接続部を熱電対の自由端に取り付ける前に、自由端を端部フランジに配列してもよい。本発明の実施形態による方法のさらなる詳細について以下に説明する。
【0052】
特定の実施形態による方法について以下に簡単に概説する。
1.上記装置などの、しかし他のものであってもよい、高圧結晶成長又は材料処理用の装置を設けること。この装置は、第1の領域及び第2の領域、及びそれらの間に規定された長さを有する(例えば円筒形状の)カプセル領域と、そのカプセル領域を囲む環状加熱部材と、その環状加熱部材の周囲に連続的に配置された所定の厚さを有するセラミック又は金属又はサーメット製の少なくとも1つの連続的な環状部材と、その上に配置された高強度エンクロージャ材料とを備える。
2.溶剤を含むカプセルを設けること。
3.カプセル領域の内部領域内にカプセルを配置すること。
4.カプセルを熱エネルギーで処理して、カプセル内を、摂氏200度よりも高い温度に上昇させ、溶剤を過熱すること。
5.溶剤の過熱処理から結晶材料を形成すること。
6.カプセルから熱エネルギーを除去して、カプセルの温度を第1の温度から、それよりも低い第2の温度に変化させること。
7.高圧装置から第1のフランジ及び第2のフランジを取り外すこと。
8.油圧駆動力を用いて、機械部材をカプセル領域の第1の領域から第2の領域に向かって移動させて、カプセルをカプセル領域から移動させること。
9.カプセルを開けること。
10.結晶材料を取り出すこと。
11.所望に応じて、他のステップを実行すること。
【0053】
上記のステップの順序により、本発明の一実施形態による方法が行われる。特定の実施形態では、本発明は、構成された支持部材を有する高圧装置によって行われる方法と、結果として得られる結晶材料とを提供する。さらに、ステップが追加されるか、1つ以上のステップが排除されるか、又は1つ以上のステップが、異なる順序で行われる他の代替方法を、本明細書の特許請求の範囲から逸脱することなく行うことができる。本発明の方法及び構造の詳細は、本明細書全体にわたって、より詳しくは以下に見出すことができる。
【0054】
図5は、本発明の一実施形態による、超臨界流体を処理する方法の概略
図500である。この図面は実施例に過ぎず、本明細書の特許請求の範囲を不当に限定すべきではない。当業者ならば、他の変形例、修正例、及び代替例を理解するであろう。特定の実施形態では、本方法はステップ501の開始から始まる。さもなければ、本方法は、上記装置などの他のものであってもよい、高圧結晶又は材料処理用の装置を設ける(ステップ503)ことによって開始する。特定の実施形態では、この装置は、第1の領域及び第2の領域と、それらの間に規定された長さとを有するカプセル領域を有する。さらに、この装置は、カプセル領域を囲む環状加熱部材と、その周囲に連続的に配置された所定の厚さを有するセラミック又は金属又はサーメット製の少なくとも1つの連続的な環状部材と、その上に配置された高強度エンクロージャ材料とを有する。当然、他の変形例、修正例、及び代替例であってもよい。
【0055】
特定の実施形態では、本方法により、例えばアンモニアなどの溶剤を含むカプセルが設けられる(ステップ505)。特定の実施形態では、本方法により、溶剤と開始結晶とを含むカプセルがカプセル領域の内部領域内に配置される(ステップ507)。本方法により、カプセルが熱エネルギーで処理されて、カプセル内が、摂氏200度よりも高い温度に上昇し、溶剤が過熱される(ステップ509)。当然、他の変形例、修正例、及び代替例であってもよい。
【0056】
再び
図5を参照すると、本方法により、溶剤の過熱処理から結晶材料が形成される(ステップ511)。好ましい実施形態では、結晶材料は、GaN、AlGaN、InGaNなどの結晶を含むガリウム、及び他のものである。特定の実施形態では、本方法により、カプセルから熱エネルギーが除去されて、カプセルの温度が第1の温度から、それよりも低い第2の温度に変化させられる(ステップ513)。エネルギーが除去されて、温度が適切なレベルに低減されていると、本方法により、少なくともカプセルを所定位置に機械的に保持している1つ以上のフランジが取り外される(ステップ515)。好ましい実施形態では、本方法により、プランジャなどの機械部材が使用され、機械部材がカプセル領域の第1の領域から第2の領域に向かって油圧で移動されて(ステップ517)、カプセルがカプセル領域から移動されて本装置から解放される。
【0057】
特定の実施形態では、今やカプセルは本装置から解放されている。特定の実施形態では、カプセルが開かれる(ステップ519)。好ましい実施形態では、結晶材料がカプセルの内部領域から取り出される(ステップ521)。実施形態に応じて、挿入又は追加することができる他のステップを用いることもできるか、又はいくつかのステップを排除することもできる。特定の実施形態では、本方法はステップ523の停止で終了する。当然、他の変形例、修正例、及び代替例であってもよい。
【0058】
上記のステップの順序により、本発明の一実施形態による方法が行われる。特定の実施形態では、本発明は、構成された支持部材を有する高圧装置によって行われる方法と、結果として得られる結晶材料とを提供する。さらに、ステップが追加されるか、1つ以上のステップが排除されるか、又は1つ以上のステップが、異なる順序で行われる他の代替方法を、本明細書の特許請求の範囲から逸脱することなく行うことができる。
【0059】
特定の代替実施形態による方法について以下に簡単に概説する。
1.上記装置などの、しかし他のものであってもよい、高圧結晶又は材料処理用の装置を組み立てること。この装置は、第1の領域及び第2の領域、及びそれらの間に規定された長さを有するカプセル領域と、そのカプセル領域を囲む環状加熱部材と、その環状加熱部材の周囲に連続的に配置された所定の厚さを有するセラミック又は金属又はサーメット製の少なくとも1つの連続的な環状部材と、その上に配置された高強度エンクロージャ材料とを備える。
2.処理されるべき材料と溶剤とをカプセル内に設けること。
3.カプセル領域の内部領域内にカプセルを配置すること。
4.環状プラグ、端部キャップ、端部フランジを装置の端部上に配置すること。
5.少なくとも1つのファスナーを使用して、端部フランジを取り付けること。
6.電気エネルギーを加熱部材に与えて、カプセル内を、摂氏200度よりも高い温度に上昇させて、溶剤を過熱すること。
7.溶剤の過熱処理から結晶材料を形成すること。
8.カプセルから熱エネルギーを除去して、カプセルの温度を第1の温度から、それよりも低い第2の温度に変化させること。
9.高圧装置から第1のフランジ及び第2のフランジを取り外すこと。
10.油圧駆動力を用いて、機械部材をカプセル領域の第1の領域から第2の領域に向かって移動させて、カプセルをカプセル領域から移動させること。
11.カプセルを開けること。
12.結晶材料を取り出すこと。
13.所望に応じて、他のステップを実行すること。
【0060】
上記のステップの順序により、本発明の一実施形態による方法が行われる。特定の実施形態では、本発明は、構成された支持部材を有する高圧装置によって行われる方法と、結果として得られる結晶材料とを提供する。さらに、ステップが追加されるか、1つ以上のステップが排除されるか、又は1つ以上のステップが、異なる順序で行われる他の代替方法を、本明細書の特許請求の範囲から逸脱することなく行うことができる。本発明の方法及び構造の詳細は、本明細書全体にわたって、より詳しくは以下に見出すことができる。
【0061】
図6は、本発明の代替実施形態による、超臨界流体で材料を処理する代替方法の概略フローチャート600である。この図面は実施例に過ぎず、本明細書の特許請求の範囲を不当に限定すべきではない。当業者は、他の変形例、修正例、及び代替例を理解するであろう。特定の実施形態では、本方法はステップ601の開始から始まる。本方法は、上記装置などの、しかし他のものであってもよい、高圧結晶又は材料処理用の装置を組み立てる(ステップ603)ことによって開始する。特定の実施形態では、この装置は、第1の領域及び第2の領域と、それらの間に規定された長さとを有する(例えば円筒形状の)カプセル領域を有する。さらに、この装置は、カプセル領域を囲む環状加熱部材と、その周囲に連続的に配置された所定の厚さを有するセラミック又は金属又はサーメット製の少なくとも1つの連続的な環状部材とを有し、環状加熱部材と連続的な環状部材とがステップ605で共に組み立てられる。特定の実施形態では、カプセル、加熱部材、及び環状部材が、そのセラミック製の環状部材上に配置される高強度エンクロージャ材料に挿入される。当然、他の変形例、修正例、及び代替例であってもよい。
【0062】
特定の実施形態では、本方法により、処理されるべき材料を含む、例えばアンモニアなどの溶剤を含むカプセルが設けられる(ステップ607)。好ましい実施形態では、カプセルがシールされる(ステップ609)。特定の実施形態では、シールされるカプセル構造を形成するように、カプセル端部の各々が溶接及び/又はろう付けされる。特定の実施形態では、本方法により、溶剤と開始結晶とを含むカプセルをカプセル領域の内部領域内に配置する(ステップ611)ことによって、組立が行われる。好ましい実施形態では、本方法により、環状プラグ、端部キャップ、及び端部フランジが装置の端部の各々に配置される(ステップ613)。例えば
図2を参照されたい。好ましい実施形態では、1つのファスナー又は複数のファスナーによって端部フランジの各々が固定される。当然、他の変形例、修正例、及び代替例であってもよい。
【0063】
特定の実施形態では、本方法により、電力形態の電気エネルギーが加熱部材に与えられる(ステップ617)。加熱部材が、カプセルに熱エネルギーを与えて、所定のプロセス温度及びプロセス圧力にし、特定の実施形態によれば、溶剤を超臨界状態にする。本方法により、カプセルが熱エネルギーで処理されて、カプセル内が、摂氏200度よりも高い温度に上昇し、溶剤が過熱される。当然、他の変形例、修正例、及び代替例であってもよい。
【0064】
特定の実施形態では、本方法により、溶剤の過熱処理から結晶材料が形成される。好ましい実施形態では、結晶材料は、GaN、AlGaN、InGaNなどの結晶を含むガリウム、及び他のものである。特定の実施形態では、本方法により、カプセルから熱エネルギーが除去されて、カプセルの温度が第1の温度から、それよりも低い第2の温度に変化させられる。エネルギーが除去されて、温度が適切なレベルに低減されていると、本方法により、少なくともカプセルを所定位置に機械的に保持している1つ以上のフランジが取り外される。好ましい実施形態では、本方法により、プランジャなどの機械部材が使用され、機械部材がカプセル領域の第1の領域から第2の領域に向かって油圧で移動されて、カプセルがカプセル領域から移動されて本装置から解放される。
【0065】
特定の実施形態では、今やカプセルは本装置から解放されている。特定の実施形態では、カプセルが開かれる。好ましい実施形態では、結晶材料がカプセルの内部領域から取り出される。実施形態に応じて、挿入又は追加することができる他のステップを用いることもできるか、又はいくつかのステップを排除することもできる。特定の実施形態では、本方法はステップ619の停止で終了する。当然、他の変形例、修正例、及び代替例であってもよい。
【0066】
上記のステップの順序により、本発明の一実施形態による方法が行われる。特定の実施形態では、本発明は、構成された支持部材を有する高圧装置によって行われる方法と、結果として得られる結晶材料とを提供する。さらに、ステップが追加されるか、1つ以上のステップが排除されるか、又は1つ以上のステップが、異なる順序で行われる他の代替方法を、本明細書の特許請求の範囲から逸脱することなく行うことができる。
【0067】
上記のものは特定の実施形態の完全な説明であるが、種々の修正例、代替構造及び等価物を使用することが可能である。したがって、上記説明及び図面は、添付された特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲を限定するものとして考慮されるべきではない。